JP4283347B2 - スパークプラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関に使用されるスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車エンジン等の内燃機関が高性能化するに伴い、その着火に使用されるスパークプラグの温度も上昇する傾向にある。スパークプラグの温度が高くなると、火花ギャップを形成する電極の消耗が進みやすくなり、プラグの寿命も短くなる。スパークプラグの電極は、高温耐食性を確保するために例えばインコネル等のNi合金で構成されることが多いが、Ni合金の熱伝導率は一般にそれほど高くないので、いわゆる熱引きが悪く、高速運転時等においては電極温度が上昇しやすくなる欠点がある。そこで、Cu系金属などの熱伝導性の良好な材質による良伝熱性芯材を電極中に配置して電極の熱引きを改善し、寿命向上を図るようにしたスパークプラグが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図13(a)に示すように、上述のスパークプラグの電極200における例えば径方向の熱伝導挙動を考えると、電極200の外周面P1を入熱側としてその中心に向かう温度勾配が形成され、これを駆動力として熱伝導が進行する。ここで、上記電極200の構成では、放熱促進の役割を果たす良伝熱性芯材202がその中心部に存在するため、外部からの熱Qは、伝熱係数の比較的小さい外被部分201を経由した後でなければ良伝熱性芯材202内に流れ込むことができない。従って、上記放熱挙動においては外被部分201での伝熱が律速となる結果、該外被部分201の厚さが大きすぎると、図(b)に示すように芯材202内の熱流束が小さくなり、放熱効果は必ずしも十分に達成されなくなる。従って、効果的な放熱を図るためには、外被部分201の芯材202に対する相対的な厚みを減ずる、逆に言えば、良伝熱性芯材202の径方向寸法をかなり大きくする必要がある。
【0004】
しかしながら、芯材202の寸法を大きくし過ぎると、電極温度が上昇した場合に、外被部分201と芯材202との線膨張係数の差等に基づいて発生する熱応力のレベルが高くなり、層間割れや電極の膨らみといった問題につながる場合がある。例えば、直噴ガソリンエンジンなど、スパークプラグの発火部を燃焼室内部に突き出させるタイプのエンジンでは、電極温度が相当高くなることから上記問題は特に発生しやすい。すなわち、芯材202の寸法増大には上記熱応力発生との関係で一定の限界が存在し、熱引き改善効果は必ずしも十分に達成されているとは言い難い側面があった。
【0005】
本発明の課題は、熱引き改善のために多層構造の電極を採用しつつも、該電極における熱応力の発生を抑制でき、ひいては層間割れや電極の膨らみといった問題を生じにくいスパークプラグを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明のスパークプラグの第一の構成は、中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前記中心電極と対向するように配置された接地電極とを備え、上述の課題を解決するために、中心電極と接地電極との少なくともいずれか(以下、中心電極と接地電極とを総称する場合は、単に電極ともいう)が多層構造となっており、その多層構造は、芯体と、その芯体表面の少なくとも一部を覆うとともに自身と接する該芯体の最外層部分よりも熱伝導性の良好な材質からなる良伝熱層とを有し、かつ該良伝熱層の厚さが0.03〜0.3mmの範囲で調整されていることを特徴とする。
【0007】
上記スパークプラグは、外被部分の内側に良熱伝熱性芯材を配置した電極を使用する従来のスパークプラグとはいわば全く逆の構成、すなわち芯体の表面を良伝熱層で覆うようにしたことで、電極の放熱(熱引き)が従来の構成と比べて格段に進みやすくなる。すなわち、図3(a)に示すように、該スパークプラグの電極(3,4)は、良伝熱層(50)が芯体(51)の表面を覆う形になっている、つまり、電極(3,4)の表層部(あるいは表層に近い位置)に良伝熱層(50)が存在する形になっていることから、外部からの熱Qの良伝熱層(50)への熱伝達効率が改善され、放熱が促進される。これにより、高負荷・高速運転等により電極が高温にさらされた場合も、その消耗が抑制されてスパークプラグの寿命を延ばすことができる。また、良伝熱層の厚さをそれほど大きくしなくとも、十分な放熱効果を達成できるので、良伝熱層と芯体との間の線膨張係数差に由来する熱応力のレベルも低く抑さえることができ、ひいては層間割れや電極の膨らみといった問題も生じにくくすることができる。
