JP4693127B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に取り付けられて使用されるスパークプラグに関し、特に優れた火炎成長性を実現するものに関する。
スパークプラグは内燃機関の燃焼室に露出された中心電極、接地電極の両電極間を火花放電間隙として火花放電を行い、機関燃焼の着火装置として用いられている。従来から、スパークプラグの長寿命化を実現するため火花放電の起点となるいずれか一方の、または両方の電極の先端部に耐火花消耗性や耐高温酸化性(以下、耐火花消耗性と耐高温酸化性とを併せて耐久性ともいう。)に優れる貴金属合金製のチップ(以下、単に貴金属チップともいう。)が接合されるものがある(例えば、特許文献1参照)。このように耐久性に優れた貴金属チップを使用することによって火花放電の起点となる貴金属チップを径小とすることができるため、長寿命化のみならず、そのチップを極細とすることによって着火した混合気である火炎の広がり(以下、単に火炎成長性ともいう。)を阻害しない構成をも実現することができる(例えば特許文献2参照)。
ところで、こうした火炎成長性を向上させる手段として極細の貴金属チップを用いる以前から様々な工夫がなされている。というのも、スパークプラグは主体金具に形成された雄ねじを内燃機関に形成された雌ねじに取り付けて使用されるが、その取り付け時に接地電極の方向性を考慮して取り付けることは非常に困難である。そのため、混合気がスパークプラグの周囲から火花放電の発生箇所へ向かうとき、及び混合気が着火して火炎が成長するときに接地電極の存在のため混合気の動きや火炎の成長を阻害してしまい、燃焼効率が低下してしまう問題があるためである。
このような問題を解決するために、例えば特許文献3に記載されるような接地電極の断面形状を円形とする構成(以下、単に丸接地電極ともいう。)がある。このような構成とすることによって、混合気の流れが接地電極によって妨げられて気流が接地電極から剥離してしまうことを回避できたり、成長過程の火炎が接地電極に接触することによって熱が引かれてしまい、火炎の成長が低下してしまうことを回避することが可能となるためである。
特開平8−339880号公報 特開2002−313524号公報 特開平11−121142号公報
さて、長寿命や着火性能向上のために極細の貴金属チップを備えるとともに、より一層優れる火炎成長性を実現するため、丸接地電極にこの貴金属チップを接合する構成を検討する。しかしながら、丸接地電極の外郭線は円弧状に曲折しているため、上下端に平坦面を有する略円柱状に形成された貴金属チップを強固に接合することは容易ではない。貴金属チップと丸接地電極との接合性の向上を狙い、貴金属チップの接合面を丸接地電極に係合するように予め凹部や弧状部を加工しておくことも考えられるが、製造コスト、工数の増大、貴金属チップの向き合わせ等の問題のため現実的ではない。
本発明は、上記問題及びそれを解決するときに生じる不具合を解消し、長寿命、高着火性能を実現したスパークプラグを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の構成のスパークプラグは、
プラグ軸線O方向に伸びる棒状の中心電極と、
軸孔を備え、自身の先端面から前記中心電極の先端を突出させた状態で前記軸孔に前記中心電極を保持する筒状の絶縁碍子と、
前記絶縁碍子を保持する主体金具と、
一端が前記主体金具の先端面に接合され、この一端から他端へ向かって伸びる接地電極とを備えたスパークプラグであって、
前記接地電極は、
前記中心電極を望む内側面と、当該内側面に対して背面である外側面とを有し、
自身の延伸方向の他端側からみたときに、前記外側面は弧状の曲面をなすとともに前記内側面には円柱状の貴金属チップが接合されている。
の構成を備えることにより極細の貴金属チップを有することによる優れた火炎成長性得ることができるが、そのためには中心電極と接地電極との間に形成される火花放電ギャップへ効率よく混合気が入り込む必要がある。この混合気の入り込みを接地電極の外側面を弧状の曲面とすることにより実現する。この結果、極細の貴金属チップを有することと相俟って著しく火炎成長性を向上させたスパークプラグを実現することが可能となる。
ところで、貴金属チップは通常、貴金属のインゴットを線引き加工して極細にし、切断工程を経て上下に平坦面を備える円柱形状として形成される。丸接地電極に接合してより強固な接合強度を得るためには、この貴金属チップの平坦面に対して丸接地電極の貴金属チップが接合される中心電極を臨む側に平面を設ければよい。
