JP2009019822A - 送風ユニット - Google Patents

Abstract

【課題】グリル構造となったファンガードの前面側開口面から吹き出される風量、風速を低減し、静圧上昇度合を小さくして、吹出しグリルのグリル素子と吹出し気流との干渉による騒音を低減する。
【解決手段】本体ケーシングと、該本体ケーシング内の送風路に設けられた送風機と、上記本体ケーシングの空気吹出口に設けられた吹出面がグリル構造で枠壁部が筒状のファンガードとからなる送風ユニットにおいて、上記ファンガードの筒状の枠壁部の枠壁面に、空気吹出用の開口を設ける。
このような構成によると、筒状の枠壁部の枠壁面の開口からも空気が吹き出れるようになり、その分だけグリル構造の空気吹出面から吹き出れる空気の量が減少し、その吹出風速も低下する。
その結果、静圧の上昇度合も低下し、また吹出しグリル部分でのグリル素子と吹出し気流との干渉による騒音も低下する。
【選択図】 図６

Description

本願発明は、空気調和機用室外機等送風ユニットのファンガードの構造に関するものである。

一般に空気調和機用室外機などの送風ユニットにおいて、その空気吹出口側には、安全性および送風機羽根車保護などの見地から、同空気吹出口を覆うグリル構造のファンガードが設けられている（例えば特許文献１〜３を参照）。

しかし、このようなファンガードは、同ファンガードの存在自体が吹出し気流の抵抗となり、送風機静圧を上昇させる要因となっている。

また羽根車から、吹き出される気流とグリル素子との干渉音や剥離音が高くなり、室外機全体としての騒音レベルを増加させている。

この傾向は、例えば図１８や図１９に示すような、ファンガード９の全体が鋼線ａ，ｂ、ｃ，ｄのみでグリル構造に形成され、その側面部も吹出面と同様のグリル構造となっているものの場合（例えば特許文献３参照）には問題が少ないが、例えば図１３〜図１５や図１６〜図１７に示すような、ファンガード９が周縁部側面に所定の高さの閉じられた筒状の枠壁部を有し、その正面側の開口面のみがグリル構造となったファンガード９の場合（例えば特許文献１，２を参照）には、静圧の上昇度合が高く、騒音の発生量が大きい問題がある。この騒音は、吹出風速Ｖの６乗（＝Ｖ⁶）で表される。

すなわち、図１３〜図１５の空気調和機用室外機ユニットでは、例えば左右に長いトランク形の本体ケーシング１と、該本体ケーシング１の空気吹出側前面板２部分にあって、機械室を避けた位置に設けられた空気吹出用の開口２ａと、同前面板２の前側にあって上記空気吹出用の開口２ａを覆うように取り付けられた合成樹脂製のファンガード９と、上記本体ケーシング１のファン室側の側板（左側板）５および機械室側の側板４と、上記本体ケーシング１の天板８ａおよび底板８ｂと、該底板８ｂの下部に設けられた脚部１０，１０とを備えて構成されている。

そして、上記送風機が駆動されると、そのファン（羽根車）が回転して、上記本体ケーシング１の背面側等の空気吸込口から吸込まれた空気（外気）が上記前面側の空気吹出用の開口２ａから前方に向けて吹き出される。

このようにして空気が吹き出される空気吹出用の開口２ａの外側には、上述のようにファンガード９が設けられており、このファンガード９は、例えば図１４および図１５に示すように、前方側空気吹出方向に所定の幅（長さ）を有して突出する方形の筒枠構造体に形成されている。

そして、その前面側は格子構造の空気吹出グリル９１となっているが、周囲４つの枠壁部９２ａ〜９２ｄは、すべて全く開口のない盲板面に形成されている。

したがって、このような構成のファンガード９では、例えば図１５に示すように、上記本体ケーシング１前面側の空気吹出用開口２ａから前方に吹き出された空気がファンガード９の空気吹出グリル９１から吹き出される時に、ファンガード９自体が吹出し気流の抵抗となり、送風機の静圧を上昇させる。その結果、空気吹出グリル９１部分の格子と吹出し気流との干渉による騒音も上昇する。

