JP2011157623A - 金属コロイド、その製造方法およびその応用 - Google Patents

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Abstract

【課題】有害物質を使用や排出がなく、スケールアップおよび粒径制御が容易で、簡便な装置で実施できる、金属コロイドの製造方法、粒径がよく揃い安定性の高い金属コロイドおよびそれを含む抗ウィルス材の提供。
【解決手段】金属含有ガラス粉末と還元糖とを含む水系懸濁液を加熱することによって前記金属を還元することを特徴とし、好ましくは金属が10族または11族元素であって、また好ましくは還元糖が単糖類である金属コロイドの製造方法、該製造方法により得られる金属コロイドおよび該コロイドとキトサンとを混合させて得られる複合体。
【選択図】図1

Description

本発明は、水系溶媒に金属微粒子が分散してなる金属コロイドとそれを含む複合体ならびにその製造方法に関するものである。
単純なマクロな塊状の金属とは異なり、金属ナノ粒子は、そのサイズや形状に依存した光学的、電磁気的、化学的特性を生じることが知られている。一例を挙げると、銀ナノ粒子は粒径が10nm以下の場合にHIV−1ウィルスのエンベロープに選択的に吸着し、ウィルス活性を不活化させることが知られている。特に、ウィルスの不活化において銀ナノ粒子を効率的に機能させるためには、目的とするウィルスのエンベロープ形状等に適した粒径および形状の精密な制御技術が必要不可欠である。
従来、金属コロイドにおける金属粒子の小型化を行う際は基本的に反応速度を上げる必要があった。このため、反応条件を過酷に設定しなければならない上に、粒子の成長を抑制するために添加剤を使用するなどの措置が必要となる。結果として、粒子の小型化はコストの増加を伴うものであった。添加剤は環境負荷を伴う可能性もある。また、従来の方法による銀ナノ粒子の大量合成にはナノ粒子生成に系の均一性が要求されたため、バッチ式の反応器を用いざるを得ず、系内の均一性の確保に多大な労力を要したり、バッチ毎に原料と生成物の入れ替えが必要であったり、バッチ毎に品質に差が生じる可能性があったりと、難点の存在を否定できない。
特開2009−197325号公報 特開2009−74171号公報 特開2009−35781号公報 特開平5−78999号公報 特開平5−271029号公報
P. Raveendran et al. Completely "Green" Synthesis and Stabilization of Metal Nanoparticles. J Am Chem Soc 125, 13940 (2003) 作花済夫 ゾル-ゲル法のあらまし:ゾル−ゲル技術とその応用. 表面技術 57, 390 (2006) J. L. Elechiguerra et al. Interaction of Silver Nanoparticles with HIV-1. J. Nanobiotechnol. 3, 6 (2005)
上記背景技術に鑑みて、本発明は、有害物質を使用したり排出する必要がなく、スケールアップがし易く、粒径を制御し易く、簡便な装置で実施できる、金属コロイドの製造方法、粒径がよく揃い安定性の高い金属コロイド、ならびにその応用材料の提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下のような本発明を完成した。
(1)金属含有ガラス粉末と還元糖とを含む水系懸濁液を加熱することによって前記金属を還元することを特徴とする金属コロイドの製造方法。
(2)金属が10族または11族元素である(1)の製造方法。
(3)還元糖が単糖類である(1)または(2)の製造方法。
(4)還元糖がカラメル化する条件で加熱する(1)〜(3)のいずれかの製造方法。
(5)加圧下で加熱する(1)〜(4)のいずれかの製造方法。
(6)水系懸濁液に、金属の還元当量の10倍以上の還元基に相当する還元糖が含まれる(1)〜(5)のいずれかの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの製造方法によって製造された金属コロイド。
(8)当該金属コロイドに含まれる金属粒子の平均粒径が3〜30nmである(7)の金属コロイド。
(9)(7)または(8)の金属コロイドとキトサンとを混合することにより得られるキトサンと金属粒子との複合体。
