JP4975133B2 - スパークプラグ - Google Patents

スパークプラグ Download PDF

Info

Publication number
JP4975133B2
JP4975133B2 JP2010087339A JP2010087339A JP4975133B2 JP 4975133 B2 JP4975133 B2 JP 4975133B2 JP 2010087339 A JP2010087339 A JP 2010087339A JP 2010087339 A JP2010087339 A JP 2010087339A JP 4975133 B2 JP4975133 B2 JP 4975133B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
center electrode
insulator
tip
electrode
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010087339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010212245A (ja
JP2010212245A5 (ja
Inventor
佳弘 松原
祥一郎 伊藤
裕司 平野
直道 宮下
宏昭 九鬼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2010087339A priority Critical patent/JP4975133B2/ja
Publication of JP2010212245A publication Critical patent/JP2010212245A/ja
Publication of JP2010212245A5 publication Critical patent/JP2010212245A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4975133B2 publication Critical patent/JP4975133B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Description

この発明は、内燃機関用のスパークプラグに関するものである。
従来、耐汚損性を改善した内燃機関用のスパークプラグとして沿面放電型スパークプラグと呼ばれるものが知られている。これは、火花放電ギャップにて発生する火花が、常時あるいは条件により、絶縁体表面を経由した沿面放電形態にて伝播するように構成したものである。例えばセミ沿面放電型スパークプラグと称されるものは、中心電極と、その周りを覆う絶縁体と、先端の発火面が中心電極の側面と対向するように配置された接地電極とを備えるが、絶縁体の先端部は中心電極と接地電極の発火面との間(すなわち、火花放電ギャップ)に入り込む位置関係で配置されている。そして、沿面放電時には、接地電極発火面と絶縁体表面との間が気中放電となる以外は、絶縁体先端面の表面に沿う形態にて飛火する形となる。スパークプラグは、例えばプレデリバリ時のように電極温度が450℃以下の低温環境で長時間使用されると、いわゆる「燻り」や「かぶり」の状態となり、絶縁体表面がカーボンなどの導電性汚損物質で覆われて作動不良が生じやすくなる。しかしながら、上記沿面放電型のスパークプラグによれば、絶縁体表面を這う形で火花放電が生ずるため、汚損物質が絶えず焼き切られる形となり、気中放電型のスパークプラグと比べて耐汚損性が向上する。なお、スパークプラグの技術として、例えば特許文献1に開示されるものがある。
しかしながら、沿面放電型のスパークプラグでは、絶縁体の表面を這う火花が頻繁に発生するため、絶縁体の表面が溝状に削られる、いわゆるチャンネリングが生じやすくなることが知られている。チャンネリングが進行すると、スパークプラグの耐熱性が損なわれたり、あるいは信頼性が低下するなどの不具合が生じたりしやすくなる。このようなチャンネリングは、高速あるいは高負荷運転時に特に生じやすい。近年はエンジンの高出力化に伴い、さらに耐久性に優れたスパークプラグが求められており、チャンネリングの防止ないし抑制に対する要求も厳しくなってきている。
特開平11−219772号公報
本発明の課題は、耐汚損性に優れてしかもチャンネリングが生じにくく、良好な耐久性を有するスパークプラグを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のスパークプラグの第一の構成は、
中心電極と、
中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる形にて、該中心電極の外側に配置される絶縁体と、
中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成するとともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定められた接地電極とを備え、
絶縁体先端部表面に、侵食抑制層を形成することにより、沿面火花放電に伴う絶縁体先端部表面の侵食を抑制するようにしたことを特徴とする。
絶縁体の表面に侵食抑制層を形成することにより、絶縁体は沿面放電火花のアタックから保護され、チャンネリングを極めて効果的に防止ないし抑制することができる。
侵食抑制層は、スパークプラグの使用に先立って絶縁体先端部表面に予め形成しておくこともできるし、中心電極及び/又は接地電極が侵食抑制層の形成成分を含んだものとして構成しておき、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、電極に含有される侵食抑制層の形成成分に由来した侵食抑制層が自然形成されるようにしてもよい。もちろん、この両者を併用した構成も可能である。特に後者の方式では、侵食抑制層が火花のアタックにより徐々に消耗することがあっても、スパークプラグの使用継続に伴い電極を成分供給源として新たな侵食抑制層が形成されるので、効果の持続時間に優れる。
侵食抑制層は絶縁体侵食抑制成分として、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上を含有するものとして構成できる。これにより、絶縁体を沿面放電火花のアタックから保護し、チャンネリングを防止ないし抑制する効果が一層高められる。
中心電極と、
中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる形にて、該中心電極の外側に配置される絶縁体と、
中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成するとともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定められた接地電極とを備え、
中心電極及び/又は接地電極は、火花放電ギャップに面する発火面の形成部分が少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成され、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層を形成することにより、沿面火花放電に伴う絶縁体先端部表面の侵食を抑制するように構成したスパークプラグが公知である。
このスパークプラグは、いわゆる沿面放電型スパークプラグとして構成されており、その中心電極と接地電極とのいずれか一方又は双方において、火花放電ギャップに面する発火面の形成部分を少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成している。本発明者らが鋭意検討したところによると、このようなスパークプラグを内燃機関に取り付け、一定以上の高速あるいは高負荷の条件にて運転したときに、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層が形成されることがわかった。そして、この侵食抑制層が形成されることにより、絶縁体は沿面放電火花のアタックから保護され、チャンネリングを極めて効果的に防止ないし抑制することができる。