また、図１６および図１７の側方吸込みおよび上方吹出型空気調和機用室外機ユニットの場合、上下方向に長い方形角筒形の本体ケーシング１の前面２３側の全面と左右両側面２４，２５側各々の略前半部分の面がそれぞれグリル構造の空気吸込口２３ａ，２４ａ，２５ａに形成されている一方、背面２２側の全面と左右両側面２４，２５の略後半部分がそれぞれ盲板となっていて、その中に上記前面側空気吸込口２３ａ、側面側空気吸込口２４ａ，２５ａの各々に対応する形で平面視コ字形の熱交換器が設けられている。

他方、その下面には底板２９が、また上部には円筒構造のファンガード２８が設けられ、その内側下方の熱交換器上部には送風機が設けられている（図示省略）。このファンガード２８は、上記角筒形の本体ケーシング１の上端部に冠合された扁平角筒形のベースキャップ２６ａの図示しない円形の空気吹出用開口部上部にあって円筒構造に絞り加工されて取付られており、少し縮径された状態で上方に延びて形成されている。そして、その上端側開口面には上述の送風機および空気吹出口に対応する格子構造の空気吹出グリル２７が設けられている。

一方、その円筒形状の枠壁面２６ｂは、上記図１３〜図１５の場合と全く同様の盲板構造の筒状壁となっている。したがって、このような構成の場合にも、やはりファンガード９自体が吹出し気流の抵抗となり、送風機静圧を上昇させる要因となる。

そこで、このような問題を解決するために、例えばトランク型の空気調和機用室外機において、プロペラファンの吸込側に熱交換器を、吹出側に空気吹出グリルをそれぞれ配置するとともに、該プロペラファンから空気吹出グリルに至る第１の吹出流路と、該第１の吹出流路のファン径方向外側においてファンガイド（ベルマウス）の下流部に沿いかつ空気吹出グリルを介さずに外部へ開口する第２の吹出流路とを形成することにより、プロペラファンから吹き出される空気流を第１の吹出流路と第２の吹出流路とに分流し、該第２の吹出流路側へ流れる送風量を減少させ、それに伴って該第１の吹出流路から空気吹出グリル側に吹き出される空気流の流量を少なくするようにしたものがある（例えば特許文献４を参照）。

また、同様の問題を解決するために、同じくトランク型の空気調和機用室外機において、本体ケーシングの空気吹出口の前面側に設けられるファンガードのグリル素子最外周のフレーム部をファンモータの軸方向に所定寸法伸ばし、当該伸ばした部分を部分的に切り欠いて、送風グリルと室外機本体ケーシングとの間に幅の狭い空気通路を作り、吹出方向の空気の流れの一部を周方向外方に逃がすようにしたものもある（例えば特許文献５を参照）。

実開平６−６７８９５号公報 特開２００２−１９５６１０号公報 特開平５−２４８６６２号公報 特開平８−１８９６７１号公報 特開２００７−１３９２４２号公報

ところが、先ず前者の場合、プロペラファンから空気吹出グリルに至る本来の第１の吹出流路に加えて、該第１の吹出流路のファン径方向外側においてファンガイの下流部に沿って空気吹出グリルを介さずに外部へ開口する第２の吹出流路を形成する必要があることから、同通路形成のためにファンガイド（ベルマウス）吹出側縁部の特別な曲面加工が必要となるし、通路構造自体が複雑になる。

また、第２の吹出流路自体に大きな風量が流れるようになるので、同第２の吹出流路の騒音コントロールが課題となる。

さらに、空気吹出グリルと本体ケーシング側仕切板（前面板）との間に大きな左右方向の開口が形成されることになるので、見映えも悪いし、空気吹出グリルの取付構造自体も改善しなければならない。

次に後者の場合、本来円形の（環状の）グリル素子の１つである最外周の円形フレームの軸方向の幅を拡大し、その一部に周方向に延びる細い切欠を形成することによって対策しているが、単に円形フレームの一部に切欠を入れた程度では余り大きな静圧回収効果は期待できないし、円形フレーム自体の剛性を低下させ、グリル支持機能を低下させるし、グリル部変形の原因になる。

また、フレームの外周部全体に切欠を形成すると、本体ケーシング側壁部に空気吹出口を有する室外機の場合、ショートサーキットを生じてしまい、熱交換器の熱交換効率を悪化させる問題がある。

