詳細な説明
ブプロピオン塩酸塩を含有する他の類似の組成物より安定であるブプロピオンの薬学的に許容可能な塩を含んでなる剤形の必要性が存在する。従って、本発明は、ブプロピオン塩酸塩より安定である有効量のブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる剤形に関する。また、本発明は、その多型およびその特定の精製されたエナンチオマー形態も包含する。本発明はまた、うつ、肥満、禁煙、および本明細書において開示されるようなブプロピオンにより処置可能な他の病態のようなブプロピオンまたはその薬学的に許容可能な塩による処置に適切な被験体における1つもしくはそれ以上の病態の処置のためのそのような剤形の使用に関する。
製剤
本発明は、本発明に従う薬学的有効量の安定なブプロピオン塩、即ち、ブプロピオン臭化水素酸塩を含有する任意の医薬品を包含する。これは、局所剤、注射剤、エアロゾルおよび他の吸入可能な医薬品のような経口ならびに非経口投与可能な医薬品を含む。特に、そのような医薬品組成物は、ブプロピオン塩を含有する経口投与可能な放出調整剤形を含む。調剤は、単位剤形において適宜提示され、薬学分野において周知のいずれかの方法によって調製することができる。
本明細書において使用される「剤形」は、ブプロピオン塩酸塩より安定である有効量のブプロピオン塩を含んでなる薬学的製剤を意味する。少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン塩はブプロピオン臭化水素酸塩である。
本明細書において使用される「固体剤形」は、液体でも気体でもない剤形を意味する。剤形は、錠剤、散剤、微小粒子、カプセル、坐剤、サシェ、トローチ、パッチおよびドロップのような固形剤形、ならびに液体の懸濁液およびエリキシル剤を含む。カプセル調剤は、ゼラチンまたは他の従来のカプセル化材料から作成され得るカプセル内の固体組成物を含有する。
本発明において想定される放出調整剤形は、多粒子またはモノシリックであり得る。例えば、薬学分野および医薬品の設計における当業者は、放出調整のために適応される経口薬学的組成物において適宜使用される放出調整マトリックスおよびそれらの調製のための手段を知っている。放出調整製剤の例は、米国特許第5,591,452号明細書および同第5,965,161号明細書において開示されている。
本発明に従うブプロピオン塩を含有する放出調整製剤は、1つもしくはそれ以上の機能性または非機能性コーティングでコーティングすることができる。機能的コーティングの例として、制御型放出ポリマーコーティング(即ち、制御放出性コート)、水分バリアコーティング、腸溶性ポリマーコーティングなどが挙げられる。非機能的コーティングは、薬物放出には影響を及ぼさないが、他の特性;例えば、化学的、生物学的もしくは物理的安定性特徴の増強、または製剤の物理的外観の増強に影響を及ぼすコーティングである。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出ポリマーコーティング(または制御放出性コート)はアクリル系ポリマーを含んでなる。適切なアクリル系ポリマーとして、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、ならびにグリシジルメタクリレートコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
少なくとも1つの実施態様では、重合可能な第四級アンモニウム化合物が制御放出性コートにおいて用いられ、その非限定的な例として、アクリル酸ならびにメタクリル酸の四級化アミノアルキルエステルおよびアミノアルキルアミド、例えば、β−メタクリル−オキシエチル−トリメチル−アンモニウムメトスルフェート、β−アクリルオキシ−プロピル−トリメチル−アンモニウムクロリド、およびトリメチルアミノメチル−メタクリルアミドメトスルフェートが挙げられる。第四級アンモニウム原子はまた、メタクリルオキシエチルメチル−モルホリニウムクロリドもしくは対応するピペリジニウム塩におけるような複素環の部分であり得、またはそれは、ポリグリコールエーテル基のようなヘテロ原子を含有する基を介してアクリル酸基あるいはメタクリル酸基に接続され得る。さらに適切な重合可能な第四級アンモニウム化合物として、メチル−ビニルピリジニウム塩のような四級化ビニル置換窒素ヘテロ環、四級化アミノカルボン酸のビニルエステル、スチリルトリアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。本発明において有用な他の重合可能な第四級アンモニウム化合物として、アクリル−およびメタクリル−オキシエチルトリメチル−アンモニウムクロリドおよびメトスルフェート、ベンジルジメチルアンモニウムエチル−メタクリレートクロリド、ジエチルメチルアンモニウムエチル−アクリレートおよび−メタクリレートメトスルフェート、N−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド、ならびにN−トリメチルアンモニウム−2,2−ジメチルプロピル−1−メタクリレートクロリドが挙げられる。
少なくとも1つの実施態様では、アクリル系ポリマーは、1つもしくはそれ以上のアンモニオメタクリレートコポリマーからなる。アンモニオメタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)RSおよびRLの商標で販売されている)が、国民医薬品集(National Formulary)(NF)XVIIにおいて、低い含有量の第四級アンモニウムを伴うアクリル酸およびメタクリル酸エステルの完全に重合されたコポリマーとして記載されている。ブプロピオン臭化水素酸塩のような所定の治療有効な薬剤のための所望の溶解プロファイルを得るために、異なる物理特性を有する2つもしくはそれ以上のアンモニオメタクリレートコポリマーを組み入れることができる。例えば、第四級アンモニウム基に対する中性の(メタ)アクリル酸エステルの分子比を変更することによって、得られるコーティングの透過特性を改変することができることが公知である。
本発明の他の実施態様では、制御放出性コートは、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーのようなその透過性がpH依存的であるポリマーをさらに含む。そのようなポリマーは、例えば、Eudragit(登録商標)LおよびEudragit(登録商標)Sの商標でRohm Pharma GmbHから市販されている。遊離のカルボキシル基対エステルの比は、Eudragit(登録商標)Lにおいて1:1、およびEudragit(登録商標)Sにおいて1:2であることが公知である。Eudragit(登録商標)Lは、酸および純水において不溶性であるが、pH5.0を超えると透過性が増加してくる。Eudragit(登録商標)Sも、pH7を超えると透過性が増加してくることを除いて、同様である。疎水性アクリル系ポリマーコーティングはまた、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性のメタクリル酸エステル(例えば、Eudragit(登録商標)E、Rohm Pharmaから市販されている)に基づく特徴のカチオン性であるポリマーを含むことができる。本発明の疎水性アクリル系ポリマーコーティングは、Eudragit(登録商標)NE(NE=中性エステル)(Rohm Pharmaから市販されている)のようなポリ(メタ)アクリレートに基づく中性のコポリマーをさらに含むことができる。Eudragit(登録商標)NE30Dラッカーフィルムは、水および消化液に不溶性であるが、透過性および膨潤性がある。
本発明の少なくとも1つの他の実施態様では、制御放出性コートは、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(Kollicoat(登録商標)EMM30D、BASF)の分散体を含んでなる。
本発明の少なくとも1つの他の実施態様では、制御放出性コートは、Kollicoat(登録商標)SR30D(BASF)のようなポリビニルピロリドンおよびラウリル硫酸ナトリウムで安定化されたポリビニルアセテートを含んでなる。溶解プロファイルは、コーティングに含まれる異なるアクリル樹脂ラッカーの相対量を変えることによって変更することができる。また、重合可能な透過性増強剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)に対する中性の(メタ)アクリル酸エステルのモル比を変えることによって、得られるコーティングの透過特性(および従って、溶解プロファイル)を改変することができる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートは、使用前に有機溶媒に可溶化された乾燥ポリマー(例えば、Ethocel(登録商標)、Dow Corning)としてまたは水性分散体として使用することができるエチルセルロースを含んでなる。エチルセルロースの1つの適切な市販の水性分散体は、Aquacoat(登録商標)(FMC Corp.、Philadelphia、ペンシルバニア州、米国)である。Aquacoat(登録商標)は、水非混和性有機溶媒にエチルセルロースを溶解し、次いで、それを、界面活性剤および安定剤の存在下で水中に乳化することによって、調製することができる。均質化してサブミクロン液滴を作製した後、擬ラテックスから減圧下で有機溶媒をエバポレートする。製造段階中、可塑剤は擬ラテックスに組み入れられない。従って、それをコーティングとして使用する前に、使用前にAquacoat(登録商標)を適切な可塑剤と緊密に混合することができる。エチルセルロースの別の適切な水性分散体は、Surelease(登録商標)(Colorcon,Inc.、West Point、ペンシルバニア州、米国)として市販されている。この生成物は、製造プロセス中に可塑剤を分散体に組み入れることによって調製することができる。ポリマー、可塑剤(例えば、セバシン酸ジブチル)、および安定剤(例えば、オレイン酸)のホットメルトを、均質な混合物として調製し、次いで、アルカリ溶液で希釈して、基体に直接適用することができる水性分散体を得る。
制御放出性コートにおいて使用することができるポリマーの他の例として、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリマレエート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアルコールフタレート、シェラック;ヒドロゲルおよびゲル形成材料、例えば、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、澱粉、ならびに水の吸着およびポリマーマトリックスの膨張を容易にするように架橋の程度が低いセルロースを基材とする架橋ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋澱粉、結晶セルロース、キチン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアガム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、(膨潤性親水性ポリマー)ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)(分子量5k〜5000k)、ポリビニルピロリドン(分子量10k〜360k)、アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル、ゼイン、ポリアミド、低級な酢酸残基を有するポリビニルアルコール、寒天およびカルボキシルメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレンまたはイソブチレンとのコポリマー、ペクチン(分子量30k〜300k)、多糖類、例えば、寒天、アカシア、カラヤ、トラガント、アルギン類およびグアー、ポリアクリルアミド、Polyox(登録商標)ポリエチレンオキシド(分子量100k〜5000k)、AquaKeep(登録商標)アクリレートポリマー、ポリグルカンのジエステル、架橋されたポリビニルアルコールおよびポリN−ビニル−2−ピロリドン、親水性ポリマー、例えば、多糖類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシルメチルセルロース、セルロースエーテル、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、ゼラチン、澱粉、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、天然ガム類、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アルギン酸アンモニウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、寒天、ならびにガム、例えば、アラビック、カラヤ、ローカストビーン、トラガント、カラギーナン、グアー、キサンタン、スクレログルカンならびにその混合物および混和物が挙げられる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、胃腸管内での粘膜付着を容易にするために、剤形をポリマーでコーティングする。粘膜付着のために使用することができるポリマーの非限定的な例として、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、CarbopolTM、PolycarbophilTM、ゼラチンおよび他の天然または合成ポリマーが挙げられる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、剤形は:(i)ブプロピオン臭化水素酸塩(例えば、錠剤乾燥重量の40重量%〜99重量%)、ポリビニルアルコール(例えば、錠剤乾燥重量の0.5重量%〜25重量%)のようなバインダー、およびベヘン酸グリセリル(例えば、錠剤乾燥重量の0.1重量%〜5重量%)のような潤滑剤を含むコア;ならびに(ii)エチルセルロース(例えば、錠剤乾燥重量の1%〜12重量%)のような水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、ポリビニルピロリドン(Povidone(登録商標)USP)、(例えば、錠剤乾燥重量の1.5重量%〜10重量%)のような水溶性ポリマー、場合により、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール4000またはそれらの混合物(例えば、錠剤乾燥重量の0.5重量%〜4重量%)のような可塑剤、および場合により、カルナウバ蝋(例えば、錠剤乾燥重量の0.01重量%〜0.05重量%)のような蝋を含む制御放出性コートを含んでなる徐放性錠剤である。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、剤形は:(i)ブプロピオン臭化水素酸塩(例えば、錠剤乾燥重量の81重量%)、ポリビニルアルコール(例えば、3重量%の錠剤乾燥重量)のようなバインダー、およびベヘン酸グリセリル(例えば、錠剤乾燥重量の3重量%)のような潤滑剤を含むコア;ならびに(ii)エチルセルロース(例えば、錠剤乾燥重量の8重量%)のような水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、ポリビニルピロリドン(Povidone(登録商標)USP)、(例えば、錠剤乾燥重量の5重量%)のような水溶性ポリマー、場合により、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール4000またはそれらの混合物(例えば、錠剤乾燥重量の3重量%)のような可塑剤、および場合により、カルナウバ蝋(例えば、錠剤乾燥重量の0.03重量%)のような蝋を含む制御放出性コートを含んでなる174mg XL錠である。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、剤形は:(i)ブプロピオン臭化水素酸塩(例えば、錠剤乾燥重量の87重量%)、ポリビニルアルコール(例えば、錠剤乾燥重量の3重量%)のようなバインダー、およびベヘン酸グリセリル(例えば、錠剤乾燥重量の3重量%)のような潤滑剤を含むコア;ならびに(ii)エチルセルロース(例えば、錠剤乾燥重量の4重量%)のような水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、ポリビニルピロリドン(Povidone(登録商標)USP)、(例えば、錠剤乾燥重量の3重量%)のような水溶性ポリマー、場合により、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール4000またはそれらの混合物(例えば、錠剤乾燥重量の2%重量%)のような可塑剤、および場合により、カルナウバ蝋(例えば、錠剤乾燥重量の0.01重量%)のような蝋を含む制御放出性コートを含んでなる348mg XL錠である。
本明細書に記載の放出調整剤形に加えて、本発明の放出調整製剤、即ち、薬物の平均Tmaxおよび/または例えば、経口的もしくは他の投与形態によってヒト患者に投与される場合の本明細書に記載の他の薬物動態学的パラメータを提供する製剤を達成するために、当業者に公知の他の放出調整技術を使用することができる。そのような製剤は、当業者に公知の適切な錠剤または多粒子製剤における放出調整経口製剤として、製造することができる。いずれの場合においても、放出調整剤形は、場合により、薬物と共にマトリックスに組み入れられるか、または制御型放出コーティングとして適用される制御型放出キャリアを含むことができる。
錠剤
本発明の別の特定の態様では、ブプロピオンの薬学的に許容可能な塩および従来の賦形剤を含んでなるコアを有する放出調整錠剤が提供され、ここで、ブプロピオン塩は、ブプロピオン塩酸塩より安定である(ブプロピオン臭化水素酸塩)。コアは、ブプロピオン塩の放出を制御する制御放出性コートによって取り囲まれ得る。他の実施態様では、場合により、制御放出性コートを取り囲むために水分バリアを添加することができる。この水分バリアは、ブプロピオンHClに対するブプロピオンHBrの増強された安定性を考慮すると、および適切な制御放出性コートおよびその量の選択によって、随意的である。存在する場合、この水分バリアはインビトロ薬物放出に影響を及ぼし得、ならびに水分がブプロピオン塩に接触することを阻止する。場合により、この錠剤は、コア、水分バリアおよび/または制御放出性コートを取り囲む1つもしくはそれ以上のさらなる機能性または非機能性コーティングをさらに含んでなり得る。
徐放性(XL)錠剤
本発明の別の特定の態様では、ブプロピオンの薬学的に許容可能な塩および従来の賦形剤を含んでなるコアを有する徐放性(XL)錠剤が提供され、ここで、ブプロピオン塩は、ブプロピオン塩酸塩より安定である。少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン塩はブプロピオン臭化水素酸塩である。コアは、ブプロピオン塩の放出を制御する制御放出性コートによって取り囲まれ得る。錠剤は、場合により、コアまたは制御放出性コートを取り囲む1つもしくはそれ以上のさらなる機能性または非機能性コートをさらに含んでなり得る。本発明の徐放性錠剤は、予想外の増強された安定性を有する。
XLコア
徐放性錠剤のコアは、有効量のブプロピオン塩、バインダー、および潤滑剤を含んでなり、他の従来の不活な賦形剤を含有することができる。少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン塩はブプロピオン臭化水素酸塩である。XLコアに存在するブプロピオン塩の量は、錠剤乾燥重量の40%〜99重量%の量で変動し得る。例えば、所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、錠剤乾燥重量の70%〜95重量%の量で存在する。例えば、所定の実施態様では、本発明の剤形のコアは、コア乾燥重量の40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%の割合でブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる。錠剤は、典型的に50mgから450mgまで変動する有効量のブプロピオン塩を含んでなる。例えば、所定の実施態様では、錠剤は174mgのブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなり、他の実施態様では、錠剤は348mgのブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる。174mg用量の錠剤の少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は錠剤乾燥重量の75%〜85重量%で存在する。348mg用量の錠剤の少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩の量は、錠剤乾燥重量の80%〜90重量%で存在することができる。本発明の174mgおよび348mg用量のブプロピオン臭化水素酸塩徐放性錠剤の両方の所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩の量は、各用量について乾燥コアの90%〜99重量%で存在する。
バインダー(また、時には付着剤と呼ばれる)を薬物充填混合物に添加し、形成中の顆粒および錠剤の機械的強度を増加させることができる。バインダーは:(1)湿式凝集前に他の成分と混合される乾燥粉体として、(2)湿式凝集中に凝集液として使用され、溶液バインダーと称される溶液として、および(3)圧縮前に他の成分と混合される乾燥粉体として異なる方法で製剤に添加することができる。この形態では、バインダーは乾燥バインダーと称される。溶液バインダーは、バインダーを顆粒に組み入れる一般的方法である。所定の実施態様では、XL錠において使用されるバインダーは溶液バインダーの形態である。コアに有用なバインダーの非限定的な例として、硬化植物油、ヒマシ油、パラフィン、高級脂肪族アルコール、高級脂肪属酸、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、蝋様材料、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、硬化脂肪、炭化水素、通常の蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール、炭化水素骨格を有する疎水性および親水性ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。水溶性ポリマーバインダーの具体例として、加工澱粉、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)のような)セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。存在するバインダーの量は、錠剤乾燥重量の0.5重量%から25重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、バインダーは、錠剤乾燥重量の0.5重量%〜15重量%の量で存在し;他の実施態様では、錠剤乾燥重量の1重量%〜6重量%であり;およびなお他の実施態様では、錠剤乾燥重量の3重量%である。例えば、174mgおよび348mg用量の錠剤の両方の所定の実施態様では、バインダーは、それぞれの乾燥コア重量の1重量%〜6重量%の量で存在し、他の実施態様では、それぞれの乾燥コア重量の3重量%である。本発明の少なくとも1つの実施態様では、バインダーはポリビニルアルコールである。
潤滑剤を薬学的製剤に添加して、錠剤製造中に固体と鋳型壁との間に生じるあらゆる摩擦を減少させることができる。打錠中の高度の摩擦は、不適切な錠剤の品質(射出中の錠剤のキャッピングまたはなお断片化、および錠剤端縁部上の垂直なスクラッチ傷)を含む一連の問題を生じ得、生成を中止することさえあり得る。従って、潤滑剤は、本明細書に記載のXL錠製剤の所定の実施態様を含む本発明の所定の錠剤製剤に添加される。コアに有用な潤滑剤の非限定的な例として、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸、硬化植物油(例えば、硬化綿実油(Sterotex(登録商標))、硬化ダイズ油(Sterotex(登録商標)HM)ならびに硬化ダイズ油およびカスター蝋(Sterotex(登録商標)K)、ステアリルアルコール、ロイシン、ポリエチレングリコール(MW1450、適切には4000、およびそれ以上)、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドポリマー(例えば、Union Carbide,Inc.、Danbury、コネチカット州からCarbowax(登録商標)の登録商標で入手可能)、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、DL−ロイシン、コロイダルシリカ、それらの混合物ならびに当該分野において公知の他のものが挙げられる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、潤滑剤はベヘン酸グリセリル(例えば、Compritol(登録商標)888)である。存在する潤滑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.1重量%から6重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、存在する潤滑剤の量は、錠剤乾燥重量の2重量%〜3重量%であり;および他の実施態様では、存在する潤滑剤の量は錠剤乾燥重量の3重量%で存在する。本発明の174mgおよび348mg用量のXL錠の所定の実施態様では、潤滑剤は、錠剤乾燥重量の3重量%または乾燥コア重量の1重量%〜6重量%の量で存在する。例えば、所定の実施態様では、潤滑剤は、174mgおよび348mg用量のXL錠の両方について乾燥コア重量の3重量%の量で存在する。
