JP2009052856A - 空気調和機の室外機 - Google Patents

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哲志 岸谷
Ryoji Sato
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Abstract

【課題】
騒音低減化や省エネ化を更に向上できる空気調和機の室外機を得る。
【解決手段】
空気調和機の室外機は、取付足115の上に取り付けられた底板114と、この底板上の三方を囲むように配置された断面コ字状の熱交換器106と、底板上で且つ熱交換器の内側に配置された圧縮機等のタンク類112と、前記熱交換器より上方で且つ前記底板に対向する位置に配置されたシュラウド110と、このシュラウドの内側に配置されたプロペラファン107及びモータ108で構成された送風機とを備え、上吹きタイプに構成されている。熱交換器106は、室外機の四側面の三面から空気を吸込むように配置され、熱交換器が配置されていない一側面は正面102として構成される。前記底板下部の取付足内部には、圧縮機及び送風機を制御するための電気箱111が配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は空気調和機の室外機に係り、特に室外機の騒音低減,小形化に関するものである。
空気調和機の室外機の内部には、圧縮機,送風機及びこれらをコントロールする電気品を収めた電気箱等が設置されている。しかし、この電気箱は熱交換器を通過した空気の流れを阻害し、通風抵抗が大きくなって、送風騒音に大きな影響を及ぼす。この問題を解決するために、特開2004−156800号公報のものでは、熱交換器が軸流ファンを囲うように配置され、室外ユニット側面から外気を吸込み、上面から吹き出すようにすると共に、軸流ファンとこの軸流ファンの上流側に配置された電装品箱の重なり面積Scが、軸流ファンの送風面積Sdとの比(Sc/Sd)で0.09以下となるように構成している。この条件を満たすため、従来では、電気箱を、室外機正面に向かってその右側に配置したり、送風機のモータの直下に配置している。
また、特開2006−153334号公報のものでは、熱交換器の風速分布を改善するため、室外機内部の送風機上流側を制御箱と仕切り板により、熱交換器側と反熱交換器側に空気流路を分割し、熱交換器の下部から吸い込まれた空気は主に反熱交換器側の流路を通って送風機に吸い込まれるようにし、熱交換器の上部から吸い込まれた空気は前記熱交換器側の流路を通って送風機に吸い込まれるようにしている。
特開2004−156800号公報 図2,図6 特開2006−153334号公報 図1
ビルや店舗用の空気調和機の室外機はビルの屋上や建物と建物の間に置かれることが多く、住民等は室外機の運転音を常に耳にすることになる。このため、室外機の低騒音化が求められており、年々低騒音化されている。また近年、空調機の省エネ化も進んできている。
ところで、空気調和機の室外機において、低騒音化と省エネ化、その一部を担う送風機の入力低減化には深い関係があり、送風機の入力低減のためには、室外機の通風抵抗を下げることが効果的で、これは送風騒音の低減にもつながる。
室外機の通風抵抗は、熱交換器の通風抵抗に加え、圧縮機等のタンク,配管類,圧縮機や送風機等をコントロールする電気箱,モータ、及びモータを支えるモータクランプ等の配置で決まる通風抵抗と、空気の流れが曲がるときの抵抗で決まる。室外機の構造により、室外機全体の通風抵抗に対して各要素の通風抵抗割合は異なるが、その中でも電気箱の通風抵抗は比較的大きい。前記特許文献に記載の従来技術は、電気箱の形状や設置位置を工夫して通風抵抗を低減させ、騒音低減化や省エネ化を図ろうとするものであるが、近年、更なる騒音低減化や省エネ化のニーズが要求されている。
本発明の目的は、騒音低減化や省エネ化を更に向上できる空気調和機の室外機を得ることにある。
上記課題を解決するため、本発明は、取付足の上に取り付けられた底板と、この底板上の三方を囲むように配置された断面コ字状の熱交換器と、前記底板上で且つ前記熱交換器の内側に配置された圧縮機等のタンク類と、前記熱交換器より上方で且つ前記底板に対向する位置に配置されたシュラウドと、このシュラウドの内側に配置されたプロペラファン及びこれを駆動するモータで構成された送風機とを備えた上吹きタイプの空気調和機の室外機において、前記コ字状の熱交換器は、室外機の四側面の三面から空気を吸込むように配置され、前記室外機の四側面のうち熱交換器が配置されていない一側面を正面として構成すると共に、前記底板下部の取付足内部に、前記圧縮機及び送風機を制御するための電気箱を配置したことを特徴とする。