本願発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、空気調和機用室外機の空気吹出口外周囲に設けられるファンガードを、空気吹出面を形成するグリル構成素子とは別の構造体であるファンガード枠壁部のショートサーキット面を除く枠壁面にのみ開口部を設けることによって、グリル構造のファンガード空気吹出面からの吹出風量と風速を適切に低減し、静圧の上昇度合を小さくして、グリル構成素子と吹出し気流との干渉による騒音をも有効に低下させた空気調和機用室外機を提供することを目的とするものである。

本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。

（１） 請求項１の発明
この発明の熱交換器は、空気吸込口および空気吹出口を有する本体ケーシングと、該本体ケーシングの上記空気吹出口の内側に設けられたベルマウスと、上記本体ケーシングの上記空気吸込口から空気吹出口に到る送風路に設けられた送風機と、上記本体ケーシングの上記空気吹出口に対応するグリル構造のフラットな空気吹出面および空気吹出方向に所定の長さを有して上記本体ケーシングの空気吹出口外周囲に取り付けられる上記ベルマウスとは別体の空気吹出筒および取付枠機能を有した筒状の枠壁部よりなるファンガードとからなり、上記ファンガードのグリル構造の空気吹出面および筒状の枠壁部が合成樹脂により一体に成型されているとともに、上記筒状の枠壁部の枠壁面に空気吹出用の開口を設けてなる送風ユニットであって、上記送風路の送風機上流には熱交換器が設けられており、上記空気吹出用の開口は、当該熱交換器の形状および上記本体ケーシングの空気吸込口位置との関係でショートサーキットを生じる枠壁面を避けて設けられていることを特徴としている。

このような構成によると、先ずファンガード枠壁部が、フラットな空気吹出面を形成しているグリル構成素子とは別の構造体である空気吹出筒および本体ケーシングへの取付枠として機能する。

したがって、同枠壁部の枠壁面への開口の形成は容易で、従来のような特別な通路構造は必要でなく、ベルマウスの気流ガイド縁部や仕切板の形状加工も不要である。

また、筒状の枠壁部は、本体ケーシングへの取付枠として構成されているので、剛性も高く、変形しにくい。

そして、そのようなファンガード枠壁部の、当該熱交換器の形状および上記本体ケーシングの空気吸込口位置との関係でショートサーキットを生じない枠壁面側に空気吹出用の開口が設けられており、同ファンガード枠壁部の枠壁面の開口からも効率良く空気が吹き出れるようになり、その分だけグリル構造のフラットな空気吹出面から吹き出される空気の量が減少し、その吹出風速も低下する。

その結果、静圧の上昇度合も低下し、また吹出しグリル部分でのグリル素子と吹出し気流との干渉による騒音も低下する。

また、同空気吹出用の開口は、当該熱交換器の形状および上記本体ケーシングの空気吸込口位置との関係でショートサーキットを生じない枠壁面側にのみ設けられているので、熱交換器側空気吸込口側への吹出気流のショートサーキットを避け、可及的に熱交換効率の低下を回避することができる。

その結果、送風機のファンモータの余分な駆動負荷も低減され、消費電力も減少する。

しかも、熱交換器の熱交換効率を低下させる恐れもない。

（２） 請求項２の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項１の発明の構成において、ファンガード枠壁部の枠壁面の開口は、複数個形成されていることを特徴としている。

ファンガード枠壁部の枠壁面に形成する開口は、安全性および強度の面から開口の大きさを大きくすることなく、しかも適切な吹出風量を確保するために、所定の形状の開口を所定の位置関係で複数個形成することが好ましい。

（３） 請求項３の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項２の発明の構成において、複数個の開口は、それぞれリブを介して補強されていることを特徴としている。

このような構成によると、複数個の開口部を形成した枠壁部の剛性、強度の十分な補強を図ることができ、枠壁部の枠壁面への押圧力の作用による変形を確実に避けることができるようになる。

（４） 請求項４の発明
この発明の熱交換器は、上記請求項１，２又は３の発明の構成において、ファンガードは方形の構造をなし、その４角の各コーナ部には本体ケーシングの空気吹出口の外周囲に対して螺合手段を用いて締結固定するための螺合穴を備えた取付用の凹部が設けられていることを特徴としている。

