JP2009026469A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】中心電極の熱引きの向上を図りつつ、絶縁体の押し割れを抑制できるとともに、耐汚損性の向上を図る。
【解決手段】スパークプラグ1は、先端部が一定内径の軸孔4を有する絶縁碍子2と、軸孔4に挿通される中心電極5等を備える。中心電極5は、基端側に拡径された鍔部35を有し、鍔部35の先端側には鍔下部36を有する。鍔下部36には、その基端から順にそれぞれ一定の外径を有する電極大径部37、電極小径部38、細径化部39が形成される。鍔下部36の外径と軸孔4の内径との径差が一定の定径差領域の中で最長の最長定径差領域DL1の鍔下部36の外径φAと軸孔4の内径φBとの径差をCb、2番目に長い第2定径差領域DL2の鍔下部36の外径φDと軸孔4の内径φBとの径差をCfとしたとき、径差Cfから径差Cbを減算した値が0mmより大きく0.06mm以下とされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
内燃機関用スパークプラグは、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられるものである。一般的にスパークプラグは、軸孔を有する絶縁体と、当該軸孔に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端面に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。また、主体金具と絶縁体との組付に際しては、一般的に、主体金具の内周面に設けられる段部と、絶縁体の外周面に設けられる段部とが、金属製の板パッキンを介して係止される。近年、中心電極の内部を比較的熱伝導性に優れる銅や銅合金等で形成することで、熱引きの向上を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、燃焼室内においては混合気の不完全燃焼等によりカーボンが発生し、これが絶縁体表面へ堆積するおそれがある。ここで、絶縁体表面へのカーボンの堆積が進み、絶縁体表面がカーボンで覆われてしまう(汚損する)と、火花放電間隙において正常な火花放電が発生することなく、中心電極から主体金具へとカーボンを伝って電流が流れて(リークして)しまうおそれがある。
これに対し、絶縁体のうち、燃焼室内に露出している部分(脚長部)の長さをより長くすることが提案されている。これにより、同量のカーボンが堆積したとしても、絶縁体表面が覆われてしまう可能性を低減させることができ、ひいては耐汚損性の向上を図ることができる。
特開2006−156110号公報
しかしながら、脚長部を長くすると、必然的に絶縁体のうち板パッキンよりも直先端側の主体金具との近接部分の長さを短くせざるを得ず、絶縁体から主体金具への熱移動がスムーズに行われなくなってしまう。このため、絶縁体の熱引きが悪化してしまい、ひいては中心電極から絶縁体への熱移動がスムーズに行われなくなってしまうおそれがある。このような場合には、比較的熱伝導性に優れる銅又は銅合金等で中心電極の内部を形成したとしても、十分な熱引き性能を維持できないおそれがある。さらに、これら銅や銅合金等は、熱膨張係数が比較的大きなものであるため、前記中心電極から絶縁体への熱移動がスムーズに行われないことに起因して、当該銅合金等が膨張してしまうおそれがある。その結果、中心電極自体の膨張に繋がってしまい、ひいては中心電極によって絶縁体が押し割られてしまうことが懸念される。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、中心電極の熱引きの向上を図りつつ、絶縁体の押し割れを抑制できるとともに、耐汚損性の向上を図ることができる内燃機関用スパークプラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
前記鍔下部に対応する軸線方向領域において、前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が略一定となる領域のうち、前記軸線方向に最も長い領域である最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCb、前記最長定径差領域よりも先端側の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
前記径差Cfから前記径差Cbを減算した値を、0mmより大きく、0.06mm以下としたことを特徴とする。
