以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る用紙処理装置、その制御方法及び画像形成システムについて説明をする。
図1は、本発明に係るコイル成形機を応用した実施形態としての用紙処理装置100の構成例を示す斜視図である。用紙処理装置100は、線材カートリッジ10、コイル成形機構20、繋ぎ部30及びバインド機構40を備えて構成され、用紙束3に螺旋状のコイル(以下螺旋コイル11という)を巻き付けて綴じるものであり、コイルバインド装置を構成する。
線材カートリッジ10は線材供給部の機能を構成し、螺旋コイル11を成形するための線材を巻き付けたものである。線材カートリッジ10は線材1(消耗品)を巻き付けるためのドラム12を有している。ドラム12は携行(持ち運び)可能なボビン12aを有しており、ボビン12aには、巻き軸12bや装着用の開口部12dが設けられる。
ドラム12には、例えば、鉄芯ビニール被覆線が500乃至1000m程度を巻き付けられる。線材1の径は、0.8〜1.2mm程度である。線材1の消費量は用紙の大きさがA版で、パンチ孔が49個である場合であって、コイル径=直径14mmの大径コイルで2.1m程度である。同様にして、コイル径=直径11mmの中径コイルで1.6m程度である。コイル径=直径8mmの小径コイルで1.2m程度である。
線材カートリッジ10の下流側にはコイル成形機構20が設けられ、設定されたコイル径で用紙束3綴じ用の螺旋コイル11を成形するように動作する。コイル成形機構20には、本発明に係るコイル成形機が応用される。コイル成形機構20は、コイル成形部28や、モータ701,702等を有してコイル径設定や、線材の送り機構を駆動するようになされる。この例では、3種類のコイル径、直径14mmの大径コイル、直径11mmの中径コイル及び直径8mmの小径コイルを成形できるようになっている。コイル成形機構20の下流側には繋ぎ部30が設けられ、予め設定されたコイル径に対応して成形された螺旋コイル11をバインド機構40へ導くように案内動作する。
繋ぎ部30の下流側にはバインド機構40が設けられ、コイル成形機構20で成形された所定コイル径の螺旋コイル11を繋ぎ部30を介して引き入れ、用紙束3に螺旋コイル11を巻き付けて綴じるようになされる。バインド機構40は、送りローラ31や、可動調整側の螺旋ガイド49、モータ703,704等を有してコイル径に対応する送りローラ31や、螺旋ガイド49等の位置設定及び送りローラ31を駆動するようになされる。
螺旋ガイド49の上流側には、カット&折り曲げ機構75が設けられ、用紙束3へ挿通した螺旋コイル11の端部を切断した後に端部を折り曲げるようになされる。このように用紙処理装置100を構成すると、螺旋コイル11で用紙束3を巻綴じ処理した冊子を作成できるようになる。
続いて、本発明に係る用紙処理方法について説明する。図2A〜Cは、用紙処理装置100の機能例を示す工程図である。
図2Aに示す用紙束3は、当該用紙処理装置100に適用されるものであり、用紙の所定の位置にパンチ孔3aが既に開孔されているものである。コイルバインド時には、用紙束3のパンチ孔3aの開口位置を揃えてから綴じ処理するようになされる。パンチ孔3aは、自動パンチ処理により所定のピッチで開孔されたものや、手動のパンチャーで所定のピッチで開口したものであってもよい。パンチ孔3aの配置ピッチが、コイル成形ピッチに合致するものであれば、どちらの方法でパンチ孔3aを開孔したものであってもよい。
次に、図2Bに示す綴じ工程によれば、当該用紙処理装置100でリアルタイムに作成した螺旋コイル11で用紙束3を綴じ処理するようになされる。この例では、図1に示したコイル成形機構20で作成された螺旋コイル11を繋ぎ部30及びバインド機構40で協調して用紙束3のパンチ孔3aへ挿入し巻き付けるようになされる。そして、螺旋コイル11の後端がカットされ、その先端とカット後の端部とが折り曲げられる。これにより、螺旋コイル11が巻き込まれた、図2Cに示すような冊子90を得ることができる。
図3は、コイル成形機構20の構成例を示す斜視図である。図3に示すコイル成形機構20は、用紙束3綴じ用の螺旋コイル11を成形するものであり、本体部21、線材送り機構22、コイル成形部28及びピッチ調整機構29を有して構成され、例えば、図1に示した所定のドラム12から繰り出される線材1に基づいて螺旋コイル11を作成する。
本体部21は、凸形状の基板21a及び矩形状の基板21b(図中一部を破断して図示)を有して構成される。基板21a及び21bは所定の厚みを有した金属板から構成され、いずれも立設姿勢で使用される。金属板には例えば、鉄板やアルミニウム板等が用いられる。
本体部21には線材送出部の機能を構成する線材送り機構22が取り付けられる。線材送り機構22は、線材押込み用の送りローラ23a,23b、線材挿入ガイド部26及び線材押出ガイド部27を有している。
線材挿入ガイド部26は送りローラ23a,23bの上流側に配置され、線材挿入ガイド部26には、線材挿入口274が設けられ、線材1を挿入(供給)するようになされる。線材挿入口274は、線材1が供給される部分であり、1本の線材1が進入可能な開口部を成している。線材1には鉄芯ビニール被覆線が使用される。もちろん、これに限られることはなく、線材1にはアルミニウム線やアルミ芯メッキ線、鉄芯メッキ線等を使用してもよい。
送りローラ23a,23bは、線材挿入ガイド部26と線材押出ガイド部27との間に備えられている。送りローラ23a,23bは、線材1の径に合わせたアール溝(略円弧状の曲面断面を備えた溝)を有している。送りローラ23aは大径ギア232を有し、送りローラ23bは大径ギア236を各々有している。
送りローラ23a,23bの下流側には線材押出ガイド部27が設けられ、線材挿入口274から挿入された線材1をコイル成形部28へ導く(供給する)ようになされる。線材押出ガイド部27はピッチ微調整ブロック装着用の開口部273を有している。このように線材送り機構22を構成すると、所定の太さの線材1を送りローラ23a,23bのアール溝(曲面)でフィットさせることができるので、当該線材1に傷を付けることなく、かつ、線材1が滑ることなく、当該線材1を線材挿入ガイド部26から線材押出ガイド部27を介してコイル成形部28へ押し込むことができる。
送りローラ23a,23bは、駆動部を構成する減速用の上下連動型の大径ギア24a及び24bを介して回転するようになされる。大径ギア24aにはモータギア25が噛合される。モータギア25はモータ702の軸に取り付けられる。下部用の大径ギア24aと上部用の大径ギア24bとは外周部で歯車が噛合される。大径ギア24aは、小径ギア24cを有している。
小径ギア24cは送りローラ23aの大径ギア232に噛合される。大径ギア24bは、小径ギア24dを有している。小径ギア24dは送りローラ23bの大径ギア236に噛合される。この例で、モータ702が回転すると、モータギア25を介して大径ギア24a、24bが回転するので、小径ギア24c,24dを介して下部の送りローラ23a及び上部の送りローラ23bが回転する。
線材送り機構22が備えられた本体部21には、コイル成形部28が取り付けられる。この例で、コイル成形部28は選定機構28’を有している。選定機構28’には成形アダプタ28aが設けられる。成形アダプタ28aは、本体部21に対して回動自在に取り付けられ、3個の円弧状部#φ14,#φ11,#φ8の中から1つの円弧状部が選択可能になされる。
ここに円弧状部#φ14は、コイル径=直径14mmの大径コイルを成形する内形であり、同様にして、円弧状部#φ11はコイル径=直径11mmの中径コイルを成形する内形であり、円弧状部#φ8は、コイル径=直径8mmの小径コイルを成形する内形を成している。
各々の円弧状部#φ14,#φ11,#φ8は、線材進入時の拾い込み機能を有している。例えば、線材1を異なった大きさの円弧状部#φ14,#φ11,#φ8の内側に沿うように当接させることで、コイル径=直径14mmや、llmm、8mm等を設定するようになされる。この例では、線材1を芯材に巻き付ける構造を採らないので、従来方式に比べて部品交換等の作業を必要とせずにコイル成形機の構造を簡素化できるようになった。
成形アダプタ28aにはコイル径設定用のモータ701が接続され、3個の円弧状部#φ14,#φ11,#φ8の中から1つの円弧状部を選択するように駆動される。モータ701にはステッピングモータが使用される。上述の線材送り機構22はモータ701によって選択された、例えば、円弧状部#φ14に所定の太さの線材1を線材挿入口274から当該円弧状部#φ14に当接するように送り出す。
本体部21には、上述の成形アダプタ28aの端部を挟むようにピッチ調整機構29が設けられ、モータ701によって選択された、例えば、円弧状部#φ14によって成形され、かつ、当該円弧状部#φ14から繰り出される螺旋コイル11のピッチを調整するようになされる。ピッチ調整機構29は、線材押出ガイド部27の開口部273に連接して設けられたコイル排出口296を有している。
図4及び図5は、コイル成形機構20の組立例(その1、2)を示す斜視図である。この例で、コイル成形機構20を構成する線材送り機構22とコイル成形部28の2つに分けて説明する。
図4に示すコイル成形機構20によれば、その前半部分は本体部21に線材送り機構22が取り付けられて構成される。本体部21は凸状の基板21aと矩形状の基板21bを有して構成される。基板21aは、軸孔212,213,220及びモータ取付け用の孔206を有しており、基板21bは、軸孔212,213及び点検用の長孔216,217を有している。
線材送り機構22は、長手コ字状のUフレーム22aを有している。Uフレーム22aは、例えば、長方形状の鉄板をコ字状に折り曲げ加工して形成される。Uフレーム22aは、その側面下部に軸孔221,221を有し、その上部側面に軸孔222,222を有し、その上部天板面にボルト挿入用の係合孔223を各々有している。
長手コ字状のUフレーム22aの上部には、短手コ字状のUフレーム22cが取り付けられる。Uフレーム22cは、例えば、長方形状の鉄板をコ字状に折り曲げ加工して形成される。Uフレーム22cは、その側面下部に軸孔224,224を有し、その上部天板面にボルト挿入用の係合孔225を各々有している。
係合孔225にはUフレーム22aの係合孔223を介してボルト22bが挿入され、ボルト22bには座金(ワッシャ)22d、コイルバネ22e,座金(ワッシャ)22fが嵌合されてナット22gで固定するようになされる。
線材送り機構22は、円形状の送りローラ23a,23bを有している。送りローラ23aは、本体部231及び軸孔233を有しており、本体部231の外周部位に大径ギア232を有している。大径ギア232には隣接してアール(R)溝234(略円弧状の曲面断面の溝)が設けられている。同様にして、送りローラ23bは、本体部235及び軸孔237を有しており、本体部235の外周部位に大径ギア236を有している。大径ギア236には隣接してアール溝238が設けられている。
大径ギア232のアール溝234及び大径ギア236のアール(R)溝238は、線材1の外径に合わせて形成される。このようにすると大径ギア232及び236が線材1の外周を包み込むようにして線材1を送ることができるので、大径ギア232及び236をV溝で構成する場合に比べて、安定してコイル成形を実行できるようになる。
送りローラ23aはUフレーム22aのコ字状部位の下部に挿入され、Uフレーム22aの軸孔221を介して下部の軸ピン22hで回転自在に取り付けられる。軸ピン22hの両端部は、リング溝加工がなされている。
送りローラ23bはUフレーム22aのコ字状部位の上部に挿入され、Uフレーム22cの軸孔224、Uフレーム22aの軸孔222を介して上部の軸ピン22iで回転自在に取り付けられる。軸ピン22iの両端部は、軸ピン22hと同様にしてリング溝加工がなされている。線材送り機構22はその軸ピン22hの両端部が基板21aの軸孔213、基板21bの軸孔213に嵌合され、そのリング溝には図示しないC型リングバネが固定(抜け止め)される。その軸ピン22iの両端部は、基板21aの軸孔212、基板21bの軸孔212に嵌合され、そのリング溝には図示しないC型リングバネが固定される。
線材送り機構22は駆動部を構成する減速用の上下連動型の大径ギア24a及び24bを有している。下部用の大径ギア24aと上部用の大径ギア24bとは外周部でギアが噛合する。大径ギア24aは、小径ギア24c及び軸孔241を有している。大径ギア24aは基板21aと基板21bとの間に挿入され、基板21bの軸孔214を介して軸ピン24eで軸孔241、基板21aの軸孔214に至り回転自在に取り付けられる。軸ピン24eの両端部も、リング溝加工がなされている。小径ギア24cは送りローラ23aの大径ギア232に噛合される。
また、大径ギア24bは、小径ギア24d及び軸孔242を有している。大径ギア24bは大径ギア24aの上部であって、基板21aと基板21bとの間に挿入され、基板21bの軸孔215を介して軸ピン24fで軸孔242、基板21aの軸孔215に至り回転自在に取り付けられる。軸ピン24fの両端部も、リング溝加工がなされている。小径ギア24dは送りローラ23bの大径ギア236に噛合する。上述の大径ギア24aにはモータギア25が噛合する。モータギア25は、基板21aの軸孔220を介してモータ702に接続される(図1参照)。モータ702は、基板21aのモータ取付け用の孔206を利用して取り付けられる。
送りローラ23a,23bの一方の側には線材挿入ガイド部26が設けられ、送りローラ23a、送りローラ23bの他方の側には線材押出ガイド部27が設けられる。上述のモータギア25は図1に示したモータ702の軸に取り付けられる。モータ702が回転すると、モータギア25を介して大径ギア24aが回転すると共に、大径ギア24bが回転する。大径ギア24aが回転すると、その小径ギア24cが大径ギア232を介して送りローラ23aを回転する。これと共に、大径ギア24bが回転すると、その小径ギア24dが大径ギア236を介して送りローラ23bを回転する。これにより、アール溝234,238に挟まれた線材1を送り出すことができる(図1参照)。
線材1は線材挿入ガイド部26から引き入れられ、送りローラ23a,23bで押し出され、線材押出ガイド部27に挿入され、図5に示す成形アダプタ28aの円弧状部#φ14,#φ11又は#φ8の1つへ当接される。
図5に示すコイル成形機構20によれば、図4に示した本体部21にその後半部分のコイル成形部28及びピッチ調整機構29が取り付けられて構成される。
図5に示す線材挿入ガイド部26は、ガイド基板26a,26b,26c及び26dを有して構成される。ガイド基板26a,26bは、剣先状の金属板から構成される。剣先状部位は、送りローラ23a,23bの外形円弧状を反映して形成されたものである。ガイド基板26a,26bは取り付け用の4個の孔部271を各々有している。ガイド基板26c及び26dは、線材の径よりもやや大きめに設定した厚みを有している。ガイド基板26c及び26dには、取り付け用の孔部271が各々2個ずつ設けられている。ガイド基板26c及び26dは、ガイド基板26aや26b等を長手方向に半裁した大きさよりもやや小さめに設定した大きさを成している。