このような構成によると、同ファンガード枠壁部の取付用凹部にビスネジ等の螺合手段を螺合して極めて容易に本体ケーシングに固定することができ、取付け作業が容易で、安定した固定が可能となる。

以上の結果、本願発明によると、グリル構造となったファンガードの正面側開口面から吹き出される風量、風速が低減、低下し、その分だけ静圧の上昇度合が低下し、吹出しグリルのグリル素子と吹出し気流との干渉による騒音も低下する。

その結果、ファンモータの余分な駆動負荷も低減され、消費電力も減少する。したがって、低騒音で、省エネ性に秀れた送風ユニットを実現することができる。

しかも、ショートサーキットによる熱交換器の熱交換効率の低下も生じない。

（最良の実施の形態１）
図１〜図７は、本願発明の最良の実施の形態１に係る送風ユニットの全体および要部の構成を示している。この実施の形態では、送風ユニットとして、例えば空気調和機用室外機ユニットが選ばれている。

図１および図２は、先ず同空気調和機用室外機ユニットの全体的な構造を示している。

この空気調和機用室外機ユニットは、背面側長片部１１ａと側面側短片部１１ｂとからなる平面視Ｌ字形の熱交換器１１、ファンモータ１２ａとファン（羽根車）１２ｂよりなる送風機１２、冷媒圧縮用の圧縮機１３等を収納する例えば左右に長いトランク形の本体ケーシング１と、該本体ケーシング１の空気吹出側前面にあって、例えば上記送風機１２のファンモータ１２ａを支持する前面板２と、該前面板２の機械室Ｍを避けた位置に設けられた空気吹出用の開口２ａと、該開口２ａの内側部分に設けられる円筒体構造のベルマウスＢと、上記前面板２の前面にあって上記空気吹出用の開口２ａを覆うように取り付けられた合成樹脂製のファンガード９と、上記本体ケーシング１の背面板３の機械室Ｍを避けた位置に設けられた空気吸込口３ａと、上記本体ケーシング１のファン室Ｆ側の側板（正面から見た時の左側板）５と、該側板５に設けられた空気吸込口５ａと、上記本体ケーシング１の天板８ａおよび底板８ｂと、該底板８ｂの下部に設けられた脚部１０，１０とを備えて構成されている。

上記全体としてＬ字形の熱交換器１１は、上記本体ケーシング１の背面板３側の空気吸込口３ａから左側面側の側板５の空気吸込口５ａの両方に対応するように配置され、管板６，６を介して支持されている。

一方、上記本体ケーシング１内の上記送風機１２および熱交換器１１が設けられた送風室Ｆ側と圧縮機１３が設けられた機械室Ｍ側とは、仕切板７を介して区画されている。

そして、上記送風機１２のファンモータ１２ａが駆動されると、そのファン（羽根車）１２ｂが回転して、上記空気吸込口３ａおよび５ａから吸込まれた空気（外気）がベルマウス６を介して上記前面側の空気吹出用の開口２ａから前方に向けて吹き出される。

ところで、このようにして空気が吹き出される空気吹出用の開口２ａの外側には、上述のようにファンガード９が設けられているが、このファンガード９は、例えば図３および図４に示すように、全体として前方側空気吹出方向に所定の幅（長さ）Ｗを有して突出する方形の筒枠構造体に形成されている。

そして、その前面側は、例えば図３、図４、図６、図７から明らかなように、格子構造のフラットな空気吹出グリル（空気吹出面）９１となっている一方、上下左右周囲４つの枠壁部９２ａ〜９２ｄの枠壁面は、上記本体ケーシング１の左側板５に対応（近接）する左側面側の枠壁部９２ｂの枠壁面は全く開口のない盲板面に形成されているが、他方右側面側の枠壁部９２ａおよび上下両側の枠壁部９２ｃ，９２ｄの枠壁面には、例えば図５に示すような幅方向に２列づつ並設された３組のスリット構造の開口９３，９３・・・が長手方向に所定の間隔をおいて設けられていて、前面方向だけでなく側面方向にも所定量の空気の吹出が可能なように構成されている。

