JP5456651B2 - 金属コロイド、その製造方法およびその応用 - Google Patents
金属コロイド、その製造方法およびその応用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5456651B2 JP5456651B2 JP2010268694A JP2010268694A JP5456651B2 JP 5456651 B2 JP5456651 B2 JP 5456651B2 JP 2010268694 A JP2010268694 A JP 2010268694A JP 2010268694 A JP2010268694 A JP 2010268694A JP 5456651 B2 JP5456651 B2 JP 5456651B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- colloid
- silver
- reducing sugar
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Colloid Chemistry (AREA)
Description
(1)金属含有ガラス粉末と還元糖とを含む水系懸濁液を加熱することによって前記金属を還元することを特徴とする金属コロイドの製造方法。
(2)金属が10族または11族元素である(1)の製造方法。
(3)還元糖が単糖類である(1)または(2)の製造方法。
(4)還元糖がカラメル化する条件で加熱する(1)〜(3)のいずれかの製造方法。
(5)加圧下で加熱する(1)〜(4)のいずれかの製造方法。
(6)水系懸濁液に、金属の還元当量の10倍以上の還元基に相当する還元糖が含まれる(1)〜(5)のいずれかの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかの製造方法によって製造された金属コロイド。
(8)当該金属コロイドに含まれる金属粒子の平均粒径が3〜30nmである(7)の金属コロイド。
(9)(7)または(8)の金属コロイドとキトサンとを混合することにより得られるキトサンと金属粒子との複合体。
ここで、金属含有ガラス粉末の粒径は、マイクロトラックなどに代表されるレーザー回折装置によって測定されるD50値である。
銀以外の金属のガラスへの混入例に関しては、銅、亜鉛、錫を用いた抗菌性ガラスが公知である(特許文献5)。また、ガラスへの各種金属の混入方法に関しては、従来の溶融−冷却法によるものの他に、ゾル−ゲル法(非特許文献2などを参照)を用いることも可能である。
ただし、Ri: 粒径(m)、Ni: 粒子のpixel数(pixel)、Sp: 1 pixelあたりの面積(m2/pixel)である。
式は下記式(5)で書くことができる。また、銀コロイド中の銀粒子の直径r(x)は、xが無限大になるにつれて最終的な値r∞へと収斂し、そのことは下記式(6)で表現することができる。下記式において、vAgは銀のモル体積であり、c(x)は距離xにおける銀粒子の体積割合であり、Dpは銀粒子の拡散定数であり、kBはボルツマン定数であり、Tは反応系の温度であり、ηは溶媒の粘度であり、r(x)は距離xにおける銀コロイド中の銀粒子の直径である。
SiO2(25%)−B2O3(60%)−Na2O(15%)−AgNO3(1.6%)なる組成の銀含有ガラス粉末(環境サイエンス社、型番BSP21、平均粒子径10μm)0.50gを、100mlのガラスバイアル中で、50mlの1.0重量%のD−グルコース(>98%、和光純薬製)水溶液に分散させた。かかる条件では、グルコースの量は、銀イオンを還元する当量の25倍以上に相当する。分散して得られた懸濁液をイケモト社製IMC−30Lのオートクレーブ装置にて、121℃、200kPaの加圧加熱処理に供した(約20分)。その後、懸濁液を徐々に室温にまで冷却して、3000rpm、10分間の遠心分離に供した。このとき、グルコースを含む溶媒部分は黄褐色になっていた。上澄みを目的の金属コロイドであるとして回収して、室温暗所に保存した。
D−グルコースの濃度を2.0重量%にしたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
D−グルコースの濃度を0.25重量%にしたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
D−グルコースの濃度を4.0重量%にしたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
銀含有ガラス粉末の代わりに銀を含まぬガラス粉末(NSG社、型番RCF−105、平均粒径15μm)を用いたことのほかは実施例2と同様の処理を行った。
実施例2で得られた銀コロイドのUV−visスペクトル(日立、U−3300)を測定した。得られた銀コロイド中の銀微粒子のTEM観察した(JEOL JEM−1010、80kV)。図1は得られたスペクトルおよびTEM観察像である。TEM像に示されるように、得られた銀微粒子はきれいな球形であった。なお、TEM観察像中のスケールバーは100nmである。UV−visスペクトルについて、実線は製造直後のサンプルであり、点線は1ヵ月間貯蔵した後のサンプルである。
実施例2で得られた銀コロイドのFT−IRスペクトル(JASCO FT−IR760 Plus)を測定した。測定サンプルは、銀コロイドを凍結乾燥して得た。図2は、測定されたFT−IRのスペクトルである(図2(d))。参照のために、グルコースのみ(図2(a))、食品添加グレードのカラメル(図2(b))である。図2(c)は比較例1により得たサンプルのスペクトルである。
図2(a)および(b)によれば、1600〜1800cm−1に、グルコースには無いカラメルの吸収ピークが認められる。オートクレーブ処理後は、当該カラメルの吸収ピークが認められる(図2(c)および(d))。このことから、グルコース水溶液をガラス粉末の存在下で加圧加熱処理することにより、カラメル化反応が生じてカラメルが生成したと判断できる。
図3は実施例3(左側)および実施例4(右側)により得られたサンプルのTEM観察像および粒子径分布図である。還元糖の濃度に応じて粒子サイズが異なることが一目瞭然である。
D−グルコースの濃度を種々変更したことの他は実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
図4は、グルコース濃度の平方根に対する、得られた銀コロイドにおける銀粒子の平均粒子径のプロットである。エラーバーは標準偏差である。四角のプロットは20分間の加圧加熱によるものであり、*のプロットは10分間の加圧加熱によるものである。プロットは良好な直線性を示した。加圧加熱時間は標準偏差の範囲内で、平均粒子サイズに影響しないことが判明した。