しかし、単に平面を設ければよいわけではなく、平面を広く取りすぎると丸接地電極としての効果、つまり優れた火炎成長性を得ることができなくなるおそれがある。丸接地電極としての効果を有効に得るためには、上記平面である直線部の両端に連なって形成される2つの弧状部を中心電極側に仮想的延長させた仮想延長円弧を描き、この仮想延長円弧の交点よりも貴金属チップの中心電極寄り端面である先端面を突出するように構成すればよい(第の構成)。この構成とすれば、貴金属チップの先端面と中心電極の先端面との間で着火した火炎がある程度成長するまでは接地電極の平面に接触することがないため高着火性を実現することができ、その後は弧状に形成されている接地電極の側面に沿って燃え広がるため優れた火炎成長性をも得ることが可能となる。なお、貴金属チップが接合される平面は貴金属チップの当接面よりも同等以上の面積とすることが望ましい。
また、さらに本発明の第の構成として、前記接地電極を自身の延伸方向の他端側からみたときに、前記2つの弧状部のうちの一方について、当該一方の弧状部を形成する円弧の中心が前記直線部を分断するように描かれる、前記貴金属チップの軸線と平行な分断線上を含んで前記2つの弧状部のうちの他方側にあるようにすることが望ましい。上記第1の構成を備えることによって着火性、火炎成長性、寿命のそれぞれを向上させることができるが、特に火炎成長性の向上の観点についてはこの第の構成を備えるとよい。
また、特に弧状部が一定の曲率半径を有するときは、本発明の第の構成として
前記接地電極の外郭線は前記直線部と、当該直線部の両端を基点となす曲率半径が一定の弧状部とから形成され、前記接地電極の平面を基準とする前記貴金属チップの長さをh、前記接地電極の厚さをlとして、h+lの中点と前記貴金属チップの先端面との間に前記平面を設けるようにするとよい。
また、特に貴金属チップに注目した場合、本発明の第の構成として、
前記中心電極の先端と前記接地電極に接合される貴金属チップとによって形成される火花放電ギャップGと、
前記中心電極の先端と前記接地電極のうち最も中心電極寄りの部位との間隙Hとが、
0.5mm≦H−G≦1.0mm
の関係を満たすようにすることが望ましい。
通常のスパークプラグに採用されている接地電極の形状は略矩形の角柱状であるため、火花放電は火花放電間隙の最も小さいところで行われるか、電界が急峻となる角において行われることが多い。ところが、本発明のように弧状部を有する接地電極は、略矩形の接地電極に比較して電界が急峻となる部位が少ないため、火花放電が丸接地電極を回り込むように中心電極の略反対側で行われることがある。また一方、貴金属チップと丸接地電極の母材との溶融部は仕事関数が低いために放電が行われやすく、この部分に対して行われたりすることがある。特に、この後者の火花放電が繰り返し行われると、貴金属チップを固着している部分が消耗して減少してしまい接合強度が低下するおそれがある。
このような問題に対し上記第の構成を採用することによって、火花放電の回り込みや溶融部への放電の頻度を減少し、さらに長期にわたって着火性、火炎成長性に優れたスパークプラグを維持することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に本発明のスパークプラグ100の全体図を示す。スパークプラグ100は、概略、中心電極10と、端子電極20と、絶縁碍子30と、接地電極40及び主体金具50とが組み合わされて構成される。以下、各部材について説明する。なお、図1においては図面下側を先端側、上側を後端側として説明する。
中心電極10はインコネル600(登録商標)をはじめとするNi系合金を母材として、後端部に鍔部11を有した略棒状に形成される。Ni系合金からなる母材の中心部には熱伝導性を向上させる目的でCu合金が芯12を構成している。また中心電極10の先端にはPtやIr等を含有する貴金属合金からなる耐久性に優れる内側チップ13が接合される。この接合は本実施例においてはレーザービームを照射するとともに押圧する、いわゆるレーザー溶接によって行われている。
一方、主体金具50が備える接地電極40は、Ni系合金を母材として構成され、棒状に形成されて主体金具50の先端に接合される。接地電極40は先端部の一側面が中心電極10に接合された内側チップ13と火花放電間隙Gを形成するように略直角に折り曲げられる。この接地電極40の先端部の一側面にも着火性、火炎成長性の向上や耐久性の向上を目的として中心電極10と同様に貴金属合金からなる外側チップ43が接合される。なお、この外側チップ43が請求項の「貴金属チップ」に相当する。本発明の要点である接地電極40の詳細な構成については後述する。