【0008】
良伝熱層は、例えばCu、Ag、Au及びNiのいずれかを主体とするものとして構成することができる。このうち、熱伝導率と価格とのバランスを考慮すればCuあるいはCu合金が本発明に特に好適である。また、Niを主体とする金属を用いる場合は、伝熱係数を他の材料と比較して遜色のないものにするために、なるべくNi含有量の高い材質(例えばNi単体金属に近いもの)を採用するのが好ましい。
【0009】
また、上記本発明の第一に係るスパークプラグにおいて、良伝熱層の厚さは、0.03〜0.3mmの範囲で調整される。該良伝熱層の厚さが0.03mm未満になると放熱効果が十分に達成されなくなる。一方、良伝熱層の厚さが0.3mmを超えると、後述する芯体と良伝熱層との間の線膨張係数差に基づく熱応力のレベルが高くなり、例えば芯体の線膨張係数が良伝熱層のそれよりも小さい場合(例えば芯体の少なくとも最外層がNi又はNi合金で構成され、良伝熱層がCu又はCu合金で構成される場合)は、電極の膨らみや層間剥離といった不具合を生ずる。また、上記例示した良伝熱層の各材質は、Niを主体とする金属以外は強度的にそれほど高くないので、一般的なスパークプラグの電極寸法(軸断面積で3〜5mm2程度)を考慮すれば、良伝熱層の厚さを0.3mm以上とすることは、電極全体の強度確保の点でも好ましくない。なお、良伝熱層の厚さはより望ましくは、0.1〜0.25mmの範囲で調整するのがよい。
【0010】
次に、良伝熱層の外側は、該良伝熱層よりも耐食性の優れた材質からなる外被層で覆うことができる。これにより、良伝熱層の高温腐食あるいは火花放電による消耗を防止することができ、ひいては電極の耐久性をさらに向上させることができる。この場合、外被層の厚さは0.05〜0.3mmの範囲で調整するのがよい。厚さが0.05mm未満になると十分な耐食性付与効果が達成されなくなる。また、厚さが0.3mmを超えると、外被層内の熱伝導が律速となって、良伝熱層への熱伝達が阻害され、十分な放熱効果が達成されなくなる場合がある。外被層の厚さは、より望ましくは0.05〜0.2mmの範囲で調整するのがよく、さらに望ましくは0.05〜0.15mmの範囲で調整するのがよい。
【0011】
一方、良伝熱層の外側は、該良伝熱層よりも線膨張係数の小さい材質からなる外被層で覆うこともできる。これにより、良伝熱層の過大な膨張を外被層により抑さえ込むことができ、ひいては電極膨らみや良伝熱層と芯体との間の層間剥離といった問題をさらに生じにくくすることができる。この場合、外被層の厚さは、放熱効果を十分なものとする観点から、同様に0.3mm以下(望ましくは0.2mm以下、さらに望ましくは0.15mm以下)の範囲で調整するのがよい。なお、該線膨張係数を考慮した場合の外被層の厚さの下限値は、電極膨らみ等の不具合防止効果が十分達成できるよう、良伝熱層との間の線膨張係数の差と厚さとに応じて適宜設定するようにする。
【0012】
上述のような外被層は、例えばNi合金により構成することができる。そして、良伝熱層がCu又はCu合金あるいはAg又はAg合金により構成されている場合は、該外被層は良伝熱層よりも線膨張係数が小さいものとなる。また、良伝熱層がCu又はCu合金で構成されている場合は、該外被層は高温における耐食性にも優れたものとなる。そして、この組み合わせにおいて良伝熱層は、その厚さを0.03〜0.3mm(望ましくは0.1〜0.25mm)の範囲で調整し、外被層は厚さを0.05〜0.3mm(望ましくは0.05〜0.2mm、さらに望ましくは0.05〜0.15mm)の範囲で調整するのがよい。良伝熱層の厚さの上限及び下限と外被層の厚さの上限の各臨界的意味については前述の通りである。また、外被層の厚さが0.05mm未満になると良伝熱層の膨張抑制効果が必ずしも十分でなくなり、前述の電極膨らみや層間剥離といった問題を生ずる場合もありうる。
【0013】
なお、本発明のスパークプラグの第二の構成は、中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金具と、中心電極と対向するように配置された接地電極とを備え、
中心電極と接地電極との少なくともいずれかが多層構造となっており、その多層構造は、芯体と、その芯体表面の少なくとも一部を覆うとともに自身と接する該芯体の最外層部分よりも熱伝導性の良好な材質からなる良伝熱層とを有し、
かつ良伝熱層の外側が、該良伝熱層よりも耐食性の優れた材質からなる外被層で覆われるており、その外被層の厚さが0.05〜0.2mmの範囲で調整されていることを特徴とする。
【0014】