次に、中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dが、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.07mm以上確保されていることが望ましい。また、本発明のスパークプラグは、
中心電極と、
自身に形成された貫通孔内に中心電極が軸線方向に挿入され、該中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる絶縁体と、
中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成するとともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定められた接地電極とを備え、
中心電極及び/又は接地電極は、火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成され、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層が形成されるようになっており、かつ、
前記中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dが、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.07mm以上確保され、
さらに、前記中心電極及び/又は前記接地電極の、前記火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、前記Fe、Cr及びCuの少なくとも1を合計で10質量%以上含有する金属材料にて構成され
前記侵食抑制層の形成に寄与することなく前記絶縁体侵食抑制成分の酸化により生じた反応生成物がダストとして前記中心電極と前記貫通孔との隙間に堆積して詰まることを抑制し、又は沿面放電火花により削られて生じた、既に形成されている前記侵食抑制層の一部がダストとして前記隙間に堆積して詰まることを抑制して、前記中心電極と前記絶縁体との熱膨張率の差による該絶縁体の割れを防止することを特徴とする。
上記の構成によれば、一定以上の高速あるいは高負荷の条件にて運転したときに、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層が形成されて絶縁体が沿面放電火花のアタックから保護され、チャンネリングを極めて効果的に防止ないし抑制することができる。この侵食抑制層の形成の要因については、以下のように推測している。すなわち、火花放電の発生により火花放電ギャップ近傍の気体分子がイオン化されるとともに、そのイオンがギャップ間の電界勾配により加速されて電極の発火面に衝突し、その金属成分をスパッタリングする。スパッタリングされた金属成分は直ちに酸化物となって絶縁体の表面に堆積し、侵食抑制層となるものと考えられる。
ここで、スパッタリング蒸発した金属成分の酸化により生ずる反応生成物は、必ずしも全てが侵食抑制層形成に寄与するのではなく、一部はダストとなって、これが中心電極と絶縁体貫通孔との隙間に堆積することがある。なお、侵食抑制層が沿面放電火花により部分的に削られて、チャンネリングと同様の現象が生ずることもある。これに対し、上記本発明のスパークプラグでは、削られた侵食抑制層は、放電面材料の蒸発酸化してできる反応生成物が新たに堆積して回復するので、絶縁体部分にまでチャンネリングが進行することは生じにくい。しかし、削られた侵食抑制層のダストが上記の隙間に入り込んで堆積することは、同様に生じうる。いずれにしろ、隙間量が小さいと、発生したダストが堆積して隙間に高密度に詰まり、例えば冷熱サイクルが繰り返されたときに、金属製の中心電極とセラミック製の絶縁体との膨張差によって、絶縁体に割れが生じたりする不具合を生じることもありうる。
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、中心電極の外径と絶縁体貫通孔の内径との径差にて表した隙間量を0.07mm以上に確保することで、隙間にダストが高密度に詰まることが抑制されることが判明したのである。その結果、侵食抑制層形成により絶縁体へのチャンネリングが抑制され、しかも、その侵食抑制層形成に伴い発生するダストが、中心電極と絶縁体との隙間に詰まりにくくなるから、冷熱サイクルが繰り返された場合でも絶縁体に割れが生じたりする不具合も同時に防止できる。なお、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置にて隙間量を規定している理由は、以下の通りである。すなわち、スパークプラグは通常、火花放電ギャップ、すなわち絶縁体の先端が下向きとなるようにシリンダヘッドに取り付けられ、ダストの隙間への侵入も、燃焼圧力を受けて下側から上向きに押し込まれる形で進行する。その結果、絶縁体の先端位置からの距離にして5mm程度の位置にダストが最も溜まりやすくなるためである。
なお、絶縁体への沿面放電火花のアタックの強さ、ひいてはチャンネリングの生じやすさの傾向は、電極への火花放電の電圧印加極性の相違によっても影響を受ける。特に、中心電極側が正となるように火花放電の電圧を印加する方が、負となるように電圧印加する場合よりもチャンネリングをより生じにくいので有利である。この場合、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置における中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dは、中心電極側が負となる極性にて電圧印加する場合は、上記の通り0.07mm以上とすることが望ましいが、正となる極性にて電圧印加する場合は、そのチャンネリング抑制効果により発生するダスト量も少ないので、それよりも径差d−Dを縮小すること、例えば0.03mm以上(望ましくは0.04mm以上)とすることも可能である。
次に、侵食抑制層は、前述の通り、スパークプラグの使用に先立って、予め絶縁体表面に形成しておくことができる。また、本発明のスパークプラグは、
中心電極と、
中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる形にて、該中心電極の外側に配置される絶縁体と、
中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成するとともに、当該火花放電ギャップにて絶縁体の先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定められた接地電極とを備え、
沿面火花放電の経路となる絶縁体先端部表面に、無機系化合物を主体とする侵食抑制層が形成され、その侵食抑制層により沿面火花放電に伴う絶縁体先端部表面の侵食抑制を図るように構成することができる。
この場合、侵食抑制層は、前記の絶縁体侵食抑制成分(例えば、Fe、Cr、Cu及びSnの少なくとも1種)をカチオン成分とする酸化物系化合物(例えば半導体性のもの)を主体に構成することができる。侵食抑制層は、スパークプラグの使用に先立って絶縁体表面に形成しておくわけであるから、放電面部の金属材料に由来する成分を含有していることの必然性はなく、例えば電極材料としては不適な低融点のSn等を元素成分として含有していてもさしつかえない。
この構成においても、中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dが、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.07mm以上確保されていることが望ましい。さらに、中心電極及び/又は接地電極は、火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成することができる。これによれば、火花放電ギャップにおける火花放電に伴い絶縁体先端部表面に、絶縁体侵食抑制成分を含有した反応生成物を、既に形成されている侵食抑制層上に堆積させることで、侵食抑制層の沿面放電による目減りが補われ、チャンネリング防止効果の持続性が高められる。
