JP2001068249A - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ

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JP2001068249A
JP2001068249A JP2000163776A JP2000163776A JP2001068249A JP 2001068249 A JP2001068249 A JP 2001068249A JP 2000163776 A JP2000163776 A JP 2000163776A JP 2000163776 A JP2000163776 A JP 2000163776A JP 2001068249 A JP2001068249 A JP 2001068249A
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Japan
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center electrode
insulator
tip
spark plug
electrode
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Application number
JP2000163776A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
Shoichiro Ito
祥一郎 伊藤
Yuji Hirano
裕司 平野
Naomichi Miyashita
直道 宮下
Hiroaki Kuki
宏昭 九鬼
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚損性に優れてチャンネリングが生じにく
く、耐久性に極めて優れたスパークプラグを提供する。 【解決手段】 沿面放電型スパークプラグにおいて、中
心電極2と接地電極4との発火面形成部分2b,4aを
少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上を
絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成す
る内燃機関に取り付け、一定以上の高速あるいは高負荷
の条件にて運転したときに、火花放電ギャップg1,g
2における火花放電に伴い絶縁体2の先端部表面に、絶
縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層30が形成され
る。この侵食抑制層30が形成されることにより、絶縁
体2は沿面放電火花のアタックから保護され、チャンネ
リングを極めて効果的に防止ないし抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関用のス
パークプラグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐汚損性を改善した内燃機関用の
スパークプラグとして沿面放電型スパークプラグと呼ば
れるものが知られている。これは、火花放電ギャップに
て発生する火花が、常時あるいは条件により、絶縁体表
面を経由した沿面放電形態にて伝播するように構成した
ものである。例えばセミ沿面放電型スパークプラグと称
されるものは、中心電極と、その周りを覆う絶縁体と、
先端の発火面が中心電極の側面と対向するように配置さ
れた接地電極とを備えるが、絶縁体の先端部は中心電極
と接地電極の発火面との間(すなわち、火花放電ギャッ
プ)に入り込む位置関係で配置されている。そして、沿
面放電時には、接地電極発火面と絶縁体表面との間が気
中放電となる以外は、絶縁体先端面の表面に沿う形態に
て飛火する形となる。スパークプラグは、例えばプレデ
リバリ時のように電極温度が450℃以下の低温環境で
長時間使用されると、いわゆる「燻り」や「かぶり」の
状態となり、絶縁体表面がカーボンなどの導電性汚損物
質で覆われて作動不良が生じやすくなる。しかしなが
ら、上記沿面放電型のスパークプラグによれば、絶縁体
表面を這う形で火花放電が生ずるため、汚損物質が絶え
ず焼き切られる形となり、気中放電型のスパークプラグ
と比べて耐汚損性が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、沿面放
電型のスパークプラグでは、絶縁体の表面を這う火花が
頻繁に発生するため、絶縁体の表面が溝状に削られる、
いわゆるチャンネリングが生じやすくなることが知られ
ている。チャンネリングが進行すると、スパークプラグ
の耐熱性が損なわれたり、あるいは信頼性が低下するな
どの不具合が生じたりしやすくなる。このようなチャン
ネリングは、高速あるいは高負荷運転時に特に生じやす
い。近年はエンジンの高出力化に伴い、さらに耐久性に
優れたスパークプラグが求められており、チャンネリン
グの防止ないし抑制に対する要求も厳しくなってきてい
る。
【0004】本発明の課題は、耐汚損性に優れてしかも
チャンネリングが生じにくく、良好な耐久性を有するス
パークプラグを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明のスパークプラグの第一の
構成は、中心電極と、中心電極の先端部を自身の先端面
に露出させる形にて、該中心電極の外側に配置される絶
縁体と、中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを
形成するとともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の
先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶
縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定め
られた接地電極とを備え、絶縁体先端部表面に、侵食抑
制層を形成することにより、沿面火花放電に伴う絶縁体
先端部表面の侵食を抑制するようにしたことを特徴とす
る。
【0006】絶縁体の表面に侵食抑制層を形成すること
により、絶縁体は沿面放電火花のアタックから保護さ
れ、チャンネリングを極めて効果的に防止ないし抑制す
ることができる。
【0007】侵食抑制層は、スパークプラグの使用に先
立って絶縁体先端部表面に予め形成しておくこともでき
るし、中心電極及び/又は接地電極が侵食抑制層の形成
成分を含んだものとして構成しておき、火花放電ギャッ
プにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、電極に
含有される侵食抑制層の形成成分に由来した侵食抑制層
が自然形成されるようにしてもよい。もちろん、この両
者を併用した構成も可能である。特に後者の方式では、
侵食抑制層が火花のアタックにより徐々に消耗すること
があっても、スパークプラグの使用継続に伴い電極を成
分供給源として新たな侵食抑制層が形成されるので、効
果の持続時間に優れる。
【0008】侵食抑制層は絶縁体侵食抑制成分として、
Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上を含有するもの
として構成できる。これにより、絶縁体を沿面放電火花
のアタックから保護し、チャンネリングを防止ないし抑
制する効果が一層高められる。
【0009】本発明のスパークプラグは、中心電極と、
中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる形にて、
該中心電極の外側に配置される絶縁体と、中心電極の先
端部との間に火花放電ギャップを形成するとともに、当
該火花放電ギャップにて絶縁体の先端部表面に沿う沿面
火花放電が可能となるように、絶縁体先端部及び中心電
極先端部との間の位置関係が定められた接地電極とを備
え、中心電極及び/又は接地電極は、火花放電ギャップ
に面する発火面の形成部分が少なくとも、Fe、Cr及
びCuの少なくとも1以上を絶縁体侵食抑制成分として
含有する金属材料にて構成され、火花放電ギャップにお
ける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵食抑
制成分を含有した侵食抑制層を形成することにより、沿
面火花放電に伴う絶縁体先端部表面の侵食を抑制するよ
うに構成することができる。
【0010】このスパークプラグは、いわゆる沿面放電
型スパークプラグとして構成されており、その中心電極
と接地電極とのいずれか一方又は双方において、火花放
電ギャップに面する発火面の形成部分を少なくとも、F
e、Cr及びCuの少なくとも1以上を絶縁体侵食抑制
成分として含有する金属材料にて構成している。本発明
者らが鋭意検討したところによると、このようなスパー
クプラグを内燃機関に取り付け、一定以上の高速あるい
は高負荷の条件にて運転したときに、火花放電ギャップ
における火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵
食抑制成分を含有した侵食抑制層が形成されることがわ
かった。そして、この侵食抑制層が形成されることによ
り、絶縁体は沿面放電火花のアタックから保護され、チ
ャンネリングを極めて効果的に防止ないし抑制すること
ができる。
【0011】次に、中心電極の外径Dと、該中心電極が
挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dが、絶縁体の先
端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.
