JP3792137B2 - 空気調和装置の室外機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置の室外機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和装置としては、室外機と室内機を配管接続して構成される、いわゆるセパレート型のものが知られている。また、上記室外機としては、正面や側面から外気を吸い込んで背面へ排気する、水平吹き型のものが知られている。
【0003】
この種の室外機は、水平方向へ空気を吹き出すことから、壁から離して設置しなければならない等、設置の際の制約が大きい。また、歩道などに面して室外機を設置すると、熱交換後の空気が歩行者に向けて吹き出されて不快感を与えるといった問題もある。
【0004】
このような点を考慮し、例えば特開2000−18649号公報に開示されているような上吹き型の室外機が提案されている。この種の室外機は、正面から空気を吸い込み、熱交換後の空気を上方へ吹き出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水平吹き型の室外機において、吸い込まれた空気は、室外機の正面から背面に向けて直線的に流れ、熱交換器と送風機を順に通過してから排出される。このため、この種の室外機では、送風機とほぼ同径の吹出口がケーシングに開口していればよく、従って、吸込口と吹出口の開口面積の関係については殆ど考慮する必要がなかった。
【0006】
しかしながら、上吹き型の室外機では、正面から吸い込んだ空気を上方へ吹き出すため、ケーシング内で空気の流れ方向がほぼ直角に曲げられる。このため、送風量の確保や送風音の低減を図るには、水平吹き型のものとは異なり、吸込口と吹出口の開口面積比を適当に設定する必要が生じる。つまり、上吹き型の室外機では、吸込口に対して吹出口が小さすぎると送風量を確保できないのはもちろん、吹出口が大きすぎても送風音の増大を招くおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上吹き型の室外機において吸込口と吹出口の開口面積比の最適化を図り、送風量の確保や送風音の低減などを図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が講じた解決手段は、ケーシング(10)に少なくとも熱交換器(30)と送風機(51,55)とを収納して構成される空気調和装置の室外機を対象としている。そして、上記ケーシング(10)の正面に開口する吸込口(26)と、上記ケーシング(10)の左右の側面の両方と上面だけに、又は上記ケーシング( 10 )の左右の側面の一方と上面だけに開口する吹出口(21,23,25)とを備え、上記熱交換器( 30 )が平板状に形成されてケーシング( 10 )の正面側に立設され、上記送風機( 51,55 )が上記熱交換器( 30 )の下流側に設置され、上記送風機( 51,55 )は、斜流ファンにより構成され、その回転軸が略水平となる姿勢で設けられており、上記吹出口(21,23,25)の開口面積を上記吸込口(26)の開口面積で除して得られる値が0.4以上0.8以下とされるものである。
【0009】
−作用−
上記の解決手段では、室外機のケーシング(10)に空気の吸込口(26)と吹出口(21,23,25)とが形成される。吸込口(26)は、ケーシング(10)の正面に開口している。吹出口(21,23,25)は、ケーシング(10)の上面、又はケーシング(10)の上面と側面の両方に開口している。尚、吹出口(21,23,25)がケーシング(10)の上面と側面の両方に開口する場合、左右両方の側面に吹出口(23,25)が開口していてもよく、一方の側面だけに吹出口(23)が開口していてもよい。
【0010】
本解決手段に係る室外機は、吸込口(26)の開口面積をSiとし、吹出口(21,23,25)の開口面積をSoとした場合に、0.4≦So/Si≦0.8となるように構成されている。その理由を説明すると、So/Si<0.4では吹出口(21,23,25)の開口面積をSoが小さすぎ、ケーシング(10)内での通風抵抗が過大となって送風量の低下や送風音の増大を招く。一方、So/Si>0.8では吹出口(21,23,25)の開口面積をSoが大くなり、ケーシング(10)内での通風抵抗が小さくなりすぎる。そして、ケーシング(10)内での通風抵抗が過小となると、送風量は稼げるものの、送風機(51,55)自体の比騒音が上昇して送風音の増大を招く。この点を考慮し、本解決手段では、送風量の確保と送風音の低減とを両立させるべく、So/Siの値を上記の範囲としている。