本発明の一実施例を示すスパークプラグの全体図。 同じくその要部縦断面図。 図2の各部寸法関係を表す断面図。 図1のスパークプラグの作用説明図。 同じく別の作用説明図。 絶縁体表面に侵食抑制層を予め形成する例を示す要部縦断面図。 中心電極に耐消耗部を設けた例を示す要部縦断面図。 中心電極の外周面に耐消耗部を形成する方法の一例を示す工程説明図。 接地電極の端面に耐消耗部を形成する例をその製造方法とともに示す説明図。 本発明をフル沿面放電型スパークプラグに適用した例を示す要部縦断面図。 本発明を間欠沿面放電型スパークプラグに適用した例を示す要部縦断面図。 図11において、中心電極の外周面に耐消耗部を形成する例をいくつか示す要部縦断面図。 複数の接地電極を有するスパークプラグのいくつかの実施例を示す平面図。 中心電極外周面に設けた帯状の耐消耗部の望ましい形成位置を示す拡大断面図。 中心電極外周面に帯状の耐消耗部を設けたセミ沿面放電型スパークプラグの例を示す要部縦断面図。 中心電極先端面に対向する接地電極と、同じく側面に対向する接地電極とを両方設けたスパークプラグの例を示す要部正面断面図及び要部側面断面図。
以下、本発明のいくつかの実施の形態を図面に示す実施例により説明する。
図1に示す本発明の一例たるスパークプラグ1は、いわゆるセミ沿面放電型スパークプラグとして構成され、筒状の主体金具5、先端部が突出するようにその主体金具5に嵌め込まれた絶縁体3、その絶縁体3の内側に設けられた中心電極2、及び主体金具5に基端側が結合され、絶縁体3の先端部を間に挟んで中心電極2の側面と先端側が対向するように配置された接地電極4等を備えている。絶縁体3は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、図2に示すように、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極2を嵌め込むための孔部(貫通孔)3dを有している。また、主体金具5は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ1のハウジングを構成するとともに、その外周面には、図1に示すように、スパークプラグ1を図示しないシリンダヘッドに取り付けるためのねじ部6が形成されている。なお、図2に示すように、接地電極4は中心電極2の両側に各1ずつの計2つ設けられており、それぞれ端面(発火面)4aが、円柱状の中心電極2の先端部2aの側面2b(発火面)とほぼ平行に対向するように湾曲させて形成される一方、他端側は主体金具5に対して溶接等により固着・一体化されている。
絶縁体3は先端部3aが中心電極2の側面2bと接地電極4の発火面4aとの間に入り込む位置関係で配置されている。図2においては、中心電極2の軸線方向において該中心電極2の先端面側を前方側、これと反対側を後方側として、絶縁体3の先端面3eは、接地電極4の端面4aの、後方側の縁4fよりも前方側に位置している。一方、中心電極2の先端面は、絶縁体3の先端面3eよりも所定高さだけ突出して配置されている。
図1に戻り、絶縁体3の孔部3dには、その一方の端部側に端子金具13が挿入・固定され、同じく他方の端部側に中心電極2が挿入・固定されている。また、該貫通孔3d内において端子金具13と中心電極2との間に抵抗体15が配置されている。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極2と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続されている。また、端子金具13は低炭素鋼等で構成され、表面には防食のためのNiメッキ層(層厚:例えば5μm)が形成されている。抵抗体15は、ガラス粉末、セラミック粉末、金属粉末(例えば、Zn、Sb、Sn、Ag及びNiの1種又は2種以上を主体とするもの)、非金属導電物質粉末(例えば無定形カーボンないしグラファイト)及び有機バインダ等を所定量配合し、ホットプレス等の公知の手法により焼結して製造されるものである。
次に、中心電極2及び接地電極4は、火花放電ギャップに面する発火面形成部分、この実施例では各々全体が、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成されている。具体的な材質については、後に詳述する。なお、中心電極2及び接地電極4には、熱引きを改善するために必要に応じて内部に熱伝導性の良好なCu(あるいはその合金)等の芯材が埋設されていてもよい。
以下、スパークプラグ1の作動について説明する。
スパークプラグ1はそのねじ部6(図1)においてガソリンエンジン等の内燃機関に取り付けられ、燃焼室に供給される混合気への着火源として使用される。該スパークプラグ1は、例えば、中心電極2側が負、接地電極4側が正となるように放電用高電圧が印加される。これにより、図4(a)に示すように、接地電極4の発火面4aと中心電極2の先端部2aの側面(発火面)2bとの間で放電により火花Sが発生し、混合気に着火を行う。ここで、絶縁体3の先端部3aは発火面4aと中心電極2の側面2bとの間に入り込む形で配置されており、火花S’が絶縁体3の先端部3aの表面に沿う経路で伝播するセミ沿面放電型スパークプラグとして機能する。
図2に示すように、本実施例のスパークプラグ1では、中心電極2の先端部2aが絶縁体3の先端面3aから突出していることで、その突出部の外周面と接地電極4の発火面4aとの間には第一ギャップg1が、また、絶縁体3の外周面と発火面4aとの間には第二ギャップg2が形成されている。これにより、該スパークプラグ1は、汚損がそれほど進行しない場合には第一ギャップg1で火花放電する頻度が高く、汚損が進行すると第二ギャップg2で火花放電する頻度が高くなることで、絶縁体3の表面の汚損の進行を自動検出してこれを焼き切る汚損検出・浄化機能を備えていると見ることもできる。
そして、本実施例のスパークプラグ1においては、中心電極2及び接地電極4の、少なくとも発火面(2b,4a)に、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上が絶縁体侵食抑制成分として含有されている。このようなスパークプラグを内燃機関に取り付け、一定以上の高速あるいは高負荷の条件にて運転すると、図4(a)に示すように、火花放電に伴い絶縁体3の先端部3aの表面に、上記の絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層30が形成される。その結果、例えば図4(b)に示すように、第二ギャップg2で飛火する沿面放電時においても、侵食抑制層30により絶縁体3の先端部3aの表面が保護され、チャンネリングの進行が効果的に防止ないし抑制される。
形成される侵食抑制層30は、Fe、Cr及びCuの少なくとも1種をカチオン成分として含有する酸化物系半導体化合物を主体に構成されたものとすることができる。Fe、Cr及びCuのいずれかの元素を含有した酸化物系化合物(例えば、半導体性化合物)を主体とする侵食抑制層30を形成することで、チャンネリング防止効果は一層顕著なものとなる。
上記のような侵食抑制層30が形成される理由については、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、火花放電SあるいはS'の発生により、火花放電ギャップg1,g2近傍の気体分子がイオン化され、電極2,4間に形成される電界勾配によりそのイオンが発火面に衝突して、これを形成している金属成分をはじきとばす。火花放電ギャップg1,g2が配置される燃焼室内は通常、燃焼ガスにより高温の酸化雰囲気になっているので、はじきとばされた金属成分は直ちに酸化物となって絶縁体3の先端部3aの表面に堆積し、侵食抑制層30となる。これは、発火面を形成する金属材料をターゲットとした、反応性スパッタリングと類似の機構であるといえる。なお、この実施例では、中心電極側を負としており、正イオンの発生時には中心電極2側の発火面が主に侵食抑制層30の成分源として機能すると考えられる。しかしながら、電極2,4が高温となる高速あるいは高負荷運転時においては、発火面(2b,4a)の金属材料の部分的な溶融・飛散が起こることも考えられ、これが酸化されて絶縁体表面に堆積する、という可能性もありうる。この場合は、図4(a)において破線で示すように、接地電極4側の発火面4aも、侵食抑制層30の成分源として機能しうる。