07mm以上確保されていることが望ましい。また、本
発明のスパークプラグの第二の構成は、中心電極と、自
身に形成された貫通孔内に中心電極が軸線方向に挿入さ
れ、該中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる絶
縁体と、中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを
形成するとともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の
先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶
縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定め
られた接地電極とを備え、中心電極及び/又は接地電極
は、火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少なく
とも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる
成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて
構成され、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶
縁体先端部表面に絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑
制層が形成されるようになっており、かつ、中心電極の
外径Dと、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの
差d−Dが、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離
間した位置において0.07mm以上確保されているこ
とを特徴とする。
【0012】上記の構成によれば、一定以上の高速ある
いは高負荷の条件にて運転したときに、火花放電ギャッ
プにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体
侵食抑制成分を含有した侵食抑制層が形成されて絶縁体
が沿面放電火花のアタックから保護され、チャンネリン
グを極めて効果的に防止ないし抑制することができる。
この侵食抑制層の形成の要因については、以下のように
推測している。すなわち、火花放電の発生により火花放
電ギャップ近傍の気体分子がイオン化されるとともに、
そのイオンがギャップ間の電界勾配により加速されて電
極の発火面に衝突し、その金属成分をスパッタリングす
る。スパッタリングされた金属成分は直ちに酸化物とな
って絶縁体の表面に堆積し、侵食抑制層となるものと考
えられる。
【0013】ここで、スパッタリング蒸発した金属成分
の酸化により生ずる反応生成物は、必ずしも全てが侵食
抑制層形成に寄与するのではなく、一部はダストとなっ
て、これが中心電極と絶縁体貫通孔との隙間に堆積する
ことがある。なお、侵食抑制層が沿面放電火花により部
分的に削られて、チャンネリングと同様の現象が生ずる
こともある。これに対し、上記本発明のスパークプラグ
では、削られた侵食抑制層は、放電面材料の蒸発酸化し
てできる反応生成物が新たに堆積して回復するので、絶
縁体部分にまでチャンネリングが進行することは生じに
くい。しかし、削られた侵食抑制層のダストが上記の隙
間に入り込んで堆積することは、同様に生じうる。いず
れにしろ、隙間量が小さいと、発生したダストが堆積し
て隙間に高密度に詰まり、例えば冷熱サイクルが繰り返
されたときに、金属製の中心電極とセラミック製の絶縁
体との膨張差によって、絶縁体に割れが生じたりする不
具合を生じることもありうる。
【0014】しかしながら、本発明者等が鋭意検討した
結果、中心電極の外径と絶縁体貫通孔の内径との径差に
て表した隙間量を0.07mm以上に確保することで、
隙間にダストが高密度に詰まることが抑制されることが
判明したのである。その結果、侵食抑制層形成により絶
縁体へのチャンネリングが抑制され、しかも、その侵食
抑制層形成に伴い発生するダストが、中心電極と絶縁体
との隙間に詰まりにくくなるから、冷熱サイクルが繰り
返された場合でも絶縁体に割れが生じたりする不具合も
同時に防止できる。なお、絶縁体の先端位置から軸線方
向に5mm離間した位置にて隙間量を規定している理由
は、以下の通りである。すなわち、スパークプラグは通
常、火花放電ギャップ、すなわち絶縁体の先端が下向き
となるようにシリンダヘッドに取り付けられ、ダストの
隙間への侵入も、燃焼圧力を受けて下側から上向きに押
し込まれる形で進行する。その結果、絶縁体の先端位置
からの距離にして5mm程度の位置にダストが最も溜ま
りやすくなるためである。
【0015】なお、絶縁体への沿面放電火花のアタック
の強さ、ひいてはチャンネリングの生じやすさの傾向
は、電極への火花放電の電圧印加極性の相違によっても
影響を受ける。特に、中心電極側が正となるように火花
放電の電圧を印加する方が、負となるように電圧印加す
る場合よりもチャンネリングをより生じにくいので有利
である。この場合、絶縁体の先端位置から軸線方向に5
mm離間した位置における中心電極の外径Dと、該中心
電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dは、中心
電極側が負となる極性にて電圧印加する場合は、上記の
通り0.07mm以上とすることが望ましいが、正とな
る極性にて電圧印加する場合は、そのチャンネリング抑
制効果により発生するダスト量も少ないので、それより
も径差d−Dを縮小すること、例えば0.03mm以上
(望ましくは0.04mm以上)とすることも可能であ
る。
【0016】次に、侵食抑制層は、前述の通り、スパー
クプラグの使用に先立って、予め絶縁体表面に形成して
おくことができる。また、本発明のスパークプラグは、
中心電極と、中心電極の先端部を自身の先端面に露出さ
せる形にて、該中心電極の外側に配置される絶縁体と、
中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成する
とともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の先端部表
面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶縁体先端
部及び中心電極先端部との間の位置関係が定められた接
地電極とを備え、沿面火花放電の経路となる絶縁体先端
部表面に、無機系化合物を主体とする侵食抑制層が形成
され、その侵食抑制層により沿面火花放電に伴う絶縁体
先端部表面の侵食抑制を図るように構成することができ
る。
【0017】この場合、侵食抑制層は、前記の絶縁体侵
食抑制成分(例えば、Fe、Cr、Cu及びSnの少な
くとも1種)をカチオン成分とする酸化物系化合物(例
えば半導体性のもの)を主体に構成することができる。
侵食抑制層は、スパークプラグの使用に先立って絶縁体
表面に形成しておくわけであるから、放電面部の金属材
料に由来する成分を含有していることの必然性はなく、
例えば電極材料としては不適な低融点のSn等を元素成
分として含有していてもさしつかえない。
【0018】この構成においても、中心電極の外径D
と、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−
Dが、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した
位置において0.07mm以上確保されていることが望
ましい。さらに、中心電極及び/又は接地電極は、火花
放電ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、F
e、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶
縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成する