次に、芯体は、電極の要部を構成するものであり、電極に所期の強度を付与できるように材質選定を行なうことが望ましい。この場合、芯体を単一層構造としてもよいが、良伝熱層との間で発生する熱応力が問題となる場合には、芯体全体の線膨張係数の値を調整して良伝熱層との間の線膨張係数差を縮小するために、隣接する層同士の間の線膨張係数が互いに異なるように配置された複数層からなるものとして芯体を構成することができる。
【0015】
この場合、芯体は、上記複数層のうち、その最外層を除く残余の層の少なくとも一層を、当該最外層よりも熱伝導性の高い材料で構成された内部良伝熱層とすることができる。具体的には、芯体の最外層をNi又はNi合金により構成し、内部良伝熱層をCu又はCu合金あるいはAg又はAg合金により構成することができる。これにより、内部良伝熱層による放熱効果も加わって、電極ひいてはスパークプラグの寿命を一層向上させることができる。
【0016】
また、接地電極及び中心電極のうち、多層構造となるもの(以下、多層電極という)の軸断面積をS1、内部良伝熱層の軸断面積をS2として、多層電極の先端側には、S2/S1が0.13未満となる領域(以下、これを内部良伝熱層不足領域という)を所定長さで形成するとともに、その内部良伝熱層不足領域の長さをL、その内部良伝熱層不足領域の存在部分における多層電極の軸断面寸法(ただし、該軸断面寸法は、円形状断面の場合はその直径とし、円形以外の断面の場合は、これと同面積の円の直径に換算した寸法とする)をDとしたときに、L/Dが0.55以上となるように設定することができる。
【0017】
本発明者らの検討によれば、多層電極の軸断面積をS1、内部良伝熱層の軸断面積をS2とした場合、S2/S1が0.13未満になると、放熱促進に対する寄与はあまり期待できなくなる。例えば、多層電極の先端側において、内部良伝熱層がその軸方向中間で途切れた形態となる場合、電極先端部には、軸断面内に内部良伝熱層の断面が現われないか、あるいは現われても上記S2/S1が0.13未満となる内部良伝熱層不足領域が所定長さで形成されることとなる。また、内部良伝熱層が電極先端側で縮径している場合は、その軸方向の全長のうちS2/S1が0.13以上となる部分が、放熱促進上の有効部を形成すると考えることができる。そして、内部良伝熱層が強度的にやや低いCu系金属等で形成される場合、L/Dが0.55以上となるように内部良伝熱層不足領域を形成することが、多層電極の強度確保の観点において望ましい。
【0018】
しかしながら、内部良伝熱層不足領域をこのように長くすることは、電極の表層部近傍に良伝熱層を有さない従来のスパークプラグにおいては、最も放熱を促進したい電極の火花放電ギャップ近傍部分の熱引きが悪くなるため、電極の寿命が低下しやすく必ずしも望ましいことではなかった。しかしながら、本発明のスパークプラグにおいては、前記良伝熱層からの放熱により内部良伝熱層不足領域の熱引きを十分に促進することができ、電極ないし発火部の寿命を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に示す本発明の一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上記発火部31に対向する発火部32が形成されており、それら発火部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
【0020】
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0021】
次に、図2に示すように中心電極3及び接地電極4の本体部3a及び4aは、いずれも芯体51と、その芯体51の表面を覆うとともに、自身と接する該芯体51の最外層部分52よりも熱伝導性の良好な材質からなる良伝熱層50と、その良伝熱層50のさらに外側を覆う外被層54とを有する多層構造となっている。良伝熱層50は、例えばCu又はCu合金で構成され、その厚さは0.03〜0.3mm(望ましくは0.1〜0.25mm)の範囲で調整される。また、外被層54はインコネルあるいはハステロイ等のNi合金で構成され、その厚さは0.05〜0.3mm(望ましくは0.05〜0.2mm、さらに望ましくは0.05〜0.15mm)の範囲で調整される。
【0022】
一方、芯体51は、その軸断面における最外層部分52がインコネルあるいはハステロイ等のNi合金で構成され、その内側にはCu又はCu合金で構成された内部良伝熱層53が芯状に形成されている。ここで、中心電極3及び接地電極4の各芯体51の先端側においては、内部良伝熱層53がその軸方向中間で途切れている。
【0023】