尚、「鍔下部を遊嵌状態として保持」とは、鍔下部と軸孔との間に間隙があることを意味するものであるが、鍔下部が軸孔の内周面に対し全くもって当接してはならないというわけではない。中心電極は絶縁体に形成された軸孔に挿入され、自信の鍔部が固定されることにより保持される(固持される)ので、鍔下部は軸孔に挿入することができれば、製造誤差等によって当接状態となっていてもよい。ここで、「前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が略一定」とあるのは、径差が厳密に一定であることを意味するものではなく、製造誤差や公差を許容するものである。本発明においては、定径差領域の任意の位置A(便宜的に位置Aと称す)における径差aと、当該定径差領域の前記任意の位置Aとは異なる位置B(便宜的に位置Bと称す)における径差bとの差、すなわち|(径差a)−(径差b)|が0.01mm以下であれば、「径差が略一定」であるといえる。加えて、「熱膨張係数が大なる金属材」としては、例えば、銅や銅合金等、熱伝導性に比較的優れる金属材が挙げられる(以下、同様)。併せて、「最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差Cb」は、中心電極から絶縁体への熱引きをスムーズに行える程度に比較的小さなものであることが望ましい。従って、例えば、0.01mm〜0.09mmであることが望ましい。熱引き性能の面からは、径差Cbは小さいほど好ましいが、生産性や生産時に生じる公差から絶縁体が割れてしまうおそれがあることを考慮すると、0.02mm〜0.07mmとしてもよい。
上記構成1によれば、中心電極の少なくとも内部は、熱膨張係数が比較的大なる金属材によって形成されているため、従来品同様に中心電極の熱引きの向上を図ることができる。また、中心電極の熱引きの向上が図られることで、絶縁体のうち燃焼室内に露出される部分(脚長部)の長さを比較的長くしても十分な熱引き性能を維持することができる。そのため、脚長部を長くすることができ、ひいては耐汚損性の向上を図ることができる。一方で、中心電極の内部が、熱膨張係数が比較的大なる金属材によって形成されるため、中心電極による絶縁体の押し割れが生じてしまうことが懸念される。この点、本構成1では、径差Cfから径差Cbを減算した値が、0mmより大きく、0.06mm以下とされる。すなわち、最長定径差領域における鍔下部と絶縁体との間隙と比較して、その先端側の領域における鍔下部と絶縁体との間隙が、大きいものとなる。このため、最長定径差領域より先端側の熱膨張の大きい領域において、熱膨張に伴う体積の増大を鍔下部と絶縁体との間隙で吸収することができる。その結果、中心電極による絶縁体の押し割れを抑制することができる。
すなわち、本構成1を採用することで、熱引きの向上及び耐汚損性の向上というメリットを維持しつつ、中心電極による絶縁体の押し割れというデメリットを解消することができる。
また、耐汚損性の向上を図るために、中心電極の先端部を細径化し、中心電極の先端外周面と軸孔の内周面との間で環状空所(いわゆる、サーモ)を形成する場合があるが、この場合には、中心電極の外径と軸孔の内径との径差を比較的大きく(例えば、0.1mm以上)とることが必要である。これに対して、本構成1では、径差Cfから径差Cbを減算した値が0.06mm以下とされる。すなわち、最長定径差領域より先端側の領域における鍔下部と軸孔との間隙は、サーモとして機能するものではなく、専ら中心電極の体積増大を吸収するために機能するものである。
尚、前記径差Cbから径差Cfを減算した値が、0.06mm以下とされることで、前述の絶縁体の押し割れを防ぎつつ、熱引きを良好に維持するという作用効果が奏されることとなる。
構成2.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
前記鍔下部のうち、前記軸線方向に沿って前記絶縁体の先端面から3mm後端側の部位より後端側の部位に対応する軸線方向領域内において、
所定の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCbとし、かつ、
前記軸線方向位置Bよりも先端側の所定の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
前記径差Cbを前記径差Cfより小さくしたことを特徴とする。
尚、「所定の軸線方向位置F」とは、前記絶縁体の先端面から軸線方向に沿って3mm後端側の部位より後端側の位置であることに加え、例えば、前記絶縁体の先端面から軸線方向に沿って3mm後端側の位置と、当該位置より軸線方向に沿って4mm〜10mm(例えば、7mm)程度後端側の位置との間の軸線方向位置であることが望ましい。また、「所定の軸線方向位置B」とは、前記鍔下部の基端から前記軸線方向位置Fまでの間の軸線方向位置をいう。
加えて、「前記軸線方向に沿って前記絶縁体の先端面から3mm後端側の部位」とあるのは、いわゆるサーモの形成され得る部位が一般的に軸線方向に沿って絶縁体先端面から3mm後端側の部位より先端側であることから、前記径差Cfが形成される軸線方向領域とサーモが形成され得る軸線方向領域とを明確に区別するためのものである。さらに、「絶縁体の先端面から3mm後端側の部位」から後端側において、径差Cfが0.06mmを超えてしまうと、中心電極の熱引きの向上を十分に図ることができないおそれが増大する。
上記構成2によれば、基本的に上記構成1と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成3.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
前記鍔下部のうち、前記軸線方向に沿って前記絶縁体の先端面から3mm後端側の部位より後端側の部位に対応する軸線方向領域内において、
前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が一定となる領域のうち、前記軸線方向に最も長い領域である最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCb、前記最長定径差領域よりも先端側の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
