JP4485084B2 - スパークプラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用スパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ギャップ間隔を狭くして放電電圧の低下を図ることを目的としたスパークプラグが提供されている。例えば、ガスエンジン用プラグの場合、燃料の特性上放電電圧が高くなる。それに対し、ギャップ間隔を狭くすることにより要求電圧を満たしつつ放電電圧をある程度低下させることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決すべき課題は、放電電圧が高いエンジン用として使用されるギャップ間隔の狭いスパークプラグにおいて、更なる放電電圧低減を達成し得るスパークプラグを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記のような課題を解決するために本発明は、
火花放電ギャップを挟んで対向する中心電極と接地電極と備え、それら電極の各々の前記火花放電ギャップに臨む位置に、貴金属を主体に構成された貴金属チップが固着されてなり、それら中心電極及び接地電極に設けられた貴金属チップの互いに対向する発火面間において前記火花ギャップが構成されるスパークプラグであって、
前記火花放電ギャップの間隔をgとし、かつ、前記中心電極側の貴金属チップの前記火花ギャップに臨む発火面(中心電極側チップ発火面)の外周縁と、その中心電極側チップ発火面と対向する接地電極側貴金属チップの発火面(接地電極側チップ発火面)の外周縁との最短距離をLとした場合、g≦0.6mm、かつL/g≦1.1の関係ともに満たすことを前提とする。
【0005】
中心電極及び接地電極に貴金属チップを使用したプラグでは、チップの外周縁(エッジ)部分に電界が集中するために、火花は最短となる発火面よりも外周縁間、即ちエッジ間で飛火し易くなる。しかしながら、この外周縁の最短距離がギャップ間隔に比べて大きくなりすぎると発火面間又はエッジ−発火面間で飛火し、エッジ間において飛火することに基づく放電電圧の低下を達成できなくなるが、上記のごとくL/g≦1.1とするとエッジ間において安定して飛火し、ひいては放電電圧の安定した低減を図ることが可能となる。なお、g≦0.6mmを満たすギャップ間隔の小さいプラグにおいては、ギャップ間隔を狭めることに基づく放電電圧の低減と、エッジ間の放電によりもたらされる放電電圧の低減とがともに期待でき、一層効果的である。
【0006】
なお、gが0.6mmを超えるスパークプラグにおいては、ギャップ間隔が広く、ギャップ間隔とエッジ間距離の関係によらずエッジ間の放電が起こりやすいため、エッジ間距離を調整しても効果が得られにくいが、上記g≦0.6mmのスパークプラグにおいては、放電電圧がL/gの影響をより大きく受けることとなるのである。
【0007】
そして、本発明のスパークプラグは、上記前提要件を備えた上で、接地電極側チップ発火面を、接地電極の電極母材面から突出する突出部の先端面に形成するようにし、該突出部の突出高さが0.1mm〜0.5mmの範囲に調整されることを特徴とする。突出部の突出高さが0.1mm未満であると、即ち発火面と電極母材表面との距離が0.1mm未満であると電極母材に対して貴金属チップを固着する際の溶接ダレ等によりチップ発火面外周縁がエッジとして機能し難くなる可能性がある。また、0.5mmを超えると電界が分散し、放電電圧の低下を達成できない。
【0008】
なお、上記寸法範囲に加え、中心電極側チップ発火面の外径が1.0mm以上となるように中心電極側貴金属チップを大きくすれば、チップの耐久性を向上させつつも、要求電圧を満たすことができ、相乗的効果をもたらすこととなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1((a)は正面図、(b)は半断面図)は、本発明の一例たるスパークプラグを示すものである。このスパークプラグ100は、例えばコジェネレーションガスエンジンの点火用に使用され、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された貴金属発火部31(以下、中心電極側貴金属チップ31、又は単にチップ31ともいう)を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上記貴金属発火部31に対向する貴金属発火部32(以下、接地電極側貴金属チップ32、又は単にチップ32ともいう)が形成されており、それらチップ31と、対向するチップ32との間の隙間が火花放電ギャップGとされている。