次に、中心電極3の本体部3aは先端側が縮径されるとともにその先端面が平坦に構成され、ここにIr合金(代表的な組成は後述する)あるいはPt合金(例えばPt−20重量%Ni合金)からなる円板状の貴金属チップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接部Wを形成してこれを固着することにより発火部31が形成される。また、対向する発火部32は、発火部31に対応する位置において接地電極4に貴金属チップを位置合わせし、その接合面外縁部に沿って同様に溶接部Wを形成してこれを固着することにより形成される。
【0024】
図4は、電極3,4の本体部3a及び4aの製造方法の一例を示すものである。すなわち、図4(a)に示すように、空隙152aを有する第一Ni系成形体152を、Ni又はNi合金素材を用いて切削あるいは深絞り等の組成加工により作り、また、切削等により別途作製したCu系成形体153を空隙152aに嵌め入れて図4(b)の芯体用組立体151を作製する。そして、同図(c)に示すように、電解メッキ等の化学メッキ法、あるいは真空蒸着ないしスパッタリング等の気相成膜法等により、その芯体用組立体151の外側を覆うCuメッキ層150を形成する。
【0025】
次いで、図4(d)に示すように、そのCuメッキ層150を形成後の組立体151を、第二Ni系成形体154(第一Ni系成形体152と同様に別途形成される)の空隙154a内に嵌め入れて、図4(e)に示す電極加工用組立体160を得る。そして、この電極加工用組立体160に対し、回転鍛造(スエージング)等の塑性加工を施して軸方向にこれを延伸することにより、本体部3aないし4aを得る。このとき、Cu系成形体153と第一Ni系成形体152とからなる芯体用組立体151は、内部良伝熱層53と最外層部分52とからなる芯体51となる一方、Cuメッキ層150は良伝熱層50となり、第二Ni系成形体154は外被層54となる。
【0026】
なお、芯体用組立体151の外側をCuメッキ層150で覆う代わりに、図5(a)に示すように、CuないしCu合金の板素材(あるいはCuメッシュなどの網状素材でもよい)250’の深絞り加工により孔部250aを有するCu系成形体250を作り、同図(b)に示すように、その孔部250aに芯体用組立体151を嵌め入れてもよい、この場合、このCu系成形体250が良伝熱層50となる。
【0027】
以下、スパークプラグ100の作用について説明する。すなわち、図1に示すスパークプラグ100は、そのねじ部7においてエンジンブロックに取り付けられ、燃焼室に供給される混合気への着火源として使用される。
【0028】
例えばエンジンを高負荷・高速運転した場合、スパークプラグ100の火花ギャップgの近傍は高温となり、電極3及び4の発火部31,32は消耗の生じやすい苛酷な環境にさらされることとなる。しかしながら、図3(a)に示すように、電極3ないし4は、良伝熱層50が芯体51の表面を覆う形になっているので、外部からの熱Qの良伝熱層50への熱伝達が進みやすく放熱が促進される。これにより、発火部31,32の消耗が抑制されてスパークプラグ100の寿命を延ばすことができる。また、良伝熱層50は厚さをそれほど大きくしなくとも、十分な放熱効果を達成できるので、良伝熱層50と芯体51との間の線膨張係数差に伴う熱応力のレベルも低く抑さえることができ、ひいては層間割れや電極の膨らみといった問題も生じにくくなる。
【0029】
また、Cu又はCu合金で構成された良伝熱層50の外側は、それよりも耐食性に優れ、また線膨張係数の小さいNi合金からなる外被層54で覆われている。これにより、良伝熱層50の高温腐食による消耗が防止できる。また、良伝熱層50の過大な膨張を外被層54により抑さえ込むことができるので、電極膨らみや良伝熱層50と芯体51との間の層間剥離といった問題がさらに生じにくくなっている。
【0030】
なお、中心電極3及び接地電極4の各内部良伝熱層53は、先端側を縮径させることができる。すなわち、電極3,4は先端に近いほど熱も受けやすいので、線膨張係数の大きいCu等で構成される内部良伝熱層53の先端をこのように縮径しておくことで、電極3,4の膨れや前述の層間剥離といった問題を生じにくくすることができる。また、電極3,4を、図4に示すような電極加工組立体160の回転鍛造(あるいはダイスによる引抜加工)等により製造する場合は、中心部分において材料に先進が生じやすいことから、内部良伝熱層53の先端部に縮径部が必然的に形成されることもある。
【0031】