前記径差Cbを前記径差Cfより小さくしたことを特徴とする。
上記構成3によれば、基本的には上記構成1,2と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成4.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記軸線方向位置Fよりも先端側の軸線方向位置Cにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCcとしたとき、当該径差Ccを前記径差Cfよりも小さくしたことを特徴とする。
上記構成4によれば、軸線方向位置Fより先端側の軸線方向位置Cにおける鍔下部の外径と軸孔の内径との径差Ccが、前記径差Cfより小さくされる。従って、鍔下部と軸孔との間隙の奥部へとカーボンが侵入してしまうといった事態を抑制できる。カーボンが侵入してしまうと、中心電極の熱膨張が僅かなものであっても絶縁体の押し割れを招いてしまうおそれがあるため、当該構成4を採用することによって、絶縁体の押し割れをより一層抑制することが可能となる。
構成5.本構成の内燃機関用スパークプラグは、軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
前記鍔下部に対応する軸線方向領域において、前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が一定となる領域のうち、前記軸線方向に最も長い領域である最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCbとし、かつ、
前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が一定となる領域のうち、前記軸線方向に2番目に長い領域であるとともに、前記最長定径差領域より先端側に位置する第2定径差領域の任意の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
前記径差Cbを前記径差Cfよりも小さくし、
さらに、前記第2定径差領域より先端側の前記鍔下部の先端部には、前記絶縁体の先端面を跨ぐとともに、自身の後端側と比較して小径の細径化部を形成したことを特徴とする。
尚、「細径化部」は、鍔下部の先端から、軸線方向に沿って絶縁体の先端面から長くとも3mm後端側の部位までの間に形成されるものである。
上記構成5によれば、基本的には上記構成1と同様の作用効果が奏される。加えて、本構成5では、鍔下部の先端部に、軸線方向に絶縁体の先端面を跨ぐとともに、自身の後端側と比較して小径の細径化部が形成される。これにより、中心電極先端部と絶縁体の軸孔との間に環状空所が形成されることとなる。その結果、環状空所における軸孔にカーボンが付着した汚損時には、前記環状空所で火花放電が発生するため、カーボンを効率よく焼失させることができる。すなわち、いわゆるサーモとしての効果を期待することができる。その結果、耐汚損性のより一層の向上を図ることができる。
構成6.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成5において、前記細径化部に対応する軸線方向位置Sにおける前記細径化部の外径と前記軸孔の内径との径差をCsとし、
前記軸線方向位置F及び前記軸線方向位置S間に位置する軸線方向位置Cにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCcとしたとき、
前記径差Cf及び前記径差Csと比較して前記径差Ccを小さくしたことを特徴とする。
上記構成6によれば、基本的には上記構成3と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成7.本構成の内燃機関用スパークプラグは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記絶縁体のうち、前記主体金具に対して板状のパッキンを介して係止される段部よりも先端の脚長部において、前記鍔下部が遊嵌状態とされ、
前記径差Cbは、前記鍔下部の外径と前記脚長部に対応する前記軸孔の内径との径差であることを特徴とする。
絶縁体の押し割れを効率的に回避するためには、脚長部に対応する軸線方向領域において前記径差Cbが形成されることが重要である。すなわち、上記構成7が採用されることにより、中心電極の十分な熱引き性能が期待できるため、これより後端側において、中心電極の鍔下部が絶縁体の軸孔に当接していても絶縁体の押し割れが生じるおそれはなく、逆に熱引きをより向上させることが可能である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、内燃機関用スパークプラグ1(以下、単に「スパークプラグ1」と称す)を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線C1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。