JP2009023490A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボディサイド部及び乗員間の狭い空間においてエアバッグによる乗員の拘束を確実に行い、車両の側方からの衝撃に対する乗員の保護性能を向上させる。
【解決手段】サイドエアバッグ装置は、シートフレームの後フレーム部RFがシートバック14における中間部18の後部に位置し、シートパッド30の中間パッド部31が上記中間部18の前部に位置する車両に適用される。同装置におけるエアバッグは、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60を備える。主エアバッグ50は、インフレータ71からのガスによりシートバック14の外側部17から車両前方へ飛び出し、車両のボディサイド部及び乗員P間で膨張する。補助エアバッグ60は、インフレータ71からのガスにより、後フレーム部RF及び中間パッド部31間で膨張して、同中間パッド部31における上記外側部17寄りの箇所Aを車両前方へ押圧する。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両に側方から衝撃が加わった場合にボディサイド部と車両用シートとの間でエアバッグを膨張展開させ、そのエアバッグにより上記衝撃を緩和して乗員を保護するようにしたサイドエアバッグ装置に関するものである。
側突等により車両に側方からの衝撃が加わった場合にその衝撃から乗員を保護する装置としてサイドエアバッグ装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。サイドエアバッグ装置は、インフレータ及びエアバッグを備えており、エアバッグが折り畳まれることによりコンパクトにされた状態で車両用シートのシートバック(背もたれ)に収納されている。
上記サイドエアバッグ装置では、車両のボディサイド部に側方から衝撃が加わると、インフレータが作動してガスをエアバッグ内に噴出する。噴出されたガスによりエアバッグが膨張展開し、シートバックを特定の箇所で破断させる。エアバッグは、自身の一部をシートバック内に残した状態で同シートバックの破断箇所から飛び出す。このエアバッグは、車両用シートに着座した乗員とボディサイド部との間の空間において、シートバックから前方へ向けて膨張展開される。膨張展開したエアバッグが、乗員と車室内に侵入してくるボディサイド部との間に介在して乗員を拘束し、ボディサイド部を通じて乗員へ伝わる側方からの衝撃を緩和する。
特開平10−81187号公報
ところで、サイドエアバッグ装置は、上述したように、車両用シートに着座した乗員とボディサイド部との間の空間でエアバッグを膨張させて衝撃を吸収するものである。この空間は、側突以外の衝突形態、例えば前突に比べて狭い。また、この空間は車両の大きさによっても異なり、一般に小型の車両になるほど上記空間が狭くなる。そこで、こうした狭い空間でもエアバッグを確実に膨張展開させて乗員を確実に保護できることが重要である。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ボディサイド部及び乗員間の狭い空間においてエアバッグによる乗員の拘束を確実に行うことができ、車両の側方からの衝撃に対する乗員の保護性能を向上させることのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両用シートのシートバックが、シートフレームと、そのシートフレームの近傍に配置されたシートパッドとを備え、同シートバックの車幅方向についての中間部では、前記シートフレームの後フレーム部が後部に位置し、前記シートパッドの中間パッド部が前部に位置する車両に適用され、インフレータと、前記インフレータからのガスにより膨張するエアバッグとが、前記シートバックの少なくとも外側部に組み込まれたサイドエアバッグ装置であって、前記エアバッグが、前記インフレータからのガスにより前記シートバックの前記外側部から車両前方へ飛び出し、車両のボディサイド部と前記車両用シートに着座した乗員との間で膨張する主エアバッグと、前記インフレータからのガスにより、前記後フレーム部及び前記中間パッド部間で膨張して、同中間パッド部における前記外側部寄りの箇所を車両前方へ押圧する補助エアバッグとを備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータからガスが噴出されると、シートバックでは、補助エアバッグが後フレーム部と中間パッド部との間で膨張する。この膨張する補助エアバッグによって、中間パッド部の外側部寄りの箇所が車両前方へ押圧されて車両前側へ膨らむ。この膨らむ中間パッド部により、シートバックにもたれている乗員が背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられる。
また、上記インフレータからのガスにより主エアバッグが折り状態を解消(展開)しながら膨張していくと、シートバックの外側部がその主エアバッグにより押圧され、所定の箇所において破断される。主エアバッグは、一部をシートバック内に残した状態で、破断された箇所を通じて外側部から飛び出す。その後、主エアバッグはシートバックの外部、より正確には、車両のボディサイド部と車両用シートに着座している乗員との間で車両前方に向けて膨張展開する。膨張展開した主エアバッグが、乗員と車室内に侵入してくるボディサイド部との間に介在して乗員を拘束する。
このように、請求項1に記載の発明では、補助エアバッグによって乗員を車内側へ移動させることで、車両のボディサイド部と乗員との間の狭い空間を車幅方向に拡げることができる。そのため、主エアバッグによる乗員の拘束をより確実に行い、車両の側方からの衝撃に対する乗員の保護性能の向上を図ることが可能である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補助エアバッグは、前記主エアバッグよりも早く前記インフレータからのガスの供給を受けるように構成されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータからのガスにより補助エアバッグが主エアバッグよりも早い時期から膨張を開始する。これに伴い、主エアバッグによる乗員の拘束に先立ち、補助エアバッグによる中間パッド部の押圧及び膨出が行われ、乗員が車内側へ移動させられる。従って、ボディサイド部及び乗員間の空間を確実に車幅方向に拡げたうえで主エアバッグを膨張展開させることができ、上記請求項1に記載の発明の効果が確実に得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記主エアバッグ及び前記補助エアバッグは、前記主エアバッグの内部と前記補助エアバッグの内部とを連通させる連通孔部を介して相互に連結されており、前記インフレータは、前記補助エアバッグ内に配置されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータからガスが噴出されると、そのガスは補助エアバッグ→連通孔部→主エアバッグの順に流れる。そのため、主エアバッグよりも早い時期から補助エアバッグに膨張を開始させることが可能となる。
なお、連通孔部の形成に際しては、主エアバッグ及び補助エアバッグにおいて相対向する箇所にそれぞれ孔をあけ、これらの孔を合致させた状態で、主エアバッグ及び補助エアバッグを、両孔を取り囲むように接合させてもよい。このようにすると、連通孔部の形成と、主エアバッグ及び補助エアバッグの連結とを同時に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記インフレータは長尺状をなし、その一方の端部にガス噴出口を有しており、前記連通孔部は、前記インフレータの軸線方向について、前記ガス噴出口とは反対側の端部の近傍に設けられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータのガス噴出口からガスが噴出されると、そのガスはまず補助エアバッグに供給される。このガスにより補助エアバッグが膨張し始めるが、補助エアバッグにガスがある程度満たされるまでは、ガスは連通孔部から主エアバッグに流入しにくい。これは、連通孔部が、インフレータの軸線方向について、ガス噴出口とは反対側の端部の近傍に設けられていて、同連通孔部がガス噴出口から大きく離れているからである。そして、ガスにより補助エアバッグの膨張がある程度進行してから、同ガスが連通孔部を通って主エアバッグ内に流入し、同主エアバッグが補助エアバッグに遅れて膨張を開始する。
シートバックの外側部内にシートフレームの外サイドフレーム部が位置している車両用シートに補助エアバッグを配置する場合、同補助エアバッグは、請求項5に記載の発明によるように、前記主エアバッグから独立して折り畳まれた状態で外サイドフレーム部の車内側近傍に配置されてもよい。
ここで、仮に主エアバッグ及び補助エアバッグが一緒に折り畳まれていると、主エアバッグ及び補助エアバッグを互いに異なる方向(補助エアバッグ:車内側、主エアバッグ:車両前側)へ膨張展開させることが難しい。
この点、請求項5に記載の発明によれば、主エアバッグから独立して折り畳まれた補助エアバッグは、主エアバッグの影響を受けることなく、インフレータからのガスにより折り状態を解消(展開)しながら、後フレーム部と中間パッド部との間で膨張展開する。この膨張する補助エアバッグによって、中間パッド部の外側部寄りの箇所が押圧されて車両前側へ膨らみ、シートバックにもたれている乗員が背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられる。
また、インフレータからのガスにより補助エアバッグが上記のように膨張展開し始めると、外サイドフレーム部を受圧部として機能させることも可能である。この機能発揮により、ガスの圧力が外サイドフレーム部によって受け止められて、車内側へ向かう反力が発生し、補助エアバッグが後フレーム部と中間パッド部との間で確実に膨張展開するようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記補助エアバッグの少なくとも膨張初期に同補助エアバッグを前記後フレーム部及び前記中間パッド部間に導くガイド手段がさらに設けられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、折り畳まれた状態の補助エアバッグへのガス供給により、同補助エアバッグが膨張して折り状態を解消(展開)し始めるときには、同補助エアバッグの展開方向がガイド手段によって規制される。この規制により、補助エアバッグの膨張初期には、同補助エアバッグが後フレーム部及び中間パッド部間に導かれる。また、膨張初期に展開方向が規制されると、補助エアバッグは、その後も規制された展開方向に向けて膨張展開し続ける。そのため、補助エアバッグが後フレーム部及び中間パッド部間とは異なる方向へ膨張展開する現象が起こりにくい。