本発明によれば、簡便な装置を用いて従来に比し温和な条件でナノサイズレベルの金属微粒子を含む金属コロイドを製造することができる。本発明では、従来法とは異なり、金属粒子を小型化するために反応条件を過酷にする必要がないので、シンプルかつ安全である。本発明では、還元糖の種類および濃度を変化させることで金属粒子の粒径を制御でき、従来法のように製造条件を過酷にする必要がない。本発明によれば、環境に有害な添加剤を使わなくてよい場合が多いので、環境負荷が小さい。本発明によれば、金属イオンおよび金属ナノ粒子の拡散を利用した不均一な系で合成反応が行われるため、バッチ式に限定されることは無く、適切な設計により連続式の反応器を適用できると考えられ、金属ナノ粒子を含むコロイドの工業的な大量合成法への発展が期待できる。
本発明の製造方法により得られる金属コロイドは粒径がそろっており、また、保存安定性も良好である。
これらの効果は、ガラス粉末から水溶液系に金属イオンが溶出することと、酸化還元反応が生じることが組み合わさり、好ましくは還元糖がカラメル化することにより粗大粒子の生成が抑えられることによって達成されるものと考察される。原料金属イオンを反応系に溶解させてなる従来法とは異なり、ガラス粉末という固相からの金属イオンの溶出と酸化還元反応が平衡的に進行すること、さらに好ましくは還元糖に由来するカラメルが金属粒子の粗大化を抑制することが相乗的に作用して、結果として簡便な装置や作業でナノサイズの金属粒子を含む金属コロイドが製造できるに至ったのである。このようにして得られる金属コロイドは、例えば、粉体状、シート状、膜状、ゲル状など種々の形態のキトサンとの複合体を得るために用いることができ、抗菌あるいは抗ウィルスのための種々の用途に供することができる。
本発明により得られた金属コロイドのスペクトルおよびTEM観察像である。 グルコース(a)、食品添加グレードのカラメル(b)、比較例1により得たサンプル(c)、実施例により得られたサンプル(d)の、FT−IRスペクトルである。 還元糖濃度の異なる反応系により得られたサンプルのTEM観察像および粒子径分布図である。 グルコース濃度の平方根に対する、得られた銀コロイドにおける銀粒子の平均粒子径のプロットである。 金属粒子とキトサンとの複合体の抗ウィルス性の評価結果を示す。
本発明によれば、金属コロイドは、金属含有ガラス粉末と還元糖とを含む水系懸濁液を加熱することによって製造される。このとき、ガラス粉末に含まれる金属が還元されて金属微粒子となる。
金属含有ガラス粉末は、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラスに代表される各種ガラスに酸化された形態の金属が含まれるガラスからなる粉末である。前記ガラス成分としては、例えばNaO、SiO、B、Al、CaO、MgOなどが挙げられ、さらに、P、KO、BaO、ZnOやTiOなどが含まれていてもよい。好適なガラスには、SiOが好ましくは15〜35重量%、より好ましくは20〜30重量%含まれ、Bが好ましくは50〜70重量%、より好ましくは55〜65重量%含まれ、NaOが好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%含まれる。
本発明で用いる金属含有ガラス粉末には、目的とする金属コロイドの金属成分が酸化された状態で含まれている。金属は酸化されていれば、酸化物としてガラス成分に含まれていてもよいし、例えば、硝酸塩などの形態で含まれていてもよい。好ましくは、金属含有ガラス粉末において、ガラス成分がマトリックスを形成し、そのマトリックス中に酸化状態にある金属が離散的に含まれている。酸化された形態の金属は、水系溶媒において陽イオンとして溶出し得る。
金属含有ガラス粉末の粒径は好ましくは0.5〜200μmであり、より好ましくは1〜50μmであり、さらに好ましくは3〜20μmである。ガラス粉末の粒径が小さければ金属イオンの溶出が遅くなりすぎず、目的とする金属コロイドを得易くなる。ガラス粉末の粒径の好適な下限値は、粉末の取り扱い易さやコストなどを根拠とするほか、金属イオンの流出速度が速くなり過ぎないという点も考慮している。
ここで、金属含有ガラス粉末の粒径は、マイクロトラックなどに代表されるレーザー回折装置によって測定されるD50値である。
金属含有ガラス粉末に含まれる金属の割合は、特に限定は無く、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜3重量%である。前記割合は、還元された金属に換算した値である。上述の範囲内であれば、水系懸濁液中で好ましい速度で金属イオンが溶け出す。
例えば、対象とする金属が銀である場合には、一価の銀イオンの形態でガラス成分に含まれることが典型的であり、具体的には酸化銀や硝酸銀の形態でガラス粉末に含まれていてもよい。このような銀含有ガラス粉末は、一般的な用途として、主に医療用の生体材料や日用品材料の抗菌成分として用いられ、そういった用途では、水雰囲気で銀イオンを除放する性質などが利用されている(上記、特許文献4など参照)。本発明では従来公知の銀含有ガラス粉末などを用いることができる。また、実施例で詳しく述べるように、各種製造業者から市販されている銀含有ガラス粉末を入手することもできる。