一方、内部良伝熱層53に上述のような縮径部を形成する場合、放熱の観点から見れば、その軸断面積が小さくなるほど放熱促進効果は薄れることになる。本発明者らの検討によれば、図2に示すように、電極3(あるいは4)の軸断面積をS1、内部良伝熱層53の軸断面積をS2とした場合、S2/S1が0.13未満になると放熱促進に対する寄与はあまり期待できなくなる。従って、内部良伝熱層53は、その軸方向の全長のうちS2/S1が0.13以上となる部分が、放熱促進上の有効部を形成すると考えることができる。例えば、中心電極3及び接地電極4の先端側において、内部良伝熱層53がその軸方向中間で途切れた形態となる場合、電極3(あるいは4)の先端部には、軸断面内に内部良伝熱層53の断面が現われないか、あるいは現われても上記S2/S1が0.13未満となる領域(以下、これを内部良伝熱層不足領域という)55が所定長さで形成されることとなる。
【0032】
ここで、上記内部良伝熱層不足領域55の長さをL、該領域55の存在部分における電極の軸断面寸法(ただし、円形状断面の場合はその直径とし、円形以外の断面の場合は、これと同面積の円の直径に換算した寸法とする)をDとしたときに、中心電極3及び接地電極4ともに、L/Dは0.55以上となるように設定するのがよい。例えば、内部良伝熱層53は、上記L/Dの値が0.55未満となる位置まで、さらに先端側まで引き出して形成する(すなわち内部良伝熱層不足領域55の長さLを減じる)ことも可能である。しかしながら、CuないしCu合金で構成された内部良伝熱層53は、最外層部分52の構成材質であるNiないしNi合金と比較すると強度的にやや劣るため、電極3,4の強度確保の観点においては、前述のようにL/Dの値が0.55以上となるように内部良伝熱層不足領域55を形成することがより望ましいといえる。
【0033】
そして、伝熱性においてCu系材料より劣るNi系の内部良伝熱層不足領域55を長くすることは、従来のスパークプラグにおいては、最も放熱を促進したい電極の火花放電ギャップ近傍部分の熱引きが悪くなるため、電極(あるいはその一部をなす発火部)の寿命が低下しやすく、必ずしも望ましいことではなかった。しかしながら、本発明のスパークプラグにおいては、電極3,4の表層部近傍に形成された良伝熱層50からの放熱により、内部良伝熱層不足領域55の熱引きを十分に促進することができ、電極ないし発火部の寿命を向上させることができる。
【0034】
なお、図1に示すように、スパークプラグ100は、中心電極3の外周面の全部又は先端部を除く残余の部分が絶縁体2で覆われた構造となっている。この場合、中心電極3の先端が熱を受けて膨張すると、絶縁体2が押し広げられて大きな熱応力を受け、耐久性等に問題を生じることもありうる。従って、中心電極3の先端部分は、接地電極4と比べて熱膨張をさらに起こしにくい構造としておくことが有効である。例えば、内部良伝熱層53を線膨張係数の大きいCu系材料で構成する場合、その断面径が大きいほど熱膨張も大きくなるので、中心電極3においては前述の内部良伝熱層不足領域55の長さLを、接地電極4のそれよりも多少大きくしておくことが望ましく、例えば前述のL/Dの値は0.65以上の値に設定することが望ましいといえる。
【0035】
以下、本発明のスパークプラグの各種変形例について説明する。
まず、貴金属チップの固着により形成される発火部31及び対向する発火部32は、少なくとも一方を省略する構成としてもよい。例えば、図6(a)及び(b)は、発火部31及び対向する発火部32の双方を省略した構成を示している。この場合、火花放電ギャップgは、中心電極3の先端面と接地電極4の側面との間に直接形成されることとなる。なお、中心電極3の先端面と接地電極4の側面との火花放電ギャップgの形成部分においては電極の消耗が進行することから、図6(c)に示すようにこの部分の良伝熱層50を省略するようにしてもよい。同様に、図9においては、接地電極4(複数設けられている)の先端側を側方に曲げ返し、その先端面を中心電極3の側面に対向させて火花放電ギャップgを形成した例を示す。この場合、接地電極4の先端面に対応する位置には良伝熱層50が形成されていない。
【0036】
また、良伝熱層50は、中心電極3と接地電極4とのいずれか一方にのみ形成し、他方においては良伝熱層50を形成しない構造としてもよい。
【0037】
次に、図7(a)及び(b)は、良伝熱層50と内部良伝熱層53とを、電極3ないし4(図1では本体部3aないし4aに相当)の基端部においても最外層部52を介して互いに分離した構造の例を示しているが、図8に示すように、良伝熱層50と内部良伝熱層53とを基端側で一体化した構造としてもよい。
【0038】
