JP2009074171A - 金属コロイド粒子およびその分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗大粒子が少なく、高濃度で金属ナノ粒子を含む長期間の保存安定性に優れた金属コロイド粒子を提供する。
【解決手段】金属ナノ粒子(A)と、この金属ナノ粒子(A)を被覆する保護コロイド(B)とで構成された金属コロイド粒子において、前記保護コロイド(B)を、カルボキシル基を有する有機化合物(B1)(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのC1−20アルカン酸;コール酸などのC6−34脂環族ヒドロキシカルボン酸など)と、高分子分散剤(B2)(例えば、酸価5mgKOH/g以上のカルボキシル基を有する高分子分散剤)とで構成する。このような金属コロイド粒子において、前記有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との割合は、前者/後者(質量比)=95/5〜2/98程度であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ナノ粒子(銀ナノ粒子など)を含む金属コロイド粒子、この金属コロイド粒子を含む分散液および金属コロイド粒子の製造方法に関する。
金属ナノ粒子(又は金属コロイド粒子)は、非線形光学特性などの物性を有し、バルクや金属原子とは異なる性質を有することが知られており、電気・通信分野などの多様な分野への応用が期待されている。
このような金属ナノ粒子の製造方法は気相法と液相法とに大別される。気相法に関し、特許3341361号公報(特許文献1)には、超微粒子の材料を不活性ガス中で加熱蒸発し、不活性ガスとの衝突により蒸気を急冷することにより超微粒子を形成し、この超微粒子を基板上に付着させる工程と、この基板上にマトリックスを形成させる工程とを交互に行って超微粒子分散材料を製造する方法において、前記マトリックスを形成させる工程が、テトラメトキシシランなどの有機化合物またはシリコン水素化物の気体が化学反応に関与する化学的気相堆積法による工程である超微粒子分散材料の製造方法が開示されている。この方法では、交互堆積法により超微粒子の凝集成長を抑制でき、粒径分布のバラツキの小さな超微粒子分散材料を作製できる。しかし、気相法は、誘導加熱装置や真空装置などの高価で大掛かりな装置を必要とするとともに、金属ナノ粒子が真空装置内で生成するため、一度に得られる金属ナノ粒子の生成量が少なく、金属ナノ粒子を大量生産するのに適していない。
一方、液相法は、簡便である上に大量生産にも適する特徴を有する。このような液相法による金属ナノ粒子の製造方法として、溶液中において、金属化合物を、この金属化合物の保護コロイドに成りうる化合物(又は分散剤)の存在下で還元する方法が知られている。
このような保護コロイドを用いる方法において、保護コロイドとしては、インキなどの分野で知られている顔料分散剤を使用することが提案されている。そして、着色性や金属光沢の向上を目的として、保護コロイドとしての高分子分散剤の使用も提案されている。
例えば、特開平11−80647号公報(特許文献2)には、貴金属又は銅のコロイド粒子及び高分子量顔料分散剤を含むことを特徴とする貴金属又は銅のコロイド溶液が開示されている。この文献には、高分子量顔料分散剤として、(1)顔料親和性基を主鎖及び/又は複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子、(2)主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子、(3)主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子を使用できるとし、具体的に使用できる市販品としては、例えば、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000(ゼネカ社製);ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190(ビックケミー社製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49(EFKAケミカル社製);ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル社製);アジスパーPB711、アジスパーPA111、アジスパーPB811、アジスパーPW911(味の素社製);フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−730W、フローレンG−700、フローレンTG−720W(共栄社化学社製)などを挙げている。
また、特開2004−256722号公報(特許文献3)には、着色剤として、金、銀、白金及び銅から選ばれるコロイド粒子と、溶剤と、分散剤とを少なくとも含有する筆記具用金属光沢色インキ組成物が開示されている。この文献には、分散剤としては、高分子重合体に顔料(コロイド粒子)表面に対する親和性の高い官能基が導入された両親媒性の共重合体が記載されており、具体的に使用できる分散剤として前記と同様の分散剤が挙げられている。
これらの文献に記載の方法のように、高分子を分散剤とした場合、粒子表面に吸着した高分子が粒子間の凝集を妨げるため、ナノ粒子は良好な分散性を示し、室温保存においても安定なナノ粒子分散液が得られる。しかし、これらの文献に記載の方法では、金属ナノ粒子が得られるものの、粗大粒子(例えば、一次粒子径が100nm以上の粒子)が生成しやすい。特に、反応系における金属化合物の濃度を大きくすると、粗大粒子が著しく生成しやすくなり、金属ナノ粒子の収率が大きく低下する。また、これらの文献で得られた金属ナノ粒子を基板に塗布し、導電性の金属膜とする場合、分散剤である高分子の分解・気化温度が高いため、低温焼成(例えば、300℃未満の焼成)では、低抵抗の金属膜を得ることは困難である。
さらに、特開2007−63580号公報(特許文献4)には、銀ナノ粒子を製造する方法であって、(1)アミン化合物、(2)銀塩、及び(3)カルボキシル基を有する多環式炭化水素化合物(コール酸、デオキシコール酸、デヒドロコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、コラン酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸、アビエチン酸、グリチルリチン酸及びグリシルリジン酸など)を含む出発原料を熱処理する工程を含むことを特徴とする製造方法が開示されている。
しかし、この文献に記載の方法では、金属ナノ粒子を得るためには、多量のカルボキシル基を有する多環式炭化水素化合物が必要であり、実用的でない。また、多量に用いるため、現実的には、金属コロイド粒子の精製操作が必要となる。さらに、前記炭化水素化合物の量を減らすと、粗大粒子が生成する。そのため、高濃度で小粒径の金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子を得ることが困難である。
特許3341361号公報(請求項1) 特開平11−80647号公報(請求項1、段落番号[0020]、[0035]) 特開2004−256722号公報(請求項1〜5、段落[0008]〜[0016]) 特開2007−63580号公報(請求項)
従って、本発明の目的は、粗大粒子(又は比較的大きな粒子)の生成が抑制された金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子(金属ナノ粒子複合体)、この金属コロイド粒子を含む分散液、およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、高濃度で金属ナノ粒子を含んでいるにもかかわらず、長期間の保存安定性に優れた金属コロイド粒子、この金属コロイド粒子を含む分散液、およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、分散性および保存安定性に優れるとともに、低温焼結(例えば、300℃未満での焼結)可能な金属コロイド粒子、この金属コロイド粒子を含む分散液、およびその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、反応系内(反応溶媒中)の金属濃度が高くても、粗大粒子の生成が少ない金属ナノ粒子を高収率で得ることができる金属コロイド粒子(又はその分散液)の製造方法を提供することにある。
