JP3656974B2 - 送風機とダクトとの接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、遠心式送風機の吹出口とダクトの導入口との間を拡大流路を介して接続する場合の接続構造に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
例えば、換気装置においては、遠心式送風機の吹出口に、その一端が室内に開口したダクトを接続して送風することが行われるが、この場合、送風機は配置スペースの狭小化の要求から小型化される傾向にあるが、ダクトは必要な処理風量に対応して設計されるものであるため、上記送風機の小型化に対応して上記ダクトをむやみに小型化することはできず、結果的に送風機の吹出口とダクトの導入口との間における高さ寸法に大きな差が生じることになる(尚、一般に、送風機の吹出口の幅寸法とダクトの幅寸法とは略同等に設定される)。また、換気装置の仕様上、送風機の能力として高静圧が求められる場合もある。
【0004】
かかる場合における送風機とダクトとの接続構造としては、例えば特開平4−350400号公報に開示されるように、送風機の吹出口側に、該吹出口の開口面積より大きく且つダクトの導入口の開口面積と略同等の開口面積をもった流路を設け、該流路を介して上記送風機の吹出口とダクトの導入口とを接続し、該送風機の吹出口から吹き出される吹出風を上記流路において急拡大させてこれをダクトに導くことで、吹出風の動圧の一部を静圧に変換する構造が知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、かかる従来の接続構造によれば、送風機の吹出口からの吹出風を上記流路において急拡大させることから、この急拡大に伴う損失(急拡大損失)が大きく、その結果、送風機の駆動動力が増大するとともに吹出音も高くなるという問題があった。また、送風機内部の流れも、断続的に失速状態を生じる不安定な流れとなり、送風能力の低下の一因ともなっていた。
【0006】
そこで本願発明は、送風機とダクトとの接続部分における急拡大損失を可及的に低減させることで、送風機の駆動動力の低減と吹出音の抑制等を図るようにした送風機とダクトとの接続構造を提案せんとしてなされたものである。
【本願発明の前提技術】
【0007】
本願発明者らは、上記の如き送風機とダクトとの接続構造における課題を解決する手段を研究するに際して、互いに大きさの異なる送風機の吹出口とダクトの導入口との接続を、その一端側から他端側にかけてその開口面積が拡大する拡大流路を介して接続するものとし、その場合における拡大流路の最適形状及び接続構造を実験により知見することとした。
【0008】
即ち、実験対象として、図3〜図8に示す六つの異なった接続形態A〜Fを設定した。尚、各図において符号1は遠心式送風機、2はダクト、31〜36は上記各接続形態A〜Fにそれぞれ適用される形状の異なる拡大流路である。
【0009】
上記送風機1は、従来一般的な構造をもつ遠心式の送風機であって、スクロール状の流路をもち且つその拡大側の端部を矩形の断面形状をもつ吹出口13とするとともに、流路最狭部を構成する舌部14に連続して上記吹出口13に至る舌部側壁面11aと、反舌部側に位置し上記舌部側壁面11aに対向状態で延出して上記吹出口13に至る反舌部側壁面11bとを備えたケーシング11と、該ケーシング11内に配置された翼車12とで構成され、上記吹出口13の高さ寸法(即ち、後述の拡大流路31〜36における流路入口31c〜36cの高さ寸法)は「h」とされている。
【0010】
また、上記ダクト2は、上記送風機1のケーシング11の幅寸法(即ち、上記翼車12の軸方向に対向配置された左右一対の鏡板1a,1aの間隔)と略同等の幅寸法と、上記吹出口13の高さ寸法「h」よりも大きな高さ寸法「H」(即ち、第1ダクト壁2aと第2ダクト壁2bの間隔)とをもつ矩形の断面形状を有し、その一端を導入口21としている。そして、上記送風機1とダクト2とは、その吹出口13と導入口21とを所定の間隔「L」をもって略平行に対向させた状態で配置され、これら送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21との間を次述の各拡大流路31〜36で接続するものである。尚、この場合、適用される各拡大流路31〜36の構造に対応して、上記送風機1とダクト2との高さ方向の相対位置は適宜変更される。
【0011】
図3〜図8にそれぞれ示す接続形態及びこれに適用される上記各拡大流路31〜36の構造は次の通りである。
【0012】
接続形態A
接続形態Aは、図3に示すように、第1の拡大流路31を使用して上記送風機1の吹出口13と上記ダクト2の導入口21とを接続したものである。
【0013】
上記第1の拡大流路31は、流路長Lをもち且つ高さ「h」の流路入口31cから高さ「H」の流路出口31dに向けて次第に高さ寸法(即ち、開口面積)が拡大する矩形の断面形状をもつ筒体であって、下方に位置する平面壁状の第1壁面31aと上方に位置する平面壁状の第2壁面31bとを備えている。尚、上記第1の拡大流路31の左右一対の側壁31e,31eは相互に平行とされ、該第1の拡大流路31の流路の幅寸法はその流路入口31cから流路出口31dにかけて一定とされている(以下の各接続形態における第2の拡大流路32〜第6の拡大流路36においても同様)。
【0014】
そして、上記第1の拡大流路31の流路上壁を構成する上記第2壁面31bは、その流路入口31cから流路出口31dに向かって上記送風機1の吹出方向(即ち、上記送風機1の吹出口13を含む面に垂直な方向)に対して上方に「9°」の傾斜角をもって延び、流路入口31c側の端部は上記送風機1の反舌部側壁面11bの端部に、また流路出口31d側の端部は上記ダクト2の第2ダクト壁2bの端部に、それぞれ接続されている。一方、上記第1の拡大流路31の第1壁面31aは、上記第2壁面31bに対して所定の広がり角「71°」をもってその流路入口31cから流路出口31dに向かって延び、その流路入口31c側の端部は上記送風機1の舌部側壁面11aの端部に、また流路出口31d側の端部は上記ダクト2の第1ダクト壁2aの端部に、それぞれ接続されている。従って、上記送風機1から上記ダクト2に至る流路は、該送風機1の吹出口13からダクト2の導入口21まで上記第1の拡大流路31の流路長「L」の範囲で一気に拡大変化することになる。
【0015】
接続形態B
接続形態Bは、図4に示すように、第2の拡大流路32を使用して上記送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21とを接続したものである。
【0016】
上記第2の拡大流路32は、上記接続形態Aの第1の拡大流路31における第1壁面31aと第2壁面31bのうち、該第2壁面31bの構造のみを異ならせたものである。即ち、上記第2の拡大流路32においては、その第1壁面32aと第2壁面32bのうち、流路下壁を構成する第1壁面32aは上記流路入口32c側の端部を上記送風機1の舌部側壁面11aの端部に、また流路出口32d側の端部を上記ダクト2の第2ダクト壁2aの端部にそれぞれ接続している。これに対して、流路上壁を構成する上記第2壁面32bは、第1の拡大流路31を基本とし、この第1の拡大流路31においてその第2壁面31bの構造のみを異ならせた構成となっている。即ち、この第2の拡大流路32においては、上記第2壁面32bを上記送風機1の反舌部側壁面11bと同一平面をなす如くその流路入口32cから流路出口32dに向かって上記送風機1の吹出方向に対して下方に「5°」の傾斜角をもって延出させ、その流路入口32c側の端部を上記送風機1の反舌部側壁面11bの端部に、また流路出口32d側の端部を上記ダクト2の第2ダクト壁2bの端部から下方へ垂設された端面壁22bの下端に、それぞれ接続している。
【0017】
従って、この第2の拡大流路32においては、上記第1壁面32aと第2壁面32bとの広がり角が、接続形態Aにおける第1の拡大流路31の場合よりも小さい角度(角度57°)とされるとともに、その流路高さが該流路の上部側において縮小されている。また、上記第2の拡大流路32の上記第2壁面32bは、上記送風機1の反舌部側壁面11bの延長線上(即ち、上記送風機1の吹出方向に対して下方へ5°だけ傾斜した線上)に位置している。
【0018】
接続形態C
接続形態Cは、図5に示すように、第3の拡大流路33を使用して上記送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21とを接続したものである。
【0019】
上記第3の拡大流路33は、上記接続形態Bにおける第2の拡大流路32の構成を基本とし、この第2の拡大流路32においてその第1壁面32aの構造のみを異ならせた構成となっている。即ち、この第3の拡大流路33においては、上記第2壁面33bの構成を接続形態Bにおける上記第2の拡大流路32と同様とする一方、該第1壁面33aと第2壁面33bとの広がり角を接続形態Bの場合よりもさらに小さい角度(角度49°)に設定したものである。
【0020】
従って、上記第1壁面33aの流路出口33d側の端部は、上記ダクト2の第1ダクト壁2aの端部から上方へ垂設された端面壁22aの上端に接続されており、上記第3の拡大流路33の流路高さは上記接続形態Bにおける上記第2の拡大流路32の場合に比して、該流路の下部側においてさらに縮小されている。
【0021】
接続形態D
接続形態Dは、図6に示すように、第4の拡大流路34を使用して上記送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21とを接続したものである。
【0022】
上記第4の拡大流路34は、上記接続形態Cにおける第3の拡大流路33の構成に、楔状部材41を付加したものである。即ち、上記楔状部材41は、第2壁面34bの内面上に、その尖頭端を流路入口34c側に向けた状態で配置されている。この楔状部材41の内面によって上記第4の拡大流路34の流路上壁が構成され、且つこの流路上壁は流路入口34cから流路出口34dに向かって上記送風機1の吹出方向に対して下方へ「15°」の傾斜角をもつことになる。この傾斜角「15°」は、上記第4の拡大流路34の第2壁面34bの上記送風機1の吹出方向に対する下方への傾斜角「5°」を含むものであり、従って、上記楔状部材41自身は「10°」の傾斜角(楔角)をもつものである。
【0023】
また、この楔状部材41の付設によって、上記第1壁面34aと第2壁面34bとの実質的な広がり角は、上記接続形態Cにおける第3の拡大流路33の場合よりもさらに小さくなっている(角度39°)。
【0024】
接続形態E
接続形態Eは、図7に示すように、第5の拡大流路35を使用して上記送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21とを接続したものである。
【0025】
上記第5の拡大流路35は、上記接続形態Cにおける第3の拡大流路33の構成を基本とし、第2壁面35bの構造を上記第3の拡大流路33と同様とする(上記送風機1の反舌部側壁面11bの延長線上に位置させる)一方、該第2壁面35bと第1壁面35aとの間の広がり角を上記第3の拡大流路33の場合よりも小さな角度(36°)としたものである。従って第5の拡大流路35の流路高さは、上記第3の拡大流路33のそれよりも流路下側において縮小されている。
【0026】
接続形態F
接続形態Fは、図8に示すように、第6の拡大流路36を使用して上記送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21とを接続したものである。
【0027】
上記第6の拡大流路36は、その第2壁面36bを流路入口36cから流路出口36dに向かって上記送風機1の吹出方向に対して下方へ「10°」傾斜させ、その流路入口36c側の端部を上記送風機1の反舌部側壁面11bの端部に接続し、また流路出口36d側の端部を上記ダクト2の第2ダクト壁2bの端部に接続している。従って、この第2壁面36bは、上記送風機1の反舌部側壁面11bの延長線よりもさらに下方側へ「5°」(即ち、上記送風機1の吹出方向に対して下方へ「5°」)傾斜することになる。
【0028】
一方、上記第1壁面36aと第2壁面36bとの間の広がり角を、上記各接続形態の中で最も小さい角度(30°)に設定しており、従って、上記第1壁面36aの流路出口36d側の端部は、上記ダクト2の第1ダクト壁2aの端部から上方へ垂設された端面壁22aの上端に接続されている。
【0029】
各接続形態A〜Fの相互関係
上記各拡大流路31〜36の相互関係を纏めると、次の通りである。
【0030】
先ず、拡大流路の「広がり角」は、第1の拡大流路31(角度71°)から第6の拡大流路36(角度30°)にかけて順次小さくなっている。
【0031】
また、拡大流路の流路上壁の方向は、上記第1の拡大流路31のみ上記送風機1の反舌部側壁面11bの延長線よりも上方に傾斜し、また上記第4の拡大流路34と第6の拡大流路36は共に上記延長線よりも下方に傾斜し、これ以外の各拡大流路32,33,35は共に上記延長線上に位置している。
【0032】
送風実験の考察
以上の各接続形態A〜Fのそれぞれについて送風実験を実施した。その実験結果の考察は次の通りである。
【0033】
接続形態Aの場合は、図3に示すように、上記送風機1内の流れは断続的に失速状態を生じる不安定なものであった。また、送風機1の吹出口13から上記ダクト2側へ吹き出される空気流は、上記第1の拡大流路31における広がり角が大きく、且つ流路の上壁を構成する上記第2壁面31bが吹出方向よりも外側(上側)へ傾斜しており、しかも上記送風機1から吹き出される風速分布がスクロール方向外側に位置する上記第2壁面31b側に大きく偏っていることから、該第1の拡大流路31の第1壁面31a及び第2壁面31bにおける空気の剥離が大きくなり、この結果、逆流を生じる逆流域が上記第1の拡大流路31の流路入口31c側からその第1壁面31a寄りと第2壁面31b寄りの双方に大きく発生し、安定した流れの主流域の領域は狭くなり、拡大流路を介した接続構造であるにもかかわらず、上掲の従来例の場合とほとんど変わらないものであった。
【0034】
このような接続形態Aにおける現象を考慮して、拡大流路の上記広がり角を、接続形態B→接続形態C→接続形態Eと、順次小さくしていく。すると、図9に示すように、接続形態Aの場合に比して、送風機回転数が低下する(即ち、急拡大損失が減少する)が、その回転数低下率の変化は、接続形態Aと接続形態Bの間の低下率の変化に比して、接続形態Bから接続形態Cあるいは接続形態Eの間ではあまり違いがない。また、図10に示すように、運転音低下量も接続形態Aの場合に比して低下するが、この運転音低下量の変化は、接続形態Aと接続形態Bの間の低下量の変化に比して、接続形態Bから接続形態Cあるいは接続形態Eの間ではあまり違いがない。
【0035】
一方、これら各接続形態B,C,Eにおける空気の流れ状態を見ると、上記広がり角を、接続形態Bから接続形態C、さらに接続形態Eと順次小さくするにしたがって、図4,図5及び図7に示すように、逆流域は次第に小さくなるものの、主流域及び送風機1の内部での流れは断続的に失速状態を生じる不安定なものとなっている。
【0036】
ここで、図6に示す接続形態Dのように、上記第4の拡大流路34の第2壁面34bに上記楔状部材41を付けて流路の上側壁面をさらに第1壁面34a側へ傾斜させると、主流域の位置が該第1壁面34a側に大きく偏るが、主流域の流れそのものは極めて安定したものであった。また、送風機1の内部の流れも安定したものであった。さらに、逆流域が大きいにも拘わらず、回転数低下率や運転音低下量は接続形態B及び接続形態Cと同等であった(図9,図10参照)。
【0037】
また、接続形態Cの場合と、接続形態Dの場合(即ち、第4の拡大流路34の第2壁面34b側に楔状部材41を設けて主流域を接続形態Cの場合よりも第1壁面34a側に偏らせた場合)とにおける風量−静圧特性の変化状態を調べ、これを図11に示した。この図11から解るように、接続形態Cの場合には大風量側(例えば、風量30m3/min以上の領域)において静圧が急激に低下するが、接続形態Dの場合においては大風量側での静圧の急激な落ち込みは接続形態Cの場合よりも改善されている。
【0038】
以上の考察から、送風機1の内部の流れの安定化と、ダクト2の内部の流れの安定化、及び逆流域の縮小の三点を同時に達成できれば、上述のような送風機1からダクト2への送風途中での急激な拡大による急拡大損失を効果的に低減できるということが知見された。そして、上記接続形態A〜接続形態Eのうちでは、上記要求に照らして最も好適な接続形態は接続形態Dと考えられる。
【0039】
しかし、接続形態Dは上述のように主流域が第1壁面34a側に大きく偏りすぎるので、接続形態Fのような構成として主流域の偏りを軽減した。この接続形態Fによれば、逆流域を小さく抑えた状態で、上記送風機1の内部の流れを極めて安定したものとすることができ、その結果、図9及び図10にそれぞれ示すように、回転数低下率と運転音低下量とを共に他の接続形態の場合よりも格段に高めることができた。
【0040】
以上のことから、本願発明の課題を解決するに最適な送風機とダクトとの接続構造としては、上記接続形態Fの如きものであるということが知見された。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本願発明は、上記の如き知見事項に基づき、上記課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0042】
本願の第1の発明では、図1に例示するように、スクロール状の流路をもち且つその拡大側の端部を矩形の断面形状をもつ吹出口13とするとともに流路最狭部を構成する舌部14に連続して上記吹出口13に至る舌部側壁面11aと反舌部側に位置し上記舌部側壁面11aに対向状態で延出して上記吹出口13に至る反舌部側壁面11bとを備えたケーシング11内に翼車12を配置して構成される遠心式送風機の上記吹出口13と、上記送風機1の上記吹出口13における上記舌部側壁面11aと反舌部側壁面11bの間隔hの間隔方向と同方向において該間隔hよりも大きな間隔Hをもって略平行に対向する第1ダクト壁2aと第2ダクト壁2bとを備えた矩形の断面形状をもつとともにその軸方向の一端が導入口21とされたダクト2の上記導入口21とを、該ダクト2の軸方向に間隔Lをもって略平行に配置するとともに、上記送風機1の上記舌部側壁面11aと反舌部側壁面11bとにそれぞれ対応する第1壁面3aと第2壁面3bとを備えた矩形断面の流路をもち、且つその流路方向の一端を流路入口3c、他端を流路出口3dとするとともに、上記第1壁面3aと第2壁面3bとの対向間隔が上記流路入口3cから上記流路出口3dに向けて次第に拡大する如く構成された拡大流路3を介して接続する送風機とダクトとの接続構造において、上記拡大流路3の上記第2壁面3bを、上記流路入口3c側の端部から流路出口3d側の端部に向けて上記送風機1の上記反舌部側壁面11bの延長線よりも上記舌部側壁面11a寄りに傾斜させた状態で、該第2壁面3bの流路入口3c側の端部はこれを上記送風機1の上記反舌部側壁面11bの端部に、また流路出口3d側の端部はこれを上記ダクト2の第2ダクト壁2bの端部にそれぞれ接続したことを特徴としている。
【0043】
本願の第2の発明では、図1に例示するように、上記第1の発明にかかる送風機とダクトとの接続構造において、上記拡大流路3の上記第1壁面3aと第2壁面3bとを共に平面壁としたことを特徴としている。
【0044】
本願の第3の発明では、図2に例示するように、上記第1の発明にかかる送風機とダクトとの接続構造において、上記拡大流路3の上記第1壁面3aと第2壁面3bのうち少なくとも上記第2壁面3bを流路側に突出する湾曲壁としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0045】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
本願の第1の発明にかかる送風機とダクトとの接続構造によれば、上記拡大流路3の上記第2壁面3bを、上記流路入口3c側の端部から流路出口3d側の端部に向けて上記送風機1の上記反舌部側壁面11bの延長線よりも上記舌部側壁面11a寄りに傾斜させているので、上記接続形態D(図6)の説明の項でも述べているように、主流域の流れが安定したものとなり、さらに該第2壁面3bの流路入口3c側の端部はこれを上記送風機1の上記反舌部側壁面11bの端部に、また流路出口3d側の端部はこれを上記ダクト2の第2ダクト壁2bの端部にそれぞれ接続しているので、上記接続形態F(図8)の説明の項でも述べているように、主流域の偏りも軽減され、しかも逆流域を小さく抑えた状態で上記送風機1の内部の流れ、及び上記ダクト2の内部の流れを共に極めて安定したものとすることができる。この結果、上記送風機1の吹出口13から上記ダクト2の導入口21への送風途中での通路の急拡大による急拡大損失が効果的に低減され、送風機1の低回転数化による駆動動力の低下と運転騒音の抑制による静粛運転性の向上とが共に図れるものである。
【0046】
(ロ) 本願の第2の発明にかかる送風機とダクトとの接続構造によれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、本発明では上記拡大流路3の上記第1壁面3aと第2壁面3bとを共に平面壁としているので、例えばこれを曲面壁とする場合に比して、該拡大流路3の形成が容易であり、それだけ低コスト化が促進されることになる。
【0047】
(ハ) 本願の第3の発明にかかる送風機とダクトとの接続構造によれば、上記拡大流路3の上記第1壁面3aと第2壁面3bのうち、少なくとも上記第2壁面3bを流路側に突出する湾曲壁としているので、上記第2壁面3b寄りを流れる空気流は該第2壁面3bによるコアンダ効果によって該第2壁面3b側に引き寄せられて該第2壁面3bからの剥離が抑制され、上記拡大流路3から上記ダクト2側へ流入する空気の流れがより一層安定し、上記(イ)に記載の効果がさらに高められるものである。
【発明の実施の形態】
【0048】
以下に述べる第1及び第2の実施形態は、上記「前提技術」の項での考察に基づき上記接続形態Fの構造を基本としたものである。
【0049】
第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる接続構造が適用された送風機1とダクト2との接続部分の構造を示している。上記送風機1は、従来一般的な構造をもつ遠心式の送風機であって、スクロール状の流路をもち且つその拡大側の端部を矩形の断面形状をもつ吹出口13とするとともに、流路最狭部を構成する舌部14に連続して上記吹出口13に至る舌部側壁面11aと、反舌部側に位置し上記舌部側壁面11aに対向状態で延出して上記吹出口13に至る反舌部側壁面11bとを備えたケーシング11と、該ケーシング11内に配置された翼車12とで構成され、上記吹出口13の高さ寸法は「h」とされている。
【0050】
上記ダクト2は、上記送風機1のケーシング11の幅寸法(即ち、上記翼車12の軸方向に対向配置された左右一対の鏡板1a,1aの間隔)と略同等の幅寸法と、上記吹出口13の高さ寸法「h」よりも大きな高さ寸法「H」(即ち、第1ダクト壁2aと第2ダクト壁2bの間隔)とをもつ矩形の断面形状を有し、その一端を導入口21としている。
【0051】
そして、上記送風機1とダクト2とは、その吹出口13と導入口21とを所定の間隔「L」をもって略平行に対向させた状態で配置され、これら送風機1の吹出口13とダクト2の導入口21との間を次述の拡大流路3で接続している。
【0052】
上記拡大流路3は、流路長Lをもち且つ高さ「h」の流路入口3cから高さ「H」の流路出口3dに向けて次第に高さ寸法(即ち、開口面積)が拡大する矩形の断面形状をもつ筒体であって、下方に位置する平面壁状の第1壁面3aと上方に位置する平面壁状の第2壁面3bとを備えている。尚、上記拡大流路3の左右一対の側壁3e,3eは相互に平行とされ、該拡大流路3の流路の幅寸法はその流路入口3cから流路出口3dにかけて一定とされている。
【0053】
そして、上記拡大流路3の流路上壁を構成する上記第2壁面3bは、その流路入口3cから流路出口3dに向かって上記送風機1の反舌部側壁面11bの延長線P(即ち、上記送風機1の吹出方向に対して下方へ5°傾斜した線)に対して下方(即ち、舌部側壁面11a寄り)に所定の角度α(例えば、5°程度)をもって延び、その流路入口3c側の端部は上記送風機1の反舌部側壁面11bの端部に、また流路出口3d側の端部は上記ダクト2の第2ダクト壁2bの端部に、それぞれ接続されている。一方、上記拡大流路3の第1壁面3aは、上記第2壁面3bに対して所定の広がり角β(例えば、30°程度)をもってその流路入口3cから流路出口3dに向かって延び、その流路入口3c側の端部は上記送風機1の舌部側壁面11aの端部に、また流路出口3d側の端部は上記ダクト2の第1ダクト壁2aの端部から上方に垂設された端面壁22の上端に、それぞれ接続されている。尚、上記広がり角βは、上記例示の如く「30°」程度に設定される必要は必ずしもなく、本願発明では少なくとも「0°以上」に設定されていれば良い(即ち、流路入口3c側から流路出口3d側に向かって流路の高さ寸法が拡大変化する構成であれば良い)。
【0054】
かかる接続構造を備えることで、上記「送風実験の考察」において説明したように、上記拡大流路3内における空気の剥離はなく、上記送風機1の内部の流れ及び上記拡大流路3から上記ダクト2に至る主流域の流れも共に極めて安定したものとなり、上記送風機1からダクト2に至る通風経路中での急拡大損失が可及的に抑制され、その結果、図9及び図10に「接続形態F」で示したものよりもさらに高い回転数低下率及び運転音低下量が得られるとともに、より高い静圧を確保することが可能となるものである。
【0055】
第2の実施形態
図2には、本願発明の第2の実施形態にかかる接続構造が適用された送風機1とダクト2との接続部分の構造を示している。この実施形態は、上記第1の実施形態のものを基本とするものであって、該第1の実施形態においては上記拡大流路3の第1壁面3aと第2壁面3bとを共に平板壁状としていたのに対して、この実施形態においては、上記第1壁面3aと第2壁面3bのうち、上記第2壁面3bを、流路側に突出する湾曲壁としたものであり、それ以外の構成はすべて上記第1の実施形態のものと同様である。
このように、上記拡大流路3の上記第2壁面3bを流路側へ突出する湾曲壁とすることで、該第2壁面3b寄りを流れる空気流は該第2壁面3bによるコアンダ効果によって該第2壁面3b側に引き寄せられて該第2壁面3bからの剥離がさらに抑制される。この結果、上記拡大流路3から上記ダクト2側へ流入する空気の流れがより一層安定し、上記送風機1の回転数低下率及び運転音低下量等が上記第1の実施形態の場合よりもさらに高められることになる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる送風機とダクトとの接続構造を示す断面図である。
【図2】 本願発明の第2の実施形態にかかる送風機とダクトとの接続構造を示す断面図である。
【図3】 送風機とダクトとの接続構造Aを示す断面図である。
【図4】 送風機とダクトとの接続構造Bを示す断面図である。
【図5】 送風機とダクトとの接続構造Cを示す断面図である。
【図6】 送風機とダクトとの接続構造Dを示す断面図である。
【図7】 送風機とダクトとの接続構造Eを示す断面図である。
【図8】 送風機とダクトとの接続構造Fを示す断面図である。
【図9】 接続構造と回転数低下率との関係を示す特性図である。
【図10】 接続構造と運転音低下量との関係を示す特性図である。
【図11】 接続構造に対応する送風機の風量と静圧との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0057】
1は送風機、2はダクト、2aはダクトの下壁、2bはダクトの上壁、3は拡大流路、3aは拡大流路の第1壁面、3bは拡大流路の第2壁面、11はケーシング、11aはケーシングの舌部側壁面,11bはケーシングの反舌部側壁面、12は翼車、13は吹出口、14は舌部、21は導入口、22は端面壁である。
Claims (3)
- スクロール状の流路をもち且つその拡大側の端部を矩形の断面形状をもつ吹出口(13)とするとともに流路最狭部を構成する舌部(14)に連続して上記吹出口(13)に至る舌部側壁面(11a)と反舌部側に位置し上記舌部側壁面(11a)に対向状態で延出して上記吹出口(13)に至る反舌部側壁面(11b)とを備えたケーシング(11)内に翼車(12)を配置して構成される遠心式送風機の上記吹出口(13)と、上記送風機(1)の上記吹出口(13)における上記舌部側壁面(11a)と反舌部側壁面(11b)の間隔(h)の間隔方向と同方向において該間隔(h)よりも大きな間隔(H)をもって略平行に対向する第1ダクト壁(2a)と第2ダクト壁(2b)とを備えた矩形の断面形状をもつとともにその軸方向の一端が導入口(21)とされたダクト(2)の上記導入口(21)とを、該ダクト(2)の軸方向に間隔(L)をもって略平行に配置するとともに、
上記送風機(1)の上記舌部側壁面(11a)と反舌部側壁面(11b)とにそれぞれ対応する第1壁面(3a)と第2壁面(3b)とを備えた矩形断面の流路をもち、且つその流路方向の一端を流路入口(3c)、他端を流路出口(3d)とするとともに、上記第1壁面(3a)と第2壁面(3b)との対向間隔が上記流路入口(3c)から上記流路出口(3d)に向けて次第に拡大する如く構成された拡大流路(3)を介して接続する送風機とダクトとの接続構造であって、
上記拡大流路(3)の上記第2壁面(3b)は、上記流路入口(3c)側の端部から流路出口(3d)側の端部に向けて上記送風機(1)の上記反舌部側壁面(11b)の延長線よりも上記舌部側壁面(11a)寄りに傾斜した状態で、該第2壁面(3b)の流路入口(3c)側の端部は上記送風機(1)の上記反舌部側壁面(11b)の端部に、また流路出口(3d)側の端部は上記ダクト(2)の第2ダクト壁(2b)の端部にそれぞれ接続されていることを特徴とする送風機とダクトとの接続構造。 - 請求項1において、
上記拡大流路(3)の上記第1壁面(3a)と第2壁面(3b)が共に平面壁であることを特徴とする送風機とダクトとの接続構造。 - 請求項1において、
上記拡大流路(3)の上記第1壁面(3a)と第2壁面(3b)のうち少なくとも上記第2壁面(3b)が流路側に突出する湾曲壁とされていることを特徴とする送風機とダクトとの接続構造。
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