この段階で、本発明の所定の実施態様のXLコア製剤はコーティングされていない即時放出製剤であり、1時間内にブプロピオン塩の100%溶解を生じる。少なくとも1つの実施態様では、XLコアは通常の放出マトリックス製剤である。所定の実施態様では、コアは、有効な薬学的量のブプロピオン臭化水素酸塩、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)、および潤滑剤(例えば、ベヘン酸グリセリル)を含んでなる。本発明の目的に合致するさらなる不活な賦形剤はまた、コア製剤に添加することができる。さらなる不活な賦形剤を添加して、調製を容易にし、および/または本明細書に記載の最終的徐放性剤形の患者受容性を改善することができる。さらなる不活な賦形剤も当業者に周知であり、関連文献、例えば、the Handbook of Pharmaceutical Excipientsにおいて見出すことができる。そのような賦形剤の非限定的な例として、噴霧乾燥ラクトース、ソルビトール、マンニトール、および任意のセルロース誘導体が挙げられる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、本明細書に記載の本発明のXL錠のコアを形成するために圧縮すべき顆粒は、湿式造粒プロセスによって製造される。湿式造粒は、慣例により液体(溶液バインダー)の存在下における粉体(有効な薬物)の撹拌、それに続く乾燥に関与する。終局的に錠剤コアに圧縮すべき顆粒を形成するために、はじめに、例えば、流動層造粒装置(例えば、Glatt(独国)またはAeromatic(瑞国)により製造される流動層造粒装置)を使用して、造粒装置において、例えば、溶液バインダーにより、ブプロピオン塩を粒状化する。はじめに、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を、適切な溶媒(例えば、水)に溶解または分散する。次いで、造粒装置(例えば、流動層造粒装置)において、溶液バインダーを薬物に上部から噴霧する。あるいはまた、従来のまたは高剪断ミキサーにおいても造粒を実施することができる。必要であれば、造粒工程前に、さらなる不活性賦形剤(例えば、充填剤)をブプロピオン塩と混合することができる。
続いて、形成される顆粒を乾燥し、次いで、顆粒を潤滑剤と混和する前に篩い分けする。所定の実施態様では、乾燥した顆粒を、1.4mmメッシュスクリーンを介して篩い分けする。次いで、篩い分けした顆粒を、潤滑剤、および必要であれば、本発明の徐放性錠剤のプロセシングを改善することができる他の任意のさらなる不活な賦形剤と混和する。顆粒と、潤滑剤、および必要であれば、例えば、滑剤のようなさらなる任意の不活な賦形剤との混和は、Vブレンダーまたは他の任意の適切な混和装置において実施することができる。滑剤は、粉体の流動性を改善することができる。これは、高い生産速度での錠剤の生産中および直圧中では特に重要である。しかし、適切な流動のための要件が高いため、滑剤はまた、しばしば、打錠前の造粒にも添加される。続いて、混和された顆粒は錠剤にプレスされ、錠剤コアと称される。錠剤コアは、標準的な技術および当業者に周知の装置の使用によって得ることができる。例えば、XL錠コアは、適切なパンチを装着したロータリープレス(マルチステーションプレスとも称される)によって得ることができる。
顆粒はまた、当業者に公知の他のプロセスを使用することによっても製造することができる。他の顆粒製造プロセスの例として、乾燥造粒(例えば、スラッギング、転圧)、直圧、押出し成形、球状化、溶融造粒、および転動造粒が挙げられる。
XLコア(60kgバッチ)の造粒プロセスの実施例は次のとおりである:材料の粒子を凝集させて最終的混和のための一様な粒度を得るために、造粒のための流動層プロセッサーが使用される。造粒溶液は、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を混合しながら熱精製水に溶解することによって、調製される。固体含有量パーセントを調整して、材料の集積(凝集サイズ)を制御するための粘度を得ることができる。より低い粘度ほどより小さな粒子をもたらし、より高い粘度ほどより大きな粒子をもたらす。さらに、適用速度(例えば、150gm/分〜250gm/分;または200gm/分)、スプレーガンの位置(例えば、中心点)およびノズルサイズ(例えば、0.5mm〜2mm;または1mm)および霧化圧(例えば、20psi〜40psi;または30psi)が寄与して、さらに粒度を制御する。有効な材料は、溶液適用の開始前に流動化され、加熱される(例えば、35℃〜45℃;または40℃)。噴霧サイクル中、層温度(例えば、35℃〜45℃;または40℃)は一定温度で保持され、過剰湿潤が回避される。一旦、すべての必要とされるバインダー溶液が適用されると、材料は、搬出する前に、目標とするLOD値(即ち、乾燥減量)(例えば、1%未満)までさらに乾燥される。バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)の量は、2%〜6%の間、場合によって3%であり;溶液濃度は3%〜7%の間、場合によって4.5%である。60kgバッチの凝集プロセスの時間は、45分間〜220分間の間、場合によって150分間である。一旦、顆粒が乾燥な状態であれば、材料は、1.4および2.00mmスクリーンを介して通過され、任意の過剰サイズの粒子が取り出される。過剰サイズ粒子は粉砕機を介して通過され、過剰サイズ粒子を減少させる。過剰サイズの粒子は、一般的に、全体の収量の5%を超えない。スクリーニングおよび粉砕された材料はシェルブレンダー(例えば、Vブレンダー、ビンブレンダー)に置かれ、潤滑剤(例えば、ベヘン酸グリセリル)が添加される。潤滑剤はスクリーニングされ、顆粒に添加され、予め決定された回転数または時間(例えば、5分間〜15分間、場合によって10分間の混合時間)で混和される。潤滑剤パーセントは0.5%〜4%の間、場合によって2%である。潤滑のレベルは、より大きなまたはより小さな粒度分布のいずれかの十分な適用範囲について確立される。さらなる特徴として、バルク密度(例えば、0.3gm/ml〜0.8gm/ml、場合によって0.5gm/ml)、および水分含有量(例えば、1%以下)が挙げられる。最終混和物の粒度および流量は、ロータリープレス上の空洞の一様な充填を得る要因である。プレスの流量および最高回転速度は、個々の錠剤の重量均質性を危うくすることがないように(プレスのタイプ/サイズに依存して)調整される。生成混和物は、ホッパーを介して供給フレームに通過され、供給フレーム下を通過する鋳型空間に充填される。重量を指定された範囲内に保持するように重量調整が行われ、必要とされる硬度が得られるような圧設定値に調整される。錠剤についてモニターされるいくつかの成分は、錠剤厚および摩損度(例えば、0.5%未満)である。適切な厚さ(全体の表面積に関連する)およびより低い摩損度は、コアの損傷およびコーティング中の活性消失を減少するのに役立つ。仕様をモニターするために、予め決定された間隔で錠剤サンプルが取り出される。
コーティング
錠剤コアは、被験体への投与のためにコーティングすることができる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、錠剤コアは、徐放性制御放出性コーティング(「XL制御放出性コート」)でコーティングされる。少なくとも1つの他の実施態様では、錠剤コアは、何ら官能基を伴わない中性エステルコポリマーの水性分散体を含んでなる水性制御放出性コーティングでコートされる(「AQ制御放出性コート」)。
所定の実施態様では、錠剤剤形は、制御放出性コートに加えて随意の水分バリアを含んでなる。制御放出性コートおよび水分バリアは、2つの段階で適用することができる。制御放出性コーティングは、錠剤コアの表面に直接適用することができ、ブプロピオン塩の放出を制御するように機能する。水分バリアを、制御放出性コートの表面に直接適用して、水分の吸収を妨害するかまたは遅延させることができる。
制御放出性コート製剤のさしあたりの実施例を下記に示す。これらのコーティングの構成分および/または構成分の割合ならびにそれらの量は、異なる放出特徴を所有する製剤を達成するために、変動され得ることが理解されるべきである。さしあたりの実施例が提供されるすべての場合において、これらの組成は、例示的であることが意図され、特定の手順、構成分、その量などは、所望される特性を所有する組成物を得るために変動され得ることが理解されるべきである。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートは、錠剤コアのための遅延放出コーティング製剤であり、コアに適用しようとするコーティング製剤は以下を含んでなる。
遅延放出コーティング製剤の調製は次のとおりであり得る:タルクおよびクエン酸トリエチルを、およそ10分間のホモジナイザーの手段によって、溶媒において均質化する。懸濁液をEudragit(登録商標)L12.5分散体に直接注ぎ、穏やかに撹拌して、沈降を回避する。およそ5mg/cm2のEudragit(登録商標)Lが錠剤コアに適用されるまで、コーティングを錠剤に噴霧する。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートは、錠剤コアのための持続放出コーティング製剤であり、コアに適用されるコーティング製剤は以下を含んでなる。
持続放出コーティング製剤の調製は次のとおりであり得る:セバシン酸ジブチル、タルクおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、希釈剤のアセトンおよびイソプロピルアルコールと共に微細に分散させる。次いで、懸濁液をEudragit(登録商標)ポリマー分散物と組み合わせる。およそ10mg/cm2のポリマーがコアに適用されるまで、コーティングをコアに噴霧する。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートは、持続放出ポリマー(Aquacoat(登録商標))との組み合わせでpH依存性ポリマー(Eudragit(登録商標)L30D55)を所有するポリマーブレンドコーティングであり、コアに適用しようとするコーティング製剤は以下を含んでなる。
ポリマーブレンドコーティングの適用は次のとおりであり得る:ポリマーの薬物コアへの10mg/cm2適用に適用されるコーティング。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートは、ブプロピオン塩コアの頂部に対する薬物コーティング(シタロプラム)であり、コアに適用されるコーティング製剤は以下を含んでなる。
薬物コーティング製剤の適用は次のとおりであり得る:所望される量のシタロプラムが適用されるまで、薬物コーティングを錠剤に噴霧する。
続いて、化粧コーティングとして、およびまた錠剤が付着することを防止するために、トップコートを適用することができ、薬物コートコアに適用されるトップコート製剤は以下を含んでなる:
トップコーティング製剤の適用は次のとおりであり得る:コーティングは、2%重量増加(薬物コーティング錠剤コアの%として表現される)まで適用される。
徐放性(XL)制御放出性コート
XL制御放出性コートは、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマー、場合により、水溶性ポリマー、および場合により、可塑剤を含んでなる半透過性コートである。
XL制御放出性コートに有用な水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーの非限定的な例として、セルロースエーテル、セルロースエステル、およびポリビニルアルコールが挙げられる。例えば、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーはエチルセルロースであり得、次のもの:エチルセルロースPR100、PR45、PR20、PR10およびPR7等級(Ethocel(登録商標)、Dow)、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択することができる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、エチルセルロースPR100等級が水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーである。水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の1%から12重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は錠剤乾燥重量の5重量%〜10重量%の量で存在し、他の実施態様では、6重量%〜8重量%である。本発明の174mg用量の放出調整錠剤の所定の実施態様では、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の3重量%〜8重量%であり、他の実施態様では、錠剤乾燥重量の6重量%〜7重量%である。制御放出性コート自体に関して、174mg用量の錠剤の所定の実施態様における水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、制御放出性コート乾燥重量の35重量%〜60重量%であり、他の実施態様では、制御放出性コート乾燥重量の40重量%〜50重量%である。本発明の348mg用量の放出調整錠剤の所定の実施態様では、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の2重量%〜5重量%であり、他の実施態様では、錠剤乾燥重量の3重量%〜4重量%である。制御放出性コート自体に関して、348mg用量の錠剤の所定の実施態様における水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーは、制御放出性コート乾燥重量の40重量%の量で存在する。
XL制御放出性コートに有用な水溶性ポリマーの非限定的な例として、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、水溶性ポリマーはポリビニルピロリドン(Povidone(登録商標)USP)である。水溶性ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の1.5重量%から10重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、水溶性ポリマーの量は錠剤乾燥重量の3重量%〜8重量%であり、他の実施態様では、4重量%である。制御放出性コート自体に関して、所定の実施態様では、存在する水溶性ポリマーの量は、制御放出性コート乾燥重量の25重量%〜55重量%である。本発明の174mg用量の徐放性錠剤の所定の実施態様について、水溶性ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の3重量%〜5重量%、および制御放出性コート乾燥重量の25重量%〜50重量%である。本発明の348mg用量の徐放性錠剤の所定の実施態様について、存在する水溶性ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の2%〜5%、および制御放出性コート乾燥重量の40重量%〜50重量%である。
所定の実施態様では、XL制御放出性コートは可塑剤をさらに含んでなる。可塑剤の使用は随意であり、それらをフィルムコーティング製剤に添加して、ポリマーの物理特性を改変し、製造中にそれをより使用可能にすることができる。可塑剤は、そうでなければ硬質または脆性ポリマー材料に可撓性を付与するために使用される高沸点有機溶媒であり得る。可塑剤は、一般的に、引張強度の減少、および伸長の増加ならびにポリマーのガラス転移または軟化温度の減少を含むポリマー特性の多様な変化を生じるポリマー鎖に沿った粘着性の分子間力の減少を生じる。可塑剤の量および選択は、錠剤の硬度に影響を及ぼし得、その溶解または分解特徴、ならびにその物理的および化学的安定性になお影響を及ぼし得る。所定の可塑剤は、コートの弾性および/または柔軟性を増加することができ、従って、コートの脆性を減少する。一旦、剤形が製造されると、所定の可塑剤は、使用環境(インビトロもしくはインビボ)における剤形のコートおよび/またはコアの親水性を増加するように機能することができる。本明細書に記載の制御放出性コートにおいて使用することができる可塑剤の非限定的な例として、アセチル化モノグリセリド;クエン酸アセチルトリブチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;トリプロピオン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;クエン酸アセチルトリエチル、ポリエチレングリコール;ヒマシ油;菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、グリセリンソルビトール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル(dietylfmerate)、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、三酪酸グリセロール、多様な分子量のポリオール(例えば、ポリエチレングリコール)、およびそれらの混合物が挙げられる。可塑剤の組み合わせが本製剤において使用され得ることは想定されることであり、本発明の範囲内にある。本発明の少なくとも1つの実施態様では、可塑剤は、ポリエチレングリコール4000、セバシン酸ジブチルまたはそれらの混合物である。制御放出性コートのための可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.5%〜4重量%の量で変動し得る。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、錠剤乾燥重量の2%〜3重量%の量で存在する。本発明の174mg用量徐放性錠剤の所定の実施態様について、制御放出性コートに存在する可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の1%〜4重量%である。本発明の348mg用量徐放性錠剤の所定の実施態様について、存在する可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.5%〜4重量%である。174mgおよび348mg剤形の両方の所定の実施態様では、可塑剤は、制御放出性コート乾燥重量の6重量%〜30重量%の量で存在する。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、制御放出性コート乾燥重量の12重量%の量で存在する。
本明細書に記載の本発明のXL制御放出性コートの水不溶性水透過性フィルム形成性ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、3:1:4から5:1:2まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、XL制御放出性コートの水不溶性水透過性フィルム形成性ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、4:1:3である。XL錠の所定の実施態様について、XL制御放出性コートにおける水不溶性水不透過性フィルム形成性ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、7:2:6〜19:5:18である。少なくとも1つの実施態様では、XL制御放出性コートの水不溶性水透過性フィルム形成性ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、13:4:12である。
XL制御放出性コートの調製および適用は、次のとおりであり得る。水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー(例えば、エチルセルロース)、および可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール4000)を、有機溶媒(例えば、エチルアルコールの混合物)に溶解する。可塑剤を必要としない実施態様の製造では、可塑剤を伴わない有機溶媒に水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーを溶解することができる。次に、均質な混合が達成されるまで、水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)を添加する。次いで、所望される重量増加が達成されるまで、錠剤コーター、流動層装置または当該分野において公知の他の任意の適切なコーティング装置を使用して、得られる制御放出性コート溶液を錠剤コアに噴霧する。続いて、制御放出性コートでコーティングした錠剤コアを乾燥する。水分バリアを有する実施態様の製造では、水分バリアを適用する前に制御放出性コートを乾燥する。
XL制御放出性コートのコーティングプロセスの実施例は次のとおりである:混合しながら水不溶性ポリマー(例えば、エチルセルロース)および水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)ならびにエチルアルコール混合物を溶解することによって、XL制御放出性コート溶液を調製し、続いて、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール4000およびセバシン酸ジブチル)を添加する。一旦完全に溶解したら、溶液を均質化して、適切な粘度の一様な混合物を得る。この手順は、有効な薬物の放出を制御するための水透過性フィルムの複合的混合を確実にする。多様なレベルの水不溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーならびに可塑剤の混合物を含有するように、溶液の組成物を処方することができる。放出機能は、適用されるフィルム厚によってさらに制御され、必要とされるコーティングにおける固体の重量増加として測定される。錠剤を、パン速度(例えば、8rpm〜14rpm、場合によって12rpm)、噴霧速度(例えば、150gm/分〜250gm/分、場合によって200gm/分)、霧化圧(例えば、15psi〜25psi、場合によって20psi)、供給容積(800〜1000立方フィート/分、場合によって900立方フィート/分)、および気体温度(例えば、50℃〜60℃、場合によって55℃)の制御による通気式コーティングパンにおいてコーティングし、38℃〜42℃、場合によって40℃の層温度および/または出口温度を介してモニターする。コーティングサイクルの終了時に、錠剤を乾燥し、バルク容器に搬出する。印字プロセスは、食用黒色インクで被覆され、プリントロールまたはプリントパッドを介して移される印字プレートからの印字イメージの錠剤表面上への転写を含んでなる。印字された錠剤は、バルク容器へ解放される前に、乾燥要素を介して移される。印字プロセスを通して、最終試験のためのサンプルを採取する。
当業者であれば、透過性を制御すれば、ブプロピオン塩の放出および/または錠剤コアに適用されるコーティングの量を制御することができることを理解するであろう。XL制御放出性コートの透過性は、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比および/または錠剤コアに適用されるコーティングの量を変動することによって、変更することができる。より延期された放出は、より多量の水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーによって得ることができる。他の賦形剤の錠剤コアへの添加もまた、制御放出性コートの透過性を変更し得る。膨張剤が柔軟性の低いコートに及ぼす圧力はコートを破断し得るため、例えば、錠剤コアが膨張剤をさらに含んでなることが所望される場合、制御放出性コートにおける可塑剤の量を増加して、コートをより柔軟にし得る。さらに、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーおよび水溶性ポリマーの割合はまた、より速いもしくはより遅い溶解および/または放出プロファイルが所望されるかどうかに依存して、変更することができる。
所望される溶解またはインビボ放出プロファイルに依存して、XL制御放出性コートで錠剤コアをコーティングした後に増加した重量は、典型的に、乾燥錠剤コアの3%から30%まで変動する。本発明に従う174mg用量の徐放性錠剤について、重量増加は、典型的に、乾燥錠剤コアの10%から17%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、重量増加は、乾燥錠剤コアの重量の14%である。本発明の348mg用量の徐放性錠剤について、重量増加は、乾燥錠剤コアの7%から10%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、重量増加は、乾燥錠剤コアの重量の9%である。
AQ制御放出性コート
AQ制御放出性コートは、何ら官能基を伴わない中性エステルコポリマーの水性分散体、55℃を超える融点を有するポリグリコール、および1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる安定なモノリシックな制御型放出コーティングであり;ここで、前記コーティング組成物は剤形上にコーティングされ、ポリグリコールの融点に少なくとも等しいかもしくはそれを超える温度で硬化される。コーティング製剤は、それが様々な薬物コアをコーティングするために使用することができ、所望される薬物放出プロファイルを得るために容易に操作することができる点でかなり多能である。
他の所定の実施態様では、AQ制御放出性コートは、エチルセルロースの水性分散体、55℃を超える融点を有するポリグリコール、および1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなり;ここで、前記コーティング組成物は剤形上にコーティングされ、ポリグリコールの融点に少なくとも等しいかもしくはそれを超える温度で硬化される。エチルセルロースの水性分散体の非限定的な例として、Surelease(登録商標)(Colorcon,Inc.、West Point、ペンシルバニア州、米国)、およびAquacoat(登録商標)(FMC Corp.、Philadelphia、ペンシルバニア州、米国)が挙げられる。