また、説明の便宜上、図2,3等において、後述する径差Cbや径差Cf等を比較的大きく図示している。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線C1に沿って軸孔4が貫通形成されている。当該軸孔4の先端側には、テーパ状の段部28が形成され、軸孔4のうち当該段部28より先端側の部位は、一定の内径を有している。また、軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定される。より詳しくは、中心電極5の基端側に形成された径方向外側に膨出する鍔部35が、前記段部28に係止された状態で、中心電極5は軸孔4の先端側に挿入、固定されている。これにより、前記鍔部35より先端側で、当該鍔部35より小径の鍔下部36が遊嵌状態とされた上で、中心電極5が保持されることとなる。また、軸孔4の後端部側には端子電極6が挿入、固定されている。さらに、軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出した状態でそれぞれ固定されている。
加えて、絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、軸線C1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも小径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側において内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側の一部は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。尚、本実施形態におけて、脚長部13は、同熱価(同様の熱引き性能)を有する従来のスパークプラグの脚長部と比較して、軸線方向に所定長さ(例えば、1mm〜2mm)だけ長く形成されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端面26には、略L字状をなす接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、前記主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端部分が曲げ返されて、その側面が中心電極5の先端面と対向するように配置されている。そして、中心電極5の先端面と接地電極27の本体との間の隙間に火花放電間隙33が形成されている。
中心電極5は、図2に示すように、良熱伝導性であり、熱膨張係数の比較的大なる金属材(例えば、銅や銅合金等)からなる内層5A及びニッケル(Ni)系合金からなる外層5Bから構成される。
加えて、中心電極5の鍔下部36には、その基端から順に電極大径部37、当該電極大径部37より小径の電極小径部38、及び、当該電極小径部38より小径の細径化部39が形成されている。
細径化部39は、絶縁碍子2の先端面の軸線C1方向位置Rを跨ぐように形成される。より詳しくは、絶縁碍子2の先端面より軸線C1方向に沿って長くとも3mm(本実施形態では、1mm)後端側の部位Sから、鍔下部36の先端Tまでの間に形成される。当該細径化部39が形成されることで、細径化部39の基端部の外周面と軸孔4の内周面との間には環状空所40が形成されることとなる。
電極小径部38は、前記細径化部39よりも軸線C1方向に沿った長さが長く形成されており、前記細径化部39の基端の直基端側の位置と、当該直基端側の位置から軸線C1方向に沿って所定距離(例えば、7mm)基端側の位置との間に形成される。
電極大径部37は、前記電極小径部38よりも軸線C1方向に沿った長さが長く形成されている。
ここで、上述のように、軸孔4の段部28より先端側は一定の内径を有するため、鍔下部36に対応する軸線C1方向領域において、鍔下部36の外径と軸孔4の内径との径差が一定となる領域(定径差領域)が複数存在することとなる。本実施形態では、電極大径部37に対応する領域が、定径差領域の中で最も長い「最長定径差領域DL1」とされ、電極小径部38に対応する領域が、定径差領域の中で2番目に長い「第2定径差領域DL2」とされている。
最長定径差領域DL1における鍔下部36の外径φAと前記軸孔4の内径φBとの径差Cbは、鍔下部36において最も狭く設定されている。例えば、径差Cbは、0.01mm〜0.09mmであることが望ましい。また、熱引き性能の面からは、径差Cbは小さいほど好ましいが、生産性や生産時に生じる公差から絶縁碍子2が割れてしまうおそれがあることを考慮すると、0.02mm〜0.07mmとしてもよい。
また、本実施例では、第2定径差領域DL2における鍔下部36の外径φDと前記軸孔4の内径φBとの径差Cfは、前記径差Cbより大きく設定されている。但し、径差Cfは、前記径差Cbに0.06mmを加算した値以下に設定されている。また、径差Cfは、前記細径化部39の外径φCと軸孔4の内径φBとの径差Csよりも小さく設定されている。尚、図においては、径差に代えて、半径差「Cb/2」、「Cf/2」、「Cs/2」として図示している(他の図における径差についても同様)。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