ことができる。これによれば、火花放電ギャップにおけ
る火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵食抑制
成分を含有した反応生成物を、既に形成されている侵食
抑制層上に堆積させることで、侵食抑制層の沿面放電に
よる目減りが補われ、チャンネリング防止効果の持続性
が高められる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施の
形態を図面に示す実施例により説明する。図1に示す本
発明の一例たるスパークプラグ1は、いわゆるセミ沿面
放電型スパークプラグとして構成され、筒状の主体金具
5、先端部が突出するようにその主体金具5に嵌め込ま
れた絶縁体3、その絶縁体3の内側に設けられた中心電
極2、及び主体金具5に基端側が結合され、絶縁体3の
先端部を間に挟んで中心電極2の側面と先端側が対向す
るように配置された接地電極4等を備えている。絶縁体
3は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセ
ラミック焼結体により構成され、図2に示すように、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極2を嵌め込む
ための孔部(貫通孔)3dを有している。また、主体金
具5は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されてお
り、スパークプラグ1のハウジングを構成するととも
に、その外周面には、図1に示すように、スパークプラ
グ1を図示しないシリンダヘッドに取り付けるためのね
じ部6が形成されている。なお、図2に示すように、接
地電極4は中心電極2の両側に各1ずつの計2つ設けら
れており、それぞれ端面(発火面)4aが、円柱状の中
心電極2の先端部2aの側面2b(発火面)とほぼ平行
に対向するように湾曲させて形成される一方、他端側は
主体金具5に対して溶接等により固着・一体化されてい
る。
【0020】絶縁体3は先端部3aが中心電極2の側面
2bと接地電極4の発火面4aとの間に入り込む位置関
係で配置されている。図2においては、中心電極2の軸
線方向において該中心電極2の先端面側を前方側、これ
と反対側を後方側として、絶縁体3の先端面3eは、接
地電極4の端面4aの、後方側の縁4fよりも前方側に
位置している。一方、中心電極2の先端面は、絶縁体3
の先端面3eよりも所定高さだけ突出して配置されてい
る。
【0021】図1に戻り、絶縁体3の孔部3dには、そ
の一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じ
く他方の端部側に中心電極2が挿入・固定されている。
また、該貫通孔3d内において端子金具13と中心電極
2との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体1
5の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介し
て中心電極2と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続
されている。また、端子金具13は低炭素鋼等で構成さ
れ、表面には防食のためのNiメッキ層(層厚:例えば
5μm)が形成されている。抵抗体15は、ガラス粉
末、セラミック粉末、金属粉末(例えば、Zn、Sb、
Sn、Ag及びNiの1種又は2種以上を主体とするも
の)、非金属導電物質粉末(例えば無定形カーボンない
しグラファイト)及び有機バインダ等を所定量配合し、
ホットプレス等の公知の手法により焼結して製造される
ものである。
【0022】次に、中心電極2及び接地電極4は、火花
放電ギャップに面する発火面形成部分、この実施例では
各々全体が、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上か
らなる成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材
料にて構成されている。具体的な材質については、後に
詳述する。なお、中心電極2及び接地電極4には、熱引
きを改善するために必要に応じて内部に熱伝導性の良好
なCu(あるいはその合金)等の芯材が埋設されていて
もよい。
【0023】以下、スパークプラグ1の作動について説
明する。スパークプラグ1はそのねじ部6(図1)にお
いてガソリンエンジン等の内燃機関に取り付けられ、燃
焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
該スパークプラグ1は、例えば、中心電極2側が負、接
地電極4側が正となるように放電用高電圧が印加され
る。これにより、図4(a)に示すように、接地電極4
の発火面4aと中心電極2の先端部2aの側面(発火
面)2bとの間で放電により火花Sが発生し、混合気に
着火を行う。ここで、絶縁体3の先端部3aは発火面4
aと中心電極2の側面2bとの間に入り込む形で配置さ
れており、火花S'が絶縁体3の先端部3aの表面に沿
う経路で伝播するセミ沿面放電型スパークプラグとして
機能する。
【0024】図2に示すように、本実施例のスパークプ
ラグ1では、中心電極2の先端部2aが絶縁体3の先端
面3aから突出していることで、その突出部の外周面と
接地電極4の発火面4aとの間には第一ギャップg1
が、また、絶縁体3の外周面と発火面4aとの間には第
二ギャップg2が形成されている。これにより、該スパ
ークプラグ1は、汚損がそれほど進行しない場合には第
一ギャップg1で火花放電する頻度が高く、汚損が進行
すると第二ギャップg2で火花放電する頻度が高くなる
ことで、絶縁体3の表面の汚損の進行を自動検出してこ
れを焼き切る汚損検出・浄化機能を備えていると見るこ
ともできる。
【0025】そして、本実施例のスパークプラグ1にお
いては、中心電極2及び接地電極4の、少なくとも発火
面(2b,4a)に、Fe、Cr及びCuの少なくとも
1以上が絶縁体侵食抑制成分として含有されている。こ
のようなスパークプラグを内燃機関に取り付け、一定以
上の高速あるいは高負荷の条件にて運転すると、図4
(a)に示すように、火花放電に伴い絶縁体3の先端部
3aの表面に、上記の絶縁体侵食抑制成分を含有した侵
食抑制層30が形成される。その結果、例えば図4
(b)に示すように、第二ギャップg2で飛火する沿面
放電時においても、侵食抑制層30により絶縁体3の先
端部3aの表面が保護され、チャンネリングの進行が効
果的に防止ないし抑制される。
【0026】形成される侵食抑制層30は、Fe、Cr
及びCuの少なくとも1種をカチオン成分として含有す
る酸化物系半導体化合物を主体に構成されたものとする
ことができる。Fe、Cr及びCuのいずれかの元素を
含有した酸化物系化合物(例えば、半導体性化合物)を
主体とする侵食抑制層30を形成することで、チャンネ
リング防止効果は一層顕著なものとなる。
【0027】上記のような侵食抑制層30が形成される
理由については、本発明者らは以下のように推測してい
る。すなわち、火花放電SあるいはS'の発生により、
火花放電ギャップg1,g2近傍の気体分子がイオン化
され、電極2,4間に形成される電界勾配によりそのイ
オンが発火面に衝突して、これを形成している金属成分
をはじきとばす。火花放電ギャップg1,g2が配置さ
れる燃焼室内は通常、燃焼ガスにより高温の酸化雰囲気
になっているので、はじきとばされた金属成分は直ちに
酸化物となって絶縁体3の先端部3aの表面に堆積し、
侵食抑制層30となる。これは、発火面を形成する金属
材料をターゲットとした、反応性スパッタリングと類似
の機構であるといえる。なお、この実施例では、中心電
極側を負としており、正イオンの発生時には中心電極2
側の発火面が主に侵食抑制層30の成分源として機能す
ると考えられる。しかしながら、電極2,4が高温とな
る高速あるいは高負荷運転時においては、発火面(2
b,4a)の金属材料の部分的な溶融・飛散が起こるこ
とも考えられ、これが酸化されて絶縁体表面に堆積す
る、という可能性もありうる。この場合は、図4(a)