なお、発火面4a,2bの金属材料にFe、Cr及びCuが含有されている場合、上記のような侵食抑制層30が顕著に形成されるか否かはスパークプラグの使用条件、具体的には、発火面4a,2bの温度(例えば中心電極先端部あるいはその付近の温度)等によって定まる。いずれにしろ、高速あるいは高負荷運転時のように、発火面4a、2bの温度が上昇しやすい環境下では、例えば発火面部2bのスパッタリング的な蒸発が起こりやすくなり、侵食抑制層30の形成も促進される。つまり、チャンネリングの起こりやすい条件となるほど、それを防止ないし抑制する侵食抑制層30の形成も進むので、結果として非常に優れたチャンネリング防止効果が達成されるわけである。なお、侵食抑制層30の形成が促進される発火面4a,2bの温度条件は、燃焼ガスの組成や空燃比等の影響も受けるので一概にはいえないが、概ね600℃以上と考えられる。
ここで、図3に示すように、中心電極2の外径Dと、該中心電極2が挿通される貫通孔3dの内径dとの差d−Dは、絶縁体の先端位置から軸線方向に測定した距離Qが5mmの位置において0.07mm以上確保されていることが望ましい。なお、中心電極2の先端部2aが基端部2cよりも小径となるように縮径されている場合、その基端部2cの外径D1と貫通孔3dの内径dとの差d−D1が、0.07mm以上確保されていればよい。
図5に示すように、蒸発した電極金属成分の酸化により生ずる反応生成物は、必ずしも全てが侵食抑制層形成に寄与するのではなく、一部はダストJとなって、これが中心電極2と貫通孔3dとの隙間Kに堆積することがある。他方、既に形成されている侵食抑制層30が沿面放電火花により部分的に削られて同様のダストJを生ずることもありうる。この場合、隙間量が小さいと、図5(b)に示すように、発生したダストJが堆積して隙間Kに高密度に詰まり、例えば冷熱サイクルが繰り返されたときに、中心電極2と絶縁体3との膨張差によって絶縁体3に割れCが生じたりする不具合を生じることもありうる。しかしながら、d−D1が0.07mm以上に確保されていることで、隙間KにダストJが高密度に詰まることが抑制され、冷熱サイクルが繰り返された場合でも絶縁体3に割れ等が生じにくくなる。ただし、d−D1が0.3mmよりも大きくなると、耐熱性が低下したり、中心電極2の偏心組付けが発生しやすくなったりすることがあるので、d−D1は0.3mm以下とするのがよい。なお、d−D1は、より望ましくは0.07〜0.15mmとなっているのがよい。
なお、d−D1は、中心電極2側が負となる極性にて電圧印加する場合は、上記の通り0.07mm以上とすることが望ましいが、正となる極性にて電圧印加する場合は、0.03mm以上(望ましくは0.04mm以上)とすることも可能である。
次に、チャンネリング抑制効果の高い侵食抑制層30(図4)を形成するためには、中心電極2及び/又は接地電極4は、火花放電ギャップg1あるいはg2に面する発火面2b,4aの形成部分が少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1を合計で10質量%以上含有する金属材料にて構成されていることが望ましい。また、電極2,4の耐熱性を考慮すれば、発火面2b,4aの形成部分が少なくとも、Ni又はFeを主成分とするもので構成されていることが望ましい(なお、本明細書において「主成分」とは、最も質量含有率の高い成分を意味し、必ずしも「50質量%以上を占める成分」を意味するものではない)。例えば、Ni又はFeを主成分とする耐熱合金としては、次のようものが使用可能である。
(1)Ni基耐熱合金:本明細書では、Niを40〜85質量%含有し、残部の主体が、Cr、Co、Mo、W、Nb、Al、Ti及びFeの1種又は2種以上からなる耐熱合金を総称する。具体的には、次のようなものが使用できる(いずれも商品名;なお、合金組成については、文献(改訂3版金属データブック(丸善);p138)に記載されているので、詳細な説明は行わない):
ASTROLOY、CABOT 214、D-979、HASTELLOY C22、HASTELLOY C276、HASTELLOY G30、HASTELLOY S、HASTELLOY X、HAYNES 230、INCONEL 587、INCONEL 597、INCONEL 600、INCONEL 601、INCONEL 617、INCONEL 625、INCONEL 706、INCONEL 718、INCONEL X750、KSN、M-252、NIMONIC 75、NIMONIC 80A、NIMONIC 90、NIMONIC 105、NIMONIC 115、NIMONIC 263、NIMONIC 942、NIMONIC PE11、NIMONIC PE16、NIMONIC PK33、PYROMET 860、RENE 41、RENE 95、SSS 113MA、UDIMET 400、UDIMET 500、UDIMET 520、UDIMET 630、UDIMET 700、UDIMET 710、UDIMET 720、UNITEP AF2-1
DA6、WASPALOY。
(2)Fe基耐熱合金:本明細書では、Feを20〜60質量%含有し、残部の主体が、Cr、Co、Mo、W、Nb、Al、Ti及びNiの1種又は2種以上からなる耐熱合金を総称する。具体的には、次のようなものが使用できる(いずれも商品名;なお、合金組成については、文献(改訂3版金属データブック(丸善)、p138)に記載されているので、詳細な説明は行わない);
A-286、ALLOY 901、DISCALOY、HAYNES 556、INCOLOY 800、INCOLOY 801、INCOLOY 802、INCOLOY 807、INCOLOY 825、INCOLOY 903、INCOLOY 907、INCOLOY 909、N-155、PYROMET CTX-1、PYROMET CTX-3、S-590、V-57、PYROMET CTX-1、16-25-6、17-14CuMo、19-9DL、20-Cb3。
なお、スパークプラグの耐チャンネリング特性を高めるためには、絶縁体3に対する沿面放電火花のアタックが過剰とならない作動環境を形成すること、例えば電極に瞬間的に過剰な放電電圧が作用したり、あるいは1ケ所に電圧が集中したりする傾向をなるべく抑制し、これを分散させることが有効である。前者に属する方策としては、例えば、図1の抵抗体15の電気抵抗値を、端子金具13と中心電極2との間で測定した電気抵抗値が2kΩ以上(望ましくは5kΩ以上)となるように調整するのがよい。抵抗体15の電気抵抗値は、例えばその組成や寸法の変更により調整が可能である。
他方、後者に属する方式としては、接地電極4の数を1つとするのではなく、また図13(a)〜(c)に示すように、接地電極4を複数設けることが有効である。例えば図13(b)においては3つの接地電極4が、また同図(c)においては4つの接地電極4が、それぞれ中心電極2の軸線周りにおいてほぼ等角度間隔で配置されている。特に、接地電極4の数を3以上とすることで、耐チャンネリング性能の向上が顕著となる。
また、図2において、中心電極2の先端部の軸断面径D2(特に、絶縁体3の先端面位置に対応する中心電極2の軸断面径)は、これを大きくする方が、放電路が分散しやすいので有利といえる。この場合、D2は2.0mm以上確保されていることが望ましい。一方、中心電極2の先端部の軸断面径D2は、これを小さくするほど中心電極2の先端部2aの体積が減少して、着火により生じた炎の熱を奪いにくくなり、プラグの着火性が向上する場合がある。また、火花発生により清浄化すべき中心電極2の先端部2aあるいは絶縁体3の先端部の表面積も減少することから、プラグの耐汚損性を向上させることができる。そして、両者のバランスを考慮すれば、上記中心電極の先端部の軸断面径を0.6〜2.2mmの範囲で調整するのがよい。軸断面径が0.6mm未満になると、チャンネリング抑制効果が不十分となる場合がある。一方、先端部の軸断面径が2.2mmを超えると、耐汚損性が十分に確保できなくなる場合がある。
また、上記のスパークプラグ1は、中心電極2の軸線方向Oにおいて該中心電極2の先端面側を前方側、これと反対側を後方側として、絶縁体3の先端面が、接地電極4の端面(発火面)4aの後方側の縁4fよりも前方側に位置するように構成されている。これにより、スパークプラグの耐チャンネリング性がさらに向上する。理由としては、図4(a)に示すように接地電極4の端面の、後方側の縁4fを端とする放電路は、絶縁体3によってブロックされる形となるので、気中型放電が主体となる前方側の縁4eからの放電が起こりやすくなることが考えられる。