前記のように、金属ナノ粒子を被覆又は保護する保護コロイド(又は分散剤)を、高分子の分散剤とすると、粗大粒子が生成しやすくなり、また、低温焼成で低抵抗の金属膜を得ることが困難である。一方、低分子を分散剤として用いた場合、低分子の分解又は気化温度が低いため、低温焼成(例えば、300℃未満の焼成)においても、良好な導電性の金属膜を得ることが可能であるが、粒子間の凝集・焼結が起こりやすく、長期間の保存によって抵抗値が増大するといった問題点があった。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、金属ナノ粒子を被覆又は保護する保護コロイド(又は分散剤)を、カルボキシル基を有する有機化合物と、高分子分散剤(特に、カルボキシル基を有する高分子分散剤)とで構成することにより、粗大粒子の生成が抑制された金属コロイド粒子が得られること、特に、このような保護コロイドを使用することにより、反応系の金属濃度を高めても粗大粒子の生成を著しく抑制でき、高濃度で金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子が得られること、また、前記特定の分散剤の組み合わせにより、分散性、保存安定性、低温焼結性という相反する性質を両立できる金属コロイド粒子が得られること、さらには、長期間保存しても金属膜(焼結膜)において優れた導電性を維持でき、かつ低温焼結可能な金属コロイド粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A)と、この金属ナノ粒子(A)を被覆する保護コロイド(B)とで構成された金属コロイド粒子であって、前記保護コロイド(B)が、カルボキシル基を有する有機化合物(B1)と、高分子分散剤(B2)とで構成されている。前記金属ナノ粒子(A)を構成する金属は、少なくとも貴金属を含む金属(例えば、銀など)であってもよい。
前記有機化合物(B1)は、脂肪族カルボン酸(例えば、C1−24脂肪族カルボン酸好ましくはC1−20脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC1−18脂肪族カルボン酸、特にC1−18アルカン酸)およびヒドロキシカルボン酸[例えば、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、コール酸などのC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸など)など]から選択された少なくとも1種であってもよい。
また、前記高分子分散剤(B2)は、カルボキシル基を有していてもよい。代表的には、前記有機化合物(B1)がC1−18脂肪族カルボン酸およびC2−34脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選択された少なくとも1種であってもよい。
前記金属コロイド粒子において、前記有機化合物(B1)と前記高分子分散剤(B2)との割合は、例えば、前者/後者(質量比)=95/5〜2/98(例えば、86/14〜4/96)程度であってもよい。代表的には、前記保護コロイド(B)の割合が、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して1.0〜60質量部程度であり、かつ、有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との割合が、前者/後者(質量比)=90/10〜3/97(例えば、86/14〜4/96)程度であってもよい。
本発明の金属コロイド粒子は、前記のように粗大粒子が少ない金属ナノ粒子を含んでいる。例えば、前記金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A)の平均一次粒子径が1〜100nm程度であり、かつ、一次粒子径が100nm以上の粒子の割合が、金属の質量基準で1質量%以下であってもよい。
本発明には、前記金属コロイド粒子および溶媒を含む分散液も含む。このような分散液において、前記溶媒は、少なくとも水を含む溶媒(水、水と水溶性溶媒との混合液、特に水)であってもよい。また、分散液を構成する前記溶媒の極性パラメータは、3.1〜10.2程度であってもよい。
また、本発明には、前記金属ナノ粒子(A)に対応する金属化合物を、前記保護コロイド(B)および還元剤の存在下、溶媒(反応溶媒)中で還元し、前記金属コロイド粒子を製造する方法も含まれる。このような方法において、溶媒(反応溶媒)中の金属化合物の濃度は、金属の質量換算で、5〜30質量%程度であってもよい。本発明では、このような高濃度で反応させても粗大粒子の生成を抑制できる。また、前記方法において、還元剤は、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、第3級アミン、エチレングリコール、タンニン酸などであってもよい。代表的には、前記還元剤はアルカノールアミン類(例えば、ジメチルアミノエタノールなど)であってもよく、還元剤の使用量は、金属原子換算で金属化合物1モルに対して1〜5モル程度であってもよい。
本発明では、金属ナノ粒子を被覆する保護コロイドとして、特定の保護コロイドを使用するので、粗大粒子の生成が抑制された金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子(金属ナノ粒子複合体)が得られる。特に、本発明の金属コロイド粒子は、高濃度で金属ナノ粒子を含んでいるにもかかわらず、長期間の保存安定性に優れている。また、本発明の金属コロイド粒子は、分散性および保存安定性に優れるとともに、低温焼結(例えば、300℃未満での焼結)可能である。そのため、本発明の金属コロイド粒子は、長期間の保存によっても、十分な導電性を有する金属膜を得ることができる。さらに、本発明の方法では、前記特定の保護コロイドを用いることより、反応系内(反応溶媒中)の金属濃度(又は金属化合物濃度)が高くても、粗大粒子の生成が少ない金属ナノ粒子を高収率で得ることができる。
[金属コロイド粒子]
本発明の金属コロイド粒子は、金属ナノ粒子(A)と、この金属ナノ粒子(A)を被覆する保護コロイド(B)で構成された金属コロイド粒子であって、前記保護コロイド(B)が、特定の化合物の組み合わせで構成されている。
(金属ナノ粒子(A))
金属ナノ粒子(A)を構成する金属(金属原子)としては、例えば、遷移金属(例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期表第4A族金属;バナジウム、ニオブなどの周期表第5A族金属;モリブデン、タングステンなどの周期表第6A族金属;マンガンなどの周期表第7A族金属;鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、イリジウム、白金などの周期表第8族金属;銅、銀、金などの周期表第1B族金属など)、周期表第2B族金属(例えば、亜鉛、カドミウムなど)、周期表第3B族金属(例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)、周期表第4B族金属(例えば、ゲルマニウム、スズ、鉛など)、周期表第5B族金属(例えば、アンチモン、ビスマスなど)などが挙げられる。金属は、周期表第8族金属(鉄、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金など)、周期表第1B族金属(銅、銀、金など)、周期表第3B族金属(アルミニウムなど)及び周期表第4B族金属(スズなど)などであってもよい。なお、金属(金属原子)は、保護コロイドに対する配位性の高い金属、例えば、周期表第8族金属、周期表第1B族金属などである場合が多い。
金属ナノ粒子(A)は、前記金属単体、前記金属の合金、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物などであってもよい。これらの金属ナノ粒子(A)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。金属ナノ粒子(A)は、通常、金属単体粒子、又は金属合金粒子である場合が多い。なかでも、金属ナノ粒子(A)を構成する金属は、少なくとも銀などの貴金属(特に周期表第1B族金属)を含む金属(金属単体および金属合金)、特に貴金属単体(例えば、銀単体など)であるのが好ましい。
金属ナノ粒子(A)はナノメーターサイズである。例えば、本発明の金属コロイド粒子における金属ナノ粒子(A)の平均粒子径(平均一次粒子径)は、1〜100nm、好ましくは1.5〜80nm、さらに好ましくは2〜70nm、特に3〜50nm程度であってもよく、通常1〜40nm(例えば、2〜30nm)程度であってもよい。
また、本発明の金属コロイド粒子は、粗大粒子をほとんど含んでいなくてもよい。そのため、前記金属ナノ粒子(A)の最大一次粒子径は、例えば、200nm以下、好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。さらに、金属ナノ粒子(A)(又は金属コロイド粒子)において、一次粒子径が100nm以上の粒子の割合は、金属(又は金属成分)の質量基準で、例えば、10質量%以下(例えば、0〜8質量%程度)、好ましくは5質量%以下(例えば、0.01〜3質量%)、さらに好ましくは1質量%以下(例えば、0.02〜0.5質量%程度)であってもよい。
(保護コロイド(B))
保護コロイド(B)は、カルボキシル基を有する有機化合物(B1)と、高分子分散剤(B2)とで構成されている。
(カルボキシル基を有する有機化合物(B1))
有機化合物(B1)は、カルボキシル基を有している。このようなカルボキシル基の数は、有機化合物(B1)1分子あたり、1以上であれば特に限定されず、例えば、1〜10、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3程度であってもよい。
なお、有機化合物(B1)において、一部又は全部のカルボキシル基は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよい。特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない有機化合物(すなわち、遊離のカルボキシル基を有する有機化合物)を好適に使用できる。