上記ガイド手段としては、例えば請求項7に記載の発明によるように、前記後フレーム部の車両前側に配置され、かつ車両前後方向に対し略直交する後部ガイド面を有する後部ガイド部材を少なくとも備えるものを用いることができる。
この場合、補助エアバッグがガスにより膨張して折り状態を解消し始めるときには、同補助エアバッグの展開方向が少なくとも後部ガイド部材によって規制される。この規制により補助エアバッグは、車両前後方向に対して略直交する後部ガイド面に沿って後フレーム部及び中間パッド部間に確実に導かれ、請求項6に記載の発明の効果が確実に得られる。
また、主エアバッグ及び補助エアバッグ間であって、連通孔部とは異なる箇所が隙間となっている場合、上記ガイド手段は、請求項8に記載の発明によるように、自身の一部が車幅方向に延びて前記隙間を通るように配置された帯状部材により構成されてもよい。
この場合、補助エアバッグがガスにより膨張して折り状態を解消し始めるときには、同補助エアバッグの展開方向は、上記のように車幅方向に延びて隙間に通された帯状部材によって規制される。この規制により、主エアバッグの膨張に影響を及ぼすことなく、補助エアバッグは後フレーム部及び中間パッド部間に確実に導かれ、請求項6に記載の発明の効果が確実に得られる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記シートパッドについて前記外側部に対応する箇所の周りには、低伸長性材料からなり、かつ膨張する主エアバッグによる同箇所の破断を補助する既設の帯体が配置されており、この帯体が前記帯状部材として用いられ、同帯体の一部が車幅方向に延びて前記隙間を通るように配置されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、低伸長性材料からなり、かつシートパッドについて外側部に対応する箇所の周りに配置された既設の帯体は、本来の機能として、膨張するエアバッグによる同箇所の破断を補助する。これに加え、帯体は上記帯状部材として機能し、補助エアバッグの膨張初期の展開方向を規制する。そのため、帯状部材を別途設けなくてもすむ。
上記請求項8における帯状部材としては、例えば請求項10に記載の発明によるように、同帯状部材の一方の端部が、前記シートフレームについて前記シートバックの前記外側部内に位置する外サイドフレーム部に固定され、他方の端部が、前記シートフレームについて前記シートバックの内側部内に位置する内サイドフレーム部に固定されているものを採用することもできる。
このように、帯状部材の一方の端部を外サイドフレーム部に固定し、他方の端部を内サイドフレーム部に固定することで、同帯状部材を内外両サイドフレーム部間において、車幅方向に延びた状態にすることができる。そのため、帯状部材を、車幅方向に延びて隙間を通るように配置することができる。
ここで、補助エアバッグは、上述したように折り畳まれた状態で配置されるほか、請求項11に記載の発明によるように、前記後フレーム部及び前記中間パッド部間に展開させられた状態で配置されてもよい。
この場合、シートバック内には、一方の端部が補助エアバッグの内端部に連結され、他方の端部がシートフレームについて、前記内端部よりも車内側の箇所に連結された帯状部材が設けられることが望ましい。
このようにすると、補助エアバッグは帯状部材により展開させられた状態に保持される。そのため、補助エアバッグがシートバック内の適正位置からずれた箇所に組み付けられる現象や、後席の乗員の昇降時等に、前席の補助エアバッグが後席の乗員の脚等により押されてシートバック内の適正位置からずれる現象等が起こりにくくなる。
なお、上記補助エアバッグにインフレータからのガスが流入すると、同補助エアバッグは後フレーム部及び中間パッド部間の適正箇所で膨張し、中間パッド部の外側部寄りの箇所を確実に押圧して車両前側へ膨らませる。そのため、請求項1に記載の発明の効果が確実に得られる。
本発明は、主エアバッグ及び補助エアバッグが互いに独立した状態で配置されており、それらのエアバッグ毎にインフレータを用いたサイドエアバッグ装置にも適用可能である。すなわち、請求項12に記載の発明によるように、前記インフレータは、前記主エアバッグ内に配置された主インフレータと、前記補助エアバッグ内に配置され、かつ前記主インフレータに先立ち同補助エアバッグへのガスの供給を開始する補助インフレータとを備えるものであってもよい。
この場合、シートバックの外側部では、まず補助インフレータから補助エアバッグにガスが供給され始める。このガスにより、補助エアバッグが、後フレーム部と中間パッド部との間で膨張し、中間パッド部の外側部寄りの箇所が押圧されて車両前側へ膨らむ。シートバックにもたれている乗員が背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられ、ボディサイド部及び乗員間の空間が車幅方向に拡げられる。
また、上記補助インフレータに遅れて主インフレータからガスが主エアバッグに供給され始める。このガスにより主エアバッグが折り状態を解消(展開)しながら膨張していき、シートバックの外側部から飛び出し、上記のように拡げられた空間で車両前方に向けて膨張展開し、乗員を拘束する。
このように、ボディサイド部及び乗員間の空間を車幅方向に確実に拡げたうえで主エアバッグを膨張展開させることができ、請求項2に記載の発明の効果が得られる。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1つに記載の発明において、前記後フレーム部の車両後側には前記補助エアバッグ内のガスの圧力を受け、車両前方へ向かう反力を発生させる受圧板が配置されていることを要旨とする。
上記の構成によれば、インフレータからガスが供給されて補助エアバッグが膨張する際、同補助エアバッグ内のガスの圧力が受圧板によって受け止められて、車両前方へ向かう反力が発生する。この反力により、中間パッド部の外側部寄りの箇所が押圧されて車両前側へ膨らみ、シートバックにもたれている乗員が背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられる。
本発明のサイドエアバッグ装置によれば、補助エアバッグにより乗員を車内側へ移動させて、ボディサイド部及び乗員間の狭い空間を車幅方向に拡げるようにしている。そのため、主エアバッグによる乗員の拘束を確実に行うことができ、車両の側方からの衝撃に対する乗員の保護性能の向上を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
なお、以下の記載において、車両の前進方向を前方(車両前方)として説明し、車両の後進方向を後方(車両後方)として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。また、各図において、「前」は車両前側を、「後」は車両後側を、「内」は車両内側を、「外」は車両外側をそれぞれ示している。
図1及び図2の少なくとも一方に示すように、車両においてボディサイド部11の車内側(図2の上側)の近傍には車両用シート12が配置されている。ここで、ボディサイド部11とは、車両の側部に配置された部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応するボディサイド部11は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部11は、サイドドア(リアドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リアクォータ等である。
車両用シート12は、シートクッション(座部)13、シートバック(背もたれ部)14及びヘッドレスト15を備えて構成されている。
ここで、シートバック14の各部を区別するために、同シートバック14の車内側の部分を内側部16といい、車外側の部分を外側部17といい、内外両側部16,17間の部分を中間部18というものとする。内外各側部16,17の前部は、中間部18よりも車両前側へ張り出したサイドサポート部19となっている。両サイドサポート部19,19は、車両用シート12に着座してシートバック14にもたれた乗員Pの車幅方向の動きを規制するように乗員Pをサポートするためのものである。
図3及び図4の少なくとも一方に示すように、シートバック14の骨格はシートフレーム20によって構成されている。シートフレーム20は、内サイドフレーム部21、外サイドフレーム部22及び上部フレーム部23を備えている。内サイドフレーム部21は、内側部16内に配置されて略上下方向に延びている。外サイドフレーム部22は、外側部17内に配置されて略上下方向に延びている。外サイドフレーム部22は、金属板を曲げ加工することによって形成されている。外サイドフレーム部22は、車両前後方向へ延びる板状の側壁部22Aと、その側壁部22Aの後端から車内側へ折り曲げられた板状の後壁部22Bとを備えている。側壁部22A及び後壁部22Bは略上下方向にも延びており、いずれも面状をなしている。なお、説明を省略するが、内サイドフレーム部21も上記外サイドフレーム部22と同様の構成を採っている。内外両サイドフレーム部21,22は、それらの下端部においてシートクッションフレーム(図示略)に対し、車幅方向に延びる軸によりそれぞれ回動可能に支持されている。シートフレーム20は、この軸を支点として前後方向へ傾動可能である。
上部フレーム部23はシートバック14の上部に配置されている。上部フレーム部23は、その大部分が車幅方向に延びており、両端部分において略下方へ曲げられている。こうした構成により、上部フレーム部23は、全体として倒立略U字状をなしている。上部フレーム部23は、下方へ曲げ形成された両端部23A,23Aにおいて、上記内外両サイドフレーム部21,22の上端部に溶接等によって固定されている。