したがって、このような構成のファンガード９では、例えば図６および図７に示すように、上記本体ケーシング１前面側の空気吹出用開口２ａから前方に吹き出された空気がファンガード９の空気吹出グリル９１から主流として吹き出されるとともに、上記左側面側枠壁部９２ｂの枠壁面を除く右側面側枠壁部９２ａおよび上下両面側枠壁部９２ｃ，９２ｄの各枠壁面に各々設けられた上記複数の開口９３，９３・・・からも副流として所定量の空気が吹き出されるようになり、それだけグリル構造となったファンガード９の前面側空気吹出グリル９１の開口面から吹き出される風量、風速が低減、低下し、その分だけ静圧の上昇度合が低下し、空気吹出グリル９１部分のグリル素子と吹出し気流との干渉による騒音も低下する。

その結果、送風機１２のファンモータ１２ａの余分な駆動負荷も低減され、消費電力も減少する。

したがって、低騒音で、省エネ性に秀れた送風ユニットを実現することができる。

しかも、上述の構成の場合、本体ケーシング１内の送風室Ｆの空気吹出通路上流にはＬ字形の構造の熱交換器１１が設けられ、上記複数の開口９３，９３・・・は、同熱交換器１１の形状との関係でショートサーキットを生じやすい左側面側の枠壁部９２ｂの枠壁面を避けて設けられている。

したがって、このような構成によると、確実に熱交換器１１側空気吸込口５ａへの吹出気流のショートサーキットを避けることが可能となり、熱交換器１１の熱交換効率の低下を回避することができる。

もちろん、ショートサーキットを考慮しなくて良い場合には、全ての枠壁部９２ａ〜９２ｄの枠壁面に複数の開口９３，９３・・・を設けることができる。

さらに、この実施の形態の場合、上記ファンガード９の枠壁部９２ａ〜９２ｄの４角のコーナ部内側には、それぞれ三角形状のコーナリブ９５，９５・・が設けられていて、枠壁部全体を補強しているとともに、同コーナリブ９５，９５・・部分には各々ビスネジ９７，９７・・を挿入螺合することによって、当該ファンガード９を上述した本体ケーシング１の前面板３に設けられいてる空気吹出口３ｂの外周囲に対して締結固定するためのビス穴（ネジ穴）を備えたビス止め用の凹部９６，９６・・が設けられている。

したがって、これにより上記ファンガード９の枠壁部９２ａ〜９２ｄは、グリル構成素子とは別の構造体である空気吹出グリル９１の取付枠として十分な強度と支持剛性を有し、極めて安定した状態で確実に本体ケーシング１の前面に取付けられる。

さらに、上記吹出グリル９１は、空気吹出方向に所定幅（長さ）Ｗだけ筒状に延びて角筒形の空気吹出筒を形成しており、その筒壁面に上述のような開口９３，９３・・を延設方向および周方向に各々複数列形成するようにしているから、設置も容易で外観的に見映えが良いことはもちろん、空気の吹出もスムーズで、吹出時の騒音も小さい。

また従来のような特別な通路構造は必要でなく、ベルマウスの気流ガイド縁部や仕切板の形状加工も不要である。

また、本体ケーシングへの取付枠として構成されているので、剛性も高く、変形しにくい。

（変形例）
なお、以上のファンガード９の構成における枠壁部９２ｂ〜９２ｄの枠壁面の開口９３，９３・・・は、人の指が入らない程度の幅の細長いスリット構造のものを幅方向および長手方向に複数個並設したものとなっているが、それらの長さを長くすると個数は少なくて済む（例えば図５の３組６個から、図８の２組４個に）。

しかし、そのように開口９３，９３・・の長さを長くすればするほど、開口９３，９３・・部分のグリル壁の剛性が低下し、例えば図１０の（ａ）から（ｂ）のように押圧力Ｐに対して弱くなり、大きな変形を生じやすくなる。

もちろん、この場合、枠壁部の板厚を増大させて剛性をアップさせることも考えられるが、そのようにすると、ファンガード９全体の重量が増大するし、コストも上昇する。また、開口９３，９３間のＡ部の幅を大きくすると、開口９３，９３の長さが小さくなる。