また、有機化合物(B1)は、カルボキシル基を有している限り、カルボキシル基以外の官能基(又は金属化合物又は金属ナノ粒子に対する配位性基など)を有していてもよい。このようなカルボキシル基以外の官能基(又は配位性基)としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基{又は官能基、例えば、窒素原子を有する基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、イミノ基(−NH−)、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基など)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基など]、酸素原子を有する基[ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基などの5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子を有する基[例えば、チオ基、チオール基、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−4アルキルチオ基など)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO−)など]、これらの塩を形成した基(アンモニウム塩基など)など}などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて有機化合物(B1)が有していてもよい。
有機化合物(B1)は、これらの官能基のうち、カルボキシル基と塩を形成可能な塩基性基(特に、アミノ基、置換アミノ基、イミノ基、アンモニウム塩基など)を有していない化合物であるのが好ましい。
代表的な有機化合物(B1)には、カルボン酸が含まれる。このようなカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸[飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸などのC1−34脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC1−30脂肪族モノカルボン酸など)、不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸などのC4−34不飽和脂肪族カルボン酸、好ましくはC10−30不飽和脂肪族カルボン酸)]、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸などのC7−12芳香族モノカルボン酸など)などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸[例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのC2−14脂肪族飽和ポリカルボン酸、好ましくはC2−10脂肪族飽和ポリカルボン酸など)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸などのC4−14脂肪族不飽和ポリカルボン酸、好ましくはC4−10脂肪族不飽和ポリカルボン酸など)など]、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、トリメリット酸などのC8−12芳香族ポリカルボン酸など)などが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシモノカルボン酸[脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸などのC2−50脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、好ましくはC2−34脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、さらに好ましくはC2−30脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸(サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸などのC7−12芳香族ヒドロキシモノカルボン酸など)など]、ヒドロキシポリカルボン酸[脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのC2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸など)など]などが挙げられる。
なお、これらのカルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。なお、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩などの塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
有機化合物(B1)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらの有機化合物(B1)のうち、脂肪族カルボン酸(例えば、C1−24脂肪族カルボン酸、好ましくはC1−20脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC1−18脂肪族カルボン酸)や、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸および脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸、例えば、C2−34脂肪族ヒドロキシカルボン酸)などのヒドロキシカルボン酸が好ましい。脂肪族カルボン酸の中でも、飽和脂肪族カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸などのC1−24アルカン酸(アルカンカルボン酸)、好ましくはC1−20アルカン酸、さらに好ましくはC1−18アルカン酸)が好ましい。また、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の中でも、さらに、脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、コール酸などのC6−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC16−30脂環族ヒドロキシカルボン酸)が好ましい。
また、コール酸などの多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC18−30縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸)、デヒドロコール酸、コラン酸などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC10−34縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC18−30縮合多環式脂肪族カルボン酸)などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、C10−50縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC12−40縮合多環式脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族カルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族カルボン酸)は、嵩高い構造を有しており、金属ナノ粒子の凝集を抑制する効果が大きいためか好ましい。
なお、有機化合物(B1)の分子量は、例えば、1000以下(例えば、46〜900程度)、好ましくは800以下(例えば、50〜700程度)、さらに好ましくは600以下(例えば、100〜500程度)であってもよい。
また、有機化合物(B1)のpKa値は、例えば、1以上(例えば、1〜10程度)、好ましくは2以上(例えば、2〜8程度)程度であってもよい。
(高分子分散剤(B2))
本発明では、保護コロイドを、前記有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)とで組み合わせて構成する。このような組み合わせで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない金属ナノ粒子を含む金属コロイド粒子が得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組み合わせにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、金属ナノ粒子の割合を大きくでき、金属コロイド粒子(およびその分散液)の保存安定性にも優れている。前記組み合わせによりこのような優れた金属コロイド粒子となる理由は定かではないが、以下のような理由が考えられる。