上部フレーム部23には、ヘッドレスト15の支柱24,24を挿通するためのパイプ25,25が固定されている。上部フレーム部23の両端部23A,23A間には、棒材からなる水平フレーム部26が架設されている。水平フレーム部26には、略U字状をなす補助フレーム部27が吊り下げられている。補助フレーム部27の両垂直部27A,27A間、又は内外両サイドフレーム部21,22間には、複数本のワイヤフレーム部28,28,…が上下方向に互いに離間した状態で架設されている。これらの水平フレーム部26、補助フレーム部27及びワイヤフレーム部28によって後フレーム部RFが構成されている。
シートフレーム20の近傍には、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド30が配設されている。ここで、シートパッド30の各部を区別するために、同シートパッド30について、後フレーム部RFの前側に位置する部分を中間パッド部31という。また、シートパッド30について、内外各サイドフレーム部21,22の前側に位置する部分を前サイドパッド部32といい、後側に位置する部分を後サイドパッド部33というものとする。なお、図4では、中間パッド部31が後フレーム部RFから前方へ大きく離間した状態が描かれているが、同中間パッド部31は後フレーム部RFに接近していてもよい。要は、後述する補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31間に入り込むことのできる構成であればよい。
シートパッド30は複数枚の表皮34〜36によって被覆されている。表皮35,36は、外側部17の外側面前部において重ね合わされて縫合されている。この縫合部分(以下「側部縫合部37」という)は、前サイドパッド部32の外側面前部に設けられた溝部38に収容されている。側部縫合部37は、両表皮35,36の非縫合部分よりも強度が低いことから、後述する主エアバッグ50によって破断される破断予定部BPの一部を構成している。
また、図6に示すように、中間パッド部31と前サイドパッド部32との間には溝部39が設けられている。表皮34,35は、外側部17及び中間部18の境界部分において重ね合わされて縫合されている。この縫合部分(以下「中間縫合部40」という)は、車両後方へ引っ張られた状態で上記溝部39内に収容されている。
中間縫合部40を車両後方へ引っ張った状態に保持するために、次の構成が採用されている。中間縫合部40には布等からなるワイヤ取付け部41が共縫いされており、略上下方向に延びる吊り込みワイヤ42がこのワイヤ取付け部41に挿入されている。また、中間パッド部31において上記溝部39の後方近傍となる箇所には、上下方向に延びるインサートワイヤ43が埋設されている。そして、これらの吊り込みワイヤ42及びインサートワイヤ43は、上下方向についての複数箇所においてリング44をかしめることによって連結されている。リング44の材料としては金属が代表的である。なお、図6ではかしめる前の状態のリング44が図示されている。
図4に示すように、前サイドパッド部32及び後サイドパッド部33間において外サイドフレーム部22の周りには、サイドエアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールAMを組み込むための収容空間45が設けられている。
収容空間45の車外側かつ前方側の角部からは、表皮35,36の側部縫合部37に向けてスリット46が延びている。前サイドパッド部32においてスリット46と側部縫合部37との間の箇所は薄肉状をなしており、側部縫合部37とともに上記破断予定部BPを構成している。
上記収容空間45に組み込まれるエアバッグモジュールAMは、エアバッグ及びインフレータアセンブリ70を主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。
<エアバッグ>
エアバッグは、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60を備えて構成されている。主エアバッグ50は、折り畳まれた状態で配置され、インフレータアセンブリ70からのガスによりシートバック14の外側部17から車両前方へ飛び出し、ボディサイド部11と車両用シート12に着座している乗員Pとの間で膨張展開するエアバッグである(図14参照)。主エアバッグ50は、一般的なサイドエアバッグ装置に用いられるエアバッグに該当する。一方、補助エアバッグ60は、インフレータアセンブリ70からのガスにより、後フレーム部RFと、その車両前側に位置する中間パッド部31との間で膨張して、同中間パッド部31における上記外側部17寄りの箇所Aを車両前方へ押圧するエアバッグである。
図7(A)は、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60がガスを充填されることなく展開させられた状態のエアバッグモジュールAMを、車外側から見た状態を示している。図7(B)は、図7(A)の状態と同様の上記エアバッグモジュールAMを車内側から見た状態を示している。また、図8(A)は主エアバッグ50を車外側から見た状態を示し、図8(B)は補助エアバッグ60を車外側から見た状態を示している。さらに、図9は、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60の構成部品を示している。
図7(A)、図8(A)及び図9の少なくとも1つに示すように、主エアバッグ50は、表裏一対の基布51,52を備えている。両基布51,52としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる布帛、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布等が好適である。
両基布51,52は、主エアバッグ50が膨張展開を完了したときに、車両用シート12(図1及び図2参照)に着座している乗員Pの腰部Ppから胸部Ptにかけての広い部位を保護し得る大きさ・形状を有している。この大きさ・形状は一例に過ぎず、両基布51,52は、主エアバッグ50による乗員Pの保護の対象となる部位に応じて、上記とは異なる大きさ・形状を有していてもよい。主エアバッグ50による保護の対象となる部位としては、例えば、乗員Pの胸部Ptのみや、腰部Ppから肩部Psにかけての部位等が挙げられる。
裏側の基布52の後部には孔53があけられている。第1実施形態では、孔53は略上下方向に細長く形成されているが、これとは異なる形状に形成されてもよい。両基布51,52は、それらの周縁部に設けた周縁結合部54において接合されることにより、袋状に形成されている。第1実施形態では、周縁結合部54は、両基布51,52の周縁部を、図8(A)において太い破線で示す縫糸で縫合することにより形成されている。なお、周縁結合部54は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。
また、周縁結合部54が縫糸によるものである場合、その縫糸は1本であっても複数本(例えば2本)であってもよい。ここでは、周縁結合部54が2本の縫糸によって構成されている。
一方、補助エアバッグ60は、図7(B)、図8(B)及び図9の少なくとも1つに示すように、上記主エアバッグ50と同様の素材によって形成された表裏一対の基布61,62を備えている。両基布61,62は、補助エアバッグ60が膨張展開を完了したときに、中間パッド部31の外側部17寄りの箇所Aを押圧し得る大きさ・形状を有している。両基布61,62の車幅方向についての幅W1は、内外両サイドフレーム部21,22間の間隔Dの1/4〜1/2であることが望ましい(図3参照)。表側の基布61には、上記孔53と略同一形状を有する孔63があけられている。裏側の基布62において上記孔63と対応しない2箇所には、ボルト挿通孔64,64があけられている。
両基布61,62は、主エアバッグ50と同様、周縁部に設けた周縁結合部65によって接合されることにより、袋状に形成されている。周縁結合部65が、図8(B)において太い破線で示す縫糸によって形成されていること等については主エアバッグ50と同様である。
なお、上記主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、いずれも1枚の基布を中央部分で二つ折りし、周縁部分を結合することにより形成されたものであってもよい。
主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、両孔53,63を合致させた状態で、両孔53,63を取り囲むように設けられた内結合部66によって連結されている。第1実施形態では、内結合部66は、主エアバッグ50の裏側の基布52と補助エアバッグ60の表側の基布61とについて、両孔53,63の周囲を縫糸で縫合することにより形成されている。なお、内結合部66は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。両孔53,63及び内結合部66により、主エアバッグ50の内部と補助エアバッグ60の内部とを連通させる連通孔部67が構成されている。
また、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、上記内結合部66から上方へ離間した箇所に設けられた第2内結合部68によっても連結されている。第1実施形態では、第2内結合部68は、基布52,61を縫糸で縫合することにより形成されているが、接着によって形成されてもよい。第2内結合部68の形状は特に限定されないが、ここでは無端状の一形態である略四角環状とされている。ここで、第2内結合部68によって囲まれた箇所では、上記内結合部66とは異なり、主エアバッグ50の内部と補助エアバッグ60の内部とが連通されていない。
このように、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、内結合部66及び第2内結合部68の2箇所のみによって連結されているに過ぎず、それ以外の箇所では連結されていない。上記周縁結合部54,65によっては、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は連結されていない。
<インフレータアセンブリ70>
図5及び図8(C)の少なくとも一方に示すように、インフレータアセンブリ70は、ガス発生源としてのインフレータ71と、そのインフレータ71の外側に装着されたリテーナ73とを備えて構成されている。インフレータ71は略円柱状をなしており、その内部にはガス発生剤(図示略)が収容されている。このタイプ(パイロタイプ)のインフレータ71では、ガス発生剤の燃焼反応によってガスが生成される。インフレータ71の上部には、生成したガスを径方向外方へ噴出するガス噴出口72が設けられている。インフレータ71の下端部には、同インフレータ71への制御信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ71としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断してガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
