JP2011026970A - 送風装置 - Google Patents

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歓治郎 木下
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Abstract

【課題】遠心ファンの羽根車外周に設けられた斜流遠心方向の空気吹出通路と、上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファンの羽根車の回転軸と直交する方向に延びて開口された袖型の空気吸込流路とを備えてなる送風装置の袖型の空気吸込流路の内部流れを安定化させ、有効な性能の向上を図る。
【解決手段】本願発明は、同課題を解決するために、上記袖型の空気吸込流路には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口の略中心部に対応し、上記空気吸込流路の流路長手方向に伸びる所定の高さのガイド壁を設け、該ガイド壁の気流ガイド作用により、空気吸込流路の上流側から下流側までの広い範囲に亘って上記遠心ファン羽根車の空気吸込口周辺に安定した旋回流を形成することによって、風量−圧力特性を向上させるとともに、静音化、軸動力の低減を図った。
【選択図】 図4

Description

本願発明は、遠心ファンを備えた送風装置に関し、さらに詳しくは遠心ファン羽根車の空気吸込口側に沿って軸直交方向の一方向から同空気吸込口に空気を案内する空気吸込流路を付設した送風装置に関するものである。
例えばトランク型の空気調和機用室外機の上部に設置される除加湿装置などの送風装置には、軸方向に可及的に薄型コンパクトで、静音かつ高効率な遠心ファンを用いた送風装置が採用されている。
このような送風装置の例として、例えば遠心ファンの回転軸に交差する方向の片側に延びている空気吸い込み通路内に、その吸い込み通路の奥まで気体を導く仕切りガイド部材を設けることにより、当該遠心ファンが、上記吸い込み通路の奥の領域からも十分に気体を吸い込むことができ、かつ上記吸込み口の全領域からバランスよく空気を吸い込むことができるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1の送風装置では、遠心ファンとして前進翼構造の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)、送風通路として渦型のスクロール通路を用いており、高速の空気流がスクロール部出口から空気吹出口の吹出グリル部に向かって吹き出されるために、圧損が大きく、また同吹出グリル部での干渉による発生音のために運転騒音が大きい。また、所要軸動力も大きい。特に大風量低静圧の使用点では運転騒音、所要軸動力共に大となる。
また、その他の送風装置では、斜流遠心方向への空気吹出案内部材が羽根車主板部に対して軸方向に突出しており、薄型コンパクト化を狙いとするものには適さない。さらに、全方向Uターン吹出構造となっているなど、適用できる用途は限られる(例えば特許文献2参照)。
そこで、本願発明者は、このような問題を解決するために、遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた斜流遠心方向の空気吹出通路と、上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファンの羽根車の回転軸と直交する方向に延びて開口された袖型の空気吸込流路とを備え、ファンケーシングの4つの側壁面中の1つの側壁面に上記空気吸込流路の空気流入口を、上記箱状のファンケーシングの4つの側壁面中の上記空気流入口のない3つの側壁面の各々に上記空気吹出通路からの空気吹出口を設けたものを出願している(特許文献3参照)。
図11〜図13に、同送風装置の構成を示す。
すなわち、この送風装置1は、方形箱状の偏平なファンケーシング11と、該ファンケーシング11内に設けられた軸長の短かい遠心ファン2と、該遠心ファン2の羽根車21の外周3面方向(箱状のファンケーシング11の3つの側壁面方向)に設けられた斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3と、上記遠心ファン羽根車21のベルマウス構造の空気吸込口4を包囲する形で設けられ、上記遠心ファン羽根車21の回転軸と直交する一つの方向に開口された矩形形状(断面コの字形状)の空気吸込流路5とを備えるとともに、上記遠心ファン羽根車21の空気吸込口4は、その吸込枠11d側部分が上記空気吸込流路5中に所定寸法突出した構成となっている。
また空気吸込流路5は、同遠心ファン羽根車21の空気流上流側に突出した環状の空気吸込口4の外周囲を囲み、かつ上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3と、ファンケーシング11の前板部11cおよび該前板部11cの内側に形成された通路壁11e部分を介して仕切られている。
ファンケーシング11は、上記遠心ファン2の羽根車21を支持する後板部11aと、該後板部11aの外周から前方に延びる側板部11bと、該側板部11bの反後板部側一端(前端)から内側に水平に延び、その内壁側に上記通路壁11eを形成しているとともに中央部に上記ベルマウス構造の空気吸込口4を有して、上記遠心ファン2の羽根車21の羽根21b,21b・・・の前端部側を覆う前板部11cとからなり、上記側板部11bの3方部分には、上記後板部11aの外周と上記通路壁11eおよび前板部11cの外周部とによって、上記羽根車21の空気出口部分からファンケーシング11の空気吹出口3e部分にかけて斜流遠心方向に延びる所定の長さの空気吹出通路3,3,3が形成されている。
上記通路壁11eは、ファンケーシング11の前板部11cの内側の内壁部の一部所定幅部分を後板部11a方向に所定の高さだけ高く起立(膨出)させ、その空気流上流側の羽根車21の羽根21b,21b・・・の外周に対向する面を空気吹出口3e方向に半径方向の径を拡大させながら傾斜又は曲成させることによって、斜流遠心方向への空気吹出案内面3cを形成する一方、その遠心方向(半径方向)の長さをファンケーシング11の外周端までの長さに比べて所定の長さ短かくし、上記斜流遠心方向の空気吹出通路3の下流側部分を、通路断面積が段部形状に大きく拡大される袖型の空気吹出流路構造として、空気吹出口3e部分における圧損の低減を図るようにしている。