まず、高分子分散剤は、その構造から、比較的大きな粒子を分散安定化する効果に優れているが、比較的小さな粒子の安定化効果が十分ではないため、金属ナノ粒子原料の濃度を大きくすると、生成する粒子を十分に安定化できなくなる。一方、このようなナノ粒子の合成初期段階に生成する比較的小さい粒子を、前記有機化合物が分散安定化する。このような有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との相乗的な作用により、金属ナノ粒子の原料が高濃度であっても粗大粒子の生成を抑えて金属ナノ粒子を生成できるものと考えられる。
また、保護コロイドは、短いタイムスケールでは、金属ナノ粒子表面に対して吸着、脱離を繰り返しているが、高分子分散剤で保護した場合、吸着した部分が瞬間的に脱離した場合であっても、立体障害が大きく、また、脱離しても、吸着に関与していた基に代わり他の基が金属ナノ粒子表面に吸着するため、粒子間の凝集や焼結が生じにくい。従って、良好な保存安定性を示す一方、その高い保護能力、分解温度のため、焼成温度も高温でなければ金属ナノ粒子の焼結は起こらず、高分子分散剤のみでは、低抵抗の導体を得ることはできない。一方、カルボキシル基を有する有機化合物は、通常金属ナノ粒子表面に対する吸着力は弱く、また、気化温度が低い場合が多い。そのため、低温焼成により低抵抗の導体を得やすいが、室温のような低温においても金属ナノ粒子の凝集、焼結が生じやすく、保存安定性が十分でないため、安定して金属膜などを形成することが困難である。
そこで、本発明では、高分子分散剤とカルボキシル基を有する有機化合物とを組み合わせる。このような組み合わせにより、金属ナノ粒子表面には高分子分散剤が吸着した部分、前記有機化合物が吸着した部分が形成されている。そして、前記高分子分散剤が吸着した部分は、強い表面保護能力により安定化されて、保存安定性が向上されている一方、前記有機化合物が吸着した部分は金属ナノ粒子表面から脱離しやすく、低温焼結の反応サイトとしての役割を担う。このような反応サイトは、室温程度の雰囲気においては高分子分散剤の作用により保護されているが、比較的低温での焼成温度(例えば、数十度以上)において焼結反応を開始し、結果として低温焼成でも低抵抗の金属膜などを得ることができるようである。特に、焼成温度が高くなれば、さらに高分子分散剤の保護能力よりも粒子間衝突や焼結性が高くなるため、導電性はバルク並になる。また、高分子分散剤は、基材に対する密着性を向上させる効果があり、しかも、本発明の導電性基材においてはこのような高分子分散剤の残存量を小さくでき、体積収縮が小さい緻密かつ密着性の高い膜を形成できるため、これらの点も基材に対する密着性に優れるとともに基材に強固に固定され、かつ金属膜の導電性を向上できる要因となっている。
高分子分散剤(又は高分子型分散剤)(B2)としては、金属ナノ粒子(A)を被覆可能であれば特に限定されないが、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
高分子分散剤としては、通常、塗料、インキ分野などで着色剤の分散に用いられている高分子分散剤が例示できる。このような分散剤には、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル酸系樹脂など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリンなど)、ポリエチレンスルホン酸又はその塩、ポリスチレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、窒素原子含有高分子化合物[例えば、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などのアミノ基を有する高分子化合物]などが含まれる。
代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)が含まれる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体(アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸など)、ヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなど)などの付加重合系モノマー;アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)などの縮合系モノマーなどが例示できる。前記縮合系モノマーは、ヒドロキシル基などの活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体など)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。親水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
高分子分散剤は、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩など)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂やアクリル系樹脂などのように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;α−C2−20オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなど)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
高分子分散剤がコポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。前記ブロックコポリマーの構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロックおよび疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記のように、親水性ユニットは、アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。親水性ブロック(ポリアルキレンオキシドなど)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロックなど)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。これらの結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィンなど)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸など)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミンなど]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシドなど)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
さらに、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。このような成分としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1000程度)などのアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどを例示できる。また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
高分子分散剤(B2)は、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、塩基性基(例えば、アミノ基など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて高分子分散剤(B2)が有していてもよい。
これらの官能基のうち、高分子分散剤(B2)は、酸基又は塩基性基、特に、カルボキシル基を有しているのが好ましい。
また、高分子分散剤(B2)が、酸基(カルボキシル基など)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基など)は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)などの酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない高分子分散剤[すなわち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤]を好適に使用できる。
酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤(B2)において、酸価は、例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2〜1500mgKOH/g程度)、好ましくは3mgKOH/g以上(例えば、4〜1200mgKOH/g程度)、さらに好ましく5mgKOH/g以上(例えば、8〜1000mgKOH/g程度)、特に10mgKOH/g以上(例えば、12〜900mgKOH/g程度)の範囲から選択できる。特に、酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤(B2)が、親水性ユニットおよび疎水性ユニットを有する化合物などである場合、酸価は、1mgKOH/g以上(例えば、2〜100mgKOH/g程度)、好ましくは3mgKOH/g以上(例えば、4〜90mgKOH/g程度)、さらに好ましくは5mgKOH/g以上(例えば、6〜80mgKOH/g程度)、特に7mgKOH/g以上(例えば、8〜70mgKOH/g程度)であってもよく、通常3〜50mgKOH/g(例えば、5〜30mgKOH/g)程度であってもよい。酸基を有する高分子分散剤(B2)において、アミン価は0(又はほぼ0)であってもよい。
なお、高分子分散剤において、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖および側鎖に位置していてもよい。このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基など)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸など)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。
高分子分散剤(B2)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、高分子分散剤として、前記特許文献2の記載の高分子分散剤(高分子量顔料分散剤)を使用してもよい。
また、高分子分散剤は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。以下に、市販の高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)を具体的に例示すると、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ[アビシア(株)製];ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050などのディスパービックシリーズ[ビックケミー(株)製];EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453[EFKAケミカル(株)製];アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ[味の素(株)製];フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ[共栄社化学(株)製];ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ[ジョンソンポリマー(株)製]などが挙げられる。
これらのうち、代表的な酸基を有する高分子分散剤には、ポリ(メタ)アクリル酸類[又はポリアクリル酸系樹脂、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と共重合性単量体(例えば、(メタ)アクリレート、無水マレイン酸など)との共重合体などの(メタ)アクリル酸を主成分とするポリマー、これらの塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩など)など]、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。また、代表的な塩基性基(アミノ基)を有する高分子分散剤には、ポリアルキレンイミン(ポリエチレンイミンなど)、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリエーテルポリアミン(ポリオキシエチレンポリアミンなど)などが挙げられる。
高分子分散剤(B2)の数平均分子量は、1000〜1000000(例えば、1200〜800000)の範囲から選択でき、例えば、1500〜500000(例えば、1500〜100000)、好ましくは2000〜80000(例えば、2000〜60000)、さらに好ましくは3000〜50000(例えば、5000〜30000)、特に7000〜20000程度であってもよい。
本発明の金属コロイド粒子において、保護コロイド(B)(有機化合物(B1)および高分子分散剤(B2)の総量)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜100質量部(例えば、0.5〜80質量部)、好ましくは1.0〜60質量部(例えば、1.5〜50質量部)、さらに好ましくは2〜40質量部(例えば、3〜30質量部)、特に4〜25質量部(例えば、5〜20質量部)程度であってもよく、通常10〜50質量部程度であってもよい。特に、本発明の金属コロイド粒子において、保護コロイド(B)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、0.5〜20質量部(例えば、0.8〜18質量部)、好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは1.2〜12質量部(例えば、1.5〜10質量部)程度であってもよい。本発明では、前記特定の組み合わせにより保護コロイドを構成するので、上記のような比較的少ない量の保護コロイドであっても、粗大粒子の少ない金属ナノ粒子とすることができる。
なお、金属コロイド粒子において、有機化合物(B1)の割合は、例えば、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、例えば、0.05〜70質量部(例えば、0.1〜50質量部)、好ましくは0.5〜40質量部(例えば、1〜30質量部)、さらに好ましくは2〜20質量部(例えば、3〜15質量部)程度であってもよい。特に、本発明の金属コロイド粒子において、有機化合物(B1)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、0.05〜10質量部(例えば、0.1〜8質量部)、好ましくは0.12〜7質量部(例えば、0.15〜5質量部)、さらに好ましくは0.18〜4質量部(例えば、0.2〜3質量部)程度であってもよい。
また、金属コロイド粒子において、高分子分散剤(B2)の割合は、例えば、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、例えば、0.01〜50質量部(例えば、0.05〜30質量部)、好ましくは0.1〜30質量部(例えば、0.5〜20質量部)、さらに好ましくは1〜15質量部(例えば、2〜10質量部)程度であってもよい。特に、本発明の金属コロイド粒子において、高分子分散剤(B2)の割合は、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して、0.05〜15質量部(例えば、0.1〜12質量部)、好ましくは0.12〜10質量部(例えば、0.15〜8質量部)、さらに好ましくは0.18〜7質量部(例えば、0.2〜6質量部)程度であってもよい。
さらに、金属コロイド粒子において、有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との割合(溶媒などを含む場合は固形分)は、前者/後者(質量比)=99/1〜1/99(例えば、95/5〜5/95)、好ましくは85/15〜10/90(例えば、75/25〜15/85)、さらに好ましくは70/30〜20/80(例えば、60/40〜25/75)、特に55/45〜30/70(例えば、50/50〜35/65)程度であってもよい。特に、金属コロイド粒子において、有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との割合は、前者/後者(質量比)=97/3〜1/99(例えば、96/4〜1/99)、好ましくは95/5〜2/98(例えば、93/7〜2/98)、さらに好ましくは92/8〜3/97(例えば、90/10〜3/97)、通常87/13〜3/97(例えば、86/14〜4/96)程度であってもよい。
なお、本発明の金属コロイド粒子は、保護コロイドとして少なくとも前記保護コロイド(B)を含んでいればよく、他の保護コロイドを含んでいてもよい。他の保護コロイドは、無機化合物であってもよいが、通常、有機化合物である。
他の保護コロイドとしては、例えば、酸素原子含有有機化合物{例えば、アルコール類[例えば、アルカノール類(ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノールなどのC6−20アルカンモノオール)、シクロアルカノール類(シクロヘキサノールなど)、アルカンジオール類(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、ポリアルキレングリコール類(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、アラルキルアルコール類、多価アルコール類など]、エーテル類(セロソルブ類、カルビトール類など)、ケトン類[例えば、アルカノン類、シクロアルカノン類、ジケトン類(アセチルアセトンなどのβ−ジケトン類)など]、エステル類(例えば、脂肪酸エステル類、グリコールエーテルエステル類など)、アルデヒド類(カプリルアルデヒド、ラウリルアルデヒド、パルミトアルデヒド、ステアリルアルデヒドなどのC6−20脂肪族アルデヒド)など}、硫黄原子含有有機化合物[例えば、スルホキシド類、スルホン酸類(例えば、アルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸など)など]などが挙げられる。これらの他の保護コロイドは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