において破線で示すように、接地電極4側の発火面4a
も、侵食抑制層30の成分源として機能しうる。
【0028】なお、発火面4a,2bの金属材料にF
e、Cr及びCuが含有されている場合、上記のような
侵食抑制層30が顕著に形成されるか否かはスパークプ
ラグの使用条件、具体的には、発火面4a,2bの温度
(例えば中心電極先端部あるいはその付近の温度)等に
よって定まる。いずれにしろ、高速あるいは高負荷運転
時のように、発火面4a、2bの温度が上昇しやすい環
境下では、例えば発火面部2bのスパッタリング的な蒸
発が起こりやすくなり、侵食抑制層30の形成も促進さ
れる。つまり、チャンネリングの起こりやすい条件とな
るほど、それを防止ないし抑制する侵食抑制層30の形
成も進むので、結果として非常に優れたチャンネリング
防止効果が達成されるわけである。なお、侵食抑制層3
0の形成が促進される発火面4a,2bの温度条件は、
燃焼ガスの組成や空燃比等の影響も受けるので一概には
いえないが、概ね600℃以上と考えられる。
【0029】ここで、図3に示すように、中心電極2の
外径Dと、該中心電極2が挿通される貫通孔3dの内径
dとの差d−Dは、絶縁体の先端位置から軸線方向に測
定した距離Qが5mmの位置において0.07mm以上
確保されていることが望ましい。なお、中心電極2の先
端部2aが基端部2cよりも小径となるように縮径され
ている場合、その基端部2cの外径D1と貫通孔3dの
内径dとの差d−D1が、0.07mm以上確保されて
いればよい。
【0030】図5に示すように、蒸発した電極金属成分
の酸化により生ずる反応生成物は、必ずしも全てが侵食
抑制層形成に寄与するのではなく、一部はダストJとな
って、これが中心電極2と貫通孔3dとの隙間Kに堆積
することがある。他方、既に形成されている侵食抑制層
30が沿面放電火花により部分的に削られて同様のダス
トJを生ずることもありうる。この場合、隙間量が小さ
いと、図5(b)に示すように、発生したダストJが堆
積して隙間Kに高密度に詰まり、例えば冷熱サイクルが
繰り返されたときに、中心電極2と絶縁体3との膨張差
によって絶縁体3に割れCが生じたりする不具合を生じ
ることもありうる。しかしながら、d−D1が0.07
mm以上に確保されていることで、隙間KにダストJが
高密度に詰まることが抑制され、冷熱サイクルが繰り返
された場合でも絶縁体3に割れ等が生じにくくなる。た
だし、d−D1が0.3mmよりも大きくなると、耐熱
性が低下したり、中心電極2の偏心組付けが発生しやす
くなったりすることがあるので、d−D1は0.3mm
以下とするのがよい。なお、d−D1は、より望ましく
は0.07〜0.15mmとなっているのがよい。
【0031】なお、d−D1は、中心電極2側が負とな
る極性にて電圧印加する場合は、上記の通り0.07m
m以上とすることが望ましいが、正となる極性にて電圧
印加する場合は、0.03mm以上(望ましくは0.0
4mm以上)とすることも可能である。
【0032】次に、チャンネリング抑制効果の高い侵食
抑制層30(図4)を形成するためには、中心電極2及
び/又は接地電極4は、火花放電ギャップg1あるいは
g2に面する発火面2b,4aの形成部分が少なくと
も、Fe、Cr及びCuの少なくとも1を合計で10質
量%以上含有する金属材料にて構成されていることが望
ましい。また、電極2,4の耐熱性を考慮すれば、発火
面2b,4aの形成部分が少なくとも、Ni又はFeを
主成分とするもので構成されていることが望ましい(な
お、本明細書において「主成分」とは、最も質量含有率
の高い成分を意味し、必ずしも「50質量%以上を占め
る成分」を意味するものではない)。例えば、Ni又は
Feを主成分とする耐熱合金としては、次のようものが
使用可能である。 Ni基耐熱合金:本明細書では、Niを40〜85質
量%含有し、残部の主体が、Cr、Co、Mo、W、N
b、Al、Ti及びFeの1種又は2種以上からなる耐
熱合金を総称する。具体的には、次のようなものが使用
できる(いずれも商品名;なお、合金組成については、
文献(改訂3版金属データブック(丸善);p138)
に記載されているので、詳細な説明は行わない):ASTR
OLOY、CABOT 214、D-979、HASTELLOY C22、HASTELLOY C
276、HASTELLOY G30、HASTELLOY S、HASTELLOY X、HAYN
ES 230、INCONEL 587、INCONEL 597、INCONEL 600、INC
ONEL 601、INCONEL 617、INCONEL 625、INCONEL 706、I
NCONEL 718、INCONEL X750、KSN、M-252、NIMONIC 75、
NIMONIC 80A、NIMONIC 90、NIMONIC 105、NIMONIC 11
5、NIMONIC 263、NIMONIC 942、NIMONIC PE11、NIMONIC
PE16、NIMONIC PK33、PYROMET 860、RENE 41、RENE 9
5、SSS 113MA、UDIMET 400、UDIMET 500、UDIMET 520、
UDIMET 630、UDIMET 700、UDIMET 710、UDIMET 720、UN
ITEP AF2-1 DA6、WASPALOY。
【0033】Fe基耐熱合金:本明細書では、Feを
20〜60質量%含有し、残部の主体が、Cr、Co、
Mo、W、Nb、Al、Ti及びNiの1種又は2種以
上からなる耐熱合金を総称する。具体的には、次のよう
なものが使用できる(いずれも商品名;なお、合金組成
については、文献(改訂3版金属データブック(丸
善)、p138)に記載されているので、詳細な説明は
行わない);A-286、ALLOY 901、DISCALOY、HAYNES 55
6、INCOLOY 800、INCOLOY 801、INCOLOY 802、INCOLOY
807、INCOLOY 825、INCOLOY 903、INCOLOY 907、INCOLO
Y 909、N-155、PYROMET CTX-1、PYROMET CTX-3、S-59
0、V-57、PYROMET CTX-1、16-25-6、17-14CuMo、19-9D
L、20-Cb3。
【0034】なお、スパークプラグの耐チャンネリング
特性を高めるためには、絶縁体3に対する沿面放電火花
のアタックが過剰とならない作動環境を形成すること、
例えば電極に瞬間的に過剰な放電電圧が作用したり、あ
るいは1ケ所に電圧が集中したりする傾向をなるべく抑
制し、これを分散させることが有効である。前者に属す
る方策としては、例えば、図1の抵抗体15の電気抵抗
値を、端子金具13と中心電極2との間で測定した電気
抵抗値が2kΩ以上(望ましくは5kΩ以上)となるよ
うに調整するのがよい。抵抗体15の電気抵抗値は、例
えばその組成や寸法の変更により調整が可能である。
【0035】他方、後者に属する方式としては、接地電
極4の数を1つとするのではなく、また図13(a)〜
(c)に示すように、接地電極4を複数設けることが有
効である。例えば図13(b)においては3つの接地電
極4が、また同図(c)においては4つの接地電極4
が、それぞれ中心電極2の軸線周りにおいてほぼ等角度
間隔で配置されている。特に、接地電極4の数を3以上
とすることで、耐チャンネリング性能の向上が顕著とな
る。
【0036】また、図2において、中心電極2の先端部
の軸断面径D2(特に、絶縁体3の先端面位置に対応す
る中心電極2の軸断面径)は、これを大きくする方が、
放電路が分散しやすいので有利といえる。この場合、D
2は2.0mm以上確保されていることが望ましい。一
方、中心電極2の先端部の軸断面径D2は、これを小さ
くするほど中心電極2の先端部2aの体積が減少して、
着火により生じた炎の熱を奪いにくくなり、プラグの着
火性が向上する場合がある。また、火花発生により清浄
化すべき中心電極2の先端部2aあるいは絶縁体3の先
端部の表面積も減少することから、プラグの耐汚損性を
向上させることができる。そして、両者のバランスを考
慮すれば、上記中心電極の先端部の軸断面径を0.6〜
2.2mmの範囲で調整するのがよい。軸断面径が0.