また上記前板部11cは、その中央部が上記遠心ファン2の羽根車21の羽根21b,21b・・・の内径に対応して漏斗形状に開口され、上述のようにベルマウス構造の空気吸込口4を形成しているとともに、同空気吸込口4の上流側所定の幅の吸込枠11d部分は、上記前板部11c面から上記所定寸法空気吸込流路5内に突出して、その外周囲に、深さLの空気吸込口4内に吸込まれて行く吸込空気の整流空間を形成している。
一方、空気吸込流路5は、上記ファンケーシング11の前板部11cの外周部に対して、例えば前板12a、側板12b,12b、背板12cよりなり、背板12cに対向する面が開口したファンケーシング11の一側から他側方向に延びる矩形構造(断面コの字形状)の袖形の筺体12を、上記通路壁11eを形成している前板部11cとの間に各々所定の通路高さH(ファンケーシング11の前板部11cと前板12aとの間の間隔),L(ファンケーシング11の前板部11c中央の内側空気吸込口4の吸込枠11d部分と前板12aとの間の間隔)(但し、H>L)を保った状態で、上記前板部11cおよび空気吸込口4を覆って前板部11cの外周側に一体に取り付けることによって形成されている。
そして、空気吸込流路5の空気取入れ用の開口5aは、上記ファンケーシング11の空気吹出通路3のない1面の側板部11b側に設けられている。また、同空気取入れ用の開口5aに対向する空気吸込流路奥壁面は上記背板12cにより閉じられている。
さらに、上記遠心ファン2の羽根車21は、所定の直径の円形の主板21aと、該主板21aの外周部一面側に所定の間隔を保って周方向に複数枚立設された羽根(翼)21b,21b・・・と、該複数枚の羽根21b,21b・・・のスパン方向他端部の外周面に前端側曲成部aを嵌合一体化して設けられた循環流形成用のリング部材21cとからなり、上記主板21aの中央部側ボス部21dをファンモータ6の回転駆動軸6aに対して固着一体化し、ファンモータ6を介して上記ファンケーシング11の後板部11aの中央部に連結して支持されている。
上記羽根21b,21b・・・を支持している主板21aの外周部は、上記ファンケーシング11の後板部11aの板厚深さ内に形成された所定の深さの主板嵌合凹部7内に遊嵌される形で回転可能に設置されている。これにより、同主板21a外周部の内面と後板部11aの主板嵌合凹部7の外周の空気吹出通路内壁面3aとが同一平面高さとなるように形成されている。
すなわち、上記羽根車21の空気出口部から斜流遠心方向に延びる上記3面方向の空気吹出通路3,3,3は、それぞれ上述のように上記ファンケーシング3方の側板部11b,11b,11b部分に各々空気吹出グリルを備えた空気吹出口3e,3e,3eを開口させることによって形成されているが、同空気吹出通路3,3,3は、上記ファンケーシング11の前板部11cの内壁部の一部所定幅部分を上記後板部11a側に所定の高さ膨出させて通路壁11eを形成するとともに、その内周面側の内径を回転軸方向主板側にかけて次第に拡大させることにより、同内周面を空気吹出口3e,3e,3e方向に傾斜又は曲成させて、その上流側部分に図11、図13のような斜流遠心方向への空気吹出案内面3c,3c,3cを形成し、これによって同空気吹出通路3,3,3を斜流遠心方向の空気吹出通路としている。
なお、この場合、空気吹出通路3,3,3の上記後板部11a側通路壁面3aの高さは、上記後板部11aの主板嵌合凹部7内への嵌合寸法を利用して上記羽根車21の主板21aの外周部側羽根取付部の羽根面側の高さに等しい高さ(同一平面上)に形成されている。他方、同空気吹出通路3,3,3の上述した前板部11c側通路壁11e部分の通路面3dの高さは、上記羽根車21の羽根他端部側リング部材21cの斜流遠心方向に延びる後端部bの上面の高さに略等しくなるように形成されている。
また、上記空気吸込口4の空気吸込枠11dの上記リング部材21c側(ファンケーシング11内送風路の上記リング部材21cに対応する部分)には、図示のように所定の広さの空気流通空間8が形成されており、上記羽根車21の空気出口部のリング部材取付端側から上記空気吸込口4の背面側を通って再度上記羽根車21の空気入口部側に吸い込まれる空気の循環流を容易且つ確実に形成し、斜流遠心方向に吹き出される吹出気流の乱れを抑制するようになっている。
このような構成の送風装置では、上記ファンモータ6が駆動されて、上記遠心ファン2の羽根車21が図13の矢印のように回転すると、上記空気吸込流路5の空気取り入れ口5aから空気吸込流路5内に、図12中の矢印で示すように空気が吸い込まれ、同空気吸込流路5内の空気が上記ベルマウス構造の空気吸込口4から上記羽根車21の羽根21b,21b・・・間に旋回しながら吸い込まれて行くが、該円形の空気吸込口4に対して、該空気吸込口4への空気吸込方向と上記空気吸込流路5内への空気流入方向とが直交する状態となるために、上記のような構造であっても空気吸込流路5の通路面積が小さい場合には上記空気吸込口4内へのスムーズな吸込旋回流が形成されにくく、上記空気吸込口4付近に不安定な流れが生じやすくなる。その結果、風量−静圧特性が不安定となり、運転音が大きくなる問題がある。
そこで、上記遠心ファン羽根車21側の環状の空気吸込口4の吸込枠11d部分を、上記空気吸込流路5中に所定寸法突出した、外周面側が鉤形で内周面側が円弧面状の環状部材に構成している。
したがって、同吸込方向に凸の環状部材となって空気吸込流路5内に寸法突出させることにより形成される空気吸込口4外周囲の整流空間で軸直交方向への吸込空気流の縮流作用が実現され、それによる整流効果によって空気吸込口4部分に安定した吸込旋回流が形成されるようになり、空気吸込口4および羽根車21内への空気吸込状態がスムーズで安定したものとなる。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
また、同構成における空気吸込流路5は、上記遠心ファン羽根車21の上記環状に突出した空気吸込口4の外周囲を囲み、かつ上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3とその通路壁11eを形成している前板部11cを介して仕切られている。
したがって、上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3の通路壁11eを形成している前板部11cの前面を有効に利用しながら、上記袖型の空気吸込流路5のファン回転軸方向の寸法Hを可能な限り大きくすることができる。このため、空気吸込口4内への吸込み旋回流が十分に緩和、安定化され、逆予旋回流入による悪影響が小さくなり、より良好な性能が得られるようになる。