芯体51は、良伝熱層50による放熱のみで十分な熱引きが可能となる場合は、上述のような2層構造ではなく、例えばNiないしNi合金による1層構造としてもよい。一方、これとは逆に芯体51を、3層以上の多層構造とすることも可能である。図10はその一例を示しており、該構成において芯体51は、Ni系の最外層部分52の内側に例えばCu系の中間良伝熱層61が形成され、その内側に中間Ni系層62が形成され、最も内側に内部良伝熱層53が形成された4層構造となっている
【0039】
なお、図1の構成において、発火部31あるいは対向する発火部32をIr合金で構成する場合、例えば下記のようなIr合金を用いることができる。
(1)Irを主体としてRhを3〜50重量%(ただし50重量%は含まない)の範囲で含有する合金を使用する。該合金の使用により、高温でのIr成分の酸化・揮発による発火部の消耗が効果的に抑制され、ひいては耐久性に優れたスパークプラグが実現される。
【0040】
上記合金中のRhの含有量が3重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、発火部が消耗しやすくなるためプラグの耐久性が低下する。一方、Rhの含有量が50重量%以上になると合金の融点が低下し、プラグの耐久性が同様に低下する。以上のことから、Rhの含有量は前述の範囲で調整するのがよく、望ましくは7〜30重量%、より望ましくは15〜25重量%、最も望ましくは18〜22重量%の範囲で調整するのがよい。
【0041】
(2)Irを主体としてPtを1〜20重量%の範囲で含有する合金を使用する。該合金の使用により、高温でのIr成分の酸化・揮発による発火部の消耗が効果的に抑制され、ひいては耐久性に優れたスパークプラグが実現される。なお、上記合金中のPtの含有量が1重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、発火部が消耗しやすくなるためプラグの耐久性が低下する。一方、Ptの含有量が20重量%以上になると合金の融点が低下し、プラグの耐久性が同様に低下する。
【0042】
(3)Irを主体としてRhを0.1〜30重量%の範囲で含有し、さらにRuを0.1〜17重量%の範囲で含有する合金を使用する。これにより、高温でのIr成分の酸化・揮発による発火部の消耗がさらに効果的に抑制され、ひいてはより耐久性に優れたスパークプラグが実現される。Rhの含有量が0.1重量%未満になるとIrの酸化・揮発の抑制効果が不十分となり、発火部が消耗しやすくなるためプラグの耐消耗性が確保できなくなる。一方、Rhの含有量が30重量%を超えると、合金の融点が低下して耐火花消耗性が損なわれ、プラグの耐久性が同様に確保できなくなる。それ故、Rhの含有量は上記範囲で調整される。
【0043】
一方、Ruの含有量が0.1重量%未満になると、該元素の添加によるIrの酸化・揮発による消耗を抑制する効果が不十分となる。また、Ruの含有量が17重量%を超えると、発火部が却って火花消耗しやすくなり、プラグの十分な耐久性が確保できなくなる。それ故、Ruの合計含有量は上記範囲で調整され、望ましくは0.1〜13重量%、さらに望ましくは0.5〜10重量%の範囲で調整するのがよい。
【0044】
Ruが合金中に含有されることにより発火部の耐消耗性が改善される原因の一つとして、例えばこの成分の添加により、合金表面に高温で安定かつ緻密な酸化物皮膜が形成され、単体の酸化物では揮発性が非常に高かったIrが、該酸化物皮膜中に固定されることが推測される。そして、この酸化物皮膜が一種の不動態皮膜として作用し、Ir成分の酸化進行を抑制するものと考えられる。また、Rhを添加しない状態では、Ruを添加しても合金の高温での耐酸化揮発性はそれほど改善されないことから、上記酸化物皮膜はIr−Ru−Rh系等の複合酸化物であり、これが緻密性ないし合金表面に対する密着性においてIr−Ru系の酸化物皮膜より優れたものとなっていることも考えられる。
【0045】
なお、Ruの合計含有量が増え過ぎると、Ir酸化物の揮発よりはむしろ下記のような機構により火花消耗が進行するようになるものと推測される。すなわち、形成される酸化物皮膜の緻密性あるいは合金表面に対する密着力が低下し、該合計含有量が17重量%を超えると特にその影響が顕著となる。そして、スパークプラグの火花放電の衝撃が繰返し加わると、形成されている酸化物皮膜が剥がれ落ちやすくなり、それによって新たな金属面が露出して火花消耗が進行しやすくなるものと考えられる。
【0046】
また、Ruの添加により、さらに次のような重要な効果を達成することができる。すなわち、Ruを合金中に含有させることにより、Ir−Rh二元合金を使用する場合と比較して、Rh含有量を大幅に削減しても耐消耗性を十分に確保でき、ひいては高性能のスパークプラグをより安価に構成できるようになる。この場合、Rhの含有量は0.1〜3重量%、より望ましくは0.1〜1重量%となっているのがよい。