そして、主体金具中間体の先端面に、Ni系合金(例えばインコネル系合金等)からなる接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。接地電極27の溶接された主体金具3には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成型用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成される。焼成後、種々の研磨加工を施すことで、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、上述したNi系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅や銅合金からなる内層5Aが設けられた中心電極中間体が得られる。当該中心電極中間体のうち一端側(銅合金等が露出している側)には拡径された鍔部35が形成される。一方で、中心電極中間体の他端部(Ni系合金に被覆され、棒形状をなしている部位)には、その先端部から順に、スウェージング加工によって細径化部39及び電極小径部38が形成される。その結果、電極小径部38や細径化部39等を有する中心電極5が得られることとなる。尚、スウェージング加工に代えて、切削加工等により電極小径部38や細径化部39を形成することとしてもよい。
そして、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、当該調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作成された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁碍子2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。
そして、最後に、接地電極27を屈曲させることで、中心電極5の先端面及び接地電極27間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ1が製造される。
以上詳述したように、本実施形態のスパークプラグ1によれば、中心電極5の内層5Aが、熱膨張係数が比較的大なる金属材によって形成されているため、従来品同様に中心電極5の熱引きの向上を図ることができる。また、中心電極5の熱引きの向上が図られることで、絶縁体碍子2の脚長部13の長さを比較的長くしても十分な熱引き性能を維持することができる。そのため、脚長部13を長くすることができ、ひいては耐汚損性の向上を図ることができる。一方で、中心電極5の内層5Aが、熱膨張係数が比較的大なる金属材によって形成されるため、中心電極5による絶縁碍子2の押し割れが生じてしまうことが懸念される。この点、本実施形態では、径差Cfから径差Cbを減算した値が、0mmより大きく、0.06mm以下とされる。すなわち、最長定径差領域における鍔下部36と絶縁碍子2との間隙と比較して、その先端側の第2定径差領域における鍔下部36と絶縁碍子2との間隙が、大きいものとされる。このため、熱膨張が顕著なものとなりやすい第2定径差領域において、熱膨張に伴う体積の増大を鍔下部36と絶縁碍子2との間隙で吸収することができる。その結果、中心電極5による絶縁碍子2の押し割れを抑制することができる。
すなわち、熱引きの向上及び耐汚損性の向上というメリットを維持しつつ、中心電極5による絶縁碍子2の押し割れというデメリットを解消することができる。
加えて、鍔下部36の先端部には、自身の後端側と比較して小径の細径化部39が形成される。その結果、前記環状空所40における軸孔4にカーボンが付着した汚損時には、前記環状空所40で火花放電が発生するため、カーボンを効率よく焼失させることができる。すなわち、いわゆるサーモとしての効果が期待できる。その結果、耐汚損性のより一層の向上を図ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、電極大径部37より小径の電極小径部38が形成されることで、径差Cfが径差Cbよりも大きくされている。これに対して、図3に示すように、電極小径部38を形成することなく、第2定径差領域DL2における軸孔4の内径を拡径することで、径差Cfを径差Cbより大きく設定することとしてもよい。
(b)上記実施形態では、鍔下部36の先端部分に細径化部39を形成することとしているが、図4に示すように、細径化部39を設けない構成を採用することとしてもよい。
(c)図5(a),(b)に示すように、細径化部39の直基端側における鍔下部36の外径と前記軸孔4の内径との径差Ccが前記径差Cf及び径差Csより小さくなるよう、絶縁碍子2の軸孔4に、細径化部39の直基端側部位に向かって膨出する環状凸部41を設けることとしてもよい。この場合、鍔下部36と軸孔4との間隙の奥部へとカーボンが侵入してしまうといった事態を抑制できる。
(d)また、図6(a),(b)に示すように、細径化部39の直基端側における鍔下部36の外径と前記軸孔4の内径との径差Ccが径差Cfより小さくなるよう、細径化部39の直基端側部位に径方向外側へと膨出する環状凸部42を設けることとしてもよい。このように構成しても、上記(c)と同様の作用効果が奏されることとなる。