銀以外の金属のガラスへの混入例に関しては、銅、亜鉛、錫を用いた抗菌性ガラスが公知である(特許文献5)。また、ガラスへの各種金属の混入方法に関しては、従来の溶融−冷却法によるものの他に、ゾル−ゲル法(非特許文献2などを参照)を用いることも可能である。
本発明では、還元糖によって還元可能な金属を適宜用いることができる。好適には、周期律表における10族元素(Ni、Pd、Pt)、11族元素(Cu、Ag、Au)、亜鉛や錫などが挙げられる。
一般に、ガラスの微粉末を水系溶媒に分散させると微量のガラス成分が溶解して塩基性を呈するようになる。このように塩基性の溶媒系が得られることによって、後述する還元糖による金属の還元反応が促進される。
還元糖は、塩基性溶液中でアルデヒド基とケトン基を形成する糖である。還元糖としては例えばグルコース、フルクトース、グリセルアルデヒドなどの全ての単糖類、ラクトース、アラビノース、マルトースなどの二糖類・オリゴ糖などが挙げられる。本発明では、対象とする金属を還元するに足る還元力のある還元糖を特に限定無く用いることができ、入手の容易さ、水溶性などの観点から、単糖類が好ましい。
単糖類としては、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等のアルドース類、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のケトース類が挙げられる。
二糖類としては、ラクトース、マルトース等が挙げられる。これ以上の多糖類についても、分子末端に遊離のアルデヒド基あるいはケト基を有するものであれば特に限定なく使用できる。
本発明によれば、金属の還元反応を水系溶媒中で行うことができる。水系溶媒は少なくとも50%以上が水であり、好ましくは水のみである。本発明では、得られる金属微粒子の大きさの制御のための添加剤等は不要であるが、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリエチレングルコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、キトサン、水溶性スターチ、カラメル色素などの添加物の存在を否定するものではない。
本発明によれば、還元糖と金属イオンとの間の酸化還元反応により、還元された金属が得られる。この酸化還元反応において、還元糖が大過剰であることが望ましい。具体的には、金属の還元当量の好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上の還元基を反応系中に存在させるに相当する量の還元糖を用いる。還元糖の使用量の上限は例えば、水への溶解性などによって適宜定めることができる。例えば、水系溶媒における還元糖の濃度は好ましくは、0.1〜15wt%であり、より好ましくは、0.1〜10%であり、さらに好ましくは0.25〜8wt%である。
本発明者らの新知見によれば、得られる金属コロイド中の金属粒子のサイズは、反応系中の還元糖の量の平方根に概ね比例する。よって、還元糖の使用量は、金属コロイド中の金属粒子のサイズの制御要因になり得る。
本発明では、還元糖を水系溶媒に溶解させ、さらに、金属含有ガラス粉末を分散させて水系懸濁液(以下、単に懸濁液ともいう。)を得て、その懸濁液を加熱する。加熱の好適例として、閉鎖系にて懸濁液を加熱し続けることが挙げられる。これにより、水蒸気が生成して系内圧力が上昇するので、加圧した状態で加熱をすることが実現できる。このような加圧加熱は、一般的なオートクレーブ装置などを用いて容易に実現できる。
好ましくは、懸濁液の加熱において還元糖をカラメル化させる。カラメル化は、糖類が加熱されて、分解したり不規則に結合したりする結果、褐色のあめ状物質(カラメル)に変化する反応である。カラメルが生成したことは、FT−IRなどの分光法によって確認することができる(実施例参照)。生成したカラメルは、還元した金属が粗大粒へと成長するのを阻害して微小な粒子として安定化させるのに寄与している可能性が高いことを、本発明者らは初めて見出した。本発明では、従来法とは異なり、酸化還元反応において特段の添加剤が不要である場合が多い。これは、還元糖に由来するカラメルが添加剤の代替になっているためであると考えられる。
圧力および温度の具体的な条件は、金属および還元糖の種類によって適宜設定することができる。圧力は、常圧(加圧無し)であるかそれ以上であり、好ましくは100〜300kPa、より好ましくは150〜250kPa、さらに好ましくは180〜230kPaである。温度は、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜160℃、さらに好ましくは110〜130℃である。上記範囲内であれば、反応速度および還元糖のカラメル化の速度が好適なバランスを保ち、本発明をよりいっそう実効あらしめることができる。本発明の大きな特徴の一つは、このような比較的に温和な反応条件で金属コロイドを製造できることである。