線材挿入ガイド部26は、ガイド基板26aとガイド基板26bとでガイド基板26c及び26dを挟み込むように組み立てられる。この例では、線材1の挿入路を確保するために、ガイド基板26c及び26dの長手方向が相互に対峙され、線材1の径よりもやや大きめの隙間が設定される。この状態で、図示しない取付ビスがガイド基板26bの4個の孔部271と、ガイド基板26c及び26dの2個づつの孔部271と、ガイド基板26aの4個の孔部271とを介して基板21aの4個のビス孔201に各々取り付けられる。これにより、線材挿入ガイド部26を基板21aに固定することができる。
線材押出ガイド部27は、ガイド基板27a,27b,27c及び27dを有して構成される。ガイド基板27a,27bは、線材挿入ガイド部26よりも短めの剣先状の金属板から構成される。剣先状部位は、線材挿入ガイド部26と同様な理由で形成されたものである。ガイド基板27a,27bは取り付け用の4個の孔部272を各々有している。更に、ガイド基板27a,27bの剣先状部位の反対側の所定の位置には、矩形状の開口部273が設けられている。
ガイド基板27c及び27dは、線材1の径よりもやや大きめに設定した厚みを有している。ガイド基板27c及び27dには、取り付け用の孔部272が各々2個ずつ設けられている。ガイド基板27c及び27dは、ガイド基板27a,27bを長手方向に半裁した大きさよりもやや小さめに設定した大きさを成している。ガイド基板27c及び27dの剣先状部位の反対側には、矩形状の開口部273が設けられている。この例で、ガイド基板27cの矩形状の開口部273は無くてもよいが、ガイド基板27cと、ガイド基板27dとで部品の互換性を持たせている。
線材押出ガイド部27は、ガイド基板27aとガイド基板27bとでガイド基板27c,27dを挟み込むように組み立てられる。この例では、線材の押出路を確保するために、ガイド基板26c,26dと同様にしてガイド基板27c,27dの長手方向が相互に対峙され、線材1の径よりもやや大きめの隙間が設定される。更に、ガイド基板27aの開口部273とガイド基板27dの開口部273とガイド基板27bの開口部273とが一致するように位置合わせされた状態となされる。この状態で、図示しない取付ビスがガイド基板27bの4個の孔部272と、ガイド基板27c,27dの2個づつの孔部272と、ガイド基板27aの4個の孔部272とを介して基板21aの4個のビス孔202に各々取り付けられる。これにより、線材押出ガイド部27を基板21aに固定することができる。
上述の基板21aにはピン孔205、長孔218及び長孔219が設けられ、これらの孔を利用してコイル成形部28が取り付けられる。コイル成形部28は成形アダプタ28a、Uフレーム28b及び係合ピン28dを有して構成される。成形アダプタ28aは図5に示す形状の本体部281に軸係合孔282、ピン係合孔283〜285を有し、かつ、コイル径設定用の切り欠き部#φ14,#φ11及び#φ8を有したものが使用される。例えば、成形アダプタ28aは、円形状の金属製の本体部281の外周部位を異なる大きさに切り欠いて、3個の半月状の円弧状部#φ14,#φ11,#φ8が形成される。
Uフレーム28bは長手コ字状の本体部289を有している。本体部289には本体固定用のピン孔286、軸孔287及び成形アダプタ28aの固定用のピン孔288が設けられている。この例では、成形アダプタ28aをUフレーム28bの間に挿入した状態で、Uフレーム28bが基板21aに取り付けられる。例えば、モータ軸取り付け用の回転軸28cをUフレーム28bの一方の軸孔287に挿入し、更に、軸係合孔282に嵌合し、次に基板21aの長孔219に挿入し、その後、Uフレーム28bの他方の軸孔287に挿入する。係合ピン28dは、ピン孔286、基板21aの長孔218に挿通され両端部がC型クランプ部材により固定される。
回転軸28cの一端はUフレーム28bの外側で抜け止めされ、その他端は、例えば、基板21aの外側で、図1に示したようなモータ701の軸に取り付けられる。モータ701は、コイル径設定用の3個の円弧状部#φ14,#φ11,#φ8の中から1つの円弧状部を選択する。これにより、本体部21に対して回動自在に取り付けられた成形アダプタ28aを有する選定機構28’を構成することができる。
また、固定用のピン28eはUフレーム28bの一方のピン孔288に挿入され、更に、成形アダプタ28aのピン係合孔283〜285のいずれかに挿入され、次に、基板21aのピン孔205に挿入され、更に、Uフレーム28bの他方のピン孔288に挿入される。固定用のピン28eは抜き差し自在になされる。例えば、ピン28eにソレノイドが取り付けられ、コイル径設定用の円弧状部#φ14,#φ11又は#φ8の選定時にピン28eがフリーになされ、コイル径が選定された時点で、ピン28eをピン孔205及びピン孔288に挿入して成形アダプタ28aをロックするようになされる。なお、ピン28eを抜くことで成形アダプタ28aはUフレーム28bと一体で長孔218,219に沿って移動することが可能となり、コイル径の変更が容易となる。
上述の基板21aにはコイル成形部28の他にピッチ調整機構29が取り付けられる。上述の基板21aにはピッチ調整機構取付用の開口部203及びビス孔204が設けられる。ピッチ調整機構29は、カバー基板29a、ガイド基板29b、ピッチ微調整用のブロック(以下微調整部という)29c及び調整基板29dを有して構成される。カバー基板29aは、所定の厚みの長方形状の板金から構成され、所定の位置に2個の取付け用のビス孔291,291を有している。カバー基板29aは所定の位置に、コイルピッチ微調整用のビス孔294が設けられている。
ガイド基板29bは、カバー基板29aと同じ大きさ、及び、厚みの長方形状の板金から構成され、所定の位置に2個のビス孔292,292を有している。ガイド基板29bは、所定の位置に矩形状の開口部293を有している。開口部293には、微調整部29cが嵌合される。開口部293は、カバー基板29aのビス孔294が見える位置に配置される。これは、ビス孔294に係合される図示しない微調整用のネジ(雄ネジ)により、微調整部29cを移動するためである。
調整基板29dは、カバー基板29aやガイド基板29bとほぼ同じ大きさの長方形状の板金から構成され、その厚みは、カバー基板29aやガイド基板29b等よりも厚い部材で構成される。この例で調整基板29dは、線材押出ガイド部27の開口部273を覆うような凹部を有している。
調整基板29dは、コイル排出口296及び係合用のビス孔297を有している。コイル排出口296は、微調整部29cを挿入する矩形状の開口部と、三日月状の開口部とを一体化した略「し」字状を成している。この例では、コイル径=直径8mmや、llmm、14mm等の螺旋コイル11をコイル排出口296から繰り出すようになされる。
上述の微調整部29cは、ピッチ調整補正部の機能を構成し、螺旋コイル11の排出位置を調整するようになされる。微調整部29cは、例えば、所定の厚みを有した長方形状を成しており、ガイド基板29bの開口部293、基板21aの開口部203、線材押出ガイド部27の開口部273及び調整基板29dのコイル排出口296の間を移動可能なように組み立てられる。
開口部293,203,273,296は微調整部29cが移動可能な空洞部位(トンネル)を構成する。この空洞部位は、螺旋コイル11の搬送方向で、微調整部29cを前後に移動可能とすることにより、コイルピッチを微調整できるように設けたものである。これにより、ピッチ調整機構29によって調整される螺旋コイル11のピッチを所定の太さの線材1の抗張力に対応して微調整部29cにより補正できるようになる。
この略「し」字状のコイル排出口296の上部であって、調整基板29dには段付きのピッチ調整部29eが取り付けられる。ピッチ調整部29eは所定の厚みを有した長方形状の板金部材の一角(隅)に送出ガイド部298を有している。送出ガイド部298は、コイル径=直径8mmや、llmm、14mm等の複数種類の螺旋コイル11が沿うような1/4円弧の段差状を成している。ピッチ調整部29eはビス孔299を有している。ピッチ調整部29eはそのビス孔299を介して図示しない雄ネジにより調整基板29dのビス孔297に取り付けられる。
調整基板29dは所定の位置に係合用の2個のビス孔295を有している。調整基板29dは、図示しないボルトをビス孔295、基板21aのビス孔204、ガイド基板29bのビス孔292及びカバー基板29aのビス孔291を介して挿入され、カバー基板29aの外側でナット等により締め付けられて基板21aに固定される。他のビス孔295についても同様に固定される。これにより、ピッチ調整機構29を基板21aに組み入れることができる。
なお、基板21aの4個のビス孔201及び4個のビス孔202は、当該基板21aにタップを立てて雌ねじを作成した例を示している。もちろん、これに限られることはなく、基板21aの十分な板厚が確保できない場合は、鉄板ビスや、ボルト・ナットで線材挿入ガイド部26,線材押出ガイド部27を固定するようにしてもよい。
また、図4に示した基板21aと基板21bとは、4個のスペース部材21c(図中では1個のみ示す)を介して取り付けられる。例えば、基板21aの所定の位置に設けられた4個のネジ孔211と、基板21bの所定の位置に設けられた4個のネジ孔211との間に、図中に示すようなスペース部材21cを挟み込み、図示しないネジで固定する。スペース部材21cに雌ネジを設けた場合は、その雌ネジに図示しない雄ネジで固定するようになされる。スペース部材21cにパイプ状のものを使用した場合は、その長めのボルトをパイプ状のスペース部材を介して基板21aから基板21bへ通して、基板21aと基板21bとを固定するようになされる。これらにより、コイル成形機構20を組み立てることができる。
続いて、本発明に係るコイル成形例について説明する。図6〜図10は、コイル成形例(その1〜5)を説明する工程図である。図6〜図9において、同図(B)は同図(A)のA−A矢視断面図を各々示している。
この例では、各々の円弧状部#φ8,#φ11,#φ14は、線材進入時の拾い込み機能を有しており、コイル成形部28において、成形アダプタ28aの中の円弧状部#φ8が選定されている場合を例に挙げる。
図6Aに示す線材押出ガイド部27から押し出された線材1は、同図に示す成形アダプタ28aの円弧状部#φ8に当接される。このとき、線材1は図6Bに示す円弧状部#φ8の下端部に当接される。この下端部は、直径8mmの円を描く際の開始端となされる。
更に、送りローラ機構22を介して線材押出ガイド部27から線材1を押し出すと、図7Aに示す線材1は、成形アダプタ28aの円弧状部#φ8の内側に沿って回転するように進行する。このとき、線材1は図7Bに示す円弧状部#φ8の円弧に沿うことにより、その姿態を螺旋状に変化する。この時点の線材1の進行方向は、その挿入方向とほぼ反転する方向となる。
更に、送りローラ機構22を介して線材押出ガイド部27から線材1を押し出すと、図8Aに示す線材1は、成形アダプタ28aの円弧状部#φ8の内側に沿って回転し、当該円弧状部#φ8によって螺旋状に変化した線材1の先端部が、図8Bに示す微調整部29cの先端に規制され、その進行方向を変更する。
このとき、微調整部29cは、螺旋コイル11の排出位置を調整するようになされる。この例では、カバー基板29aの雌ネジ294に螺合された、図示しないピッチ微調整補正用の雄ネジが調整され、この雄ネジの先端で微調整部29cを押出すようにする。微調整部29cは、図5に示した開口部293,203,273,296から構成される空洞部位内を移動する。この例で、所定の太さの線材1の抗張力が強い場合は、微調整部29cを調整して螺旋コイル11のピッチを広げるように補正する。反対に、所定の太さの線材1の抗張力が弱い場合は、螺旋コイル11のピッチを狭くするように補正する。
これにより、コイルピッチを微調整できるようになる。従って、ピッチ調整機構29によって調整される螺旋コイル11a等のピッチを所定の太さの線材1の抗張力に対応して微調整部29cにより補正できるようになる。この結果、螺旋コイル11のピッチを微調整できるようになる(ピッチ調整補正部)。
このコイル成形機構20では、線材1の進行方向(挿入方向)と直交する方向(以下コイル排出方向という)に螺旋コイル11aが排出される。更に、送りローラ機構22を介して線材押出ガイド部27から線材1を押し出すと、図9Aに示す線材1は、調整基板29dのコイル排出口296から回転し(円形を描き)ながら、コイル排出方向へ排出されるようになる。このとき、螺旋状に容姿を変えた線材1が螺旋コイル11aとなる。その先端部は、図9Bに示すピッチ調整部29eの送出ガイド部298に移行する。このとき、螺旋コイル11aは、送出ガイド部298のコイル径=直径8mm用の1/4円弧段差状に沿うようになる。
これにより、図10Aに示すコイル排出口296からコイル径=直径8mmの螺旋コイル11aを排出できるようになる。なお、成形アダプタ28aで円弧状部#φ11が選定された場合には、送出ガイド部298のコイル径=直径11mm用の1/4円弧段差状に沿って、図10Bに示すコイル排出口296からコイル径=直径11mmの螺旋コイル11bを排出できるようになる。同様にして、成形アダプタ28aで円弧状部#φ14が選定された場合には、送出ガイド部298のコイル径=直径14mm用の1/4円弧段差状に沿って、図10Cに示すコイル排出口296からコイル径=直径14mmの螺旋コイル11cを排出できるようになる。こうすることで、コイルピッチを略一定とすることができる。
このように、コイル成形機構20では、線材1を芯材に巻き付ける構造を採らないので、従来方式に比べてコイル成形構造を簡素化できるようになった。また、ピッチ調整機構29において、ピッチ調整部29eに送出ガイド部298を備えるようにしたので、調整基板29dのコイル排出口296から送出ガイド部298に沿って螺旋コイル11を送出できるようになった。しかも、コイル径が変わってもピッチが変わらない螺旋コイル11a,11b,11c等を再現性良く成形できるようになった。従って、用紙束3のパンチ孔ピッチ(製本ピッチ)に螺旋コイル11のピッチを合致させて綴じ処理する用紙処理装置100を提供できるようになった。
続いて、図11を参照して、バインド機構40の構成例について説明をする。図11は、バインド機構40の構成例を示す斜視図である。
図11に示すバインド機構40は、綴じ機構の一例を構成し、コイル成形機構20により成形された螺旋コイル11を受け取って、当該バインド機構40に設置された用紙束3のパンチ孔3aに当該螺旋コイル11を案内して挿通する機能を有する。この機能を実現するために、バインド機構40は、送りローラ31、本体シャーシ部40c、用紙揃えガイド41、側面板43a,43b、用紙クランプ45、用紙載置台46、用紙当接ピン46d(図16B、図19参照)、螺旋調整用のガイド(以下螺旋ガイドという)49、カット&折り曲げ機構75及びモータ703,704を備える。