一方、リテーナ73は、ディフューザとして機能するとともに、上記インフレータ71をエアバッグ(補助エアバッグ60)と一緒に外サイドフレーム部22に締結する機能を有する部材である。リテーナ73は、その大部分が金属板等の板材を曲げ加工等することによって上下方向に細長い略筒状に形成されている。リテーナ73の上部前側には、インフレータ71の一部のガス噴出口72を露出させる窓部74が設けられている。この構成により、ガス噴出口72からのガスは窓部74を通じて概ね車両前方へ向けて噴出される。
リテーナ73の複数箇所(第1実施形態では上下2箇所)にはボルト75(図5参照)が植設されている。
そして、インフレータアセンブリ70は、補助エアバッグ60内に配置されている。リテーナ73のボルト75が、上記裏側の基布62のボルト挿通孔64,64に挿通されて補助エアバッグ60の外部に露出している。この状態では、図8(B)に示すように、円柱状をなすインフレータ71は、その軸線L1が上下方向に延びるようにリテーナ73とともに補助エアバッグ60内に配置されている。連通孔部67は、インフレータ71の軸線L1に沿う方向(軸線方向)について、ガス噴出口72とは反対側の端部(この場合、下端部)の近傍に位置していて、ガス噴出口72から下方へ大きく離れている。
なお、上記インフレータ71は、リテーナ73と一体に設けられた構成を有するものであってもよい。
上記エアバッグモジュールAMは、展開状態の主エアバッグ50及び補助エアバッグ60がそれぞれ折り畳まれることによりコンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされている。ここでは、図5に示すように主エアバッグ50及び補助エアバッグ60はともに蛇腹折りされている。蛇腹折りは、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60の各展開方向についての前端部から後端部に向けて一定幅ずつ交互に折り方向を変えながら折り返す折り方である。
上記のように収納用形態にされたエアバッグモジュールAMは、外サイドフレーム部22を基準に次のように配置されている。主エアバッグ50は外サイドフレーム部22の車外側近傍に配置されている。主エアバッグ50において蛇腹折りされた部分は、外サイドフレーム部22を基準に車両前側へ向けて積層されている。これに対し、補助エアバッグ60の一部、より正確にはインフレータアセンブリ70が収容された部分は外サイドフレーム部22の車外側近傍に配置されている。補助エアバッグ60は、外サイドフレーム部22の側壁部22Aを前側から回り込み同外サイドフレーム部22の車内側まで延びている。補助エアバッグ60において蛇腹折りされた部分は、外サイドフレーム部22を基準に車内側へ向けて積層されている。
そして、上述したように、補助エアバッグ60のボルト挿通孔64,64に通されたボルト75,75が外サイドフレーム部22の側壁部22Aに挿通され、ナット76によって締付けられている。この締付けにより、インフレータアセンブリ70がエアバッグ(補助エアバッグ60)と一緒に外サイドフレーム部22に固定されている。なお、図5中の69は、ボルト75が補助エアバッグ60を傷付けないように、側壁部22Aに対し車内側から取付けられて、ボルト75及びナット76を覆うカバーである。このカバー69に代えて、側壁部22Aにおいて、ボルト75及びナット76の近傍の箇所を車内側へ隆起させて、それらのボルト75及びナット76を囲む壁部を形成しても、同様の効果は得られる。
さらに、図4に示すように、表皮35,36及び前サイドパッド部32間であって、外サイドフレーム部22及びエアバッグモジュールAMの周りに対応する箇所には、主エアバッグ50の展開性向上を目的として、低伸長性材料によってそれぞれ形成された2枚の帯体(以下「力布77,78」という)が巻き付けられている。各力布77,78の一方の端部は、上記側部縫合部37において表皮35,36と共縫いされている。また、各力布77,78の他方の端部は上記外サイドフレーム部22の後壁部22Bに係止されている。両力布77,78は、主エアバッグ50の膨張展開初期に伸長した状態となることにより、所定の展開方向とは異なる方向への主エアバッグ50の膨張を抑制する。また、両力布77,78は、前サイドパッド部32の変形や表皮35,36の伸びを抑制して破断予定部BPの破断のきっかけとする。このようにして、両力布77,78は膨張する主エアバッグ50による外側部17の破断を補助する。
上記力布77は、補助エアバッグ60の展開エリア(後フレーム部RF及び中間パッド部31間)から上方又は下方へ離間した箇所に配置されている。この配置により、力布77が、補助エアバッグ60に干渉して膨張展開を妨げることはない。表現を変えると、力布77は、補助エアバッグ60の膨張展開時にその補助エアバッグ60と干渉しない位置に配置されている。
同様の効果は、力布77の配置態様を、補助エアバッグ60の膨張展開を妨げないような配置態様に変えること、すなわち、前サイドパッド部32の車内側後端部と後サイドパッド部33の車内側前端部とを繋がないような配置態様とすることでも得られる。具体的には、力布77を、図4において二点鎖線で示すように、中間パッド部31の後面に沿って車内側へ延びるように配置する。そして、力布77の端部を、上記後壁部22Bに変えて、シートフレーム20の内サイドフレーム部21(図3参照)に係止する。このようにすることで、補助エアバッグ60の展開エリアが確保される。
サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールAMのほかに衝撃センサ79及び制御装置80を備えている。衝撃センサ79は加速度センサ等からなり、車両のボディサイド部11等に設けられている。衝撃センサ79は、ボディサイド部11に側方から加えられる衝撃を検出する。制御装置80は、衝撃センサ79からの検出信号に基づきインフレータ71の作動を制御する。
上記のようにして、第1実施形態のサイドエアバッグ装置が構成されている。このサイドエアバッグ装置では、車両のボディサイド部11に所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ79によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置80から駆動電流がインフレータ71に出力される。この駆動電流に基づく加熱により、シートバック14の車外側の側部(外側部17)では、インフレータ71内のガス発生剤により高温高圧のガスが生成され始める。このガスは、ガス噴出口72からリテーナ73の窓部74を通じて車両前方へ向けて噴出され始める(図8(B)及び図12の各矢印参照)。なお、図12には、ガスの流れる経路が数字付き矢印で示されている。ガスは、数字の小さな矢印から順に流れる。数字の大きな矢印になるほど経路の下流側となる。
ここで、仮に主エアバッグ50及び補助エアバッグ60が一緒に折り畳まれていると、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60を互いに異なる方向(補助エアバッグ60:車内側、主エアバッグ50:車両前側)へ膨張展開させることが難しい。
この点、第1実施形態ではガスはまず収納用形態にされた補助エアバッグ60内に供給される。ガスの圧力が補助エアバッグ60内の各部に作用し、同補助エアバッグ60が主エアバッグ50よりも早い時期から膨張し始める。折り畳まれた補助エアバッグ60は、主エアバッグ50の影響を受けることなく折り状態を解消(展開)しながら、後フレーム部RFと中間パッド部31との間を車内側へ膨張展開し始める(図10の二点鎖線参照)。
この際、高い剛性を有する外サイドフレーム部22の側壁部22Aが受圧部として機能し、車外側へ向かうガスの圧力を受け止めるとともに、車内側へ向かう反力F1を発生させる。この反力F1により、補助エアバッグ60が車内側へ確実にかつ速く膨張展開していき、中間パッド部31に当接する。図11に示すように、この膨張する補助エアバッグ60によって中間パッド部31の外側部17寄りの箇所Aが押圧されて車両前側へ膨らむ。この膨らむ中間パッド部31により、図14において押圧方向を意味する矢印で示すように、シートバック14にもたれている乗員Pが背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられる。この移動方向は、車両のボディサイド部11から遠ざかる方向である。主エアバッグ50による乗員Pの拘束に先立ち、補助エアバッグ60による中間パッド部31の押圧及び膨出が行われ、乗員Pが車内側へ移動させられる。そして、上記移動により、ボディサイド部11と乗員Pとの間の狭い空間S1が車幅方向に拡げられる。
なお、補助エアバッグ60内にガスがある程度満たされるまでは、ガスは連通孔部67を通って主エアバッグ50内に流入しにくい。これは、図8(A),(B)に示すように、連通孔部67が、インフレータ71の軸線L1に沿う方向(軸線方向)について、ガス噴出口72とは反対側の端部(下端部)の近傍に設けられていて、同連通孔部67がガス噴出口72から下方へ大きく離れているからである。
補助エアバッグ60にガスがある程度満たされて同補助エアバッグ60が充分に膨張すると、ガスは連通孔部67を通じて主エアバッグ50に流入する(図12の矢印(丸7)参照)。このガスにより主エアバッグ50が上記補助エアバッグ60に遅れて折り状態を解消(展開)しながら膨張し始める(図11の二点鎖線参照)。主エアバッグ50は前サイドパッド部32に当接する。膨張が進行するに従い、主エアバッグ50が前サイドパッド部32を車両前方へ押圧するとともに、同主エアバッグ50の一部がスリット46内に進入していく。主エアバッグ50は、スリット46内に充填された後も膨張展開し続けようとする。