ここで、図3に示すように、中心電極2の軸線方向Oにおいて接地電極4の、端面4aの後方側の縁4fから前方側の縁4eまでの距離をH、同じく絶縁体3の先端面3eから、接地電極4の、端面4aの前方側の縁4eまでの距離をhとして、h/Hを0.5以下とするのがよい。h/Hをこのように設定することで、接地電極4の端面4aの、後方側の縁4fを放電路の端とする火花(すなわち、絶縁体の表面を這いやすい火花)の発生頻度が減少し、耐チャンネリング性をより良好なものとすることができる。また、H−h、すなわち、絶縁体3の先端面の接地電極4の端面4aの、後方側縁4fからの突出量は1.2mm以下とするのがよい。これにより、接地電極の端面の後方側縁が放電路の端となっても、火花は絶縁体の表面を強くアタックしにくくなるので、スパークプラグの耐チャンネリング性を向上させることができる。
次に、スパークプラグ1においては、図7に示すように、接地電極4及び/又は中心電極2の、発火面4a,2bの一部を含む部分が、Ir、Pt、Rh、W、Re及びRuの少なくともいずれかを主成分とする金属又は該金属を主体とする複合材料で構成された耐消耗部とすることができる。例えば図7に示す例では、スパークプラグ1は、中心電極2の先端部2aにおいて、外周面(発火面)2bの軸線方向の中間位置に、帯状の耐消耗部40が形成されている。耐消耗部40の具体的な材質としては、Pt−Ni合金、例えばPtを主体としてNiを6質量%以上含有する合金を使用することができる。
耐消耗部40は、例えば上記金属ないし複合材料で構成されたチップを溶接により固着して形成することができる。耐消耗部40を構成する上記材料は耐熱性と耐腐食性とに優れ、ひいては耐消耗部40の消耗を抑制してスパークプラグ1の耐久性を向上させることができる。なお、耐消耗部40は、中心電極2の先端面の縁部を含むように形成してもよい。
耐消耗部40は、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、図8(a)に示すように、中心電極2となるべきNi製の電極素材330の先端部に、溝(例えば台形状断面を有するもの)331を周方向に沿って形成し、その溝331に環状のPt部材340(例えばPt線を環状に丸めたもの)を嵌め込んでかしめる。そして、同図(b)に示すように、電極素材330を所定速度で回転させながら、レーザービーム337をPt部材340に照射する。これにより、同図(c)に示すようにPt部材340と電極素材330とが溶融してPt−Ni合金部334(これが耐消耗部40となる)が形成される。なお、レーザービームの照射条件及びPt部材340の寸法は、形成される上記Pt−Ni合金部334中のNi含有量が15質量%以上となるように調整する。なお、耐消耗部40は、中心電極2の先端面の縁部を含むように形成する場合は、同図(d)に示すように、先端面302fの周縁に、上記Pt−Ni合金部334に基づく発火面2cが露出するように、電極素材330の先端部を切断、研磨あるいは切削等により除去するようにする。
なお、図6に示すように、耐消耗部40を中心電極2の外周面に形成する場合、該中心電極2の軸線方向Oにおいて、絶縁体3の先端位置に関してその両側に位置する領域にまたがらないように耐消耗部40に形成すること、すなわち、絶縁体3の貫通孔3dの開口縁に対し、絶縁体侵食抑制成分であるFe、Cr及びCuを含有した、中心電極2の本体部の金属材料面が臨む形となるように、耐消耗部40を形成することが望ましい。これにより、沿面放電火花が発生したときに、これが上記金属材料面に当り、絶縁体侵食抑制成分の供給、ひいては侵食抑制層30の形成が促進され、耐チャンネリング防止効果が向上する。
一方、図9(a)に示すように、スパークプラグ1は、接地電極4の先端部の端面4aの少なくとも一部を、耐消耗部4gとすることができる。上記耐消耗部4gの具体的な材質としては、前記した耐消耗部40と同様に、Pt−Ni合金、例えばPtを主体としてNiを15質量%以上含有する合金を使用することができる。ここでは、図9(b)に示すように、接地電極4の端面4aの、後方側の縁から前方側の縁までの距離をHとし、該端面4aの後方側の縁からH/2よりも先端側に位置する領域の一部を含む形で、耐消耗部40を形成している。耐消耗部4gを構成する上記材料は耐熱性と耐腐蝕性とに優れるため、接地電極4の、先端部の端面4aの消耗を抑制してスパークプラグ1の耐久性を向上させることができる。
図9(c)に示すように、耐消耗部4gは、例えば上記金属ないし複合材料で構成されたチップ4g’を、端面4aにレーザ溶接又は抵抗溶接により固着して形成することができる。ここでは、端面4aに凹部4dを作り、ここにチップ4g'を嵌め込んで境界部分に溶接部Wを形成することにより、耐消耗部4gを設けている。
なお、中心電極2側の耐消耗部40(図7)と、接地電極4側の耐消耗部4gとは、これらを双方ともに形成してもよいが、接地電極4側の消耗がそれほど問題にならない場合には、該接地電極4側の耐消耗部4gは特に設けず、中心電極2側の耐消耗部40のみを形成するようにしてもよい。他方、上記のスパークプラグ1は、上記と逆極性、すなわち中心電極2側が正となるように電圧印加を行ってもよい。この場合は、逆に接地電極4側の耐消耗部4gのみを設けるようにしてもよい。
次に、上記スパークプラグ1では、図4に示すように、スパークプラグ1の使用時において、発火面2bあるいは4aを形成する金属材料に由来した侵食抑制層30を絶縁体表面に形成するようになっていた。他方、図6に示すように、侵食抑制層31を、予め絶縁体3の表面に形成したスパークプラグ100の構成によっても、上記したスパークプラグ1と実質的に同じ効果が達成できる。この場合、侵食抑制層31は、カチオン成分がFe、Cr、Cu及びSnの少なくとも1種を含有する酸化物系半導体化合物を主体に構成することができる。上記のような酸化物系半導体化合物からなる侵食抑制層31は、例えば高周波スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング等の各種気相成膜法の他、金属アルコキシドの加水分解等により酸化物ゾルを調製し、これと絶縁体3に塗布・乾燥して焼成することにより酸化物被膜を得るゾル−ゲル法の適用も可能である。
この場合、中心電極2及び/又は接地電極4の材質は特に限定されないが、例えば上記と同様に、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成することができる。火花放電に伴い、絶縁体3の先端部3aの表面には、絶縁体侵食抑制成分を含有した反応生成物32が、既に形成されている侵食抑制層31上に堆積する。これにより、侵食抑制層31の沿面放電による目減りが補われ、チャンネリング防止効果の持続性が高められる。
以上、本発明の実施の形態を、セミ沿面放電型スパークプラグを例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。以下に、いくつかの別の例を示す(スパークプラグ1との構成要件上の共通部分には同一の符号を付与して、詳細な説明は省略している)。例えば、図10は、絶縁体3の表面に接地電極104の内面側を接触させることにより、中心電極2との間の放電経路のほぼ全長にわたって沿面放電を生じさせるようにした、フル沿面放電型スパークプラグ200として構成した例である。
また、図11のスパークプラグ300では、絶縁体3の先端部が、中心電極2の先端部2aの側面2bと、接地電極4の先端面4aとの間(第一ギャップg1)に入り込まない形となっている。そして、中心電極2の先端部2aの側面2bと接地電極4の先端面4aとの距離に対し、絶縁体3の先端面3eと、接地電極4の端面4aの、後方側の縁4fとの距離が小さく設定されている(第二ギャップg2)。すなわち、中心電極2の先端部2aが、絶縁体3から突出して配置されるとともに、その絶縁体3の外側を覆う形で筒状の主体金具7が設けられている。接地電極4は、基端側が主体金具1の端部に接合される一方、先端側は中心電極2側に曲げ返され、その端面4aが、突出する中心電極2の先端部2aの側面2bと対向するように配置されて第一ギャップg1を形成する一方、接地電極4の先端部の内側面が、絶縁体3の先端面3eと対向して第一ギャップg1よりも小さい第二ギャップg2を形成している。これは、絶縁体3の汚損が進行した場合に限って第二ギャップg2で火花放電するようにした、いわゆる間欠沿面放電型スパークプラグとよばれるタイプのものである。