主体金具50はS15CやS25C等の鉄系の金属部材やステンレス等の金属部材に塑性加工を施し略円筒形に形成され、切削等の仕上げを経てその概形が形成される。主体金具50の外周面のうち先端側には図示しない内燃機関にスパークプラグ100を取り付けるためのねじ部51が転造される。このねじ部51の後端側には内燃機関に取り付けたときにその外表面にガスケット4を介して燃焼室を気密に封止する座面を有する鍔部52が形成されており、さらに鍔部52の後端側には内燃機関へ取り付けるときにプラグレンチ等の工具が係合する例えば断面が六角形の工具係合部53が形成されている。主体金具の工具係合部53と鍔部52との間には絶縁碍子30を組み付けるときに座屈されるように薄肉に形成されている(なお、図1では座屈した後の形状を示している)。本実施例においては工具係合部53の対辺寸法をHEX14として構成している。
工具係合部53の後端側はスパークプラグ100の完成時に主体金具50の最後端部となる加締め蓋60が形成されるように薄肉の筒状に形成されている。主体金具50の内孔57はねじ部51が形成されたプラグ軸線O方向上の位置に小径孔54が形成され、この小径孔54のうちの先端側に径方向内向きに突出した棚部55が形成されている。この小径孔54に連なる後端側は鍔部52の形成されたプラグ軸線O方向上の位置を境に大径孔56が後端まで形成されている。このように形成された主体金具50の先端に接地電極40が接合される。この接合は抵抗溶接によって行われ、溶接ダレを除去した後、接地電極40と共に主体金具50に亜鉛等のめっき処理が行われる。
絶縁碍子30はアルミナや窒化アルミニウム等の絶縁セラミック粉末にバインダ等が混ぜられ、プレスによってその概形が形成され、砥石によって研削されて整形された後、焼成されることによって作製される。この絶縁碍子30は略円筒形であり内部に軸孔31が形成され、外表面の軸線O方向略中央には径方向外向きに膨出した鍔状の中胴部32が形成されている。この中胴部32の先端側には先端向きの段部33を有する先端側胴部34が形成されている。一方、中胴部32の後端側には略同一の外径を持つ後端側胴部35が形成されている。なお、先端側胴部34に形成された段部33よりも先端側はスパークプラグ100としての完成時には燃焼ガスに晒される脚長部36を構成する。軸孔31のうち、この脚長部36の後端側には中心電極10の鍔部11を支持する支持段部37が形成され、軸孔31の内径は支持段部37よりも先端側がその後端側よりも細く形成される。
絶縁碍子30と中心電極10、端子電極20の組み付けについて説明する。絶縁碍子30の軸孔31へ中心電極10をその先端が下方となるように挿入し、絶縁碍子30の支持段部37に中心電極10の鍔部11を係止させ、周知のようにガラス粉末と金属粉末とが混合調製されたガラスシール材やそれら原料粉末の混合比を変えて調製された抵抗材を充填する。充填したガラスシール材に軸状に形成された端子電極20の脚部21が埋設されるように絶縁碍子30の後端から端子電極20を挿入する。端子電極20を挿入した状態で絶縁碍子30を加熱炉へ投入し、所定の温度に加熱すると共に端子電極20を押圧して所定の位置に位置決めする。この後、絶縁碍子30は加熱炉から取り出されることによってガラスシール材、抵抗材が硬化し、それぞれがガラスシール5,5、抵抗体6となり、これらを介して中心電極10と端子電極20と電気的に導通した状態で固着される。この工程は一般的にガラスシール工程と呼称される。なお、このガラスシール工程時に後端側胴部の外表面に形成する釉薬層の釉焼を同時に行ってもよい。
以上のように各部材は構成され、中心電極10と端子電極20とを備えた絶縁碍子30と接地電極40を備えた主体金具50とが、気密性向上のために板パッキン7、線パッキン8,8、タルク(滑石)9等を用いて周知の加締め工程によって加締め蓋60を形成して、スパークプラグ100は完成する。
さて、ここで本発明の要点の接地電極40について第1実施例である図2を用いて詳細に説明する。図2は主体金具50の先端面58に接地電極40が接合された状態を示したものである。なお、この接地電極40には外側チップ43が溶接されているが折り曲げる前の状態を示している。