そのため、主エアバッグ50の膨張の進行に伴い外側部17が、図11に示すように破断予定部BPにおいて破断される。すなわち、スリット46と溝部38との間における前サイドパッド部32の薄肉部分が破断されるとともに、側部縫合部37における縫合状態が解除されて開口81が生ずる。主エアバッグ50は破断により生じた上記開口81を拡大させつつ、その開口81を通じてシートバック14から飛び出す。このとき、前サイドパッド部32において開口81よりも車内側の部分は、中間縫合部40を支点として前方へ開く。また、前サイドパッド部32において開口81よりも後側の部分は、前サイドパッド部32及び後サイドパッド部33間に設けられた切欠き82を支点として後方へ開く。
その後も主エアバッグ50は膨張展開し続け、図13及び図14において実線で示すようにシートバック14の外部、より正確には、車両のボディサイド部11と乗員Pとの間で車両前方に向けて膨張展開する。この際、上記したように補助エアバッグ60による乗員Pの移動によりボディサイド部11及び乗員P間の空間S1が車幅方向に拡大されていることから、主エアバッグ50は、乗員Pと車室内に侵入してくるボディサイド部11との間で確実に膨張展開し乗員Pを拘束する。すなわち、膨張展開した主エアバッグ50が、乗員P、特に胸部Ptから腰部Ppにかけての広い部位と、車室内に進入してくるボディサイド部11との間に介在し、ボディサイド部11を通じて乗員Pへ伝わる側方からの衝撃を緩和する。この際、主エアバッグ50が乗員Pを直接車内側へ押圧するが、上述したように予め中間パッド部31により乗員Pが押されて車内側へ移動させられているため、ボディサイド部11から乗員Pに伝わる衝撃が和らげられる。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)エアバッグとして、シートバック14から車両前方へ飛び出してボディサイド部11及び乗員P間で膨張する主エアバッグ50に加え、後フレーム部RFと中間パッド部31との間で膨張して、中間パッド部31における外側部17寄りの箇所Aを車両前方へ押圧する補助エアバッグ60を用いている(図4参照)。そのため、補助エアバッグ60によって乗員Pを車内側へ移動させることで、ボディサイド部11と乗員Pとの間の狭い空間S1を車幅方向に拡げることができる。主エアバッグ50による乗員Pの拘束をより確実に行い、車両の側方からの衝撃に対する乗員Pの保護性能の向上を図ることができる。
(2)主エアバッグ50及び補助エアバッグ60を、主エアバッグ50の内部と補助エアバッグ60の内部とを連通させる連通孔部67を介して相互に連結し、インフレータ71を補助エアバッグ60内に配置している(図8(A),(B)参照)。そのため、インフレータ71からのガスを補助エアバッグ60→連通孔部67→主エアバッグ50の順に供給し、補助エアバッグ60を主エアバッグ50よりも早いタイミングで膨張させ始めることができる。
(3)上記(2)に関連するが、連通孔部67を、インフレータ71の軸線方向について、ガス噴出口72とは反対側の端部(下端部)の近傍に設けることで、連通孔部67をガス噴出口72から下方へ大きく離れた箇所に位置させている(図8(B)及び図12参照)。そのため、ガス噴出口72からのガスをまず補助エアバッグ60に供給し、同補助エアバッグ60を膨張させ始めることができる。補助エアバッグ60にガスがある程度満たされるまでは、ガスを連通孔部67から主エアバッグ50に流入しにくくし、主エアバッグ50を補助エアバッグ60に遅れて膨張させ始めることができる。
(4)補助エアバッグ60を、主エアバッグ50から独立させて折り畳んだ状態で外サイドフレーム部22の車内側近傍に配置している(図10参照)。この構成により、主エアバッグ50の影響を受けることなく補助エアバッグ60を意図する方向、すなわち後フレーム部RF及び中間パッド部31間へ向けて膨張展開させることができる。また、外サイドフレーム部22を、補助エアバッグ60内のガスを受け止めて車内側へ向かう反力F1を発生させる受圧部として機能させることができ、補助エアバッグ60を車内側へ向けて確実に膨張展開させることができる。既設の外サイドフレーム部22が受圧部として機能することから、受圧部を別途設けなくてもすむメリットもある。
なお、第1実施形態は、次のように変更されて実施されてもよい。
(a)外サイドフレーム部22は、上記第1実施形態とは異なる形状を有するものであってもよい。例えば、外サイドフレーム部22は、断面円形、断面矩形等のパイプ状をなすものであってもよい。また、エアバッグモジュールAMは外サイドフレーム部22に直接取付けられてもよいが、ブラケット等を介して外サイドフレーム部22に間接的に取付けられてもよい。
(b)主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、内結合部66に加え、それ以外の箇所で相互に連結されてもよい。
(c)ガスが充填されることなく展開させられた状態の主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、それぞれ上記第1実施形態とは異なる折り方で折り畳まれてもよい。こうした折り方としては、例えば、中折り(カクタス折り)、ロール折り等が挙げられる。中折りは、エアバッグの端の部分を、他の部分(中間部分)の内側に位置するように折り返す折り方である。また、ロール折りは、エアバッグの一方の端部を中心とし、その周りに他の部分を巻回させる折り方である。
(d)連通孔部67は、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60間の複数箇所に設けられてもよい。
(e)インフレータアセンブリ70は第1実施形態とは異なる姿勢で補助エアバッグ60内に配置されてもよい。例えば、インフレータアセンブリ70は、インフレータ71のガス噴出口72が下側となる姿勢で配置されてもよい。
この場合、連通孔部67の形成位置が、インフレータ71の軸線方向について、ガス噴出口とは反対側の端部(上端部)の近傍に変更されることが望ましい。
(f)ミリ波データ等の側突予測用センサを用いて車両の側突を予測し、その予測結果に基づき、側突に先立ちインフレータ71を作動させるようにしてもよい。この場合には、第1実施形態よりも早い時期から補助エアバッグ60に膨張を開始させ、乗員Pを車内側へ移動させることができる。
(g)車両に頭部保護用エアバッグを設置し、補助エアバッグ60の膨張に合わせて頭部保護用エアバッグも膨張させて、車両用シート12に着座している乗員Pの頭部を車内側へ移動させ、同乗員Pの身体全体の車内側への移動を補助するようにしてもよい。
(h)主エアバッグ50及び補助エアバッグ60は、一緒に折り畳まれた状態でシートバック14内に組み込まれてもよい。この場合には、ガスが充填されることなく展開させられた状態の主エアバッグ50及び補助エアバッグ60が重ねられて折り畳まれることとなる。ただし、補助エアバッグ60を車内側へ向けて膨張展開させ、主エアバッグ50を車両前側へ向けて膨張展開させるための手段が別途必要となる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図15及び図16を参照して説明する。
第2実施形態では、補助エアバッグ60の少なくとも膨張初期に同補助エアバッグ60を後フレーム部RF及び中間パッド部31間に導くガイド手段がさらに設けられている。ガイド手段は、中間パッド部31の車両後側の近傍に配置された前部ガイド部材85と、後フレーム部RFの車両前側の近傍に配置された後部ガイド部材88とによって構成されている。前後両ガイド部材85,88は、いずれも合成樹脂等の硬質材料によって板状に形成されている。
前部ガイド部材85は、車幅方向に延びる本体部86と、その本体部86の外端部から車両前方へ向けて屈曲する屈曲部87とを備えて構成されている。本体部86の車内側の端部86Bは、図15において実線で示すように、力布77,78によって囲まれた領域、ここでは前サイドパッド部32の後側に位置している。
本体部86の後面は車両前後方向に対し略直交する前部ガイド面86Aとなっている。そして、前部ガイド部材85は、本体部86において前サイドパッド部32に接着固定されている。前部ガイド部材85は、上記接着に代え、図示しないブラケット等を介してシートフレーム20に固定されてもよい。
一方、後部ガイド部材88は、車幅方向に延びる本体部89と、その本体部89の外端部から車両前方へ向けて屈曲する屈曲部90とを備えて構成されている。本体部89の前面は、車両前後方向に対し略直交する後部ガイド面89Aとなっている。そして、後部ガイド部材88は、その屈曲部90において外サイドフレーム部22に固定されている。この固定に際しては、図15に示すように、上述したインフレータアセンブリ70のボルト75及びナット76が利用されてもよい。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第2実施形態では、ガス供給を受けた補助エアバッグ60が膨張して折り状態を解消(展開)し始めるときには、同補助エアバッグ60の展開方向が前部ガイド部材85及び後部ガイド部材88によって車内側へ規制される。補助エアバッグ60の膨張初期には、同補助エアバッグ60が、ともに車両前後方向に対し略直交する前部ガイド面86A及び後部ガイド面89Aに沿って後フレーム部RF及び中間パッド部31間に確実に導かれる。また、膨張初期に展開方向が規制されると、補助エアバッグ60は、その後も規制された展開方向に向けて膨張展開し続ける。そのため、補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31間とは異なる方向、例えば車両前側等へ膨張展開する現象が起こりにくい。
従って、第2実施形態によれば、上述した(1)〜(4)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(5)前部ガイド面86Aを有する前部ガイド部材85を前サイドパッド部32の車両後側の近傍に配置し、後部ガイド面89Aを有する後部ガイド部材88を後フレーム部RFの車両前側の近傍に配置している。このため、補助エアバッグ60の膨張初期に同補助エアバッグ60を後フレーム部RF及び中間パッド部31間に確実に導くことができる。
なお、第2実施形態は、上述した(a)〜(g)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第2実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(i)前部ガイド部材85及び後部ガイド部材88は、補助エアバッグ60が最初に膨張する方向を車内側に規制するものであればよい。この条件を満たす範囲内で、前部ガイド部材85及び後部ガイド部材88の形状、大きさ(長さ)、数等を適宜変更してもよい。例えば、前部ガイド部材85の本体部86は、図15よりも短いものであってもよいし、その逆に長いものであってもよい。後部ガイド部材88の本体部89についても同様である。