そこで、その対策として、本実施の形態では、例えば図９に示すように、当該枠壁部９２ｂ〜９２ｄの枠壁面の開口９３，９３、９３，９３・・各々の中間部裏面側（ファン１２ｂ側）に両開口部をクロス状態で枠壁部に連結補強する補強リブＬ，Ｌ・・・を設ける。

このようにすると、少々開口９３，９３・・・の長さを長くしても同部分の剛性が十分にアップし、図１０の（ａ）から（ｃ）に示すように押圧力Ｐに対する変形量が小さくなる。

この補強リブＬ，Ｌ・・・は、別体のものを接合一体化しても良いが、好ましくはファンガード９全体を合成樹脂成形する際に開口９３，９３・・・とともに一体成形するのが好ましい。

なお、同補強リブＬ，Ｌ・・・は、図８のような開口９３，９３が長手方向に２組設けられる場合に限らず、上述した図５の場合のように長手方向に３組並設される場合にも設けても良いことは言うまでもない。

（最良の実施の形態２）
次に図１１および図１２は、本願発明の最良の実施の形態２に係る送風ユニットの全体および要部の構成を示している。

この実施の形態でも、送風ユニットとして、例えば空気調和機用室外機ユニットが選ばれているが、この実施の形態の場合、同空気調和機用室外機ユニットが側方３面吸込み、上方吹出型のもので構成されていることを特徴としている。

このような空気調和機用室外機ユニットの場合、上下方向に長い方形角筒形の本体ケーシング１の前面２３側の全面と左右両側面２４，２５側各々の略前半部分の面がそれぞれグリル構造の空気吸込口２３ａ，２４ａ，２５ａに形成されている一方、背面２２側の全面と左右両側面２４，２５の略後半部分がそれぞれ盲板となっていて、その中に上記前面側空気吸込口２３ａ、側面側空気吸込口２４ａ，２５ａの各々に対応する形で平面視コ字形の熱交換器が設けられている。

他方、その下面には底板２９が、また上部には空気吹出筒および取付枠機能を備えた円筒構造のファンガード２８が設けられ、その内側下方には送風機が設けられている（図示省略）。このファンガード２８は、上記角筒形の本体ケーシング１の上端部に冠合された扁平角筒形のベースキャップ２６ａの空気吹出用開口部上部にあって円筒構造に絞り加工されて取付られており、少し縮径された状態で上方に延びて形成されている。そして、その上端側開口面には上述の送風機および空気吹出口に対応する円形の格子構造の空気吹出グリル２７が設けられている。

一方、その円筒形状の枠壁部２６ｂの枠壁面には、上述の最良の実施の形態１の場合と同様の上下幅方向に２列の周方向に長いスリット構造の開口９３，９３・・・が周方向に所定の間隔をおいて複数組（上下に２列、周方向に複数列）設けられている。

そして、それによって上面側空気吹出グリル２７だけでなく、側面側水平方向にも所定量の空気の吹出が可能となるように構成されている。

したがって、このような構成のファンガード２８では、前述の最良の実施の形態１の場合と同様に、上記本体ケーシング１内の送風機から上方に向けて吹き出された空気がファンガード２８の上面側空気吹出グリル２７から吹き出されるとともに、上記枠壁部２６ｂの枠壁面の複数の開口９３，９３・・・からも吹き出されるようになり、ファンガード２８の上面側の空気吹出グリル２７から吹き出される風量、風速が低減、低下し、その分だけ静圧の上昇度合が低下し、空気吹出グリル２７部分のグリル素子と吹出し気流との干渉による騒音も低下する。

その結果、送風機ファンモータの余分な駆動負荷も低減され、消費電力も減少する。したがって、低騒音で、省エネ性に秀れた送風ユニットを実現することができる。

しかも、上述の構成の場合、上記開口９３，９３・・・は、やはり上記熱交換器１１の形状との関係でショートサーキットを生じやすい前面側および左右両側の枠壁面前半部を避けて設けられている。

したがって、このような構成によると、熱交換器１１側空気吸込口２３ａ，２４ａ，２５ａ側への吹出気流のショートサーキットを避けることが可能となり、熱交換効率の低下を回避することができる。