ここで、前記プロペラファンを上面から見て反時計回りに回転するように構成すると共に、前記タンク類を、室外機の正面側で且つ正面に向かって右側に配置すると更に良い。また、前記タンク類は圧縮機であり、この圧縮機全体を、正面に向かって室外機中央部よりも右側に寄せて配置するようにすると良い。
前記プロペラファンを上面から見て時計回りに回転するように構成するものでは、前記タンク類を、室外機の正面側で且つ正面に向かって左側に寄せて配置すると良い。
本発明の他の特徴は、取付足の上に取り付けられた底板と、この底板上の三方を囲むように配置された断面コ字状の熱交換器と、前記底板上で且つ前記熱交換器の内側に配置された圧縮機等のタンク類と、前記熱交換器より上方で且つ前記底板に対向する位置に配置されたシュラウドと、このシュラウドの内側に配置された送風機と、前記圧縮機及び送風機を制御するための電気品を収納する電気箱とを備えた空気調和機の室外機において、前記底板下部の取付足内部に前記電気箱を設置したことにある。
ここで、前記取付足の両側にはフォークリフトのフォークを挿入するための差込口が設けられ、前記両側に設けられた差込口の間に前記電気箱が設置されるようにすると良い。更に、前記電気箱は、前記取付足のうちの室外機の前面及び背面に配置された部分に固定設置すると良い。
本発明によれば、空気調和機の室外機において、断面コ字状の熱交換器は、室外機の四側面の三面から空気を吸込むように配置され、前記室外機の四側面のうち熱交換器が配置されていない一側面を正面として構成すると共に、底板下部の取付足内部に、圧縮機及び送風機を制御するための電気品を収納する電気箱を配置するように構成しているので、通風抵抗となっていた電気箱が前記断面コ字状の熱交換器の内部に配置されていないから、室外機内での通風抵抗が大幅に低減され、これによって騒音低減化を向上できると共にファンへの入力低減も図れ、省エネ化を更に向上できる効果もある。
ここで、室外機内部に配置されたプロペラファンが、上面から見て反時計回りで回転するように構成された室外機において、底板の上に配置される圧縮機等のタンク類を、室外機の通風抵抗を更に低減でき、更なる騒音低減及びファン入力低減を実現できる。
また、室外機内部に配置されたプロペラファンが、上面から見て時計回りに回転するように構成された室外機の場合には、底板の上に配置された圧縮機等のタンク類を、室外機の正面側で且つ正面に向かって左側に寄せて配置するように構成することにより、上記と同様に、室外機の通風抵抗を低減して更なる騒音低減及びファン入力低減を実現できる。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る空気調和機の室外機の正面断面図、図2は図1に示す室外機を上から見た平面図である。
これらの図に示すように、室外機101は、取付足115の上に設置された枠体101A及び底板114、この底板の上に配置された圧縮機等のタンク類112,底板114に対向して上方に配置されたシュラウド110、このシュラウドの内部に設置され送風機を構成するプロペラファン107及びこれを回転させるモータ108、この送風機上流側に配置された熱交換器106などから構成されている。前記枠体101Aは正面102,背面103,右側面104及び左側面105で構成され、前記モータ108は、枠体101Aの正面102と背面103を構成する枠体に跨って固定されたモータクランプ109に設置されている。
前記熱交換器106は、室外機を構成する四つの側面のうちの三面にコ字状に配置され、外部の空気は、熱交換器を配置した三面から吸込まれ、前記送風機により上方に排風されるように構成されている。熱交換器が配置されていない室外機の残りの一側面は室外機の正面102として構成され、開閉可能なカバーで覆われている。本実施例の室外機は、上記のように上吹きタイプに構成されており、前記底板114の下部の前記取付足115内部には電気箱111が配置され、この電気箱111は前記取付足115或いは前記底板114の下部に固定設置されている。116は室外機の運搬時にフォークリフトのフォークを挿入できるようにした差込口で、この差込口116は前記取付足115のうち室外機の前面及び背面側に配置された部分の各両側に設けられ、フォークリフトの二本のフォークを挿入してできるようにしている。前記電気箱111は両側の差込口116の間に設置され、フォークを挿入する際にフォークが電気箱に当たらないようにしている。また、前記差込口116は、室外機を設置した後、室内機と接続される冷媒配管の取出口としても使用することができる。