そして、以上のようにしてスムーズに羽根車21内に吸い込まれた空気流は、同羽根車21の羽根21b,21b・・・の外周から遠心方向に吹き出され、上記空気吹出通路3,3,3上流側斜流遠心方向への空気吹出案内面3cによりガイドされて斜流遠心方向外方に吹き出されて行くが、この時、上記各羽根21b,21b・・・は、その反主板側端部の位置が空気吸込側から空気吹出側に向かうにしたがって、主板21a側に近づく斜流方向への傾斜翼とされており、さらに同羽根21b,21b・・・の反主板側の端部にはシュラウドに代えて、その後端部b側が同じ傾斜方向にストレートに伸びるリング部材21cが設けられている。しかも、このリング部材21cは、その前端部a側が上述のように底板11d内側の空気流通空間8内に少し延びて円弧状に曲成されている。
したがって、同リング部材21cによる循環流の生成作用もより容易となる一方、上記斜流遠心方向への主流の流れも一層スムーズなものになる。
また、このようなシュラウドレス構造の遠心ファン羽根車の場合、シュラウド付遠心ファン羽根車の場合よりも空気入口側部分の内径およびそれに対応した空気吸込口4の内径を大きくすることができるので、空気吸込口4手前での逆予旋回流流入による悪影響が効果的に緩和され、より静音化が顕著となる。
以上のように、羽根車21の環状に突出した空気吸込口4に対して袖形の空気吸込流路5を設けるようにすると、遠心ファン羽根車21の空気吸込口4から直接吸込空気を吸い込むことが難しい場合等においても、遠心ファン羽根車21の空気吸込口4に所望の方向から空気を供給することができ、また、その場合において、上述のような環状凸部の空気吸込口4構造を採用すると、その縮流作用でスムーズな吸込作用(吸込旋回流生成作用)を実現することができ、より静音化、軸動力の低減に寄与することができるようになる。
しかし、同構成のままでは、上記空気吸込流路5の空気取入れ口5aから取り入れられた空気流が環状の空気吸込口4部分に必ずしもスムーズな整流状態で旋回方向に進入するとは限らず、同部分で必ずしも適正な縮流作用が実現されるとは限らない。
そこで、このような問題を解決するために、さらに上記空気吸込流路5の上流部、特に上記遠心ファン2の羽根車21への空気吸込口4の中心部よりも上記空気取入れ口5a側であって、かつ上記羽根車21への空気吸込口4の外周面よりも半直径方向外側に位置して、上記空気吸込流路5の左右の側板12b,12bに平行な一対の整流部材13,13(上流端13a側吸込空気流との対向面が大径のアール面で、下流側端部13bに近くなるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状をしている)を設けて、上記空気取り入れ口5a側から空気吸込口4方向への空気の流れを整流状態にすることによって、上述した環状で凸部構造の空気吸込口4の周辺に一層安定した吸込方向への旋回流を形成するようにしており、それによって、より有効に風量−圧力特性を向上させるとともに、可及的な静音化、軸動力の低減を図るようにしている。
また、上記のように整流部材13,13を設けた空気吸込流路5の上流側中央部において、例えば図12に示すように、左右両方向への分流壁38を設けてもよい。この分流壁38は、図示のように、上流側がファン回転方向(吸込空気の旋回方向)へ少し傾いた状態で設置するのが好ましい。このようにすると、上記左右の整流部材13,13側への流れが空気吸込流路5の入口側で適切に分流されて、より整流部材13,13による整流効果が高くなる。
また、この送風装置では、図13に示すように、上記空気吹出通路3部分において、各々舌部を備えて各空気吹出口3e,3e,3e方向へスムーズに空気を吹き分ける第1〜第3の空気吹き分けガイド16a〜16cを設けている。したがって、上述した3つの空気吹出通路3,3,3から、その誘導状態に応じて、よりスムーズに空気が吹き出されるようになる。
以上のような構成によると、袖型の空気吸込流路5の存在にもかかわらず、当該遠心ファンが同空気吸込流路5の奥の領域からも十分に空気を吸い込むことができ、かつ上記遠心ファンの空気吸込口4の全領域からバランスよく空気を吸い込むことができるようになり、箱状のファンケーシングの可及的な薄型化を図りながらも、有効なファン性能を得ることができるようになる。
そして、さらに上記袖型の空気吸込流路5の上流側中央部において、上述のように、左右両方向への分流壁38を設けて分流作用を実現すると、吸込まれた空気流が上記空気吸込流路5の入口側で適切に分流されて、一層整流効果が高くなる。その結果、性能も向上する。
特開2002−98092号公報 特開2007−113526号公報 特願2008−301973号明細書および図面
しかし、以上のように分流壁を空気吸込流路の上流側に設けただけでは、袖付吸込流路の内部流れをより安定化させるのに十分ではなく、必ずしも有効な性能向上につながらない問題がある。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上記空気吸込流路には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口の略中心部に対応し、上記空気吸込流路の流路長手方向に伸びる所定の高さのガイド壁を設け、遠心ファン羽根車の空気吸込口周辺に安定した旋回流を形成することによって、風量−圧力特性を向上させるとともに、静音化、軸動力の低減を図った高性能の送風装置を提供することを目的とするものである。
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた空気吹出通路と、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファン羽根車の軸直交方向に開口された空気吸込流路とを備えてなる送風装置であって、上記空気吸込流路には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口の略中心部に対応し、上記空気吸込流路の流路長手方向に伸びる所定の高さのガイド壁が設けられていることを特徴としている。
このようにすると、入口側から奥行方向の略全体に亘って吸込み流れを有効に安定化させることができ、良好に吸込性能を向上させることができる。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
(2) 請求項2の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、遠心ファン羽根車の空気吸込口よりも上流側には、さらに空気吸込流路を分割する流路分割壁が設けられていることを特徴としている。
このように、遠心ファン羽根車の空気吸込口よりも上流側に、空気吸込流路を分割する流路分割壁を設けると、上記ガイド壁によるガイド作用が、該流路分割壁による入口側流入空気のスプリット作用と相乗して、より安定した吸込作用が実現されるようになり、より一層性能が向上する。
(3) 請求項3の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、流路分割壁は、ガイド壁の上部に別のプレート部材を取り付けることにより形成されていることを特徴としている。
このように、上記流路分割壁は、ガイド壁の上部に別のプレート部材を取り付けることにより形成することもできる。
(4) 請求項4の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、流路分割壁は、ガイド壁自体の高さを部分的に高くすることにより形成されていることを特徴としている。
このように、ガイド壁自体の高さを部分的に高くすることにより流路分割壁を形成するようにすると、別部材で形成する場合に較べて、構成が簡単で組付作業も不要であることから、低コストに構成することができる。
(5) 請求項5の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、ガイド壁は、空気吸込流路の通路壁を断面M字状に曲成起立させることによって形成されていることを特徴としている。
このように、上述のガイド壁を、空気吸込流路の通路壁を断面M字状に曲成することによって形成すると、その裏側に形成される凹溝部を所要の電気配線の収容部として有効に活用することができる。
また、上端側の凹溝を流路分割壁の嵌合部として利用することができる。
(6) 請求項6の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4又は5の発明の課題解決手段の構成において、空気吸込流路通路壁上の遠心ファン羽根車の空気吸込口との対向部には、同空気吸込口方向に突出した略円錐形状の整流部材が設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、略円錐形状(円錐台形状、単葉双曲面状などを含む)の整流部材の付設により、さらになめらかで、より安定した吸込み旋回流が形成されるようになり、さらなる風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(7) 請求項7の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5又は6の発明の課題解決手段の構成において、遠心ファンの羽根車は、シュラウドのない多翼羽根車であることを特徴としている。
このような構成によると、シュラウドレス遠心ファンの場合に、シュラウド付遠心ファンよりも吸込口内径を大きくすることができるので、吸込口前の逆予旋回流の流入による悪影響が緩和され、特に静音化が顕著である。
(8) 請求項8の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6又は7の発明の課題解決手段の構成において、所望の空気調和手段と組み合わせ、空気調和機用の送風手段として構成されていることを特徴としている。
このような構成によると、風量−圧力特性が高く、静かで、軸動力の小さい斜流遠心吹出流路(全周吹き、四方向吹き、三方向吹き、二方向吹き)の空気調和機、また空気吸込流路の前方に水分吸着エレメントを配置した除湿装置等を実現することができる。
以上の結果、本願発明によれば、良好なファン性能が実現され、同良好なファン性能のファンを用いて各種送風装置、空気調和装置の静音化、低軸動力化(省エネルギー化)が図られ、また併せて、それらの装置の軸方向寸法のコンパクト化が図られる。
本願発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を示す空気吸込流路の方向に沿って切断した中央断面図である。 同送風装置の図1の直交方向で切断した中央断面図(図1のA−A)である。 同送風装置の水平断面図(図1のC−C)である。 同送風装置の水平断面図(図1のB−B)である。 同送風装置の空気吸込流路の中央ガイド壁および入口側流路分割壁の構成を示す斜視図である。 本願発明の実施の形態2に係る送風装置の構成を示す中央断面図(図1と同様の断面図)である。 同送風装置の水平断面図(図6のB−B)である。 本願発明の実施の形態3に係る送風装置の空気吸込流路における中央ガイド壁および入口側流路分割壁の構成を示す斜視図である。 本願発明の実施の形態4に係る空気調和装置の中央断面図である。 同空気調和装置の除加湿ユニットの構成を示す斜視図である。 先願例に係る送風装置の構成を示す中央断面図である。 同送風装置の中央断面図(図11のa−a断面図)である。 同送風装置の水平断面図(図11のb−b断面図)である。
以下、本願発明の幾つかの実施の形態の構成について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
先ず図1〜図5は、本願発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1は、方形箱状の偏平なファンケーシング11と、該ファンケーシング11内に設けられた軸長の短かい遠心ファン2と、該遠心ファン2の羽根車21の外周3面方向(箱状のファンケーシング11の3つの側壁面方向)に設けられた斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3と、上記遠心ファン羽根車21のベルマウス構造の空気吸込口4を包囲する形で設けられ、上記遠心ファン羽根車21の回転軸と直交する一つの方向に開口された矩形形状(断面コの字形状)の空気吸込流路5とを備えるとともに、上記遠心ファン羽根車21の空気吸込口4は、その吸込枠11d側部分が上記空気吸込流路5中に所定寸法Sだけ突出した構成となっている。
また空気吸込流路5は、同遠心ファン羽根車21の空気流上流側に突出した環状の空気吸込口4の外周囲を囲み、かつ上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3と、ファンケーシング11の前板部11cおよび該前板部11cの内側に形成された通路壁11e部分を介して仕切られている。
ファンケーシング11は、上記遠心ファン2の羽根車21を支持する後板部11aと、該後板部11aの外周から前方に延びる側板部11bと、該側板部11bの反後板部側一端(前端)から内側に水平に延び、その内壁側に上記通路壁11eを形成しているとともに中央部に上記ベルマウス構造の空気吸込口4を有して、上記遠心ファン2の羽根車21の羽根21b,21b・・・の前端部側を覆う前板部11cとからなり、上記側板部11bの3方部分には、上記後板部11aの外周と上記通路壁11eおよび前板部11cの外周部とによって、上記羽根車21の空気出口部分からファンケーシング11の空気吹出口3e部分にかけて斜流遠心方向に延びる所定の長さの空気吹出通路3,3,3が形成されている。
この実施の形態の場合、上記通路壁11eは、図2に示されるように、ファンケーシング11の前板部11cの内側の内壁部の一部所定幅部分を後板部11a方向に所定の高さだけ高く起立(膨出)させ、その空気流上流側の羽根車21の羽根21b,21b・・・の外周に対向する面を空気吹出口3e方向に半径方向の径を拡大させながら傾斜又は曲成させることによって、斜流遠心方向への空気吹出案内面3cを形成する一方、その遠心方向(半径方向)の長さをファンケーシング11の外周端までの長さに比べて所定の長さ短かくして、上記斜流遠心方向の空気吹出通路3の下流側部分を、通路断面積が段部形状に大きく拡大される袖型の空気吹出流路構造として、空気吹出口3e部分における圧損の低減を図るようにしている。
また上記前板部11cは、その中央部が上記遠心ファン2の羽根車21の羽根21b,21b・・・の内径に対応して漏斗形状(入口側が広く、出口側が次第に狭くなる形状)に開口され、上述のようにベルマウス構造の空気吸込口4を形成しているとともに、同空気吸込口4の上流側所定の幅の吸込枠11d部分は、上記前板部11c面から上記所定寸法Sだけ空気吸込流路5内に突出して、その外周囲に、深さLの空気吸込口4内に吸込まれて行く吸込空気の整流空間を形成している。
なお、この場合、上記空気吸込口4の吸込枠11d部分の外周は、全体として環状体に形成されている。
一方、空気吸込流路5は、上記ファンケーシング11の前板部11cの外周部に対して、例えば前板12a、側板12b,12b、背板12cよりなり、背板12cに対向する面が開口したファンケーシング11の一側から他側方向に延びる矩形構造(断面コの字形状)の袖形の筺体(空気吸込流路形成用の板状筺体)12を、上記通路壁11eを形成している前板部11cとの間に各々所定の通路高さH(ファンケーシング11の前板部11cと前板12aとの間の間隔),L(ファンケーシング11の前板部11c中央の内側空気吸込口4の吸込枠11d部分と前板12aとの間の間隔)(但し、H>L)を保った状態で、上記前板部11cおよび空気吸込口4を覆って前板部11cの外周側に一体に取り付けることによって形成されている。
この実施の形態の場合、同空気吸込流路5の空気取入れ用の開口(空気流入口)5aは、上記ファンケーシング11の空気吹出通路3のない1面の側板部11b側に設けられている。また、同空気取入れ用の開口5aに対向する空気吸込流路奥壁面は上記背板12cにより閉じられている。
さらに、上記遠心ファン2の羽根車21は、所定の直径の円形の主板21aと、該主板21aの外周部一面側に所定の間隔を保って周方向に複数枚立設された羽根(翼)21b,21b・・・と、該複数枚の羽根21b,21b・・・のスパン方向他端部の外周面に前端側曲成部aを嵌合一体化して設けられた循環流形成用のリング部材21cとからなり、上記主板21aの中央部側ボス部21dをファンモータ6の回転駆動軸6aに対して固着一体化し、ファンモータ6を介して上記ファンケーシング11の後板部11aの中央部に連結して支持されている。
なお、上記羽根21b,21b・・・を支持している主板21aの外周部は、上記ファンケーシング11の後板部11aの板厚深さ内に形成された所定の深さの主板嵌合凹部7内に遊嵌される形で回転可能に設置されている。これにより、同主板21a外周部の内面と後板部11aの主板嵌合凹部7の外周の空気吹出通路内壁面3aとが同一平面高さとなるように形成されている。
すなわち、上記羽根車21の空気出口部から斜流遠心方向に延びる上記3面方向の空気吹出通路3,3,3は、それぞれ上述のように上記ファンケーシング3方の側板部11b,11b,11b部分に各々空気吹出グリルを備えた空気吹出口3e,3e,3eを開口させることによって形成されているが、同空気吹出通路3,3,3は、上記ファンケーシング11の前板部11cの内壁部の一部所定幅部分を上記後板部11a側に所定の高さ膨出させて通路壁11eを形成するとともに、その内周面側の内径を回転軸方向主板側にかけて次第に拡大させることにより、同内周面を空気吹出口3e,3e,3e方向に傾斜又は曲成させて、その上流側部分に図2のような斜流遠心方向への空気吹出案内面3c,3c,3cを形成し、これによって同空気吹出通路3,3,3を斜流遠心方向の空気吹出通路としている。
なお、この場合、同空気吹出通路3,3,3の上記後板部11a側通路壁面3aの高さは、上記後板部11aの主板嵌合凹部7内への嵌合寸法を利用して上記羽根車21の主板21aの外周部側羽根取付部の羽根面側の高さに等しい高さ(同一平面上)に形成されている。他方、同空気吹出通路3,3,3の上述した前板部11c側通路壁11e部分の通路面3dの高さは、上記羽根車21の羽根他端部側リング部材21cの斜流遠心方向に延びる後端部(非曲成部側端部)bの上面の高さに略等しくなるように形成されている。
しかし、この実施の形態の場合、同通路壁11e部分よりも空気流下流側(空気吹出口3e側)では、同様の通路壁がなく、空気吹出通路3,3,3は上記ファンケーシング11の前板部11cの内壁面側まで大きく拡大され、同内壁面が通路壁面となっている。
すなわち、同構成では、上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3の下流部(空気吹出口3e側部分)を、通路断面積が大きく拡大される袖型の空気吹出流路としている。
このような構成によると、空気吹出通路3,3,3の下流側空気吹出口3e,3e,3e部分における圧損が効果的に低減され、空気吹出グリル部分で生じる干渉音も大きく低減される。
また、この実施の形態の場合、上記空気吸込口4の空気吸込枠11dの上記リング部材21c側(ファンケーシング11内送風路の上記リング部材21cに対応する部分)には、図示のように所定の広さの空気流通空間8が形成されており、上記羽根車21の空気出口部のリング部材取付端側から上記空気吸込口4の背面側を通って再度上記羽根車21の空気入口部側に吸い込まれる空気の循環流を容易且つ確実に形成し、斜流遠心方向に吹き出される吹出気流の乱れを抑制するようになっている。
このような構成の送風装置では、上記ファンモータ6が駆動されて、上記遠心ファン2の羽根車21が図3の鎖線矢印のように回転すると、上記空気吸込流路5の空気取り入れ口5aから空気吸込流路5内に、図3中に実線の矢印で示すように空気が吸い込まれ、同空気吸込流路5内の空気が上記ベルマウス構造の空気吸込口4から上記羽根車21の羽根21b,21b・・・間に旋回しながら吸い込まれて行くが、該円形の空気吸込口4に対して、該空気吸込口4への空気吸込方向と上記空気吸込流路5内への空気流入方向とが直交する状態となるために、上記のような構造であっても空気吸込流路5の通路面積が小さい場合には上記空気吸込口4内へのスムーズな吸込旋回流が形成されにくく、上記空気吸込口4付近に不安定な流れが生じやすくなる。その結果、風量−静圧特性が不安定となり、運転音が大きくなる問題がある。
そこで、この実施の形態では、上記遠心ファン羽根車21側の環状の空気吸込口4の吸込枠11d部分を、上記空気吸込流路5中に所定寸法Sだけ突出した、外周面側が鉤形で内周面側が円弧面状の環状部材に構成している。これは、より具体的には、同構造の空気吸込口4を形成する前板部11cを一部所定幅空気吸込方向に寸法Sだけ突出させることによって実現されている。
したがって、同吸込方向に凸の環状部材となって空気吸込流路5内に寸法Sだけ突出させることにより形成される空気吸込口4外周囲の深さSの整流空間で軸直交方向への吸込空気流の縮流作用が実現され、それによる整流効果によって空気吸込口4部分に安定した吸込旋回流が形成されるようになり、空気吸込口4および羽根車21内への空気吸込状態がスムーズで安定したものとなる。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
また、同構成における空気吸込流路5は、上記遠心ファン羽根車21の上記環状に突出した空気吸込口4の外周囲を囲み、かつ上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3とその通路壁11eを形成している前板部11cを介して仕切られている。
したがって、上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3の通路壁11eを形成している前板部11cの前面を有効に利用しながら、上記袖型の空気吸込流路5のファン回転軸方向の寸法Hを可能な限り大きくすることができる(H=L+S)。このため、空気吸込口4内への吸込み旋回流が十分に緩和、安定化され、逆予旋回流入による悪影響が小さくなり、より良好な性能が得られるようになる。
そして、以上のようにしてスムーズに羽根車21内に吸い込まれた空気流は、同羽根車21の羽根21b,21b・・・の外周から遠心方向に吹き出され、上記空気吹出通路3,3,3上流側斜流遠心方向への空気吹出案内面3cによりガイドされて斜流遠心方向外方に吹き出されて行くが、この時、上記各羽根21b,21b・・・は、その反主板側端部の位置が空気吸込側から空気吹出側に向かうにしたがって、主板21a側に近づく斜流方向への傾斜翼とされており、さらに同羽根21b,21b・・・の反主板側の端部にはシュラウドに代えて、その後端部b側が同じ傾斜方向(斜流方向)にストレートに伸びるリング部材21cが設けられている。しかも、このリング部材21cは、その前端部a側が上述のように底板11d内側の空気流通空間8内に少し延びて円弧状に曲成されている。
したがって、同リング部材21cによる循環流の生成作用もより容易となる一方、上記斜流遠心方向への主流の流れも一層スムーズなものになる。
また、このようなシュラウドレス構造の遠心ファン羽根車の場合、シュラウド付遠心ファン羽根車の場合よりも空気入口側部分の内径およびそれに対応した空気吸込口4の内径を大きくすることができるので、空気吸込口4手前での逆予旋回流流入による悪影響が効果的に緩和され、より静音化が顕著となる。
また、この実施の形態の構成では、上記空気吸込流路5における遠心羽根車21の設置位置を、本来の中心位置から側方に少し偏心させ、吸込空気流路の誘引加速側が反誘引加速側よりも広くなるようにする一方、ファンケーシング11の前板部11cの内壁部の一部を膨出させて斜流遠心方向への空気吹出案内面3cを形成し、同案内面3cをその出口端3d部分に対して軸方向に拡径させている。
このようにすると、空気の吸込および吹出作用共にスムーズになり、より良好なファン性能が得られる。
以上のように、羽根車21の環状に突出した空気吸込口4に対して袖形の空気吸込流路5を設けるようにすると、遠心ファン羽根車21の空気吸込口4から直接吸込空気を吸い込むことが難しい場合等においても、遠心ファン羽根車21の空気吸込口4に所望の方向から空気を供給することができ、また、その場合において、上述のような環状凸部の空気吸込口4構造を採用すると、その縮流作用でスムーズな吸込作用(吸込旋回流生成作用)を実現することができ、より静音化、軸動力の低減に寄与することができるようになる。
しかし、同構成のままでは、上記空気吸込流路5の空気取入れ口5aから取り入れられた空気流が環状の空気吸込口4部分に必ずしもスムーズな整流状態で旋回方向に進入するとは限らず、同部分で必ずしも適正な縮流作用が実現されるとは限らない。
そこで、この実施の形態では、このような問題を解決するために、さらに上記空気吸込流路5の上流部、特に上記遠心ファン2の羽根車21への空気吸込口4の中心部よりも上記空気取入れ口5a側であって、かつ上記羽根車21への空気吸込口4の外周面よりも半直径方向外側に位置して、上記空気吸込流路5の左右の側板12b,12bに平行な一対の整流部材13,13を設けて、上記空気取り入れ口5a側から空気吸込口4方向への空気の流れを整流状態にすることによって、上述した環状で凸部構造の空気吸込口4の周辺に一層安定した吸込方向への旋回流を形成するようにしており、それによって、より有効に風量−圧力特性を向上させるとともに、可及的な静音化、軸動力の低減を図るようにしている。
種々の試験の結果、これらの整流部材13,13が最も有効に機能する設置範囲が、上記遠心ファン2の羽根車21への空気吸込口4の中心部よりも上記空気取入れ口5a側であって、かつ上記羽根車21への空気吸込口4の外周面よりも半直径方向外側の位置であり、この設置範囲内で最も安定した吸込旋回流を形成することができることが確認された。
また、この場合、上記左右一対の整流部材13,13は、例えば図3および図4に示すように、その上流端13a側吸込空気流との対向面が大径のアール面で、下流側端部13bに近くなるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状(流線形状)のものよりなっており、形状抵抗が小さく、後流渦の発生も少ない。したがって、矢印方向に流入する吸込気流が、空気吸込口4の左右両外側部分に整流状態でスムーズに案内され、同部分から空気吸込口4内に均等な旋回成分を伴いながらスムーズに吸込まれて行く。