6mm未満になると、チャンネリング抑制効果が不十分
となる場合がある。一方、先端部の軸断面径が2.2m
mを超えると、耐汚損性が十分に確保できなくなる場合
がある。
【0037】また、上記のスパークプラグ1は、中心電
極2の軸線方向Oにおいて該中心電極2の先端面側を前
方側、これと反対側を後方側として、絶縁体3の先端面
が、接地電極4の端面(発火面)4aの後方側の縁4f
よりも前方側に位置するように構成されている。これに
より、スパークプラグの耐チャンネリング性がさらに向
上する。理由としては、図4(a)に示すように接地電
極4の端面の、後方側の縁4fを端とする放電路は、絶
縁体3によってブロックされる形となるので、気中型放
電が主体となる前方側の縁4eからの放電が起こりやす
くなることが考えられる。
【0038】ここで、図3に示すように、中心電極2の
軸線方向Oにおいて接地電極4の、端面4aの後方側の
縁4fから前方側の縁4eまでの距離をH、同じく絶縁
体3の先端面3eから、接地電極4の、端面4aの前方
側の縁4eまでの距離をhとして、h/Hを0.5以下
とするのがよい。h/Hをこのように設定することで、
接地電極4の端面4aの、後方側の縁4fを放電路の端
とする火花(すなわち、絶縁体の表面を這いやすい火
花)の発生頻度が減少し、耐チャンネリング性をより良
好なものとすることができる。また、H−h、すなわ
ち、絶縁体3の先端面の接地電極4の端面4aの、後方
側縁4fからの突出量は1.2mm以下とするのがよ
い。これにより、接地電極の端面の後方側縁が放電路の
端となっても、火花は絶縁体の表面を強くアタックしに
くくなるので、スパークプラグの耐チャンネリング性を
向上させることができる。
【0039】次に、スパークプラグ1においては、図7
に示すように、接地電極4及び/又は中心電極2の、発
火面4a,2bの一部を含む部分が、Ir、Pt、R
h、W、Re及びRuの少なくともいずれかを主成分と
する金属又は該金属を主体とする複合材料で構成された
耐消耗部とすることができる。例えば図7に示す例で
は、スパークプラグ1は、中心電極2の先端部2aにお
いて、外周面(発火面)2bの軸線方向の中間位置に、
帯状の耐消耗部40が形成されている。耐消耗部40の
具体的な材質としては、Pt−Ni合金、例えばPtを
主体としてNiを6質量%以上含有する合金を使用する
ことができる。
【0040】耐消耗部40は、例えば上記金属ないし複
合材料で構成されたチップを溶接により固着して形成す
ることができる。耐消耗部40を構成する上記材料は耐
熱性と耐腐食性とに優れ、ひいては耐消耗部40の消耗
を抑制してスパークプラグ1の耐久性を向上させること
ができる。なお、耐消耗部40は、中心電極2の先端面
の縁部を含むように形成してもよい。
【0041】耐消耗部40は、例えば次のようにして形
成することができる。すなわち、図8(a)に示すよう
に、中心電極2となるべきNi製の電極素材330の先
端部に、溝(例えば台形状断面を有するもの)331を
周方向に沿って形成し、その溝331に環状のPt部材
340(例えばPt線を環状に丸めたもの)を嵌め込ん
でかしめる。そして、同図(b)に示すように、電極素
材330を所定速度で回転させながら、レーザービーム
337をPt部材340に照射する。これにより、同図
(c)に示すようにPt部材340と電極素材330と
が溶融してPt−Ni合金部334(これが耐消耗部4
0となる)が形成される。なお、レーザービームの照射
条件及びPt部材340の寸法は、形成される上記Pt
−Ni合金部334中のNi含有量が15質量%以上と
なるように調整する。なお、耐消耗部40は、中心電極
2の先端面の縁部を含むように形成する場合は、同図
(d)に示すように、先端面302fの周縁に、上記P
t−Ni合金部334に基づく発火面2cが露出するよ
うに、電極素材330の先端部を切断、研磨あるいは切
削等により除去するようにする。
【0042】なお、図6に示すように、耐消耗部40を
中心電極2の外周面に形成する場合、該中心電極2の軸
線方向Oにおいて、絶縁体3の先端位置に関してその両
側に位置する領域にまたがらないように耐消耗部40に
形成すること、すなわち、絶縁体3の貫通孔3dの開口
縁に対し、絶縁体侵食抑制成分であるFe、Cr及びC
uを含有した、中心電極2の本体部の金属材料面が臨む
形となるように、耐消耗部40を形成することが望まし
い。これにより、沿面放電火花が発生したときに、これ
が上記金属材料面に当り、絶縁体侵食抑制成分の供給、
ひいては侵食抑制層30の形成が促進され、耐チャンネ
リング防止効果が向上する。
【0043】一方、図9(a)に示すように、スパーク
プラグ1は、接地電極4の先端部の端面4aの少なくと
も一部を、耐消耗部4gとすることができる。上記耐消
耗部4gの具体的な材質としては、前記した耐消耗部4
0と同様に、Pt−Ni合金、例えばPtを主体として
Niを15質量%以上含有する合金を使用することがで
きる。ここでは、図9(b)に示すように、接地電極4
の端面4aの、後方側の縁から前方側の縁までの距離を
Hとし、該端面4aの後方側の縁からH/2よりも先端
側に位置する領域の一部を含む形で、耐消耗部40を形
成している。耐消耗部4gを構成する上記材料は耐熱性
と耐腐蝕性とに優れるため、接地電極4の、先端部の端
面4aの消耗を抑制してスパークプラグ1の耐久性を向
上させることができる。
【0044】図9(c)に示すように、耐消耗部4g
は、例えば上記金属ないし複合材料で構成されたチップ
4g'を、端面4aにレーザ溶接又は抵抗溶接により固
着して形成することができる。ここでは、端面4aに凹
部4dを作り、ここにチップ4g'を嵌め込んで境界部
分に溶接部Wを形成することにより、耐消耗部4gを設
けている。
【0045】なお、中心電極2側の耐消耗部40(図
7)と、接地電極4側の耐消耗部4gとは、これらを双
方ともに形成してもよいが、接地電極4側の消耗がそれ
ほど問題にならない場合には、該接地電極4側の耐消耗
部4gは特に設けず、中心電極2側の耐消耗部40のみ
を形成するようにしてもよい。他方、上記のスパークプ
ラグ1は、上記と逆極性、すなわち中心電極2側が正と
なるように電圧印加を行ってもよい。この場合は、逆に
接地電極4側の耐消耗部4gのみを設けるようにしても
よい。
【0046】次に、上記スパークプラグ1では、図4に
示すように、スパークプラグ1の使用時において、発火
面2bあるいは4aを形成する金属材料に由来した侵食
抑制層30を絶縁体表面に形成するようになっていた。
他方、図6に示すように、侵食抑制層31を、予め絶縁
体3の表面に形成したスパークプラグ100の構成によ
っても、上記したスパークプラグ1と実質的に同じ効果
が達成できる。この場合、侵食抑制層31は、カチオン
成分がFe、Cr、Cu及びSnの少なくとも1種を含
有する酸化物系半導体化合物を主体に構成することがで
きる。上記のような酸化物系半導体化合物からなる侵食
抑制層31は、例えば高周波スパッタリング、反応性ス
パッタリング、イオンプレーティング等の各種気相成膜
法の他、金属アルコキシドの加水分解等により酸化物ゾ
ルを調製し、これと絶縁体3に塗布・乾燥して焼成する
ことにより酸化物被膜を得るゾル−ゲル法の適用も可能
である。
【0047】この場合、中心電極2及び/又は接地電極
4の材質は特に限定されないが、例えば上記と同様に、
Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を
絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成す
ることができる。火花放電に伴い、絶縁体3の先端部3
aの表面には、絶縁体侵食抑制成分を含有した反応生成
物32が、既に形成されている侵食抑制層31上に堆積
する。これにより、侵食抑制層31の沿面放電による目
減りが補われ、チャンネリング防止効果の持続性が高め
られる。
【0048】以上、本発明の実施の形態を、セミ沿面放
電型スパークプラグを例にとって説明したが、本発明は
これに限定されるものではない。以下に、いくつかの別
の例を示す(スパークプラグ1との構成要件上の共通部
分には同一の符号を付与して、詳細な説明は省略してい