【0011】
また、この解決手段では、ケーシング(10)内において、平板状に形成された熱交換器(30)の背面側に送風機(51,55)が設置される。吸込口(26)からケーシング(10)内へ吸い込まれた空気は、熱交換器(30)を通過して冷媒と熱交換する。そして、熱交換後の空気は、送風機(51,55)によって吹出口(21,23,25)からケーシング(10)外へ吹き出される。
【0012】
本解決手段では、平板状の熱交換器(30)がケーシング(10)の正面側に立設されている。従って、メンテナンス時にケーシング(10)内の送風機(51,55)やその他の機器を着脱する場合も、ケーシング(10)の背面を開く必要はなく、ケーシング(10)の側面を開くだけで送風機(51,55)等の着脱作業等が可能である。
【0013】
また、この解決手段では、送風機(51,55)が所定の姿勢でケーシング(10)内に設置される。この送風機(51,55)は、斜流ファンによって構成される。送風機(51,55)に吸い込まれた空気は、送風機(51,55)の軸方向に対して流れ方向が曲げられた後に吹き出される。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、吸込口(26)と吹出口(21,23,25)の開口面積比So/Siを所定の範囲としているため、必要な送風量を確保した上で送風音を低く抑えることができる。
【0015】
また、本発明では、熱交換器(30)を所定の形状に形成すると共に、ケーシング(10)内において熱交換器(30)や送風機(51,55)を所定の箇所に設置している。このため、ケーシング(10)の側面を開けば、送風機(51,55)やその他の機器の保守・点検作業を行うことができる。その結果、室外機を設置する際にその背面を建物の壁等にぴったりとつけることが可能となり、室外機の設置場所に関する制約を取り除くことができる。
【0016】
また、本発明では、所定の送風機(51,55)を用いており、空気が送風機(51,55)を通る際にはその流れが曲げられる。このため、例えば送風機(51,55)から軸方向だけに吹き出された空気の流れを導風板等で上向きに変えるような場合に比べ、ケーシング(10)内における通風抵抗を低く抑えることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態1に係る空気調和装置の室外機は、直方体状のに形成されている。尚、図1は、室外機をその背面側から見た斜視図である。
【0019】
上記室外機は、直方体状の箱体であるケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)は、奥行きの短い扁平な直方体状に形成されている。ケーシング(10)の背面部(11)には、上下に延びる補強用の凹溝(12)が多数形成されている。また、ケーシング(10)の底部には、一対の据付脚(13)が設けられている。
【0020】
上記ケーシング(10)の上面部(14)には、四角形状の上面吹出口(21)が開口している。上面吹出口(21)は、その長辺がケーシング(10)の横幅よりも僅かに短く、その短辺がケーシング(10)の奥行きよりもやや短い長方形状に形成されている。また、上面吹出口(21)には、その全面を覆う格子状の吹出グリル(22)が設けられている。
【0021】
上記ケーシング(10)の側面部(15)には、その上部に四角形状の側面吹出口(23)が開口している。側面吹出口(23)は、ケーシング(10)の背面側から見て左側の側面部(15)に開口している。この側面吹出口(23)は、その長辺がケーシング(10)の高さの約半分程度で、その短辺がケーシング(10)の奥行きよりもやや短い長方形状に形成されている。また、側面吹出口(23)には、その全面を覆う吹出ルーバ(24)が設けられている。尚、本実施形態1では、ケーシング(10)に側面吹出口(23)を形成しているが、この側面吹出口(23)を設けずに上面吹出口(21)だけをケーシング(10)に形成してもよい。
【0022】
上記ケーシング(10)の正面部(16)には、図2にも示すように、四角形状の吸込口(26)が開口している。この吸込口(26)は、ケーシング(10)の正面部(16)よりも僅かに小さい正方形状または長方形状に形成されている。