この図2に示すとおり、接地電極40は自身の延伸方向(紙面の表裏方向に対応する)にみたときに、その外郭線は、中心電極10側(図面上側)が直線部401'としてなる平面401であり、その直線部401'の両端にはそれぞれの端部に連なるように曲率半径Rを有する円弧を描く弧状部402として形成されている。この第1実施例では、弧状部402は直線部401'の両端を連絡する一定の曲率半径を有する円弧となっており、換言すれば円柱状の接地電極のうち中心電極10側の側面を切り落としたような形状となっている。なお、この直線部401'及び平面401が本発明の「内側面」に相当する。
この直線部401'とその背面(スパークプラグの径方向外側に相当し、図面では下側となる。符号Bとして示す。)に位置する弧状部402までの長さ(図2中lと示す)が接地電極40の厚さに相当し、この厚さ方向に対して(紙面上において)垂直をなし、接地電極40の外郭線を結ぶ線分のうち、最も長い部分が接地電極40の幅DAに相当する。なお、接地電極40の厚さlは次のように決定される。接地電極40は主体金具50の先端面58に接合されるため、その厚さlは接地電極40の先端面58の厚さLを超えないように設定される。例えばM12の場合であると、主体金具50の先端部の外径Cは10.1mm、内径Cは7.3mm程度である。これらの数値は、前述の通り、絶縁碍子30の脚長部36の肉厚や、主体金具50の先端における小径孔54の内径Cと脚長部36との間隙を考慮して決定される。したがって、その径差の半分(C−C)/2が接地電極40の厚さlとしての最大値である。
接地電極40は主体金具50の先端面58に接合されている。この接合部を経由して接地電極40が受熱した熱は主体金具50へ伝搬される。仮に接地電極40の形状が略真円の円柱形状であるとすると、幅DAは上記厚さLに等しくφ1.4mm程度である(図2に符号V40、破線にて示す)。一方、第1実施例では平面401を設けることによって厚さlを1.3mm、幅DAを1.7mmとしている。このように形成することによって主体金具50の先端面58に対する接合面積を増大させることが可能となり、接地電極40の熱引きを良好なものとすることができる。
さて、このような形状を備える接地電極40に対し外側チップ43がレーザー溶接により接合される。外側チップ43の溶接の際は、接地電極40の中心電極10側に形成した平面401に接合することで良好な接合強度をもって接合することができる。この外側チップ43の長さは0.8mmであり、φ0.7mmの円柱形状をなしている。なお、外側チップ43の長さhはスパークプラグ100の完成時には貴金属チップの突出長hとして扱われ、模式図にて説明する本実施例においては同義であるが、厳密には、溶接時に溶融する部分が生じるため、貴金属チップの長さhよりも貴金属チップの突出長hの方が短くなることがある。
直線部401'の両端を基点とする弧状部402と同じ曲率半径Rをもって中心電極10側に仮想的に延長して描かれる円弧を仮想延長円弧VXとして示す。第1実施例である図2では弧状部402の曲率半径Rが一律であるため、弧状部402と仮想延長円弧VXとが形成する形状は略真円となる。この仮想延長円弧VXよりも外側チップ43が中心電極10側に突出して接合されているため、火花放電によって外側チップ43と内側チップ13との略中央にて着火した火炎は接地電極40の平面401に阻まれることなく成長することができる。このように、本発明の第の構成は、貴金属チップの長さの概念を含有した構成であり、その関係を満たすように構成すればよいが、一例として前記仮想延長円弧の交点からの突出量は0.1〜0.6mm程度突出させる構成とすることができる。なお、この第1実施例が弧状部402の円弧の中心が接地電極40の分断線O'上に含まれる例であり、その円弧の中心を点Cとして示す。この分断線O'が本発明の「直線部を分断するように描かれる、前記貴金属チップの軸線と平行な分断線」である。
また、本発明は第1実施例に限られることなく図3に示す第2実施例のようにしてもよい。なお、同一の作用効果を奏する部位については同一の符号を用いて説明する。
この第2実施例は第1実施例とは異なり、第1実施例の弧状部402に相当する部位が変曲点Pをもって第1弧状部4021R,4021Lと第2弧状部4022とに分けられて構成される形態である。この構成とすることによって接地電極40の幅DBは第1実施例の幅DAと同じであっても主体金具50の先端面58と接地電極40との接合面積を大きく取ることができ、接地電極40の熱引きを向上させることができる。この効果をより効果的に得るためには、第1弧状部4021R,4021Lの曲率半径Rに対して第2弧状部4022の曲率半径R'を大きくすることが望ましいが、その差が過大であると変曲点Pにおいて気流が接地電極40から剥離してしまう(気流とは着火した火炎や未燃焼混合気等を意味する。)おそれが生じる。この気流の剥離を抑えるために、曲率半径の差をある程度に留めるかもしくは第1弧状部4021R,4021Lの途中から徐々に曲率半径を変化させてもよい。なお、第1弧状部4021R,4021Lの曲率半径は、直線部401と接地電極40の幅DBの基点となる部位との間の円弧の曲率半径とし、この区間の円弧の曲率半径が一定でない場合は幅DBに隣接する部位のうち平面401側の部位を曲率半径の基準とみなせばよい。