る)。例えば、図10は、絶縁体3の表面に接地電極1
04の内面側を接触させることにより、中心電極2との
間の放電経路のほぼ全長にわたって沿面放電を生じさせ
るようにした、フル沿面放電型スパークプラグ200と
して構成した例である。
【0049】また、図11のスパークプラグ300で
は、絶縁体3の先端部が、中心電極2の先端部2aの側
面2bと、接地電極4の先端面4aとの間(第一ギャッ
プg1)に入り込まない形となっている。そして、中心
電極2の先端部2aの側面2bと接地電極4の先端面4
aとの距離に対し、絶縁体3の先端面3eと、接地電極
4の端面4aの、後方側の縁4fとの距離が小さく設定
されている(第二ギャップg2)。すなわち、中心電極
2の先端部2aが、絶縁体3から突出して配置されると
ともに、その絶縁体3の外側を覆う形で筒状の主体金具
7が設けられている。接地電極4は、基端側が主体金具
1の端部に接合される一方、先端側は中心電極2側に曲
げ返され、その端面4aが、突出する中心電極2の先端
部2aの側面2bと対向するように配置されて第一ギャ
ップg1を形成する一方、接地電極4の先端部の内側面
が、絶縁体3の先端面3eと対向して第一ギャップg1
よりも小さい第二ギャップg2を形成している。これ
は、絶縁体3の汚損が進行した場合に限って第二ギャッ
プg2で火花放電するようにした、いわゆる間欠沿面放
電型スパークプラグとよばれるタイプのものである。
【0050】この構成では、中心電極3の軸線方向にお
いて該中心電極3の先端面側を前方側、これと反対側を
後方側として、該軸線方向において、接地電極4の端面
4aの、後方側の縁4fと絶縁体3の先端面3eとの間
の距離をhとしたときに、該hが0.3mm以上、より
望ましくは0.4mm以上の範囲で調整するのがよい。
このように、沿面放電形態となる第二ギャップg2をあ
る程度大きく設定することで、耐チャンネリング性をよ
り良好なものとすることができる。ただし、hが0.7
mmを超えると、第二ギャップg2における放電電圧が
高くなり過ぎて、間欠沿面放電型スパークプラグとして
の機能が不十分となる場合があるので、hは0.7mm
以下とするのがよい。
【0051】この場合も、図12に示すように、前記し
た耐消耗部40と同様に、中心電極2に耐消耗部41あ
るいは42を設けることができる。図12(a)では、
耐消耗部41は、中心電極2の先端縁を含む形で形成さ
れている。他方、図12(b)では、耐消耗部42が、
絶縁体3の貫通孔3d内に収まるように(すなわち、該
中心電極2の軸線方向Oにおいて、絶縁体3の先端位置
に関してその両側に位置する領域にまたがらないよう
に)形成されている。特に、図14に示すように、中心
電極2の軸線方向Oにおいて該中心電極2の先端に向か
う側を前方側として、耐消耗部42の前方側の縁(以
下、前端縁という)が、絶縁体の先端縁から軸線方向に
おいて後方側へ0.5mmまでの区間Y内に位置させる
と、沿面放電火花が中心電極2の本体部の金属材料面に
一層効率的に当たり、上記の効果がさらに高められる。
後方側へ0.5mmを超えて耐消耗部40の前端縁が引
っ込むと、耐消耗部40の位置が火花を受ける位置から
大きく外れ、電極消耗抑制に寄与しにくくなる。
【0052】また、中心電極2の本体部の金属材料がF
eとCrとを含有している場合、耐消耗部42の周囲に
は、耐消耗部の構成金属と中心電極の構成金属とが溶融
混合した溶融部42aが形成され、その溶融部42aに
は中心電極の構成金属よりも少ない量のFeとCrとが
含有される形となる。この溶融部42aは、中心電極の
構成金属ほどではないが、FeとCrとが含有されてい
るため侵食抑制層の形成に寄与することができる。この
ことを考慮に入れた場合、耐消耗部40の周辺におい
て、Fe及びCrの合計含有量が7質量%以上となる領
域(上記の溶融部42aである)が、絶縁体の先端縁か
ら軸線方向において前方側へ0.5mm、後方側へ0.
3mmまでの区間Z内に位置していることが望ましい。
前方側へ0.5mmを超えて領域42aの前端縁が侵入
すると、侵食抑制層の形成が妨げられやすくなり、逆に
後方側へ0.3mmを超えて領域42aの前端縁が引っ
込むと、耐消耗部40の位置が火花を受ける位置から大
きく外れ、電極消耗抑制に寄与しにくくなる。
【0053】なお、図12は、間欠沿面放電型スパーク
プラグの中心電極2に耐消耗部42aを形成した例であ
るが、図15に示すように、セミ沿面放電型スパークプ
ラグ350においても、耐消耗部42を全く同様に形成
できる。なお、図15の例では、中心電極2の内部にC
uあるいはCu合金にて構成された放熱促進用金属部2
aが形成されている。
【0054】また、以上の実施例のスパークプラグは、
いずれも全ての接地電極の先端面が中心電極の側面に対
向するタイプのものであったが、本発明は、複数ある接
地電極の一部が、必ずしも中心電極の側面に先端面が対
向していない態様も包含する。その一例を図16(a)
(正面図)及び(b)(側面図)に示している。このス
パークプラグ400では、図12のスパークプラグ30
0等と同様に、絶縁体3の外側を覆う形で筒状の主体金
具5が設けられる。また、基端側が主体金具5の端部に
接合される一方、先端側は中心電極2側に曲げ返される
形態の接地電極4,104が複数設けられる。そして、
それら接地電極の1つ、すなわち接地電極104は、側
面が中心電極2の先端面と対向するように配置される一
方、残余の接地電極4の少なくとも1つ(ここでは2
つ)のものが、端面が中心電極2の側面と対向するよう
に配置される。
【0055】上記の構成では、いわゆる平行対向型スパ
ークプラグと同様の火花放電ギャップgαが接地電極1
04の側面と中心電極2の先端面との間に形成され、多
極スパークプラグと同様の火花放電ギャップgβが、接
地電極4の先端面と中心電極2の側面との間に形成され
る。ギャップgαの大きさをギャップgβよりも大きく
おくと、通常はギャップgαにて飛火しやすく、絶縁体
3の先端面が汚損した場合にはギャップgβで飛火しや
すくなる。平行対向型スパークプラグに形態の近いギャ
ップgαは火花の集中度が高く(特に中心電極2側を負
として電圧印加する場合)、着火性を高めることができ
る。この場合も、中心電極の外径Dと、該中心電極が挿
通される貫通孔の内径dとの差d−Dが、絶縁体の先端
位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.0
7mm以上確保されていることが望ましい。なお、この
実施例では、側面が中心電極2の先端面と対向するよう
に配置される接地電極4は、その端面が絶縁体3の先端
部を間に挟んで中心電極の側面と対向するように配置さ
れている。すなわち、ギャップgβでの飛火形態は、図
2等のスパークプラグ1と同様のセミ沿面飛火形態とな
る。
【0056】なお、ギャップgβでは、通常時でも全く
飛火を起こさないというわけではなく、特に汚損を生じ
ていない状況下でも少なからぬ飛火を生ずることがあ
る。この場合、ギャップgβでの飛火は、絶縁体3の先
端面におけるセミ沿面放電形態となるから、絶縁体先端
面に対応する位置における、中心電極の、先端部側面に
おける消耗を考慮しなければならない。そこで、該先端
面に対応する位置における中心電極2の軸断面径D2’
は、2.0mm以上確保されていることが望ましい。当
該位置における軸断面径D2’は、これを大きくする方
が、放電路が分散しやすいので、消耗抑制上有利だから
である。
【0057】なお、中心電極2の先端部には、Ir、P
t、Rh、W、Re及びRuの少なくともいずれかを主
成分とする金属又は該金属を主体とする複合材料で構成
された耐消耗部105が、環状の溶接部106にて接合
されている。なお、中心電極2の外周面には、図12
(b)に示すのと同様の耐消耗部42を形成してもよ
い。さらに、中心電極2の内部には、CuあるいはCu
合金にて構成された放熱促進用金属部2aが形成されて
いる。
【0058】
【実施例】図1及び図2に示すスパークプラグについ
て、本発明の効果を確認するために以下の実験を行っ
た。まず、図2において、第一ギャップg1の大きさを
1.6mm、ギャップg2の大きさを0.6mmに設定
した。また、図3において、Hを1.5mm、hを1.