バインド機構40の外形は、本体シャーシ部40cを略水平に配置し、この本体シャーシ部40cの所定の位置、例えば、その右側に側面板43aとその左側に側面板43bとが所定の間隔を開け、かつ対峙して垂直に取り付けられている。側面板43aと側面板43bとは、略同じ形状である。この側面板43aと側面板43bとの間には、用紙揃えガイド41、用紙クランプ45、用紙載置台46及び用紙当接ピン46d(図16B、図19参照)が配置されている。
これらの用紙載置台46、用紙揃えガイド41及び用紙当接ピン46dは、パンチ孔3aを有した複数の各々の用紙Pを所定位置に揃え込み、用紙クランプ45は、用紙束3をクランプするようになされる。この例で、用紙載置台46は所定の厚みを有しており、側面板43a,43bで挟まれた本体シャーシ部40c上に設置されている。
用紙当接ピン46dは第1の用紙揃え部の一例を構成し、用紙載置台46の固定側の螺旋ガイド46aの先端部に取り付けられ、用紙載置台46に載せられた用紙束3の各用紙Pのパンチ孔側端部を揃えるように規制する。
用紙揃えガイド41は第2の用紙揃え部の一例を構成し、用紙載置台46の一方の側に取り付けられている。この例で、用紙Pにおいてパンチ孔3aが穿孔された部位をその先端部とし、この先端部に直交する向きの当該用紙Pの部位を側端部3bとしたとき、用紙揃えガイド41は、用紙当接ピン46dにより規制された用紙載置台46上の用紙束3の各用紙Pの側端部3bを揃えるように規制する。
用紙クランプ45は、用紙受け入れ側が支持棒44により支持され、当該支持棒44が側面板43a,43bに取り付けられている。また、用紙クランプ45は、用紙受け入れ側に対峙する用紙押さえ側が、リンク棒39により上下動自在に側面板43a,43bに取り付けられている。例えば用紙Pが用紙載置台46に進入したときに、用紙クランプ45は、支持棒44を回転軸にしてリンク棒39を上方向(反鉛直方向)に移動し、用紙進入後、リンク棒39を下方向(鉛直方向)に移動して当該用紙Pをクランプする。
なお、用紙Pが用紙載置台46に進入する場合、例えば、用紙Pの先端と横端を基準位置に揃えるための多櫂状の回転部材(図示せず)を用いるとよい。このような回転部材を適用することにより、用紙Pを回転方向に付勢することができる。これにより、パンチ孔3aを有した用紙Pの側端部3bが用紙揃えガイド41に突き当たると共に、用紙Pのパンチ孔3aの側が用紙当接ピン46dに突き当たるので、当該用紙Pを基準位置に揃えることができる。
この例で、側面板43aの左下方の所定の位置には、駆動部の一例として機能するモータ703が取り付けられる。モータ703の駆動軸には歯車33aが結合され、この歯車33aにはガイド切替カム34aが係合され、このガイド切替カム34aには、回転案内部の一例として機能する送りローラ31、及び当接案内部の一例を構成する螺旋ガイド49の一端が係合されている。
螺旋ガイド49は、ガイド切替カム34a,34bに設けられた湾曲カム長孔35a,35bと、側面板43a,43bに設けられた水平長孔82a,82b(図13参照)とで動きが規制されている。ガイド切替カム34a,34bを回転することにより、螺旋ガイド49は、水平長孔82a,82bにより移動方向が水平方向に規制され、湾曲カム長孔35a,35bのカム面に沿って前後に移動する。
送りローラ31は、押込みローラ31a及び拾込みローラ31bから構成される。押込みローラ31aは、右側の側面板43aと左側の側面板43bとの間に回転自在に支持されている。押込みローラ31aは螺旋コイル11の進行方向に沿って設けられ、右側及び左側の側面板43a,43bを橋架するように取り付けられる。
送りローラ31は、ガイド切替カム34a,34bに設けられたカム長孔37a,37bと、側面板43a,43bに設けられた第2の垂直長孔80a,80b(図13参照)とで動きが規制されている。送りローラ31は、当該送りローラ31の先端に取り付けられた従動プーリ36bに装着されたベルト36dにより常に鉛直方向に力が加わっている。ガイド切替カム34a,34bを回転することにより、送りローラ31は、垂直長孔80a,80bにより移動方向が垂直方向に規制された状態で、カム長孔37a,37bのカム面に沿って上下動する。
また、歯車33aの軸心には、四角リンク棒42の一端が結合されている。この四角リンク棒42の他端には、歯車33bの軸心が結合され、この歯車33bにはガイド切替カム34bが係合され、このガイド切替カム34bには、送りローラ31及び螺旋ガイド49の他端が係合されている。
この例では、モータ703を回転すると、歯車33a,33bを介してガイド切替カム34a,34bが回転される。このガイド切替カム34a,34bが回転することで、ガイド切替カム34a,34bに両端が係合された送りローラ31及び螺旋ガイド49の位置が調整される。
また、側面板43aの右下方の所定の位置には、駆動部の一例として機能するモータ704が取り付けられる。モータ704の駆動軸には、プーリ36aが結合されており、プーリ36aにはベルト36dが装着されている。このベルト36dは従動プーリ36b及び36cに装着されている。従動プーリ36bには、送りローラ31が結合されている。モータ704が回転することにより、モータ704の駆動軸に結合されたプーリ36aが回転し、プーリ36aに装着されたベルト36dが回転して、従動プーリ36bが回転する。これにより、従動プーリ36bに結合された送りローラ31が回転する。
送りローラ31は、用紙載置台46に載置された用紙束3のパンチ孔3aに向かって螺旋コイル11を回転させながら送り出し、かつ、当該用紙束3のパンチ孔3aに当該螺旋コイル11を案内する。例えば、送りローラ31は、円柱形状の押込みローラ31a及び回転軸棒31cから構成され、螺旋コイル11に接触されて、当該螺旋コイル11を一定の方向に回転するようになされる。
この押込みローラ31aは回転部材の一例を構成し、回転軸棒31cに取り付けられる。この押込みローラ31aは、用紙Pのパンチ孔3aの部位に係る用紙Pの一辺を用紙長としたとき、この用紙長以上の長さを有している。なお、用紙長と略同等の長さであれば、多少用紙長以下であっても良い。押込みローラ31aは側面板43a,43bに挟まれた状態で設置され、繋ぎ部30の拾込みガイドローラ31bから受け取った螺旋コイル11を用紙Pのパンチ孔3aに案内する。
例えば、押込みローラ31aは、螺旋コイル11の外周面の一部に当接して、当該螺旋コイル11を用紙載置台46に押し当てながら回転して案内する。なお、押込みローラ31a及び拾込みガイドローラ31bには、螺旋コイル11との摩擦力が大きなシリコンゴムや天然ゴム等の素材が使用される。これらの機構部品によりバインド機構40を構成できるようになる。なお、押込みローラ31aは、一本の長手棒状ローラであっても、一定の長さに分割された短手ローラを直列に並べたものであってもよい。
また、図11に示すバインド機構40によれば、用紙束3が用紙載置台46に載置され、当該用紙束3には螺旋コイル11が挿通された状態である。この状態に至るには、先ず、所定枚数の用紙を用紙クランプ45によりクランプする。例えば、側面板43a,43bに設けられた第1の垂直長孔38a,38bに挿入された用紙クランプ45のリンク棒39を、ガイド切替カム34a,34bのカム面により反鉛直方向へ持ち上げた状態、すなわち用紙クランプ45の用紙押さえ側が持ち上がった状態で、用紙を受け入れて用紙載置台46に載置する。
次に、所定枚数の用紙を載置後、モータ703を駆動することにより歯車33a、33bを介してガイド切替カム34a,34bを回転し、当該カムのカム面により上昇された用紙クランプ45のリンク棒39を、垂直長孔38a,38bにより移動方向を規制して降下させる。これにより、用紙クランプ45は、当該用紙クランプ45の用紙押さえ側が鉛直方向へ移動すると共に、所定の位置で用紙束3に当接して用紙クランプ45の自重により用紙束3を用紙載置台46に押え付けてクランプする。なお、用紙のクランプ45にばね力等を作用させて自重に加えてばねの付勢力によって用紙束3を押さえ付けるようにしても良い。
このように、図11に示した送りローラ31及び螺旋ガイド49によれば、用紙束3に挿通された螺旋コイル11の径に合わせた位置に調整するようになされる。この調整された位置において、螺旋コイル11は、送りローラ31の押込みローラ31aと、螺旋ガイド49と、本体シャーシ部40cとの3箇所で移動方向が規制され、かつ支持するようになされる。
バインド機構40にはコイル切断部の機能を有するカット&折曲げ機構75を備え、バインド機構40により綴じ処理された用紙束3の螺旋コイル11を所定の位置で切断するようになされる。
この例で、カット&折曲げ機構75は、バインド機構40の所定位置、例えば、側面板43bの近傍であって、螺旋ガイド49の一端下方に取付けられ、この位置で切断した螺旋コイル11の端部を折り曲げるカット折り曲げ機能を有している。
カット&折り曲げ機構75はレバー75fを有しており、このレバー75fを所定方向へ移動することにより、螺旋コイル11の後端部をカットする。現状では、手動でレバー75fを動作させる仕組みとなっている。もちろん、図示しないカムなどでレバー75fを動作することも可能である。このようなカット&折り曲げ機構75をバインド機構40に設けると、螺旋コイル11の端部に異物が引っかかり難くなるばかりか、その切断部分の見栄えが良くなる。
図12〜図15を参照しながら用紙処理装置100における繋ぎ部30について説明する。図12は、繋ぎ部30及びその周辺機構の構成例を示す斜視図である。
図12に示す繋ぎ部30は、図1に示したコイル成形機構20とバインド機構40とを繋ぐ部分である。繋ぎ部30は、拾込みローラ31b、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bを有して構成される。繋ぎ部30は図13に示すコイル導入口83d(開口部)を有している。コイル導入口83dはバインド機構40の側面に設けられている。この例では、コイル成形機構20のコイル進行方向と、バインド機構40に設けられたコイル導入口83dの開口中心とが一致するように、コイル成形機構20とバインド機構40とが組立てられる。
上述の拾込みローラ31bは、バインド機構40の送りローラ31の押込みローラ31aの一端に取り付けられ、当該押込みローラ31aと同じ方向に回転し、しかも、当該押込みローラ31aと同じ方向に上下動するようになされる。拾込みローラ31bには、バインド機構40の押込みローラ31aと同じ材質のローラ部材が使用される。拾込みローラ31bも、バインド機構40の押込みローラ31aと同様にして、端面が台錐形状に加工されている。この例で拾込みローラ31bには、バインド機構40の押込みローラ31aよりも一回り外形が小さく設定されたものが使用される。これは螺旋コイル11a等の拾い込みを円滑にするためである。
拾込みローラ31b下方の本体シャーシ部40c上には、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bが対峙して配置されている。導入ガイド部32aには、例えば、コイル導入壁32bに対峙する側の角部が面取り加工された樹脂成形品が使用される。コイル導入壁32bには、例えば、コイル成形機構20に対峙する側の角部が末広がり状に折り曲げ加工された板金成形品が使用される。これは拾込みローラ31bと同様に、螺旋コイル11a等の拾い込みを円滑にするためである。
図12に示す用紙揃えガイド41は、用紙載置台46にネジなどにより所定位置に取り付けられる。用紙揃えガイド41は、用紙載置台46の用紙Pを載せる面に対して所定の傾斜を持つ用紙揃え面41aを有しており、用紙揃え面41aの傾斜に沿って斜めに用紙束3の側端部を規制するようになされる。この用紙揃え面41aに傾斜を持せたのは、螺旋コイル11の構造上、当該螺旋コイル11を回転させて用紙束3のパンチ孔3aに挿通する際に、螺旋コイル11の先端部が斜めを向いてパンチ孔3a内を進行するので、当該螺旋コイル11の先端部が進行する傾きに合わせて用紙束3のパンチ孔3aを揃えるためである(図24参照)。
図13は、バインド機構40の繋ぎ部30側の主要部品の組立例を示す斜視図である。図13に示すバインド機構40は、部品構成の理解を容易にするために、主要部品のみを示している。この主要部品は、送りローラ31、螺旋ガイド49、側面板43a,43b、ガイド切替カム34b及び歯車33bである。これらの主要部品に加えて、螺旋コイル11及び用紙束3を設置している。
これらの主要部品を組み立てる場合、先ず、側面板43aに対して、送りローラ31の押込みローラ31aに挿入された回転軸棒31cの一端を側面板43aの垂直長孔80aに挿入すると共に、螺旋ガイド49に設けられた軸棒49aの一端を側面板43aの水平長孔82aに挿入する。同様に、側面板43bに対して、押込みローラ31aの回転軸棒31cの他端を側面板43bの垂直長孔80bに挿入すると共に、螺旋ガイド49に設けられた軸棒49aの他端を側面板43bの水平長孔82bに挿入する。
次に、側面板43bに対して、歯車33bの係合部33cを側面板43bの孔部81aに係合し、ガイド切替カム34bの係合部34cを側面板43bの突起部81bに係合する。このとき、ガイド切替カム34bのカム長孔37bには、垂直長孔80bに挿入された回転軸棒31cを係合し、湾曲カム長孔35bには、水平長孔82bに挿入された軸棒49aを係合する。同様にして、側面板43aに対してもガイド切替カム34a及び歯車33aを係合する。その後、繋ぎ部30の拾込みローラ31aを送りローラ31の回転軸棒31cに圧入して固定する。
このように組み立てることで、歯車33a,33bによりガイド切替カム34a,34bを回転させることによって、送りローラ31が垂直長孔80a,80bの形状に合わせて垂直方向に移動し、かつ、螺旋ガイド49が水平長孔82a,82bの形状に合わせて水平方向に移動する。なお、垂直長孔38a、38bには、図11に示した用紙クランプ45のリンク棒39が係合される。側面板43bの孔部86には、図11に示した従動プーリ36cが係合される。
図14A〜Cは、用紙処理装置100の繋ぎ部30の機能例を示す断面図である。
この例では、コイル成形機構20でコイル径=直径8mmの螺旋コイル11aが成形される場合を例に採る。この場合、バインド機構40では、押込みローラ31aをコイル径=直径8mmの対応位置へセットされる(落とし込まれる)。
図14Aに示すコイル成形機構20で成形された螺旋コイル11aは、時計方向に回転しながら、コイル進行方向に移動する。このとき、拾込みローラ31bは、バインド機構40の押込みローラ31aと同じ反時計方向に回転する。コイル成形部28から送出される螺旋コイル11の回転速度をV1とし、バインド機構40における螺旋コイル11の回転速度をV2としたとき、V1≦V2に設定される。この速度設定は円滑に螺旋コイル11を用紙束3のパンチ孔3aに通すためである。