なお、ファンの回転方向は矢印113で示すように反時計回りとなっており、圧縮機等のタンク類112は室外機正面102に向かって右側、奥行方向では正面側に配置されている。
図3,図4に、本実施例との比較のために、従来の空気調和機の室外機を示す。これらの図において、図1,図2と同一符号を付した部分は同一又は相当する部分を示す。図に示すように、従来の空気調和機の室外機においては、電気箱111は、底板上方の空間で、且つ圧縮機等タンク類112の上方のファン107に近いところに配置されていた。このため、電気箱111はファンの上流側の空気流路となる空間の一部を塞いでおり、このため、騒音が増加すると共にファン入力増加の原因となっているが、従来はこの問題を解決するために、底板の上部空間内で電気箱を適正配置する工夫が為されているにとどまっていた。
図5は、同一風量の室外機とした場合の電気箱配置の影響(送風性能)を比較した図である。図5において、横軸は電気箱の配置位置を示し、縦軸はある目標風量を実現するために必要なファンの回転数比を示している。電気箱横置きを基準(回転数比1)として、電気箱縦置きの場合、電気箱下置き(本発明)の場合の回転数比を示している。この図から、電気箱横置きと比較して、電気箱縦置きでは回転数を7%低減できているが、本発明の電気箱下置きでは回転数を10%低減できていることがわかる。これを騒音と軸動力(ファン入力×モータ効率)の低減量に換算すると、電気箱縦置きでは、騒音を約1.9dB低減、軸動力も約20%低減できるが、本発明の電気箱下置きでは、騒音を約2.7dB低減、軸動力も約27%低減でき、本発明の電気箱下置き構造により、更に大幅な騒音低減効果及び軸動力低減効果を達成することができる。
図6は、図1,図2に示す実施例1の一部変形例を示す室外機の平面図で、図において、図1,図2と同一符号を付した部分は同一又は相当する部分を示す。図2に示す実施例では、室外機ファンの回転方向が反時計回りとなっているが、図6の例では、ファンの回転方向を時計回りとした例である。図6の例では、圧縮機等のタンク類112を室外機正面102に向かって左側、奥行方向では正面側に配置したもので、これによって図2の実施例と同様に騒音をより低減でき、ファン入力もより低減することができる。なお、この実施例においても、電気箱111は、実施例1と同様、底板114の下部空間に設置されており、図5に示す実施例1の効果と同様の効果が得られるものである。
ここで、図2及び図6に示すように、ファンの回転方向に対してタンク類の設置位置を工夫した本発明の実施例における更なる騒音低減効果及びファン入力低減効果を図7及び図8により説明する。
図7は図4と同じ従来の室外機であって、ファン回転方向は反時計回りで、タンク類112の設置位置を、正面から見て左側で且つ正面102側としているものにおける内部空気流れを説明する図である。図8は本実施例における室外機の内部空気流れ図を説明する図で、図2と同じ構成とした場合の例を示す。
四側面の内三側面から空気を吸込むタイプの室外機において、図7に示す従来の配置構成のものでは、ファン上流において、熱交換器106を通過して流入した室外機内部における空気流れ201は、ファン107の回転方向に旋回しながらファンに吸込まれる。図7の室外機では、電気箱111を正面102に、圧縮機等のタンク類112を正面102に向かって左側に配置しているが、このような配置では図7に示すように、空気の流れは電気箱111や圧縮機等のタンク類112に衝突ポイント202で衝突する。即ち、従来の室外機におけるような電気箱とタンク類の配置構成では、室外機内部の空気の流れを滑らかにすることはできず、このため騒音増加やファン入力増加の原因となっていた。