0mm(h/Hは0.67)、tを1.2mmとした。
また、中心電極2の先端部2aの外径D2は2.0mm
であり、基端部2cの外径D1は2.1mmとした。さ
らに、絶縁体3の貫通孔3dの内径dを2.15〜2.
3mmの各種値に設定することにより、絶縁体3の先端
位置から軸線方向に5mm離間した位置においてd−D
1が、0.05〜0.2mmの各種値となるように調整
している。また、中心電極2と接地電極4の材質は、N
i−Cr−Fe合金(Cr:15質量%、Fe:8質量
%、残:Ni)であり、絶縁体3はアルミナ焼結体であ
る。また、比較のため、中心電極2と接地電極4の全体
を、Ni−W合金(W:4質量%、残Ni)にて作成し
たスパークプラグも用意した。
【0059】これらのスパークプラグの耐チャンネリン
グ性を調べるために、6気筒ガソリンエンジン(排気量
2000cc)に取り付け、スロットル全開状態、エンジ
ン回転数5000rpmにて200時間運転を行ない、
絶縁体3の表面に生じたチャンネリング溝の深さを走査
型電子顕微鏡観察により測定した(なお、電圧印加は、
中心電極側が負となる極性にて、周波数60Hzにて間
欠的に行っている)。判定条件は、溝深さが0.2mm
未満を軽度(◎)、0.2〜0.4mmを中度(○)、
0.4mmを超えるものを重度(×)とした。
【0060】また、上記各スパークプラグの冷熱サイク
ル試験を、スロットル全開状態、エンジン回転数500
0rpmでの運転を1分、アイドリングを1分行う運転
サイクルを返すことにより行ない、150時間未満に絶
縁体に割れが発生したものを×、150時間以上250
時間未満にて割れが発生したものを△、250時間まで
に割れが発生しなかったものを○として評価した。な
お、スパークプラグへの電圧印加は、中心電極側が負と
なる極性と、同じく正となる極性との2通り行なってい
る。なお、試験終了後のスパークプラグ試験品は縦に切
断して、中心電極2と絶縁体貫通孔3d内面との隙間の
ダスト堆積状況を目視確認した。以上の結果を表1に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】これを見てもわかるとおり、中心電極2及
び接地電極4の材質をNi−W合金とした比較例のスパ
ークプラグでは、チャンネリングの発生が顕著であるの
に対し、中心電極2及び接地電極4の材質をNi−Cr
−Fe合金とした実施例のスパークプラグでは、チャン
ネリングが顕著に抑制されていることがわかる。また、
実施例のスパークプラグでは、絶縁体3の表面に、Ni
−Cr−Fe系の複合酸化物を主体とする侵食抑制層が
形成されていたのに対し、比較例のスパークプラグで
は、そのような侵食抑制層の形成は確認されなかった。
【0063】他方、冷熱サイクル試験の結果によれば、
中心電極の極性を負とした場合は、d−D1を0.07
mm以上とすることにより、絶縁体3の割れ発生が極め
て効果的に抑制されていることがわかる。また、中心電
極の極性を正とした場合は、d−D1を0.03mm以
上とすることにより、絶縁体3の割れ発生が抑制されて
いることがわかる(d−D1を0.03mm未満とする
ことは、製造上困難であり、また、絶縁体と中心電極と
の熱膨張率の差によって割れ等が極めて発生しやすいこ
とから、事実上採用不能であった)。なお、中心電極の
極性を負とした場合、d−D1を0.05mmとした番
号1の試験品では、絶縁体3にクラックが認められた
が、その断面を観察したところ、中心電極2と絶縁体貫
通孔3d内面との隙間にダストが高密度に堆積していた
ことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスパークプラグの全体
図。
【図2】同じくその要部縦断面図。
【図3】図2の各部寸法関係を表す断面図。
【図4】図1のスパークプラグの作用説明図。
【図5】同じく別の作用説明図。
【図6】絶縁体表面に侵食抑制層を予め形成する例を示
す要部縦断面図。
【図7】中心電極に耐消耗部を設けた例を示す要部縦断
面図。
【図8】中心電極の外周面に耐消耗部を形成する方法の
一例を示す工程説明図。
【図9】接地電極の端面に耐消耗部を形成する例をその
製造方法とともに示す説明図。
【図10】本発明をフル沿面放電型スパークプラグに適
用した例を示す要部縦断面図。
【図11】本発明を間欠沿面放電型スパークプラグに適
用した例を示す要部縦断面図。
【図12】図11において、中心電極の外周面に耐消耗
部を形成する例をいくつか示す要部縦断面図。
【図13】複数の接地電極を有するスパークプラグのい
くつかの実施例を示す平面図。
【図14】中心電極外周面に設けた帯状の耐消耗部の望
ましい形成位置を示す拡大断面図。
【図15】中心電極外周面に帯状の耐消耗部を設けたセ
ミ沿面放電型スパークプラグの例を示す要部縦断面図。
【図16】中心電極先端面に対向する接地電極と、同じ
く側面に対向する接地電極とを両方設けたスパークプラ
グの例を示す要部正面断面図及び要部側面断面図。
【符号の説明】
1,100,200,300,350,400 スパー
クプラグ 2 中心電極 2a 先端部 2b 外周面(発火面) 2c 基端部 3 絶縁体 3d 貫通孔 4,104 接地電極 4a 端面(発火面) 13 端子金具 15 抵抗体 30,31 侵食抑制層 40〜42,4g,105 耐消耗部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 裕司 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 宮下 直道 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 九鬼 宏昭 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 5G059 AA02 CC03 CC09 DD01 DD20 DD21 EE01 EE21 FF12

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心電極と、 前記中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる形に
    て、該中心電極の外側に配置される絶縁体と、 前記中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成
    するとともに、当該火花放電ギャップにて前記絶縁体の
    先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、前
    記絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が
    定められた接地電極とを備え、 前記絶縁体先端部表面に侵食抑制層を形成することによ
    り、前記沿面火花放電に伴う前記絶縁体先端部表面の侵
    食を抑制するようにしたことを特徴とするスパークプラ
    グ。
  2. 【請求項2】 中心電極及び/又は前記接地電極が前記
    侵食抑制層の形成成分を含んだものとして構成され、前
    記火花放電ギャップにおける火花放電に伴い前記絶縁体
    先端部表面に、前記電極に含有される前記侵食抑制層の
    形成成分に由来した侵食抑制層が形成されるようになっ
    ている請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 【請求項3】 前記侵食抑制層は絶縁体侵食抑制成分と
    して、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上を含有す
    る請求項3記載のスパークプラグ。
  4. 【請求項4】 前記侵食抑制層は、スパークプラグの使
    用に先立って前記絶縁体先端部表面に予め形成されたも
    のである請求項1ないし3のいずれかに記載のスパーク
    プラグ。
  5. 【請求項5】 前記侵食抑制層は絶縁体侵食抑制成分と
    して、Fe、Cr、Cu及びSnの少なくとも1種を含
    有する請求項4記載のスパークプラグ。
  6. 【請求項6】 前記侵食抑制層は、前記絶縁体侵食抑制
    成分をカチオン成分とする酸化物系化合物を主体に構成
    される請求項3ないし5のいずれかに記載のスパークプ
    ラグ。
  7. 【請求項7】 前記中心電極の外径Dと、該中心電極が
    挿通される前記貫通孔の内径dとの差d−Dが、前記絶
    縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置にお
    いて0.07mm以上確保されている請求項1ないし6
    のいずれかに記載のスパークプラグ。
  8. 【請求項8】 中心電極と、 自身に形成された貫通孔内に前記中心電極が軸線方向に
    挿入され、該中心電極の先端部を自身の先端面に露出さ