【0010】
スパークプラグ100は、火花放電ギャップGの間隔g(以下、ギャップ間隔gともいう)は0.2mm〜0.6mmである。また、プラグ全長L0は60〜100mm(例えば74.5mm)、ねじリーチL1は12.5〜26.5mm(例えば19mm)、取付ねじ部7の呼びはM10,M12,M14及びM18のいずれか(例えばM14)である。
【0011】
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0012】
中心電極3及び接地電極4のチップ被固着面形成部位、この実施例では少なくともその表層部がNi又はFeを主成分とする耐熱合金にて構成されている。例えばNiを主成分とする耐熱合金としては、INCONEL 600やINCONEL601 (ともに商品名)等を使用できる。
【0013】
図2に示すように、中心電極側貴金属チップ31及び対向する接地電極側貴金属チップ32の少なくともいずれか一方を、望ましくは両方をIrを主体に構成することができる。チップ31、32を構成する貴金属の材質としては以下のようなものがある。
1:Ir−Y2O3合金
Irを主成分として、Irの火花消耗を抑制する目的でY2O3を0.1〜15質量%の範囲で含有させることができる。Y2O3の含有量が0.1質量%未満になると、Y2O3によるIrの火花消耗抑制効果が十分に得られなくなる。一方、Y2O3の含有量が15質量%を超えると、チップの耐熱衝撃性が低下し、例えばチップを電極に溶接等により固着する際に、ひび割れ等の不具合を生ずることがある。
【0014】
2:Ir−Rh合金
Irを主体としてRhを1〜50質量%の範囲で含有させることができる。該合金の使用により、高温でのIr成分の酸化揮発による発火部の消耗がさらに効果的に抑制され、ひいてはより耐久性に優れたスパークプラグが実現される。なお、上記合金中のRh含有量が1質量%未満になると、Rh添加によるIrの酸化揮発の抑制効果が不十分となり、発火部が消耗しやすくなるためプラグの耐久性が低下する。一方、Rhの含有量が50質量%以上になると合金の融点が低下し、プラグの耐久性が同様に低下する。
【0015】
3:Ir−Pt合金
Ir又はPtを主成分とし、Irを2〜98質量%含有させることができる。この合金は、Irの添加により発火部の耐熱性が向上し、耐火花消耗性が特に良好である利点がある。ただし、Ir含有量が2質量%未満では上記効果が不十分となり、98質量%を超えると、Irの高温での酸化揮発が進みやすくなり、発火部の耐酸化消耗性が不十分となる場合がある。
【0016】
4:Ir−Ni合金
Irを主成分とし、Niを2〜30質量%含有させることができる。この合金は、Irを主成分とすることで発火部の耐熱性が向上し、耐火花消耗性が良好である利点がある。また、Niを含有していることで溶接部の耐剥離性を向上させる利点がある。ただし、Ni含有量が2質量%未満では、溶接部の耐剥離性が不十分となる場合があり、Ni含有量が30質量%以上では、合金の融点が低下して耐火花消耗性が不十分となる場合がある。
【0017】
なお、Irを主体とするもの以外を用いてもよい。例えば、Pt−Ni合金、即ち、Ptを主成分とし、Niを2〜40質量%含有させることができる。この合金は、溶接部の耐剥離性が向上する等の利点がある。ただし、Ni含有量が2質量%未満では上記効果が不十分となり、40質量%を超えると合金の融点が低下して、発火部の耐火花消耗性が不十分となる。
【0018】
そして、火花放電ギャップGの間隔をgとし、かつ、中心電極側貴金属チップ31の火花放電ギャップGに臨む発火面(中心電極側チップ発火面31A)の外周縁と、その中心電極側チップ発火面31Aと対向する接地電極側貴金属チップ32の発火面(接地電極側チップ発火面32A)の外周縁との最短距離をLとした場合、g≦0.6mm、かつL/g≦1.1の関係ともに満たすように設定される。gは上記のごとく0.2mm以上とすることができ、L/gについては1.0以上とすることができる。なお、gを0.2mm未満とすると、ギャップ間隔が狭すぎるため加工が困難となるとともに、着火性が低下する可能性がある。
【0019】