【0023】
上記ケーシング(10)の内部には、仕切板(41)が設けられている。図2にも示すように、この仕切板(41)は、ケーシング(10)の内部空間を上流室(42)と下流室(43)とに区画している。上流室(42)は、ケーシング(10)の正面部(16)側に形成されている。この上流室(42)は、吸込口(26)によってケーシング(10)の外部と連通されている。一方、下流室(43)は、ケーシング(10)の背面部(11)側に形成されている。この下流室(43)は、上面吹出口(21)及び側面吹出口(23)によってケーシング(10)の外部と連通されている。
【0024】
図2に示すように、上記ケーシング(10)内の上流室(42)には、熱交換器(30)が設けられている。熱交換器(30)は、所定ピッチで並んだ多数のフィン(31)と、これらフィン(31)を貫通する伝熱管(32)とを備え、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器を構成している。また、熱交換器(30)は、全体として平板状に形成されている。この熱交換器(30)は、ケーシング(10)の内部において、その正面部(16)の内面に沿って設けられている。また、熱交換器(30)は、正面部(16)に開口する吸込口(26)の全面に亘って設けられている。
【0025】
上記仕切板(41)の中央部には、ベルマウス(44)が取り付けられている。このベルマウス(44)は、円形の開口部(45)を形成しており、この開口部(45)を通じて上流室(42)と下流室(43)とが連通する。
【0026】
また、ケーシング(10)の内部には、ベルマウス(44)と同軸に送風機(51)が設置されている。この送風機(51)は、ファンロータ(52)と、これを駆動するファンモータ(53)とを備えており、斜流ファンを構成している。送風機(51)のファンモータ(53)は、取付ステー(54)によって固定されている。この状態で、送風機(51)の回転軸は、ほぼ水平姿勢となっている。尚、本実施形態1では送風機(51)として斜流ファンを用いたが、これに代えてターボファンやラジアルファン等の遠心ファンを用いてもよい。
【0027】
上記ケーシング(10)内の下流室(43)には、セパレータ板(46)が設けられている。セパレータ板(46)は、上記ファンロータ(52)よりも一回り大きな正方形状の薄板である。このセパレータ板(46)は、ケーシング(10)の背面部(11)に沿う姿勢で、該背面部(11)との間に所定の間隔をおいて設けられている。また、セパレータ板(46)の下端には、仕切板(41)の方へ半円弧状に膨出する半円弧部(47)がセパレータ板(46)の全幅に亘って形成されている。
【0028】
図3に示すように、ケーシング(10)内の下流室(43)には、圧縮機(33)やレシーバ(34)等の機器が収納されている。これら圧縮機(33)等の機器は、ケーシング(10)の背面側から見て右側の側面部(15)に沿って配置されている。例えば、圧縮機(33)やレシーバ(34)は、ケーシング(10)の底に載置されている。また、制御用のマイコンや動力用の回路を含む電装基板(35)は、圧縮機(33)の上方に配置されている。更に、下流室(43)における圧縮機(33)等の近傍には、冷媒の配管も設置されている。
【0029】
−運転動作−
上記室外機の運転動作を説明する。送風機(51)を運転すると、室外空気が吸込口(26)を通ってケーシング(10)内の上流室(42)へ流れ込む。この空気は、熱交換器(30)の各フィン(31)の間を通過し、その間に伝熱管(32)内の冷媒と熱交換する。この熱交換器(30)は、冷房運転時には凝縮器となり、暖房運転時には蒸発器となる。
【0030】
熱交換器(30)で熱交換した空気は、ベルマウス(44)を通って下流室(43)へと流入する。その際、空気は、送風機(51)の軸方向に対して斜め方向に吹き出される。つまり、送風機(51)から吹き出される空気の流れは、下流側に向かって広がるような放射状の流れとなる。
【0031】
送風機(51)から図3における左方や上方へ吹き出された空気は、側面吹出口(23)や上面吹出口(21)を通ってケーシング(10)の外へ吹き出される。一方、送風機(51)から下方へ吹き出された空気は、セパレータ板(46)によって上方へ導かれる(図2参照)。つまり、下方へ吹き出された空気は、ケーシング(10)の背面部(11)とセパレータ板(46)で区画された空間へ流入し、この空間を上方へ向けて流れる。その後、この空気は、送風機(51)から直接に上面吹出口(21)や側面吹出口(23)へ向かう空気と合流し、ケーシング(10)の外へ吹き出される。