更に、図14Bに示すコイル成形機構20で成形された螺旋コイル11aが押し出されると、螺旋コイル11aは時計方向に回転しながら、コイル進行方向に移動を継続する。この例で、コイル導入初期には、本体シャーシ部40cが螺旋コイル11aの下部への振れを規制し、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bが螺旋コイル11aの左右の振れを規制するようになされる。その後、拾込みローラ31bの台錐形状部位が、螺旋コイル11aの上部へ振れを徐々に規制するようになされる。
更に、図14Cに示すコイル成形機構20で成形された螺旋コイル11aが押し出されると、螺旋コイル11aは時計方向に回転しながら、コイル進行方向に移動を継続する。この例で、コイル導入後期には、拾込みローラ31bの外周部位、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bにより螺旋コイル11aの上部、左右へ振れを各々規制するようになされる。この規制状態で、螺旋コイル11aの先端部がバインド機構40の側面の開口部に挿入される。
図15A及びBは、用紙処理装置100における他のコイル径に対する繋ぎ部30の機能例を示す断面図である。
図15Aに示す繋ぎ部30によれば、コイル成形機構20でコイル径=直径11mmの螺旋コイル11bが成形される場合である。この場合に、バインド機構40では、押込みローラ31aをコイル径=直径11mmの対応位置へセットされる。この例でも、コイル導入初期には、本体シャーシ部40cが螺旋コイル11bの下部への振れを規制し、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bが螺旋コイル11bの左右の振れを規制するようになされる。コイル導入後期には、拾込みローラ31bの外周部位、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bにより螺旋コイル11bの上下、左右へ振れを各々規制するようになされる。
図15Bに示す繋ぎ部30によれば、コイル成形機構20でコイル径=直径14mmの螺旋コイル11cが成形される場合である。この場合に、バインド機構40では、押込みローラ31aをコイル径=直径14mmの対応位置へセットされる。この例でも、コイル導入初期には、本体シャーシ部40cが螺旋コイル11cの下部への振れを規制し、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bが螺旋コイル11cの左右の振れを規制するようになされる。コイル導入後期には、拾込みローラ31bの外周部位、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bにより螺旋コイル11cの上下、左右への振れを各々規制するようになされる。
このように、コイル成形機構20とバインド機構40との間に繋ぎ部30が備えられ、コイル成形機構20から送出される所定のコイル径の螺旋コイル11a等を、その外観形状に対応して左右・上下の移動を徐々に規制してバインド機構40の開口部へ導くようになされる。
この例で拾込みローラ31b、導入ガイド部32a及びコイル導入壁32bにより、螺旋コイル11a等の先端を拾い込むようになされるので、用紙束3の厚みによって選択され成形された、コイル径の異なった螺旋コイル11c(大径コイル)又は、螺旋コイル11b(中径コイル)あるいは、螺旋コイル11a(小径コイル)であっても、コイル成形機構20から送出される所望のコイル径の螺旋コイル11a,11b,11cをバインド機構40に再現性良く導入できるようになる。
図16A及びBは、螺旋ガイド46a(固定側)の凸状歯46b及び螺旋ガイド49(可動調整側)のガイド突起部49bの構成例を示す上面図である。図16Aに示す螺旋ガイド46aは第2の螺旋案内部の機能を構成し、本体シャーシ部40c(図12参照)上の用紙載置台46の一辺に設けられ、その一辺が櫛歯状に加工されて構成されている。この螺旋ガイド46aは、複数個の凸状歯46bを有しており、用紙束3の幅方向に沿った櫛歯状を成している。各々の凸状歯46bは、用紙束3の49個のパンチ孔3aの開口ピッチに整合されて配列されている。螺旋ガイド46aは、複数種類の螺旋コイル11の進行方向の左側を規制する。なお、櫛歯状を成す凸状歯46bは、螺旋コイル11の先端を円滑にガイドするために進行方向調整用に傾斜加工処理がなされている。これにより、螺旋コイル11を円滑に案内できるようになる。
この例で、螺旋コイル11のコイル(螺旋)ピッチは、パンチ孔3aの開口ピッチに合わせて成形される。螺旋コイル11は、1回転で1ピッチ進む。螺旋コイル11の1ピッチは、コイル径に関係無く6mm程度である。これはパンチ孔3aの開口ピッチがコイル径に関係無く一定であることによる。このため、用紙束3の厚さに左右されることなく、用紙束3を斜めに紙揃えして、傾斜を一定にするようになされる。換言すると、パンチ孔3aを斜めに揃えるようになされる。
用紙載置台46の螺旋ガイド46aと対峙する位置には螺旋ガイド49が可動自在に取り付けられ、複数のコイル径に対応して、螺旋コイル11の進行方向を調整する。この例で螺旋ガイド49は、螺旋コイル11の進行方向の右側を壁で規制するようになされる。螺旋ガイド49は螺旋ガイド46aと同様にして用紙束3の幅方向に沿って短足櫛歯状を成すガイド突起部49bを有している。
ガイド突起部49bは、螺旋コイル11が螺旋ガイド49に当接する部位に備えられる。ガイド突起部49bは、螺旋コイル11のコイルピッチに合わせて複数個の凸状突起49cを有し、当該凸状突起49cと凸状突起49cとの各間に螺旋コイル11を当接して案内する。この例で、螺旋コイル11の先端を円滑にガイドするために進行方向調整用の傾斜加工処理がなされている。螺旋ガイド49には所定の長さ及び厚みを有した金属片を短足櫛歯状に加工したものが使用される。
この例で螺旋コイル11の進行方向における右側に壁面を作るために、螺旋ガイド49は、螺旋ガイド46aの厚みに比べて厚く設計されている。例えば、螺旋ガイド49の厚みは、螺旋ガイド46aの厚みの2倍乃至7倍に設定されている。螺旋ガイド49は、螺旋コイル11のコイル径に対応して左右に移動する。螺旋ガイド49にはホームポジションHPが規定され、このホームポジションHPからコイル径に応じて位置を変えるようになされる。この例では、コイル径=直径8mm、11mm及び14mmに応じて三段階(3姿態)で位置を変える。
これにより、押込みローラ31a、螺旋ガイド46a及び螺旋ガイド49の3点で螺旋コイル11を支持できるようになる。押込みローラ31aは、螺旋コイル11を回転し、当該コイルを用紙束3のパンチ孔を縫うように進行させ、用紙束3の一端から他端(幅方向)へ送るように動作する。この動作の結果で、複数のコイル径の螺旋コイル11で安定して用紙束3を綴じ処理できるようになる。
図16Bは、図16Aに示した破線円内の螺旋ガイド46a(固定側)及びガイド突起部49bの構成例を示す拡大図である。図16Bに示す凸状歯46bは、切欠き部46cを有した板形状を成している。この切欠き部46cは、螺旋コイル11の進入方向に沿って設けられている。螺旋コイル11が螺旋ガイド46aに進入する際に、当該螺旋コイル11が凸状歯46bに接触しないようにするためである。
ガイド突起部49bの凸状突起49cは、個々が傾斜部49dを有した断面台形状を成している。この傾斜部49dは、螺旋コイル11の進入方向に沿って設けられている。螺旋コイル11がガイド突起部49bに進入する際に、当該螺旋コイル11が凸状突起49cに接触しないようにするためである。
この例で、螺旋ガイド46a(固定側)には、所定の大きさ及び厚みを有した用紙載置台46の一端が櫛状に加工された一体化部品について説明したが、これに限られることはなく、本体シャーシ部40cとは別個に櫛状に加工されて組み合わされる単品部品を用いるようにしてもよい。例えば、一定の長さに分割されて複数枚の基板の一辺が短手櫛歯状に加工されたものを直列に並べたものが使用できる。
この例で、小径の螺旋コイル11aの位置を設定する場合は、螺旋ガイド49がホームポジションHPから用紙束3のパンチ孔3aに近接する方向へ第1の距離d1’だけ移動され、中径の螺旋コイル11bの位置を設定する場合は、螺旋ガイド49が、同様に用紙束3のパンチ孔3aの方向へ第2の距離d2’だけ移動され、大径の螺旋コイル11cの位置を設定する場合は、螺旋ガイド49が同様に用紙束3のパンチ孔3aの方向へ第3の距離d3’だけ移動される(d1’>d2’>d3’)。これにより、クランプ後、螺旋ガイド49の位置をバインド機構40で調整できるようになる。
続いて、図17〜図19を参照して、螺旋コイル11bの支持例について説明する。図17Aは、中径の螺旋コイル11bの支持例を示す斜視図である。
図17Aに示す螺旋コイル11bは、用紙束3のパンチ孔3aに挿通され、押込みローラ31a、螺旋ガイド49及び本体シャーシ部40cにより3点で支持するようになされる。
図17Bは、図17Aに示した螺旋コイル11bの支持例を矢印方向P2から見た構成図である。図17Bに示す螺旋コイル11bは、その上端部が送りローラ31の押込みローラ31aに当接され、当該螺旋コイル11bの下端部が本体シャーシ部40cに支持され、当該螺旋コイル11bの先端部が螺旋ガイド49に支持されている。
送りローラ31が矢印方向P3に回転することにより、当該送りローラ31の押込みローラ31aに当接した螺旋コイル11bが、螺旋ガイド49及び本体シャーシ部40cに支持された状態で、矢印方向P3と反対方向へ回転すると共に後段のパンチ孔3aへ向かって前進し、本体シャーシ部40cの用紙載置台46に載置された用紙束3の全てのパンチ孔3aに挿通される。この例では、中径の螺旋コイル11bの支持例について説明したが、小径及び大径の螺旋コイル11a,11cも同様にして支持される。
図18は、大径の螺旋コイル11cと用紙束3のパンチ孔3aとのクリアランス例を示す一部断面を含む構成図である。
図18に示す大径の螺旋コイル11cの支持例によれば、71枚〜100枚程度の用紙束3のパンチ孔3aに挿通された状態である。この状態で、用紙束3の上端部と螺旋コイル11cの内径の上端部との間隔をクリアランスQ1とし、用紙束3の下端部と螺旋コイル11cの内径の下端部との間隔をクリアランスQ2とする。また、用紙束3のパンチ孔3aの開口部の外周と螺旋コイル11cとの間隔をクリアランスQ3とする。
この例で、71枚〜100枚程度の用紙束3のパンチ孔3aに、大径の螺旋コイル11cを挿通する時が、最もクリアランスQ1〜Q3の確保が難しくなる。この時に、紙揃えのバラツキや、部品図面公差とコイル成形時の成形バラツキ等を加えても、螺旋コイル11cが用紙束3のパンチ孔3aに挿通可能な程度にクリアランスQ1〜Q3を確保できるようになされる。
最もクリアランスQ1〜Q3の確保が難しい大径の螺旋コイル11cをパンチ孔3aに挿通できるので、中径及び小径の螺旋コイル11a,11bにおいても、パンチ孔3aに確実に挿通できるようになる。なお、クリアランスQ1とクリアランスQ2とが同じ程度確保できるように、用紙載置台46の厚みが設計されている。この例で、用紙載置台46の厚みは2mm程度である。
図19A〜Cは、螺旋コイル11a〜11cの支持例を示す説明図であり、用紙載置台46及び螺旋ガイド49におけるコイル支持部(螺旋ガイド46a、凸状突起49c)の機能を示している。図19Aに示す用紙載置台46には、40枚以下の用紙から成る用紙束3が載置されており、この用紙束3の各パンチ孔3aには、小径の螺旋コイル11aが挿通されている。
このようにパンチ孔3aに螺旋コイル11aを挿通するためには、先ず、螺旋ガイド49及び図18に示した送りローラ31を所定の位置に配置する。例えば、螺旋ガイド49は、螺旋コイル11aに当接する位置(図16Bの距離d1’)に配置する。なお、用紙載置台46の位置は固定されている。
次に、送りローラ31は、用紙載置台46に載置された用紙束3のパンチ孔3aに螺旋コイル11aを回転させながら送り出す。送り出された螺旋コイル11aは、螺旋ガイド49のガイド突起部49bの凸状突起49c間を通過する。このとき、螺旋コイル11aは、ガイド突起部49bの各凸状突起49cにより、用紙載置台46の螺旋ガイド46a(固定側)の各凸状歯46bの間を通過するように案内されて進行方向が規制される。
その後、螺旋コイル11aは、螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過してパンチ孔3aに挿通するようになされる。パンチ孔3aに挿通後、螺旋コイル11aは、再びガイド突起部49bにより、螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過するように案内されて進行方向が規制され、凸状歯46bの間を通過してパンチ孔3aに挿通するようになされる。これにより、螺旋コイル11aを用紙束3の各パンチ孔3aに確実に挿通できるようになる。
図19Bに示す用紙載置台46には、41枚〜70枚の用紙から成る用紙束3が載置されており、この用紙束3の各パンチ孔3aには、中径の螺旋コイル11bが挿通されている。
このようにパンチ孔3aに螺旋コイル11bを挿通するためには、先ず、螺旋ガイド49及び図18に示した送りローラ31を所定の位置に配置する。例えば、螺旋ガイド49の位置は、螺旋コイル11bに当接する位置(図16Bの距離d2’)に配置する。この場合、螺旋ガイド49の凸状突起49cと用紙載置台46の凸状歯46bとの間隔は、図19Aに示した間隔よりも広くなる。
次に、送りローラ31は、用紙載置台46に載置された用紙束3のパンチ孔3aに螺旋コイル11bを回転させながら送り出す。送り出された螺旋コイル11bは、螺旋ガイド49のガイド突起部49bの凸状突起49c間を通過する。このとき、螺旋コイル11bは、ガイド突起部49bにより、用紙載置台46の螺旋ガイド46a(固定側)の凸状歯46bの間を通過するように進行方向が規制される。
その後、螺旋コイル11bは、螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過してパンチ孔3aに挿通するようになされる。パンチ孔3aに挿通後、螺旋コイル11bは、再びガイド突起部49bにより、螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過するように進行方向が規制され、凸状歯46bの間を通過してパンチ孔3aに挿通するようになされる。これにより、中径の螺旋コイル11bを用紙束3の各パンチ孔3aに確実に挿通できるようになる。
図19Cに示す用紙載置台46には、71枚〜100枚の用紙から成る用紙束3が載置されており、この用紙束3の各パンチ孔3aには、大径の螺旋コイル11cが挿通されている。