    せる絶縁体と、 前記中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成
    するとともに、当該火花放電ギャップにて前記絶縁体の
    先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、前
    記絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が
    定められた接地電極とを備え、 前記中心電極及び/又は前記接地電極は、前記火花放電
    ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、Fe、
    Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶縁体
    侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成され、前
    記火花放電ギャップにおける火花放電に伴い前記絶縁体
    先端部表面に前記絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑
    制層が形成されるようになっており、かつ、 前記中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される前記
    貫通孔の内径dとの差d−Dが、前記絶縁体の先端位置
    から軸線方向に5mm離間した位置において0.07m
    m以上確保されていることを特徴とするスパークプラ
    グ。
  9. 【請求項9】 中心電極側が正となる極性にて電圧印加
    されるようになっており、かつ、前記中心電極の外径D
    と、該中心電極が挿通される前記貫通孔の内径dとの差
    d−Dが、前記絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm
    離間した位置において0.03mm以上確保されている
    請求項1ないし8のいずれかに記載のスパークプラグ。
  10. 【請求項10】 前記中心電極及び/又は前記接地電極
    の、前記火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少
    なくとも、前記Fe、Cr及びCuの少なくとも1を合
    計で10質量%以上含有する金属材料にて構成されてい
    る請求項1ないし9のいずれかに記載のスパークプラ
    グ。
  11. 【請求項11】 前記金属材料は、Ni又はFeを主成
    分とするものである請求項10記載のスパークプラグ。
  12. 【請求項12】 前記中心電極は、先端部が基端部より
    も小径となるように縮径されており、前記絶縁体の先端
    位置から軸線方向に5mm離間した位置において、その
    基端部の外径D1と前記貫通孔の内径dとの差d−D1
    が、0.07mm以上確保されている請求項1ないし1
    1のいずれかに記載のスパークプラグ。
  13. 【請求項13】 前記絶縁体の軸方向に形成された貫通
    孔に対し、その一方の端部側に端子金具が固定され、同
    じく他方の端部側に前記中心電極が固定されるととも
    に、該貫通孔内において前記端子金具と前記中心電極と
    の間に抵抗体が配置されており、該抵抗体を介した前記
    端子金具と前記中心電極との間の電気抵抗値が2kΩ以
    上確保されている請求項1ないし12のいずれかに記載
    のスパークプラグ。
  14. 【請求項14】 前記接地電極及び/又は前記中心電極
    の、前記火花放電ギャップに面する発火面の一部を含む
    部分が、Ir、Pt、Rh、W、Re及びRuの少なく
    ともいずれかを主成分とする金属又は該金属を主体とす
    る複合材料で構成された耐消耗部とされている請求項1
    ないし13のいずれかに記載のスパークプラグ。
  15. 【請求項15】 前記中心電極の外周面には、該中心電
    極の軸線方向において、前記絶縁体の先端位置に関して
    その両側に位置する領域にまたがらないように、Ir、
    Pt、Rh、W、Re及びRuの少なくともいずれかを
    主成分とする金属又は該金属を主体とする複合材料で構
    成された耐消耗部が形成されている請求項1ないし14
    のいずれかに記載のスパークプラグ。
  16. 【請求項16】 前記中心電極の軸線方向において該中
    心電極の先端に向かう側を前方側として、前記耐消耗部
    の前方側の縁が、前記絶縁体の先端縁から前記軸線方向
    において後方側へ0.5mmまでの区間内に位置してい
    る請求項15記載のスパークプラグ。
  17. 【請求項17】 前記耐消耗部の周辺において、Fe及
    びCrの合計含有量が7質量%以上となる領域が、前記
    絶縁体の先端縁から前記軸線方向において前方側へ0.
    5mm、後方側へ0.3mmまでの区間内に位置してい
    る請求項15又は16記載のスパークプラグ。
  18. 【請求項18】 前記中心電極を取り囲む形態で、前記
    接地電極が3つ以上配置されている請求項1ないし17
    のいずれかに記載のスパークプラグ。
  19. 【請求項19】 前記中心電極の先端部が、前記絶縁体
    から突出して配置されるとともに、その絶縁体の外側を
    覆う筒状の主体金具が設けられ、 前記接地電極は、基端側が前記主体金具の端部に接合さ
    れ、先端側は前記中心電極側に曲げ返されて、その端面
    が、突出する前記中心電極の先端部側面と対向するよう
    に配置されて第一ギャップを形成する一方、前記接地電
    極の先端部内側面が、前記絶縁体の先端面と対向して前
    記第一ギャップよりも小さい第二ギャップを形成し、 前記中心電極の軸線方向において該中心電極の先端面側
    を前方側、これと反対側を後方側として、前記軸線方向
    において、前記接地電極の端面の後方側の縁と前記絶縁
    体の先端面との間の距離hが0.3mm以上に調整され
    ている請求項1ないし18のいずれかに記載のスパーク
    プラグ。
  20. 【請求項20】 前記絶縁体の外側を覆う筒状の主体金
    具が設けられ、 前記接地電極の基端側が前記主体金具の端部に接合され
    る一方、先端側は前記中心電極側に曲げ返されて、その
    端面が前記絶縁体先端部を間に挟んで前記中心電極の側
    面と対向するように配置されており、 前記中心電極の軸線方向において、前記接地電極の端面
    の後方側の縁から前方側の縁までの距離をH、同じく前
    記絶縁体の先端面から前記接地電極の端面の前方側の縁
    までの距離をhとして、h/Hが0.5以下に設定され
    ている請求項1ないし19のいずれかに記載のスパーク
    プラグ。
  21. 【請求項21】 前記中心電極の先端部の軸断面径が
    2.0mm以上である請求項1ないし20のいずれかに
    記載のスパークプラグ。
  22. 【請求項22】 前記絶縁体の外側を覆う筒状の主体金
    具が設けられ、 前記接地電極として、基端側が前記主体金具の端部に接
    合される一方、先端側は前記中心電極側に曲げ返される
    形態のものが複数設けられるとともに、それら接地電極
    の1つは、側面が前記中心電極の先端面と対向するよう
    に配置される一方、残余の接地電極の少なくとも1つの
    ものが、端面が前記中心電極の側面と対向するように配
    置され、 かつ前記中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される
    前記貫通孔の内径dとの差d−Dが、前記絶縁体の先端
    位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.0
    7mm以上確保されている請求項1ないし21のいずれ
    かに記載のスパークプラグ。
  23. 【請求項23】 側面が前記中心電極の先端面と対向す
    るように配置される接地電極は、その端面が前記絶縁体
    先端部を間に挟んで前記中心電極の側面と対向するよう
    に配置されている請求項22記載のスパークプラグ。
  24. 【請求項24】 前記絶縁体先端面に対応する位置にお
    ける、前記中心電極の先端部の軸断面径が2.0mm以
    上である請求項22又は23に記載のスパークプラグ。
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US9077158B2 (en) 2012-09-28 2015-07-07 Denso Corporation Spark plug for internal combustion engine

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