(e)上記実施形態では、電極大径部37より小径の電極小径部38が形成されることで、径差Cfが径差Cbより大きなものとされている。これに対して、図7(a)に示すように、鍔下部36を先端に向けて先細るテーパ状に形成することで、鍔下部36のうち、絶縁碍子2の先端から3mm後端の部位Xと、当該部位Xから軸線C1方向に沿って所定距離(例えば、4mm〜10mm)後端側の部位Yとの間の任意の位置における鍔下部36の外径と軸孔4の内径との径差Cfが、前記任意の位置より後端側の鍔下部36の外径と軸孔4の内径との径差Cbより大きくなるよう設定してもよい。また、図7(b)に示すように、軸孔4の内径を先端に向けて拡径するテーパ状に形成することで、径差Cfが径差Cbより大きくなるよう設定することとしてもよい。
(f)上記実施形態では、鍔下部36を遊嵌状態とした上で、中心電極5が保持されているが、鍔下部36のうち、前記絶縁碍子2の脚長部13に対応する部位のみを遊嵌状態とした上で、中心電極5を保持することとしてもよい。ここで、絶縁体の押し割れを効率的に回避するためには、脚長部13に対応する軸線方向領域において前記径差Cbが形成されることが重要である。すなわち、当該実施形態を採用しても、中心電極の十分な熱引き性能が期待できるため、これより後端側において、中心電極5の鍔下部36が絶縁碍子2の軸孔4に当接していても絶縁碍子2の押し割れが生じるおそれはなく、逆に熱引きをより向上させることが可能である。
(g)上記実施形態において、中心電極5は、熱膨張係数の比較的大なる金属材で形成された内層5Aを、Ni系合金で形成された外層5Bで覆うようにして形成されている。これに対して、図8(a),(b)に示すように、外層5Bを中心電極5の先端部分にのみ設ける構成とし、外層5Bの存在しない非先端部分では、中心電極5の内層5Aの側面が、中心電極5の外周面に露出するようにして中心電極5を形成することとしてもよい。また、外層5Bを形成する金属材としてNi系合金が用いられているが、鉄にクロムやアルミニウム等を添加した鉄系合金等を用いることとしてもよい。
(h)中心電極5のうち、前記鍔部35の先端部から鍔下部36の基端部までの部位と軸孔4との間隙にセメントを配する(セメントバンドを設ける)こととしてもよい。これにより、中心電極5から絶縁碍子2への熱移動がより一層スムーズに行われることとなり、中心電極5の熱引きのより一層の向上を図ることができる。
(i)絶縁碍子2の先端部の外径をより縮径させることとしてもよい。この場合には、絶縁碍子2の熱引きの向上を図ることができる。
(j)上記実施形態では、中心電極5の先端面と接地電極27との間で火花放電間隙33が形成されているが、中心電極5の先端面に白金やイリジウム等の貴金属からなる貴金属チップを設け、当該貴金属チップと接地電極27との間で火花放電間隙33を形成することとしてもよい。また、接地電極27のうち、中心電極5と対向する面に貴金属チップを設け、当該接地電極27に設けられた貴金属チップと、中心電極5の先端面或いは中心電極5に設けられた貴金属チップとの間で火花放電間隙33を形成することとしてもよい。
(k)上記実施形態では、主体金具3の先端に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(l)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
本実施形態におけるスパークプラグを示す一部破断正面図である。 本実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す部分拡大断面図である。 他の実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す部分拡大断面図である。 他の実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す部分拡大断面図である。 (a),(b)は、他の実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す部分拡大断面図である。 (a),(b)は、他の実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す部分拡大断面図である。 (a),(b)は、他の実施形態におけるスパークプラグの先端部を示す部分拡大断面図である。 (a),(b)は、他の実施形態における中心電極の構成を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1…内燃機関用スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、35…鍔部、36…鍔下部、C1…軸線、DL1…最長定径差領域、DL2…第2定径差領域。

Claims (7)

  1. 軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
    前記鍔下部に対応する軸線方向領域において、前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が略一定となる領域のうち、前記軸線方向に最も長い領域である最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCb、前記最長定径差領域よりも先端側の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