図4には、接地電極側貴金属チップ32のいくつかの例における外周縁位置(エッジ位置)の規定について説明している。図4(a)のように厚さ方向の断面外形線が角状となるように形成される接地電極側貴金属チップ32は、その角状部の頂点、即ち、側面外形線32Bと接地電極側チップ発火面32Aの外形線との交点をエッジ位置として規定する。なお、本実施例においては接地電極チップ発火面のエッジ位置(外周縁位置)をP4と示す。また、厚さ方向に切断する断面において、側面外形線32が曲線部を有する図4(b)ないし図4(d)のようなものについては、以下のようにエッジ位置を規定することができる。図4(b)のように、側面外形線32Bが曲線形状を有し、その側面外形線32Bと接地電極側チップ発火面32Aの外形線の接続部が不連続となるものについては、曲面形状を呈する側面と接地電極側チップ発火面32Aとの境界、図4(b)の例では曲面外形線32Bと接地電極側チップ発火面32Aの外形線との境界をエッジ位置P4とする。
【0020】
図4(c)のように側面外形線32Bが直線となっており、接地電極側チップ発火面32Aとの接続部分においてアールが形成されるような場合には、側面外形線32Bと接地電極側チップ発火面32Aの外形線とのそれぞれの延長線(延長線X,Y:図4(c))上における交点をエッジ位置P4とみなす。また、側面外形線32Bが曲線であり、かつ接地電極側チップ発火面32Aの外形線との接続部分が連続的に形成される、図4(d)のような場合には以下のようにエッジ位置P4を定義する。即ち、接地電極側チップ発火面32Aの高さHに対する90%の高さH90において電極母材表面4Aと平行な仮想面を規定し、その仮想面と接地電極側貴金属チップ32の側面32Bとの交線を外周縁(エッジ)とみなす。図4(d)のような断面においては、電極母材表面4Aと平行な仮想線L90(仮想面を概念的に示す線)を引いた場合にその仮想線L90と側面外形線32Bとの交点がエッジ位置P4となる。
【0021】
なお、ここでは、接地電極側チップ発火面32Aのエッジ位置の規定について説明したが同様の方法にて中心電極側チップ発火面31Aのエッジ位置をも規定する。中心電極側貴金属チップ31が図4(a)ないし(c)のような側面及び発火面形状である場合には同様に適用でき、図4(d)のように側面と発火面とが連続的に続く形状である場合には以下のごとく規定する。即ち、中心電極側貴金属チップ31の軸線方向(当該スパークプラグの軸線方向)におけるチップ31の後方側端縁(なお、軸線方向において火花ギャップに向かう側を前方側とする)を基点とする高さH’の、同一基点からの90%の高さH’90におけるその軸線方向と平行な仮想面を規定し、その仮想面と中心電極側貴金属チップ31の側面との交線を外周縁とする。なお、ここでいう中心電極側貴金属チップ31後方側端縁は電極母材とチップ31との境界を意味するが、これら間に溶融部が介在する場合にはその溶融部とチップ31の境界を意味する。
【0022】
また、図3のように、接地電極側チップ発火面32Aは、接地電極4の電極母材面4Aから突出する接地電極側貴金属チップ32の先端面に形成されてなるが、この接地電極側貴金属チップ32の突出高さH(以下、出寸法Hともいう)については0.1mm〜0.5mmの範囲に調整することが望ましい。このような範囲に調整することにより、放電電圧の一層の低減を図ることができる。なお、図3(a)及び(b)のように、中心電極側貴金属チップ31と接地電極側貴金属チップ32とが互いに同心的に形成される円形形状のものについては、以下の式により算出される値をエッジ間距離Lとみなすようにしてもよい。なお、図3のごとく接地電極側貴金属チップ32を円形形状とすると、チップ32の外周縁全体にわたってエッジ間最小距離となるため満遍なく飛火し、偏消耗を抑制することができる。
【0023】
【数1】
【0024】
このような式を用いることにより、中心電極側貴金属チップ31の径a及び接地電極側貴金属チップ32の径bに基づいて容易にエッジ間距離Lを知ることができ、エッジ間距離Lの効率的設定に寄与する。なお、本実施例において、接地電極側貴金属チップ32の径は、上記方法により規定された接地電極側チップ発火面32Aの外周縁の径を意味する。また、中心電極側貴金属チップ31の径は、同様に中心電極側チップ発火面31Aの外周縁の径を意味する。
【0025】
以下、本発明のスパークプラグの、製造方法の実施例について説明する。