【0032】
−吸込口と吹出口の開口面積比−
本実施形態に係る室外機では、吸込口(26)の開口面積:Siと、上面吹出口(21)及び側面吹出口(23)の開口面積:Soとの間に、0.4≦So/Si≦0.8との関係が成立している。
【0033】
吸込口(26)等の具体的な寸法を例示すると、次のようになっている。
【0034】
吸込口 :968 mm(縦)×813 mm(横)
上面吹出口:288.5mm(縦)×921.5mm(横)
側面吹出口:452 mm(縦)×254 mm(横)
この場合、吸込口(26)の開口面積:Si=0.79m2となり、上面吹出口(21)及び側面吹出口(23)の開口面積:So=0.38m2となる。従って、吸込口(26)と吹出口(23,25)の開口面積比:So/Si=0.48となり、上記の関係が成立する。
【0035】
ここで、上記開口面積比So/Siの範囲を0.4以上0.8以下とするのが望ましい理由について、図4を参照しながら説明する。図4は、開口面積比So/Siを変化させた場合に、送風音が所定の基準値に対してどれだけ増減するかを示したグラフである。
【0036】
図4から分かるように、開口面積比So/Siが0.4未満のときには、その値が小さくなるにつれて送風音が増大する。その主な原因は、開口面積比So/Siが小さくなるにつれて、ケーシング(10)内の通風抵抗が増大するためである。また、ケーシング(10)内の通風抵抗が大きくなると、充分な送風量を確保するのも困難となる。
【0037】
一方、開口面積比So/Siが0.8より大きいときには、その値が大きくなるにつれて送風音が増大する。ここで、開口面積比So/Siを大きくするのは、ケーシング(10)内の通風抵抗を減少できるため、送風量を確保する上では有利である。ところが、上記室外機では、斜流ファンを送風機(51)として用いており、送風機(51)から吹き出される空気の流れには、軸方向成分だけでなく遠心方向成分も含まれる。このため、ケーシング(10)内の通風抵抗が低くなりすぎると、送風機(51)自体の比騒音が上昇してしまい、これに伴って送風音の上昇を招いてしまう。尚、比騒音とは、送風機の単位風量及び単位全圧当たりに発生する機種固有の騒音レベルである。
【0038】
そこで、上述の点を考慮すると、送風量を確保しつつ送風音を抑制できるのは、開口面積比So/Siを0.4以上0.8以下とした場合となる。尚、室外機の小型化を図る観点からは、上面吹出口(21)及び側面吹出口(23)の開口面積を小さくする方が望ましい。このため、開口面積比So/Siは可能な範囲で小さい方が望ましい。従って、開口面積比So/Siの範囲は、望ましくは0.7以下であるがよく、0.6以下であるのが更に望ましく、0.5以下であるのが一層望ましい。
【0039】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、吸込口(26)と吹出口(23,25)の開口面積比So/Siを上記の範囲としているため、必要な送風量を確保しつつ送風音を低く抑えることができる。
【0040】
また、本実施形態1では、平板状に形成した熱交換器(30)をケーシング(10)の正面部(16)に沿って設けている。このため、ケーシング(10)の側面部(15)を開けば、その内部に収納された送風機(51)や圧縮機(33)等の保守・点検作業を行うことができる。その結果、室外機を設置する際にその背面を建物の壁等にぴったりとつけることが可能となり、従来の水平吹き型のものに比べて室外機の設置場所に関する制約を低減できる。
【0041】
また、本実施形態1では、斜流ファンを送風機(51)として用いている。このため、送風機(51)を空気が通過する際には、空気の流れが軸方向に対して斜め方向に曲げられる。その結果、例えば送風機(51)から軸方向だけに吹き出された空気の流れを導風板等で上向きに変えるような場合に比べ、ケーシング(10)内における通風抵抗を低く抑えて送風量を確保することができる。
【0042】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、上記実施形態1に係る室外機よりも大きな空調能力を有するものである。ここでは、本実施形態2に係る室外機について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
【0043】
図5に示すように、本実施形態2に係る室外機のケーシング(10)は、上記実施形態1のものよりも縦長に形成されている。即ち、本実施形態2に係るケーシング(10)は、上記実施形態1のものと横幅及び奥行きが等しく、高さだけが延ばされた形状となっている。
【0044】
図7にも示すように、上記ケーシング(10)には、一方の側面部(15)の上部に第1側面吹出口(23)が形成され、他方の側面部(15)の上部に第2側面吹出口(25)が形成されている。尚、ケーシング(10)の上面部(14)には、上記実施形態1と同様に上面吹出口(21)が開口している。
【0045】
具体的に、第1側面吹出口(23)は、ケーシング(10)の背面側から見て左側の側面部(15)に開口している。この第1側面吹出口(23)は、上記実施形態1の側面吹出口(23)に相当するものであり、その長辺及び短辺の寸法も実施形態1のものと等しい。また、第1側面吹出口(23)には吹出ルーバ(24)が設けられており、この点でも実施形態1の側面吹出口(23)と共通する。
【0046】
一方、第2側面吹出口(25)は、ケーシング(10)の背面側から見て右側の側面部(15)に開口している。この第2側面吹出口(25)は、その短辺の長さが第1側面吹出口(23)の短辺と等しく、その長辺の長さが第1側面吹出口(23)の長辺よりもやや短い長方形状に形成されている。また、第1側面吹出口(23)と同様に、第2側面吹出口(25)にも吹出ルーバ(24)が設けられている。
【0047】
図6に示すように、吸込口(26)は、縦長となったケーシング(10)の正面部(16)よりも僅かに小さく形成されている。そして、平板状の熱交換器(30)は、この吹出口の全面を覆うように設置されている。つまり、熱交換器(30)もまた縦長に形成され、熱交換器(30)の高さを延ばすことで伝熱面積の拡大が図られる。
【0048】
図6及び図7に示すように、本実施形態2に係る室外機では、上下に2つの送風機(51,55)が設けられている。送風機(51,55)を2つ設けるのは、縦長となった熱交換器(30)の全面で通過風速の均一化を図るためである。下方に配置された第1送風機(51)と上方に配置された第2送風機(55)とは、その何れもがファンロータ(52)及びファンモータ(53)を備えて斜流ファンを構成している。
【0049】
第1送風機(51)の背面側には、セパレータ板(46)が設けられている。セパレータ板(46)の構成は、上記実施形態1のものと同様である。つまり、第1送風機(51)は、背面側にセパレータ板(46)が設置された上記実施形態1の送風機(51)に相当するものである。
【0050】
また、第1送風機(51)は、第2送風機(55)よりもケーシング(10)の背面部(11)寄りに設置されている。これに伴って、本実施形態2の仕切板(41)は、その下部がその上部よりもケーシング(10)の背面側へ膨出した形状となっている(図6参照)。そして、仕切板(41)の下部に第1送風機(51)用のベルマウス(44)が設置され、その上部に第2送風機(55)用のベルマウス(44)が設置される。
【0051】
本実施形態2に係る室外機では、ガイド板(48)と区画板(49)とがケーシング(10)の下流室(43)に設置されている。このガイド板(48)と区画板(49)は、各送風機(51,55)から吹き出された空気の流れが互いに干渉するのを防ぎ、第2送風機(55)から吹き出された空気を吹出口(21,23,25)へスムーズに導くためのものである。
【0052】
上記ガイド板(48)は、平板を折り曲げて第2送風機(55)のファンロータ(52)に沿わせた形状とされており、第2送風機(55)の下部に沿って設けられている(図7参照)。また、図7におけるガイド板(48)の左端は、第1側面吹出口(23)にまで達している。一方、区画板(49)は、ガイド板(48)から上方に向かって延びる平板状に形成され、第2送風機(55)の背面側を覆っている(図6参照)。
【0053】
−運転動作−
上記室外機の運転動作を説明する。第1,第2送風機(51,55)を運転すると、室外空気が吸込口(26)を通ってケーシング(10)内の上流室(42)へ流れ込む。この空気は、熱交換器(30)の各フィン(31)の間を通過し、その間に伝熱管(32)内の冷媒と熱交換する。
【0054】
熱交換器(30)の下部を通過した空気は、第1送風機(51)に吸引されて下流室(43)へ吹き出される。第1送風機(51)から上方へ吹き出された空気は、ケーシング(10)の背面部(11)と区画板(49)の間を流れ、上面吹出口(21)や第1,第2側面吹出口(23,25)を通ってケーシング(10)の外へ吹き出される。これに対し、第1送風機(51)から下方へ吹き出された空気は、セパレータ板(46)によって上方へ導かれる(図6参照)。そして、ケーシング(10)の背面部(11)とセパレータ板(46)の間を上方へ流れる空気は、第1送風機(51)から上方へ吹き出された空気と共に、上面吹出口(21)や第1,第2側面吹出口(23,25)からケーシング(10)の外へ吹き出される。
【0055】
一方、熱交換器(30)の上部を通過した空気は、第2送風機(55)に吸引されて下流室(43)へ吹き出される。第2送風機(55)から上方へ吹き出された空気は、区画板(49)と仕切板(41)の間を流れ、上面吹出口(21)や第1,第2側面吹出口(23,25)を通ってケーシング(10)の外へ吹き出される。これに対し、第2送風機(55)から下方へ吹き出された空気は、区画板(49)と仕切板(41)の間を流れ、ガイド板(48)によって第1側面吹出口(23)や第2側面吹出口(25)へ導かれる(図7参照)。その後、この空気は、主に第1側面吹出口(23)と第2側面吹出口(25)の上部とからケーシング(10)の外へ吹き出される。
【0056】
−吸込口と吹出口の開口面積比−
本実施形態2に係る室外機のように2つの送風機(51,55)を備えるものにおいても、図4に示した開口面積比So/Siと送風音の関係が成立する。そこで、本実施形態2に係る室外機においても、0.4≦So/Si≦0.8となるように、吸込口(26)の開口面積:Siと、上面吹出口(21)及び第1,第2側面吹出口(23,25)の開口面積:Soとを設定している。
【0057】
吸込口(26)等の具体的な寸法を例示すると、次のようになっている。
【0058】
吸込口 :1408 mm(縦)×813 mm(横)
上面吹出口 : 288.5mm(縦)×921.5mm(横)
第1側面吹出口: 452 mm(縦)×254 mm(横)
第2側面吹出口: 358 mm(縦)×254 mm(横)
この場合、吸込口(26)の開口面積:Si=1.14m2となり、上面吹出口(21)及び第1,第2側面吹出口(23,25)の開口面積:So=0.47m2となる。そして、吸込口(26)と吹出口との開口面積比:So/Si=0.41となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る室外機の概略斜視図である。
【図2】 図1又は図3におけるA-A断面を示す室外機の概略断面図である。
【図3】 図1又は図2におけるB-B断面を示す室外機の概略断面図である。
【図4】 吸込口と吹出口の開口面積比と送風音との関係を示す関係図である。
【図5】 実施形態2に係る室外機の概略斜視図である。
【図6】 図5又は図7におけるC-C断面を示す室外機の概略断面図である。
【図7】 図5又は図6におけるD-D断面を示す室外機の概略断面図である。
【符号の説明】
(10) ケーシング
(21) 上面吹出口
(23) 第1側面吹出口、側面吹出口
(25) 第2側面吹出口
(26) 吸込口
(30) 熱交換器
(51) 第1送風機、送風機
(55) 第2送風機
Claims (1)
- ケーシング(10)に少なくとも熱交換器(30)と送風機(51,55)とを収納して構成される空気調和装置の室外機であって、
上記ケーシング(10)の正面に開口する吸込口(26)と、
上記ケーシング(10)の左右の側面の両方と上面だけに、又は上記ケーシング( 10 )の左右の側面の一方と上面だけに開口する吹出口(21,23,25)とを備え、
上記熱交換器( 30 )が平板状に形成されてケーシング( 10 )の正面側に立設され、
上記送風機( 51,55 )が上記熱交換器( 30 )の下流側に設置され、
上記送風機( 51,55 )は、斜流ファンにより構成され、その回転軸が略水平となる姿勢で設けられており、
上記吹出口(21,23,25)の開口面積を上記吸込口(26)の開口面積で除して得られる値が0.4以上0.8以下である空気調和装置の室外機。
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