AQ制御放出性コートにおいて使用することができる何ら官能基を伴わない中性エステルコポリマーの非限定的な例として、Eudragit(登録商標)NE30D、Eudragit(登録商標)NE40D(Roehm America LLC)、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、ポリマーは、所望される制御型放出プロファイルに依存して制御放出性コートの1重量%〜35重量%の量で存在し得るEudragit NE30Dである。親水性薬剤もまた、胃腸液と接触する場合のコートの浸潤を促進するためのAQ制御放出性コートに封入することができる。そのような親水性薬剤の非限定的な例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびそれらの組み合わせのような親水性水溶性ポリマーが挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、HPMCは親水性水溶性ポリマーである。親水性薬剤をコート組成物に封入しようとする場合、薬剤はコーティング組成物の0.1重量%〜10重量%の量で存在し得る。例えば、所定の実施態様では、親水性薬剤は、制御放出性コート組成物の0.1重量%〜5重量%の量で存在し、他の実施態様では、0.l重量%〜3重量%である。
AQ制御放出性コート製剤もまた、55℃を超える融点を伴うポリグリコールを含んでなる。ポリグリコールの非限定的な例として、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、ポリグリコールはポリエチレングリコール8000である。ポリグリコールは、コートの0.1重量%〜5重量%の量で存在することができる。少なくとも55°Cの融点を有する適切なポリグリコール誘導体の他の例として、ポロキサマー188、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンステアレートが挙げられるが、これらに限定されない。
コポリマーおよびポリグリコールに加えて、AQ制御放出性コート製剤は少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる。賦形剤として、抗粘着剤、乳化剤、消泡剤、風味付け剤(flavourants)、着色剤などを挙げることができるが、これらに限定されない。意図される主な機能に依存する分野において、賦形剤は一連の方法でコートの特性に影響を及ぼし得、それ故、コート製剤において使用される多くの物質が多機能的であるとして説明することができることが公知である。当業者であれば、自らの技術的知識に基づき、どの薬学的に許容可能な賦形剤が所望されるAQ制御放出性コート組成物に適切であるかを知っているであろう。
ポリマーフィルムの粘着性は、固形剤形のコーティングおよび以後の硬化工程(コーティング熱処理後)のための要因である。セルロース系またはアクリル系ポリマーのいずれかによるコーティング中、いくらかの顆粒もしくはビーズ、または最悪の場合、完全なバッチの時には所望されない、および他の時には不可逆的な凝集が、得により高い製品プロセシング温度で生じ得る。従って、コーティング製剤への抗粘着剤の添加が所望され得る。使用することができる抗粘着剤として、アジピン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、硬化植物油、ステロテックス(sterotex)、モノステアリン酸グリセリル、タルク、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、タルクは抗粘着剤である。タルクはまた、湿潤剤として機能することができる。抗粘着剤の混合物は操作可能である。制御放出性コート組成物における抗粘着剤の量は、制御放出性コーティング分散体の1重量%〜15重量%の範囲にあり得る。例えば、所定の実施態様では、抗粘着剤は、制御放出性コーティング分散体の1重量%〜7重量%の量で存在する。
AQ制御放出性コート組成物に含まれ得る消泡剤として、シリコンオイル、シメチコン、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、シメチコンが消泡剤である。消泡剤は、AQ制御放出性コート組成物の0.5重量%までの量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、消泡剤は、AQ制御放出性コート組成物の0.1重量%〜0.4重量%の量で存在する。
乳化剤(乳化薬剤またはエマルジェント(emulgent)とも呼ばれる)は、AQ制御放出性コートの製造中の乳化を容易にし、また、製品の貯蔵寿命中のエマルジョン安定性を提供するために封入することができる。乳化剤の非限定的な例として、天然に存在する材料および多糖類のようなそれらの半合成誘導体、ならびにグリセロールエステル、セルロースエーテル、ソルビタンエステルおよびポリソルベートが挙げられる。混合物は操作可能である。少なくとも1つの実施態様では、乳化剤は、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン)(TweenTM80)である。乳化剤は、AQ制御放出性コート組成物の0.5重量%までの量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、乳化剤は、AQ制御放出性コート組成物の0.1重量%〜0.3重量%の量で存在する。
フィルムコート製剤における着色剤は、水不溶性顔料(色素)であり得る。色素は、それらが、光に対してより化学的に安定であり、より良好な不透明度および包括能力を提供し、所定のフィルムの水蒸気に対する不透過性を最大にする傾向がある点で、水溶性顔料より所定の利点を有する。適切な着色剤の非限定的な例として、酸化鉄色素、二酸化チタン、およびアルミニウムレーキが挙げられる。混合物は操作可能である。少なくとも1つの実施態様では、色素は二酸化チタンである。色素または着色剤は、AQ制御放出性コート組成物の0.1重量%〜10重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、色素または着色剤は、AQ制御放出性コート組成物の0.1重量%〜5%の量で存在し、他の実施態様では、0.l重量%〜2重量%である。
AQ制御放出性コートは、錠剤コアの層へのコーティング溶液または懸濁液の霧化(噴霧)に関与するプロセスによって、有効量のブプロピオン塩を含んでなるコア上に適用することができる。フィルムコーティングに適切な装置のいくつかの例として:Accela Cota(Manesty Machines,Liverpool、英国)、Hi−Coater(Freund Company、日本国)、Driacoater (Driam Metallprodukt GmbH、独国)、HTF/150(GS、伊国)、およびIDA(Dumoulin、仏国)が挙げられる。流動層原理に対して機能する単位装置の例として:Aeromatic(Fielder、瑞国および英国)ならびにGlatt AG(瑞国)が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、フィルムコーティングのために使用される装置はAccela Cotaである。
コーティング液は、ペリスタポンプからコーティング装置へ所望される速度で送達され、回転または流動化している錠剤コアに噴霧され得る。錠剤コアは、予め30℃に加温される。コーティングプロセス中、製品温度範囲は、入口および出口気体の流速、入口気体の温度ならびに噴霧速度を調整することによって、25℃〜35℃の間に維持される。単一層のコートが適用され、1回の噴霧が完了し、コーティング錠剤コアが30℃〜40℃の間で、3〜5分間、低いパン速度および低い風量で乾燥される。パンはジョグ速度に再調整され、乾燥が12〜15分間継続する。
コーティング錠剤コアは、トレイ上に置かれ、電気もしくは蒸気オーブンにおいて、ポリエチレングリコールまたはその誘導体の融点の温度を超える温度で(コーティング熱処理後に)硬化される。硬化温度は、好ましくは、ポリエチレングリコールまたはその誘導体の融点を超える。硬化時間は、好ましくは、2〜7時間である。続いて、硬化されたコーティング錠は、室温まで冷却される。
AQ制御放出性コートはかなり多能である。遅延のための長さおよび時間は、水和の比およびコートの厚さによって制御することができる。遅延後の薬物放出速度は、水和したコートの厚さおよび透過性によって決定することができる。従って、所望される制御型放出薬物プロファイルを達成することができるように、水和の比およびAQ制御放出性コートの透過性を調節することが可能である。これは所望される制御型放出プロファイルに依存するため、好適なコートの厚さは存在しない。コートの厚さと組み合わされた他のパラメータは、記載の本発明の安定なコート組成物のいくつかの成分の濃度を変動させることならびに/あるいは硬化温度およびコーティング錠剤コアを硬化する長さを変動させることを含む。当業者であれば、所望される制御型放出プロファイルについて変化するためのパラメータまたはパラメータの組み合わせがどれかを知っているであろう。
水分バリアコート
所定の実施態様では、随意の水分バリアが制御放出性コートに直接適用される。他の実施態様では、水分バリアコートは剤形に含まれない。水分バリアは、典型的に、腸溶性ポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)、透過増強剤および場合により可塑剤を含んでなる。
所定の実施態様では、腸溶性ポリマーはアクリル系ポリマーである。例えば、アクリル系ポリマーは、Eudragit(登録商標)(例えば、Eudragit L30D−55)の商標で市販されているメタクリル酸コポリマータイプC[ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:1]であり得る。メタクリル酸コポリマーは、錠剤乾燥重量の1%〜3%で、および水分バリア乾燥重量の55%から70%まで変動し得る量で存在することができる。本発明の174mg用量の徐放性錠剤について、メタクリル酸コポリマーは、乾燥錠剤コアの2%から3%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、メタクリル酸コポリマーの量は錠剤乾燥重量の2.5%で存在する。水分バリア自体に関して、メタクリル酸コポリマーの量は、水分バリア乾燥重量の55重量%〜70重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、メタクリル酸コポリマーは、水分バリア乾燥重量の60%の量で存在する。本発明の348mg用量の徐放性錠剤について、メタクリル酸コポリマーの量は、乾燥錠剤コアの1.5%から3%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、メタクリル酸コポリマーの量は錠剤乾燥重量の2重量%で存在する。コーティング自体に関して、メタクリル酸コポリマーは、典型的に、水分バリア乾燥重量の55%〜70%の量で存在する。例えば、所定の実施態様では、メタクリル酸コポリマーは、水分バリア乾燥重量の60%の量で存在する。
メタクリル酸コポリマーは、脆性になり得ること、およびメタクリル酸コポリマーを含有するコーティングは、可塑剤の添加によって、より弾性かつ柔軟にされ得ることが、当該分野において公知である。所定の実施態様では、水分バリアコートは可塑剤を含んでなる。本明細書に記載の水分バリアコートに有用な可塑剤の非限定的な例として、アセチル化モノグリセリド;クエン酸アセチルトリブチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;トリプロピオン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;クエン酸アセチルトリエチル、ポリエチレングリコール;ヒマシ油;菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、グリセリンソルビトール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル(dietylfumerate)、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、三酪酸グリセロール、およびそれらの混合物、多様な分子量のポリオール(例えば、ポリエチレングリコール)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。所定の実施態様では、水分バリアコート中の可塑剤は、クエン酸トリエチルおよびポリエチレングリコール4000(例えば、Carbowax(登録商標)4000)の組み合わせを含んでなる。これらの実施態様のうちのいくつかにおいて、クエン酸トリエチル対ポリエチレングリコール4000の比は1:2である。可塑剤は、0.2%〜0.5%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、錠剤乾燥重量の0.2%〜0.4%の量で存在する。可塑剤は、174mg錠について錠剤乾燥重量の0.35%の量;および348mg錠について錠剤乾燥重量の0.2%〜0.4%の量で存在することができる。水分バリア自体に関して、可塑剤は、存在する場合、典型的に、水分バリア乾燥重量の1重量%〜30重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、本発明の174mgおよび348mg用量徐放性錠剤の両方について水分バリア乾燥重量の10%〜14%の量で存在する。意図される主な機能に依存して、錠剤に使用すべき賦形剤が、異なるグループに下位範疇化されることは当該分野において周知である。しかし、1つの賦形剤が一連の方法で全体として薬物または錠剤の特性に影響を及ぼすことができ、従って、錠剤製剤において使用される多くの物質が多機能的であるとして説明することができる。従って、水分バリアのための可塑剤の組み合わせにおいて使用されるポリエチレングリコールは、水分バリアの親水性を増加するために役立ち得るだけでなく、滑剤として作用し得る。
水分バリアは、その親水性を増加することができる透過増強剤をさらに含んでもよく、また、滑材としても作用することができる。透過増強剤は、親水性物質であり得、次のもの:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースエーテルおよびこれらのポリマーのタンパク質誘導性材料のような親水性ポリマーから選択され得、セルロースエーテル、特に、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースが好適である。また、合成水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、架橋型ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドなど、水溶性ポリデキストロース、糖類および多糖類、例えば、プルラン、デキストラン、スクロース、グルコース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、ソルビトールなどを使用することができる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなる。透過増強剤の他の非限定的な例として、アルカリ金属塩、例えば、酸化アルミニウム、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。孔形成固体はまた、Carbowaxes(登録商標)、Carbopol(登録商標)などのような使用環境において可溶性であるポリマーであり得る。孔形成物は、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコール、ポリ(a−w)アルキレンジオールなどを包含する。本発明の製剤において有用であり得る他の透過増強剤として、澱粉、加工澱粉、および澱粉誘導体、次のものを含むがこれらに限定されないガム、キサンタンガム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、ベントナイト、ビーガム(veegum)、寒天、グアー、ローカストビーンガム、アラビアガム、マルメロ(quince)、オオバコ(psyllium)、アマニ種子、オクラガム、アラビノグラクタン、ペクチン、トラガント、スクレログルカン、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、デキストリンなど、架橋型リビニルピロリドン、イオン交換樹脂、例えば、カリウムポリメタクリレート、カラギーナン、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、カラヤガム(gum karaya)、生合成ガムなどが挙げられる。他の孔形成物として、使用環境において微小孔層を作製するのに有用な材料、例えば、ポリマー鎖において炭酸基が繰り返し生じる炭酸の線状ポリエステルからなるポリカーボネート、微孔性材料、例えば、ビスフェノール、微孔性ポリ(ビニルクロリド)、微孔性ポリアミド、微孔性モダクリルコポリマー、微孔性スチレン−アクリル系およびそのコポリマー、多孔性ポリスルホン、ハロゲン化ポリ(ビニリデン)、ポリクロロエーテル、アセタールポリマー、アルキレンポリオールによるジカルボン酸または無水物のエステル化によって調製されるポリエステル、ポリ(アルキレンスルフィド)、フェノール系、ポリエステル、非対称多孔性ポリマー、架橋型オレフィンポリマー、減少したバルク密度を有する親水性微孔性ホモポリマー、コポリマーまたはインターポリマー、および他の類似の材料、ポリ(ウレタン)、架橋型鎖伸長型ポリ(ウレタン)、ポリ(イミド)、ポリ(ベンズイミダゾール)、コロジオン、再生タンパク質、半固体架橋型ポリ(ビニルピロリドン)、二酸化ケイ素、コロイダルシリカ、結晶セルロースならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、透過増強剤は、二酸化ケイ素(例えば、Syloid(登録商標)244FP)である。透過増強剤の量は、錠剤乾燥重量の0.5重量%から1重量%まで、および水分バリア乾燥重量の25重量%から30重量%まで変動し得る。本発明の174mg用量の徐放性錠剤について、透過増強剤は、錠剤乾燥重量の0.5%〜2%の量、および水分バリア乾燥重量の20重量%〜40重量%の量で存在することができる。例えば、174mg用量の錠剤の所定の実施態様では、透過増強剤は、水分バリア乾燥重量の25重量%〜30重量%の量で存在する。本発明の348mg用量の徐放性錠剤について、透過増強剤は、錠剤乾燥重量の0.5重量%〜2重量%、および水分バリア乾燥重量の20重量%から40重量%まで変動し得る量で存在することができる。例えば、348mg用量の錠剤の所定の実施態様では、透過増強剤は、水分バリア乾燥重量の25重量%〜30重量%の量で存在する。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、メタクリル酸コポリマー:可塑剤:透過増強剤の比は13:2:5である。
水分バリアプロセスの調製および適用は以下のとおりであり得る。随意の可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール4000およびクエン酸トリエチルの組み合わせ)を、最初に、水に添加し、混合物を均質に混合し得る。次に、メタクリル酸コポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)L30D−55)を篩い分けし、可塑剤混合物に添加し、均質に混合する。個別の容器において、均質な混合が達成されるまで、透過増強剤(例えば、二酸化ケイ素)を溶解する。次いで、可塑剤およびメタクリル酸コポリマー混合物を、透過増強剤溶液と組み合わせて、均質に混合する。次いで、所望される重量増加が達成されるまで、錠剤コーター、流動層装置または当該分野において公知の他の任意の適切なコーティング装置を使用して、得られる水分バリア溶液を、制御放出性コートでコーティングされた錠剤コアに噴霧する。続いて、包装前に、水分バリアでコーティングされた錠剤を乾燥する。
重量増加が、本発明の174mgおよび348mg徐放性錠剤の両方について、錠剤乾燥重量の6%以下となるように、水分バリアを制御放出性コーティング錠剤コアに適用する。少なくとも1つの実施態様では、重量増加は、本発明に従う174mgおよび348mg徐放性錠剤の両方について、錠剤乾燥重量の3.5%以下である。適用される水分バリアの量では、典型的に、本明細書に記載の徐放性錠剤を胃液に対してより耐性にするとは明言し難い。しかし、水分バリアは、薬物放出特徴に影響を及ぼし得る。
ここで使用される水分バリアは、ブプロピオン臭化水素酸塩医薬品に存在する場合、典型的に、腸溶性コートとして機能しない。当該分野においてメタクリル酸コポリマー、Eudragit(登録商標)L30D−55について言及し、腸溶性コーティング製剤において使用するとしても、その機能性は、処方依存的であり、適用される材料の量による。当該分野において公知であるように、薬物が胃液によって破壊もしくは不活性化され得る場合または薬物が胃粘膜を刺激し得る場合、腸溶性コーティングが適用される。腸溶性コートの要件を満たすために、USPに記載の試験(方法AまたはB)は、酸性媒体(0.1N HCl)において2時間後、少なくとも6つの実験の個々の値が溶解した有効な薬物の10%を超えることなく、75%以上がpH6.8において45分間に溶解することを要求する。水分バリアは、典型的に、ブプロピオン塩(例えば、ブプロピオン臭化水素酸塩)が酸性媒体においてネガティブな影響を受けず、またそれが胃粘膜を刺激しないとしても、次の理由でこの要件を満たさない:(1)Eudragit(登録商標)L30D−55を含有するフィルムによって、腸溶性の完全性を得るため、用量単位あたりの乾燥ポリマーに基づいて、6%〜8%の重量増加が推奨される。制御放出性コーティング錠剤コアに適用されるEudragit(登録商標)L30D−55固体の量は6%以下であり、少なくとも1つの実施態様では、3%以下であり、(2)腸溶性の完全性が要求される場合、2時間の時間ポイントでの最終製品(即ち、水分バリアコーティング錠剤コア)の溶解試験は、20%以下の限界を要求せず、(3)これらのコーティングに対して実施される分析試験は、コーティングが、USP試験方法によって規定される腸溶性コーティング製品としての試験要件のすべてを満たすわけではないことを示す。
本発明のXL錠は、ブプロピオン塩の徐放性を提供する。一般的に、孔形成剤はXLコーティング製剤に存在しない。2時間後、20%以下のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出されるように、徐放性ブプロピオン臭化水素酸塩製剤が提供される。例えば、所定の実施態様では、2時間後に、2%〜18%、4%〜8%、または5%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。4時間後、15%〜45%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。例えば、所定の実施態様では、4時間後に、21%〜37%、28%〜34%、または32%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。8時間後、40%〜90%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。例えば、所定の実施態様では、8時間後に、60%〜85%、68%〜74%、または74%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。16時間後、80%以上のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。例えば、所定の実施態様では、93%以上、96%以上、または99%以上のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。
また、徐放性錠剤が提供され、ここで、2時間後、40%以下(例えば、33%)のブプロピオン臭化水素酸塩が放出され;4時間後、40〜75%のブプロピオン臭化水素酸塩が放出され(例えば、59%);8時間後、少なくとも75%のブプロピオン臭化水素酸塩が放出され(例えば、91%);および16時間後、少なくとも85%のブプロピオン臭化水素酸塩が放出される(例えば、97%)。本明細書におけるすべての場合において、実際のまたはさしあたりの溶解プロファイルが提供される場合、これは、医薬品が、本明細書において同定され、当業者に周知であるような指定された条件下で少なくとも1つの溶解媒体においてそのようなプロファイルを所有することを意味する。本明細書における使用のためのそのような溶解媒体、溶解条件および装置は、米国薬局方(USP)ならびにその欧州および日本の対応薬局方において開示されている。さらに、その具体例を本出願において提供する。
増強型吸収(EA)錠
本発明の別の態様では、ブプロピオンの薬学的に許容可能な塩および従来の賦形剤を含んでなるコアを有する増強型吸収(EA)錠が提供され、ここで、ブプロピオン塩は、ブプロピオン塩酸塩より安定である(例えば、ブプロピオン臭化水素酸塩)。コアは、ブプロピオン塩の放出を制御するEAコーティングによって取り囲まれる。所定の実施態様では、EAコーティングは1つのコートよりなる。EA錠の利点は、組成物において必要とされる薬物の減量を含み、これは、次いで、副作用の減少をもたらし得る。本発明のEA錠は、予想外の増強された安定性を有する。
EAコア
EA錠のコアは、有効量のブプロピオン塩、バインダー、および潤滑剤を含んでなり、他の従来の不活な賦形剤を含有することができる。EAコアに存在するブプロピオン塩の量は、錠剤乾燥重量の40重量%から99重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、錠剤乾燥重量の50重量%〜95%の量で、および他の実施態様では、70重量%〜90重量%の量で存在する。錠剤は、50mgから450mgまで変動し得る有効量のブプロピオン塩を含んでなる。例えば、EA錠は、150mgまたは300mgのブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなることができる。150mg用量の錠剤について、ブプロピオン臭化水素酸塩は、錠剤乾燥重量の76重量%〜84重量%の量で存在することができる。300mg用量について、ブプロピオン臭化水素酸塩の量は、錠剤乾燥重量の80重量%〜83重量%の量で存在することができる。本発明の150mgおよび300mg用量のブプロピオン臭化水素酸塩EA錠の両方について、ブプロピオン臭化水素酸塩の量は、それぞれの用量の乾燥コアの94重量%で存在することができる。