このようにパンチ孔3aに螺旋コイル11cを挿通するためには、先ず、螺旋ガイド49及び送りローラ31を所定の位置に配置する。例えば、螺旋ガイド49の位置は、螺旋コイル11cに当接する位置(図16Bの距離d3’)に配置する。この場合、螺旋ガイド49の凸状突起49cと用紙載置台46の凸状歯46bとの間隔は、図19A及びBに示した間隔よりも広くなる。
次に、送りローラ31は、用紙載置台46に載置された用紙束3のパンチ孔3aに螺旋コイル11bを回転させながら送り出す。送り出された螺旋コイル11bは、螺旋ガイド49のガイド突起部49bの凸状突起49c間を通過する。このとき、螺旋コイル11cは、ガイド突起部49bにより、用紙載置台46の螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過するように進行方向が規制される。
その後、螺旋コイル11cは、螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過してパンチ孔3aに挿通するようになされる。パンチ孔3aに挿通後、螺旋コイル11cは、再びガイド突起部49bにより、螺旋ガイド46aの凸状歯46bの間を通過するように進行方向が規制され、凸状歯46bの間を通過してパンチ孔3aに挿通するようになされる。これにより、大径の螺旋コイル11cを用紙束3の各パンチ孔3cに確実に挿通できるようになる。
続いて、図20〜図23を参照して、バインド機構40におけるコイル径対応位置設定時の動作例について説明する。図20〜図23に係るバインド機構40は、図12に示したバインド機構40を側面から見たものである。
この例では、送りローラ待機例、小径コイル位置設定例、中径コイル位置設定例及び大径コイル位置設定例の4つに分けて説明する。
この例で、送りローラ31はコイル径に対応して斜め上下に移動する。送りローラ31はホームポジションHPで待機され、ホームポジションHPからコイル径に応じて位置を変えるようになされる。送りローラ31は、コイル径=直径8mm、11mm及び14mmに応じて三段階に位置を変える。送りローラ31は、例えば、斜め方向から螺旋ガイド49へ螺旋コイル11を押し付けるように駆動される。
図20は、バインド機構40の待機時の動作例を示す側面図である。この例では、側面板43bに係るガイド切替カム34b及び歯車33b、並びにこれらに関連する部材の動作例についてのみ説明する。なお、側面板43aに係るガイド切替カム34a及び歯車33a、並びにこれらに関連する部材の動作例については、側面板43bの部材と同様な機能をするのでその説明は省略する。
図20に示すバインド機構40によれば、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45が待機している状態であり、送りローラ31及び用紙クランプ45が最上部に位置する状態である。以下で、この状態をバインド機構40の待機状態という。このような待機状態を設けているのは、バインダ最大枚数の用紙を受け入れ可能とするためである。この待機状態に移行するためには、図1に示したモータ703により、紙面向かって時計回りに歯車33bを所定量ほど回転する。この歯車33bの回転により、歯車33bに噛み合ったガイド切替カム34bが反時計回りに回転する。このガイド切替カム34bの回転と、側面板43bに開口された各孔部により、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45の位置を同時に決定するようになる。
例えば、送りローラ31は、垂直長孔80bにより移動方向が垂直方向に規制され、カム長孔37bのカム面に沿って上下動する。この送りローラ31を待機状態に設定するためには、送りローラ31がカム長孔37bの一端に位置するように設定する。これにより、カム長孔37bのカム面により、送りローラ31が押し上げられて、垂直長孔80bの最上部に位置する。
螺旋ガイド49は、当該螺旋ガイド49の軸棒49aが水平長孔82bにより移動方向が水平方向に規制されて、湾曲カム長孔35bのカム面に沿って左右に移動する。この例で、螺旋ガイド49は、湾曲カム長孔35bの一端側に位置すると共に、水平長孔82bの紙面向かって右側に位置している。
用紙クランプ45は、垂直長孔38bにより移動方向が略垂直方向に規制されて、当該用紙クランプ45のリンク棒39がガイド切替カム34bの外周カム面34dに沿って上下に移動する。この用紙クランプ45を待機状態に設定するためには、用紙クランプ45のリンク棒39を外周カム面34dにより持ち上げて、用紙クランプ45が垂直長孔38bの最上部に位置するように設定する。このようにして、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45の待機状態における位置を設定できるようになる。
図21は、バインド機構40における小径の螺旋コイル11aの位置設定時の動作例を示す側面図である。この例では、小径の螺旋コイル11aの位置を設定する場合、送りローラ31が鉛直方向へ第1の距離d1だけ移動される。
図21に示すバインド機構40によれば、小径の螺旋コイル11aの設定時に、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45が位置する状態である。この状態は、用紙の枚数が40枚以下の場合であって、小径の螺旋コイル11aを挿通する場合である。この螺旋コイル11aを挿通する場合、図20に示した待機状態から、歯車33bを紙面向かって時計回りに所定量ほど回転する。この歯車33bの回転により、歯車33bに噛み合ったガイド切替カム34bが反時計回りに回転する。
このガイド切替カム34bの回転により、側面板43bの垂直長孔80b(図13参照)の最上部に位置した送りローラ31は、当該ガイド切替カム34bのカム長孔37bの上述の一端から他端に移動すると共に下降し、垂直長孔80bの最上部から最下部へ垂直方向に移動する。これにより、螺旋コイル11aの上面に当接する位置に送りローラ31を設定できるようになる。
上述の待機状態で水平長孔82bの紙面向かって右側に位置した螺旋ガイド49は、ガイド切替カム34bの回転により、当該ガイド切替カム34bの湾曲カム長孔35bの上述の一端から他端に移動すると共に後退(螺旋コイル11aに近接)し、水平長孔82bの右側から左側へ水平方向に移動する。これにより、小径の螺旋コイル11の前面に当接する位置に螺旋ガイド49を設定できるようになる。
上述の待機状態で、垂直長孔38bの最上部に位置した用紙クランプ45は、ガイド切替カム34bの回転により、用紙クランプ45のリンク棒39が外周カム面34dにより降下し、略垂直方向に垂直長孔38bの最上部から最下部へ移動する。これにより、40枚以下の用紙からなる用紙束3をクランプする位置に用紙クランプ45を設定できるようになる。
図22は、バインド機構40における中径の螺旋コイル11bの位置設定時の動作例を示す側面図である。この例では、中径の螺旋コイル11bの位置を設定する場合は、送りローラ31が鉛直方向へ第2の距離d2だけ移動される。
図22に示すバインド機構40によれば、中径の螺旋コイル11bの設定時に、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45が位置する状態である。この状態は、用紙の枚数が41枚〜70枚の場合であって、中径の螺旋コイル11bを挿通する場合である。この螺旋コイル11bを挿通する場合、図20に示した待機状態から、歯車33bを紙面向かって時計回りに所定量ほど回転する。この歯車33bの回転により、歯車33bに噛み合ったガイド切替カム34bが反時計回りに回転する。
このガイド切替カム34bの回転により、側面板43bの垂直長孔80b(図13参照)の最上部に位置した送りローラ31は、ガイド切替カム34bのカム長孔37bの一端から当該孔長の4分の1程度の位置に移動すると共に若干下降し、垂直長孔80bの最上部から中間部へ垂直方向に移動する。これにより、中径の螺旋コイル11bの上面に当接する位置に送りローラ31を設定できるようになる。
上述の待機状態で水平長孔82bの紙面向かって右側に位置した螺旋ガイド49は、ガイド切替カム34bの回転により、当該ガイド切替カム34bの湾曲カム長孔35bの一端から当該孔長の3分の2程度の位置に移動すると共に若干後退(螺旋コイル11bに近接)し、水平長孔82bの右側から左側へ水平方向に移動する。これにより、中径の螺旋コイル11bの前面に当接する位置に螺旋ガイド49を設定できるようになる。
上述の待機状態で、垂直長孔38bの最上部に位置した用紙クランプ45は、ガイド切替カム34bの回転により、用紙クランプ45のリンク棒39が外周カム面34dにより若干降下し、略垂直方向に垂直長孔38bの最上部から中間部へ移動する。これにより、41枚〜70枚の用紙からなる用紙束3をクランプする位置に用紙クランプ45を設定できるようになる。
図23は、バインド機構40における大径の螺旋コイル11cの位置設定時の動作例を示す側面図である。この例で、大径の螺旋コイル11cの位置を設定する場合、送りローラ31が鉛直方向へ第3の距離d3だけ移動される(d1>d2>d3)。これにより、クランプ後、送りローラ31の位置をバインド機構40で調整できるようになる。
図23に示すバインド機構40によれば、大径の螺旋コイル11cの設定時に、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45が位置する状態である。この状態は、用紙の枚数が71枚〜100枚の場合であって、大径の螺旋コイル11cを挿通する場合である。この螺旋コイル11cを挿通する場合、図20に示した待機状態から、歯車33bを紙面向かって時計回りに所定量ほど回転する。この歯車33bの回転により、歯車33bに噛み合ったガイド切替カム34bが反時計回りに回転する。
このガイド切替カム34bの回転により、側面板43bの垂直長孔80bの最上部に位置した送りローラ31は、ガイド切替カム34bのカム長孔37bの一端から当該孔長の半分程度の位置に移動すると共に僅かに下降し、垂直長孔80bの最上部から上部へ垂直方向に移動する。これにより、大径の螺旋コイル11cの上面に当接する位置に送りローラ31を設定できるようになる。
上述の待機状態で水平長孔82bの紙面向かって右側に位置した螺旋ガイド49は、ガイド切替カム34bの回転により、当該ガイド切替カム34bの湾曲カム長孔35bの一端から当該孔長の略中間部の位置に移動すると共に僅かに後退(螺旋コイル11cに近接)し、水平長孔82bの右側から左側へ水平方向に移動する。これにより、大径の螺旋コイル11cの前面に当接する位置に螺旋ガイド49を設定できるようになる。
上述の待機状態で、垂直長孔38bの最上部に位置した用紙クランプ45は、ガイド切替カム34bの回転により、用紙クランプ45のリンク棒39が外周カム面34dにより若干降下し、略垂直方向に垂直長孔38bの最上部から中間部へ移動する。これにより、71枚〜100枚の用紙からなる用紙束3をクランプする位置に用紙クランプ45を設定できるようになる。
このように、バインド機構40のコイル径対応位置設定時の動作例によれば、送りローラ31、螺旋ガイド49及び用紙クランプ45を待機時、小径の螺旋コイル11a、中径の螺旋コイル11b及び大径の螺旋コイル11cの位置設定時の4パターンに分けて設定するようにしたものである。
従って、コイル径が異なる各々の螺旋コイル11a,11b,11cをコイル径対応位置において、用紙束3のパンチ孔3aに案内できるようになる。これにより、各螺旋コイル11a〜11cを安定して用紙束3のパンチ孔3aに挿通できるようになる。
続いて、図24〜図27を参照して、バインド機構40の用紙揃えガイド41の構成例及びその機能例について説明をする。図24Aは、図12に示した用紙揃えガイド41の構成例を示す上面図である。この例では、図12に示した螺旋コイル11の進行上流側であって、上述の螺旋コイル11の進行方向とほぼ直交する用紙載置台46上に、断面逆台形状の用紙揃えガイド41(スライドガイド壁)が設けられた場合を示した。
図24Aに示す用紙揃えガイド41は、用紙揃え面41a、第1の凹部41b及びの第2の凹部41cを有している。この例で、図24Bに示す用紙揃えガイド41の用紙揃え面41aと、用紙載置台46の用紙載置面41bとが成す角度を傾斜角度θとしたとき、傾斜角度θは、90°よりも小さくなるように設定される。すなわち、用紙揃えガイド41の用紙揃え面41aは、コイル進行角度にほぼ等しい傾斜角度θを有している。用紙揃えガイド41は、用紙束3の側端部3bを当該用紙揃え面41aの傾斜に合わせて斜めに揃える。これにより、用紙束3を斜めに紙揃えするようになされる。
用紙揃え面41aは、図12に示した用紙載置台46の用紙載置面46bに対して傾斜角度θ=約80°で形成されている。なお、コイルのピッチを6〜6.5mm程度とし、コイル内径を8〜20mm程度に設ける場合は、θ=75°〜85°とするのが好ましい。第1の凹部41bには、図11に示した用紙クランプ45の支持棒44が係合される。また、第2の凹部41cには、図11に示した用紙クランプ45のリンク棒39が係合される。
このように、用紙束3が用紙揃え面41aの傾斜に合わせて斜めに揃えられることにより、当該用紙束3のパンチ孔3aも、用紙揃え面41aの傾斜に合わせて斜めに揃えられる。従って、螺旋コイル11が回転しながら所定の傾きを有して用紙束3のパンチ孔3aに進入する際に、用紙束3のパンチ孔3aが当該傾きに合わせて斜めに開口姿勢が整えられるので、当該螺旋コイル11を安定してパンチ孔3aに挿通できるようになる。
図24Bは、図24Aに示した用紙揃えガイド41をX方向から見た正面図である。図24Bに示す用紙揃えガイド41は、用紙揃え面41aが用紙載置面46bに対して傾斜角度θが約80°に設定されている。この傾斜角度80°に形成された用紙揃え面41aにより、用紙束3の側端部3b(図12参照)を揃えるようになされる。
図25A及びBは用紙揃えガイド41の機能例(その1)を示す上面図及びその正面図である。図25Aは、用紙揃えガイド41における用紙揃え時の機能例を示す上面図であり、図25Bは、図25Aに示した用紙揃えガイド41のX−X矢視断面図である。
図25Aに示す用紙揃え時の用紙揃えガイド41によれば、図24Aに示した用紙揃えガイド41の用紙揃え面41aに用紙が載置され、41枚〜70枚程度の用紙から成る用紙束3が揃えられた状態である。
また、図25Bに示す用紙揃えガイド41において、用紙束3の側端部3bは、傾斜角度θ=約80°に設定された用紙揃え面41aにより揃えられ、その用紙束3を載置する用紙載置台46の用紙載置面との成す傾斜角度θと同様に約80°に傾斜して揃えられる。更に、当該用紙束3の各々のパンチ孔3aも、用紙載置面との成す角度が角度θと同様に約80°に揃えられ(ずらされ)ている。
図26A及びBは用紙揃えガイド41の機能例(その2)を示す正面図であり、図26Aは、中径の螺旋コイル11bの挿入前の状態を示す図である。図26Aに示す中径の螺旋コイル11bは、用紙揃えガイド41の用紙揃え面41aにより用紙束3の側端部3bが揃えられ、傾斜を有して揃えられた用紙束3のパンチ孔3aに、矢印方向P1から回転しながら挿通される。