他の保護コロイドの割合は、前記保護コロイド(B)100質量部に対して、例えば、0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、さらに好ましくは1〜30質量部程度であってもよい。
なお、金属コロイド粒子中の(B1)、(B2)などの割合は、慣用の方法、例えば、熱分析(例えば、熱質量/示差熱同時分析など)により、測定することができる。
[分散液]
本発明には、前記金属コロイド粒子を含む分散液も含まれる。このような分散液は、前記金属コロイド粒子および溶媒を含んでいる。なお、溶媒は、新たに混合してもよく、少なくとも後述の金属コロイド粒子の製造において使用する溶媒で構成してもよく、これらを組み合わせてもよい。
溶媒としては、前記金属コロイド粒子を分散可能な限り特に限定されず、保護コロイドの種類に応じて、極性溶媒(水溶性溶媒)であっても、疎水性溶媒(非水溶性溶媒)であってもよい。
極性溶媒には、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのC1−4アルカノールなど)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、アミド類(ホルムアミド、アセトアミドなどのアシルアミド類、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド,N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのモノ又はジC1−4アシルアミド類など)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、有機カルボン酸類(酢酸など)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのC1−4アルキルセロソルブ類など)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテートなどのC1−4アルキルセロソルブアセテート類)、カルビトール類(メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトールなどのC1−4アルキルカルビトール類など)、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類)などが例示できる。これらの極性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、これらの極性溶媒の極性パラメータは、通常、後述の極性パラメータの範囲内にある場合が多い。
また、これらの極性溶媒のうち、環境保全性及び簡便性などの観点から、少なくとも水を含む極性溶媒であってもよい。さらに、用途に応じて、溶媒の蒸発を抑制するなどの点から、水にアルコール類(特に、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール)を組み合わせてもよい。アルコール類の割合は、水100質量部に対して、例えば、0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは3〜20質量部(特に5〜15質量部)程度であってもよい。
疎水性溶媒としては、例えば、炭化水素類(ヘキサン、トリメチルペンタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類など)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなど)などが例示できる。これらの疎水性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
溶媒は、少なくとも極性溶媒(特に非芳香族系極性溶媒又は脂肪族系極性溶媒)で構成するのが好ましい。このような溶媒の極性パラメータ(Snyderによる極性パラメータ)は、例えば、2.8〜11、好ましくは3〜10.5、さらに好ましくは3.1〜10.2程度であってもよい。
また、本発明では、溶媒としては、環境の負荷が少なく、取り扱いが簡便である点から、水溶性溶媒、特に、少なくとも水を含む溶媒(水、又は水および水溶性溶媒を含む混合溶媒など、特に水)が好ましい。
このような分散液中において、金属コロイド粒子(又は金属ナノ粒子(A))は、溶媒に対して高い分散性を有し、長期間に亘り高い分散安定性を示す。分散液中の金属ナノ粒子(A)の濃度は、高い分散性を有するため、特に制限されないが、例えば、0.1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは3〜40質量%程度である。
特に、前記分散液中の金属ナノ粒子(A)の濃度は、5質量%以上(例えば、6〜50質量%)、好ましくは8質量%以上(例えば、9〜40質量%)、さらに好ましくは10質量%以上(例えば、12〜30質量%)、通常5〜30質量%程度の高濃度であってもよい。
なお、分散液には、ペーストも含まれる。ぺースト(ペースト状分散液)中の金属ナノ粒子(A)の濃度は、例えば、30〜95質量%、好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは70〜85質量%程度であってもよい。
本発明の分散液(ペースト状分散液を含む)は、このような高濃度で金属ナノ粒子(A)を含んでいても、沈降などを生じることなく長期安定性(保存安定性)に優れている。そのため、例えば、分散液(ペーストなど)を長期間保存後、金属膜(焼結膜)を形成しても、金属膜において抵抗値が増大することなく、優れた導電性を維持できる。
なお、分散液中において、保護コロイドで被覆された金属ナノ粒子(A)もナノメーターサイズであり、その平均粒子径(平均一次粒子径)などは、前記と同様の範囲から選択できる。
本発明の分散液には、用途に応じて、慣用の添加剤、例えば、バインダー樹脂(ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの親水性高分子など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、界面活性剤又は分散剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、保湿剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などが含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、分散液の(分散液を構成する)固形分全体に対する金属ナノ粒子(A)の固形分濃度(又は金属コロイド粒子における金属ナノ粒子(A)の濃度)は、用途に応じて限定されないが、例えば、50質量%以上(例えば、55〜99.5質量%)、好ましくは60質量%以上(例えば、70〜99質量%)、さらに好ましくは80質量%以下(例えば、85〜98.5質量%)、通常90〜99質量%程度であってもよい。また、インクジェット用インキなどとして用いる場合、分散液の固形分全体に対する金属ナノ粒子(A)の固形分濃度は、60質量%以下(例えば、1〜60質量%程度)、好ましくは50質量%以下(例えば、3〜45質量%)、好ましくは40質量%以下(例えば、5〜35質量%)、さらに好ましくは30質量%以下(例えば、8〜25質量%)程度であってもよい。上記のような範囲で分散液又は金属コロイド粒子中の金属ナノ粒子濃度を調整すると、十分な金属光沢が得られやすい。
[金属コロイド粒子および分散液の製造方法]
本発明の金属コロイド粒子(又は前記分散液)は、慣用の方法、例えば、前記金属ナノ粒子(A)に対応する金属化合物を、保護コロイド(B)(および必要に応じて前記他の保護コロイド)および還元剤の存在下、溶媒中で還元することにより調製できる。
前記金属ナノ粒子(A)に対応する金属化合物は、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、金属硫化物、金属ハロゲン化物、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などであってもよい。なお、金属塩の形態は、単塩、複塩又は錯塩のいずれであってもよく、多量体(例えば、2量体)などであってもよい。これらの金属化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属化合物のうち、金属ハロゲン化物、金属酸塩[金属無機酸塩(硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩などのオキソ酸塩など)、金属有機酸塩(酢酸塩など)など]などを使用する場合が多い。なお、これらの金属化合物は、溶媒に溶解又は分散させて(例えば、水溶液などの水系溶媒の溶液の形態で)用いてもよい。