【0047】
(4)上記(1)〜(3)のいずれの材質においても、チップを構成する材料には、元素周期律表の3A族(いわゆる希土類元素)及び4A族(Ti、Zr、Hf)に属する金属元素の酸化物(複合酸化物を含む)を0.1〜15重量%の範囲内で含有させることができる。これにより、Ir成分の酸化・揮発による消耗がさらに効果的に抑制される。上記酸化物の含有量が0.1重量%未満になると、当該酸化物添加によるIrの酸化・揮発防止効果が十分に得られなくなる。一方、酸化物の含有量が15重量%を超えると、チップの耐熱衝撃性が低下し、例えばチップを電極に溶接等により固着する際に、ひびわれ等の不具合を生ずることがある。なお、上記酸化物としては、Y2O3が好適に使用されるが、このほかにもLaO3、ThO2、ZrO2等を好ましく使用することができる。
【0048】
【実施例】
(実施例1)
図1に示すスパークプラグ100として、直径0.7mm、厚さ0.5mmの円板状のチップを用い、発火部31をIr−5重量%Ptの組成を有するIr合金により、また対向する発火部32をPt−20重量%Ni合金により作製した(火花放電ギャップgの幅1.1mm)。接地電極4は、1.5mm×2.8mmの長方形状の軸断面を有し、その芯体51の最外層部分52をNi合金(インコネル600)により、また内部良伝熱層53をCu単体金属により構成した。また、良伝熱層50の厚さtは0〜0.5mm(ただし、0mmは良伝熱層なしの比較例)の範囲で、外被層54の厚さAは0.05〜0.5mmの範囲でそれぞれ変化させた(図2)。なお、前述のLの値はおよそ1.5mmであり、L/Dの値は0.65である。
【0049】
一方、中心電極3は、先端が図2のように形成された円柱状のものを使用した。すなわち、芯体51の最外層部分52をNi合金(インコネル600)により、また内部良伝熱層53をCu単体金属により構成した。また、良伝熱層50の厚さは0.15mm、外被層54の厚さは0.2mmとした。また、内部良伝熱層不足領域55の外径Dは2.5mm、同じく長さLは2mmであり、L/Dは0.8である。
【0050】
そして、上述のような各スパークプラグの性能試験を以下の条件にて行った。すなわち、6気筒ガソリンエンジン(排気量3000cc)にそれらプラグを取り付け、スロットル全開状態、エンジン回転数5000rpmにて1200時間まで連続運転し(中心電極温度約900℃)、プラグの火花放電ギャップgの拡大量と運転時間との関係を測定した。図11及び図12にその結果を示す。まず、外被層54の厚さAを0.1mmに固定し、良伝熱層50の厚さtを変化させた場合は、図11に示すように、t>0.03において火花放電ギャップgの拡大量が小さく、スパークプラグが長寿命化していることがわかる。良伝熱層50の厚さが増して、放熱が進みやすくなるためであると考えられる。また、良伝熱層50の厚さtを0.1mmに固定し、外被層54の厚さAを変化させた場合は、図12に示すように、A<0.3mmにおいて火花放電ギャップgの拡大量が小さく、スパークプラグが長寿命化していることがわかる。外被層54の厚さAが小さいほうが、良伝熱層50による放熱が進みやすくなるためであると考えられる。なお、火花放電ギャップgの拡大量は、A<0.2mmにおいてさらに小さくなっていることがわかる。
【0051】
次に、各スパークプラグの冷熱耐久試験を次のようにして行なった。すなわち、上記スパークプラグを同様のガソリンエンジンに取り付け、スロットル全開状態、エンジン回転数5000rpmにて1分運転し、次いで1分アイドリングさせるサイクルを100時間繰返した後、スパークプラグの中心電極3ないし接地電極4の外観を目視にて観察した。以上の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
すなわち、外被層54の厚さAが0.05mm未満になるか、あるいは良伝熱層50の厚さtが0.3mmを超えると、熱応力に起因すると思われる電極の膨らみが発生していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す正面部分断面図。
【図2】その要部を示す拡大断面図。
【図3】その電極構造の作用説明図。
【図4】電極の製造方法の一例を示す工程説明図。
【図5】電極の製造方法の変形例を示す工程説明図。
【図6】貴金属チップによる発火部を有さないスパークプラグの一実施例を示す正面部分断面図及びその要部を示す拡大断面図。
【図7】電極構造の一例を示す断面模式図。
【図8】電極構造の第一の変形例を示す断面模式図。