例えば、本体部86の端部86Bは、力布77,78との干渉のおそれがない場合には、同図15において二点鎖線で示すように、前サイドパッド部32よりもさらに車内側へ延びていて、中間パッド部31の後側に位置していてもよい。ただし、この場合には、前部ガイド部材85の少なくとも本体部86を非硬質で変形可能な材料によって形成することが望ましい。こうすれば、本体部86は中間パッド部31に追従して変形し、補助エアバッグ60による中間パッド部31の変形を妨げないからである。
本体部89の車内側の端部については、上述したような位置の制限はない。本体部89は、図15に示すものよりもさらに車内側に長く、その端部が中間パッド部31の後方に位置していてもよい。
また、後部ガイド部材88のみによって上記条件(補助エアバッグ60の最初の膨張方向を車内側に規制すること)を満たせる場合には、前部ガイド部材85を省略してもよい。
(j)前部ガイド部材85は第2実施形態とは異なる箇所に固定されてもよい。図17〜図19はその一例を示している。図17は、シートバック14の外側部17の内部構造であって、連通孔部67とは異なる箇所を通る断面での部分平断面図を示し、図18は、図17におけるZ部を拡大して示す部分平断面図である。また、図19は、外側部17の内部構造であって、連通孔部67を通る断面での部分平断面図である。
この例では、インフレータアセンブリ70が外サイドフレーム部22の車内側に配置されて、ボルト75及びナット76によって側壁部22Aに固定されている。補助エアバッグ60及び主エアバッグ50間の連通孔部67もまた外サイドフレーム部22の車内側に配置されている(図19参照)。
前部ガイド部材85における屈曲部87は、本体部86の外端部から車両後方へ向けて屈曲されている。ここで、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60間であって上記連通孔部67とは異なる箇所は隙間G(図7(A),(B)参照)となっており、この隙間Gに本体部86の車外側の端部86Cが通されている。この場合、隙間Gにおいて、本体部86の外端部が通される箇所は、内結合部66と第2内結合部68との間であってもよいし、内結合部66よりも下方や、第2内結合部68よりも上方であってもよい。
本体部86の後面は、車両前後方向に対し略直交する前部ガイド面86Aとなっている。そして、前部ガイド部材85は、屈曲部87においてインフレータアセンブリ70のボルト75及びナット76によって側壁部22Aに固定されている。前部ガイド部材85及び後部ガイド部材88は、インフレータアセンブリ70及びエアバッグ(補助エアバッグ60)とともに外サイドフレーム部22に締結(共締め)されている。
この場合には、前部ガイド部材85及び後部ガイド部材88をエアバッグモジュールAMの一部として構成することも可能である。
(k)後部ガイド部材88は第2実施形態とは異なる箇所に固定されてもよい。例えば、後部ガイド部材88は、外サイドフレーム部22に代えて後フレーム部RFに固定されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について、図20及び図21を参照して説明する。
第3実施形態では、インフレータアセンブリ70が外サイドフレーム部22の車内側に配置されて、ボルト75及びナット76によって側壁部22Aに固定されている。主エアバッグ50及び補助エアバッグ60間の連通孔部67や隙間Gもまた外サイドフレーム部22の車内側に配置されている。
ガイド手段として、上記前部ガイド部材85及び後部ガイド部材88に代えて、力布77の一部が利用されている。力布77の一方の端部が、側部縫合部37において表皮35,36と共縫いされている点、及び他方の端部が外サイドフレーム部22の後壁部22Bに係止されている点は、第1実施形態と同様である。力布77は、次の点において、第1実施形態と相違している。
(I)力布77の部分77Aは、折り畳まれた状態の補助エアバッグ60の車両前側において車幅方向に延び、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60間の隙間Gに通されている。より詳しくは、エアバッグモジュールAMでは、上述したように内結合部66及び第2内結合部68によって主エアバッグ50及び補助エアバッグ60が連結されているところ、これら内結合部66及び第2内結合部68間の僅かな空間が通路100として利用され、この通路100に上記部分77Aが通されている。この場合には、内結合部66及び第2内結合部68が、隙間Gにおける力布77の位置決め機能を発揮する。
(II)力布77の部分77Bは、インフレータアセンブリ70のボルト75及びナット76により、補助エアバッグ60と一緒に外サイドフレーム部22の側壁部22Aに固定されている。
(III )力布77の部分77Cは、折り畳まれた状態の補助エアバッグ60の車両後側において略車幅方向に延びている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第3実施形態では、ガス供給を受けた補助エアバッグ60が膨張して折り状態を解消(展開)し始めるときには、同補助エアバッグ60の展開方向が力布77の部分77Aによって車内側へ規制される。
この際、力布77は内結合部66及び第2内結合部68によって位置決めされていて動きを規制されている。このため、折りのばらつき、組付けのばらつき等に起因して、補助エアバッグ60が意図しない動きをしようとしても、その動きは上記のように位置決めされた力布77によって確実に阻止される。
力布77は低伸長性材料によって形成されており、補助エアバッグ60の膨張等の影響を受けにくく伸びにくい。力布77による補助エアバッグ60の展開方向の規制により、補助エアバッグ60の膨張初期には、同補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31間に確実に導かれる。また、膨張初期に展開方向が規制されると、補助エアバッグ60は、その後も規制された展開方向に向けて膨張展開し続ける。そのため、補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31とは異なる方向へ膨張展開する現象が起こりにくい。
この場合には、後フレーム部RFも、補助エアバッグ60の膨張初期の展開方向を規制する機能を発揮する。
なお、上記のように力布77の一部の位置を変更しても、そのことが力布77の本来の機能を損なうことはないか、又はあったとしてわずかである。
従って、第3実施形態によれば、上述した(1)〜(3)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(6)既設の力布77を帯状部材として利用し、その一部(部分77A)を、車幅方向に延びて補助エアバッグ60及び主エアバッグ50間の隙間G(通路100)を通るように配置している。そのため、膨張する主エアバッグ50による前サイドパッド部32の破断を補助する力布77本来の機能を損なうことなく、力布77には、補助エアバッグ60の膨張初期の展開方向を規制する機能をも発揮させることができる。
これに伴い、力布77とは別に補助エアバッグ60の膨張初期の展開方向を規制するためのガイド手段を別途設けなくてもすむ。
なお、第3実施形態は、上述した(a)〜(g)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第3実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(l)上述したように力布77は、ボルト75及びナット76によって外サイドフレーム部22に固定される。そのため、力布77において、この固定箇所よりも後側の部分77Cを省略してもよい。
(m)力布77は、インフレータアセンブリ70及び補助エアバッグ60の外サイドフレーム部22に対する固定箇所とは異なる箇所で、その外サイドフレーム部22に固定されてもよい。
また、力布77を図22において実線で示すように、部分77Aと部分77Bとの間で分断し、それらの部分77A及び部分77Bを内結合部66によって、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60にそれぞれ連結してもよい。内結合部66が縫糸を用いた縫合により形成されている場合には、エアバッグモジュールAMの製作途中で、部分77A及び部分77Bを連通孔部67の周りで基布52,61とともに縫合する。この場合には、第2内結合部68は省略されてもよい。
さらに、第2内結合部68がなく、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60が内結合部66のみによって連結されている場合には、隙間Gにおいて力布77が通される箇所は、図22において二点鎖線で示すように、内結合部66と異なる箇所であれば特に限定されない。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態について、図23及び図24を参照して説明する。
第4実施形態では、ガイド手段として、力布77とは別に、低伸張性材料によって形成された帯状部材91が用いられている。帯状部材91の少なくとも一部は、折り畳まれた状態の補助エアバッグ60の車両前側において車幅方向に延び、主エアバッグ50及び補助エアバッグ60間の隙間G、例えば上記通路100に通されている。帯状部材91の外側の端部91Aは、ボルト75及びナット76により、インフレータアセンブリ70及び補助エアバッグ60と一緒に外サイドフレーム部22の側壁部22Aに固定されている。帯状部材91の内側の端部91Bは内サイドフレーム部21に固定されている。
上記以外の構成は第3実施形態と同様である。そのため、第3実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第4実施形態では、ガス供給を受けた補助エアバッグ60が膨張して折り状態を解消(展開)し始めるときには、同補助エアバッグ60の展開方向が帯状部材91によって車内側へ規制される。帯状部材91は補助エアバッグ60の膨張等の影響を受けにくく、伸びにくい。帯状部材91による補助エアバッグ60の展開方向の規制により、補助エアバッグ60の膨張初期には、同補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31間に確実に導かれる。また、膨張初期に展開方向が規制されると、補助エアバッグ60は、その後も規制された展開方向に向けて膨張展開し続ける。そのため、補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31間とは異なる方向へ膨張展開する現象が起こりにくい。