この構成では、中心電極3の軸線方向において該中心電極3の先端面側を前方側、これと反対側を後方側として、該軸線方向において、接地電極4の端面4aの、後方側の縁4fと絶縁体3の先端面3eとの間の距離をhとしたときに、該hが0.3mm以上、より望ましくは0.4mm以上の範囲で調整するのがよい。このように、沿面放電形態となる第二ギャップg2をある程度大きく設定することで、耐チャンネリング性をより良好なものとすることができる。ただし、hが0.7mmを超えると、第二ギャップg2における放電電圧が高くなり過ぎて、間欠沿面放電型スパークプラグとしての機能が不十分となる場合があるので、hは0.7mm以下とするのがよい。
この場合も、図12に示すように、前記した耐消耗部40と同様に、中心電極2に耐消耗部41あるいは42を設けることができる。図12(a)では、耐消耗部41は、中心電極2の先端縁を含む形で形成されている。他方、図12(b)では、耐消耗部42が、絶縁体3の貫通孔3d内に収まるように(すなわち、該中心電極2の軸線方向Oにおいて、絶縁体3の先端位置に関してその両側に位置する領域にまたがらないように)形成されている。特に、図14に示すように、中心電極2の軸線方向Oにおいて該中心電極2の先端に向かう側を前方側として、耐消耗部42の前方側の縁(以下、前端縁という)が、絶縁体の先端縁から軸線方向において後方側へ0.5mmまでの区間Y内に位置させると、沿面放電火花が中心電極2の本体部の金属材料面に一層効率的に当たり、上記の効果がさらに高められる。後方側へ0.5mmを超えて耐消耗部40の前端縁が引っ込むと、耐消耗部40の位置が火花を受ける位置から大きく外れ、電極消耗抑制に寄与しにくくなる。
また、中心電極2の本体部の金属材料がFeとCrとを含有している場合、耐消耗部42の周囲には、耐消耗部の構成金属と中心電極の構成金属とが溶融混合した溶融部42aが形成され、その溶融部42aには中心電極の構成金属よりも少ない量のFeとCrとが含有される形となる。この溶融部42aは、中心電極の構成金属ほどではないが、FeとCrとが含有されているため侵食抑制層の形成に寄与することができる。このことを考慮に入れた場合、耐消耗部40の周辺において、Fe及びCrの合計含有量が7質量%以上となる領域(上記の溶融部42aである)が、絶縁体の先端縁から軸線方向において前方側へ0.5mm、後方側へ0.3mmまでの区間Z内に位置していることが望ましい。前方側へ0.5mmを超えて領域42aの前端縁が侵入すると、侵食抑制層の形成が妨げられやすくなり、逆に後方側へ0.3mmを超えて領域42aの前端縁が引っ込むと、耐消耗部40の位置が火花を受ける位置から大きく外れ、電極消耗抑制に寄与しにくくなる。
なお、図12は、間欠沿面放電型スパークプラグの中心電極2に耐消耗部42aを形成した例であるが、図15に示すように、セミ沿面放電型スパークプラグ350においても、耐消耗部42を全く同様に形成できる。なお、図15の例では、中心電極2の内部にCuあるいはCu合金にて構成された放熱促進用金属部2aが形成されている。
また、以上の実施例のスパークプラグは、いずれも全ての接地電極の先端面が中心電極の側面に対向するタイプのものであったが、本発明は、複数ある接地電極の一部が、必ずしも中心電極の側面に先端面が対向していない態様も包含する。その一例を図16(a)(正面図)及び(b)(側面図)に示している。このスパークプラグ400では、図12のスパークプラグ300等と同様に、絶縁体3の外側を覆う形で筒状の主体金具5が設けられる。また、基端側が主体金具5の端部に接合される一方、先端側は中心電極2側に曲げ返される形態の接地電極4,104が複数設けられる。そして、それら接地電極の1つ、すなわち接地電極104は、側面が中心電極2の先端面と対向するように配置される一方、残余の接地電極4の少なくとも1つ(ここでは2つ)のものが、端面が中心電極2の側面と対向するように配置される。
上記の構成では、いわゆる平行対向型スパークプラグと同様の火花放電ギャップgαが接地電極104の側面と中心電極2の先端面との間に形成され、多極スパークプラグと同様の火花放電ギャップgβが、接地電極4の先端面と中心電極2の側面との間に形成される。ギャップgαの大きさをギャップgβよりも大きくおくと、通常はギャップgαにて飛火しやすく、絶縁体3の先端面が汚損した場合にはギャップgβで飛火しやすくなる。平行対向型スパークプラグに形態の近いギャップgαは火花の集中度が高く(特に中心電極2側を負として電圧印加する場合)、着火性を高めることができる。この場合も、中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される貫通孔の内径dとの差d−Dが、絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.07mm以上確保されていることが望ましい。なお、この実施例では、側面が中心電極2の先端面と対向するように配置される接地電極4は、その端面が絶縁体3の先端部を間に挟んで中心電極の側面と対向するように配置されている。すなわち、ギャップgβでの飛火形態は、図2等のスパークプラグ1と同様のセミ沿面飛火形態となる。
なお、ギャップgβでは、通常時でも全く飛火を起こさないというわけではなく、特に汚損を生じていない状況下でも少なからぬ飛火を生ずることがある。この場合、ギャップgβでの飛火は、絶縁体3の先端面におけるセミ沿面放電形態となるから、絶縁体先端面に対応する位置における、中心電極の、先端部側面における消耗を考慮しなければならない。そこで、該先端面に対応する位置における中心電極2の軸断面径D2’は、2.0mm以上確保されていることが望ましい。当該位置における軸断面径D2’は、これを大きくする方が、放電路が分散しやすいので、消耗抑制上有利だからである。
なお、中心電極2の先端部には、Ir、Pt、Rh、W、Re及びRuの少なくともいずれかを主成分とする金属又は該金属を主体とする複合材料で構成された耐消耗部105が、環状の溶接部106にて接合されている。なお、中心電極2の外周面には、図12(b)に示すのと同様の耐消耗部42を形成してもよい。さらに、中心電極2の内部には、CuあるいはCu合金にて構成された放熱促進用金属部2aが形成されている。
図1及び図2に示すスパークプラグについて、本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。まず、図2において、第一ギャップg1の大きさを1.6mm、ギャップg2の大きさを0.6mmに設定した。また、図3において、Hを1.5mm、hを1.0mm(h/Hは0.67)、tを1.2mmとした。また、中心電極2の先端部2aの外径D2は2.0mmであり、基端部2cの外径D1は2.1mmとした。さらに、絶縁体3の貫通孔3dの内径dを2.15〜2.3mmの各種値に設定することにより、絶縁体3の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置においてd−D1が、0.05〜0.2mmの各種値となるように調整している。また、中心電極2と接地電極4の材質は、Ni−Cr−Fe合金(Cr:15質量%、Fe:8質量%、残:Ni)であり、絶縁体3はアルミナ焼結体である。また、比較のため、中心電極2と接地電極4の全体を、Ni−W合金(W:4質量%、残Ni)にて作成したスパークプラグも用意した。
これらのスパークプラグの耐チャンネリング性を調べるために、6気筒ガソリンエンジン(排気量2000cc)に取り付け、スロットル全開状態、エンジン回転数5000rpmにて200時間運転を行ない、絶縁体3の表面に生じたチャンネリング溝の深さを走査型電子顕微鏡観察により測定した(なお、電圧印加は、中心電極側が負となる極性にて、周波数60Hzにて間欠的に行っている)。判定条件は、溝深さが0.2mm未満を軽度(◎)、0.2〜0.4mmを中度(○)、0.4mmを超えるものを重度(×)とした。
また、上記各スパークプラグの冷熱サイクル試験を、スロットル全開状態、エンジン回転数5000rpmでの運転を1分、アイドリングを1分行う運転サイクルを返すことにより行ない、150時間未満に絶縁体に割れが発生したものを×、150時間以上250時間未満にて割れが発生したものを△、250時間までに割れが発生しなかったものを○として評価した。なお、スパークプラグへの電圧印加は、中心電極側が負となる極性と、同じく正となる極性との2通り行なっている。なお、試験終了後のスパークプラグ試験品は縦に切断して、中心電極2と絶縁体貫通孔3d内面との隙間のダスト堆積状況を目視確認した。以上の結果を表1に示す。