図26Bは、中径の螺旋コイル11bの挿入後の状態を示す図である。図26Bに示す螺旋コイル11bは、用紙束3の途中まで挿通した状態(終端到達前の状態)である。なお、図26Bに示す用紙束3は、螺旋コイル11bの挿通状態を見やすくするために、図26Aに示した用紙束3の切断面のハッチングを省略している。
図26Bに示すように、傾斜を有した用紙束3のパンチ孔3aの角度と、当該パンチ孔3aに挿通された螺旋コイル11bの角度とが略等しくなっている。これにより、螺旋コイル11bとパンチ孔3aとのクリアランスを十分に確保できるので、螺旋コイル11bが用紙束3のパンチ孔3aの壁面に衝突することなく、螺旋コイル11bを安定して挿通することができる。
図27A及びBは用紙揃えガイド41における小径及び大径の螺旋コイル11a,11cの挿通時の機能例を示す正面図である。
図27Aの用紙束3は、枚数が40枚以下の用紙から構成されている。この用紙束3の側端部3bは、80°に形成された用紙揃えガイド41の用紙揃え面41aに揃えられ、水平面との成す角度が約80°に設定されている。更に、当該用紙束3のパンチ孔3aも、水平面との成す角度が約80°に揃えられる。図27Aに示した螺旋コイル11aは、用紙束3に、小径の螺旋コイル11aを途中まで挿通した状態である。図27Aに示すように、傾斜を有した用紙束3のパンチ孔3aの角度と、当該パンチ孔3aに挿通された螺旋コイル11aの角度とが略等しくなっている。
図27Bに示す用紙束3は、枚数が71〜100枚程度の用紙から構成されている。この用紙束3の側端部3bは、80°に形成された用紙揃え面41aに揃えられ、水平面との成す角度(傾斜角度)が約80°に設定されている。更に、当該用紙束3のパンチ孔3aも、水平面との成す角度が約80°に揃えられる。この用紙束3に、大径の螺旋コイル11cを途中まで挿通した状態である。図27Bに示すように、傾斜を有した用紙束3のパンチ孔3aの角度と、当該パンチ孔3aに挿通された螺旋コイル11cの角度とが略等しくなっている。
このように、用紙束3を斜めに紙揃えすると、用紙束3のパンチ孔に螺旋コイル11の先端が引っかかることなく、用紙束3のパンチ孔に螺旋コイル11の先端を円滑に通すことができるようになる。しかも、小径及び大径の螺旋コイル11a,11cとパンチ孔3aとのクリアランスを十分に確保できるので、当該螺旋コイルの先端が用紙束3のパンチ孔3aの壁面に衝突することなく、小径及び大径の螺旋コイル11a,11cを安定して挿通することができる。もちろん、用紙束紙揃え時に、用紙束3の厚さに応じて傾斜角度を変えるようにしてもよい。
続いて、図28及び図29を参照して、カット&折り曲げ機構75の構成例及び組立例について説明をする。
図28Aは、カット&折り曲げ機構75の構成例を示す斜視図である。図28Aに示すカット&折り曲げ機構75は、螺旋ガイド49の一方側(コイル拾込み側)に備えられ、用紙束3のパンチ孔3aに螺旋コイル11を挿通した後、当該螺旋コイル11の端部をカットして折り曲げるようになされる。
図28Bは、図28Aの破線円内に示したカット&折り曲げ機構75を拡大した図である。図28Bに示すカット&折り曲げ機構75は、挟持当て部75a、挟持受け部75b、カッター受け部75d及びレバー75fを有して構成される。レバー75fの先端には、カッター75c及び折曲部75eが設けられる。
挟持受け部75b及びカッター受け部75dは、螺旋ガイド49の本体の所定位置に固定されている。この例で、板形状のカッター受け部75dは、螺旋ガイド49の凸状突起49cに対して垂直方向を向くように固定されている。L字形状の挟持受け部75bは、当該挟持受け部75bの起き上がり部が、凸状突起49cに対して平行になるように固定されている。レバー75fは、螺旋ガイド49の本体の所定位置に可動自在に取り付けられている。挟持当て部75aは、レバー75fに協働するように取り付けられている。挟持当て部75a及び挟持受け部75bの形状は、L字形状である。
挟持当て部75a及び挟持受け部75bは、挟持部の一例を構成し、螺旋コイル11の端部を挟んで保持する。例えば、挟持当て部75aと挟持受け部75bの間に螺旋コイル11が挿通した状態でレバー75fを所定の方向に回転し、固定された挟持受け部75bに挟持当て部75aを移動させ、この挟持当て部75a及び挟持受け部75bにより螺旋コイル11の端部を挟んで保持する。
カッター75c及びカッター受け部75dは、コイル切断部の一例を構成し、挟持された螺旋コイル11の所定位置を切断する。例えば、螺旋コイル11が挟持当て部75a及び挟持受け部75bにより挟持された状態で更にレバー75fを所定の方向に回転すると、固定されたカッター受け部75dとレバー75fの先端に設けられたカッター75cにより螺旋コイル11の端部を挟んで切断する。
折曲部75eは、カッター75cの延長部位に設けられ、切断された当該螺旋コイル11の端部を所定方向に折り曲げる。例えば、螺旋コイル11がカッター75cにより切断された後、更にレバー75fを所定の方向に回転することにより、折曲部75eは、螺旋コイル11が挟持当て部75a及び挟持受け部75bにより挟持された状態で、螺旋コイル11の切断端部を矢印P4の方向に押し出して折り曲げる。
折り曲げ後、レバー75fを反対方向に回転し、カッター受け部75dからカッター75cを離れる方向へ移動させ、かつ、挟持受け部75bから挟持当て部75aを離れる方向へ移動させて、挟んで保持された螺旋コイル11を解放すると共に待機状態となる。このようなカット&折り曲げ機構75により、螺旋コイル11の端部を処理する。
図29は、カット&折り曲げ機構75の組立例を示す斜視図である。図29に示すカット&折り曲げ機構75によれば、先ず、螺旋ガイド49の本体の3個の孔部75nに、3本の第1のピン75gを通すと共に、カッター受け部75dの本体の3個の孔部75pにピン75gを通して、カッター受け部75dの本体を螺旋ガイド49の本体に固定する。
固定されたカッター受け部75dの本体に、レバー75fを回転自在に取り付ける。この例で、カッター受け部75dの本体の略中央の開口部754と、レバー75fの本体の開口部756に第1の中間部材75hの一方の突起758を挿入して回転自在に結合する。結合後、この中間部材75hの他方の突起755を固定プレート75iの開口部759に挿入すると共に、当該固定プレート75iの3個の固定部75qに、3本のピン75gの先端を挿入する。このようにして、カッター受け部75dの本体を螺旋ガイド49の本体に固定すると共に、レバー75fの本体を回転自在に螺旋ガイド49の本体に固定する。
その後、固定プレート75iの開口部757に第2の中間部材75jの一方の突起761を挿入し、他方の突起762を挟持当て部75aの本体の開口部751に挿入すると共に、挟持受け部75bの本体の開口部752に挿入する。挿入後、挟持受け部75bの本体の3個の補強孔部75r及び固定プレート75iの3個の孔部75sに、3本の第2のピン75kを通して、挟持受け部75bの本体を固定プレート75iに固定する。このようにして、中間部材75jを回転軸として挟持当て部75aの本体を回転自在に固定プレート75iに固定してカット&折り曲げ機構75を組み立てる。
なお、挟持当て部75aの本体のバネ引掛け部753には、後述するバネ75mが取り付けられ、このバネ75mの弾性力により常に所定方向に回転する力が加わっている。この挟持当て部75aの本体の押え受け部75uには、レバー75fの本体の押え部75tが係合する。この構成により、レバー75fを操作することによって、挟持当て部75aの本体が協働して回転するようになる。
続いて、図30〜図32を参照して、カット&折り曲げ機構75の動作例について説明をする。
この例では、カット&折り曲げ機構75の待機状態、切断状態及び折曲状態の3つの状態に分けて説明する。なお、カット&折り曲げ機構75の挟持当て部75aの本体のバネ引掛け部753にはバネ75mの一端側が取り付けられ、バネ75mの他端側は、引っ掛けプレート753aの引っ掛け部753a’に取り付けられている。このバネ75mの弾性力により常に時計回りの力が加わっている。挟持当て部75a及びカッター75cの動作は、レバー75fにより調整される。
図30Aは、螺旋ガイド49におけるカット&折り曲げ機構75の待機時の動作例を示す上面図である。図30Aに示すカット&折り曲げ機構75は螺旋ガイド49の端部に設けられ、その待機している状態である。この例で、カット&折り曲げ機構75のレバー75fの位置は、初期位置に設定されている。図中の螺旋ガイド49は、送り出された螺旋コイル11をガイドしている。
図30Bは、図30Aの破線円内のカット&折り曲げ機構75の動作例を拡大した図である。図30Bに示すカット&折り曲げ機構75によれば、バネ75mの引っ張り力によって、挟持当て部75aの押え受け部75uと、レバー75fの押え部75tが係合しているので、挟持当て部75aは挟持受け部75bと略同じ方向を向いている。このとき、挟持当て部75aと挟持受け部75bとの間隔は、螺旋コイル11の線径の3倍程度である。この挟持当て部75aと挟持受け部75bとの間に螺旋コイル11の端部が位置している。
カッター75cは、カッター受け部75dと略同じ方向を向いている。この例で、カッター75cとカッター受け部75dとの間隔も、螺旋コイル11の線径の3倍程度に設定される。このカッター75cとカッター受け部75dとの間に螺旋コイル11が位置している。
図30Cは、図30Bに示したカット&折り曲げ機構75の動作例を示す斜視図である。図30Cに示すカット&折り曲げ機構75において、螺旋コイル11は、L字形状の挟持受け部75bの起き上がり部の中間辺りを通過している。同様に、螺旋コイル11は、L字形状の挟持当て部75aの起き上がり部の中間辺りを通過している。これにより、挟持受け部75bと挟持当て部75aにより螺旋コイル11を確実に挟んで保持することができる。また、螺旋コイル11は、板形状のカッター受け部75dの根元近傍を通過している。
図31Aは、カット&折り曲げ機構75のコイル切断時の動作例を示す上面図である。図31Aに示すコイル切断時のカット&折り曲げ機構75によれば、そのレバー75fが図30Aに示した初期位置から矢印P5の方向に回転されて切断位置に移動される。
図31Bは、図31Aの破線円内のカット&折り曲げ機構75の動作例を示す拡大図である。図31Bに示すカット&折り曲げ機構75によれば、レバー75fを矢印P5の方向(時計回り)に回転することにより、このレバー75fに協働して時計回りにその挟持当て部75aが回転する。この例で、挟持当て部75aには、当該挟持当て部75aの本体のバネ引掛け部753に引っ掛けられたバネ75mの弾性力により、常に時計回りの力が加わっている。
従って、レバー75fを時計回りに回転することにより、挟持当て部75aは、図29に示した中間部材75jの突起762を軸にして時計回りに回転して挟持受け部75bに接近する。挟持当て部75aが挟持受け部75bに接近することにより、図30Bに示した、挟持当て部75aと挟持受け部75bとの間に位置した螺旋コイル11が、図31Bに示すように挟持当て部75aと挟持受け部75bにより挟んで保持される。このとき、カッター75cとカッター受け部75dの間には、螺旋コイル11が挟まれている。
その後、挟持当て部75aと挟持受け部75bにより螺旋コイル11を挟持した状態で、更にレバー75fを時計回りに回転することにより、カッター75cのみが時計回りに回転し、当該カッター75cとカッター受け部75dとの間に挟まれた螺旋コイル11が切断される。図中の11c’は、切断された螺旋コイル11の一方の切断端部である。
図31Cは、図31Bに示したカット&折り曲げ機構75の動作例を示す斜視図である。図31Cに示すカット&折り曲げ機構75によれば、その挟持当て部75aと挟持受け部75bにより螺旋コイル11を挟持し、この挟持された螺旋コイル11の位置から螺旋コイル11の円弧の約4分の1程度離れた螺旋コイル11の位置をカッター75cにより切断している。
図32Aはカット&折り曲げ機構75のコイル先端の折曲時の動作例を示す上面図である。図32Aに示すコイル先端の折曲時のカット&折り曲げ機構75によれば、そのレバー75fは、図31Aに示した切断位置から更に矢印P5の方向に回転されて折曲位置に移行される。
図32Bは、図32Aの破線円内のカット&折り曲げ機構75の構成例を示す拡大図である。図32Bに示すカット&折り曲げ機構75によれば、その挟持当て部75aと挟持受け部75bは、当該挟持当て部75aの本体のバネ引掛け部753に引っ掛けられたバネ75mの弾性力により、螺旋コイル11を挟んで保持した状態を維持している。
この例で、折曲部75eは、レバー75fを時計回りに更に回転することにより時計回りに回転し、当該折曲部75eと挟持受け部75bとの間に挟まれた螺旋コイル11の切断端部11c’を根元から約90°ほど螺旋コイル11内部側に折り曲げるようになされる。
図32Cは、図32Bに示したカット&折り曲げ機構75の構成例を示す斜視図である。図32Cに示すカット&折り曲げ機構75によれば、その挟持当て部75aと挟持受け部75bにより挟持された螺旋コイル11の切断端部11c’を、折曲部75eにより螺旋コイル11内部側に折り曲げるようになされる。
図33は、端部処理済みの螺旋コイル11cの構成例を示す部分拡大斜視図である。図33に示す端部処理済みの螺旋コイル11によれば、その切断端部11c’は、当該螺旋コイル11の円弧の約5分の1程度が螺旋コイル11内部側に折り曲げられるようになされる。これにより、螺旋コイル11の端部の見栄えを良くすることができる。また、切断端部11c’の先端がユーザの衣服などに引っ掛かることを防止できる。もちろん、螺旋コイル11が用紙束3から抜け出すことも防止できる。
続いて、用紙処理装置100における線材カートリッジ10について説明する。図34は、線材カートリッジ10及びその周辺機構の構成例を示す一部破砕の断面図である。
図34に示す線材カートリッジ10は、線材供給部の機能を構成し、当該用紙処理装置100に装着可能なものであって、コイル成形機構20に対して線材1を供給するものである。この例では、線材1の進行方向に対して、線材カートリッジ10とコイル成形機構20とを並べてレイアウトした場合である。もちろん、コイル成形機構20に対する線材カートリッジ10の配置位置は、これに限られるものではない。
線材カートリッジ10には、線材1(消耗品)が巻き付けられる。線材1は例えば、所定ピッチを維持し、多層整列巻きされている。線材カートリッジ10は、線材巻付け用のドラム12を備え、当該ドラム12内には線材有無検知用の線材検知センサ65が配置されて構成される。線材検知センサ65は、ドラム12毎に取り付けてもよいが、線材カートリッジ10のコストダウンを図るために用紙処理装置側に取り付けられる。
ドラム12は携行(持ち運び)可能な容姿を有している。この例で、ドラム12は窓部12cを有したボビン12a及び巻き軸12bを備えている。ドラム12は、ボビン12aの一端が円錐状を成している。ドラム12には、例えば、鉄芯ビニール被覆線が1000m程度巻き付けられる。線材1の直径は、0.8mm程度である。