図6に示すように、中心電極3の先端面に上記チップ31(図1)を構成する合金組成からなる円板状のチップ31’を重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に沿ってレーザー溶接により全周レーザー溶接部(以下、単に溶接部ともいう)W1を形成してこれを固着することによりチップ31が形成される。また、対向するチップ32(図1)は、チップ31に対応する位置において接地電極4にチップ32’を位置合わせし、その接合面外縁部に沿って同様に溶接部W2を形成してこれを固着することにより形成される。
【0026】
なお、チップがIr系金属の場合は高融点であるため、上記のようなレーザー溶接による接合が望ましいが、Pt系金属の場合は、Ir系金属よりは低融点であるため抵抗溶接による接合も可能である。なお、本発明において、中心電極側チップ発火面31Aの外径aは1.0mm以上とすることができる。このようにすると、チップの耐久性を高めることができる。また、この外径aを2.0mm以下とすると上記のようなレーザ溶接において電極母材との溶接状態が良好となる。なお、aが2.0mmを超えると、溶接による溶融部が内部まで浸透せず剥離が生じる可能性がある。
【0027】
これらチップ31’,32’(以下、チップ31,32を総称する場合は、符号「150」を用いる場合がある)は、所定の組成となるように各合金成分を配合・溶解することにより得られる溶解材を、例えば冷間圧延により板材に加工し、その板材を熱間打抜き加工により所定のチップ形状に打ち抜いて形成したものや、合金を熱間圧延、熱間鍛造あるいは熱間伸線により線状あるいはロッド状の素材に加工した後、これを長さ方向に所定長に切断して形成したものを使用できる。また、アトマイズ法等により球状に成形したものも使用できる。
【0028】
図5には、接地電極貴金属側チップ32の形状のいくつかの例について示している。接地電極側チップ発火面32Aの面形状については、例えば、図5(a)のような四角形、(b)のような六角形等の多角形形状とすることができる。例えば、四角形とすると、細長板状に形成される貴金属リボンを切断する加工のみにより製造できるため加工が容易となり、かつ、打ち抜き加工等によらずとも製造できるため材料のロスが少ない。
【0029】
【実験例】
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
実験1:スパークプラグを加圧チャンバーに取り付け、チャンバー内の加圧力を0.8MPaに調整し、放電電圧測定試験を机上にて行った。n=5×1000発の放電電圧最大値を測定した。結果を表1に示す。なお、表1及び表2においては、中心電極チップ径、接地電極チップ径、ギャップ間隔g、エッジ間距離Lの単位が全て(mm)で表されるものとする。また、以降の実験においては、中心電極側貴金属チップ及び接地電極側貴金属チップについては、図3のような円形形状のものを使用している。
【0030】
【表1】
【0031】
なお、サンプル1ないし3においては、接地電極のチップ径bを1.6mm、ギャップ間隔gを0.4mmに設定し、かつ中心電極のチップ径を変更することによりL/gを三段階に設定した。サンプル1と、2及び3とを比較すると、サンプル2及び3のほうが中心電極の径が大きく設定されるにもかかわらず、L/gを小さくすることにより放電電圧を低減できることが確認された。また、サンプル7ないし10においては、中心電極のチップ径aを1.0mm、ギャップ間隔gを0.4mmと一定とし、接地電極のチップ径bを複数設定してL/gの異なる複数のサンプルにて実験を行った。
【0032】
これらの場合においても、L/gの値が小さいほうが放電電圧を低減できることが確認された。さらに、サンプル4ないし6においては、中心電極の径a、接地電極の径bをともに同一とした場合、即ちL/g=1の場合について、ギャップ間隔の異なる複数のサンプルを用意して放電電圧を調べた。なお、サンプル2についてもL/g=1となっている。これらの場合においては、ギャップ間隔gを狭めるにつれて放電電圧が低下することが確認された。
【0033】
表1において、特にサンプル6及び7を比較すると、サンプル7はサンプル6よりも中心電極を小さくし、ギャップ間隔gを狭くしているため、従来においてはサンプル7のほうが放電電圧が低くなると推測されるが、L/gを低く設定することにより中心電極の径を大きくし、ギャップ間隔を広くしても放電電圧を低下させることが可能であることが判明した。