この図3の第2実施例の形態であっても、第1弧状部4021R,4021Lの仮想延長円弧VXの交点よりも外側チップ43の先端面が中心電極10側に突出しているため、第1実施例と同様の効果を得ることができる。この第2実施例が第1弧状部4021R,4021Lの円弧の中心が接地電極40の中心線O'よりも当該円弧の反対側にある例を示しており、第1弧状部4021Rの中心点CR、第1弧状部4021Lの中心点をCLとして図示する。
次に比較例を図4に示し、第1比較例として説明する。なお、第1、第2実施例と同様に同一の作用効果を奏する部位については同一の符号を用いて説明する。
実施例1と同様に弧状部402の曲率半径Rの中心Cが接地電極40の分断線O'上に位置しているが、仮想延長円弧VXの交点よりも外側チップ43の先端面が突出していない例である。この構成であると、内側チップ13と外側チップ43との略中央にて着火した火炎は十分に成長する前に接地電極40の平面401に達してしまい、火炎の広がりが悪化してしまう。この自体を避けるために第1、第2実施例に示すように外側チップ43の先端面を仮想延長円弧VXの交点よりも中心電極10側に突出した構成とすることが望ましい。
さらに比較のために第2比較例を図5に図示して説明する。なお、第1比較例と同様に同一の作用効果を奏する部位については同一の符号を用いて説明する。なお、図5(a)は平面401(直線部401')を実施例1と同一形状に揃えた形態、図5(b)は接地電極40の幅DCを実施例1の幅DAに揃えた形態を示したものである。
この第2比較例は第2実施例と同様に、弧状部402に相当する部位が変曲点Pをもって第1弧状部4021R,4021Lと第2弧状部4022とに分けられて構成されている(ただし、図5(a)についてはその変曲点Pは直線部401'の両端に位置している。このため、仮想延長円弧VXが第1弧状部4021R、4021Lに相当する。)。その曲率半径は第2実施例と同様に変曲点Pよりも直線部401'寄りの第1弧状部4021の曲率半径に対して第2弧状部4022の曲率半径を大きくしている。なお、第1弧状部4021R、4021Lの曲率半径は(a),(b)ともに同一とし、接地電極40の幅DCの2分の1よりも小さい。
第2比較例図5(a)は平面401の大きさを第1実施例と同一としたものである。一方、第2比較例図5(b)は接地電極の幅DCを第1実施例と同一としたものである。図5(a)、(b)のいずれの例においても接地電極40の外郭線を円弧とすることによって気流に対する改善効果を得ることを鑑み、接地電極40の外郭線が接地電極40内部に向かって凹む箇所を形成しないようにしている。
図5(a)の例では、仮想延長円弧VXの交点よりも中心電極10側に外側チップ43が来るように構成しているので火炎成長性の面では問題はないが、変曲点P、直線部401'の両端にてスパークプラグ100の外部からの混合気が接地電極から剥離してしまい、火花放電間隙へ回り込みにくくなるおそれがある。また、接地電極40の主体金具50の先端面58への接合面積が小さいため熱引きが第1,第2実施例に比較して劣る。
図5(b)の例では、図5(a)の例に比較して主体金具50との接合面積が大きいので熱引きの面では問題がないが、仮想延長円弧VXの交点よりも中心電極10側に外側チップ43を突出させていたとしてもその絶対長が短くなってしまうため、火炎成長性が悪化するおそれがある。
この第2比較例の図5(a)、(b)に共通する構成として、第1弧状部4021の円弧の中心点が接地電極40の分断線よりもそれぞれの弧状部側に位置している構成がある。このためそれぞれの問題が生じるものと考えられる。したがって、弧状部の円弧の中心が当該接地電極の中心線上を含んで当該円弧の反対側にあることが望ましいといえる。
以上のようにスパークプラグを構成することによって、丸接地電極の効果である優れた火炎成長性を備えるとともに長寿命、高着火性能を有するスパークプラグを実現することが可能となる。