D−グルコースの代替としてD−フルクトースを用いたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
具体的には、実施例1において使用した1.0重量%のD−グルコース水溶液の代わりに、0.25重量%(実施例6)、0.5重量%(実施例7)1.0重量%(実施例8)、2.0重量%(実施例9)、4.0重量%(実施例10)の各濃度のフルクトース水溶液を用いて、その他は実施例1と同様の処理を施した。いずれにおいても、遠心分離後の溶媒部分は黄褐色になっており目的の金属コロイドが得られたことを確認した。
キトサン(焼津水産化学(株)、平均分子量:54kDa、脱アセチル化度:84%)10mgを1mlの純水に酸性下(pH2)で溶解させ、実施例1の操作に準拠して得た各銀コロイド(銀微粒子の平均粒子径が、(12.9±2.50)nm、(6.53±1.78)nmおよび(3.48±1.83)nmの3種類)を加えてよく攪拌した。その後、NaOHの添加により中和し、銀微粒子・キトサン複合体を沈殿物として調製した。この複合体を数回生食水で洗浄した。A/PR/8/34株(H1N1型)のインフルエンザ液を各複合体に添加し、1h室温でよく攪拌し、遠心分離法でウィルスを吸着した複合体を除去し、上澄みの残存インフルエンザを被感染細胞(MDCK)を含む96−ウエルプレートに段階希釈により加え、7日間培養した。プラーク形成したウエル数をカウントし、下記TCID50法に基づいて評価をした。
コースの代替としてD−フルクトースを用いたことのほかは実施例1と同様にして、銀コロイドを製造した。
Claims (9)
- 金属含有ガラス粉末と還元糖とを含む水系懸濁液を加熱することによって前記金属を還元することを特徴とする金属コロイドの製造方法。
- 金属が10族または11族元素である請求項1記載の製造方法。
- 還元糖が単糖類である請求項1または2記載の製造方法。
- 還元糖がカラメル化する条件で加熱する請求項1〜3のいずれかの製造方法。
- 加圧下で加熱する請求項1〜4のいずれかの製造方法。
- 水系懸濁液に、金属の還元当量の10倍以上の還元基に相当する還元糖が含まれる請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された金属コロイド。
- 当該金属コロイドに含まれる金属粒子の平均粒径が3〜30nmである請求項7記載の金属コロイド。
- 請求項7または8記載の金属コロイドとキトサンとを混合することにより得られるキトサンと金属粒子との複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010268694A JP5456651B2 (ja) | 2010-01-07 | 2010-12-01 | 金属コロイド、その製造方法およびその応用 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010002152 | 2010-01-07 | ||
JP2010002152 | 2010-01-07 | ||
JP2010268694A JP5456651B2 (ja) | 2010-01-07 | 2010-12-01 | 金属コロイド、その製造方法およびその応用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011157623A JP2011157623A (ja) | 2011-08-18 |
JP5456651B2 true JP5456651B2 (ja) | 2014-04-02 |
Family
ID=44589816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010268694A Expired - Fee Related JP5456651B2 (ja) | 2010-01-07 | 2010-12-01 | 金属コロイド、その製造方法およびその応用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5456651B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014005241A (ja) * | 2012-06-26 | 2014-01-16 | Yachiyo Industry Co Ltd | 抗微生物材料 |
JP7182786B2 (ja) * | 2019-03-25 | 2022-12-05 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 貴金属ヒドロゾルの製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2828522B2 (ja) * | 1991-06-13 | 1998-11-25 | 日本板硝子株式会社 | 殺菌処理剤 |
JP2596684B2 (ja) * | 1992-01-30 | 1997-04-02 | 興亜硝子株式会社 | 抗菌性及び抗齲蝕性複合ガラス |
KR100620615B1 (ko) * | 2005-05-23 | 2006-09-06 | 한국생명공학연구원 | 가시광선 영역의 색을 갖는 금속 나노입자 혼합물이 코팅된 다색 콜로이드 입자 및 그 제조방법 |
JP5234389B2 (ja) * | 2007-08-02 | 2013-07-10 | 地方独立行政法人山口県産業技術センター | 金属ナノ粒子の製造方法 |
JP4865772B2 (ja) * | 2007-08-30 | 2012-02-01 | 三ツ星ベルト株式会社 | 金属コロイド粒子およびその分散液 |
JP5453813B2 (ja) * | 2008-01-22 | 2014-03-26 | 三菱マテリアル株式会社 | 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-12-01 JP JP2010268694A patent/JP5456651B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011157623A (ja) | 2011-08-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Iravani et al. | Synthesis of silver nanoparticles: chemical, physical and biological methods | |