酸化還元反応が進行するのであれば、加熱時間は特に限定は無く、具体的には、好ましくは5〜40分間、より好ましくは10〜25分間である。反応の終了は、加熱時間で区切ってもよいし、例えば、溶液色の濃化の停滞が観察されたときに終了するなどとしてもよい。
反応終了後は、遠心分離などの適宜の手法によって、ガラス粉末を除去することにより、金属コロイドを得ることができる。
このようにして得られた金属コロイドに含まれる金属粒子は、形状が良く揃った球状になりやすい。得られる金属コロイドに含まれる金属粒子のサイズ(球状に近似させた場合の直径)は、好ましくは1〜50nm、より好ましくは3〜30nmである。金属粒子のサイズが小さいほどサイズのばらつきが小さいことも本発明による利点である。本発明による金属コロイドは安定性がよい傾向にある。金属コロイドを貯蔵する際に、従来用いられるポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)等の安定剤を用いる必要が無いことが殆どである。
本発明では、粒子の平均粒径として、以下のように電子顕微鏡観察より得られた画像を解析することで測定される平均粒径Raveの値を用いる。まず、カーボン膜を蒸着した金属グリッド状に金属コロイド分散液を滴下、乾燥させ、電子顕微鏡観察に供する試料とする。続いて透過型電子顕微鏡により当該試料の透過像を観察、撮影し、得られた電子顕微鏡写真について次の画像処理を行うことにより粒径を測定する。粒径を算出するためのアルゴリズムは、まず画像の2値化処理後にエッジ検出を行い、円形のものを1粒子と判別し粒子毎に抽出を行う。抽出したすべての粒子について画素数を測定、この画素数をNiとする。粒径測定のために抽出する粒子数は通常100個以上、好ましくは500個以上、より好ましくは1000個以上とする。粒形を円形と仮定していることから、i番目の粒子の粒径Riは、Ri = 2(NiSp/π)1/2として表わされる。
ただし、Ri: 粒径(m)、Ni: 粒子のpixel数(pixel)、Sp: 1 pixelあたりの面積(m2/pixel)である。
以上で得られたRi値について、抽出されたすべての粒径の平均値を下記のように算出することにより、平均粒径Raveが得られる。
本発明によれば、得られた金属コロイドは、医療用あるいは産業用など各種用途に適用される。金属粒子はナノサイズにまで小さくすることにより、塊状金属とは異なる光学的、電磁気学的、化学的性質を呈することが多い。例えば、10nm以下の銀ナノ粒子はHIV−1ウィルスのエンベロープに選択的に吸着して該ウィルスを不活化させることが見出されている(非特許文献3)。こういったナノサイズの金属を抗ウィルス材として利用する場合において、本発明による金属コロイドを活用することが可能である。本発明では、得られた金属コロイドを用いて、キトサンと金属粒子との複合体が提供され、該複合体は、強い抗ウィルス活性を呈する。ウィルスとしては、例えば、A(H)インフルエンザウィルスが挙げられる。
キトサンと金属粒子との複合体の具体的な形態は特に限定無く、例えば、粉体状、シート状、膜状、ゲル状であってもよいし、あるいは、所定形状に成形されていてもよい。本発明の複合体はキトサンと上述の金属コロイドとを混合することにより得られる。キトサンと金属コロイドとの混合によって金属粒子をキトサン内に取り込ませて複合体を得る具体的手段についても特に限定無く、例えば、各種形態のキトサンを金属コロイドを含む溶液に浸すことにより金属粒子をキトサン内に取り込んでもよいし、キトサンの粉末・粒子を金属コロイドと混合してもよい。キトサンと金属粒子との複合体の具体的な用途については特に限定無く、例えば、各種抗菌・抗ウィルス材料、空調装置などに組み込まれるフィルター材料などを挙げることができる。上記複合体に含まれる金属粒子のサイズ(球状に近似させた場合の直径)は、抗菌用途の材料を得る場合にはマイクロオーダーより小さいことが好ましく、抗ウィルス用途の材料を得る場合には、好ましくは50nm以下、より好ましくは3〜30nm、さらに好ましくは、3〜20nmである。
今一度、本発明者らが見出した関係、すなわち、得られる金属コロイド中の金属粒子のサイズが還元糖の濃度の平方根に比例するという関係を考察する。以下、後述する実施例に準拠して、金属として銀を用い、還元糖としてグルコースを用いた場合を例にしているが、本発明および本考察はこれらの具体例に限定されない。
本発明における酸化還元反応の化学反応式(1)およびその反応速度方程式(2)は以下のとおりであり、ここから(3)式が導かれる。下記式において、cはガラス粉末表面の銀イオンの濃度であり、xはガラス表面からの鉛直方向の距離であり、Dは銀イオンの拡散定数である。