還元剤としては、慣用の成分、例えば、水素化ホウ素ナトリウム類(水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素ナトリウムなど)、水素化アルミニウムリチウム、次亜リン酸又はその塩(ナトリウム塩など)、ボラン類(ジボラン、ジメチルアミンボランなど)、ヒドラジン、ホルマリン、アミン類、アルコール類(前記例示のアルコール類、例えば、エチレングリコールなど)、フェノール性水酸基を有するカルボン酸(例えば、タンニン酸)などが例示できる。
アミン類としては、脂肪族アミン類(例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパンなどのアルカンアミン;トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアルキレンポリアミンなど)、脂環式アミン類(例えば、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリンなど)、芳香族アミン類(例えば、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジンなど)、芳香脂肪族アミン類(例えば、ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、キシリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミンなどのアラルキルアミン)、アルコールアミン類[特にアルカノールアミン類、例えば、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール(2−(ジメチルアミノ)エタノール)、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルアミノプロパノールなどのC2−10アルカノールアミン、好ましくはC2−6アルカノールアミン]が挙げることができる。
これらのうち、水素化ホウ素ナトリウム、第3級アミン(例えば、2−(ジメチルアミノ)エタノール、N−メチルジエタノールアミンなどの第3級アルカノールアミン)、エチレングリコール、タンニン酸などを好適に使用できる。また、安全性などの点で、アミン類、特に、アルカノールアミン類などのアルコールアミン類が好ましい。アルカノールアミン類は、通常、水溶性である場合が多く、水又は水系溶媒を溶媒とする場合には、好適である。
これらの還元剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
還元剤の使用量は、金属原子換算で前記金属化合物1当量(又は1モル)に対して、1〜30モル(例えば、1.2〜20モル)、好ましくは1.5〜15モル、さらに好ましくは2〜10モル程度であってもよく、通常1〜5モル程度であってもよい。
還元反応は、慣用の方法、例えば、温度10〜75℃(例えば、15〜50℃、好ましくは20〜35℃)程度で行うことができる。反応系の雰囲気は、空気、不活性ガス(窒素ガスなど)であってもよく、還元性ガス(水素ガスなど)を含む雰囲気であってもよい。また、反応は、通常、攪拌下(又は攪拌しながら)で行ってもよい。
なお、反応溶媒は、前記と同様の溶媒(例えば、水など)を使用できる。反応溶媒は、前記分散液を構成する前記溶媒を用いてもよく、前記分散液を構成する溶媒とは異なる溶媒を用いてもよい。具体的には、反応溶媒は、保護コロイドの種類に応じて、前記極性溶媒及び疎水性溶媒の中から選択でき、通常、保護コロイドが水溶性化合物である場合には、水などの極性溶媒を用いることが多い。極性溶媒は反応系に添加される成分、例えば、還元剤などの溶媒に由来してもよい。一方、保護コロイドが非水溶性化合物である場合には、脂肪族炭化水素類(トリメチルペンタンなど)などの疎水性溶媒を用いることが多く、必要により、疎水性溶媒と極性溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、ジメチルアセトアミドなどのアミド類など)との混合溶媒を用いてもよい。なお、反応溶媒中の前記金属化合物の濃度は、金属の質量換算で、前記分散液中の金属ナノ粒子(A)の濃度と同様の濃度、例えば、5質量%以上(例えば、6〜50質量%)、好ましくは8質量%以上(例えば、9〜40質量%)、さらに好ましくは10質量%以上(例えば、12〜30質量%)、通常5〜30質量%程度の高濃度であってもよい。本発明では、このような高濃度で反応させても、粗大粒子の生成をおさえつつ効率よく金属ナノ粒子を得ることができる。
なお、反応溶媒の種類などに応じて反応系のpHを調製してもよい。
pH調整は、慣用の方法、例えば、酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸)、アルカリ[水酸化ナトリウム、アンモニアなどの無機塩基、アミン類(例えば、アルキルアミン、アルカノールアミンなどの第三級アミン類などの有機塩基)などの塩基類]を用いて行うことができる。
還元反応の終了後、反応混合液を濃縮し、慣用の方法(例えば、遠心分離、メンブレンフィルタ、限外ろ過などのろ過処理など)で精製することにより、溶媒に対して分散性を有する金属コロイド粒子を調製することができる。なお、本発明では、前記特定の組み合わせにより保護コロイドを構成するので、前記のように、比較的少ない量の保護コロイドであっても、粗大粒子の少ない金属ナノ粒子とすることができ、精製しなくても金属コロイド粒子を調製できる。また、得られた金属コロイド粒子および溶媒を含む分散液をそのまま前記分散液としてもよく、得られた金属コロイド粒子および溶媒を含む分散液から反応に使用した溶媒を除去し、新たな異種の溶媒(必要により他の添加剤)を加えて新たに分散液を調製してもよい。また、分散液に、さらに新たな同種又は異種の溶媒や添加剤を加えてもよい。
本発明の金属コロイド粒子(および分散液)は、金属ナノ粒子濃度が高いにもかかわらず、粗大粒子が少ない。また、金属ナノ粒子又は金属コロイド粒子が安定して分散しており、長期保存性においても優れている。
特に、このような本発明の金属コロイド粒子は、粗大粒子が少なく金属ナノ粒子濃度が高いため、低温焼結性に優れている。そのため、本発明の金属コロイド粒子は、加熱や光処理することなく金属光沢に優れた文字や画像を印字又は印刷するのに有用である。従って本発明の金属コロイド粒子および分散液は、各種の印字又は印刷器具や装置のインキとして利用可能である。そのような器具又は装置としては、例えば、インクジェットプロッター、インクジェットプリンター、インクジェットディスペンサー、ペンプロッターなどの描画装置、ボールペンやフェルトペン、万年筆などの筆記具(ペン)などが挙げられる。なかでも、水性インキとしても使用できるため、水性ボールペンやフェルトペンのインキとして有用である。
また、金属に導電性金属を用いた場合には、金属光沢などの光沢という装飾性だけでなく、得られた印刷像や膜が導電性を有するため、導電性インキ(又は導電性ペースト)としても利用可能である。そのため、各種の導電体、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機及び無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)などの表示装置、シリコン半導体系やグレッツェル式などの太陽電池、タッチパネル式表示装置などの電極、RFIDタグ、電磁波シールド、家庭又は学習用配線キットなどに使用される導電膜や導電印刷のための塗布液として利用することもできる。特に、紙類で構成された基材の上にも、加熱や光処理することなく、微細で強固にパターニングできるため、RFIDタグや電子ぺーパーに好適である。
本発明の金属コロイド粒子および分散液は、各種の基板(被印刷板)に対して、光沢を発現できるとともに、基板上に強固に固定される。基板としては、例えば、紙類(クラフト紙、シリカやアルミナなどの無機粒子を含むコーティング剤で被覆された光沢紙など)、布(織布や不織布など)、化学繊維紙、合成紙、プラスチックフィルム(又はOHPシート)(ポリプロピレンフィルムなどのオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリエステルフィルムなど)などが利用可能である。
また、本発明の金属コロイド粒子および分散液は、無機素材に対する密着性に優れているため、ガラス基板などの無機基板(易接着層が形成されていない無機基板)に対して、直接的に金属膜を形成することもできる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する高分子分散剤(ビッグケミー製、「ディスパービック190」、親水性ユニットであるポリエチレンオキサイド鎖と疎水性ユニットであるアルキル基とを有する両親媒性分散剤、溶媒:水、不揮発成分40%、酸価10mgKOH/g、アミン価0)7.2g、およびコール酸(和光純薬製)1.8gを、イオン交換水100gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬製)100gを徐々に加えたのち、水温50℃のウォーターバス中で4時間加熱撹拌した。得られた反応液(分散液)を、ガラスフィルタ(ADVANTEC製GC−90、ポアサイズ0.8マイクロメートル)でろ過し、銀を15質量%含む銀ナノ粒子分散液を得た。