巻き軸12bは矩形状と管状とを組み合わせた立体形状を有しており(図1参照)、工場等で線材1をボビン12aに巻き付ける際に使用され、ドラム装着後はボビン12aを回転させずに固定して使用する。ボビン12a及び巻き軸12bの窓部12cは、線材1の有無を検知する際に使用される。
この例で、ボビン12aの他端には、ロック部5を受け入れる開口部12dが設けられる。ロック部5は、用紙処理装置100側に設置されたロック機構6に備えられる。ロック機構6は、用紙処理装置100の所定の基板2に取り付けられる。ロック部5は、ボビン12aのロック用の開口部12dに係合され、ドラム12を用紙処理装置100に固定するようになされる。このようにボビン12aを固定して使用するようにしたのは、線材1がドラム12から自然にほぐれないようにするためである。
ロック機構6内には装着検知センサ64が設けられ、用紙処理装置100への線材カートリッジ10の装着有無を検知して装着検知信号S64を出力するようになされる。装着検知信号S64は図39に示す制御部50に出力される。装着検知センサ64にはオン/オフを検知するスイッチ素子等が使用される。
巻き軸12bの内側には、用紙処理装置100側に設置された線材検知センサユニット60がセットされる。線材検知センサユニット60は、基板2に設けられたセンサケース部4を有している。センサケース部4は、例えば、巻き軸12bの外側の矩形状と管状とを反映した立体形状よりも一回り小さめの立体構造を有している。このような立体構造にしたのは、巻き軸12bの内側に線材検知センサユニット60を挿入するためである。
線材検知センサユニット60の矩形状部位には、検知部の機能を構成する線材検知センサ65が設けられ、当該ドラム12に巻き付けられた線材1の有無を検出して線材検知信号S65を出力する。線材検知信号S65は制御部50に出力される。線材検知センサ65には反射型や透過型の光学センサが使用される。線材検知センサ65は、その発光素子及び受光素子がボビン12a及び巻き軸12bの窓部12cから見える位置に配置される。この位置に線材検知センサ65を配置したのは、ボビン12aに巻き付けられた線材1の有無を検知するためである。
なお、ドラム12の下流側には、第1の位置規制ローラ13、線材繰出しローラ14、線材張力機構15及び第2の位置規制ローラ16が設けられる。
位置規制ローラ13は、上部ローラ13a及び下部ローラ13bを有して構成され、ドラム12の円錐状部位の頂上付近に設けられる。線材1は上部ローラ13aと下部ローラ13bとの間に通される。位置規制ローラ13はドラム12から繰り出される線材1の引き出し位置を規制するようになされる。
線材繰出しローラ14は、上部ローラ14a及び下部ローラ14bを有して構成され、線材張力機構15の上流側に設けられる。線材1は上部ローラ14aと下部ローラ14bとの間に通される。線材繰出しローラ14は、ドラム12から線材1を繰り出すように動作する。
線材張力機構15は、テンションローラ15a、駆動アーム15b及び駆動部15cを有して構成され、線材繰出しローラ14の下流側に設けられる。テンションローラ15aは、駆動アーム15bに取り付けられる。テンションローラ15aは、駆動部15cにより駆動され、ドラム12から繰り出された線材1に張力を加えるように動作する。駆動部15cは、張力制御信号S15に基づいてテンションローラ15aに作用力を加えるように動作する。駆動部15cには、図示しないソレノイド等が使用される。線材1に張力を加えるようにしたのは、ドラム12とコイル成形機構20との間で線材1が弛まないようにするためである。
テンションローラ15aの下流側には、位置規制ローラ16が設けられる。位置規制ローラ16は、上部ローラ16a及び下部ローラ16bを有して構成され、コイル成形機構20へ挿入するための線材1の挿入位置を規制する。これらにより、線材カートリッジ10とコイル成形機構20との間の周辺機構を構成する。
図35は、線材カートリッジ10の装着例を示す図である。図35に示す線材カートリッジ10には、線材1が所定ピッチに維持され、多層整列巻きされたドラム12を有したものが適用される。この例では、線材カートリッジ10の巻き軸12bと線材検知センサユニット60のセンサケース部4とを位置合わせして、当該巻き軸12bを線材検知センサユニット60に被せるようにして装着する。
このとき、用紙処理装置100側のロック機構6のロック部5をボビン12aの開口部12dに挿入して線材カートリッジ10にセンサケース部4を挿入すると、ロック部5が線材カートリッジ10をロックすると共に、線材検知センサ65の発光素子及び受光素子がボビン12a及び巻き軸12bの窓部12cに臨むように配置できるようになる。
これにより、用紙処理装置100側の線材検知センサユニット60を線材カートリッジ10の巻き軸12bの内側にセットできるようになる。また、線材検知センサユニット60の線材検知センサ65を使用して、ボビン12aに巻き付けられた線材1の有無を検知できるようになる。
図36A及びBは、線材カートリッジ10における線材検知センサ65の機能例を示す図である。
図36Aに示す線材検知センサ65によれば、当該ドラム12に線材1が有る場合は、ハイ・レベル(以下「H」レベルという)の線材検知信号S65(オン信号)を出力するようになされる。この場合、例えば、線材1がボビン12aに所定ピッチを維持して隙間無く、一層以上整列巻きされている状態であって、ボビン12aの窓部12c上が線材1で塞がれている状態である。この状態で、線材検知センサ65の発光素子から出射した光は、窓部12c上の線材1に反射して受光素子に入射する。これにより、線材検知センサ65がオンを継続して「H」レベルの線材検知信号S65を出力し続けるようになる。
図36Bに示す線材検知センサ65によれば、当該ドラム12に線材1が無い場合は、ロー・レベル(以下「L」レベルという)の線材検知信号S65を出力するようになる。この場合、線材1がボビン12aで1層に巻かれていたものが、線材1の消費が進んで、窓部12c上に存在していた線材1が無くなり、窓部12cが露出した状態である。この状態で、線材検知センサ65の発光素子から出射した光は、窓部12cから外部に発散するので、受光素子には光が入射しなくなる。これにより、線材検知センサ65がオフして「L」レベルの線材検知信号S65を出力するようになる。なお、線材検知信号S65で線材有無を示す信号論理は反転信号、例えば、S65=「L」及びS65=「H」レベルであってもよい。
この例で、線材検知センサ65の取付位置は、好ましくは、コイル成形機構20で成形可能な最大コイル径であって、用紙幅と同じ長さの螺旋コイル11cが成形できる線材長さを残した状態を検出できる部分に設定するとよい。線材1の使用量は、コイル径によって異なるが、このような位置に設定すると、1回分の螺旋コイル11cが成形できる長さの線材1がドラム12に残ったとしても、コイル成形途中で線材1が途切れて綴じ処理が中断されるという事態を防止できるようになる。
このように、線材検知センサユニット60を構成すると、例えば、線材検知センサ65から出力される「H」レベルの線材検知信号S65によって、線材残量表示系において、ドラム12に線材1が有る旨を表示できるようになる。反対に、線材検知センサ65から出力される「L」レベルの線材検知信号S65によって、線材残量表示系において、ドラム12に線材1が無い旨を表示できるようになる。
図37は、線材カートリッジ10の他の配置例及び他の線材検知センサ65’の構成例を示す図である。
この例では、コイル成形機構20に対して線材カートリッジ10を直交する位置に配置した場合であり、線材カートリッジ10から繰り出された線材1は、進行方向を90°偏向させられて導かれる。このように線材カートリッジ10を配置すると、用紙処理装置100を縦長型に設計できるようになる。
また、図34に示した線材検知センサユニット60は、ドラム12内に設ける場合について説明したが、これに限られることはなく、ドラム12の外部に設ける場合であってもよい。例えば、ドラム12とコイル成形機構20との間に設けられた線材張力機構15に、線材検知センサ65’を配置する。
図37に示す線材検知センサ65’は、線材張力機構15に付加され、ドラム12から繰り出される線材1への張力の有無を検知して線材検知信号S65’を出力する。線材検知センサ65’には、透過型の光学センサが使用される。
この例では、図34に示した線材張力機構15の駆動アーム15bの下方が延長され、この延長部分が線材検知センサ65’への遮光部15eとなされる。線材検知センサ65’は線材張力機構下の所定の位置に配置される。例えば、延長された駆動アーム15bの遮光部15eの下方に配置される。このように線材検知センサ65’を構成すると、線材搬送経路における線材張力(反力)に基づいてドラム12から繰り出される線材1の有無を検知できるようになる。
図38A〜Cは、線材検知センサ65’の機能例を示す図である。図38Aに示す線材張力機構15は、テンションローラ15aが最上位(ホームポジション)に位置している場合である。この場合、線材張力機構15に設けられたホームポジションセンサ(以下HPセンサ15dという)はオフして、例えば、「L」レベルのオフ信号S5dを出力する。このとき、線材検知センサ65’はオンして例えば、「H」レベルの線材検知信号S65’を出力する。
図38Bに示す線材張力機構15は、駆動部15c及びテンションローラ15aを介して線材1にテンションを加えた場合である。この場合、線材1からの反力によりテンションローラ15が均衡している。この場合、HPセンサ15dはオンして、例えば、「H」レベルのオン信号S5dを出力する。このとき、線材検知センサ65’はいまだオンしており、「H」レベルの線材検知信号S65’を出力し続ける。
図38Cは線材1が存在しない場合であって、駆動部15cがテンションローラ15aを最下位に降下させた場合である。この場合は、HPセンサ15dがオンしているが、線材1からの反力が無いので、駆動アーム15bから延在された遮光部分が、線材検知センサ65’を遮光するようになされる。これにより、線材検知センサ65’はオフして、「L」レベルの線材検知信号S65’を出力する。
このように、本発明に係る線材カートリッジ10によれば、所定の太さの線材1から螺旋コイル11を成形し、用紙を束ねて当該コイルで綴じ処理をする場合に、線材検知センサユニット60に取り付けられた線材検知センサ65や、線材張力機構15に取り付けられた線材検知センサ65’が、用紙処理装置100に装着された当該線材カートリッジ10のドラム12に巻き付けられた線材1の有無を検出するようになる。
従って、ドラム12に線材1が有るか否かを電気信号的に読み取ることができる。上述した例では、線材検知センサ65から出力される「L」レベルの線材検知信号S65や、HPセンサ15dのオン信号S5d=「H」レベル及び線材検知信号S65’=「L」レベルから線材1が無いことを認知(告知)できるようになる。これにより、当該線材カートリッジ10が装着される用紙処理装置100の制御系において、線材検知センサ65,65’から出力される線材検知信号S65,S65’に基づいてコイル成形系や、綴じ処理系、線材有無表示系等を制御できるようになる。
図39は、用紙処理装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図39に示す用紙処理装置100は、制御部50、用紙センサ61、到達検知センサ62、通過検知センサ63、線材検知センサ65、操作部66、モータ駆動部71〜74、カット&折り曲げ機構75及びモニタ76を有して構成される。
制御部50は、I/O(Input/Output)ポート51、ROM(Read Only Memory)52、ワーク用のRAM(Random Access Memory)53、メモリ部54、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)55及びシステムバス56を有して構成される。
CPU55にはシステムバス56を介してROM52が接続され、当該装置全体を制御するためのシステム起動用のプログラムデータD52が格納される。RAM53はシステムバス56を介してCPU55に接続されている。RAM53には、プログラムデータD52や、各種コイル径によるバインド処理時の制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU55は電源がオンされると、ROM52からプログラムデータD52をRAM53に読み出してシステムを起動し、当該装置全体を制御するようになされる。
システムバス56には、上述のROM52、RAM53、CPU55の他にメモリ部54が接続され、用紙検知データD61、到達検知データD62、通過検知データD63、装着有無データD64、線材検知データD65、操作データD66、モータ駆動データD71〜D75、表示データD76等の他に制御データD20を記憶するようになされる。メモリ部54には、EEPROM(Electric Erasable Program Read Only Memory)や、固定ディスク装置(HDD)が使用される。
メモリ部54には、バインド機構40の制御用プログラムなどが保存されている。この例でシステムが起動されると、CPU55は、メモリ部54からRAM53へ、制御用プログラムを読み出して展開する。上述の制御用プログラムには、用紙の枚数に応じて螺旋コイル11のサイズを判定するための基準値が設定されている。
例えば、基準値には、用紙束3の枚数「40」、「70」、「100」等が設定されている。メモリ部54には、用紙束3の枚数「40」に対応してコイル径=直径8mmを作成するための円弧状部#φ8の設定データが格納され、その枚数「70」に対応してコイル径=直径11mmを作成するための円弧状部#φ11の設定データが格納され、その枚数「100」に対応してコイル径=直径14mmを作成するための円弧状部#φ14の設定データが各々格納されている。
CPU55は、用紙束3の厚みに応じた設定データを読み出して選定機構28’を制御する。この例で、CPU55は、これらの基準値と制御データD20内の用紙枚数情報に基づいて、使用する螺旋コイル11の径を判定する。制御データD20は上位の画像形成装置等から受信される。
CPU55にはI/Oポート51を介して、操作部66が接続され、バインド処理を起動する際に操作される。この例では、用紙処理装置100が単独で管理使用される場合(以下マニュアルモードという)と、コピー機や、プリンタ等の画像形成装置200の制御傘下に入って上位の制御系より集中管理される場合(以下フィニッシャモードという)の2つの機能を備えている。
操作部66は、マニュアルモードによりコイルバインド処理する場合は、I/Oポート51を介してコイル径の設定や、起動命令等の操作データD66をCPU55へ出力するように操作される。コイル径は、用紙束3の厚さに対応する円弧状部#φ8,#φ11,#φ14からいずれか1つが選択される(第2の実施例)。