反応系中の物質バランスは下記式(4)の如く表式され、Einstein-Stokes
式は下記式(5)で書くことができる。また、銀コロイド中の銀粒子の直径r(x)は、xが無限大になるにつれて最終的な値rへと収斂し、そのことは下記式(6)で表現することができる。下記式において、vAgは銀のモル体積であり、c(x)は距離xにおける銀粒子の体積割合であり、Dは銀粒子の拡散定数であり、kはボルツマン定数であり、Tは反応系の温度であり、ηは溶媒の粘度であり、r(x)は距離xにおける銀コロイド中の銀粒子の直径である。
ここで、微小時間(Δt)および微小距離(Δx)における粒子成長を考慮すると式(2)から下記式(7)が導出され、さらに、下記式(8)も成立する。下記式において、Nは単位体積当たりの粒子数であり、Nはアボガドロ定数であり、cは一定数である。
上式(3)、(6)および(8)を考慮して、式(7)においてΔxを0に収斂させると式(9)よび(10)が導出される。式(3)、(4)および(5)から下記式(11)が導出される。そして、式(11)および式(9)の2回微分から式(12)が導出される。
上式(12)の第2項同士を対比することにより、下記式(13)を導くことができる。
このようにして、本発明において得られる金属コロイド中の金属粒子のサイズ(r)が還元糖の濃度の平方根に比例するという関係が、モデルとして一般化され得ることが示される。
以下、本発明による実施例を示す。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
[実施例1]
SiO(25%)−B(60%)−NaO(15%)−AgNO(1.6%)なる組成の銀含有ガラス粉末(環境サイエンス社、型番BSP21、平均粒子径10μm)0.50gを、100mlのガラスバイアル中で、50mlの1.0重量%のD−グルコース(>98%、和光純薬製)水溶液に分散させた。かかる条件では、グルコースの量は、銀イオンを還元する当量の25倍以上に相当する。分散して得られた懸濁液をイケモト社製IMC−30Lのオートクレーブ装置にて、121℃、200kPaの加圧加熱処理に供した(約20分)。その後、懸濁液を徐々に室温にまで冷却して、3000rpm、10分間の遠心分離に供した。このとき、グルコースを含む溶媒部分は黄褐色になっていた。上澄みを目的の金属コロイドであるとして回収して、室温暗所に保存した。
[実施例2]
D−グルコースの濃度を2.0重量%にしたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
[実施例3]
D−グルコースの濃度を0.25重量%にしたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
[実施例4]
D−グルコースの濃度を4.0重量%にしたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
[比較例1]
銀含有ガラス粉末の代わりに銀を含まぬガラス粉末(NSG社、型番RCF−105、平均粒径15μm)を用いたことのほかは実施例2と同様の処理を行った。
[UV−visスペクトルおよびTEM]
実施例2で得られた銀コロイドのUV−visスペクトル(日立、U−3300)を測定した。得られた銀コロイド中の銀微粒子のTEM観察した(JEOL JEM−1010、80kV)。図1は得られたスペクトルおよびTEM観察像である。TEM像に示されるように、得られた銀微粒子はきれいな球形であった。なお、TEM観察像中のスケールバーは100nmである。UV−visスペクトルについて、実線は製造直後のサンプルであり、点線は1ヵ月間貯蔵した後のサンプルである。
[FT−IRスペクトル]
実施例2で得られた銀コロイドのFT−IRスペクトル(JASCO FT−IR760 Plus)を測定した。測定サンプルは、銀コロイドを凍結乾燥して得た。図2は、測定されたFT−IRのスペクトルである(図2(d))。参照のために、グルコースのみ(図2(a))、食品添加グレードのカラメル(図2(b))である。図2(c)は比較例1により得たサンプルのスペクトルである。
図2(a)および(b)によれば、1600〜1800cm−1に、グルコースには無いカラメルの吸収ピークが認められる。オートクレーブ処理後は、当該カラメルの吸収ピークが認められる(図2(c)および(d))。このことから、グルコース水溶液をガラス粉末の存在下で加圧加熱処理することにより、カラメル化反応が生じてカラメルが生成したと判断できる。
[グルコース濃度]
図3は実施例3(左側)および実施例4(右側)により得られたサンプルのTEM観察像および粒子径分布図である。還元糖の濃度に応じて粒子サイズが異なることが一目瞭然である。