バインダー(また、時には付着剤と呼ばれる)を薬物充填混合物に添加し、形成中の顆粒および錠剤の機械的強度を増加させることができる。バインダーは:(1)湿式凝集前に他の成分と混合される乾燥粉体として、(2)湿式凝集中に凝集液として使用され、溶液バインダーと称される溶液として、および(3)圧縮前に他の成分と混合される乾燥粉体(乾燥バインダーと称される)として異なる方法で製剤に添加することができる。溶液バインダーは、バインダーを顆粒に組み入れる一般的方法である。所定の実施態様では、EA錠において使用されるバインダーは溶液バインダーの形態である。バインダーの非限定的な例として、硬化植物油、ヒマシ油、パラフィン、高級脂肪族アルコール、高級脂肪属酸、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、蝋様材料、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、硬化脂肪、炭化水素、通常の蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール、炭化水素骨格を有する疎水性および親水性ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。水溶性ポリマーバインダーの具体例として、加工澱粉、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)のような)セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。存在するバインダーの量は、錠剤乾燥重量の0.5重量%から25重量%まで変動し得る。例えば、本発明の所定の実施態様では、存在するバインダーの量は、錠剤乾燥重量の0.5%から15重量%まで変動し;他の実施態様では、錠剤乾燥重量の1重量%から6重量%まで;およびなお他の実施態様では、錠剤乾燥重量の3重量%である。150mgおよび300mg用量のEA錠の両方について、バインダーの量は、各乾燥コア重量の1重量%〜6重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、バインダーの量は、各乾燥コア重量の3重量%の量で存在する。本発明の少なくとも1つの実施態様では、バインダーはポリビニルアルコールである。
潤滑剤を薬学的製剤に添加して、錠剤製造中に固体と鋳型壁との間に生じるあらゆる摩擦を減少させることができる。打錠中の高度の摩擦は、不適切な錠剤の品質(射出中の錠剤のキャッピングまたはなお断片化、および錠剤端縁部上の垂直なスクラッチ傷)を含む一連の問題を生じ得、生成を中止することさえあり得る。従って、潤滑剤は、本明細書に記載のEA錠製剤を含む本発明の所定の錠剤製剤に添加され得る。EAコアに有用な潤滑剤の非限定的な例として、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸、硬化植物油(例えば、硬化綿実油(Sterotex(登録商標))、硬化ダイズ油(Sterotex(登録商標)HM)ならびに硬化ダイズ油およびカスター蝋(Sterotex(登録商標)K)、ステアリルアルコール、ロイシン、ポリエチレングリコール(MW1450、適切には4000、およびそれ以上)、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドポリマー(例えば、Union Carbide,Inc.、Danbury、コネチカット州からCarbowax(登録商標)の登録商標で入手可能)、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、DL−ロイシン、コロイダルシリカ、ならびに当該分野において公知の他のものが挙げられる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、潤滑剤はベヘン酸グリセリル(例えば、Compritol(登録商標)888)である。存在する潤滑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.1重量%から6重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、存在する潤滑剤の量は錠剤乾燥重量の3重量%である。本発明の174mgおよび348mg用量のEA錠の所定の実施態様では、潤滑剤は、錠剤乾燥重量の3重量%または乾燥コア重量の1重量%〜6重量%の量で存在する。例えば、所定の実施態様では、潤滑剤は、174mgおよび348mg用量のEA錠の両方について乾燥コア重量の3重量%の量で存在する。
この段階で、EAコア製剤は、1時間以内にブプロピオン塩の100%溶解を生じるコーティングされていない即時放出製剤である。少なくとも1つの実施態様では、EAコアは通常の放出マトリックス製剤である。所定の実施態様では、コアは、有効量のブプロピオン臭化水素酸塩、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)、および潤滑剤(例えば、ベヘン酸グリセリル)を含んでなる。しかし、必要であれば、本発明の目的に合致するさらなる不活な賦形剤はまた、コア製剤に添加することができる。さらなる不活な賦形剤を添加して、調製を容易にし、および/または本明細書に記載の最終的EAブプロピオン塩剤形の患者受容性を改善することができる。さらなる不活な賦形剤も当業者に周知であり、関連文献、例えば、the Handbook of Pharmaceutical Excipientsにおいて見出すことができる。そのような賦形剤の非限定的な例として、噴霧乾燥ラクトース、ソルビトール、マンニトール、および任意のセルロース誘導体が挙げられる。
所定の実施態様では、本明細書に記載の本発明のEA錠のコアを形成するために圧縮すべき顆粒は、湿式造粒プロセスによって製造される。湿式造粒は、慣例により液体(溶液バインダー)の存在下における粉体(有効な薬物)の撹拌、それに続く乾燥に関与する。終局的に錠剤コアに圧縮すべき顆粒を形成するために、はじめに、例えば、Glatt(独国)またはAeromatic(瑞国)により製造される流動層造粒装置のような流動層造粒装置を使用して、造粒装置において、例えば、溶液バインダーにより、ブプロピオン塩を粒状化する。はじめに、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を、適切な溶媒(例えば、水)に溶解または分散する。次いで、造粒装置(例えば、流動層造粒装置)において、溶液バインダーを薬物に上部から噴霧する。あるいはまた、従来のまたは高剪断ミキサーにおいても造粒を実施することができる。必要であれば、造粒工程前に、さらなる不活な賦形剤(例えば、充填剤)をブプロピオン塩と混合することができる。
続いて、形成される顆粒を乾燥し、次いで、顆粒を潤滑剤と混和する前に篩い分けする。所定の実施態様では、乾燥した顆粒を、1.4mmメッシュスクリーンを介して篩い分けする。次いで、篩い分けした顆粒を、潤滑剤、および必要であれば、本発明のEA錠のプロセシングを改善することができる他の任意のさらなる不活な賦形剤と混和する。顆粒と、潤滑剤、および必要であれば、例えば、滑剤のようなさらなる任意の不活な賦形剤との混和は、Vブレンダーまたは他の任意の適切な混和装置において実施することができる。滑剤は、粉体の流動性を改善することができる。これは、高い生産速度での錠剤の生産中および直圧中では特に重要である。しかし、適切な流動のための要件が高いため、滑剤はまた、しばしば、打錠前の造粒にも添加される。続いて、混和された顆粒は錠剤にプレスされ、錠剤コアと称される。錠剤コアは、標準的な技術および当業者に周知の装置の使用によって得ることができる。所定の実施態様では、錠剤コアは、適切なパンチを装着したロータリープレス(マルチステーションプレスとも称される)によって得られる。
顆粒はまた、当業者に公知の他のプロセスを使用することによっても製造することができる。他の顆粒製造プロセスの例として、乾燥造粒(例えば、スラッギング、ローラー圧縮)、直圧、押出し成形、球状化、溶融造粒、および転動造粒が挙げられる。
EAコア(60kgバッチ)の造粒プロセスの実施例は次のとおりである:材料の粒子を凝集させて最終的混和のための一様な粒度を得るために、造粒のための流動層プロセッサーが使用される。造粒溶液は、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)を混合しながら熱精製水に溶解することによって、調製される。固体含有量パーセントを調整して、材料の集積(凝集サイズ)を制御するための粘度を得ることができる。より低い粘度ほどより小さな粒子をもたらし、より高い粘度ほどより大きな粒子をもたらす。さらに、適用速度(例えば、150gm/分〜250gm/分;または200gm/分)、スプレーガンの位置(例えば、中心点)およびノズルサイズ(例えば、0.5mm〜2mm;または1mm)および霧化圧(例えば、20psi〜40psi;または30psi)が寄与して、さらに粒度を制御する。有効な材料は、溶液適用の開始前に流動化され、加熱される(例えば、35℃〜45℃;または40℃)。噴霧サイクル中、層温度(例えば、35℃〜45℃;または40℃)は一定温度で保持され、過剰湿潤が回避される。一旦、すべての必要とされるバインダー溶液が適用されると、材料は、搬出する前に、目標とするLOD値(即ち、乾燥減量)(例えば、1%未満)までさらに乾燥される。バインダー(例えば、ポリビニルアルコール)の量は、2%〜6%の間、場合によって3%であり;溶液濃度は3%〜7%の間、場合によって4.5%である。60kgバッチの凝集プロセスの時間は、45分間〜220分間の間、場合によって150分間である。一旦、顆粒が乾燥な状態であれば、材料は、1.4および2.00mmスクリーンを介して通過され、任意の過剰サイズの粒子が取り出される。過剰サイズ粒子は粉砕機を介して通過され、過剰サイズ粒子を減少させる。過剰サイズの粒子は、一般的に、全体の収量の5%を超えない。スクリーニングおよび粉砕された材料はシェルブレンダー(例えば、Vブレンダー、ビンブレンダー)に置かれ、潤滑剤(例えば、ベヘン酸グリセリル)が添加される。潤滑剤はスクリーニングされ、顆粒に添加され、予め決定された回転数または時間(例えば、5分間〜15分間、場合によって10分間の混合時間)で混和される。潤滑剤パーセントは0.5%〜4%の間、場合によって2%である。潤滑のレベルは、より大きなまたはより小さな粒度分布のいずれかの十分な適用範囲について確立される。さらなる特徴として、バルク密度(例えば、0.3gm/ml〜0.8gm/ml、場合によって0.5gm/ml)、および水分含有量(例えば、1%以下)が挙げられる。最終混和物の粒度および流量は、ロータリープレス上の空洞の一様な充填を得る要因である。プレスの流量および最高回転速度は、個々の錠剤の重量均質性を危うくすることがないように(プレスのタイプ/サイズに依存して)調整される。生成混和物は、ホッパーを介して供給フレームに通過され、供給フレーム下を通過する鋳型空間に充填される。重量を指定された範囲内に保持するように重量調整が行われ、必要とされる硬度が得られるような圧設定値に調整される。錠剤についてモニターされるいくつかの成分は、錠剤厚および摩損度(例えば、0.5%未満)である。適切な厚さ(全体の表面積に関連する)およびより低い摩損度は、コアの損傷およびコーティング中の活性消失を減少するのに役立つ。仕様をモニターするために、予め決定された間隔で錠剤サンプルが取り出される。
EA錠コーティング
EA錠コアは、1段階でコーティングすることができる。EAコーティングは、錠剤コアの表面に直接適用され、ブプロピオン塩の放出を制御するように機能する。
EAコーティングは、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマー、水溶性ポリマー、および場合により、可塑剤を含んでなる半透過性コートである。
EAコーティングに有用な水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーの非限定的な例として、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。所定の実施態様では、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーはエチルセルロースであり、次のもの:エチルセルロースPR100、PR45、PR20、PR10およびPR7等級(Ethocel(登録商標)、Dow)、ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。少なくとも1つの実施態様では、エチルセルロースPR100等級が水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーである。水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の1%から8重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の2重量%〜6重量%である。本発明の174または348mg用量EA錠の所定の実施態様について、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー量は、錠剤乾燥重量の1%〜15重量%である。例えば、174mg用量EA錠の所定の実施態様では、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の10.5重量%で存在する。EAコート自体に関して、174mg用量EA錠剤の所定の実施態様における水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、EAコート乾燥重量の35重量%〜60重量%である。例えば、174mg用量EA錠の所定の実施態様では、水不溶性水透過性ポリマーの量は、EAコート乾燥重量の55重量%で存在する。本発明の348mg用量EA錠の所定の実施態様について、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー量は、錠剤乾燥重量の1重量%〜8重量%である。例えば、300mg用量EA錠の所定の実施態様では、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の6.3重量%で存在する。EAコート自体に関して、300mg用量EA錠における水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーは、EAコート乾燥重量の55重量%の量で存在することができる。
所定の実施態様では、EAコートは可塑剤をさらに含んでなる。本明細書に記載のEAコートに使用することができる可塑剤の非限定的な例として、アセチル化モノグリセリド;クエン酸アセチルトリブチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;トリプロピオン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;クエン酸アセチルトリエチル、ポリエチレングリコール;ヒマシ油;菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、グリセリンソルビトール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル(dietylfmerate)、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、三酪酸グリセロール、およびそれらの混合物、多様な分子量のポリオール(例えば、ポリエチレングリコール)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。EAコートのための可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.5%〜4重量%の量で変動し得る。本発明のさらなる実施態様では、2つの可塑剤の混合物が使用される場合、2つの可塑剤の比は、5:95〜95:5の範囲であり得る。本発明の少なくとも1つの実施態様では、可塑剤は、ポリエチレングリコール4000、セバシン酸ジブチルまたはそれらの混合物である。ポリエチレングリコール4000:セバシン酸ジブチルの比は、5:95〜95:5の範囲であり得る。本発明の174mg用量EA錠の所定の実施態様について、EAコートに存在する可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.5重量%〜4重量%である。例えば、174mg用量EA錠の所定の実施態様では、可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の3.1重量%で存在する。本発明の348mg用量のEA錠の所定の実施態様について、存在する可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の0.5%〜3重量%である。例えば、348mg用量EA錠の所定の実施態様では、可塑剤の量は、錠剤乾燥重量の2.0重量%で存在する。174mgおよび348mg剤形の両方の所定の実施態様について、可塑剤は、EAコート乾燥重量の6重量%〜30重量%の量で存在する。例えば、所定の実施態様では、可塑剤の量は、EAコート乾燥重量の17重量%で存在する。
EAコートに有用な水溶性ポリマーの非限定的な例として、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの混合物が挙げられる。本発明の少なくとも1つの実施態様では、水溶性ポリマーはポリビニルピロリドン(例えば、Povidone(登録商標)USP)であり、その量は、錠剤乾燥重量の1.5重量%から10重量%まで変動し得る。EAコート自体に関して、存在する水溶性ポリマーの量は、EAコート乾燥重量の20重量%から50重量%まで変動し得る。本発明の174mg用量のEA錠の所定の実施態様について、存在する水溶性ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の1.5重量%〜10重量%、およびEAコート乾燥重量の20重量%〜50重量%である。例えば、174mg用量EA錠の所定の実施態様では、水不溶性水透過性ポリマーは、EAコート乾燥重量の28重量%の量で存在する。本発明の348mg用量のEA錠の所定の実施態様について、存在する水溶性ポリマーの量は、錠剤乾燥重量の1.5%〜10%、およびEAコート乾燥重量の20重量%〜50重量%である。例えば、300mg用量EA錠の所定の実施態様では、水不溶性水透過性ポリマーは、EAコート乾燥重量の28重量%の量で存在する。
EA錠コーティングの水不溶性水透過性フィルム形成性ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、3:1:4から5:1:2まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、EA錠コーティングの水不溶性水透過性フィルム形成性ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、4:1:3である。EA錠コーティングの少なくとも1つの実施態様では、水不溶性水不透過性フィルム形成ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比は、7:2:6〜19:5:18であり、および他の実施態様では、13:4:12である。
EAコートの調製および適用は、以下のとおりであり得る。水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー(例えば、エチルセルロース)、および可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール4000、セバシン酸ジブチルまたはそれらの混合物)を、有機溶媒(例えば、エチルアルコール)に溶解する。次に、均質な混合が達成されるまで、水溶性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)を添加する。次いで、所望される重量増加が達成されるまで、錠剤コーター、流動層装置または当該分野において公知の他の任意の適切なコーティング装置を使用して、得られる制御放出性コート溶液を錠剤コアに噴霧する。続いて、水分バリアを適用する前に、EAコートでコーティングされた錠剤コアを乾燥する。
当業者であれば、透過性を制御すれば、ブプロピオン塩の放出および/または錠剤コアに適用されるコーティングの量を制御することができることを理解するであろう。EAコートの透過性は、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマー:可塑剤:水溶性ポリマーの比および/または錠剤コアに適用されるコーティングの量を変動することによって、変更することができる。より延期された放出は、より多量の水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーによって得ることができる。他の賦形剤の錠剤コアへの添加もまた、EAコートの透過性を変更し得る。膨張剤が柔軟性の低いコートに及ぼす圧力はコートを破断し得るため、例えば、錠剤コアが膨張剤をさらに含んでなることが所望される場合、制御放出性コートにおける可塑剤の量を増加して、コートをより柔軟にすべきである。さらに、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーおよび水溶性ポリマーの割合はまた、より速いもしくはより遅い溶解および/または放出プロファイルが所望されるかどうかに依存して、変更べきであり得る。
所望される溶解またはインビボ放出プロファイルに依存して、EAコートで錠剤コアをコーティングした後に増加した重量は、乾燥錠剤コアの重量の3%から30%まで変動する。本発明の174mg用量EA錠の所定の実施態様について、重量増加は、乾燥錠剤コアの8%〜20%である。例えば、174mg用量EA錠剤コアの所定の実施態様では、重量増加は、乾燥錠剤コアの重量の14%である。本発明の348mg用量EA錠の所定の実施態様について、重量増加は、乾燥錠剤コアの重量の10%〜15%である。例えば、348mg用量EA錠剤コアの所定の実施態様では、重量増加は、乾燥錠剤コアの重量の13%である。
本発明のEA錠は、ブプロピオン塩の増強型吸収を提供し、ここで、典型的に、孔形成剤は製剤に存在しない。2時間後、25%以下のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出されるように、増強型吸収ブプロピオン臭化水素酸塩製剤が提供される。例えば、所定の実施態様では、10%〜20%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が2時間後に放出される。4時間後、25%〜55%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。例えば、所定の実施態様では、30%〜50%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が4時間後に放出される。8時間後、60%を超えるブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。例えば、所定の実施態様では、70%〜90%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が8時間後に放出される。16時間後、70%を超えるブプロピオン臭化水素酸塩含有物が放出される。例えば、所定の実施態様では、80%のブプロピオン臭化水素酸塩含有物が16時間後に放出される。
さらに、いくつかの実施態様において、本発明は、増強型吸収製剤を提供し、ここで、40%以下が2時間後に放出され(例えば、33%);4時間後、40〜75%が放出され(例えば、59%);8時間後、少なくとも75%が放出され(例えば、91%);および16時間後、少なくとも85%が放出される(例えば、97%)。
制御型放出マトリックス
本発明の他の実施態様では、制御型放出マトリックスが提供され、そこからのマトリックスコアからの薬物放出の動態は、組成物内の賦形剤の拡散および/または腐食特性に少なくとも部分的に依存する。本実施態様において、制御型放出マトリックスは、有効量のブプロピオン塩および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含有する。制御型放出マトリックスに存在するブプロピオン塩の量は、マトリックス錠剤乾燥重量の40重量%から99重量%まで変動し得る。例えば、所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、マトリックス錠剤乾燥重量の60重量%〜80重量%の量で、および他の実施態様では、70重量%で存在する。制御型放出マトリックスは多粒子または単粒子であり得、少なくとも1つの機能性または非機能性コーティング、またはブプロピオン塩もしくは他の薬物を含んでなる即時放出コーティングでコーティングされ得る。機能的コーティングとして、例えば、制御型放出ポリマーコーティング、腸溶性ポリマーコーティングなどが挙げられる。非機能性コーティングは、薬物放出に影響を及ぼさないが、他の特性に影響を及ぼす(例えば、それらは、制御型放出製剤の化学的、生物学的、または物理的外観を増強し得る)コーティングである。薬学分野および医薬品の設計における当業者は、制御型放出のために適応される経口薬学的組成物において適宜使用される制御型放出マトリックスおよびそれらの調製のための手段を知っている。制御型放出マトリックスの例については、米国特許第6,326,027号明細書;同第6,340,475号明細書;同第6,905,709号明細書;同第6,645,527号明細書;同第6,576,260号明細書;同第6,326,027号明細書;同第6,254,887号明細書;同第6,306,438号明細書;同第6,129,933号明細書;同第5,891,471号明細書;同第5,849,240号明細書;同第5,965,163号明細書;同第6,162,467号明細書;同第5,567,439号明細書;同第5,552,159号明細書;同第5,510,114号明細書;同第5,476,528号明細書;同第5,453,283号明細書;同第5,443,846号明細書;同第5,403,593号明細書;同第5,378,462号明細書;同第5,350,584号明細書;同第5,283,065号明細書;同第5,273,758号明細書;同第5,266,331号明細書;同第5,202,128号明細書;同第5,183,690号明細書;同第5,178,868号明細書;同第5,126,145号明細書;同第5,073,379号明細書;同第5,023,089号明細書;同第5,007,790号明細書;同第4,970,075号明細書;同第4,959,208号明細書;同第4,59,208号明細書;同第4,861,598号明細書;同第4,844,909号明細書;同第4,834,984号明細書;同第4,828,836号明細書;同第4,806,337号明細書;同第4,801,460号明細書;同第4,764,378号明細書;同第4,421,736号明細書;同第4,344,431号明細書;同第4,343,789号明細書;同第4,346,709号明細書;同第4,230,687号明細書;同第4,132,753号明細書;同第5,591,452号明細書;同第5,965,161号明細書;同第5,958,452号明細書;同第6,254,887号明細書;同第6,156,342号明細書;同第5,395,626号明細書;同第5,474,786号明細書;および同第5,919,826号明細書に記載されている。