El-Rafie et al. | Environmental synthesis of silver nanoparticles using hydroxypropyl starch and their characterization | |
Kumar et al. | Sonochemical synthesis of silver nanoparticles using starch: a comparison | |
Abudabbus et al. | In situ electrochemical synthesis of silver-doped poly (vinyl alcohol)/graphene composite hydrogels and their physico-chemical and thermal properties | |
KR102543517B1 (ko) | 항균·항곰팡이성을 갖는 광 촉매·합금 미립자 분산액, 그의 제조 방법 및 광 촉매·합금 박막을 표면에 갖는 부재 | |
Seku et al. | Hydrothermal synthesis of Copper nanoparticles, characterization and their biological applications | |
EP2632583A1 (de) | Metallpartikelsol mit dotierten silbernanopartikeln | |
Hemmati et al. | Artificial sweeteners and sugar ingredients as reducing agent for green synthesis of silver nanoparticles | |
US10081060B2 (en) | Method of forming silver nanoparticles and a use thereof | |
CN105642909B (zh) | 银纳米胶体的一种合成方法 | |
KR20100105845A (ko) | 귀금속 나노입자의 분산액을 제조하고 상기 분산액으로부터 상기 나노입자를 분리하기 위한 방법 | |
WO2016007113A1 (en) | Biocompatible colloidal solution of silver nanoparticles in non-aqueous polar solvent and method of obtaining thereof | |
TW201350436A (zh) | 製造高長寬比銀奈米線之方法 | |
KR101958624B1 (ko) | 전이금속 나노 입자의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 전이금속 나노 입자 | |
Bankura et al. | Dextrin-mediated synthesis of Ag NPs for colorimetric assays of Cu2+ ion and Au NPs for catalytic activity | |
JP5456651B2 (ja) | 金属コロイド、その製造方法およびその応用 | |
CN110181074B (zh) | 一种复合软模板法绿色制备高长径比银纳米线的方法 | |
Roddu et al. | Green-route synthesis and characterization of the silver nanoparticles resulted by bio-reduction process | |
CN111347060A (zh) | 一种可控粒径大小的纳米银胶制备方法 | |
Alturki | Facile synthesis route for chitosan nanoparticles doped with various concentrations of the biosynthesized copper oxide nanoparticles: Electrical conductivity and antibacterial properties | |
Ismail et al. | Investigation the parameters affecting on the synthesis of silver nanoparticles by chemical reduction method and printing a conductive pattern | |
Junqi et al. | Green synthesis of colloidal gold by ethyl alcohol and NaoH at normal temperature | |
JP5861582B2 (ja) | 疎水性クラスター化合物への水溶性又は水分散性の付与方法 | |
CN111975010A (zh) | 一种基于d-阿拉伯糖还原的金纳米粒子制备 | |
CN105980055A (zh) | 纳米胶体颗粒负载物的制造方法和其负载物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20120402 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120402 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120402 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120607 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131126 |
|
AA92 | Notification of invalidation |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971092 Effective date: 20131210 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131224 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5456651 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |