JP6295434B2 - 遠心送風機及びそれを用いた消音ボックス付送風機 - Google Patents

Description

本発明は、遠心送風機及びそれを用いた消音ボックス付送風機に関する。

スクロールケーシングを備えた遠心送風機のケーシング吐出口においては、ケーシングの外周側（反舌部側）から吹き出す風速が速い。そしてケーシング吐出口から吹き出した気流は、羽根車の回転方向に曲がりやすい。そのためスクロールケーシングを備えた遠心送風機では、ケーシング吐出口から吐出ダクトへの気流の曲がりによる圧力損失が発生する。その圧力損失の低減のため、従来の遠心送風機では高風速のケーシングの外周部の気流吹出し方向を、吐出ダクトの中央部付近に向けている。

以下、従来の遠心送風機について図１０Ａ、図１０Ｂを参照しながら説明する。図１０Ａは特許文献１の遠心送風機の側面図、図１０Ｂは従来の一般的な遠心送風機の側面図である。

図１０Ａに示すように遠心送風機１０１ａは、ケーシング１０６ａと、ケーシング１０６ａに内蔵された羽根車１０９とから構成されている。ケーシング１０６ａは、吸込口１０３を備えた側板１０４と、スクロール１０５とから構成されている。ケーシング１０６ａの吐出口１０２ａには、吐出ダクト１０７ａが備えられている。吸込口１０３には、吸込ダクト１０８が備えられている。羽根車１０９が回転すると、吸込ダクト１０８を通った気体が吸込口１０３より羽根車１０９を介してケーシング１０６ａ内に流入する。そして気体は、ケーシング１０６ａ内において昇圧されて吐出口１０２ａから吐出ダクト１０７ａへ流出する。

ここで、図１０Ａに示すように遠心送風機１０１ａにおいては、吐出ダクト１０７ａの送風方向（吐出ダクト内気流１１１ａ）は、羽根車１０９の回転軸と直交する面に平行になっている。また吐出口１０２ａから吹き出す気流（吐出口気流１１０ａ）が、吐出ダクト１０７ａによって、舌部１１２近傍において反舌部側に曲げられて吐出ダクト内気流１１１ａとなっている。

すなわち、ケーシング１０６ａの反舌部側から吹き出した気流は、吐出ダクト１０７ａの壁面に沿って流れない。その気流の吹出し方向は、吐出ダクト１０７ａの図１０Ａにおける上辺と下辺との間の中央部である。

図１０Ｂには一般的な遠心送風機１０１ｂと、吐出ダクト１０７ｂとの接続形態が示されている。なお図１０Ｂと、図１０Ａとにおいて、同一符号は同じ構成要素である。図１０Ｂに示すようにケーシング１０６ｂの終端と、吐出ダクト１０７ｂとは、ほぼ水平である。このような一般的な遠心送風機１０１ｂでは、吐出口１０２ｂにおける吐出口気流１１０ｂの向きと、吐出ダクト内気流１１１ｂの向きとが同一方向となるように吐出ダクト１０７ｂが固定されている。言い換えれば、ケーシング１０６ｂから吹き出した吐出口気流１１０ｂは、そのまま直進するように吐出ダクト１０７ｂ内を進む。

一方、吐出口気流１１０ｂはケーシング１０６ｂの外周側が速くなっている。従って吐出ダクト１０７ｂ内では、吐出ダクト１０７ｂの上辺と下辺との間の中央部よりも上辺側の風速が速くなっている。そのため、吐出ダクト１０７ｂが下流部分において回転方向１１４と同方向に曲げられた場合、曲げ部分の外周側が風速の速い気流が通過し、吐出ダクト１０７ｂの曲げに沿ってスムーズに気流が流れる。また吐出ダクト１０７ｂが下流部分において回転方向１１４と逆方向に曲げられた場合、曲げ部分の内側が風速の速い気流が通過し、吐出ダクト１０７ｂの曲げ部分において気流の乱れが発生し、圧力損失が増える。

特許文献１においては、ケーシング１０６ａが羽根車１０９の回転方向１１４に回転されている。そのため吐出口気流１１０ａのうち、ケーシング１０６ａの外周側の風速の速い吐出口気流１１０ａが、吐出ダクト１０７ａの上辺と下辺との間の中央部付近に流れ込んでいる。そして吐出ダクト１０７ａの中央付近において、吐出口気流１１０ａが吐出ダクト１０７ａ全体に拡散されて、吐出ダクト１０７ａ内を流れていく。

吐出ダクト１０７ａの中央部に速い吐出口気流１１０ａが集められることにより、吐出ダクト１０７ａがどちらに曲げられた場合においても、吐出ダクト１０７ａの曲げによる圧力損失が低減する。従って、吐出ダクト１０７ａの曲げ方向に依存せず、圧力損失の小さい遠心送風機１０１ａとなっている。

ただ、吐出ダクト１０７ａの下流側において、吐出ダクト１０７ａが羽根車１０９の回転方向と逆方向に曲げられる場合、その曲げ部と吐出口１０２ａとの距離は大きくする必要があった。

特開平１１−２９４３９３号公報

このような従来の遠心送風機では、図１０Ａに示す吐出ダクト１０７ａの上辺と下辺との間の中央部に風速の速い気流を集めることができる。しかし、吐出口１０２ａ近傍の斜線部分１１６が削りとられたような形状、言い換えればスクロール１０５が途中にて途切れたようになっている。このスクロール１０５の舌部１１２付近から吐出口１０２ａまでのスクロール風路拡大部では、羽根車１０９によって昇圧された気体は、風路拡大により流速が低下される。すなわちスクロール風路拡大部は、気体を動圧から静圧に変換して吐出ダクト１０７ａ内に流出させる部分である。しかし、特許文献１の遠心送風機１０１ａにおいては、スクロール風路拡大部が短くなっているので、スクロール風路拡大部において気体の流速を十分に落とすことができない。そのため、遠心送風機の性能（静圧）が低下するといった課題があった。

そこで本発明の遠心送風機は、スクロールを備えたケーシングと、ケーシングに内蔵した羽根車とを有している。ケーシングは吸込口を有した側板を備え、スクロールは吐出口を備え、ケーシングに吐出ダクトが接続されている。そして吐出口から吹き出す吐出口気流が、羽根車の回転軸と直交する面に平行である。またケーシングのケーシング出口から延びる舌部側の舌部側壁面と、ケーシング出口から延びる反舌部側の反舌部側壁面とのうちの少なくとも一つが吐出ダクト内に突出している。そして吸込口を有した側板の平面に直交する方向から見て吐出口気流が舌部側から反舌部側に向かって所定の角度にて曲がり、吐出ダクトを流れる吐出ダクト内気流となる。

舌部側壁面または反舌部側壁面、あるいはその両方によりスクロール風路拡大部が大きくなるため、吐出口気流は流速が十分に落とされ、吐出ダクトにスムーズに導かれる。そのため吐出口気流は、動圧から静圧への変換が十分に行われて圧力損失が防止され、遠心送風機の性能低下が防止される。

図１は、本発明の実施の形態１の遠心送風機の側面図である。 図２は、同遠心送風機と従来の遠心送風機との性能比較グラフである。 図３Ａは、本発明の実施の形態２の遠心送風機の側面図である。 図３Ｂは、同遠心送風機の正面図である。 図４は、同遠心送風機が吐出アダプタ内に吸音材を設けた場合の側面図である。 図５は、同遠心送風機の舌部側壁面と反舌部側壁面とに小孔を設けた場合のケーシングの斜視図である。 図６は、同遠心送風機のダクト接続を説明する側面図である。 図７は、本発明の実施の形態３の遠心送風機を用いた消音ボックス付送風機の側面図である。 図８は、同遠心送風機を用いた消音ボックス付送風機の上面図である。 図９は、同消音ボックス付送風機の設置図である。 図１０Ａは、特許文献１の遠心送風機の側面図である。 図１０Ｂは、従来の一般的な遠心送風機の側面図である。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１の遠心送風機の側面図である。図１に示すように遠心送風機１は、ケーシング６と、ケーシング６に内蔵された羽根車９とから構成されている。ケーシング６は、吸込口３を備えた側板４と、吐出口２を備えたスクロール５とから構成されている。ケーシング６のケーシング出口６ａには、吐出ダクト７が接続され、吸込口３には吸込ダクト８が接続されている。

そして、スクロール５の反舌部１３ｂ側の反舌部側壁面１４、および舌部１３ａ側の舌部側壁面１５は、吐出ダクト７内に突出させて形成されている。反舌部側壁面１４は、吐出ダクト７の中央まで到達せず、図１における吐出ダクト７の上半分の位置に端部がある。また、舌部側壁面１５は、吐出ダクト壁面７ａに舌部側壁面先端１５ａを接触させている。ここで反舌部側壁面１４および舌部側壁面１５は、ケーシング出口６ａから延びている。

また吐出口２を流れる吐出口気流１０が、羽根車９の回転軸２４と直交する面に平行に、かつ、スクロール５の舌部１３ａと反対側の反舌部１３ｂ側へ曲がるように、吐出ダクト７は吐出口２に接続されている。すなわち吸込口３に直交する方向から見て、吐出口気流１０は舌部１３ａ側から反舌部１３ｂ側に向かって所定の角度θ’にて曲がり、吐出ダクト７内を流れる吐出ダクト内気流１１となる。所定の角度θ’は、０度よりも大きく４５度よりも小さく、好ましくは、２０度以上３０度以下である。

なお、図１のθ＝１８０−θ’であるから、角度θは、１３５度を超え１８０度未満の値であって、好ましくは、１５０度以上１６０度以下である。

そして吐出ダクト内気流１１も、羽根車９の回転軸２４と直交する面に平行である。

また舌部対向位置１３ｃは、舌部１３ａから反舌部側壁面１４に対して下した垂線が反舌部側壁面１４と交差する位置である。ケーシング６と吐出ダクト７との反舌部１３ｂ側の接続部２６は、舌部対向位置１３ｃよりも羽根車９側に近づけて設けられている。

上記の遠心送風機１の構成による作用、効果について説明する。羽根車９が回転すると、吸込ダクト８を通った気体が吸込口３より羽根車９を介してケーシング６内に流入し、ケーシング６内において昇圧されて吐出口２から吐出ダクト７へ流出する。

ここで、本実施の形態１の最も特徴的な部分について説明する。本実施の形態１においては、吐出ダクト７内にスクロール５を突出させた反舌部側壁面１４と、舌部側壁面１５とが形成され、スクロール風路拡大部１６が確保されている。従ってケーシング出口６ａに到達した気体は、スクロール風路拡大部１６にて流速を十分に落とし、動圧から静圧への変換が促され、吐出ダクト７へ流出する。

また舌部側壁面１５が形成されているため、舌部１３ａに衝突した吐出口気流１０は、舌部側壁面１５に沿って吐出ダクト７内に導かれる。このように舌部側壁面１５により吐出口気流１０が吐出ダクト７にスムーズに導かれることにより、舌部１３ａから吐出ダクト７への風路の急拡大による圧力損失が防がれる。

そのため、吐出ダクト７内に突出させた舌部側壁面１５は、舌部側壁面先端１５ａを吐出ダクト壁面７ａに接触させることが望ましい。しかし舌部側壁面先端１５ａは、必ずしも吐出ダクト壁面７ａに接触していなくてもよい。

吐出口気流１０は、ケーシング６の外周側、つまり反舌部１３ｂ側が速くなっている。反舌部側壁面１４によって、反舌部１３ｂ側の吐出口気流１０は、吐出ダクト７の中央部分において吐出ダクト内気流１１の方向に曲げられる。このように本実施の形態１の遠心送風機１の吐出ダクト７内では、中央部分の吐出口気流１０の流速が速くなる。そのため、吐出ダクト７の下流側の曲折部において、どの方向に吐出ダクト７が曲げられても圧力損失の増大が抑えられる。すなわち、吐出口気流１０が直進して吐出ダクト内気流１１になる場合よりも、本実施の形態１は吐出口２から吐出ダクト７の曲折部までの距離は小さくできる。

また吐出ダクト７は、舌部対向位置１３ｃよりも羽根車９側に近づくように接続されているので、遠心送風機１は小型化される。

また吐出ダクト７は、吐出ダクト７の中心軸が羽根車９に近づくように接続されているので、遠心送風機１は小型化される。

遠心送風機１の小型化の観点からは、吐出ダクト７の中心軸が羽根車９の回転軸２４（或いは近傍）を通るように吐出ダクト７が接続されることがさらに望ましい。

図２は、本発明の実施の形態１の遠心送風機と従来の遠心送風機との性能比較グラフである。図２にはグラフ（ｃ）の本実施の形態１の遠心送風機と、図１０Ａにて示したグラフ（ｂ）の遠心送風機と、図１０Ｂにて示したグラフ（ａ）の遠心送風機とによる風量の比較グラフを示す。横軸に風量、縦軸に静圧を示している。グラフ（ａ）は、図１０Ｂの遠心送風機において吐出口気流が直進して吐出ダクト内気流となる場合である。グラフ（ｂ）は、図１０Ａにて示した遠心送風機において、吐出口気流が反舌部側へ曲げられ吐出ダクト内気流になった場合である。そしてグラフ（ｃ）は、本実施の形態１の遠心送風機１において、反舌部側壁面１４と舌部側壁面１５とが吐出ダクト７内に突出し、吐出口気流１０が反舌部１３ｂ側へ曲げられ吐出ダクト内気流１１となる場合である。

図１０Ａの遠心送風機は、図１０Ｂの遠心送風機に対して、スクロール風路拡大部が小さく、また舌部部分において吐出ダクトへ風路が急拡大しているので、全体的に静圧が低下している。一方、本実施の形態１の遠心送風機１は、一般的な図１０Ｂの遠心送風機とほぼ同等の性能であることが確認できる。

このように本発明の実施の形態１の遠心送風機１は、性能（静圧）の低下を抑えながら、吐出ダクト７がどちらに曲げられる場合においても、吐出ダクト７の曲げによる圧力損失が低減できるとともに、ケーシング６が小型化される。また、吐出ダクト７の曲げ方向に合わせて、ケーシング６などの部品が右回り用と左回り用との２種類の部品が必要なく、吐出ダクト７の曲げ方向に依存せず、圧力損失の低下が抑制される。

なお本実施の形態１では、ケーシング６において反舌部１３ｂ側の反舌部側壁面１４と、舌部１３ａ側の舌部側壁面１５との両方が吐出ダクト７内に突出されているが、どちらか一方だけが吐出ダクト７内に突出していればよい。その場合には、一方の作用、効果のみを有する。

（実施の形態２）
本発明の実施の形態２では、実施の形態１と同じ構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、異なる点のみを説明する。図３Ａは本発明の実施の形態２の遠心送風機の側面図、図３Ｂは同遠心送風機の正面図である。

図３Ａ、図３Ｂに示す遠心送風機１は、ケーシング出口６ａに丸型の吐出ダクト７が接続される際、丸型の吐出アダプタ１７がケーシング出口６ａの外周を覆うように設けられている。そして、吐出アダプタ１７に丸型の吐出ダクト７が接続されている。吐出アダプタ１７内には反舌部側壁面１４と、舌部側壁面１５とが突出している。ここで舌部側壁面幅１５ｃは、羽根車幅９ａと同寸法になっている。また舌部側壁面側部１５ｂと、左右両方の吐出アダプタ１７との間には隙間２１が設けられている。

上記の遠心送風機１の構成による作用、効果について説明する。

スクロール風路拡大部１６の確保、舌部１３ａから吐出ダクト７への風路の急拡大の防止、ケーシング６の外周部の風速の速い吐出口気流１０を吐出ダクト７の上辺と下辺との間の中央部に吹き込ませる点に関しては、実施の形態１において説明した通りである。羽根車９から直接吹き出され、風速が速い羽根車吐出口気流２２は、風路の急拡大の影響を受けやすい。しかし舌部側壁面幅１５ｃと、羽根車幅９ａとが同寸法のため、羽根車吐出口気流２２は舌部側壁面１５に沿って流れる。そのため羽根車吐出口気流２２は、吐出アダプタ１７を経由して吐出ダクト７内にスムーズに導かれる。

一方、羽根車９の側板４側の側板側吐出口気流２３の風速は遅くなっている。すなわち側板側吐出口気流２３は、隙間２１部分に形成された風路の急な拡大部分の影響を受けにくく、吐出アダプタ１７の下方側に流入し吐出ダクト７まで導かれる。このように隙間２１により、風速の速い羽根車吐出口気流２２と、風速の遅い側板側吐出口気流２３とが衝突することなく、吐出ダクト７内にスムーズに導かれ、羽根車吐出口気流２２と側板側吐出口気流２３との圧力損失が防がれる。

また吐出アダプタ１７は、スクロール５の延長上に沿った形にて角形状のケーシング出口６ａと、丸形状の吐出ダクト７とを接続している。吐出アダプタ１７のスクロール５側は円形であり、吐出ダクト７側にむけ順次その円形の断面積が縮小する形状である。吐出口気流１０は、羽根車９を介してケーシング６内に流入し、ケーシング６内にて昇圧されケーシング出口６ａに到達する。吐出口気流１０は、吐出アダプタ１７によりケーシング出口６ａから吐出ダクト７にスムーズに導かれる。同時に、吐出口気流１０は吐出ダクト７の中央部に向けられる。従って、吐出ダクト７の径は小さくできる。また、吐出ダクト７は吐出アダプタ１７に差し込み施工される。また、ケーシング６の一部が吐出アダプタ１７内部に挿入されるので、遠心送風機１は小型化される。

このように本発明の実施の形態２の遠心送風機１は、性能（静圧）低下を抑えながら、ケーシング６が小型化され、吐出ダクト７も小型化され、施工性も良くなる。

なお本実施の形態２では、舌部側壁面１５は平板状となっている。しかし送風方向に対して舌部側壁面側部１５ｂは、反舌部１３ｂ側に立ち上げられても、逆に舌部１３ａ側方向に曲げられてもよい。

図４は、本発明の実施の形態２の遠心送風機が吐出アダプタ内に吸音材を設けた場合の側面図である。図４に示す遠心送風機１は、吐出アダプタ内面１７ａと、反舌部側壁面１４および舌部側壁面１５との間に吸音材１９が配置されている。

図４に示す遠心送風機１の作用、効果について説明する。ケーシング６内において昇圧された気流は、ケーシング出口６ａより吐出ダクト７に流出される。このとき、吐出口気流１０が吐出アダプタ１７に衝突することにより、気流騒音が発生する。この気流騒音は、吐出アダプタ１７とスクロール５のケーシング出口６ａとの間に設けた吸音材１９によって吸音される。

図５は、本発明の実施の形態２の遠心送風機の舌部側壁面と反舌部側壁面とに小孔を設けた場合のケーシングの斜視図である。図５に示すように反舌部側壁面１４と舌部側壁面１５とに、複数の小孔２０が設けられている。

反舌部側壁面１４、舌部側壁面１５に複数の小孔２０が設けられることにより、気流騒音のエネルギーが小孔２０を通り、図４に示すスクロール５と吐出アダプタ１７との間に設けた空間Ａ、Ｂ、または吸音材１９に伝播し吸音される。その結果、吐出アダプタ１７内の吸音率が増加する。

図６は、本発明の実施の形態２の遠心送風機のダクト接続を説明する側面図である。図６に示すように吐出アダプタ１７の開口の中心軸２５は、吸込口３の中心である羽根車９の回転軸２４を通る。

その結果、吐出ダクト７と吸込ダクト８との高さは、同じにできる。そのため、吐出ダクト７と吸込ダクト８とが床もしくは天井から部材を使用して固定される場合、その部材の長さが統一される。

なお本実施の形態２では隙間２１は、舌部側壁面側部１５ｂと吐出アダプタ１７との間とした。しかし隙間２１は、舌部側壁面側部１５ｂと吐出ダクト７との間であってもよい。

（実施の形態３）
本発明の実施の形態３では、実施の形態１、２と同じ構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる点のみを説明する。図７は本発明の実施の形態３の遠心送風機を用いた消音ボックス付送風機の側面図、図８は同遠心送風機を用いた消音ボックス付送風機の上面図である。

本実施の形態３の消音ボックス付送風機は、実施の形態１、２において説明した遠心送風機１の内の何れかの遠心送風機１と、遠心送風機１を内蔵した箱状の機体５０とを備える。図７、図８に示すように機体５０は吐出パネル５３と、吸込パネル５６と、側面パネル５８とからなる。吐出パネル５３には、機体吹出口５１および吐出アダプタ５２が設けられている。吸込パネル５６には、機体吸込口５４および吸込アダプタ５５が設けられている。側面パネル５８には、点検パネル５７が固定されている。

吐出アダプタ５２が吐出ダクト５９に接続されることにより、ケーシング出口６ａは吐出ダクト５９に接続される。また吐出アダプタ５２は吐出パネル５３の中心に設けられ、吸込アダプタ５５は吸込パネル５６の中心に設けられている。本実施の形態３では、吐出アダプタ５２の内部に、反舌部側壁面１４と舌部側壁面１５とが配置されているが、実施の形態１または実施の形態２同様、どちらか一方だけが設けられても良い。

天パネル６０、底パネル６１、及び側面パネル５８は、吐出パネル５３と吸込パネル５６との間に位置している。ここで天パネル６０と底パネル６１とは、それぞれ遠心送風機１の天面と底面とを覆う機体５０のパネルである。側面パネル５８に着脱自在に固定された点検パネル５７は、遠心送風機１の側板４に対向している。そのため、点検パネル５７が側面パネル５８から取り外された後に、側板４に固定された羽根車９、およびモーター６２を、壁面点検口６３から入った人が、点検パネル開口６４を介して見ることができる。

また、機体吹出口５１は吐出パネル５３の中心に設けられ、吐出パネル５３は遠心送風機１のケーシング出口６ａに面している。本実施の形態３では吐出パネル５３と遠心送風機１とは近接して接続固定されているが、中間部材を介して接続されても良い。

吐出アダプタ５２に接続した吐出ダクト５９と、吸込アダプタ５５に接続した吸込ダクト６５とを介して、機体吸込口５４の機体吸込口気流６６は、遠心送風機１を通り、機体吹出口気流６７として流出する。吐出アダプタ５２と吸込アダプタ５５とは、それぞれ吐出パネル５３と吸込パネル５６の中心に配置されて対向している。そのため、吐出ダクト５９と吸込ダクト６５とは、同一中心軸６８上に施工される。なお、機体吸込口５４は吸込パネル５６の中心に設けられると、吸込ダクト６５からの機体吸込口気流６６が機体吸込口５４にスムーズに流入するため、望ましい。

図９は、本発明の実施の形態３の消音ボックス付送風機の設置図である。図９に示す遠心送風機１が運転されると、室内７０の空気は壁面吸込口７１から吸い込まれ、吸込ダクト６５、機体５０、吐出ダクト５９を介し、壁面吐出口７２から室外７３に排気される。

点検パネル５７近傍には壁面点検口６３が設けられ、遠心送風機１の点検が可能となっている。また機体５０は、天井裏７４に設置されるので、遠心送風機１の小型化は、機体５０の小型化につながり、天井裏７４が狭い場合でも機体５０の設置が容易となる。

本発明の実施の形態３の遠心送風機１を用いた消音ボックス付送風機による作用、効果について説明する。

図７に示すように吐出アダプタ５２は吐出パネル５３の中心に設けられ、吸込アダプタ５５は吸込パネル５６の中心に設けられている。そのため、機体５０の天面、底面が逆に施工される場合、機体５０に対する吐出アダプタ５２及び吸込アダプタ５５の相対位置が変化せず、施工性が良くなる。

機体５０の天面、底面の逆施工は、図９に示す天井裏７４内部が狭く、機体５０に対する点検パネル５７の位置が逆の場合、つまり壁面点検口６３の位置が逆に施工される場合などに有効である。

また図７に示すように機体吹出口５１は、吐出パネル５３の中心に設けられている。そのため機体吹出口５１からの機体吹出口気流６７が、吐出パネル５３の中心の吐出アダプタ５２に向かい、気流が衝突することなくスムーズに導かれて圧力損失が抑えられる。

また、吐出パネル５３と遠心送風機１との距離が最小になり、機体５０が小型化される。そのため、吐出パネル５３は遠心送風機１のケーシング出口６ａに接することが望ましいが、吐出パネル５３は必ずしもケーシング出口６ａに接する必要はない。

このように本発明の実施の形態３の遠心送風機１を用いた消音ボックス付送風機は、性能（静圧）低下を抑えながら、施工性が良く、機体５０が小型化される。

本発明は、ダクトファンなどの換気送風機器、空気調和機などに使用される遠心送風機に適用される。また本発明は、換気送風機器などの空気搬送目的以外に、機体吹出口からの送風を用いた設備機器の冷却にも適用できる。

１ 遠心送風機
２ 吐出口
３ 吸込口
４ 側板
５ スクロール
６ ケーシング
６ａ ケーシング出口
７ 吐出ダクト
７ａ 吐出ダクト壁面
８ 吸込ダクト
９ 羽根車
９ａ 羽根車幅
１０ 吐出口気流
１１ 吐出ダクト内気流
１３ａ 舌部
１３ｂ 反舌部
１３ｃ 舌部対向位置
１４ 反舌部側壁面
１５ 舌部側壁面
１５ａ 舌部側壁面先端
１５ｂ 舌部側壁面側部
１５ｃ 舌部側壁面幅
１６ スクロール風路拡大部
１７，５２ 吐出アダプタ
１７ａ 吐出アダプタ内面
１９ 吸音材
２０ 小孔
２１ 隙間
２２ 羽根車吐出口気流
２３ 側板側吐出口気流
２４ 回転軸
２５ 中心軸
２６ 接続部
５０ 機体
５１ 機体吹出口
５３ 吐出パネル
５４ 機体吸込口
５５ 吸込アダプタ
５６ 吸込パネル
５７ 点検パネル
５８ 側面パネル
５９ 吐出ダクト
６０ 天パネル
６１ 底パネル
６２ モーター
６３ 壁面点検口
６４ 点検パネル開口
６５ 吸込ダクト
６６ 機体吸込口気流
６７ 機体吹出口気流
６８ 同一中心軸
７０ 室内
７１ 壁面吸込口
７２ 壁面吐出口
７３ 室外
７４ 天井裏

Claims (13)

1. スクロールを備えたケーシングと、
   前記ケーシングに内蔵した羽根車と、を有し
   前記ケーシングは吸込口を有した側板を備え、
   前記スクロールは吐出口を備え、
   前記ケーシングに吐出ダクトが接続された遠心送風機であって、
   前記吐出口を流れる吐出口気流が前記羽根車の回転軸と直交する面に平行であり、
   前記ケーシングのケーシング出口から延びる舌部側の舌部側壁面と前記ケーシング出口から延びる反舌部側の反舌部側壁面とのうちの少なくとも一つが前記吐出ダクト内に突出し、
   前記吸込口を有した前記側板の平面に直交する方向から見て前記吐出口気流が、前記舌部側から前記反舌部側に向かって所定の角度にて曲がり前記吐出ダクトを流れる吐出ダクト内気流となることを特徴とする遠心送風機。
2. 前記所定の角度は０度より大きく４５度より小さいことを特徴とする請求項１記載の遠心送風機。
3. 前記舌部側壁面が前記吐出ダクト内に突出した場合、舌部側壁面先端が吐出ダクト壁面に接触することを特徴とする請求項１記載の遠心送風機。
4. 前記舌部側壁面が前記吐出ダクト内に突出した場合、舌部側壁面側部と前記吐出ダクトとの間に隙間を設けたことを特徴とする請求項１記載の遠心送風機。
5. 舌部側壁面幅は、羽根車幅と同じであることを特徴とする請求項４記載の遠心送風機。
6. 前記ケーシングと前記吐出ダクトとの前記反舌部側の接続部は、前記舌部から前記反舌部側壁面に対して下した垂線が交差する舌部対向位置よりも前記羽根車に近いことを特徴とする請求項１記載の遠心送風機。
7. 前記ケーシング出口を覆う吐出アダプタを設け、前記吐出ダクトと前記吐出アダプタとを接続し、前記舌部側壁面および前記反舌部側壁面が前記吐出アダプタ内に突出することを特徴とする請求項１記載の遠心送風機。
8. 吐出アダプタ内面と前記舌部側壁面および前記反舌部側壁面との間に吸音材を設けたことを特徴とする請求項７記載の遠心送風機。
9. 前記舌部側壁面と前記反舌部側壁面とに複数の小孔を設けたことを特徴とする請求項８記載の遠心送風機。
10. 前記吐出アダプタの開口の中心軸が前記回転軸を通ることを特徴とする請求項７記載の遠心送風機。
11. 請求項１記載の遠心送風機と、
    前記遠心送風機を内蔵した機体とを備え、
    前記機体は機体吹出口および吐出アダプタを設けた吐出パネルと、
    機体吸込口および吸込アダプタを設けた吸込パネルと、
    点検パネルを固定した側面パネルとからなり、
    前記吐出アダプタが前記吐出ダクトに接続されることにより前記ケーシング出口は前記吐出ダクトに接続され、
    前記吐出アダプタは前記吐出パネルの中心に設けられ、
    前記吸込アダプタは前記吸込パネルの中心に設けられたことを特徴とする消音ボックス付送風機。
12. 前記機体吹出口は前記吐出パネルの中心に設けられたことを特徴とする請求項１１記載の消音ボックス付送風機。
13. 前記吐出パネルは前記ケーシング出口に接することを特徴とする請求項１１記載の消音ボックス付送風機。
    

Images