Figure 0004975133
これを見てもわかるとおり、中心電極2及び接地電極4の材質をNi−W合金とした比較例のスパークプラグでは、チャンネリングの発生が顕著であるのに対し、中心電極2及び接地電極4の材質をNi−Cr−Fe合金とした実施例のスパークプラグでは、チャンネリングが顕著に抑制されていることがわかる。また、実施例のスパークプラグでは、絶縁体3の表面に、Ni−Cr−Fe系の複合酸化物を主体とする侵食抑制層が形成されていたのに対し、比較例のスパークプラグでは、そのような侵食抑制層の形成は確認されなかった。
他方、冷熱サイクル試験の結果によれば、中心電極の極性を負とした場合は、d−D1を0.07mm以上とすることにより、絶縁体3の割れ発生が極めて効果的に抑制されていることがわかる。また、中心電極の極性を正とした場合は、d−D1を0.03mm以上とすることにより、絶縁体3の割れ発生が抑制されていることがわかる(d−D1を0.03mm未満とすることは、製造上困難であり、また、絶縁体と中心電極との熱膨張率の差によって割れ等が極めて発生しやすいことから、事実上採用不能であった)。なお、中心電極の極性を負とした場合、d−D1を0.05mmとした番号1の試験品では、絶縁体3にクラックが認められたが、その断面を観察したところ、中心電極2と絶縁体貫通孔3d内面との隙間にダストが高密度に堆積していたことがわかった。
この発明は、例えば車両用のスパークプラグに適用することができる。
1,100,200,300,350,400 スパークプラグ
2 中心電極
2a 先端部
2b 外周面(発火面)
2c 基端部
3 絶縁体
3d 貫通孔
4,104 接地電極
4a 端面(発火面)
13 端子金具
15 抵抗体
30,31 侵食抑制層
40〜42,4g,105 耐消耗部

Claims (16)

  1. 中心電極と、
    自身に形成された貫通孔内に前記中心電極が軸線方向に挿入され、該中心電極の先端部を自身の先端面に露出させる絶縁体と、
    前記中心電極の先端部との間に火花放電ギャップを形成するとともに、当該火花放電ギャップにて前記絶縁体の先端部表面に沿う沿面火花放電が可能となるように、前記絶縁体先端部及び中心電極先端部との間の位置関係が定められた接地電極とを備え、
    前記中心電極及び/又は前記接地電極は、前記火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、Fe、Cr及びCuの少なくとも1以上からなる成分を絶縁体侵食抑制成分として含有する金属材料にて構成され、前記火花放電ギャップにおける火花放電に伴い前記絶縁体先端部表面に前記絶縁体侵食抑制成分を含有した侵食抑制層が形成されるようになっており、かつ、
    前記中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される前記貫通孔の内径dとの差d−Dが、前記絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.07mm以上確保され、
    さらに、前記中心電極及び/又は前記接地電極の、前記火花放電ギャップに面する発火面形成部分が少なくとも、前記Fe、Cr及びCuの少なくとも1を合計で10質量%以上含有する金属材料にて構成され
    前記侵食抑制層の形成に寄与することなく前記絶縁体侵食抑制成分の酸化により生じた反応生成物がダストとして前記中心電極と前記貫通孔との隙間に堆積して詰まることを抑制し、又は沿面放電火花により削られて生じた、既に形成されている前記侵食抑制層の一部がダストとして前記隙間に堆積して詰まることを抑制して、前記中心電極と前記絶縁体との熱膨張率の差による該絶縁体の割れを防止することを特徴とするスパークプラグ。
  2. 中心電極側が正となる極性にて電圧印加されるようになっており、かつ、前記中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される前記貫通孔の内径dとの差d−Dが、前記絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.03mm以上確保されている請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記金属材料は、Ni又はFeを主成分とするものである請求項1又は2記載のスパークプラグ。
  4. 前記中心電極は、先端部が基端部よりも小径となるように縮径されており、前記絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において、その基端部の外径D1と前記貫通孔の内径dとの差d−D1が、0.07mm以上確保されている請求項1ないし3のいずれかに記載のスパークプラグ。
  5. 前記絶縁体の軸方向に形成された貫通孔に対し、その一方の端部側に端子金具が固定され、同じく他方の端部側に前記中心電極が固定されるとともに、該貫通孔内において前記端子金具と前記中心電極との間に抵抗体が配置されており、該抵抗体を介した前記端子金具と前記中心電極との間の電気抵抗値が2kΩ以上確保されている請求項1ないし4のいずれかに記載のスパークプラグ。
  6. 前記接地電極及び/又は前記中心電極の、前記火花放電ギャップに面する発火面の一部を含む部分が、Ir、Pt、Rh、W、Re及びRuの少なくともいずれかを主成分とする金属又は該金属を主体とする複合材料で構成された耐消耗部とされている請求項1ないし5のいずれかに記載のスパークプラグ。
  7. 前記中心電極の外周面には、該中心電極の軸線方向において、前記絶縁体の先端位置に関してその両側に位置する領域にまたがらないように、Ir、Pt、Rh、W、Re及びRuの少なくともいずれかを主成分とする金属又は該金属を主体とする複合材料で構成された耐消耗部が形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のスパークプラグ。
  8. 前記中心電極の軸線方向において該中心電極の先端に向かう側を前方側として、前記耐消耗部の前方側の縁が、前記絶縁体の先端縁から前記軸線方向において後方側へ0.5mmまでの区間内に位置している請求項7記載のスパークプラグ。
  9. 前記耐消耗部の周辺において、Fe及びCrの合計含有量が7質量%以上となる領域が、前記絶縁体の先端縁から前記軸線方向において前方側へ0.5mm、後方側へ0.3mmまでの区間内に位置している請求項7又は8記載のスパークプラグ。
  10. 前記中心電極を取り囲む形態で、前記接地電極が3つ以上配置されている請求項1ないし9のいずれかに記載のスパークプラグ。
  11. 前記中心電極の先端部が、前記絶縁体から突出して配置されるとともに、その絶縁体の外側を覆う筒状の主体金具が設けられ、
    前記接地電極は、基端側が前記主体金具の端部に接合され、先端側は前記中心電極側に曲げ返されて、その端面が、突出する前記中心電極の先端部側面と対向するように配置されて第一ギャップを形成する一方、前記接地電極の先端部内側面が、前記絶縁体の先端面と対向して前記第一ギャップよりも小さい第二ギャップを形成し、
    前記中心電極の軸線方向において該中心電極の先端面側を前方側、これと反対側を後方側として、前記軸線方向において、前記接地電極の端面の後方側の縁と前記絶縁体の先端面との間の距離hが0.3mm以上に調整されている請求項1ないし10のいずれかに記載のスパークプラグ。
  12. 前記絶縁体の外側を覆う筒状の主体金具が設けられ、
    前記接地電極の基端側が前記主体金具の端部に接合される一方、先端側は前記中心電極側に曲げ返されて、その端面が前記絶縁体先端部を間に挟んで前記中心電極の側面と対向するように配置されており、
    前記中心電極の軸線方向において、前記接地電極の端面の後方側の縁から前方側の縁までの距離をH、同じく前記絶縁体の先端面から前記接地電極の端面の前方側の縁までの距離をhとして、h/Hが0.5以下に設定されている請求項1ないし11のいずれかに記載のスパークプラグ。