また、上記の構成では、ファンガード２８の枠壁部が、格子構造の空気吹出グリル２７を一体成型したグリル構成素子とは別の空気吹出筒および本体ケーシングへの取付枠として機能するようになっている。

したがって、同枠壁部の枠壁面への開口９３，９３・・・の形成は容易で、特別な通路構造は必要でなく、ベルマウスの気流ガイド縁部や仕切板の形状加工も不要である。

また、本体ケーシング１側ベースキャップ２６ａへの取付枠として構成されているので、剛性も高く、変形しにくい。

（変形例）
そして、この実施の形態の場合にも、上記各開口９３，９３・・・部分には、上述の図９の場合と同様の補強リブＬ，Ｌ・・・を設けることができることは言うまでもない。

本願発明の最良の実施の形態１に係る送風ユニット（空気調和機用室外機ユニット）の正面図である。 同送風ユニットの水平断面図である。 同送風ユニットのファンガード部分の右斜め上方から見た拡大斜視図である。 同送風ユニットのファンガード部分の左斜め上方から見た拡大斜視図である。 同送風ユニットのファンガード枠壁部の開口を形成した部分の側面図である。 同送風ユニットのファンガード部分の水平方向の断面図（図１のＡ−Ａ）である。 同送風ユニットのファンガード部分の垂直方向の断面図（図１のＢ−Ｂ）である。 同送風ユニットの変形例に係るファンガード枠壁部の開口形成部分の側面図である。 同送風ユニットの変形例に係るファンガード枠壁部の開口形成部分の側部裏面図である。 同送風ユニットの変形例の構成による作用効果（変形前後の形状）を示す図である。 本願発明の最良の実施の形態２に係る送風ユニット（空気調和機用室外機ユニット）の正面図である。 同送風ユニットの平面図である。 従来の送風ユニット（トランク型空気調和機用室外機ユニット）の構成を示す正面図である。 同送風ユニットのファンガード部分の右斜め上方から見た拡大斜視図である。 同送風ユニットのファンガード部分の水平方向（および垂直方向）の断面図である。 従来の送風ユニット（側方吸込み上方吹出し型空気調和機用室外機ユニット）の構成を示す正面図である。 同送風ユニットの平面図である。 鋼線型グリル構造のファンガードを採用した従来の送風ユニット（トランク型空気調和機用室外機ユニット）の構成を示す正面図である。 鋼線型グリル構造のファンガードを採用した従来の送風ユニット（側方吸込み上方吹出し型空気調和機用室外機ユニット）の構成を示す要部の分解斜視図である。

符号の説明

１は本体ケーシング、９はファンガード、１２は送風機、９１は空気吹出グリル、９２ａ〜９２ｄは枠壁面、９３は開口、Ｌは補強リブである。

Claims (4)

1. 空気吸込口および空気吹出口を有する本体ケーシングと、該本体ケーシングの上記空気吸込口から空気吹出口に到る送風路に設けられた送風機と、上記本体ケーシングの上記空気吹出口に対応するグリル構造の空気吹出面および空気吹出方向に所定の長さを有して上記本体ケーシングの空気吹出口外周囲に取り付けられる空気吹出筒および取付枠機能を有した筒状の枠壁部よりなるファンガードとからなり、上記ファンガードのグリル構造の空気吹出面および筒状の枠壁部が合成樹脂により一体に成型されているとともに、上記筒状の枠壁部の枠壁面に空気吹出用の開口を設けてなる送風ユニットであって、上記送風路の送風機上流には熱交換器が設けられており、上記空気吹出用の開口は、当該熱交換器の形状および上記本体ケーシングの空気吸込口位置との関係でショートサーキットを生じる枠壁面を避けて設けられていることを特徴とする送風ユニット。
2. ファンガード枠壁部の開口は、複数個形成されていることを特徴とする請求項１記載の送風ユニット。
3. 複数個の開口は、それぞれリブを介して補強されていることを特徴とする請求項１又は２記載の送風ユニット。
4. ファンガードは方形の構造をなし、その４角の各コーナ部には本体ケーシングの空気吹出口の外周囲に対して螺合手段を用いて締結固定するための螺合穴を備えた取付用の凹部が設けられていることを特徴とする請求項１，２又は３記載の送風ユニット。

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