(比較例1)
実施例1において、コール酸を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして分散液および銀ナノ粒子を得た。銀ナノ粒子は生成したものの、一次粒子径100nm以上の粗大粒子が多く生成した。
(比較例2)
実施例1において、ディスパービック190を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に分散液を得た。分散液には、一次粒子径100nm以上の粗大粒子が多く生成し、粒子の沈降が見られた。
(実施例2) (I)銀コロイド粒子の作製
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する有機化合物(B1)として酢酸(和光純薬製、沸点118℃、炭素数2)10g、および高分子分散剤(B2)としてポリアクリル酸(和光純薬製、重合度5000、酸価780mgKOH/g)3.0gを、イオン交換水1000gに投入し、激しく撹拌した。これに2−ジメチルアミノエタノール(和光純薬製)100gを加えたのち、70℃で2時間加熱撹拌した。この反応物を高速遠心分離器(Kokusan製、H−200 SERIES)を用い、7000rpm、1時間遠心分離し、銀ナノ粒子が保護コロイドにより保護された銀コロイド粒子(一次粒子径1〜100nm、個数平均粒子径20nm)が凝集した沈殿物を回収した。なお、銀ナノ粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定した。
(II)銀コロイド粒子の評価
(II−1)分散剤量測定
銀コロイド粒子に含まれる保護コロイド(分散剤)(B)の量をTG−DTAで測定(一分間に10℃の速さで30℃から550℃まで昇温した時の質量減少から算出)した。また、(B1)量を30℃から200℃までの質量減少から算出し、(B2)を(B)−(B1)から算出し、これらの質量比(B1)/(B2)を求めた。結果を表1に示した。
(II−2)比抵抗、保存安定性評価
銀コロイド粒子に、エチレングリコール(極性パラメータ6.9)を加えて作製した銀濃度80%のペーストを、アプリケータを用いガラス基板に塗布し150℃、あるいは250℃で30分間焼成し、比抵抗を測定した。また、このペーストを室温で6ヶ月放置した後、同様に比抵抗測定し、銀コロイド粒子ペーストの保存安定性を評価した。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果は表1に示した。
(実施例3)
(B1)をプロピオン酸(和光純薬製、沸点141℃、炭素数3)とした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例4)
(B1)をギ酸(和光純薬製、沸点100.7℃、炭素数1)とした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例5)
(B1)をコール酸(和光純薬製、分解温度198℃)とした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例6)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)7.2gとした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例7)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)7.2gとした以外は、実施例3と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例8)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)7.2gとした以外は、実施例4と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例9)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)7.2gとした以外は、実施例5と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例10)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)0.12gとした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例11)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)0.72gとした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例12)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)2.12gとした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例13)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)5.04gとした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例14)
(B2)をディスパービック190(ビックケミー社製、酸価10mgKOH/g、水60%含有)14.4gとした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。
(実施例15)
(B1)をステアリン酸(和光純薬製、沸点376℃、炭素数18)とした以外は、実施例2と同様に行った。なお、形成された銀膜の厚みは5μmであった。結果を表1に示した。なお、ステアリン酸(B1)の沸点が200℃以上であり、また(B2)の分解による質量減少とステアリン酸(B1)の沸点とが重なるため、(B1)/(B2)の割合を求めることはできなかった。
Figure 2009074171

Claims (12)

  1. 金属ナノ粒子(A)と、この金属ナノ粒子(A)を被覆する保護コロイド(B)とで構成された金属コロイド粒子であって、前記保護コロイド(B)が、カルボキシル基を有する有機化合物(B1)と、高分子分散剤(B2)とで構成されている金属コロイド粒子。
  2. 金属ナノ粒子(A)を構成する金属が、少なくとも貴金属を含む金属である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  3. 有機化合物(B1)が、脂肪族カルボン酸およびヒドロキシカルボン酸から選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載の金属コロイド粒子。
  4. 有機化合物(B1)が、C1−18脂肪族カルボン酸および脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選択された少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  5. 高分子分散剤(B2)が、カルボキシル基を有する請求項1〜4のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  6. 有機化合物(B1)がC1−18脂肪族カルボン酸およびC2−34脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選択された少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  7. 有機化合物(B1)が、C1−18アルカン酸およびC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸から選択された少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  8. 有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との割合が、前者/後者(質量比)=84/14〜4/96である請求項1〜7のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  9. 保護コロイド(B)の割合が、金属ナノ粒子(A)100質量部に対して1.0〜60質量部。であり、有機化合物(B1)と高分子分散剤(B2)との割合が、前者/後者(質量比)=84/14〜4/96である請求項1〜8のいずれかに記載の金属コロイド粒子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の金属コロイド粒子および溶媒を含む分散液。
  11. 金属ナノ粒子(A)に対応する金属化合物を、請求項1記載の保護コロイド(B)および還元剤の存在下、溶媒中で還元し、請求項1記載の金属コロイド粒子を製造する方法。
  12. 溶媒中の金属化合物の濃度が、金属の質量換算で、5〜30質量%である請求項11記載の製造方法。
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