この場合には、後フレーム部RFも、補助エアバッグ60の展開方向を規制する機能を発揮する。
従って、第4実施形態によれば、上述した(1)〜(3),(6)と同様の効果が得られる。なお、上記(6)については、これに相当する次の(6A)の効果が得られる。
(6A)車幅方向に延び、かつ補助エアバッグ60及び主エアバッグ50間の隙間G(通路100)を通る帯状部材91の車外側の端部91Aを外サイドフレーム部22に固定し、車内側の端部91Bを内サイドフレーム部21に固定している。そのため、補助エアバッグ60がガスにより膨張して折り状態を解消し始めるときには、同補助エアバッグ60の展開方向を帯状部材91によって規制し、後フレーム部RF及び中間パッド部31間に確実に導くことができる。
第4実施形態は、上述した(a)〜(g)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第4実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(n)帯状部材91は、インフレータアセンブリ70及び補助エアバッグ60の外サイドフレーム部22に対する固定箇所とは異なる箇所で、その外サイドフレーム部22に固定されてもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態について、図25及び図26を参照して説明する。
第5実施形態では、上述した第1〜第4実施形態とは異なり、補助エアバッグ60が後フレーム部RF及び中間パッド部31間において予め展開させられた状態で配置されている。また、シートバック14内には、補助エアバッグ60を上記のよう展開状態に保持する手段として、車幅方向に細長い形状をなす帯状部材92が設けられている。帯状部材92は1本用いられてもよいが、安定した状態で展開状態に保持する観点からは複数本用いられることが望ましい。ここでは、2本の帯状部材92,92が用いられ、互いに上下方向に離間した箇所に配置されている。
各帯状部材92の車外側の端部92Aは、補助エアバッグ60の内端部60Aに連結されている。この連結の方法は、縫糸による縫合であってもよいし、接着剤による接着であってもよい。また、各帯状部材92の車内側の端部92Bは、シートフレーム20について、前記内端部60Aよりも車内側の箇所に連結されている。ここでは、内サイドフレーム部21が上記車内側の箇所とされ、各帯状部材92の車内側の端部92Bが内サイドフレーム部21に固定されている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態では、補助エアバッグ60は上下両帯状部材92,92により展開させられた状態に保持される。そのため、補助エアバッグ60のシートバック14への組み付けに際し、同補助エアバッグ60がシートバック14内の適正位置からずれた箇所に組み付けられる現象が起こりにくい。また、後席の乗員Pの昇降時等にその乗員Pの脚等が前席のシートバック14の後面、特に上下に隣り合うワイヤフレーム部28,28間に触れて、補助エアバッグ60に対し、これを車幅方向へ移動させようとする力が作用したとしても、補助エアバッグ60は両帯状部材92,92によって展開状態に保持される。このため、補助エアバッグ60がシートバック14内の適正位置からずれる現象は起こりにくい。
なお、上記補助エアバッグ60にインフレータ71からのガスが流入すると、同補助エアバッグ60は後フレーム部RF及び中間パッド部31間の適正箇所で膨張し、中間パッド部31の外側部17寄りの箇所Aを確実に押圧して車両前側へ膨らませる。
従って、第5実施形態によれば、上述した(1)〜(3)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(7)補助エアバッグ60が折り畳まれていると、その折り畳み部分は膨張展開の抵抗となる。この点、第5実施形態では補助エアバッグ60が折り畳まれておらず、予め展開させられた状態で後フレーム部RF及び中間パッド部31間に配置されている。このため、折り畳まれている場合よりも膨張展開の抵抗となる要素が少なく、補助エアバッグ60を短時間で展開させることができる。
(8)補助エアバッグ60を、展開させられた状態で後フレーム部RF及び中間パッド部31間に配置するとともに、その補助エアバッグ60の内端部60Aと、シートフレーム20について上記内端部60Aよりも車内側となる箇所(内サイドフレーム部21)とを帯状部材92によって繋いでいる。そのため、補助エアバッグ60がシートバック14内の適正位置からずれた箇所に組み付けられたり、後席の乗員Pの昇降時等に前席の補助エアバッグ60がシートバック14内の適正位置からずれたりする現象を起こりにくくすることができる。
第5実施形態は、上述した(a)〜(g)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第5実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。ただし、(c)については、主エアバッグ50のみが変更の対象となる。
(o)帯状部材92の車内側の端部92Bは、シートフレーム20について補助エアバッグ60の内端部60Aよりも車内側の箇所に連結される必要がある。この条件を満たす範囲内で、端部92Bの連結箇所を変更してもよい。端部92Bは、後フレーム部RFの構成部材、例えばワイヤフレーム部28等に連結されてもよい。
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態について、図27及び図28を参照して説明する。
第6実施形態では、合成樹脂材料によって形成された受圧板93が、シートバック14内の後フレーム部RFの車両後側の近傍に配置されている。受圧板93は、ワイヤフレーム部28よりも高く、かつ一般的な金属製の板材よりも低い剛性を有していて、ワイヤフレーム部28ほどではないが若干は撓み得る。受圧板93は、補助エアバッグ60内のガスの圧力を受け、車両前方へ向かう反力F2を発生させるためのものである。受圧板93の幅W2は、内外両サイドフレーム部21,22の間隔Dの1/2と同程度か、それよりも若干小さく設定されている。また、受圧板93はシートフレーム20と同程度か、それよりも若干低い高さを有している。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
第6実施形態では、インフレータ71からガスが供給されて補助エアバッグ60が膨張する際、同補助エアバッグ60内のガスの圧力が受圧板93によって受け止められて、車両前方へ向かう反力F2が発生する。この反力F2により、中間パッド部31の外側部17寄りの箇所Aが押圧されて確実に車両前側へ膨らみ、シートバック14にもたれている乗員Pが背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられる。
従って、第6実施形態によれば、上述した(1)〜(4)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(9)後フレーム部RFの車両後側の近傍に受圧板93を配置している。そのため、車両前方へ向かう反力F2を発生させ、中間パッド部31の外側部17寄りの箇所Aを押圧して車両前側へ確実に膨らませ、乗員Pを車内側へ確実に移動させることができる。
第6実施形態は、上述した(a)〜(h)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第6実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(p)第6実施形態の内容(受圧板93の設置)は、第1実施形態に対してだけではなく、上述した第2〜第5実施形態に対して組み合わせられて実施されてもよい。この場合、上述した(i)〜(o)の変更が可能である。
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態について、図29を参照して説明する。
第7実施形態では、主エアバッグ50と補助エアバッグ60とが互いに独立した状態で配置されている。主エアバッグ50の内部には主インフレータ94が配置され、補助エアバッグ60の内部には補助インフレータ95が配置されている。主インフレータ94は、外サイドフレーム部22の車外側に配置されて側壁部22Aに固定されている。補助インフレータ95は、外サイドフレーム部22の車内側に配置されて側壁部22Aに固定されている。
主インフレータ94及び補助インフレータ95の作動は、衝撃センサ79からの検出信号に基づき制御装置80によって制御される。ただし、この場合には、制御装置80では、まず補助インフレータ95の作動が開始され、その開始に遅れて主インフレータ94の作動が開始されるように制御が行われる。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については同一の符号を付して説明を省略する。
第7実施形態では、車両に対し側方から衝撃が加わると、シートバック14の外側部17において、まず補助インフレータ95から補助エアバッグ60にガスが供給され始める。このガスにより、補助エアバッグ60が、後フレーム部RFと中間パッド部31との間で膨張を開始する。補助エアバッグ60によって中間パッド部31の外側部17寄りの箇所Aが押圧されて車両前側へ膨らむ。シートバック14にもたれている乗員Pが背中を車両の斜め前方内側へ押されて車内側へ移動させられ、ボディサイド部11及び乗員P間の空間S1が車幅方向に拡げられる。
また、上記補助インフレータ95に遅れて主インフレータ94からガスが主エアバッグ50に供給され始める。このガスにより主エアバッグ50が折り状態を解消(展開)しながら膨張していき、シートバック14の外側部17から飛び出し、上記のように拡げられた空間S1で車両前方に向けて膨張展開し、乗員Pを拘束する。