そのような制御型放出マトリックスにおける使用のための適切な賦形剤材料として、例えば、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、親油性材料およびそれらの混合物のような放出耐性または制御型放出材料が挙げられる。疎水性、または親油性成分の非限定的な例として、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリルおよびモノパルミチン酸グリセリルの混合物(Myvaplex、Eastman Fine Chemical Company)、モノオレイン酸グリセリル、モノ、ジおよびトリグリセリドの混合物(ATMUL84S)、モノラウリン酸グリセリル、パラフィン、白蝋、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸エステル、長鎖カルボン酸アルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。長鎖カルボン酸は、6〜30個の炭素原子;所定の実施態様では、少なくとも12個の炭素原子、および他の実施態様では、12〜22個の炭素原子を含有することができる。いくつかの実施態様では、この炭素鎖は、完全に飽和されており、分岐されていない一方、他は、1つもしくはそれ以上の二重結合を含有する。少なくとも1つの実施態様では、長鎖カルボン酸は、3炭素環または水酸基を含有する。飽和直鎖状酸の非限定的な例として、n−ドデカン酸、n−テトラデカン酸、n−ヘキサデカン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、モンダン酸およびメリシン酸が挙げられる。また、不飽和モノオレフィン系直鎖状モノカルボン酸も有用である。これらの非限定的な例として、オレイン酸、ガドレイン酸およびエルカ酸が挙げられる。また、不飽和(ポリオレフィン系)直鎖状モノカルボン酸も有用である。これらの非限定的な例として、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸およびベヘノール酸が挙げられる。有用な分岐酸として、例えば、ジアセチル酒石酸が挙げられる。長鎖カルボン酸エステルの非限定的な例として、モノステアリン酸グリセリル;モノパルミチン酸グリセリル;モノステアリン酸グリセリルおよびモノパルミチン酸グリセリルの混合物(Myvaplex600、Eastman Fine Chemical Company);モノリノール酸グリセリル;モノオレイン酸グリセリル;モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルおよびモノリノール酸グリセリルの混合物(Myverol 18−92、Eastman Fine Chemical Company);モノリノレン酸グリセル;モノガドレン酸グリセリル(glyceryl monogadoleate);モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノリノレン酸グリセルおよびモノガドレン酸グリセリル(glyceryl monogadoleate)の混合物(Myverol18−99、Eastman Fine Chemical Company);蒸留アセチル化モノグリセリドのようなアセチル化グリセリド(Myvacet5−07、7−07および9−45、Eastman Fine Chemical Company);プロピレングリコールモノエステル、蒸留モノグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウムおよび二酸化ケイ素の混合物(Myvatex TL、Eastman Fine Chemical Company);プロピレングリコールモノエステル、蒸留モノグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウムおよび二酸化ケイ素の混合物(Myvatex TL、Eastman Fine Chemical Company)、d−αトコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンETPGS、Eastman Chemical Company);Atmul(Humko Chemical Division of Witco Chemical)のようなモノ−およびジグリセリドエステルの混合物;カルシウムステアロイルラクチレート;エトキシ化モノ−およびジ−グリセリド;乳酸化モノ−およびジ−グリセリド;グリセロールおよびプロピレングリコールのラクチレートカルボン酸エステル;長鎖カルボン酸の乳酸エステル;長鎖カルボン酸のポリグリセロールエステル、長鎖カルボン酸のプロピレングリコールモノ−およびジ−エステル;ステアロイル乳酸ナトリウム;モノステアリン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;長鎖カルボン酸の他のソルビタンエステル;サクシニル化モノグリセリド;クエン酸ステアリルモノグリセリル;ヘプタン酸ステアリル;蝋のセチルエステル;オクタン酸セテアリール;C10〜C30コレステロール/ラボステロール(lavosterol)エステル;スクロース長鎖カルボン酸エステル;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
制御型放出マトリックスのための賦形剤材料として有用なアルコールとして、上記で例示したカルボン酸のヒドロキシル形態およびまた、セテアリールアルコールを挙げることができる。
さらに、蝋は、単独で、または本発明の制御型放出マトリックス実施態様の賦形剤材料として上記で列挙した材料との組み合わせで有用であり得る。これらの非限定的な例として、白蝋、パラフィン、微結晶蝋、カルナウバ蝋、およびそれらの混合物が挙げられる。
親油性薬剤は、制御型放出マトリックス剤形の5重量%〜90重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、親油性薬剤は、制御型放出マトリックス剤形の10重量%〜85重量%の量で存在し、他の実施態様では、制御型放出マトリックス剤形の30重量%〜60重量%である。
制御型放出マトリックス剤形の所定の実施態様において使用することができる親水性ポリマーの非限定的な例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)または他のセルロースエーテル類、ポリオキシエチレン、アルギン酸、ポリアクリル酸のようなアクリル酸誘導体、Carbopol(B.F.Goodrich、Cleveland、オハイオ州)、Eudragit(登録商標)RL、RS、R、S、NEおよびE(Rhome Pharma,Darmstadt、独国)のようなポリメタクリレートポリマー、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、ヒドロキシエチルメタクリル酸(HEMA)ポリマー、ヒドロキシメチルメタクリル酸(HMMA)ポリマー、ポリビニルアルコールが挙げられる。
親水性ポリマーは、制御型放出マトリックス剤形の10%〜90重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、親水性ポリマーは、20%〜75%の量で存在し、他の実施態様では、制御型放出マトリックス剤形の30%〜60重量%である。
少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでなる。HPMCは、水酸基のいくつかがメチル基で置換されてメチルエーテル部分を形成し、他はヒドロキシプロピル基またはメトキシプロピル基で置換されてヒドロキシプロピルエーテルまたはメトキシプロピルエーテル部分を形成する、無水グルコースである。市販されているヒドロキシプロピルメチルセルロースの非限定的な例として、METHOCEL(登録商標)E(USPタイプ2910)、METHOCEL(登録商標)F(USPタイプ2906)、METHOCEL(登録商標)J(USPタイプ1828)、METHOCEL(登録商標)K(USPタイプ2201)、およびMETHOCEL(登録商標)310Series、The Dow Chemical Company,Midland、ミシガン州、米国の製品が挙げられる。これらの製品における平均的メトキシル置換度は、(置換に利用可能なセルロースポリマーの各単位の3つの位置の)1.3〜1.9の範囲であり得る一方、モルの用語で表される単位あたりの平均的ヒドロキシプロピル置換度は、0.13〜0.82の範囲であり得る。剤形は、異なる粘度を有する異なるHPMC等級を含んでなることができる。HPMCポリマーのサイズは、分子量としてではなく、その代わりに、水中2重量%溶液としてのその粘度で表現される。異なるHPMC等級を組み合わせて、所望される粘度特徴を達成することができる。例えば、少なくとも1つの薬学的に許容可能なポリマーは、例えば、(3cpsの粘度を有する)Methocel(登録商標)K3LVおよび(100,000cpsの粘度を有する)Methocel(登録商標)K100MCRのような2つのHPMCポリマーを含んでなることができる。さらに、ポリマーは、Klucel(登録商標)LFおよびKlucel(登録商標)EFのような2つのヒドロキシプロピルセルロースを含んでなることができる。さらに、少なくとも1つのポリマーは、Klucel(登録商標)およびMethocel(登録商標)の混合物を含んでなることができる。
少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、ポリエチレンオキシド(PEO)を含んでなる。PEOは、非置換エチレンオキシドの線状ポリマーである。所定の実施態様では、100,000ダルトンおよびそれより高い粘度−平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)ポリマーが使用される。市販されているポリ(エチレンオキシド)の非限定的な例として:POLYOX(登録商標)NF、WSR Coagulant等級、分子量5百万;POLYOX(登録商標)WSR301等級、分子量4百万;POLYOX(登録商標)等級WSR303、分子量7百万;POLYOX(登録商標)WSR N−60K等級、分子量2百万;およびそれらの混合物が挙げられる。これらの特定のポリマーは、Dow Chemical Company、Midland、ミシガン州、米国の製品である。ポリエチレンオキシドの他の例も存在し、同様に使用することができる。PEOについて要求される分子量は、市販されている異なる分子量のPEOを混合することによって得ることができる。
制御型放出マトリックス剤形の少なくとも1つの実施態様では、PEOおよびHPMCは、同じ制御型放出マトリックス内で組み合わされる。所定の実施態様では、ポリ(エチレンオキシド)は、2,000,000〜10,000,000Daの範囲の分子量を有する。例えば、少なくとも1つの実施態様では、ポリエチレンオキシドは、4,000,000〜7,000,000Daの範囲の分子量を有する。所定の実施態様では、HPMCポリマーは、4,000センチポアズ〜200,000センチポアズの範囲内の粘度を有する。例えば、少なくとも1つの実施態様では、HPMCポリマーは、50,000センチポアズ〜200,000センチポアズ、および他の実施態様では、80,000センチポアズ〜120,000センチポアズの粘度を有する。制御型放出マトリックス内のPEOおよびHPMCの相対量は、本発明の範囲内で変動し得る。少なくとも1つの実施態様では、PEO:HPMC重量比は1:3〜3:1である。例えば、所定の実施態様では、PEO:HPMC重量比は1:2〜2:1である。全マトリックスに対するポリマーに全量について、これも同様に変動し得、所望される薬物充填に依存し得る。少なくとも1つの実施態様では、マトリックスにおけるポリマーの全量は、マトリックス剤形の15%〜90重量%を占め得る。例えば、所定の実施態様では、マトリックスにおけるポリマーの全量はマトリックス剤形の20重量%〜75重量%、他の実施態様では、30重量%〜60重量%、およびなお他の実施態様では、10重量%〜20重量%である。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、エチルセルロースのような疎水性ポリマーを含んでなる。エチルセルロースの粘度は、薬物放出の速度に影響を及ぼすために選択することができる。所定の実施態様では、エチルセルロースは、7〜100cPの粘度を有する(25℃、Ubbelohde粘度計中、80:20トルエン:エタノール溶媒を使用して、5%溶液として測定する場合)。所定の実施態様では、疎水性ポリマーは、マトリックス剤形の10重量%〜90重量%をに寄与し得る。例えば、少なくとも1つの実施態様では、疎水性ポリマーは、マトリックス剤形の20重量%〜75重量%、および他の実施態様では、30重量%〜60重量%を占める。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、少なくとも1つのバインダーを含んでなる。所定の実施態様では、バインダーは水不溶性である。バインダーの例として、硬化植物油、ヒマシ油、パラフィン、高級脂肪族アルコール、高級脂肪属酸、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス様材料、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、硬化脂肪、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、炭化水素骨格を有する疎水性および親水性ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。水溶性ポリマーバインダーの非限定的な例として、加工澱粉、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)のような)セルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、バインダーは、マトリックス剤形の0.1重量%〜20重量%で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、バインダーは、マトリックス剤形の0.5重量%〜15重量%の量で存在し、および他の実施態様では、2重量%〜10重量%である。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、少なくとも1つの潤滑剤を含んでなる。潤滑剤の非限定的な例として、ステアリン酸、硬化植物油(例えば、硬化綿実油(Sterotex(登録商標))、硬化ダイズ油(Sterotex(登録商標)HM)ならびに硬化ダイズ油およびカスター蝋(Sterotex(登録商標)K))、ステアリルアルコール、ロイシン、ポリエチレングリコール(MW1450、適切には4000、およびそれ以上)、ステアリン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドポリマー(例えば、Union Carbide,Inc.、Danbury、コネチカット州からCarbowax(登録商標)の登録商標で入手可能)、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、DL−ロイシン、コロイダルシリカ、ならびにそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤は、圧縮されたコーティングされていないマトリックスの0〜4重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、潤滑剤は、圧縮された、コーティングされていないマトリックスの0〜2.5重量%の量で存在する。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、可塑剤を含んでなる。可塑剤の非限定的な例として、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、クエン酸エステル、例えば、クエン酸トリエチルNF XVI、クエン酸トリブチル、フタル酸ジブチル、1,2−プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ヒマシ油、アセチル化モノグリセリド、フタル酸エステル、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、可塑剤は、マトリックス剤形中制御型放出ポリマーの1重量%〜70重量%で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、マトリックス剤形中制御型放出ポリマーの5重量%〜50%の量で存在し、および他の実施態様では、10重量%〜40重量%である。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、少なくとも1つの希釈剤を含んでなり、その非限定的な例として、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトースもしくはスクロースまたは他の二糖類、セルロース、セルロース誘導体、カオリン、マンニトール、乾燥澱粉、グルコースまたは他の単糖類、デキストリンあるいは他の多糖、ソルビトール、イノシトール、スクラルファート、カルシウムヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸塩が挙げられる。所定の実施態様では、希釈剤および活性物質の組み合わせが60重量%まで、および他の実施態様では、組成物の50重量%まで含んでなるような量で、希釈剤を添加することができる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、可溶化剤を含んでなる。可溶化剤は、ブプロピオン塩の即時的な溶解度(instantaneous solubility)を増加するように作用し得る。可溶化剤は、親水性界面活性剤もしくは親油性界面活性剤またはそれらの混合物から選択することができる。界面活性剤は、アニオン、非イオン、カチオン、および両イオン性界面活性剤であり得る。親水性非イオン性界面活性剤は:ポリオールとトリグリセリド類、植物油、および硬化植物油の群の少なくとも1つのメンバー、例えば、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、または糖、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネートのポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルならびに親水性エステル交換生成物からなるがこれらに限定されない群から選択することができる。イオン性界面活性剤は:アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水添レシチン;リゾレシチンおよび水添リゾレシチン;リン脂質およびその誘導体;リゾリン脂質およびその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;硫酸アルキルの塩;脂肪酸塩;ドキュセートナトリウム;乳酸アシル;モノ−およびジ−グリセリドのモノ−およびジ−アセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノ−およびジ−グリセリド;モノ−およびジ−グリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物からなるがこれらに限定されない群から選択することができる。親油性界面活性剤は:脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ−およびジ−グリセリドの乳酸誘導体;ポリオールとグリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸およびステロールの群の少なくとも1つのメンバーとの疎水性エステル交換生成物;脂溶性ビタミン/ビタミン誘導体;PEGソルビタン脂肪酸エステル、PEGグリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン化脂肪酸、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル;ならびにそれらの混合物からなるが、それらに限定されない群から選択することができる。少なくとも1つの実施態様では、可溶化剤は:PEG−20−グリセリルステアレート(Capmul(登録商標)Abitec製)、PEG−40硬化ヒマシ油(CremophorRH40(登録商標)、BASF製)、PEG6コーン油(Labrafil(登録商標)、Gattefosse製)、ラウリルマクロゴール(lauryl macrogol)−32グリセリド(Gelucire44/14(登録商標)、Gattefosse製)ステアロイルマクロゴールグリセリド(Gelucire50/13(登録商標)、Gattefosse製)、ポリグリセリル−10モノジオレート(Caprol(登録商標)PEG860、Abitec製)、プロピレングリコールオレエート(Lutrol(登録商標)、BASF製)、プロピレングリコールジオクタノエート(Captex(登録商標)、Abitec製)、プロピレングリコールカプリレート/カプレート(Labrafac(登録商標)、Gattefosse製)、モノオレイン酸グリセリル(Peceol(登録商標)、Gattefrosse製)、グリセロールモノリノレエート(Maisine(登録商標)、Gattefrosse製)、グリセロールモノステアレート(Capmul(登録商標)、Abitec製)、PEG−20ソルビタンモノラウレート(Tween20(登録商標)、ICI製)、PEG−4ラウリルエーテル(Brij30(登録商標)、ICI製)、スクロースジステアレート(Sucroester7(登録商標)、Gattefosse製)、スクロースモノパルミテート(Sucroester15(登録商標)、Gattefosse製)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(Lutrol(登録商標)シリーズBASF)、ポリエチレングリコール660ヒドロキシステアレート、(Solutol(登録商標)、BASF製)、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、L−ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、アルギン酸プロピレングリコール、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ベタイン、ポリエチレングリコール(Carbowax(登録商標)、DOW製)、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、(ビタミンE TPGS(登録商標)、Eastman製)、およびそれらの混合物から選択することができる。少なくとも1つの他の実施態様では、可溶化剤は、PEG−40硬化ヒマシ油(CremophorRH40(登録商標)、BASF製)、ラウリルマクロゴール(lauryl macrogol)−32グリセリド(Gelucire44/14(登録商標)、Gattefosse製)ステアロイルマクロゴールグリセリド(Gelucire50/13(登録商標)、Gattefosse製)、PEG−20ソルビタンモノラウレート(Tween20(登録商標)、ICI製)、PEG−4ラウリルエーテル(Brij30(登録商標)、ICI製)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(Lutrol(登録商標)シリーズBASF)、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコール(Carbowax(登録商標)、DOW製)、およびそれらの混合物から選択することができる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、膨潤増強剤を含んでなる。膨潤増強剤は、錠剤のサイズの増加を生じる大きな程度で迅速に膨潤する賦形剤の特定のカテゴリーのメンバーである。より低い濃度では、これらの賦形剤は、超崩壊剤として使用することができるが;しかし、5%w/wを超える濃度では、これらの薬剤は膨潤増強剤として機能し、マトリックス剤形のサイズを増加するのに役立ち得る。本発明のマトリックス剤形の所定の実施態様に従えば、膨潤増強剤の例として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはカルシウム、セルロース線維、架橋型ポリビニルピロリドン、架橋型ポリアクリル酸、架橋型Amberlite樹脂、アルギン酸塩、コロイド性ケイ酸マグネシウムアルミニウム、トウモロコシ澱粉顆粒、イネ澱粉顆粒、ポテト澱粉顆粒、予備糊化澱粉、カルボキシメチル澱粉ナトリウムおよびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。マトリックス剤形の少なくとも1つの実施態様では、膨潤増強剤は、架橋型ポリビニルピロリドンである。膨潤増強剤の含有量は、マトリックス剤形の5重量%〜90重量%であり得る。例えば、所定の実施態様では、膨潤増強剤は、マトリックス剤形の10重量%〜70重量%の量で存在し、および他の実施態様では、15重量%〜50重量%である。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、製剤のコアに水を透過させるための添加剤を含んでなる(以後、「親水性基剤」と称する)。所定の実施態様では、1gの親水性基剤を溶解するのに必要な水の量は、5ml以下であり、および他の実施態様では、20℃±5℃の温度で4ml以下である。親水性基剤の水に対する溶解度が高いほど、基剤は水を製剤のコアへ配分するのに有効である。親水性基剤として、ポリエチレングリコール(PEG);(例えば、PEG400、PEG1500、PEG4000、PEG6000およびPEG20000、Nippon Oils and Fats Co.製)およびポリビニルピロリドン(PVP);(例えば、BASFのPVP K30)のような親水性ポリマー、D−ソルビトール、キシリトールなどのような糖アルコール、スクロース、無水マルトース、D−フルクトース、デキストラン(例えば、デキストラン40)、グルコースなどのような糖、ポリオキシエチレン−硬化ヒマシ油(HCO;例えば、Cremophor RH40、BASF製、HCO−40およびHCO−60、Nikko Chemicals Co.製)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(例えば、Pluronic F68、Asahi Denka Kogyo K.K.製)、ポリオキシエチレン−ソルビタン高分子脂肪酸エステル(Tween;例えば、Tween80、Kanto Kagaku K.K.製)などのような界面活性剤;塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどのような塩;クエン酸、酒石酸などのような有機酸;グリシン、β−アラニン、リジン塩酸塩などのようなアミノ酸;ならびにメグルミンのようなアミノが挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、親水性基剤は、PEG6000、PVP、D−ソルビトール、またはそれらの混合物である。
本発明の少なくとも別の実施態様では、制御型放出マトリックス剤形は、少なくとも1つの崩壊剤を含んでなる。マトリックス剤形における使用のための崩壊剤の非限定的な例として、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メタクリル酸DVB、架橋型PVP、結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、ナトリウム澱粉グリコレート、澱粉、予備糊化澱粉などが挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、崩壊剤は、架橋型ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標)CL)、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、Ac−Di−Sol)、澱粉またはナトリウム澱粉グリコレート(例えば、Explotab(登録商標))のような澱粉誘導体、澱粉との組み合わせ(例えば、PrimojelTM)、Amberlite IRP88のような膨潤可能なイオン交換樹脂、ホルムアルデヒド−カゼイン(例えば、Esma SprengTM)、およびそれらの混合物から選択される。少なくとも1つの実施態様では、崩壊剤は、ナトリウム澱粉グリコレートである。崩壊剤は、マトリックスの全重量の0〜20%の量で存在することができる。
本発明の制御型放出マトリックスは、造粒補助剤または薬剤、着色剤、風味付け剤(flavorants)、pH調整剤、付着防止剤、滑剤および薬学的組成物において適宜使用される同様の賦形剤のような1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含有することができる。
マトリックスに処方される水膨潤性ポリマーを含んでなる本発明の少なくとも1つの実施態様では、マトリックスからのブプロピオン塩の放出動態は、移動するゴム状/ガラス状前線でのポリマー膨潤の速度および膨潤したポリマー/溶解媒体前線でのポリマー腐食の速度の相対的大きさに依存する。マトリックスからのブプロピオン塩の放出のための放出動態は、以下の式によって近似することができる:
Mt/MT=ktn
[式中、tは時間であり、
Mtは、時間tで放出されている製薬剤の量であり、
MTは、マトリックスに含有される製薬剤の全量であり、
kは定数であり、
nは、放出動態の指数である]
この式は、nがほぼ一定に保持する限り、有効である。nが1に等しい場合、マトリックスからの製薬剤の放出は、ゼロ次動態を有する。次いで、放出される製薬剤の量は、時間に正比例する。
賦形剤のために選択されるポリマーの膨潤プロセスが、(膨潤したポリマーの腐食と比較して)薬物放出を制御する主なプロセスである場合、非ゼロ次放出動態が生じ得る。一般的に、これらの放出動態は、nの値を0.5に接近させるように指令し、Fickian型放出動態の平方根をもたらす。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、ポリマーは、ゼロ次動態を達成するための製剤への封入のために選択される。マトリックスの放出動態はまた、製薬剤自体によって指令され得る。高度に可溶である薬物は、低い溶解度を有する薬物よりも早く放出される傾向があり得る。薬物が高い溶解度を有する場合、ポリマー膨潤および腐食は、ゼロ次放出動態を維持するために迅速に生じなければならない。膨潤および腐食があまりに遅く生じる場合、(ポリマーが腐食する前に、薬物が膨潤したポリマーから拡散するため)ポリマーの膨潤プロセスは、薬物放出を制御する主なプロセスである。この状況では、非ゼロ次放出動態が生じ得る。結果として、高度に可溶な製薬剤の投与は、相対的に迅速な膨潤性および腐食性賦形剤を必要とする。そのような材料を使用して、24時間持続するマトリックスを生成することは、大きなマトリックスを必要とし得る。この困難を克服するために、中央を通る穴を伴うドーナツ型マトリックスを、それほど迅速ではない膨潤性および腐食性ポリマーと共に使用することができる。そのようなマトリックスでは、マトリックスが腐食すると、マトリックスの表面積が増加する。これは、ポリマーをより露出し、マトリックスはサイズを縮小するため、さらなるポリマーの膨潤および腐食を生じる。マトリックスのこのタイプはまた、極めて高い可溶性の製薬剤と共に使用して、ゼロ次放出動態を維持することができる。
本発明の少なくとも1つの他の実施態様では、ゼロ次薬物放出動態は、腐食に晒されるマトリックス剤形の表面積を制御することによって、達成することができる。水をポリマーマトリックス組成物に拡散させる場合、放出速度が時間単位あたり一定表面積の腐食によって管理または制御される場合にゼロ次放出が得られる。ポリマーマトリックス組成物の腐食が有力な放出機構であることを確実にするためには、ポリマーマトリックス組成物への水の拡散速度がポリマーマトリックス組成物の水性媒体への溶解速度に実質的に対応することを確実にする特性を有するポリマーマトリックス組成物を提供することが役立つ。従って、ポリマーマトリックス組成物における構成分の性質および量を調整することによって、ゼロ次放出機構を達成することができる。用いられる組成物は、少なくとも1つの表面が水性媒体に露出され、この表面が腐食中に実質的に一定なまたは制御された表面積を有するような様式で、コーティングされる。本明細書において、制御された表面積は、単位剤形システムのコートの形状から典型的に推定される有力な表面積に関する。初期放出期間を減少(または増加)するために、それは、単一の一様な円筒形状を有し得るか、または円筒形態は、1つもしくはそれ以上のテーパー端部を有し得る。従って、これらの実施態様は、以下を含んでなる薬学的組成物の少なくとも1つ表面の腐食によって、ブプロピオン塩の水性媒体への放出を制御するための方法を提供する
(i)(a)ポリマーまたはポリマーの混合物、(b)ブプロピオン塩、および場合により、(c)1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなるマトリックス組成物、ならびに
(ii)前記マトリックスの1つの表面で露出している少なくとも1つの開放部を有するコーティングであって、コーティングは:(a)熱可塑性特性を有し、組成物を使用すべき水性媒体において実質的に不溶性である第1のセルロース誘導体、および(b)水において可溶性または分散性である第2のセルロース誘導体のうちの少なくとも1つ、(c)場合により、可塑剤、および(d)充填剤を含んでなり、該方法は、インビトロ溶解試験に供される場合、薬学的組成物からのブプロピオン塩の例えば、少なくとも65%w/w、少なくとも70%w/w、少なくとも75%w/w、少なくとも80%w/w、少なくとも85%w/w、少なくとも90%w/w、少なくとも95%w/wもしくは少なくとも97%〜98%w/wのような少なくとも60%w/wのゼロ次放出が得られるように、水性媒体のマトリックス組成物への分散速度が、マトリックス組成物の溶解速度の例えば、100%±25%、100%±20%、100%±15%もしくは100%±10%、または100%のような100%±30%に対応するような様式で、マトリックス組成物を構成する成分の濃度および/または性質を調製することを含んでなる。
本発明の少なくとも1つの他の実施態様では、ゼロ次薬物放出は:(a)ブプロピオン塩を含んでなり、規定された幾何学的形状を有するデポジット−コア、(b)前記デポジット−コアに適用される支持プラットホームの使用を介して近似され、前記デポジット−コア(ブプロピオン塩と混合される)は、水または水性液体との接触で高い程度の膨潤性を有するポリマー材料、ゲル化可能なポリマー材料を含有することを特徴とし、前記ポリマー材料は、膨潤化およびゲル化の両方の特性を有する単一のポリマー材料、ならびにその圧縮およびその水の取り込みのための適切な特徴を混合物に提供することが可能な他の補助剤によって置き換え可能であり、前記支持プラットホームは、水性液体に不溶なポリマー材料を含んでなり、前記デポジット−コアを部分的にコーティングする。
マトリックス剤形の所定の実施態様に従うシステムのこれらならびにさらなる特徴および利点につては、非限定的な例によって以後に記載の本発明の好適な実施態様の詳細な説明からさらに明らかであろう。デポジット−コアは、一般的に、ブプロピオン塩を含有する混合物を、1000〜4000kg/cm2の間の圧力まで圧縮し、そのようにして、規定された幾何学的形状をとることによって、得ることができる。高い程度の膨潤性を有するポリマー材料は、一般的に、架橋型不溶性ポリマーであり得るが、ゲル化可能なポリマー材料は可溶性であり、水の取り込みを制御することができる。
コーティングプラットホームは、水に不溶性、および場合により、生分解性生物学的液体に不溶性であるポリマー材料を含んでなり、少なくとも、デポジット−コアに含有されるブプロピオン塩の完全な移送まで、その不透過性特徴を維持することが可能である。それは、ブプロピオン塩の放出を適切に指令し、定量的に調節するように選択される外部デポジット−コア表面の部分に適用される。この点に関して、支持プラットホームは水に対して不透過性であるため、所定の実施態様におけるデポジット−コアのポリマー材料は、プラットホームでコーティングされないデポジットの該部分においてのみ、膨潤することができる。
支持プラットホームは、予め選択されたポリマー材料をデポジット−コアに圧縮すること、通常の有機溶媒における前記ポリマー材料の溶液にデポジット−コアを浸漬させること、または前記溶液を噴霧することによって得ることができる。支持プラットホームを調製するために使用可能なポリマー材料は、アクリレート、セルロースならびにエチルセルロース、セルロースアセテート−プロピオネート、ポリエチレンおよびメタクリレートのような誘導体ならびにアクリル酸のコポリマー、ポリビニルアルコールなどを含んでなるクラスから選択することができる。このプラットホームは、2mm(圧縮によって適用される場合)〜10ミクロン(噴霧または浸漬によって適用される場合)の間の厚さを有することができ、システムの全表面の10%〜90%を含んでなる。
ブプロピオン塩の放出を制御する因子は、水性液体との接触においてデポジット−コアに含有される膨潤性ポリマー材料によって展開される膨潤力の強度および期間である。この点に関して、ブプロピオン塩の放出を活性化する、実行するおよび調節するためのエネルギーは、これが水または生物学的液体と接触する場合にデポジット−コアにおいて展開される膨潤力によって決定することができる。前記力は、デポジットを処方するのに使用されるポリマー材料のタイプおよび量に関連して変動し得る強度および期間を有し、それは、膨潤性ポリマーを主に含有するデポジットの場合に生じる最大値〜ゲル化可能なポリマーを主に含有するデポジットの場合に生じる最小値の限界値の間にある。前記膨潤性ポリマーは、5重量%〜80重量%の間の程度まで存在することができ、前記ゲル化可能なポリマーは、デポジット−コアを形成する混合物に関して、10重量%〜90重量%の間の程度までである。
さらなる制御因子は、デポジットの膨潤を制限し、それからの材料の放射を指令する支持プラットホームの幾何学である。これらの実施態様の範囲内において、それらの作用が膨潤力に基づき、使用する支持プラットホームのタイプが相互に異なるブプロピオン塩の制御型放出のための多くのシステムを思い至ることが可能である。
ブプロピオン塩のゼロ次放出を達成するために設計された本発明の少なくとも1つの他の実施態様では、制御型放出マトリックスからの薬物放出の動態は、異なる膨潤特徴を伴う異なるポリマーの組み合わせによって管理される。より具体的には、ブプロピオン塩は、ガムのようなより低い膨潤性のポリマーと共にはじめに造粒されるか、または該より低い膨潤性のポリマーにおいてカプセル化されて、顆粒を形成する。この顆粒は、より高い膨潤性、腐食性ポリマーのマトリックスにおいて配置される。より高い膨潤性腐食性ポリマーは、比較的低い膨潤性ポリマーの拡散速度係数より大きな拡散速度係数を有する。薬物放出の全期間について平均すると、より高い膨潤性ポリマーの拡散速度は、より低い膨潤性ポリマーの拡散速度より大きい。第1および第2のポリマーの間の拡散の速度におけるこのような一般的差異こそが、薬物放出の速度を制御し、薬物放出期間にわたってシステムをゼロ次薬物送達に接近させる。少なくとも1つの実施態様では、ペクチンおよびHPMCは、2:7〜4:5の間の比のより高い膨潤性ポリマーとして存在し、ゼラチンはより低い膨潤性ポリマーとして存在する。
本発明の少なくとも1つの他の実施態様では、対抗する湿潤特性を有する有効量の少なくとも2つのポリマーを含む均質なマトリックス内に組み入れられるブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる制御型放出マトリックス組成物が提供され、ここで、疎水性に対してより強い傾向を実証する少なくとも1つのポリマーが選択され、親水性に対してより強い傾向を実証する他のポリマーが選択される。少なくとも1つの実施態様では、疎水性に対してより強い傾向を実証するポリマーはエチルセルロース(EC)であるが、親水性に対してより強い傾向を実証するポリマーはヒドロキシエチルセルロース(HEC)および/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。本発明の組成物およびデバイスは、マトリックスとして提供され得、場合により、経口的に摂取される医薬品に関連するバーストおよび/または食物影響を防止し、胃腸「ステルス」特徴を付与するコーティング材料に格納され得る。少なくとも1つの実施態様に従えば、ブプロピオン塩の制御型放出のためのデバイスを調製するための方法であって、該方法は、ブプロピオン臭化水素酸塩と、5重量%〜25重量%の親水性ポリマー、および1重量%〜25重量%の疎水性ポリマーとを混和すること、適切な薬学的賦形剤、界面活性剤および潤滑剤を添加すること、混合物をイソプロピルアルコールのような溶媒で造粒すること、粒状混合物を乾燥すること、乾燥した混合物を粉砕すること、5重量%〜70重量%のエチルセルロースを添加すること、潤滑剤および場合により、滑剤を添加すること、顆粒をマトリックスに圧縮することを含んでなる。マトリックスは、場合により、胃腸格納部または薬学的に許容可能なフィルムコートに格納される。
本発明の別の実施態様では、ブプロピオン塩は、単に親水性のものよりかなり水膨潤性であり、その膨潤速度より実質的に遅い腐食速度を有し、主に拡散によってブプロピオン塩を放出するポリマーマトリックスに分散される膨潤性マトリックス剤形が提供される。膨潤性マトリックスからのブプロピオン塩の拡散の速度は、薬物粒度を増加することによって、マトリックスにおいて使用されるポリマーの選択によって、および/またはポリマーの分子量の選択によって、遅くすることができる。膨潤性マトリックスは、摂取時に膨潤する相対的に高い分子量のポリマーからなる。少なくとも1つの実施態様では、膨潤性マトリックスは、摂取時にその非膨潤容積の少なくとも2倍であり、供給態様中の胃内滞留を促進するサイズにまで膨潤する。膨潤時に、膨潤性マトリックスはまた、長期間にわたって、ガラス状ポリマーを粘稠度においてゴム状であるポリマーに、または結晶性ポリマーをゴム状のものに変換することができる。次いで、貫通した液体は、溶液拡散のプロセス、即ち、貫通した溶液におけるブプロピオン塩の溶解および膨潤性マトリックスからの溶解したブプロピオン塩の拡散によって、漸進的かつ長期の様式でブプロピオン塩の放出を生じる。膨潤性マトリックス自体は投与前には固体であり、一旦、投与されると、供給態様中に溶液拡散プロセスによってブプロピオン塩の大部分を放出させるのに十分な期間、胃液において溶解されない(即ち、胃液によって腐食されない)まま保持される。従って、膨潤性マトリックスからのブプロピオン塩の放出における速度制限因子は、膨潤性マトリックスの腐食、溶解または化学的分解ではなく、むしろ膨潤性マトリックスからのブプロピオン塩の制御型拡散である。
従って、ポリマーマトリックスの膨潤は、少なくとも次の目的:(i)マトリックスを十分に拡大して、供給態様中の胃における滞留を生じさせること;(ii)結腸分解、不活化、またはバイオアベイラビリティの消失を伴わずに、薬物がその十分な効果を有するように、薬物の放出を胃および小腸に局在化すること;(iii)薬物の拡散の速度を、薬物の胃への多時間制御型送達を提供するのに十分に長く遅延させることを達成することができる。
膨潤性マトリックス中のブプロピオン塩は、マトリックスの0.1重量%〜99重量%の有効量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、膨潤性マトリックスにおいて、膨潤性マトリックスの0.1重量%〜90重量%、他の実施態様では、5重量%〜90重量%、なお他の実施態様では、10重量%〜80重量%、およびさらになお他の実施態様では、25重量%〜80重量%の量で存在する。
本発明のこれらの実施態様に従って膨潤性マトリックスを形成する水膨潤性ポリマーは、非毒性であり、吸水膨潤時に寸法的に制限されない様式で膨潤し、改変されたブプロピオン塩の放出を提供する任意のポリマーであり得る。膨潤性マトリックスにおける使用に適切なポリマーの非限定的な例として、セルロースポリマーおよびそれらの誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、および結晶セルロース、多糖およびそれらの誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、キトサン、ポリ(ビニルアルコール)、キサンタンガム、無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、澱粉および澱粉系ポリマー、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(ポリエチレンイミン)、ポリウレタンヒドロゲル、および架橋型ポリアクリル酸およびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物が挙げられる。さらなる例として、ブロックコポリマーおよびグラフト化ポリマーを含む上記で列挙したポリマーのコポリマーが挙げられる。コポリマーの具体例として、BASF Corporation,Chemicals Div.,Wyandotte、ミシガン州、米国から市販されているポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックコポリマーであるPLURONIC(登録商標)およびTECTONIC(登録商標)が挙げられる。
本発明の膨潤性マトリックス実施態様に関するこのセクション内で使用する用語「セルロース」および「セルロース系ポリマー」は、無水グルコースの線状ポリマーを示し得る。セルロース系ポリマーの非限定的な例として、推定可能な遅延様式で胃腸(GI)管において究極的に溶解するアルキル置換セルロース性ポリマーが挙げられる。所定の実施態様では、アルキル置換セルロース誘導体は、1〜3個の炭素原子のアルキル基でそれぞれ置換されたものである。非限定的な例として、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびそれらの混合物が挙げられる。それらの粘度について、アルキル置換セルロースの1つのクラスとして、20℃における2%水溶液としての粘度が100〜110,000センチポアズの範囲内にあるものが挙げられる。もう1つのクラスとして、20℃における1%水溶液としての粘度が1,000〜4,000センチポアズの範囲内にあるものが挙げられる。所定の実施態様では、アルキル置換セルロースは、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。少なくとも1つの実施態様では、ヒドロキシエチルセルロースは、Aqualon Company、Wilmington、デラウェア州、米国から入手可能なNATRASOL(登録商標)250HX NF(National Formulary)である。
膨潤性マトリックスの所定の実施態様において使用することができるポリアルキレンオキシドとして、アルキル置換セルロースポリマーについて上記の特性を有するものが挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、ポリアルキレンオキシドは、ポリ(エチレンオキシド)であり、該用語は、本明細書において、非置換エチレンオキシドの線状ポリマーを示すために使用される。少なくとも1つの実施態様では、ポリ(エチレンオキシド)ポリマーは、4,000,000およびそれより高い分子量を有する。例えば、所定の実施態様では、ポリ(エチレンオキシド)ポリマーは、4,500,000〜10,000,000の範囲内の分子量を有し、および他の実施態様では、5,000,000〜8,000,000の範囲内の分子量を有する。所定の実施態様では、ポリ(エチレンオキシド)は、1×105〜1×107の範囲内の重量平均分子量を伴うものであり、および他の実施態様では、9×105〜8×106の範囲内である。ポリ(エチレンオキシド)は、溶液におけるそれらの粘度によって特徴付けられる。例えば、所定の実施態様では、ポリ(エチレンオキシド)は、20℃での2%水溶液について、50〜2,000,000センチポアズの粘度範囲を有する。少なくとも1つの実施態様では、ポリ(エチレンオキシド)は、1つもしくはそれ以上のPOLYOX(登録商標)NF、WSR Coagulant等級、分子量5百万、およびWSR303等級、分子量7百万、であり、両方ともUnion Carbide Chemicals and Plastics Company Inc.of Danbury、コネチカット州、米国の製品である。それらの混合物は操作可能である。
多糖ガム(天然および改変された(半合成)ものの両方)は、本発明の膨潤性マトリックス実施態様において使用することができる。非限定的な例として、デキストラン、キサンタンガム、ジェランガム、ウェランガム、ラムザンガム、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、多糖ガムはキサンタンガムである。
本発明の膨潤性マトリックスにおいて使用することができる架橋型ポリアクリル酸として、その特性が、アルキル置換セルロースおよびポリアルキレンオキシドポリマーについて上記の特性と同じであるものが挙げられる。所定の実施態様では、架橋型ポリアクリル酸は、25℃における1%水溶液について、4,000〜40,000センチポアズの範囲の粘度を伴うものである。適切な架橋型ポリアクリル酸の非限定的な例として、CARBOPOL(登録商標)NF971P、974Pおよび934P等級(BFGoodrich Co.,Specialty Polymers and Chemicals Div.、Cleveland、オハイオ州、米国)が挙げられる。適切な架橋型ポリアクリル酸のさらなる例として、Grain Processing Corporation、Muscatine、アイオワ州、米国から入手可能な澱粉/アクリレート/アクリルアミドコポリマーであるWATER LOCK(登録商標)として公知のポリマーが挙げられる。
これらのポリマーの親水性および水膨潤性は、供給態様中に導入される場合、胃において保持され得るサイズを達成するために、水の浸入により、胃空洞におけるサイズにおいて、薬物含有膨潤性マトリックスを膨潤させることができる。これらの品質はまた、膨潤性マトリックスを滑り易くし、これは、蠕動に対する耐性を提供し、さらに、胃におけるそれらの保持を促進する。膨潤性マトリックスからの薬物の放出速度は、主に、吸水膨潤の速度および薬物が溶解し、膨潤したポリマーから拡散する速度に依存し、次いで、膨潤性マトリックスにおける薬物濃度に関連する。また、これらのポリマーは胃液中で極めて緩徐に溶解するため、膨潤性マトリックスは、少なくとも実質的な期間、例えば、多くの場合、少なくとも90%、好ましくは、100%の投与期間にわたってその物理的完全性を維持する。次いで、粒子は、緩徐に溶解または分解する。完全な溶解または分解は、意図される投与期間が終了して24時間もしくはそれ以上後まで、生じなくてもよいが、ほとんどの場合、完全な溶解または分解は、投与期間の10〜24時間後内に生じる。
薬物に対するポリマーの量は、所望される薬物放出速度ならびにポリマー、その分子量、および製剤において存在し得る賦形剤に依存して変動し得る。ポリマーの量は、典型的に、摂取(または胃液における浸潤)の1時間後に、膨潤性マトリックス内の薬物の少なくとも40%を保持するのに十分である。所定の実施態様では、ポリマーの量は、摂取の1時間後に少なくとも50%の薬物がマトリックス内に保持し;他の実施態様では、少なくとも60%、およびなお他の実施態様では、少なくとも80%の薬物が、摂取の1時間後に膨潤性マトリックス内に保持するようなものである。所定の実施態様では、薬物は、10時間内に、実質的にすべてが膨潤性マトリックスから放出され;および他の実施態様では、摂取後8時間内であり、ポリマーマトリックスは、すべての薬物が放出されるまで、実質的に無傷(intact)を保持する。他の実施態様では、ポリマーの量は、2時間後、40%以下が放出され;4時間後、40〜75%が放出され;8時間後、少なくとも75%が放出され、および16時間後、少なくとも85%が放出されるようなものである。用語「実質的に無傷(intact)な」は、ポリマー部分が、胃液中で可溶化されるかまたはフラグメントもしくは小粒子への破壊による劣化を伴わずにそのサイズおよび形状を実質的に保持するポリマーマトリックスを示すために、本明細書において使用される。
他の例示的実施態様では、2時間後の膨潤性マトリックスは、40%以下のブプロピオンHBr、4時間後に40〜75%、8時間後に少なくとも75%、および16時間後に少なくとも85%放出する。
膨潤性マトリックスの水膨潤性ポリマーは、個別にまたは組み合わせで使用することができる。所定の組み合わせは、しばしば、個別に使用する場合のそれらの成分よりも薬物のより制御された放出を提供する。例として、キサンタンガムと組み合わされたヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのようなガムと組み合わされたセルロース系ポリマーが挙げられる。もう1つの例は、キサンタンガムと組み合わされたポリ(エチレンオキシド)である。
本発明の便益性は、広範な範囲の薬物充填およびポリマーレベルについて、一般に、0.01:99.99〜80:20の範囲の薬物対ポリマーの重量比によって達成することができる。例えば、所定の実施態様では、薬物充填(薬物およびポリマーの合計に対する薬物の重量パーセントで表される)は15%〜80%の範囲内にあり;他の実施態様では、30%〜80%の範囲内であり;およびなお他の実施態様では、30%〜70%の範囲内である。少なくとも1つの実施態様では、薬物充填は、0.01%〜80%の範囲内であり、および少なくとも1つの他の実施態様では、15%〜80%である。少なくとも1つの実施態様では、膨潤性マトリックスにおけるブプロピオン臭化水素酸塩対ポリマーの重量比は、15:85〜80:20である。
本発明の膨潤性マトリックスの製剤は、微小粒子、錠剤、またはカプセルに保持される微小粒子の形態をとることができる。少なくとも1つの実施態様では、製剤は、摂取のために包装された塊に統合された微小粒子を含んでなるが、包装された塊は、摂取後、個々の粒子に分離する。微小粒子をこの様式で統合するための従来の方法を使用することができる。例えば、微小粒子を、「硬」カプセルおよび「軟」カプセルとして当該分野において公知のゼラチンカプセル中に置くことができる。これらのカプセルの組成およびそれらに充填するための手順については、薬物製剤および製造における当業者に公知である。カプセル化材料は、カプセルが摂取された後、粒子が遊離され、迅速に胃に拡散されるように、高度に可溶性であるべきである。
本発明の膨潤性マトリックスの所定の実施態様では、製剤は、さらなる量のブプロピオン塩または微小粒子もしくは錠剤の外部における迅速に溶解するコーティングとして適用される他の薬物を含有する。このコーティングは「負荷量」と称され、それは、製剤中の残りの薬物が、それが放出される前に通過しなければならない拡散プロセスをはじめに経験することなく、製剤の摂取時のレシピエントの血流への即時放出のために含まれる。「負荷量」は、薬物の血中濃度を迅速に上昇させるのに十分高くあり得るが、本発明に従わずに処方された即時放出剤形に特徴的な一過的過剰用量を生じるほど高くはない。
本発明の膨潤性マトリックスの少なくとも1つの実施態様では、剤形は、薬物含浸ポリマーの2もしくは3つのペレットを含有するサイズ0のゼラチンカプセルである。2ペレットカプセルについては、ペレットは円筒形状であり、直径6.6もしくは6.7mm(またはより一般的には、6.5〜7mm)および長さ9.5もしくは10.25mm(またはより一般的には、9〜12mm)である。3ペレットカプセルについてもまた、ペレットは円筒形状であり、直径6.6mm、および長さ7mmである。2つのペレットを伴うサイズ00のゼラチンカプセルについては、ペレットは円筒形であり、直径7.5mm、および長さ11.25mmである。3つのペレットを伴うサイズ00のゼラチンカプセルについては、ペレットは円筒形であり、直径7.5mm、および長さ7.5mmである。少なくとも1つの他の実施態様では、剤形は、長さ18〜22mm、幅6.5〜10mm、および高さ5〜7.5mmの寸法の単一の長形錠剤である。少なくとも1つの他の実施態様では、剤形は、長さ18〜22mm、幅6.5〜7.8mm、および高さ6.2〜7.5mmの寸法の単一の長形錠剤である。少なくとも1つの実施態様では、寸法は、長さ20mm、幅6.7mm、および高さ6.4mmである。これらは単に例であって;形状およびサイズはかなり変動し得る。
粒状薬物/ポリマー混合物または薬物含浸膨潤性ポリマーマトリックスは、薬物製剤の化学における当業者に直ちに明らかな多様な従来の混合、粉砕および構成技術によって調製することができる。そのような技術の例として:(1)Elizabeth Carbide Die Company,Inc.,McKeesport、ペンシルバニア州、米国から入手可能なもののような適切なパンチおよび鋳型を使用する直圧;パンチおよび鋳型は15、18もしくは22加工位置のいずれかを伴うElizabeth−Hata片面Hata Auto Press機のような適切な回転式打錠プレスに装着され、Elizabeth−Hata International,Inc.,North Huntington、ペンシルバニア州、米国から入手可能である;(2)Cincinnati Milacron,Plastics Machinery Division,Batavia、オハイオ州、米国から入手可能なもののような圧縮ユニットに装着された適切な型を使用する注射または圧縮成形;(3)造粒、それに続く圧縮;ならびに(4)型または所要の長さに切断すべき押出し物へのペースト形態における押出し成形が挙げられる。
本発明の膨潤性マトリックスに関して、微小粒子が直圧によって作製される場合、潤滑剤の添加は、粉体流動を促進し、圧力が軽減される場合の微小粒子キャッピング(粒子の部分の破壊)を防止するのに役立ち、時々、重要であり得る。適切な潤滑剤の非限定的な例として、ステアリン酸マグネシウム(0.2重量5%〜3重量%の濃度で、および所定の実施態様では、粉体混合物中1重量%未満)、ならびに硬化植物油(所定の実施態様では、1重量%〜5重量%、例えば、少なくとも1つの実施態様では、2重量%でのステアリン酸およびパルミチン酸の硬化および精錬されたトリグリセリド類)が挙げられる。さらなる賦形剤を添加して、粉体流動性を増強し、付着を減少させることができる。
本発明の膨潤性マトリックスの所定の実施態様は、消化状態(また、食後または「供給」態様とも称される)にある被験体に投与する場合、有用性が認められ得る。食後態様は、胃内容物の胃内滞留または胃通過時間を決定する胃十二指腸運動活性のそれらの個別のパターンによって、空腹期(もしくは「断食」)態様との識別が可能である。
本発明の制御型放出マトリックスは、上記で列挙した特許(例えば、米国特許第5,965,161号明細書)において記載されたもののような当該分野において既知の方法によって製造することができる。制御型放出マトリックスを製造する方法の例は、ブプロピオン塩、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、および場合により、バインダー、可塑剤、ならびに上記のような他の賦形剤を含有する混合物の溶融押出しである。制御型放出マトリックスを製造する方法の他の例として、湿式造粒、乾燥造粒(例えば、スラッギング、転圧)、直圧、溶融造粒、および転動造粒が挙げられる。
さらに、圧縮するかまたはカプセル中に置くことができる制御型放出粒子は、ブプロピオン塩ならびに疎水性可融性成分および/または希釈剤、場合により、水溶性可融性材料あるいは粒状可溶性または不溶性有機もしくは無機材料を含む放出改変剤と組み合わせることによって、生成することができる。潜在的疎水性可融性成分の例として、天然もしくは合成の蝋またはオイル(例えば、硬化植物油、硬化ヒマシ油、微結晶蝋、蜜蝋、カルナウバ蝋およびモノステアリン酸グリセリル)のような疎水性材料が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、疎水性可融性成分は、35℃〜140℃の融点を有する。放出改変剤の例として、ポリエチレングリコールならびにリン酸二カルシウムおよびラクトースのような粒状材料が挙げられる。
所定の実施態様では、制御型放出マトリックスは、ブプロピオン塩、疎水性可融性成分、および場合により、水溶性可融性材料あるいは粒状可溶性または不溶性有機もしくは無機材料を含む放出成分の混合物を、凝集物を生じる混合条件下で機械的に作用させること、凝集物を分解して、所望される放出特性を有する制御型放出シードを生成すること;ならびに場合により、さらなるキャリアまたは希釈剤を添加することおよび所望される放出特性を有する制御型放出シードが得られるまで混合工程を反復することによって、生成することができる。これらの粒子はまた、サイズ分別することができる(例えば、篩い分けによって、そして、カプセル内にカプセル化されるかまたはマトリックスに圧縮される)。
上述の方法において使用される疎水性可融性材料は、10重量%〜90重量%の範囲である。そのような方法において有用なミキサーは公知であり、ステンレス鋼製内部を伴う従来の高速ミキサーを含む。例えば、混合物は、40℃もしくはそれ以上の層温度が実現するまで処理され得、混合物は所望される粒度を含んでなる付着性粒状テクスチャを達成する。
上述のように、混合物が凝集物を含有する場合、それらは、適切なサイズの篩い分け、スクリーニングまたはメッシュを使用してサイズ分別することができる所望されるサイズの粉体および粒子の混合物を生成するための従来の方法を使用して、分解することができる。この材料は、高速ミキサーに戻すことができ、疎水性可融性材料が軟化/融解し始めるまで、所望されるとおりにさらに処理され、場合によりさらなる疎水性材料を添加することができ、所望されるサイズを有する粒子が得られるまで混合が継続される。なおさらに、ブプロピオン塩を含有する粒子は、当該分野において公知の融解プロセシングによって生成され、カプセルに合併されるか、またはマトリックスに圧縮され得る。
これらの粒子は、1つもしくはそれ以上の賦形剤、例えば、希釈剤、潤滑剤、結合剤、流動補助剤、崩壊剤、界面活性剤、水溶性材料、着色剤などと組み合わせることができる。
さらに、制御型放出マトリックスは、場合により、周知のコーティング方法を使用して、1つもしくはそれ以上の機能性または非機能性コーティングでコーティングすることができる。コーティングの例として、ブプロピオン塩の放出および/または他の薬物をさらに制御することができる本明細書に記載のXL制御放出性コートおよびEAマトリックスコーティングを挙げることができる。
少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックスを、少なくとも1つの味マスキング性コーティングでそれぞれコーティングすることができる。味マスキング性コーティングは、マトリックスにおけるブプロピオン塩の味を遮蔽することができる。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティング製剤は、ポリマー成分を含有する。本発明の目的に一致する他の賦形剤もまた、味マスキング性コーティングにおいて使用することができることが想定される。
マトリックス剤形の少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングは、使用前に有機溶媒に可溶化された乾燥ポリマー(例えば、Ethocel(登録商標)、Dow Corning)としてまたは水性分散体として使用することができるエチルセルロースのようなポリマーを含んでなる。エチルセルロースの1つの市販の水性分散体は、Aquacoat(登録商標)(FMC Corp.、Philadelphia、ペンシルバニア州、米国)である。Aquacoat(登録商標)は、水非混和性有機溶媒にエチルセルロースを溶解し、次いで、それを、界面活性剤および安定剤の存在下で水中に乳化することによって、調製することができる。均質化してサブミクロン液滴を作製した後、擬ラテックスから減圧下で有機溶媒をエバポレートする。製造段階中、可塑剤は擬ラテックスに組み入れられない。従って、それをコーティングとして使用する前に、使用前にAquacoatを適切な可塑剤と緊密に混合する。エチルセルロースの別の水性分散体は、Surelease(登録商標)(Colorcon,Inc.、West Point、ペンシルバニア州、米国)として市販されている。この生成物は、製造プロセス中に可塑剤を分散体に組み入れることによって調製することができる。ポリマー、可塑剤(例えば、セバシン酸ジブチル)、および安定剤(例えば、オレイン酸)のホットメルトを、均質な混合物として調製し、次いで、アルカリ溶液で希釈して、基体に直接適用することができる水性分散体を得る。
マトリックス剤形の他の実施態様では、ポリメタクリレートアクリル系ポリマーは、味マスキング性ポリマーとして用いることができる。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングは、Eudragit(登録商標)の商標でRohm PharmaからまたはKollicoat(登録商標)の商標でBASFから市販されているもののような水性分散体の形態で使用されるアクリル樹脂ラッカーである。さらなる好適な実施態様では、アクリルコーティングは、それぞれEudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSの商標でRohm Pharmaから市販の2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含んでなる。Eudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSは、低含有量の第四級アンモニウム基を伴うアクリルおよびメタクリルエステルのコポリマーであり、アンモニウム基対残りの中性(メタ)アクリルエステルのモル比は、Eudragit(登録商標)RLにおいて1:20およびEudragit(登録商標)RSにおいて1:40である。平均分子量は150,000である。コード表示RL(高透過性)およびRS(低透過性)は、これらの薬剤の透過特性を指す。Eudragit(登録商標)RL/RS混合物は、水および消化液に不溶性である。しかし、それらから形成されるコーティングは、水溶液ならびに消化液において膨潤性および透過性である。本発明のEudragit(登録商標)RL/RS分散体または溶液は、究極的に所望の薬物溶解プロファイルを有する味マスキング性コーティングを得るために、所望される任意の比で共に混合することができる。所望の制御型放出製剤は、例えば、100%Eudragit(登録商標)RL;50%Eudragit(登録商標)RLと50%Eudragit(登録商標)RS;および10%Eudragit(登録商標)RLと90%Eudragit(登録商標)RSから誘導される遅延コーティング(retardant coating)から得ることができる。
マトリックス剤形の他の実施態様では、味マスキング性ポリマーはまた、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性のメタクリル酸エステル(例えば、Eudragit(登録商標)E、Rohm Pharmaから市販のされている)に基づく特徴のカチオン性であるポリマーを含むことができる。本発明の疎水性アクリル系ポリマーコーティングは、Eudragit(登録商標)NE(NE=中性エステル)(Rohm Pharmaから市販されている)のようなポリ(メタ)アクリレートに基づく中性のコポリマーをさらに含むことができる。Eudragit(登録商標)NE30Dラッカーフィルムは、水および消化液に不溶性であるが、透過性および膨潤性がある。
マトリックス剤形の他の実施態様では、味マスキング性ポリマーは、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(Kollicoat(登録商標)EMM30D、BASF)の分散体である。
マトリックス剤形の他の実施態様では、味マスキング性ポリマーは、Kollicoat(登録商標)SR30D(BASF)のようなポリビニルピロリドンおよびラウリル硫酸ナトリウムで安定化されたポリビニルアセテートであり得る。
マトリックス剤形において使用される他の味マスキング性ポリマーとして、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ヒドロキシエチルセルロース;ゼラチン;ゼラチン/アカシア(Acacia);ゼラチン/アカシア(Acacia)/ビニルメチルエーテル無水マレイン酸;ゼラチン/アカシア(Acacia)/エチレン無水マレイン酸;カルボキシルメチルセルロース;ポリビニルアルコール;ニトロセルロース;ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー;シェラック;蝋およびそれらの混合物が挙げられる。
味マスキング性コーティングは、1つもしくはそれ以上の有機または水性の溶媒溶液あるいは懸濁液由来のマトリックスに適用することができる。マトリックス剤形の少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングを適用するために使用することができる有機溶媒として、1つもしくはそれ以上のアセトン、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコールおよびアルコール/水混合物、塩素化炭化水素などが挙げられる。本発明のマトリックスを味マスキング性コーティングでコーティングするために使用されるデバイスとして、流動層コーティングデバイスのような薬学的プロセシングにおいて従来使用されるようなものが挙げられる。マトリックスに適用される制御放出性コーティングは、セルロース系以外の成分を含有することができる。1つもしくはそれ以上の着色剤、風味付け剤(flavorants)、甘味剤もまた、味マスキング性コーティングにおいて使用することができる。
マトリックス剤形のいくつかの実施態様では、マトリックスからのブプロピオン臭化水素酸塩の放出の速度に影響を及ぼすために、孔形成物を味マスキング性コートに封入することができる。他の実施態様では、孔形成物は味マスキング性コートに含まれない。孔形成物は、無機系または有機系であり得、天然の粒子であってもよく、使用環境においてコーティングから溶解、抽出、または浸出させることができる材料を含む。使用環境における液体への暴露時に、例えば、孔形成物を溶解し、環境液体で満たすチャンネルおよび孔を形成させることができる。
例えば、マトリックス剤形の所定の実施態様の孔形成物は、製剤の放出特徴を改変するために、1つもしくはそれ以上の水溶性親水性ポリマーを含んでなることができる。形成物として使用される適切な親水性ポリマーの例として、ヒドロキシメチルセルロース、セルロースエーテルおよびこれらのポリマーのタンパク質誘導性材料、セルロースエーテル、特に、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースが挙げられる。また、合成水溶性ポリマーを使用することができ、例えば、その例として、ポリビニルピロリドン、架橋型ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドなど、水溶性ポリデキストロース、糖類および多糖類、例えば、プルラン、デキストラン、スクロース、グルコース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、マンノース、ガラクトース、およびソルビトールを挙げることができる。少なくとも1つの実施態様では、親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなる。
孔形成物の他の非限定的な例として、アルカリ金属塩、例えば、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。孔形成固体はまた、Carbowaxes、およびCarbopolのような使用環境において可溶性であるポリマーであり得る。さらに、孔形成物は、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコール、およびポリ(a−w)アルキレンジオールを包含する。本発明の製剤において有用であり得る他の孔形成物として、澱粉、加工澱粉、および澱粉誘導体、次のものを含むがこれらに限定されないガム、キサンタンガム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、ベントナイト、ビーガム(veegum)、寒天、グアー、ローカストビーンガム、アラビアガム、マルメロ(quince)、オオバコ(psyllium)、アマニ種子、オクラガム、アラビノグラクタン(arabinoglactin)、ペクチン、トラガント、スクレログルカン、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、デキストリンなど、架橋型リビニルピロリドン、イオン交換樹脂、例えば、カリウムポリメタクリレート、カラギーナン、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、カラヤガム(gum karaya)、生合成ガムなどが挙げられる。他の孔形成物として、使用環境において微小孔層を作製するのに有用な材料、例えば、ポリマー鎖において炭酸基が繰り返し生じる炭酸の線状ポリエステルからなるポリカーボネート、微孔性材料、例えば、ビスフェノール、微孔性ポリ(ビニルクロリド)、微孔性ポリアミド、微孔性モダクリルコポリマー、微孔性スチレン−アクリル系およびそのコポリマー、多孔性ポリスルホン、ハロゲン化ポリ(ビニリデン)、ポリクロロエーテル、アセタールポリマー、アルキレンポリオールによるジカルボン酸または無水物のエステル化によって調製されるポリエステル、ポリ(アルキレンスルフィド)、フェノール系、ポリエステル、非対称多孔性ポリマー、架橋型オレフィンポリマー、減少したバルク密度を有する親水性微孔性ホモポリマー、コポリマーまたはインターポリマー、および他の類似の材料、ポリ(ウレタン)、架橋型鎖伸長型ポリ(ウレタン)、ポリ(イミド)、ポリ(ベンズイミダゾール)、コロジオン、再生タンパク質、半固体架橋型ポリ(ビニルピロリドン)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
一般に、マトリックス剤形の所定の実施態様の味マスキング性コーティングに含まれる孔形成物の量は、ポリマーおよび孔形成物の組み合わされた量に対して0.1%〜80重量%であり得る。それが味マスキング性ポリマーの乾燥重量に関連するときの孔形成物の百分率は、コーティングされたマトリックスの薬物放出特性に対して影響を及ぼし得る。ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性孔形成物を使用する少なくとも1つの実施態様では、10:1〜1:1の間の味マスキング性ポリマー:孔形成物乾燥重量比が存在し得る。所定の実施態様では、味マスキング性ポリマー:孔形成物乾燥重量比は、8:1〜1.5:1、および他の実施態様では、6:1〜2:1である。味マスキング性ポリマーとしてEudragit(登録商標)NE30Dおよび水溶性孔形成物としてMethocel(登録商標)E5、Pharmacoat606Gのようなヒドロキシプロピルメチルセルロース(約5cps粘度(2%水溶液中))を使用する少なくとも1つの実施態様では、2:1の味マスキング性ポリマー:孔形成物乾燥重量比が存在する。
マトリックス剤形の所定の実施態様の味マスキング性コーティングにおいて使用することができる着色剤として、食品、薬品および化粧品着色料(FD&C)、薬品および化粧品着色料(D&C)または外部薬品および化粧品着色料(Ext.D&C)が挙げられる。これらの着色料は、染料、レーキ、ならびに所定の天然および誘導された着色剤である。有用なレーキとして、水酸化アルミニウムまたは他の適切なキャリアに吸収された染料が挙げられる。
マトリックス剤形の所定の実施態様の味マスキング性コーティングにおいて使用することができる風味付け剤(flavorants)として、天然および合成の風味付け液が挙げられる。そのような風味付け剤(flavorants)の例示的リストとして、揮発油、合成香油、風味付け芳香剤、オイル、液、オレオレジンならびに植物、葉、花、果実、茎およびそれらの組み合わせから誘導される抽出物が挙げられる。これらの非制限的代表的リストとして、レモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツのような柑橘系のオイル、ならびにリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコットを含む果実精油、または他の果実風味付けが挙げられる。他の有用な風味付け剤(flavorants)として、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド);シトラール、即ち、α−シトラール(レモン、ライム);ネラール、即ち、β−シトラール(レモン、ライム);デカナール(オレンジ、レモン);アルデヒドC−8(柑橘類);アルデヒドC−9(柑橘類);アルデヒドC−12(柑橘類);トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド);2,6−ジメチルオクタナール(熟していない果実);2−ドデナール(2−dodenal)(柑橘類のマンデリン);それらの混合物などのようなアルデヒドならびにエステルが挙げられる。