さて、図1及び図2に示す第1実施例に関し、火花放電ギャップGを1.1mmとし、と中心電極10に接合される内側チップ13の先端と接地電極40のうち最も中心電極10寄りの部位との間隙Hを種々変更してH−Gが次の表1に示す関係を有するようにスパークプラグ100をそれぞれ作成する。なお、貴金属チップはPt−10Ni製のφ0.6mm、突出長h0.6mmの寸法である。
作成したスパークプラグ100について、0.4MPaの大気圧条件下にて火花放電を100発生じさせる机上火花放電試験を行い、そのときに、接地電極40に接合される外側チップ43ではなく接地電極40母材や外側チップ43を接合するための溶融部に放電してしまった回数をカウントし、その発生割合を飛火率として示す。
Figure 0004693127
一方、上記同様にH−Gが次の表2に示す関係を有するように作成したスパークプラグ100について、実車にて16万km走行後に相当する模擬試験を実施し、そのギャップ増加量を調べた。なお、使用したエンジンは2000cc、4気筒エンジンである。
Figure 0004693127
上記表2より、H−Gが0.5mm以上であれば、飛火率が0%となる結果が得られたことからH−Gは0.5mmが下限値として設定される。一方、貴金属チップ43の消耗量に着目すると、H−Gが1mmを超えると、具体的には1.2mmのときにギャップ増加量が0.2mmを超えてしまう。一般的に高耐久性仕様のスパークプラグとしては10万キロ走行時にギャップ増加量が0.2mm以下であることが求められているため、H−Gは1.0mmが上限値として設定される。
本発明のスパークプラグ100の全体図を示し、その一部断面図である。 接地電極40を延伸方向の他端側からみたものであり、第1実施例を示す図である。 接地電極40を延伸方向の他端側からみたものであり、第2実施例を示す図である。 本発明に比較するための第1比較例を示す図である。 本発明に比較するための第2比較例を示す図である。
符号の説明
40 接地電極
43 外側(貴金属)チップ
50 主体金具
58 (主体金具)の先端面
100 スパークプラグ
401 平面(直線部)
402 弧状部
4021 第1弧状部
4022 第2弧状部

Claims (4)

  1. プラグ軸線O方向に伸びる棒状の中心電極と、
    軸孔を備え、自身の先端面から前記中心電極の先端を突出させた状態で前記軸孔に前記中心電極を保持する筒状の絶縁碍子と、
    前記絶縁碍子を保持する主体金具と、
    一端が前記主体金具の先端面に接合され、この一端から他端へ向かって伸びる接地電極とを備えたスパークプラグであって、
    前記接地電極は、
    前記中心電極をむ内側面と、当該内側面に対して背面である外側面とを有し、
    自身の延伸方向の他端側からみたときに、
    前記接地電極の前記内側面の外郭線が平面たる直線部と、
    当該直線部の両端を基点となす2つの弧状部、
    とを有し、
    前記外側面は弧状の曲面をなすとともに前記内側面には円柱状の貴金属チップが接合されており、
    前記2つの弧状部と同一の曲率半径Rを有し、当該弧状部から延長形成される2つの仮想延長円弧の中心電極側交点よりも前記貴金属チップの先端面が突出していることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記接地電極を自身の延伸方向の他端側からみたときに、
    前記2つの弧状部のうちの一方について、当該一方の弧状部を形成する円弧の中心が前記直線部を分断するように描かれる、前記貴金属チップの軸線と平行な分断線上を含んで前記2つの弧状部のうちの他方側にあることを特徴とする請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記接地電極の前記平面を基準とする前記貴金属チップの長さをh、前記接地電極の厚さをlとして、
    h+lの中点と前記貴金属チップの先端面との間に前記平面を設けることを特徴とする請求項1又は2記載のスパークプラグ。
  4. 前記中心電極の先端と前記接地電極に接合される貴金属チップとによって形成される火花放電ギャップGと、
    前記中心電極の先端と前記接地電極のうち最も中心電極寄りの部位との間隙Hとが、
    0.5mm≦H−G≦1.0mm
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし3記載のスパークプラグ。
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