【0034】
また、サンプル11ないし14は、ギャップ間隔を0.8mmとした場合についての例を示している。サンプル11と12を比較すると、L/gを小さくすることにより若干放電電圧が低減し、サンプル13と14を比較するとL/gを小さくしても放電電圧の低減が達成されていないこと判る。即ち、ギャップ間隔が0.6を超えると、L/gを調整しても放電電圧低減の効果が得られにくいことが判明した。言い換えれば、L/gによる放電電圧低減効果は、0.6mm以下のギャップ間隔において特有の効果であることが確認された。
【0035】
実験2:スパークプラグを3気筒ガスエンジンに取り付けるとともに、燃料に都市ガス13Aを用い、1000rpm、100%負荷、始動10分後における1000発データの放電電圧最大値を実機にて測定した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
なお、サンプル15ないし17においては、接地電極及びギャップ間隔を一定とし、中心電極のチップ径を調整したL/gの異なる三種のプラグを用意し、サンプル18ないし20においては、中心電極のチップ径及びギャップ間隔を一定とし、接地電極のチップ径を調節して、L/gの異なる三種のプラグを用意した。サンプル16、17及び20のごとくL/g≦1.1として設定されるものはいずれも放電電圧が20kVを下回る結果となり、放電電圧低減効果があることが確認された。
【0038】
実験3:次に、中心電極及び接地電極にともに円形のチップを用い、中心電極のチップ径を1.2mm、接地電極のチップ径を1.6mm、ギャップ間隔gを0.5mmとした場合において、接地電極の出寸法を0.05mm〜0.6mmの範囲内にて異なる出寸法のスパークプラグを複数作成し、出寸法を各々設定した場合における放電電圧最大値を測定した。実験結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
実験結果によれば、出寸法が0.1mm未満、及び0.5mmを超えると放電電圧が上昇することが確認され、0.1mm〜0.5mmの範囲に調整することが有用であることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す正面図及びその半断面図。
【図2】その要部を示す拡大断面図。
【図3】貴金属チップ形状の一例について示す側面図及び平面図。
【図4】エッジ位置の規定方法について示す説明図。
【図5】貴金属チップ形状の別例について示す図。
【図6】本発明のスパークプラグの製造方法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
3 中心電極
4 接地電極
31 中心電極側貴金属チップ
31A 中心電極側チップ発火面
32 接地電極側貴金属チップ
32A 接地電極側チップ発火面
100 スパークプラグ
G 火花放電ギャップ
Claims (3)
- 火花放電ギャップを挟んで対向する中心電極と接地電極と備え、それら電極の各々の前記火花放電ギャップに臨む位置に、貴金属を主体に構成された貴金属チップが固着されてなり、それら中心電極及び接地電極に設けられた貴金属チップの互いに対向する発火面間において前記火花ギャップが構成されるスパークプラグであって、
前記火花放電ギャップの間隔をgとし、かつ、前記中心電極側の貴金属チップの前記火花ギャップに臨む発火面(以下、「中心電極側チップ発火面」とも言う)の外周縁と、その中心電極側チップ発火面と対向する接地電極側貴金属チップの発火面(以下、「接地電極側チップ発火面」とも言う)の外周縁との最短距離をLとした場合、g≦0.6mm、かつL/g≦1.1の関係をともに満たすとともに、
前記接地電極側チップ発火面は、前記接地電極の電極母材面から突出する前記接地電極側の貴金属チップの先端面に形成されてなり、該接地電極側の貴金属チップの突出高さが0.1mm〜0.5mmの範囲に調整されることを特徴とするスパークプラグ。 - 前記中心電極側の貴金属チップ及び前記接地電極側の貴金属チップの少なくともいずれか一方がIrを主体に構成される請求項1に記載のスパークプラグ。
- 前記中心電極側チップ発火面の外径が1.0mm以上である請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
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