当該用紙処理装置100がフィニッシャモードとしてコイルバインド処理する場合は、上位の制御系から、用紙枚数情報や、用紙転送通知情報等の制御データD20が入力される。用紙処理装置100は入出力端子91を有している。入出力端子91はI/Oポート51に接続される。上述の画像形成装置200は、入出力端子91に接続される。用紙処理装置100では、例えば、制御データD20から用紙枚数を検出し、この用紙枚数に対応するコイル径=直径8mm、11mm、14mmを自動選定して、円弧状部#φ8,#φ11,#φ14からいずれか1つを設定し、当該円弧状部#φ8等に基づいて螺旋コイル11を成形するようになされる。
I/Oポート51には用紙センサ61が接続される。用紙センサ61は、用紙束3がバインド機構40に載置されたか否かを検知して得た用紙有無信号S61をI/Oポート51に出力する。I/Oポート51には、図示しないアナログ・デジタル変換器が設けられ、用紙有無信号S61を用紙有無データD61に変換する。用紙有無データD61は、I/Oポート51から制御部50のCPU55に出力される。CPU55は、線材カートリッジ10に線材1が有ることを確認してから、コイル成形部28及びバインド機構40を制御する。
この例で、用紙センサ61に用紙束3の厚みを検出する機能を備えた用紙厚検知センサを適用してもよい。例えば、用紙クランプ45のアームの所定の位置に遮光スリットを設け、用紙束3が40枚以下、70枚以下及び100以下である場合を検知する複数の透過型の光学センサを配置して用紙厚検知センサを構成する。
I/Oポート51には装着有無センサ64が接続され、線材カートリッジ10が当該コイルバインド装置100に装着されているか否かを検知して装着検知信号S64を出力する。装着検知信号S64は、I/Oポート51で装着検知データD64に変換される。装着検知データD64はI/Oポート51からCPU55へ出力される。装着有無センサ64は、例えば、線材カートリッジ10が装着されていると、装着検知データD64=「H」レベルを出力し、線材カートリッジ10が非装着であると、装着検知データD64=「L」レベルを出力する。
I/Oポート51には装着有無センサ64の他に線材検知センサ65が接続され、ドラム12に巻き付けられた線材1の有無を検知して、線材検知信号S65を出力する。線材検知信号S65は、I/Oポート51で線材検知データD65に変換される。線材検知データD65はI/Oポート51からCPU55へ出力される。線材検知センサ65は、例えば、線材残量有りで線材検知データD65=「H」レベルを出力し、線材残量無しで線材検知データD65=「L」レベルを出力する。
I/Oポート51には、用紙センサ61、装着有無センサ64及び線材検知センサ65の他に、表示部の機能を構成するモニタ76が接続される。CPU55は、用紙有無データD61、装着検知データD64及び線材検知データD65を入力してモニタ76を表示制御する。例えば、用紙有無データD61に基づいてモニタ76には、用紙束3がバインド機構40に載置されていない旨を表示したり、装着検知データD64=「L」レベルに基づいて線材カートリッジ10が非装着である旨を表示したり、線材検知データD65に基づいてドラム12における線材1の有無を表示する。
この例では、「L」レベルの装着検知データD64に基づいて線材カートリッジ10の装着を促す文字情報等を表示し、線材残量無しで「L」レベルの線材検知データD65に基づいて線材カートリッジ10の交換を促す文字情報等を表示する。これにより、人の介在無し(機械的)に線材1(消耗品)の不足を知ることができる。
CPU55はI/Oポート51に接続され、I/Oポート51にはモータ駆動部71〜74が接続される。CPU55は、上述の基準値と制御データD20の用紙枚数情報に基づいて使用する螺旋コイル11の径を判定後、当該判定結果に基づいてモータ駆動部71〜74を駆動制御する。
上述のI/Oポート51に接続されたモータ駆動部71では、モータ制御データD71に基づいてコイル成形機構20における成形アダプタ28aの3つの円弧状部#φ8,#φ11,#φ14の中から用紙束3の厚さに対応する1つの円弧状部が選択される。
例えば、モータ駆動部71にはモータ701が接続される。モータ駆動部71では、モータ制御データD71からモータ制御信号(電圧)S71が生成され、モータ制御信号S71をモータ701に出力する。モータ701は、モータ制御信号S71に基づいて反時計方向に回転してコイル径を設定するための成形アダプタ28aを回転し半月切欠き状の円弧状部#φ8等を選択する。モータ制御データD71は制御部50からモータ駆動部71へ出力される。
I/Oポート51にはモータ駆動部71の他にモータ駆動部73が接続され、モータ制御データD73に基づいてバインド機構40における螺旋コイル11の位置を設定する。例えば、モータ駆動部73にはモータ703が接続される。モータ駆動部73では、モータ制御データD73からモータ制御信号(電圧)S73が生成され、モータ制御信号S73をモータ703に出力する。モータ703は、ガイド切替カム34bを反時計方向に回転して螺旋ガイド49をコイル進行方向と直交する方向へ移動する。この移動は、コイル径に応じて螺旋ガイド49を設定するためである。モータ制御データD73は制御部50からモータ駆動部73へ出力される。
この例で、CPU55は少なくとも、上位の制御系からの制御データD20が小径の螺旋コイル11aの位置設定を示す場合、送りローラ31を鉛直方向へ第1の距離d1だけ移動すると共に、螺旋ガイド49を用紙束3のパンチ孔3aに近接する方向へ第1の距離d1’だけ移動するように制御する。
制御データD20が中径の螺旋コイル11bの位置設定を示す場合、送りローラ31を鉛直方向へ第2の距離d2だけ移動すると共に、螺旋ガイド49を用紙束3のパンチ孔3aの方向へ第2の距離d2’だけ移動するように制御する。制御データD20が大径の螺旋コイル11cの位置設定を示す場合、送りローラ31を鉛直方向へ第3の距離d3だけ移動する(d1>d2>d3)。これと共にCPU55は、螺旋ガイド49を用紙束3のパンチ孔3aの方向へ第3の距離d3’だけ移動するように制御する(d1’>d2’>d3’)。これにより、クランプ後、モータ制御データD73に基づいて、送りローラ31及び螺旋ガイド49の位置をバインド機構40で調整できるようになる(図16B参照)。
I/Oポート51にはモータ駆動部71,73の他にモータ駆動部72が接続され、モータ制御データD72に基づいてコイル成形機構20における下部及び上部の送りローラ部23a,23bを回転する。例えば、モータ駆動部72にはモータ702が接続される。モータ駆動部72では、モータ制御データD72からモータ制御信号(電圧)S72が生成され、モータ制御信号S72をモータ702に出力する。モータ702は反時計方向に回転し、下部の大径ギア24bを介して下部の送りローラ部23bを時計方向に回転し、上部の送りローラ部23aを大径ギア24aを介して反時計方向に回転する。モータ制御データD72は制御部50からモータ駆動部72へ出力される。
なお、I/Oポート51には線材張力機構15が接続され、その駆動部15cに張力制御データD15を出力する。駆動部15cは張力制御データD15に基づいてテンションローラ15aを制御する。線材検知センサ65又は65’の設置対応によって、線材張力機構15にはHPセンサ15dが設けられる。線材検知センサ65’が当該用紙処理装置100に実装される場合は、I/Oポート51に、HPセンサ15d及び線材検知センサ65’が接続される。HPセンサ15dはオン/オフ信号S5dを制御部50のI/Oポート51に出力するようになされる。I/Oポート51ではオン/オフ信号S5dがアナログ・デジタル変換され、オン/オフデータD5dとなってCPU55に出力される。
I/Oポート51にはモータ駆動部71〜73の他にモータ駆動部74が接続される。モータ駆動部74では、モータ制御データD74からモータ制御信号(電圧)S74が生成され、モータ制御信号S74をモータ704に出力する。モータ704は、モータ制御信号S74に基づいてバインド機構40における螺旋コイル11を回転する。例えば、モータ704は、送りローラ31を反時計方向に回転して螺旋コイル11を時計方向へ回転する。モータ制御データD74は制御部50からモータ駆動部74へ出力される。
この例で、CPU55は、コイル成形部28から送出される螺旋コイル11の回転速度V1と、バインド機構40における螺旋コイル11の回転速度V2をV1≦V2に設定して螺旋コイル11の綴じ速度を制御する。回転速度V1はモータ制御データD73を介してモータ駆動部73に設定される。モータ駆動部73は、モータ制御データD73に基づいてコイル成形機構20のモータ703を回転速度V1に制御する。
回転速度V2はモータ制御データD74を介してモータ駆動部74に設定される。モータ駆動部74は、モータ制御データD74に基づいてバインド機構40のモータ704を回転速度V2に制御する。このように、回転速度V1、V2をV1≦V2に設定すると、用紙束3の一端のパンチ孔から挿入した螺旋コイル11の先端を当該用紙束3の他端のパンチ孔に至るまで、途中でジャムることなく、螺旋コイル11を円滑に挿入できるようになる。
また、I/Oポート51には第1の検知部の機能を構成する到達検知センサ62が接続される。到達検知センサ62は、バインド機構40における螺旋コイル11の先端到達を検知して先端検知信号S62を出力する。先端検知信号S62は、I/Oポート51で先端到達データD62に変換される。先端検知データD62はI/Oポート51からCPU55へ出力される。
CPU55は、I/Oポート51から得られた先端検知データD62に基づいてモータ駆動部73を制御する。このような到達検知センサ62をバインド機構40に配置すると、用紙束3の一端のパンチ孔3aから挿入した螺旋コイル11の先端が当該用紙束3の他端に到達したとき、コイル移動停止制御を実行できるようになる。
この例では、I/Oポート51には到達検知センサ62の他に、第2の検知部の機能を構成する通過検知センサ63が接続され、螺旋コイル11の先端通過を検知して先端通過信号S63を出力する。先端通過信号S63は、I/Oポート51で先端通過データD63に変換される。先端通過データD63はI/Oポート51からCPU55へ出力される。CPU55は、I/Oポート51から得られた先端通過データD63に基づいてモータ駆動部74を制御する。なお、螺旋コイル11の先端通過検知に関しては、モータ704の回転数で送り量を検知してもよい。
このような通過検知センサ63をバインド機構40に配置すると、用紙束3の一端のパンチ孔3aから挿入した螺旋コイル11の先端が当該用紙束3の他端に到達する前にコイル移動減速制御を実行できるようになる。
上述のI/Oポート51には4つのモータ駆動部71〜74の他に、カット&折り曲げ機構75が接続され、切断制御データD75に基づいてバインド機構40における螺旋コイル11を切断するように動作する。例えば、カット&折り曲げ機構75には図示しないモータが設けられ、当該モータを所定の方向に回転してカッターを動作させてコイルを切断すると共に、その先端部及び終端部を折り曲げるようになされる。切断制御データD75は制御部50からカット&折り曲げ機構75へ出力される。
このように、用紙処理装置100によれば、本発明に係るコイル成形機を備えるので、所定の厚みの用紙束3を綴じる場合であって、所定の太さの線材1から螺旋コイル11を成形する場合に、螺旋コイル11のコイルピッチを一定ピッチに規制できるので、コイル径が変わってもピッチが変わらない螺旋コイル11を再現性良く送出できるようになった。
バインド機構40では、コイル成形部28から得られた所定のコイル径かつ一定ピッチの螺旋コイル11a等で用紙束3を綴じるようになる。従って、用紙Pのパンチ孔のピッチが同じ場合であって、用紙束3の厚みが異なる場合等において、厚みに対応した所望のコイル径の螺旋コイル11が選択可能で、当該螺旋コイル11を使用したバインド処理を再現性良くできるようになる。これにより、構成が簡単なコイル成形機を応用したフィニッシャ100’を提供できるようになった。
しかも、コイル成形部28の構造を簡素化できたことで、全体システムをコンパクト化することができ、及び、自動的に円弧状部を切り替えるようにしたので、画像形成装置200やプリンタ等の一般オフィス機器と連動させて使用できるようになった。
また、用紙処理装置100によれば、コイル径を設定するためのコイル径設定情報を入力する制御部50を備え、当該コイル径設定情報に基づいて、移動可能な送りローラ31及び可動調整側の螺旋ガイド49の位置を制御するようになされる。
従って、コイル径設定情報が示す螺旋コイル11a等の案内位置に送りローラ31及び可動調整側の螺旋ガイド49を移動できるようになる。これにより、異なる径、8mm、11mm、14mmといった螺旋コイル11a,11b,11cを安定して用紙束3のパンチ孔3aに挿通できるようになった。
また、用紙処理装置100によれば、用紙載置台46に載せられた用紙束3の各用紙Pの先端部を揃えるように規制する用紙当接ピン46dと、この用紙当接ピン46dにより規制された用紙載置台上の用紙束3の各用紙Pの側端部3bを揃えるように規制する用紙揃えガイド41とを備え、用紙揃えガイド41は、用紙載置台46の用紙を載せる面に対して所定の傾斜を有する用紙揃え面を含み、用紙揃え面の傾斜に沿って用紙束3の側端部3bを斜めに規制するようになされる。
従って、用紙束3において各パンチ孔3aを斜めにずらすことができるようになったので、斜めにずらされた用紙束3のパンチ孔3aに螺旋コイル11a等を円滑に挿通できるようになった。
また、用紙処理装置100によれば、カット&折り曲げ機構75を備え、挟持当て部75a及び挟持受け部75bにより螺旋コイル11a等の端部を挟んで保持し、挟持された当該螺旋コイル11aの端部を切断して所定方向に折り曲げるようになされる。
従って、用紙束3のパンチ孔3aに螺旋コイル11aの挿通開始をする位置にカット&折り曲げ機構75を配置できるようになる。しかも、そのパンチ孔3aに挿通された螺旋コイル11aの端部を保持固定した状態で、その端部を確実に切断及び折り曲げ処理できるようになる。これにより、コイル成形処理、コイルバインド処理及びコイル切断処理に至る一連の工程を1台の筐体の中で実現するフィニッシャ等を提供できるようになった。
また、用紙処理装置100によれば、本発明に係る線材カートリッジ10が装着されるので、CPU55は、線材検知センサ65から得られる線材検知データD65に基づいてコイル成形機構20及びバインド機構40を制御できるようになった。
従って、線材検知センサ65から出力される線材検知データD65に基づいて螺旋コイル11による用紙束3のバインド処理をこのまま継続可能か否かを判別したり、ユーザに線材カートリッジ10交換等を告知できるようになった。
続いて、本発明に係る画像形成システム101における用紙処理方法について説明をする。