  13. 前記中心電極の先端部の軸断面径が2.0mm以上である請求項1ないし12のいずれかに記載のスパークプラグ。
  14. 前記絶縁体の外側を覆う筒状の主体金具が設けられ、
    前記接地電極として、基端側が前記主体金具の端部に接合される一方、先端側は前記中心電極側に曲げ返される形態のものが複数設けられるとともに、それら接地電極の1つは、側面が前記中心電極の先端面と対向するように配置される一方、残余の接地電極の少なくとも1つのものが、端面が前記中心電極の側面と対向するように配置され、
    かつ前記中心電極の外径Dと、該中心電極が挿通される前記貫通孔の内径dとの差d−Dが、前記絶縁体の先端位置から軸線方向に5mm離間した位置において0.07mm以上確保されている請求項1ないし13のいずれかに記載のスパークプラグ。
  15. 側面が前記中心電極の先端面と対向するように配置される接地電極は、その端面が前記絶縁体先端部を間に挟んで前記中心電極の側面と対向するように配置されている請求項14記載のスパークプラグ。
  16. 前記絶縁体先端面に対応する位置における、前記中心電極の先端部の軸断面径が2.0mm以上である請求項14又は15に記載のスパークプラグ。
JP2010087339A 1999-06-25 2010-04-05 スパークプラグ Expired - Fee Related JP4975133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010087339A JP4975133B2 (ja) 1999-06-25 2010-04-05 スパークプラグ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1999180426 1999-06-25
JP18042699 1999-06-25
JP2010087339A JP4975133B2 (ja) 1999-06-25 2010-04-05 スパークプラグ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000163776A Division JP2001068249A (ja) 1999-06-25 2000-05-31 スパークプラグ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010212245A JP2010212245A (ja) 2010-09-24
JP2010212245A5 JP2010212245A5 (ja) 2010-11-11
JP4975133B2 true JP4975133B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=42972173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010087339A Expired - Fee Related JP4975133B2 (ja) 1999-06-25 2010-04-05 スパークプラグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4975133B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8922102B2 (en) 2006-05-12 2014-12-30 Enerpulse, Inc. Composite spark plug
US8049399B2 (en) 2006-07-21 2011-11-01 Enerpulse, Inc. High power discharge fuel ignitor
EP2807711A4 (en) * 2012-01-27 2015-10-07 Enerpulse Inc HIGH POWER SPARK PLUG WITH HALF SURFACE
DE102015121862B4 (de) * 2015-12-15 2017-12-28 Federal-Mogul Ignition Gmbh Zündkerze
JP6348546B2 (ja) * 2016-08-03 2018-06-27 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ及び点火装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54103421A (en) * 1978-01-31 1979-08-14 Matsushita Electric Works Ltd Production of cement hard plate
JP2727558B2 (ja) * 1987-04-16 1998-03-11 株式会社デンソー 内燃機関用スパークプラグ
JPH05159853A (ja) * 1991-12-04 1993-06-25 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
JP3424961B2 (ja) * 1993-09-06 2003-07-07 日本特殊陶業株式会社 沿面放電・セミ沿面放電型スパークプラグ
JPH09106881A (ja) * 1995-08-09 1997-04-22 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
JP3272615B2 (ja) * 1995-11-16 2002-04-08 日本特殊陶業株式会社 内燃機関のスパークプラグ
JP3269032B2 (ja) * 1997-09-01 2002-03-25 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ及びそれを用いた内燃機関用点火システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010212245A (ja) 2010-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4227738B2 (ja) スパークプラグ
JP3796342B2 (ja) スパークプラグ及びその製造方法
JP3672718B2 (ja) スパークプラグ
JP4975133B2 (ja) スパークプラグ
JP4283347B2 (ja) スパークプラグ
JP5341752B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ及びその製造方法
JP4302224B2 (ja) スパークプラグ
JP4402046B2 (ja) スパークプラグ
JP4471516B2 (ja) スパークプラグ
US6472801B1 (en) Spark plug with a corrosion impeding layer
GB2210103A (en) Spark plug
JP2008053018A (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP2001160474A (ja) スパークプラグ
JP2008053017A (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP2007207770A (ja) スパークプラグ
JP2007214136A (ja) スパークプラグ
JP2007214136A5 (ja)
JP4248704B2 (ja) 内燃機関用スパークプラグ
JP4295064B2 (ja) スパークプラグ
JP4434509B2 (ja) スパークプラグ
JP2004165168A (ja) スパークプラグ
JP2002289319A (ja) スパークプラグ
JP2001068249A (ja) スパークプラグ
JP4879291B2 (ja) スパークプラグ
JP4999980B2 (ja) プラズマジェット点火プラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110906

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20111111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees