JP2010121616A - 送風装置 - Google Patents

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Kanjiro Kinoshita
歓治郎 木下
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Abstract

【課題】遠心ファン羽根車側の空気吸込口側に沿って一方向から空気吸込口に空気を案内する空気吸込流路を付設した送風装置において、空気吸込口付近に安定した旋回流を形成し、風量−圧力特性を向上させるとともに静音化、軸動力の低減を図る。
【解決手段】本願発明は、上記空気吸込流路の上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口中心部よりも空気取入れ口側に、上記遠心ファン羽根車の空気吸込方向に沿った吸込み旋回流を形成するための整流部材を設けて整流することによって、空気吸込口周辺に安定した吸込旋回流を形成することができるようにして、風量−圧力特性を向上させるとともに静音化、軸動力の低減を図った。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、遠心ファンを備えた送風装置に関し、さらに詳しくは遠心ファン羽根車の空気吸込口側に沿って軸直交方向の一方向から空気吸込口に空気を案内する空気吸込流路を付設した送風装置に関するものである。
遠心ファンを備えた送風装置において、設置形態によっては、遠心ファン羽根車の空気吸込口から直接吸込空気を吸い込むことが難しい場合があるが、そのような場合には、一般に遠心ファン羽根車の空気吸込口に沿って軸直交方向の一方向から空気吸込口に吸込空気を案内する空気吸込流路(空気案内流路)を付設した送風装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−299953号公報
しかし、このような空気吸込流路を設けたものの場合、ファン羽根車の円形の空気吸込口に対して一方向からのみ不均一に空気が供給されることから、どうしても羽根車の空気吸込口部分に不安定な流れが生じやすく、風量−静圧特性が不安定となり、運転音が大きくなる問題があった。
本願発明は、このような問題を解決するためになされたもので、上記空気吸込流路中の上記遠心ファン羽根車の空気吸込口中心部よりも空気取入れ口側に偏位した位置に、整流部材を設けて吸込気流を整流することによって、ファン羽根車の空気吸込口周辺に安定した旋回流を形成することができるようにすることによって、風量−圧力特性を向上させるとともに、静音化、軸動力の低減を図った高性能の送風装置を提供することを目的とするものである。
本願発明は、同目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた空気吹出通路と、上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファンの羽根車の軸直交方向に空気の取入れ口が開口された空気吸込流路とを備えてなる送風装置であって、上記空気吸込流路の上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口中心部よりも空気取入れ口側には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口部分に安定した吸込旋回流を形成するための整流部材が設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、上記整流部材による整流効果によって、遠心ファン羽根車の空気吸込口部分に吸込方向に沿う安定した吸込旋回流が形成される。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
(2) 請求項2の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた空気吹出通路と、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファン羽根車の軸直交方向に空気の取入れ口が開口された空気吸込流路とを備えてなる送風装置であって、上記空気吸込流路の上記遠心ファン羽根車の空気吸込口中心部よりも空気取入れ口側には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口部分に安定した吸込旋回流を形成するための、上記空気吸込流路の側面に略平行な整流部材が設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、上記空気吸込流路の側面に略平行な整流部材による整流効果によって遠心ファン羽根車の空気吸込口部分に吸込方向に沿う安定した吸込旋回流が形成される。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
(3) 請求項3の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1又は2の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、遠心ファン羽根車の空気吸込口外周よりも直径方向外側に位置して設けられていることを特徴としている。
種々の試験の結果、上記整流部材が最も有効に作動する設置範囲が、この位置であり、この設置範囲では安定した吸込旋回流を形成することができる。
(4) 請求項4の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、上流側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側になるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状のものよりなっていることを特徴としている。
このような構成によると、略断面紡錘形状の整流部材の整流効果により、安定した吸込み旋回流が形成され、風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(5) 請求項5の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、上流側空気流との対向部が円柱体で、同円柱体よりも下流側が板状体のものよりなっていることを特徴としている。
このような構成によると、同円柱体と板状体の組合せよりなる整流部材の整流効果により、安定した吸込み旋回流が形成され、風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(6) 請求項6の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項4又は5の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、遠心ファン羽根車の空気吸込方向に傾斜して設置されていることを特徴としている。
上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成の構成によると、当該整流部材の整流効果により、それぞれ遠心ファン羽根車空気吸込口の吸込方向に沿った安定した吸込み旋回流が形成され、風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
ところが、同整流部材が、上流側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側になるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状のものである請求項3の場合や上流側空気流との対向部が円柱体で、同円柱体よりも下流側が板状体のものである請求項4の場合のように、空気吸込流路の側面と並設される上流側から下流側に厚さ(幅)方向の寸法を超える所定値以上の長さの整流面を有したものである場合には、当該整流面の遠心ファン羽根車の空気吸込口に面する側で大きな剥離が生じ、その剥離が同空気吸込口から羽根車内に流入し、性能の劣化(送風音増加)を招く(外側は背面に沿って後端から空気吸込口の中心に向かって流入し、内側は先端から略空気吸込口中心に向かって流入するので)。
しかし、以上のような構成にすると、上述した空気吸込口側面での剥離が減少し、スムーズな吸込流れとなって性能が向上(送風音が低減)する。
(7) 請求項7の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項6の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、その内側面を空気吸込流の旋回方向に沿った湾曲面に形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、上述した空気吸込口側面での剥離が減少し、よりスムーズな吸込流れとなって、上記請求項6の発明の課題解決手段の整流部材の整流効果がより向上し、安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、さらなる風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(8) 請求項8の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、上流側空気流との対向面がアール面の円弧状のものよりなっていることを特徴としている。
このような構成によると、上述した空気吸込口側面での剥離が確実に減少し、スムーズな吸込流れになるとともに、同整流効果がより向上し、安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、さらなる風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(9) 請求項9の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2又は3の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、上流側空気流との対向面がアール面の円柱体又は半円柱体状のものよりなっていることを特徴としている。
このような構成によると、上述した空気吸込口側面での剥離が確実に減少し、スムーズな吸込流れになるとともに、同整流効果がより向上し、安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、さらなる風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(10) 請求項10の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9の発明の課題解決手段の構成において、整流部材は、空気吸込流路の筺体底板上に一体成形により立設され、遠心ファン本体の下面に対して同空気吸込流路の筺体を固定する取付部材を兼ねていることを特徴としている。
このような構成にした場合、例えば上記整流部材をビス止め溝等の窪み付のものにすることにより、同窪み部をビス取付け座として有効に利用することができる。
従来の空気吸込流路の側面から延設されたビス取付け座は吸込み流れを乱し、ファン性能を劣化させていた。特に羽根車の空気吸込口が羽根の内径よりも大きくて、翼端からも空気が流入するシュラウドレス翼のターボファンでは、静音特性が顕著に劣化していた(シロッコファンでは悪影響は比較的小さいが・・・)。
これを確実に解決することができる。
(11) 請求項11の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10の発明の課題解決手段の構成において、空気吹出通路は斜流遠心方向の空気吹出通路に形成され、遠心ファン羽根車の空気吸込口は、空気吸込流路中に突出した構成となっているとともに、空気吸込流路は、上記遠心ファン羽根車の突出した空気吸込口の外周囲を囲み、かつ斜流遠心方向の空気吹出流路とその通路壁を介して仕切られていることを特徴としている。
このような構成によると、遠心ファン羽根車の空気吸込口が円弧状の環状部となり、同円弧状の環状部により縮流作用が実現され、それによる整流効果によって空気吸込口部分に安定した吸込旋回流が形成される。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
また、この場合に、同円弧状の環状部を略長楕円状環状部(外周端面が丸み付、あるいは丸みなしなど)にすれば、より良好な縮流整流効果が図られるので、さらに良好な性能を得ることができる。
(12) 請求項12の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11の発明の課題解決手段の構成において、空気吸込流路通路壁の遠心ファン羽根車の空気吸込口との対向部には、略円錐形状の整流部材が設けられていることを特徴としている。
このような構成によると、略円錐状(円錐状、円錐台形状、単葉双曲面状など)の整流部材の付設により、さらに滑らかで、安定した吸込み旋回流が形成され、さらなる風量―圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(13) 請求項13の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12の発明の課題解決手段の構成において、空気吸込流路終端の隅部には、断面三角形状の気流ガイド部材が設けられていることを特徴としている。
このように、適切なサイズの三角柱状の気流ガイド部材を空気吸込流路奥側の隅部に設置すると、さらになめらかで安定した吸込み旋回流が形成されるようになり、より有効に風量―圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
また、該三角柱状(直角三角柱状)の気流ガイド部材の上端を窪み付にすることにより、上述の場合と同様のビス取付け座として利用することができる。
この場合、空気吸込流路の幅寸法をLとした時、その短片の長さは0.1L程度が最適であり、大きくし過ぎるとファン性能を劣化させる。
(14) 請求項14の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12又は13の発明の課題解決手段の構成において、遠心ファンの羽根車は、シュラウドのない多翼羽根車であることを特徴としている。
このような構成によると、シュラウドレス遠心ファンの場合、シュラウド付遠心ファンよりも吸込口内径を大きくすることができるので、吸込口前の逆予旋回流の流入による悪影響が緩和され、特に静音化が顕著である。
(15) 請求項15の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14の発明の課題解決手段の構成において、空気調和手段と組み合わせ、空気調和機用の送風手段として構成されていることを特徴としている。
このような構成によると、風量−圧力特性が高く、静かで、軸動力の小さい斜流遠心吹出流路(全周吹き、四方向吹き、三方向吹き、二方向吹き)の空気調和機、また空気吸込流路の前方に水分吸着エレメントを配置した除湿装置等を実現することができる。
(16) 請求項16の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14の発明の課題解決手段の構成において、 空気吸込流路の空気流入口を長手方向に延設し、該延設部に機外空気を取り入れるための外気吸入口を設けるとともに、該外気吸入口の下流側に除湿手段を設け、該除湿手段を介して除湿された空気を上記空気吸込流路を介して遠心ファンに供給する除湿装置に適用したことを特徴としている。
このような構成によると、低圧損、低騒音で、軸方向に可及的薄型コンパクトな除湿装置を構成することができる。
以上の結果、本願発明によれば、良好なファン性能が実現され、同良好なファン性能のファンを用いて各種送風装置、空気調和装置の静音化、低軸動力化(省エネルギー化)が図られ、また併せて、それらの装置の軸方向寸法のコンパクト化が図られる。
本願発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を示す断面図(図2のA−A)である。 同送風装置の一部切欠下面図(図3のC−C)である。 同送風装置の中央断面図(図2のB−B)である。 同送風装置の整流部材の構成を示す斜視図である。 本願発明の実施の形態2に係る送風装置の構成を示す一部切欠下面図(図6のC−C)である。 同送風装置の構成を示す断面図(図5のB−B)である。 本願発明の実施の形態3に係る送風装置の構成を示す一部切欠下面図(図8のC−C)である。 同送風装置の構成を示す断面図(図7のB−B)である。 本願発明の実施の形態4に係る送風装置の構成を示す一部切欠下面図(図10のC−C)である。 同送風装置の構成を示す断面図(図9のB−B)である。 本願発明の実施の形態5に係る送風装置の構成を示す断面図(図12のA−A)である。 同送風装置の一部切欠下面図(図13のC−C)である。 同送風装置の中央断面図(図12のB−B)である。 同送風装置の整流部材の構成を示す斜視図である。 本願発明の実施の形態6に係る送風装置の構成を示す断面図(図16のA−A)である。 同送風装置の一部切欠下面図(図17のC−C)である。 同送風装置の中央断面図(図16のB−B)である。 本願発明の送風装置を用いて構成した本願発明の実施の形態7に係る空気調和装置の構成を示す断面図である。 本願発明の実施の形態1に係る送風装置の整流部材の問題点を示す説明図(空気吸込流路の筺体底面の切欠図)である。 本願発明の実施の形態8に係る送風装置の構成を示す断面図(図21のA−A)である。 同送風装置の一部切欠下面図(図22のC−C)である。 同送風装置の中央断面図(図21のB−B)である。 本願発明の実施の形態10に係る送風装置の構成を示す一部切欠下面図(図24のA−A)である。 同送風装置の構成を示す断面図(図25のC−C)である。 同送風装置の構成を示す中央断面図(図24のB−B)である。 本願発明の実施の形態11に係る送風装置の構成を示す断面図(図27のA−A)である。 同送風装置の一部切欠下面図(図28のC−C)である。 同送風装置の中央断面図(図27のB−B)である。 同送風装置の整流部材の構成を示す拡大斜視図である。 本願発明の実施の形態12に係る送風装置の構成を示す断面図(図31のA−A)である。 同送風装置の一部切欠下面図(図32のC−C)である。 同送風装置の中央断面図(図31のB−B)である。
以下、本願発明の幾つかの実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
先ず図1〜図4は、本願発明の実施の形態1に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1は、方形の偏平な本体ケーシング11と、該本体ケーシング11内に設けられた軸長の短かい遠心ファン2と、該遠心ファン2の羽根車21の外周3方向に設けられた斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3と、上記遠心ファン羽根車21の環状の空気吸込口4の外周を下方側から包囲する形で設けられ、上記遠心ファン羽根車21の軸直交方向一方に開口された断面矩形形状(コの字形状)の空気吸込流路5とを備えるとともに、上記遠心ファン羽根車21の空気吸込口4は、上記空気吸込流路5中に所定寸法Sだけ突出した構成となっている。また空気吸込流路5は、同遠心ファン羽根車21の下方に突出した環状の空気吸込口4の外周囲を囲み、かつ上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3とその下面側通路壁11c部分を介して仕切られている。
本体ケーシング11は、上記遠心ファン2の羽根車21を吊設支持する天板部11aと、該天板部11aの外周から下方に延びる側壁部11bと、該側壁部11bから内側に延びる通路壁11cの内端に連続しているとともに、同通路壁11cよりも下方にあって、上記遠心ファン2の羽根車21の羽根21b,21b・・・の下部側を覆う底板部11dとからなり、上記側壁部11bの3方部分には、上記天板部11aの外周と通路壁11c、底部板11dによって、上記斜流遠心方向に延びる所定の長さの空気吹出通路3,3,3が形成されている。また底板部11dは中央部が上記遠心ファン2の遠心羽根車21の羽根21b,21b・・・の内径に対応して逆漏斗形状に開口されているとともに、同開口部を形成している底板部11cは上記通路壁11cの内端部分から上記所定寸法Sだけ下方に延びながら半径方向内側に円弧状に曲成された後、所定幅水平方向に延びるフラット面を形成し、同フラット面部の内側にベルマウス構造の空気吸込口4を形成している。
そして、同フラット面部およびベルマウス構造の空気吸込口4部分の全体が、上記所定寸法Sだけ下方、すなわち空気吸込流路5内に突出し、その外周囲に吸込空気の旋回方向への整流空間を形成している。
一方、空気吸込流路5は、上記本体ケーシング11の側壁部11bの下部に対して、底板12a、側板12b,12b、背板12cよりなる矩形構造(断面コの字形状)袖形の筺体(空気吸込流路形成用の板状筺体)12を上記通路壁11cおよび底板11dとの間に各々所定の通路高さH,L(H>L)を保った状態で、下方側から一体に取り付けることによって形成されている。
この実施の形態の場合、同空気吸込流路5の空気取入れ用の開口5aは、上記本体ケーシング11の空気吹出通路3,3,3のない側壁部11bの下方側に設けられている。また、同空気取入れ用の開口5aに対向する奥壁面は上記背板12cにより閉じられている。
遠心ファン2の遠心羽根車21は、所定の直径の円形の主板21aと、該主板21aの外周部下面側に所定の間隔を保って周方向に多数枚立設された羽根21b,21b・・・と、該多数枚の羽根21b,21b・・・のスパン方向他端部(下端部)の外周面に下部側曲成部を嵌合一体化して設けられた循環流形成用のリング部材21cとからなり、上記主板21aの中央部側ボス部21dをファンモータ6の駆動軸6aに固着一体化し、ファンモータ6を介して上記本体ケーシング11の天板部11aの中央部下面に吊設して支持されている。
なお、上記羽根21b,21b・・・を支持している主板21aの外周部は、上記本体ケーシング11の天板部11a内に形成された所定の深さの主板嵌合凹部7内に遊嵌される形で吊設されている。これにより、同主板21a外周部の内面と天板11a外周の空気吹出通路上壁面3aとが同一面となっている。
すなわち、上記羽根車21の空気出口部から斜流遠心方向に延びる上記空気吹出通路3,3,3は、それぞれ上述のように3方の側壁部11b,11b,11b部分に下流側吹出口を開口させることによって形成されているが、その通路上壁面3aの高さは、上記主板嵌合凹部7への嵌合寸法を利用して上記羽根車21の主板21aの外周部側羽根取付部の下面高さに等しい高さ(同一面)に形成されている。他方、その通路下壁面3bの高さは、上記羽根車21の羽根他端部側リング部材21cの後縁部(非曲成部側端部)bの上面の高さに等しくなるように形成されている。
また、この実施の形態の場合、上記底板11dの上面側(本体ケーシング11内送風路の上記リング部材21cに対応する部分)には、図示のように所定の広さの空気流通空間8が形成されており、上記遠心羽根車21の空気出口部下端側から上記空気吸込口4の背面側を通って再度上記遠心羽根車21の空気吸込部下端側に吸い込まれる空気の循環流Fを容易且つ確実に形成し、斜流遠心方向に吹き出される吹出気流の乱れを抑制するようになっている。
このような構成の送風装置では、上記ファンモータ6が駆動されて、遠心ファン2の羽根車21が図2の矢印のように回転すると、上記空気吸込流路5の空気取り入れ口5aから空気吸込流路5内に、図1、図2の矢印で示すように空気が吸い込まれ、同空気吸込流路5内の空気が上記ベルマウス構造の空気吸込口4から遠心羽根車21の羽根21b,21b・・・間に旋回しながら斜流遠心方向に吸い込まれて行くが、該円形のファン空気吸込口4に対して、同空気吸込口4の空気吸込方向と空気吸込流路5内への空気流入方向が一方向から直交する状態となるために、スムーズな吸込旋回流が形成されにくく、空気吸込口4付近に不安定な流れが生じやすい。その結果、風量−静圧特性が不安定となり、運転音が大きくなる問題がある。
そこで、この実施の形態では、上記遠心ファン羽根車21側の環状の空気吸込口4を、上記空気吸込流路5中に所定寸法Sだけ突出した、外周面側および内周面側が共に円弧面状の断面長楕円形状の環状部材に構成している。これは、より具体的には同構造の空気吸込口4を形成する底板11d部全体を下方に突出させることによって実現される。
したがって、同下方に凸の環状部材となった空気吸込口4により空気吸込口4周囲での縮流作用が実現され、それによる整流効果によって空気吸込口4部分に安定した吸込旋回流が形成され、吸込状態がスムーズなものとなる。
その結果、風量−圧力特性が向上し、静音化、軸動力の低減が実現される。
また、同構成における空気吸込流路5は、遠心ファン羽根車21の上記環状に突出した空気吸込口4の外周囲を囲み、かつ上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3とその通路壁11cを介して仕切られている。
したがって、上記斜流遠心方向の空気吹出通路3,3,3の通路壁11c面を有効に利用しながら、袖型の空気吸込流路5の軸方向寸法Hを可能な限り大きくすることができる(H=L+S)。このため、吸込み旋回流が十分に緩和、安定化され、逆予旋回流入による悪影響が小さくなり、より良好な性能が得られる。
また、図示のように、上記空気吸込口4を形成している環状の底板11dの内径側、外径側の各々の外周面部が丸みを帯びたものの場合、より良好な縮流整流効果が図られるので、さらに良好な性能を得ることができる。もちろん、このような丸みがなくても略同様の作用は得られる。
そして、以上のようにしてスムーズに羽根車21内に吸い込まれた空気流は、同遠心羽根車21の羽根21b,21b・・・の外周から空気吹出通路3,3,3を通して斜流遠心方向に吹き出されて行くが、この時、上記各羽根21b,21b・・・は、その反主板側端部の位置が空気吸込側から空気吹出側に向かうにしたがって、主板21a側に近づく斜流方向への傾斜翼とされており、さらに同反主板側の端部にはシュラウドに代えて、同じ傾斜方向(斜流方向)に伸びるリング部材21cが設けられている。しかも、このリング部材21cは、その前縁部a側が底板11d側空気流通空間8内に少し延びて曲成されている。したがって、同リング部材21cによる図示循環流Fの生成作用もより容易となる一方、上記斜流遠心方向への主流の流れもスムーズになる。
また、このようなシュラウドレス構造の遠心ファン羽根車の場合、シュラウド付遠心ファン羽根車の場合よりも空気吸込口4の内径を大きくすることができるので、空気吸込口4前の逆予旋回流流入による悪影響が効果的に緩和され、より静音化が顕著となる。
以上のように、遠心羽根車21の下方側に環状に突出した空気吸込口4に対して袖形の空気吸込流路5を設けるようにすると、遠心ファン羽根車21の空気吸込口4から直接吸込空気を吸い込むことが難しい場合等においても、遠心ファン羽根車21の空気吸込口4に所望の方向から空気を供給することができ、また、その場合において、上述のような環状凸部の空気吸込口構造を採用すると、その縮流作用でスムーズな吸込作用(吸込旋回流生成作用)を実現することができ、静音化、軸動力の低減に寄与することができる。
しかし、同構成のままでは、上記空気吸込流路5の空気取入れ口5aから取り入れられた空気流が環状の空気吸込口4部分に必ずしもスムーズな層流状態で旋回方向に進入するとは限らず、同部分で必ずしも適正な縮流作用が実現されるとは限らない。
そこで、この実施の形態では、このような問題を解決するために、上記空気吸込流路5の上流部、特に上記遠心ファン2の遠心羽根車21の空気吸込口4の中心部よりも空気取入れ口5a側で、かつ遠心羽根車21の空気吸込口4の外周よりも半直径方向外側に位置して、上記空気吸込流路5の左右の側板12b,12bに平行な整流部材13,13を設けて整流することによって、空気吸込口4周辺に一層安定した吸込方向への旋回流を形成するようにしており、それによって、より有効に風量−圧力特性を向上させるとともに、可及的な静音化、軸動力の低減を図るようにしている。
種々の試験の結果、整流部材13,13が最も有効に機能する設置範囲が、上記位置であり、この設置範囲内では最も安定した吸込旋回流を形成することができる。
また、この場合、上記整流部材13,13は、図4に示すように、上流端13a側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側端部13bに近くなるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状のものよりなっており、形状抵抗が小さく、後流渦の発生も少ない。したがって、図2の矢印方向に流入する吸込気流が、空気吸込口4の左右両外側部分に層流状態でスムーズに案内され、同部分から空気吸込口4内に均等な旋回成分を伴いながらスムーズに吸込まれて行く。
したがって、このような構成によると、上述の位置に設けられた略断面紡錘形状の上記整流部材13,13による整流効果によって空気吸込口4部分に、さらに安定した吸込旋回流が形成されるようになる。
その結果、さらに風量−圧力特性が向上し、一層の静音化、軸動力の低減が実現される。
また、以上のような整流部材13,13は、空気吸込流路形成筺体12の連結補強部材としても有効なものとなる。
(実施の形態2)
次に図5および図6は、本願発明の実施の形態2に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1では、上述した実施の形態1の構成において、さらに空気吸込流路5の底板(通路壁下面)12a上の遠心ファンの羽根車21の空気吸込口4との対向部には、略円錐形状、具体的には図6に示すような円錐面14bとその頂部の小径のフラット面14aとからなる所定の高さの円錐台形状の整流部材14を設けたことを特徴としている。
このような構成によると、上述の作用に加えて、さらに該円錐台形状の整流部材14の付設により、該整流部材14を中心軸として、さらに滑らかで、安定した吸込み旋回流が形成されるようになり、さらなる風量―圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
この整流部材14は、上記円錐台形状のものに限らず、さらに円錐形状、単葉双曲面状などのものでもよい。
(実施の形態3)
次に図7および図8は、本願発明の実施の形態3に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1では、上記実施の形態1の構成において、さらに上記空気吸込流路5終端の隅部(側板12b,12bと背板12cとの間の両コーナー部)には、断面三角形状(直角三角柱状)の気流ガイド部材15,15が設けられていることを特徴としている。
このように、適切なサイズの三角柱状の気流ガイド部材15,15を空気吸込流路5奥側の左右の隅部に設置すると、同部分での空気の回りが良くなり、さらに滑らかで安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、上述の作用に加えて、さらに風量―圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
また、この場合、該三角柱状(直角三角柱状)の気流ガイド部材15,15の上端部を例えばネジ穴を備えた窪み付のものにすることにより、同窪み部をビス取付け座として利用することができる。
この気流ガイド部材15は、例えば空気吸込流路の幅寸法をLとした時、その短片部の長さは0.1L程度のものが最適であり、大きくし過ぎるとファン性能を劣化させる。
(実施の形態4)
次に図9および図10は、本願発明の実施の形態4に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1では、上記遠心羽根車21の空気吸込口4に対応して円錐台形状の整流部材14を設けた実施の形態2の構成において、さらに上記実施の形態3のものと同様に、空気吸込流路5の終端の左右の隅部(側板12b,12bと背板12cとの間の両コーナー部)に、断面三角形状(三角柱状)の気流ガイド部材15,15を設けたことを特徴としている。
このように、適切なサイズの三角柱状の気流ガイド部材15,15を空気吸込流路5奥側の左右の隅部に設置すると、同部分での空気の回りが良くなり、上述の作用に加えて、さらに滑らかで安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、さらに風量―圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(実施の形態5)
次に図11〜図14は、本願発明の実施の形態5に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1では、上記実施の形態1の構成における整流部材13,13を、例えば図11〜図13に示すように、袖形の空気吸込流路5の筺体底板12a上に一体成形(合成樹脂成形)によって中空状に立設することにより、上述した遠心ファン本体ケーシング11の下面に対して袖形の同空気吸込流路5の筺体12を固定する取付部材を兼ねるようにしたことを特徴としている。
このような構成にした場合、上記整流部材13,13を、例えば図14に示すようにその上端13d側にビス止めが可能なネジ穴13eを備えたものにすることにより、ビスの取付け座として有効に利用することができる。
従来の空気吸込流路の側面から延設されたビス取付け座は吸込み流れを乱し、ファン性能を劣化させていた。特にファン吸込口が羽根内径よりも大きくて翼端からも流入するシュラウドレス翼ターボファンでは静音特性が顕著に劣化していた(シロッコファンでは悪影響は比較的小さいが・・・)。
これを確実に解決することができる。
なお、この場合、図14中に符号13cで示す底部外周縁は、上述の底板12aに連続しているものである。
(実施の形態6)
次に図15〜図17は、本願発明の実施の形態6に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1では、上記実施の形態1の構成における整流部材13,13を、上流端13側空気流との対向部が内部が中空の円筒体で、同円筒体の後面から下流端13bまでが板状体のものにより形成したことを特徴としている。
このような構成によると、同円筒体と板状体との組合せよりなる整流部材13,13の整流効果により、上述の場合と同様の安定した吸込み旋回流が形成され、風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
(実施の形態7)
次に図18は、本願発明の実施の形態7に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置1では、上記実施の形態1の構成における空気吸込流路5の最上流側空気取り入れ口5a部分を所定の長さ側方に延設するとともに上方側に開口させ、同上方への開口5a部分に水分吸着エレメント(吸湿材)16を設置することにより、除湿用の空気調和装置として構成したことを特徴とするものである。
このように本願発明は、熱交換器や除湿部材等各種の空気調和手段と組み合わせることによって、それら各空気調和装置を上述のものと全く同様の作用効果を伴う形で実現することができる。
(実施の形態8)
次に図19〜図22は、上記実施の形態1の送風装置の問題点と同問題点を解決した本願発明の実施の形態8に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置では、上述した実施の形態1の構成における上流端側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側端部に近くなるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状の整流部材13,13を、遠心羽根車21の空気吸込方向に傾斜させて設置したことを特徴とするものである。その他の部分の構成は、全て上述の実施の形態1の送風装置の構成のものと同様であり、同様の作用効果を奏する。
上記実施の形態1の構成の構成によると、上流端側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側端部に近くなるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状の整流部材13,13の整流効果により、それぞれ遠心羽根車21の空気吸込口4の吸込方向に沿った安定した吸込み旋回流が形成され、風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
ところが、同整流部材13,13のように、上流側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側になるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状のものの場合、空気吸込流路5の側面と平行に並設される上流側から下流側に厚さ(幅)方向の寸法を超える所定値以上の長さの整流面を有しているために、例えば図19に示すように、当該整流面の遠心羽根車21の空気吸込口4に面する側で剥離が生じ、その剥離流が同空気吸込口4から遠心羽根車21内に流入し、性能の劣化(送風音増加)を招く。すなわち、外側は背面に沿って後端からベルマウス中心に向かって流入し、内側は先端から略ベルマウス中心に向かって流入する。そのため、剥離を生じる。
ところが、同様の構成の整流部材13,13を、図20〜図22に示すように、上記遠心羽根車21の空気吸込方向に傾斜させて設けると、空気取入れ用の開口5aから空気吸込流路5内に吸い込まれた空気流が空気吸込口4部分で上記遠心羽根車21の空気吸込方向に沿って流れるようにスムーズにガイドされる。したがって、上述した空気吸込口側面での剥離が減少し、スムーズな吸込流れとなって性能が向上(送風音が低減)する。
なお、図21に示すように、この場合にも上記整流部材13,13は、その下流側端部13bを含めて、上記遠心羽根車21の空気吸込口4の直径方向外側(同空気吸込口4の内径間φ位置よりも空気吸込流路5の両側面側)に位置して設置される。
また、この実施の形態の構成は、上記実施の形態1の場合だけでなく、全く同様の問題を有する上述した実施の形態2〜5の整流部材13,13の構成の場合にも全く同様に採用することができる。
(実施の形態9)
なお上記実施の形態8で述べた実施の形態1の構成における問題点は、上流端13a側空気流との対向部が円柱体、同円柱体よりも下流端部13b側が板状体のものよりなっている上述の実施の形態6(図16〜図17)の構成の整流部材13,13の場合にも、そのまま当てはまり、同様の剥離の問題が生じる。
したがって、同上記実施の形態6における整流部材13,13を遠心羽根車21の空気吸込方向に傾斜させて設置すると、上記実施の形態8の場合と同様に、上述した遠心羽根車21の空気吸込口4側面での剥離が減少し、よりスムーズな吸込流れとなって性能が向上(送風音が低減)する。
(実施の形態10)
次に図23〜図25は、本願発明の実施の形態10に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置では、上述した実施の形態8の構成の遠心羽根車21の空気吸込方向に傾斜させて設けた整流部材13,13の内側面および外側面をそれぞれ空気吸込流の旋回方向に沿った湾曲面に形成したことを特徴とするものである。
このような構成によると、上述した遠心羽根車21の空気吸込口4側面での剥離が減少し、よりスムーズな吸込流れとなって、上述した整流部材13,13本来の整流効果がより向上し、より安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、さらなる風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
なお、図24に示すように、この場合にも上記整流部材13,13は、その下流側端部13bを含めて、上記遠心羽根車21の空気吸込口4の直径方向外側(空気吸込口4の内径間φ位置よりも空気吸込流路5の両側面側)に位置して設置される(但し、φの図示は省略)。
また、この実施の形態の構成は、上記実施の形態1の場合だけでなく、全く同様の問題を有する上述した実施の形態2〜5の整流部材13,13の構成の場合にも全く同様に採用することができる。
さらに、この実施の形態と同様の湾曲構成は、上記実施の形態9の整流部材13,13の下流側板状体部分においても採用可能である。
(実施の形態11)
次に図26〜図29は、本願発明の実施の形態11に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置では、遠心羽根車21の空気吸込口4部分に安定した吸込旋回流を形成するための整流部材13,13が、上述した各実施の形態の構成のように、上流側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側になるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状のものである場合や上流側空気流との対向部が円柱体で、同円柱体よりも下流側が板状体のものである場合など、吸込流路の側面と平行に並設される上流側から下流側に厚さ(幅)方向の寸法を超える所定値以上の長さの整流面を有したものではなく、例えば図26〜図29(特に図29を参照)に示されるような上流側空気流との対向面がアール面の全体として円柱体状のものよりなっていることを特徴としている。
このような構成によると、上述した各整流部材13,13と略同様の整流作用が得られることはもちろん、上記遠心羽根車21の空気吸込口4の側面での剥離が確実に減少し、その分スムーズな吸込流れになり、安定した吸込み旋回流が形成されるようになるので、やはり風量−圧力特性の向上、静音化、軸動力の低減が図られる。
なお、この実施の形態の場合、さらに上記円柱体状の整流部材13,13を前後で1/2に分割することにより、半円状の柱体とし、その円弧面側を上流側に配置して整流部材とすることも可能である。
その場合にも、上記同様の必要な剥離低減作用を得ることができる。
(実施の形態12)
次に図30〜図32は、本願発明の実施の形態12に係る送風装置の構成を示している。
この送風装置では、上述した実施の形態11の構成における円柱体状の整流部材13,13を内実型のものではなく、袖形の空気吸込流路5の筺体底板12a上に一体成形(合成樹脂成形)することによって中空状に立設された中空の円筒体型のものとし、遠心ファンの本体ケーシング11の下面に対して袖形の同空気吸込流路5の筺体12を取付固定する取付部材を兼ねるようにしたことを特徴としている。
このような構成にした場合、上述の実施の形態5の中空構造の整流部材13,13(図14)の場合と同様に上記整流部材13,13を、その上端側にビス止めが可能なネジ穴を備えたものにすることにより、ビスの取付け座として有効に利用することができる。
従来の空気吸込流路の側面から延設されたビス取付け座は吸込み流れを乱し、ファン性能を劣化させていた。特にファン吸込口が羽根内径よりも大きくて翼端からも流入するシュラウドレス翼ターボファンでは静音特性が顕著に劣化していた(シロッコファンでは悪影響は比較的小さいが・・・)。
この実施の形態の構成では、これを確実に解決することができる。
なお、この場合、同整流部材13,13の底部外周縁は、上記空気吸込流路5の筺体12の底板12aに連続しているものである。
(実施の形態13)
上述した本願発明の整流部材13,13は、上記実施の形態11および12の構成のような円柱体および円筒体のものに限らず、例えば上流側空気流との対向面が凸状のアール面で、下流側が凹状のアール面である円弧状の板部材、例えば上記図30〜図32に示す実施の形態12の円筒体状の整流部材13,13を半円状に前後2つに分割したようなものでもかまわない。
そのような円弧状の整流部材13,13の場合にも略同様の剥離低減作用を得ることができる。
(実施の形態14)
上記実施の形態8〜13の各構成における送風装置の場合にも、その空気吸込流路5の最上流側空気取り入れ口5a部分を、図18の実施の形態7の場合と同様に所定の長さ側方(長手方向)に延設するとともに上方側に開口させ、同上方への開口5aに水分吸着エレメント(吸湿材)16を設置することにより、全く同様に除湿用の空気調和装置として構成することができる。
その場合、上記水分吸着エレメントを水分吸脱着エレメントに変えることにより、除加湿装置として構成することも可能である。
(他の実施の形態)
以上の実施の形態では、三方向吹きの吹き出し形態を採用した例で説明したが、この発明の構成は、例えば全周吹き、四方向吹き、二方向吹きなどの何れの方向の吹き出し形態の場合であっても全く同様に適用することができる。
また、遠心ファンの一種の斜流ファンなどの場合にも全く同様に構成することができる。
1は送風装置、2は遠心ファン、3は空気吹出通路、4は空気吸込口、5は空気吸込流路、5aは空気取り入れ用の開口、6はファンモータ、11は本体ケーシング、11aは天板部、11bは側壁部、11cは通路壁、11dは底板部、13は整流部材、14は整流部材、15は気流ガイド部材、16は水分吸着エレメント、21は羽根車、21aは主板、21bは羽根、21cはリング部材である。

Claims (16)

  1. 遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた空気吹出通路と、上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファンの羽根車の軸直交方向に空気の取入れ口が開口された空気吸込流路とを備えてなる送風装置であって、上記空気吸込流路の上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口中心部よりも空気取入れ口側には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口部分に安定した吸込旋回流を形成するための整流部材が設けられていることを特徴とする送風装置。
  2. 遠心ファンと、該遠心ファンの羽根車外周に設けられた空気吹出通路と、上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口を包囲する形で設けられ、上記遠心ファンの羽根車の軸直交方向に空気の取入れ口が開口された空気吸込流路とを備えてなる送風装置であって、上記空気吸込流路の上記遠心ファンの羽根車の空気吸込口中心部よりも空気取入れ口側には、上記遠心ファン羽根車の空気吸込口部分に安定した吸込旋回流を形成するための、上記空気吸込流路の側面に略平行な整流部材が設けられていることを特徴とする送風装置。
  3. 整流部材は、遠心ファン羽根車の空気吸込口よりも直径方向外側に位置して設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の送風装置。
  4. 整流部材は、上流側空気流との対向面が大径のアール面で、下流側になるほど厚さが薄くなる断面紡錘形状のものよりなっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の送風装置。
  5. 整流部材は、上流側空気流との対向部が円柱体で、同円柱体よりも下流側が板状体のものよりなっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の送風装置。
  6. 整流部材は、遠心ファン羽根車の空気吸込方向に傾斜して設置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の送風装置。
  7. 整流部材は、その内側面を空気吸込流の旋回方向に沿った湾曲面に形成されていることを特徴とする請求項6記載の送風装置。
  8. 整流部材は、上流側空気流との対向面がアール面の円弧状のものよりなっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の送風装置。
  9. 整流部材は、上流側空気流との対向面がアール面の円柱体又は半円柱体状のものよりなっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の送風装置。
  10. 整流部材は、空気吸込流路の筺体底板上に一体成形により立設され、遠心ファン本体の下面に対して同空気吸込流路の筺体を固定する取付部材を兼ねていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9記載の送風装置。
  11. 空気吹出通路は斜流遠心方向の空気吹出通路に形成され、遠心ファンの羽根車の空気吸込口は、空気吸込流路中に突出した構成となっているとともに、空気吸込流路は、上記遠心ファンの羽根車の突出した空気吸込口の外周囲を囲み、かつ斜流遠心方向の空気吹出通路とその通路壁を介して仕切られていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載の送風装置。
  12. 空気吸込流路底面の遠心ファンの羽根車の空気吸込口との対向部には、略円錐形状の整流部材が設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載の送風装置。
  13. 空気吸込流路終端の隅部には、断面三角形状の気流ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12記載の送風装置。
  14. 遠心ファンの羽根車は、シュラウドのない多翼羽根車であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12又は13記載の送風装置。
  15. 空気調和手段と組み合わせ、空気調和機用の送風手段として構成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14記載の送風装置。
  16. 空気吸込流路の空気流入口を長手方向に延設し、該延設部に機外空気を取り入れるための外気吸入口を設けるとともに、該外気吸入口の下流側に除湿手段を設け、該除湿手段を介して除湿された空気を上記空気吸込流路を介して遠心ファンに供給する除湿装置に適用したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14記載の送風装置。
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