【図9】貴金属チップによる発火部を有さないスパークプラグの別の実施例を示す正面部分断面図。
【図10】電極構造の第二の変形例を示す断面模式図。
【図11】実施例における実験結果を表す第一のグラフ。
【図12】実施例における実験結果を表す第二のグラフ。
【図13】従来のスパークプラグの電極の作用説明図。
【符号の説明】
1 主体金具
2 絶縁体
3 中心電極
4 接地電極
31 発火部(チップ)
32 対向する発火部(チップ)
g 火花放電ギャップ
50 良伝熱層
51 芯体
52 最外層部分
53 内部良伝熱層
54 外被層
Claims (7)
- 中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前記中心電極と対向するように配置された接地電極とを備え、
前記中心電極と前記接地電極との少なくとも前記接地電極が多層構造となっており、前記接地電極の多層構造は、芯体と、その芯体表面の少なくとも一部を覆うとともに自身と接する該芯体の最外層部分よりも熱伝導性の良好な材質からなる良伝熱層とを有し、かつ該良伝熱層の厚さが0.03〜0.3mmの範囲で調整されており、
前記芯体は、隣接する層同士の線膨張係数が互いに異なるものとなる複数層からなり、該複数層のうち、その最外層を除く残余の層の少なくとも一層が、当該最外層よりも熱伝導率の高い材料で構成された内部良伝熱層とされており、
前記接地電極の軸断面積をS1、前記内部良伝熱層の軸断面積をS2として、前記接地電極の先端側には、S2/S1が0.13未満となる領域(以下、これを内部良伝熱層不足領域という)が所定長さで形成されており、
その内部良伝熱層不足領域の長さをL、その内部良伝熱層不足領域の存在部分における前記接地電極の軸断面寸法(ただし、該軸断面寸法は、円形状断面の場合はその直径とし、円形以外の断面の場合は、これと同面積の円の直径に換算した寸法とする)をDとしたときに、L/Dが0.55以上となるように設定され、更に、
前記接地電極表面であって前記内部良伝熱層不足領域に、前記中心電極と対向するように貴金属チップが固着されていることを特徴とするスパークプラグ。 - 前記良伝熱層は、Cu、Ag、Au及びNiのいずれかを主体とするものである請求項1記載のスパークプラグ。
- 前記良伝熱層の外側が、該良伝熱層よりも耐食性の優れた材質からなる外被層で覆われている請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
- 前記外披層は、前記良伝熱層よりも線膨張係数の小さい材質で構成されている請求項3に記載のスパークプラグ。
- 前記外被層はNi合金により構成されている請求項3又は4に記載のスパークプラグ。
- 前記外被層の厚さが0.05〜0.3mmの範囲で調整されている請求項3ないし5のいずれかに記載のスパークプラグ。
- 中心電極と、その中心電極の外側に設けられた絶縁体と、その絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前記中心電極と対向するように配置された接地電極とを備え、
前記中心電極と前記接地電極との少なくとも前記接地電極が多層構造となっており、前記接地電極の多層構造は、芯体と、その芯体表面の少なくとも一部を覆うとともに自身と接する該芯体の最外層部分よりも熱伝導性の良好な材質からなる良伝熱層とを有し、
かつ前記良伝熱層の外側が、該良伝熱層よりも耐食性の優れた材質からなる外被層で覆われるており、その外被層の厚さが0.05〜0.2mmの範囲で調整されており、
前記芯体は、隣接する層同士の線膨張係数が互いに異なるものとなる複数層からなり、該複数層のうち、その最外層を除く残余の層の少なくとも一層が、当該最外層よりも熱伝導率の高い材料で構成された内部良伝熱層とされており、
前記接地電極の軸断面積をS1、前記内部良伝熱層の軸断面積をS2として、前記接地電極の先端側には、S2/S1が0.13未満となる簡域(以下、これを内部良伝熱層不足領域という)が所定長さで形成されており、
その内部良伝熱層不足領域の長さをL、その内部良伝熱層不足領域の存在部分における前記接地電極の軸断面寸法(ただし、該軸断面寸法は、円形状断面の場合はその直径とし、円形以外の断面の場合は、これと同面積の円の直径に換算した寸法とする)をDとしたときに、L/Dが0.55以上となるように設定され、更に、
前記接地電極表面であって前記内部良伝熱層不足領域に、前記中心電極と対向するように貴金属チップが固着されていることを特徴とするスパークプラグ。
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