[実施例5]
D−グルコースの濃度を種々変更したことの他は実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
図4は、グルコース濃度の平方根に対する、得られた銀コロイドにおける銀粒子の平均粒子径のプロットである。エラーバーは標準偏差である。四角のプロットは20分間の加圧加熱によるものであり、*のプロットは10分間の加圧加熱によるものである。プロットは良好な直線性を示した。加圧加熱時間は標準偏差の範囲内で、平均粒子サイズに影響しないことが判明した。
[実施例6〜10]
D−グルコースの代替としてD−フルクトースを用いたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
具体的には、実施例1において使用した1.0重量%のD−グルコース水溶液の代わりに、0.25重量%(実施例6)、0.5重量%(実施例7)1.0重量%(実施例8)、2.0重量%(実施例9)、4.0重量%(実施例10)の各濃度のフルクトース水溶液を用いて、その他は実施例1と同様の処理を施した。いずれにおいても、遠心分離後の溶媒部分は黄褐色になっており目的の金属コロイドが得られたことを確認した。
[実施例11]
キトサン(焼津水産化学(株)、平均分子量:54kDa、脱アセチル化度:84%)10mgを1mlの純水に酸性下(pH2)で溶解させ、実施例1の操作に準拠して得た各銀コロイド(銀微粒子の平均粒子径が、(12.9±2.50)nm、(6.53±1.78)nmおよび(3.48±1.83)nmの3種類)を加えてよく攪拌した。その後、NaOHの添加により中和し、銀微粒子・キトサン複合体を沈殿物として調製した。この複合体を数回生食水で洗浄した。A/PR/8/34株(H1N1型)のインフルエンザ液を各複合体に添加し、1h室温でよく攪拌し、遠心分離法でウィルスを吸着した複合体を除去し、上澄みの残存インフルエンザを被感染細胞(MDCK)を含む96−ウエルプレートに段階希釈により加え、7日間培養した。プラーク形成したウエル数をカウントし、下記TCID50法に基づいて評価をした。
コースの代替としてD−フルクトースを用いたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
上式において、cは1段目のウィルス濃度であり、pはプラーク形成したウエル数であり、wは1濃度あたりのウエル数であり、vは1ウエルあたりのウィルス液体積である。
図5は抗ウィルス性の評価結果である。図5の縦軸はウィルスの感染の程度を表している。銀コロイドを含まぬキトサンのみの場合におけるウィルスの感染の程度を、縦軸における100%として規格化した。よって、縦軸の値が100%より小さければ、キトサンのみの場合よりも、抗ウィルス性が高いといる。また、縦軸の値が小さければ小さいほど、抗ウィルス性が高いといえる。横軸は1mgのキトサンに対する銀粒子の含有量を示す。図5にプロットされるように、銀ナノ粒子を含有する複合体は、例外なく、キトサンのみの場合よりも抗ウィルス性が向上した。銀ナノ粒子の平均粒径が小さいほど、少ない含有量で高い抗ウィルス性を呈することが判明した。
本発明により得られる、金属コロイドを利用して、医療や一般産業において必要となる粒子の形状が揃ったナノサイズの金属粒子が低い環境負荷で提供される。とりわけ、この金属微粒子を含有するキトサンは優れた抗ウィルス性を示すことから、種々の抗菌・抗ウィルス製品のための材料として用いられることが期待される。

Claims (9)

  1. 金属含有ガラス粉末と還元糖とを含む水系懸濁液を加熱することによって前記金属を還元することを特徴とする金属コロイドの製造方法。
  2. 金属が10族または11族元素である請求項1記載の製造方法。
  3. 還元糖が単糖類である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 還元糖がカラメル化する条件で加熱する請求項1〜3のいずれかの製造方法。
  5. 加圧下で加熱する請求項1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 水系懸濁液に、金属の還元当量の10倍以上の還元基に相当する還元糖が含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された金属コロイド。
  8. 当該金属コロイドに含まれる金属粒子の平均粒径が3〜30nmである請求項7記載の金属コロイド。
  9. 請求項7または8記載の金属コロイドとキトサンとを混合することにより得られるキトサンと金属粒子との複合体。
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