したがって、このような構成によると、上述の位置に設けられた略断面紡錘形状の上記整流部材13,13による整流効果によって空気吸込口4部分に、さらに安定した吸込旋回流が形成されるようになる。
その結果、さらに風量−圧力特性が向上し、一層の静音化、軸動力の低減が実現される。
なお、この場合において、さらに上記整流部材13,13の大径の上流端13aの上下面部分に各々螺条孔13cを形成し、ファンケーシング11および空気吸込流路5の筺体12とビスネジで締結するようにすると、空気吸込流路5の筺体12をファンケーシング11に連結する連結補強部材としても有効なものとなる。
一方、上記のように整流部材13,13を設けた空気吸込流路5の上流側から下流側までの図示の配置状態での中央部下方(前板12a上)において、例えば図1、図2、図4に示すように、上記空気吸込流路5の前板12aからファンケーシング前板11cまでの距離、すなわち空気吸込流路5の高さHの0.2〜0.5倍の高さの左右両方向への吹き分け用のガイド壁18が設けられ、さらに同ガイド壁18の空気吸込口4から上流部には流路分割壁19が、その上端19b側を上記ファンケーシング11の前板11cの下面に当接させた状態で設けられている。
このようにすると、上記上流側の流路分割壁19によって上記左右の整流部材13,13側の外周への流れが空気吸込流路5の入口側で適切に分流されて、より整流部材13,13による整流効果が高くなる。
しかも、上記空気吸込流路5の上流側から下流側には、さらに空気吸込流路5の前板12aからファンケーシング前板11cまでの距離、すなわち空気吸込流路5の高さHの0.2〜0.5倍の高さの左右両方向への吹き分け用のガイド壁18が設けられているため、上記流路分割壁19による入口側流入空気のスプリット作用と相乗して、空気吸込流路5の入口側から奥行方向の略全体に亘って吸込み流れを有効に安定させることができ、より良好に吸込性能を向上させることができる。
その結果、さらに風量−圧力特性が向上し、より静音化、軸動力の低減が図られる。
そして、同ガイド壁18は、空気吸込流路5の通路壁、すなわち筺体12の前板12a部分を断面M字状に曲成起立させることによって形成されていることを特徴としている。
このように、ガイド壁18を、空気吸込流路5の前板12a部分を断面M字状に曲成起立させることによって形成すると、その裏側間に凹溝部18cが形成され、該凹溝部18cを所要の電気配線の収容部として有効に活用することができる。
すなわち、このようにすると、電気的な配線スペースを中央部ガイド壁18の裏側の凹溝部18c内に確保することができ、袖型の空気吸込流路5の奥行き寸法をフルに利用することができ、しかも良好な気流案内性能が得られる。
しかも、例えば図5に示すようにその空気吸込口4外周より上流側の上端面18b部分には所定の深さの凹溝部18aが形成されており、該凹溝部18aを利用して別部材である上記板状の流路分割壁19の下端19a側が嵌合されるようになっている。したがって、流路分割壁19の取付は容易である。
さらに、この送風装置では、上記空気吸込流路5終端の背板12c左右の隅部(側板12b,12bと背板12cとの間の両コーナー部)には、断面三角形状(直角三角柱状)の気流ガイド15,15が設けられている。
このように、適切なサイズの三角柱状の気流ガイド15,15を空気吸込流路5奥側背板12c左右の隅部に設置すると、同部分での旋回方向への空気の回りが良くなり、さらに滑らかで安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、上述の吸込流安定化作用に加えて、さらに風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
また、この場合、該三角柱状(直角三角柱状)の気流ガイド15,15の上端部を、例えばネジ穴を備えた窪み付のものにすることにより、同窪み部をビス取付け座として利用することができる。
この気流ガイド15は、例えば空気吸込流路の幅に対し、その短片部の長さが0.1倍程度のものが最適であり、大きくし過ぎるとファン性能を劣化させる。
なお、上記通路壁11eの内側には、成形性の向上を図るために図示のような空洞部を設けてもよい。
(実施の形態2)
次に図6および図7は、本願発明の実施の形態2に係る送風装置の構成を示している。
この実施の形態の送風装置では、上述した実施の形態1の送風装置に構成において、図示のように、空気吸込流路5の通路壁である前板12a上の遠心ファンの羽根車21の空気吸込口4との対向部には、側部円錐面と小径のフラット面よりなる頂部面とを備えた所定の高さの円錐台形状の整流部材14を設けたことを特徴とするものである。
その他の構成は、全て同一であり、同等の作用を奏する。
このような構成によると、上述の作用に加えて、さらに該円錐台形状の整流部材14の付設により、該整流部材14を中心軸として、さらに滑らかで、安定した吸込み方向への旋回流が形成されるようになり、さらなる風量―圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(実施の形態3)
次に図8は、本願発明の実施の形態3に係る送風装置の構成を示している。
この実施の形態の送風装置では、上述した実施の形態1又は2の送風装置の構成における中央部のガイド壁18そのものを空気吸込流路5の通路壁である前板12aを断面M字状に加工したリブ構造のものではなく、別体の板部材とし、その上流側所定長さ部分の高さを部分的に高くすることにより、入口側流路分割壁19として、前板12a上に立壁状態で接合一体化したことを特徴とするものである。
その他の部分の構成は、全く同一であり、同等の作用を奏する。
このような構成によれば、上述した実施の形態1の構成のような電気配線収納用の凹溝部18cを得ることはできないが、その分低コストで、同様の整流効果を実現することができる。
(実施の形態4)
次に図9および図10は、上述した本願発明の実施の形態1に係る送風装置を採用して構成した本願発明の実施の形態4に係る除加湿機能を備えた空気調和装置の構成を示している。
この空気調和装置では、上記実施の形態1に係る送風装置1の空気取り入れ口5a側ファンケーシング11および空気吸込流路5の筺体部分を所定の長さ側方に延設し、その途中に除加湿装置20A、加湿空気送風装置20Bを設けることによって除加湿機能をもった空気調和装置を構成したことを特徴とするものである。なお、図9では、上記実施の形態1に係る送風装置1を上下を逆にして設置した断面で示している。
すなわち、同装置では、先ず上述した実施の形態1の構成の送風装置1を上記袖型の空気吸込流路5を上方側にした形で、圧縮機、熱交換器等を備えた通常の空気調和機用室外機ユニット40の本体ケーシングの上部一端側に設置する一方、その空気吸込流路5およびファンケーシング11の空気取入れ口5a側ケーシング部分を空気取入れ口5aおよび側板部11bを残した状態で室外機ユニット40の他端側まで右側方に長く延設し、同延設端側上部に加湿空気の吹出口33を、また該加湿空気の吹出口33と上記送風装置1側空気取入れ口5aおよび側板部11bとの間に除加湿装置20Aと該除加湿装置20Aの加湿部によって加湿された空気を室内機側に供給する加湿空気送風装置20Bをそれぞれ設けている。
上記除加湿装置20Aは、例えば水分の吸放湿が可能なゼオライト等のメソポーラスな材料を図10に示すような通気性のあるハニカムロータ22に形成し、同ハニカムロータ22をモータにより水平回転可能に軸支するとともに、その軸支部を中心として上下仕切壁27a,27bにより左側の除湿空間(水分凝縮空間)Dと右側の加湿空間(水分脱着加湿空間)Wとの左右2室に仕切り、それら除湿空間Dおよび加湿空間Wの各々に外気吸込口23,24を設けている。そして、加湿空間Wには、上記ハニカムロータ22の右半分部分を加熱し、吸着水分を脱着する電気ヒータ25を設置している。
他方、加湿空気吹き出し用の加湿空気送風装置20Bは、上記加湿空間Wと仕切壁28を介して左右方向に仕切られ、下部側連通路26を介して下部側ベルマウス構造の加湿空気吸込口34部分が上記加湿空間Wの下部側に連通せしめられている。
この加湿空気送風装置20Bの遠心ファン32の羽根車31も、上記実施の形態1の送風装置1の羽根車21と同様に所定の直径の円形の主板31aと、該主板31aの外周部一面側に所定の間隔を保って周方向に複数枚立設された羽根(翼)31b,31b・・・と、該複数枚の羽根31b,31b・・・のスパン方向他端部の外周面に前端側曲成部を嵌合一体化して設けられた循環流形成用のリング部材31cとからなり、上記主板31aの中央部側ボス部31dをファンモータ36の駆動軸36aに固着一体化し、ファンモータ36を介して上記ファンケーシング11の後板部11aの下面に吊設して支持されている。
このような構成によると、上記送風装置1および加湿空気送風装置20Bが駆動され、かつハニカムロータ22、電気ヒータ25が駆動されると、先ず上記除湿空間Dの外気吸入口23から吸入された水分を含む外気がハニカムロータ22の左半分部分を通して吸着されることによりハニカムロータ22内に凝縮され、通過する外気は湿度が低くなった状態で送風装置1側の空気取入れ口5aから空気吸込流路5内に吸込まれ、同送風装置1内の空気吸込口4、羽根車21を介して空気吹出通路3,3,3から前後および側方の3方向にワイドに低圧損、低騒音でスムーズに吹き出される。
他方、上記加湿空間W側の外気吸入口24から吸入された水分を含む外気は、上記ハニカムロータ22の右半分を通過して下部側連通路26から加湿空気送風装置32の空気吸込口34を介して羽根車31内に吸込まれて行くが、同ハニカムロータ22の右半分部分は電気ヒータ25により加熱されるようになっており、同加熱によって上記除湿空間D側で吸湿され、凝縮された水分が脱着されて通過する外気が効率良く加湿される。
そして、同加湿されて湿度が高くなった外気が羽根車31により加湿空気吹出口33から吹き出され、図示しない所定のダクトを介して図示しない室内機ユニット側に供給され、室内の空気の湿度の調整が行われる。
このように本願発明の送風装置は、熱交換器や加湿手段、除湿手段等各種の空気調和手段と組み合わせることによって、それら各空気調和機能をもった所望の空気調和装置を上述の各実施形態の作用効果を伴う形で実現することができる。
1は送風装置、2は遠心ファン、3は空気吹出通路、4は空気吸込口、5は空気吸込流路、5aは空気取り入れ口、6はファンモータ、11はファンケーシング、11aは後板部、11bは側板部、11cは前板部、11dは吸込枠、11eは通路壁、13は整流部材、14は整流部材、15は気流ガイド部材、18はガイド壁、19は流路分割壁、20Aは除加湿装置、20Bは加湿空気送風装置、22はハニカムロータ、21は羽根車、21aは主板、21bは羽根、21cはリング部材、32は遠心ファン、33は加湿空気吹出口である。

Claims (8)

  1. 遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた空気吹出通路と、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファン羽根車の軸直交方向に開口された空気吸込流路とを備えてなる送風装置であって、上記空気吸込流路には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口の略中心部に対応し、上記空気吸込流路の流路長手方向に伸びる所定の高さのガイド壁が設けられていることを特徴とする送風装置。
  2. 遠心ファン羽根車の空気吸込口よりも上流側には、空気吸込流路を分割する流路分割壁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の送風装置。
  3. 流路分割壁は、ガイド壁の上部に別のプレート部材を取り付けることにより形成されていることを特徴とする請求項2記載の送風装置。
  4. 流路分割壁は、ガイド壁自体の高さを部分的に高くすることにより形成されていることを特徴とする請求項2記載の送風装置。
  5. ガイド壁は、空気吸込流路の通路壁を断面M字状に曲成起立させることによって形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の送風装置。
  6. 空気吸込流路通路壁上の遠心ファン羽根車の空気吸込口との対向部には、同空気吸込口方向に突出した略円錐形状の整流部材が設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の送風装置。
  7. 遠心ファンの羽根車は、シュラウドのない多翼羽根車であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の送風装置。
  8. 所望の空気調和手段と組み合わせ、空気調和機用の送風手段として構成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の送風装置。
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