    前記径差Cfから前記径差Cbを減算した値を、0mmより大きく、0.06mm以下としたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  2. 軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
    前記鍔下部のうち、前記軸線方向に沿って前記絶縁体の先端面から3mm後端側の部位より後端側の部位に対応する軸線方向領域内において、
    所定の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCbとし、かつ、
    前記軸線方向位置Bよりも先端側の所定の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
    前記径差Cbを前記径差Cfより小さくしたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  3. 軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
    前記鍔下部のうち、前記軸線方向に沿って前記絶縁体の先端面から3mm後端側の部位より後端側の部位に対応する軸線方向領域内において、
    前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が一定となる領域のうち、前記軸線方向に最も長い領域である最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCb、前記最長定径差領域よりも先端側の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
    前記径差Cbを前記径差Cfより小さくしたことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  4. 前記軸線方向位置Fよりも先端側の軸線方向位置Cにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCcとしたとき、当該径差Ccを前記径差Cfよりも小さくしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  5. 軸線方向に延び、自身の基端側で径方向に膨出する鍔部、及び、当該鍔部より先端側に位置し、当該鍔部より小径の鍔下部を有するとともに、少なくとも自身の先端部分を形成する金属材と比較して熱膨張係数が大なる金属材から少なくとも自身の内部が形成される中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有するとともに、当該軸孔内において前記鍔部を固持することにより、前記鍔下部を遊嵌状態として前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた主体金具とを備える内燃機関用スパークプラグであって、
    前記鍔下部に対応する軸線方向領域において、前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が一定となる領域のうち、前記軸線方向に最も長い領域である最長定径差領域の任意の軸線方向位置Bにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCbとし、かつ、
    前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差が一定となる領域のうち、前記軸線方向に2番目に長い領域であるとともに、前記最長定径差領域より先端側に位置する第2定径差領域の任意の軸線方向位置Fにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCfとしたとき、
    前記径差Cbを前記径差Cfよりも小さくし、
    さらに、前記第2定径差領域より先端側の前記鍔下部の先端部には、前記絶縁体の先端面を跨ぐとともに、自身の後端側と比較して小径の細径化部を形成したことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ。
  6. 前記細径化部に対応する軸線方向位置Sにおける前記細径化部の外径と前記軸孔の内径との径差をCsとし、
    前記軸線方向位置F及び前記軸線方向位置S間に位置する軸線方向位置Cにおける前記鍔下部の外径と前記軸孔の内径との径差をCcとしたとき、
    前記径差Cf及び前記径差Csと比較して前記径差Ccを小さくしたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用スパークプラグ。
  7. 前記絶縁体のうち、前記主体金具に対して板状のパッキンを介して係止される段部よりも先端の脚長部において、前記鍔下部が遊嵌状態とされ、
    前記径差Cbは、前記鍔下部の外径と前記脚長部に対応する前記軸孔の内径との径差であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内燃機関用スパークプラグ。
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