これに対し、図8に示す本実施例における室外機では、電気箱111を底板114の下部に配置し、圧縮機等のタンク類112は正面から見て右側の前面側に配置している。この構成により、図8に示すように、ファン107上流側の室外機内部の空気流れは、ファンの回転方向に旋回しながらファンに吸込まれが、空気流れの流路には電気箱と圧縮機等のタンク類が配置されていないので、空気は滑らかに流れてファン上部に排出されている。このため、騒音低減及びファンへの入力低減を実現することができる。また、本実施例では、電気箱111を底板114の下部に配置しているため、室外機右側面104,同左側面105における熱交換器106の端面と正面102との距離L2を、図7に示す従来の対応する部分の距離L1に比較し、短くすることができる。これにより、本実施例では、熱交換器106の周長を長くすることも可能となり、熱交換器の周長を長くすることでファン上流側の周方向吸込面積を広くすることができ、ファン性能を更に向上することができる。また、熱交換器の高さを低減することも可能となり、これにより室外機の高さを低くすることもできる。
このように、図8の本実施例では、電気箱と圧縮機等のタンク類の配置の適正化に加え、熱交換器周長も長く構成できるので、室外機の大幅な騒音低減及びファン入力低減を実現でき、この結果、室外機の小形化も可能となる。なお、図2の実施例の効果を図8で説明したが、図6の本実施例のものでも図2の場合と同様の効果が得られる。
本発明の空気調和機の室外機の実施例1を示す正面断面図である。 図1の平面図である。 従来の空気調和機の室外機の正面断面図である。 図3の平面図である。 本発明と従来の室外機における電気箱配置構成に対する送風性能を比較して説明する説明図である。 本発明の他の例を示す図で、図2に相当する平面図である。 従来の空気調和機の室外機における内部の空気流れを説明する平面図である。 本発明の実施例1における室外機内部の空気流れを説明する平面図である。
符号の説明
101 空気調和機の室外機
102 室外機正面
103 室外機背面
104 室外機右側面
105 室外機左側面
106 熱交換器
107 プロペラファン
108 モータ
109 モータクランプ
110 シュラウド
111 電気箱
112 圧縮機等のタンク類
113 ファン回転方向
114 底板
115 取付足
116 差込口(運搬用)
201 室外機内部の流れ
202 衝突ポイント

Claims (7)

  1. 取付足の上に取り付けられた底板と、この底板上の三方を囲むように配置された断面コ字状の熱交換器と、前記底板上で且つ前記熱交換器の内側に配置された圧縮機等のタンク類と、前記熱交換器より上方で且つ前記底板に対向する位置に配置されたシュラウドと、このシュラウドの内側に配置されたプロペラファン及びこれを駆動するモータで構成された送風機とを備えた上吹きタイプの空気調和機の室外機において、
    前記コ字状の熱交換器は、室外機の四側面の三面から空気を吸込むように配置され、前記室外機の四側面のうち熱交換器が配置されていない一側面を正面として構成すると共に、
    前記底板下部の取付足内部に、前記圧縮機及び送風機を制御するための電気箱を配置したことを特徴とする空気調和機の室外機。
  2. 請求項1において、前記プロペラファンを上面から見て反時計回りに回転するように構成すると共に、前記タンク類を、室外機の正面側で且つ正面に向かって右側に配置したことを特徴とする空気調和機の室外機。
  3. 請求項2において、前記タンク類は圧縮機であり、この圧縮機全体を、正面に向かって室外機中央部よりも右側に寄せて配置したことを特徴とする空気調和機の室外機。
  4. 請求項1において、前記プロペラファンを上面から見て時計回りに回転するように構成すると共に、前記タンク類を、室外機の正面側で且つ正面に向かって左側に寄せて配置したことを特徴とする空気調和機の室外機。
  5. 取付足の上に取り付けられた底板と、この底板上の三方を囲むように配置された断面コ字状の熱交換器と、前記底板上で且つ前記熱交換器の内側に配置された圧縮機等のタンク類と、前記熱交換器より上方で且つ前記底板に対向する位置に配置されたシュラウドと、このシュラウドの内側に配置された送風機と、前記圧縮機及び送風機を制御するための電気品を収納する電気箱とを備えた空気調和機の室外機において、
    前記底板下部の取付足内部に前記電気箱を設置したことを特徴とする空気調和機の室外機。
  6. 請求項5において、前記取付足の両側にはフォークリフトのフォークを挿入するための差込口が設けられ、前記両側に設けられた差込口の間に前記電気箱が設置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
  7. 請求項6において、前記電気箱は、前記取付足のうちの室外機の前面及び背面に配置された部分に固定設置されていることを特徴とする空気調和機の室外機。
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