従って、第7実施形態によれば、上述した(1),(4)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(10)互いに独立した状態で配置された主エアバッグ50及び補助エアバッグ60にそれぞれインフレータ(主インフレータ94、補助インフレータ95)を配置する構成を採用している。そして、補助インフレータ95→主インフレータ94の順に作動を開始させている。そのため、補助インフレータ95からのガスをまず補助エアバッグ60に供給し、同補助エアバッグ60を主エアバッグ50よりも早いタイミングで膨張させ始めることができる。ボディサイド部11及び乗員P間の空間S1を確実に車幅方向に拡げたうえで主エアバッグ50を膨張展開させることができる。
第7実施形態は、上述した(a)〜(h)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第7実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(q)第7実施形態の内容は、第1実施形態に対してだけではなく、上述した第2〜第6実施形態に対して組み合わせられて実施されてもよい。この場合、上述した(i)〜(p)の変更が可能である。
本発明を具体化した第1実施形態において、サイドエアバッグ装置が適用される車両用シートを示す概略側面図。 第1実施形態において、車両用シート及びボディサイド部の位置関係を説明する概略平面図。 第1実施形態において、シートバックのシートフレームを説明する正面図。 第1実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 図4における外サイドフレーム部及びエアバッグモジュールを示す部分平断面図。 図4におけるX部を拡大して示す部分平断面図。 (A)は、第1実施形態において、主・補助両エアバッグがガスを充填されることなく展開させられた状態のエアバッグモジュールを車外側から見た側面図、(B)は同エアバッグモジュールを車内側から見た側面図。 (A)は図7(A)のエアバッグモジュールから主エアバッグを分離して示す側面図、(B)は同じく補助エアバッグを分離して示す側面図、(C)はインフレータアセンブリを示す側面図。 第1実施形態において、主エアバッグ及び補助エアバッグの構成部品である基布を示す斜視図。 シートバックの外側部について、図4の状態から補助エアバッグ及び主エアバッグが順に膨張する途中の段階を示す部分平断面図。 シートバックの外側部について、図10の状態からさらに補助エアバッグ及び主エアバッグが膨張した状態を示す部分平断面図。 図11におけるY部を拡大して示す部分平断面図。 第1実施形態において、図1の車両用シートのシートバックから主エアバッグが飛び出して膨張展開した状態を示す概略側面図。 第1実施形態において、図2の状態から補助エアバッグ及び主エアバッグが膨張した状態を示す概略平面図。 本発明を具体化した第2実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 第2実施形態において、シートバックのシートフレーム、エアバッグモジュール及び前部ガイド部材を示す正面図。 第2実施形態とは異なる態様で前部ガイド部材を取付けた別の実施形態について、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 図17におけるZ部を拡大して示す部分平断面図。 図18に対応する図であり、シートバックの外側部の内部構造について図17とは異なる断面での部分平断面図。 本発明を具体化した第3実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 第3実施形態において、主・補助両エアバッグがガスを充填されることなく展開させられた状態のエアバッグモジュールを車内側から見た部分斜視図。 第3実施形態とは異なる態様で力布を配置した別の実施形態について、主・補助両エアバッグがガスを充填されることなく展開させられた状態のエアバッグモジュールを車内側から見た部分斜視図。 本発明を具体化した第4実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 第4実施形態において、シートバックのシートフレーム、エアバッグモジュール及び帯状部材を示す正面図。 本発明を具体化した第5実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 第5実施形態において、シートバックのシートフレーム、エアバッグモジュール及び帯状部材を示す正面図。 本発明を具体化した第6実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。 第6実施形態において、シートバックのシートフレーム、エアバッグモジュール及び受圧板を示す正面図。 本発明を具体化した第7実施形態において、シートバックの外側部の内部構造を示す部分平断面図。
符号の説明
11…ボディサイド部、12…車両用シート、14…シートバック、16…内側部、17…外側部、18…中間部、20…シートフレーム、21…内サイドフレーム部、22…外サイドフレーム部、23A,91A,91B,92A,92B…端部、30…シートパッド、31…中間パッド部、50…主エアバッグ、60…補助エアバッグ、60A…内端部、67…連通孔部、71…インフレータ、72…ガス噴出口、77…力布(ガイド手段、帯体)、88…後部ガイド部材(ガイド手段)、89A…後部ガイド面、91…帯状部材(ガイド手段)、92…帯状部材、93…受圧板、94…主インフレータ、95…補助インフレータ、A…箇所、G…隙間、F1,F2…反力、L1…軸線、P…乗員、RF…後フレーム部、S1…空間。

Claims (13)

  1. 車両用シートのシートバックが、シートフレームと、そのシートフレームの近傍に配置されたシートパッドとを備え、同シートバックの車幅方向についての中間部では、前記シートフレームの後フレーム部が後部に位置し、前記シートパッドの中間パッド部が前部に位置する車両に適用され、
    インフレータと、前記インフレータからのガスにより膨張するエアバッグとが、前記シートバックの少なくとも外側部に組み込まれたサイドエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、
    前記インフレータからのガスにより前記シートバックの前記外側部から車両前方へ飛び出し、車両のボディサイド部と前記車両用シートに着座した乗員との間で膨張する主エアバッグと、
    前記インフレータからのガスにより、前記後フレーム部及び前記中間パッド部間で膨張して、同中間パッド部における前記外側部寄りの箇所を車両前方へ押圧する補助エアバッグと
    を備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記補助エアバッグは、前記主エアバッグよりも早く前記インフレータからのガスの供給を受けるように構成されている請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記主エアバッグ及び前記補助エアバッグは、前記主エアバッグの内部と前記補助エアバッグの内部とを連通させる連通孔部を介して相互に連結されており、
    前記インフレータは、前記補助エアバッグ内に配置されている請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記インフレータは長尺状をなし、その一方の端部にガス噴出口を有しており、
    前記連通孔部は、前記インフレータの軸線方向について、前記ガス噴出口とは反対側の端部の近傍に設けられている請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記シートバックの前記外側部内には、前記シートフレームの外サイドフレーム部が位置しており、
    前記補助エアバッグは、前記主エアバッグから独立して折り畳まれた状態で前記外サイドフレーム部の車内側近傍に配置されている請求項3又は4に記載のサイドエアバッグ装置。
  6. 前記補助エアバッグの少なくとも膨張初期に同補助エアバッグを前記後フレーム部及び前記中間パッド部間に導くガイド手段がさらに設けられている請求項5に記載のサイドエアバッグ装置。
  7. 前記ガイド手段は、前記後フレーム部の車両前側に配置され、かつ車両前後方向に対し略直交する後部ガイド面を有する後部ガイド部材を少なくとも備える請求項6に記載のサイドエアバッグ装置。
  8. 前記主エアバッグ及び前記補助エアバッグ間であって、前記連通孔部とは異なる箇所の隙間が利用され、
    前記ガイド手段は、自身の一部が、車幅方向に延びて前記隙間を通るように配置された帯状部材により構成されている請求項6に記載のサイドエアバッグ装置。
  9. 前記シートパッドについて前記外側部に対応する箇所の周りには、低伸長性材料からなり、かつ膨張する主エアバッグによる同箇所の破断を補助する既設の帯体が配置されており、この帯体が前記帯状部材として用いられ、同帯体の一部が車幅方向に延びて前記隙間を通るように配置されている請求項8に記載のサイドエアバッグ装置。
  10. 前記帯状部材の一方の端部は、前記シートフレームについて前記シートバックの前記外側部内に位置する外サイドフレーム部に固定され、他方の端部は、前記シートフレームについて前記シートバックの内側部内に位置する内サイドフレーム部に固定されている請求項8に記載のサイドエアバッグ装置。
  11. 前記補助エアバッグは、前記後フレーム部及び前記中間パッド部間に展開させられた状態で配置されており、
    前記シートバック内には、一方の端部が前記補助エアバッグの内端部に連結され、他方の端部が前記シートフレームについて、前記内端部よりも車内側の箇所に連結された帯状部材が設けられている請求項1〜4のいずれか1つに記載のサイドエアバッグ装置。
  12. 前記主エアバッグ及び前記補助エアバッグは互いに独立した状態で配置されており、
    前記インフレータは、
    前記主エアバッグ内に配置された主インフレータと、
    前記補助エアバッグ内に配置され、かつ前記主インフレータに先立ち同補助エアバッグへのガスの供給を開始する補助インフレータと
    を備える請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
  13. 前記後フレーム部の車両後側には前記補助エアバッグ内のガスの圧力を受け、車両前方へ向かう反力を発生させる受圧板が配置されている請求項1〜12のいずれか1つに記載のサイドエアバッグ装置。
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