マトリックス剤形の所定の実施態様の味マスキング性コーティングにおいて使用することができる甘味剤として、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびそれらの混合物(キャリアとして使用されない場合);サッカリンおよびナトリウム塩のようなその多様な塩;アスパルテームのようなジペプチド甘味剤;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;ステビア(ステビオシド);スクラロースのようなクロロ誘導体またはスクロース;ならびにソルビトール、マンニトール、キシリトールなどのような糖アルコールが挙げられる。また、硬化澱粉加水分解物ならびに3,6−ジヒドロ−6−メチル−1−1−1,2,3−オキサチアジン−4−1−2,2−ジオキシド、特に、そのカリウム塩(アセスルファム−K)、ならびにナトリウムおよびカルシウム塩のような合成甘味剤も想定される。甘味剤は、単独またはそれらの任意の組み合わせで使用することができる。
マトリックス味マスキング性コートはまた、潤滑剤、乳化薬剤、消泡剤、可塑剤、溶媒などのような1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含むことができる。
潤滑剤は、製造中のコーティングされたマトリックスの摩擦を減少するのに役立たせるために封入することができる。本発明の味マスキング性コートにおいて使用することができる潤滑剤として、アジピン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硬化植物油、塩化ナトリウム、ステロテックス(sterotex)、ポリオキシエチレン、モノステアリン酸グリセリル、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、軽質性鉱物油、ベヘン酸グリセリルのような蝋脂肪酸エステル(即ち、CompritolTM)、Stear−O−WetTM、MyvatexTMTLおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクから選択される。これらの潤滑剤の組み合わせは操作可能である。潤滑剤は、それぞれ、味マスキング性コートにおけるポリマー乾燥重量の1重量%〜100重量%の量で存在することができる。例えば、味マスキング性ポリマーが疎水性孔形成物を伴うEudragit(登録商標)NE30DまたはEudragit(登録商標)NE40D(Rohm America LLC)である所定の実施態様では、潤滑剤は、ポリマー乾燥重量の1重量%〜30重量%の量で存在し;他の実施態様では、マトリックス味マスキング性コート乾燥重量の2重量%〜20重量%;およびなお他の実施態様では、10重量%で存在する。味マスキング性ポリマーがエチルセルロース(EthocelTMPR100、PR45、PR20、PR10もしくはPR7ポリマー、またはそれらの混合物)である別の実施態様では、潤滑剤は、マトリックス味マスキング性コート乾燥重量の10重量%〜100重量%の量で存在することができ;別の実施態様では、マトリックス味マスキング性コート乾燥重量の20重量%〜80重量%;なお別の実施態様では、50重量%で存在することができる。他の実施態様では、味マスキングコートは孔形成物を含まない。
乳化剤(乳化薬剤またはエマルジェント(emulgent)とも呼ばれる)は、コートの製造中実際のの乳化を容易にし、また、製品の貯蔵寿命中のエマルジョン安定性を確実にするためにマトリックス味マスキング性コートに封入することができる。マトリックス味マスキング性コート組成物に有用な乳化剤として、天然に存在する材料および多糖のようなそれらの半合成誘導体、ならびにグリセロールエステル、セルロースエーテル、ソルビタンエステル、(例えば、モノオレイン酸ソルビタンもしくはSpanTM80)、およびポリソルベート(例えば、TweenTM80)が挙げられるが、これらに限定されない。乳化剤の組み合わせは操作可能である。少なくとも1つの実施態様では、乳化剤はTweenTM80である。乳化剤は、マトリックス味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.01重量%〜5重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、乳化剤は、マトリックス味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.05重量%〜3%の量で存在し;他の実施態様では、0.08重量%〜1.5重量%、およびなお他の実施態様では、0.1重量%で存在する。
消泡剤は、コートの製造中の泡沫または泡を減少するために、マトリックス味マスキング性コートに封入することができる。コート組成物に有用な消泡剤として、シメチコン、ポリグリコール、シリコンオイル、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、消泡剤はシメチコンC(Simethicone C)である。消泡剤は、マトリックス味マスキング性コート重量の0.1%〜10%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、消泡剤は、マトリックス味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.2重量%〜5重量%の量で存在し;他の実施態様では、0.3重量%〜1.5重量%、およびなお他の実施態様では、0.6重量%で存在する。
製造中に増加された可撓性および耐久性を提供するために、マトリックス味マスキング性コートに可塑剤を封入することができる。マトリックス味マスキング性コートにおいて使用することができる可塑剤として、アセチル化モノグリセリド;クエン酸アセチルトリブチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;トリプロピオン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;クエン酸アセチルトリエチル、ポリエチレングリコール;ヒマシ油;菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、グリセリンソルビトール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル(dietylfmerate)、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、三酪酸グリセロール、およびそれらの混合物が挙げられる。可塑剤は、味マスキング性ポリマー乾燥重量の1%〜80%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、味マスキング性ポリマー乾燥重量の5%〜50%の量で存在し、他の実施態様では、10%〜40%、およびなお他の実施態様では、20%で存在する。
ポリマーの選択、ポリマー:孔形成物の比、およびマトリックス製剤の全表面積に依存して、味マスキング性コーティングは、マトリックスの1%〜90重量%の量で存在することができる。有効な味マスキングを達成するために、味マスキング性コーティングの所定の厚さを達成しなければならないため、製造中に使用される味マスキング性ポリマーコーティングの量は、コーティングを必要とするコーティングされていないマトリックスのバッチの全表面積に関連する。例えば、味マスキング性ポリマー表面積適用範囲は、0.5mg/cm2〜20mg/cm2の範囲であり得る。例えば、所定の実施態様では、味マスキング性ポリマーの表面積適用範囲は、0.6mg/cm2〜10mg/cm2、および他の実施態様では、1mg/cm2〜5mg/cm2である。本発明の少なくとも1つの実施態様では、Eudragit(登録商標)Eは、4mg/cm2の表面積適用範囲で味マスキング性ポリマーとして用いられる。
マトリックスの全表面積の正確な決定が存在しないときは、適用すべき味マスキング性ポリマーの量は、コーティングされていないマトリックスの百分率として表現することができる。例えば、所定の実施態様では、味マスキング性コーティングは、マトリックスの5重量%〜60重量%の量で存在し;他の実施態様では、マトリックスの10重量%〜40重量%;およびなお他の実施態様では、マトリックスの15重量%〜35重量%である。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングは、マトリックスの30重量%の量で存在する。
マトリックス錠剤製剤のさしあたりの実施例を下記に示す。これらの実施例は例示的であることが意図され、異なる放出特徴を達成するために、特定の構成分、その量、および処方方法がそれらから変動され得ることが理解されるべきである。
少なくとも1つの実施態様では、制御型マトリックスは以下を含んでなる。
マトリックス製剤の調製は次のとおりであり得る:プラネタリーミキサーにおいて薬物、各HPMCの一部、リン酸カルシウムおよびAtmul84Sを合わせ、15分間、乾燥混合する。湿潤塊が得られるまで、HPMCの残りの水中溶液を、混合しながらミキサーに添加する。湿潤材料を、スクリーンを介して通過させて、一様なサイズで得られる顆粒を作製し(一様な乾燥を達成するため)、オーブン中、40℃で、24時間、乾燥させる。Fitzpatrick Mill(前方刃)を介して乾燥した下流を粉砕し、ミキサー中に材料を回収する。ステアリン酸マグネシウムを添加し、5分間、混合する。得られる混合物を、適切な錠剤プレス上で打錠する。
少なくとも1つの実施態様では、制御型放出マトリックスは、デポジット−コアおよび支持プラットホームを含んでなる。デポジット−コアの調製は次のとおりであり得る:デポジット−コアは、以下の材料を記載の量で使用して、調製することができる。
ブプロピオンHBrを、適切なミキサーにおいて、マンニトールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースと緊密に混合する。エタノール−クロロホルム中エチルセルロースの溶液を個別に調製し、予め得られる粉体混合物を湿潤させるために使用する。得られる均質な塊を、800ミクロンスクリーンを介して押し込み、次いで、乾燥させて、420ミクロンスクリーンを介して通過する顆粒を得る。得られる均質な顆粒をステアリン酸マグネシウムと混合し、次いで、3000kg/cm2の圧力を使用する直径7mm(曲率半径9mm)の凹面パンチを使用して圧縮し、凸面基部を伴う円筒形デポジット−コアを得る。
支持プラットホームの適用は次のとおりであり得る:支持プラットホームは、15gの低透過性アクリル−メタクリルコポリマー(Eudragit RS Rohm Pharma)の塩化メチレン中溶液(100mlの量にする)で、デポジットコアの凹面基部の一方または両方をコーティングすることによって、適用することができる。その後、側方コア表面を保護するように注意しながら、前記溶液の0.3mlを、被覆しようとする各基部に適用する。次いで、システムを、微温空気で乾燥する。被着したポリマー材料の量は、移送中の構造を無傷(intact)に保つのに十分である。
少なくとも1つの実施態様では、マトリックス製剤は、以下を含んでなるPEOを基剤とする錠剤マトリックス製剤である。
PEOを基剤とする錠剤マトリックス製剤の調製は次のとおりであり得る:適切なミキサーにおいて賦形剤を乾燥混和し、従来の装置を使用して、錠剤に圧縮する。
多粒子
微小粒子
本発明の所定の実施態様では、それぞれが有効量のブプロピオン塩および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含有する複数の微小粒子を含有する多粒子システムが提供される。少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン塩はブプロピオン臭化水素酸塩である。多粒子は、カプセル内に含有させることができるか、または摂取時に溶解して複数のユニット(例えば、ペレット)になるマトリックスもしくは錠剤に圧縮することができ、ここで、サブユニットまたはペレットは、剤形の所望される制御型放出特性を所有する。多粒子または複数の単位剤形は、1つもしくはそれ以上のコーティングによって取り囲むことができる。そのようなコーティングの例として、ポリマー性制御型放出コーティング、遅延放出コーティング、腸溶性コーティング、即時放出コーティング、味マスキング性コーティング、徐放性コーティング、および非機能的コーティングが挙げられる。
微小粒子中のブプロピオン塩は、微小粒子の0.1重量%〜99重量%の有効量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、微小粒子の微小粒子において、0.1重量%〜90重量%、他の実施態様では、5重量%〜90重量%、なお他の実施態様では、10重量%〜80重量%、およびさらになお他の実施態様では、25重量%〜80重量%の量で存在する。球状化プロセスを使用して微小粒子が製造される所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、微小粒子において、微小粒子の0.1重量%〜60重量%;そのような他の実施態様では、5重量%〜50重量%;およびそのようななお他の実施態様では、10重量%〜40重量%の量で存在することができる。球状化プロセスを使用して微小粒子が製造される少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、微小粒子において、微小粒子の30重量%の量で存在する。
ブプロピオン塩に加えて、本発明の微小粒子はまた、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。賦形剤を添加して、製剤において、薬物送達システムとしての剤形の患者受容性および機能化を容易にすることができる。賦形剤として、球状化助剤、溶解増強剤、崩壊剤、希釈剤、潤滑剤、バインダー、充填剤、滑剤、懸濁剤、乳化剤、消泡剤、風味付け剤、着色剤、化学安定剤、pH改変剤などが挙げられる。意図される主な機能に依存して、組成物を処方するのに使用すべき賦形剤は、異なるグループに下位範疇化される。しかし、1つの賦形剤は、一連の方法で組成物の特性に影響を及ぼすことができ、それ故、組成物において使用される多くの賦形剤は、多機能的であると述べることができる。
本発明の微小粒子は、当業者に公知の標準的な技術を使用して、製造することができる。有用な微小粒子として、薬物層型微小粒子および薬物含有微小粒子が挙げられる。
薬物含有微小粒子
コアにおいて薬物を含有する微小粒子は、異なる多くの手順によって調製することができる。例えば:噴霧乾燥プロセスでは、コア材料の水溶液およびポリマーの熱溶液を熱気体中へ霧化させ、次いで、水を蒸発させて、乾燥固体を、例えば、気中懸濁によって、ペレットの形態で分離する。噴霧乾燥プロセスは、小滴内部へ戻る溶解した物質の拡散より速い速度で液体が蒸発する場合、または毛管作用により、溶解した物質が液体から小滴表面に移動し、空隙を残す場合、中空のペレットを生成することができる。もう1つの例は噴霧凝固プロセスであって、ここで、融解した塊に不溶性である薬物材料のスラリーが噴霧凝固され、凝固した物質でコーティングされた不溶性材料の個別の粒子が得られる。さらなる例は、流動層に基づく造粒/ペレット化プロセスであって、ここで、乾燥薬物は、熱気体流に懸濁され、一定に撹拌された流動層を形成する。次いで、ある量のバインダーまたは造粒液が、微細に分散された形態で導入され、ペレット化を生じる。
本発明の薬物含有微小粒子はまた、例えば、球状化プロセスによって作製することができる。薬物含有微小粒子を製造する1つの方法は、乾燥粉体システムを一様なサイズおよび形状の微小粒子に変換するために独自に設計された装置を使用する、フラッシュ熱および遠心力の同時使用である本出願人独自のCEFORMTM(Centrifugally Extruded & Formed Microspheres/Microparticles)技術である。このCEFORMTM技術を使用する有効な薬物を含有する微小粒子の生成については、米国特許第5,683,720号明細書に記載されている。この特許は、1つもしくはそれ以上の有効な薬物を含有する組成物を球状化して、LIQUIFLASH(登録商標)微小粒子を形成するためのLIQUIFLASH(登録商標)プロセシングの使用を扱っている。
CEFORMTM技術について、本発明の薬物含有微小粒子のプロセシングは、連続形式で行われ、それによって、薬物および賦形剤のプレ混和物が、回転している「微小球ヘッド」(「球状化ヘッド」とも呼ばれる)に供給される。マルチアパーチャ生産ユニットである微小球ヘッドは、その軸上で回転し、電気出力によって加熱される。薬物および賦形剤プレ混和物は、自動化供給装置を伴うヘッドの中央部に供給される。材料は、遠心力を介して、外方のリムに移動し、ここで、ヘッドのリムに局在するヒーターが材料を加熱する。溶融した材料がヘッドから退出する場合、微小粒子が形成され、次いで、それらが微小粒子チャンバの底部に落ちると、対流によって冷却される。次いで、生成物が冷却され、適切な製品容器に貯蔵される。賦形剤のタイプおよびレベルの注意深い選択によって、球形度、表面形態学、および溶解速度のような微小粒子特性が制御される。そのようなプロセスの1つの利点は、何ら溶媒の使用を伴わずに、乾燥供給原料から微小粒子が生成および回収されることである。
CEFORMプロセスを使用して、薬物含有微小粒子を生成するために使用することができる少なくとも2つのアプローチ:(i)カプセル化アプローチおよび(ii)共融解アプローチが存在する。カプセル化アプローチでは、プロセスは、薬物の融点未満で行われる。従って、賦形剤は、微小粒子を形成させるためにアパーチャを介して通過させるときに薬物粒子を融解およびエントレインするように設計される。得られる微小粒子は、再凝固された賦形剤を伴う緊密なマトリックスによって、または該マトリックスとして、本質的に包囲される薬物をその生来の状態で含有する。共融解アプローチでは、プロセスは、薬物の融点を超えて行われる。この場合、薬物および賦形剤は、熱への暴露と同時に融解するかまたは液体になる。融解した混合物は、ヘッドから退出し、微小粒子を形成し、それらが回収される回収部の底部にそれらが落ちるときに放冷される。
少なくとも1つの実施態様では、微小粒子は、カプセル化アプローチを用いて製造される。カプセル化アプローチでは、選択される賦形剤は、それらと組み合わされる薬物より低い融点を有する。従って、球状化プロセスは、薬物の融点より低い温度で実施される。結果として、これは、融点に近いプロセシング温度を使用する場合に生じ得るポリマー相互変換の危険性を減少し得る。
本発明の所定の実施態様のさしあたりの実施例では、微小粒子の製造プロセスは、仮定的に次のとおりであり得る:球状化助剤を、425ミクロン(μm)スクリーンを介してスクリーニングする。少なくとも1つの実施態様では、球状化助剤は、蒸留モノステアリン酸グリセリル(即ち、DMG−03VF)である。50%の球状化助剤を、高剪断ミキサーのボウルに添加する。少なくとも1つの実施態様では、ボウルは6リットルボウルであり、高剪断ミキサーは、Diosna P1−6高速ミキサー造粒装置である。次いで、有効な薬物をミキサーのボウルに添加し、次いで、球状化助剤の残りを添加する。次いで、材料を、1分間〜30分間;好ましくは、3分間〜10分間;およびより好ましくは、6分間の時間、ミキサーにおいて混和する。ミキサーのモーター速度は、50rpm〜2000rpm;好ましくは、200rpm〜500rpm;およびより好ましくは、300rpmである。チョッパーのモーター速度は、50rpm〜2000rpm;好ましくは、200rpm〜500rpm;およびより好ましくは、400rpmである。次いで、混和された材料を、CEFORMTM球状化ヘッドにおいて球状化する。球状化ヘッド速度は、5Hz〜60Hz;好ましくは、10Hz〜30Hz;およびより好ましくは15Hzである。少なくとも1つの実施態様では、CEFORMTM球状化ヘッドは、5インチヘッドである。球状化ヘッドの温度は、70℃〜130℃;好ましくは、90℃〜110℃;およびより好ましくは、100℃の温度で維持される。次いで、回転プロセスから得られる微小粒子を、150μm〜800μmであるスクリーンを介してスクリーニングする。
CEFORMTMプロセスのような球状化プロセスを使用して製造される微小粒子では、微小粒子は、ブプロピオン塩に加えて、少なくとも1つの球状化助剤を含む。球状化助剤は、堅牢な耐久性のある球状粒子を形成するために薬物含有混合物を援助することができる。球状化助剤として有用な材料のいくつかの例として、モノステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、CutinaTMHRの名称で市販されている硬化ヒマシ油のような硬化油、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムのような脂肪酸塩、マンニトール、ソルビトール、キシリトールのようなポリオール、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエーテル、PEG−32ジステアレート、PEG−150ジステアレートのようなエステル化ポリオキシエチレン、セトステアリルアルコール、蝋(例えば、カルナウバ蝋、白蝋、パラフィン蝋)および蝋様材料が挙げられるが、これらに限定されない。所定の熱可塑性または熱軟化性ポリマーもまた、球状化助剤として機能することができる。そのような熱可塑性または熱軟化性ポリマーのいくつかの非限定的な例として、ポビドン(Povidone)、セルロースエーテルおよびポリビニルアルコールが挙げられる。球状化助剤の組み合わせを使用することもできる。少なくとも1つの実施態様では、球状化助剤は、モノステアリン酸グリセリル(即ち、DMG−03VF)である。球状化助剤は、微小粒子の0.1重量%〜99重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、粒状化助剤は、微小粒子の5重量%〜90重量%;他の実施態様では、10重量%〜80重量%;なお他の実施態様では、20重量%〜70重量%;およびさらになお他の実施態様では、30重量%〜60重量%の量で存在する。少なくとも1つの実施態様では、球状化助剤は、微小粒子の50重量%の量で存在する。少なくとも1つの他の実施態様では、微小粒子は、50%(w/w)のブプロピオン臭化水素酸塩および50%(w/w)の球状化助剤を含む。
所定の実施態様では、それぞれの微小粒子はまた、少なくとも1つの溶解増強剤を含むことができる。溶解増強剤は、界面活性剤であり得る。本発明の所定の実施態様は、疎水性界面活性剤である溶解増強剤を含む。疎水性界面活性剤を使用して:微小粒子におけるブプロピオン塩の増加した溶解度;ブプロピオン塩の改善された溶解;溶解時のブプロピオン塩の改善された球状化;ブプロピオン塩の増強された吸収および/またはバイオアベイラビリティを含む組成物に有利ないくらかの特徴のいずれかを提供することができる。親水性界面活性剤は、単一の親水性界面活性剤または親水性界面活性剤の混合物であり得、イオン性または非イオン性であり得る。
同様に、本発明の他の多様な実施態様は、親油性界面活性剤であり得る親油性成分を含み、親油性界面活性剤の混合物、トリグリセリド、またはそれらの混合物を含む。親油性界面活性剤は、親水性界面活性剤について上記で列挙した有利な特徴のいずれかを提供することができ、ならびに界面活性剤の機能をさらに増強する。これらの多様な実施態様を以下に詳細に記載する。
当該分野において周知であるように、用語「親水性」および「親油性」は相対的な用語である。界面活性剤として機能するために、化合物は、極性または荷電した親水性部分ならびに非極性疎水性(親油性)部分を含み、即ち、界面活性化合物は両親媒性である。非イオン性両親媒性化合物の相対的親水性および親油性を特徴付けるために一般に使用される経験的パラメータは、親水性−親油性バランス(「HLB」値)である。より低いHLB値を伴う界面活性剤ほど、親油性がさらに高く、オイルにおいてより大きな溶解度を有するが、より高いHLB値を伴う界面活性剤ほど、親水性がさらに高く、水溶液においてより大きな溶解度を有する。
大雑把な指針としてHLB値を使用して、親水性界面活性剤は、一般的に、10を超えるHLB値を有するそれらの化合物、ならびにHLB尺度が一般的に適用可能でないアニオン性、カチオン性、または両イオン性化合物とみなすことができる。同様に、親油性界面活性剤は、10未満のHLB値を有する化合物であり得る。
表面活性剤のHLB値は、産業的、薬学的および化粧品のエマルジョンの製剤を確実にするために一般的に使用される大雑把な指針であることを理解するべきである。いくらかのポリエトキシル化表面活性剤を含む多くの重要な表面活性剤について、HLB値は、HLB値を決定するために選択される経験的方法に依存して、8HLB単位も多く異なり得ることが報告されている(ショット,J.(Schott,J.)Pharm.Sciences,79(1),87−88(1990年))。同様に、ブロックコポリマーを含有する所定のポリプロピレンオキシド(PLURONIC(登録商標)界面活性剤、BASF Corp.として市販のポロキサマー)については、HLB値は、化合物の真の物理化学的性質に正確には反映しないかもしれない。最終的に、市販の界面活性剤製品は、一般的に、純粋な化合物ではなく、しばしば、化合物の複雑な混合物であり、特定の化合物について報告されるHLB値は、より正確には、化合物を主成分とする商業製品の特徴とみなしてよい。同じ主要な界面活性剤成分を有する異なる商業製品は、異なるHLB値を有し得、また典型的にそのようである。さらに、所定の量のロット間のばらつきは、単一の市販の界面活性剤製品についてであっても予想される。これらの本質的困難に留意し、指針としてHLB値を使用すれば、当業者は、本明細書において記載のような本発明における使用のための適切な親水性または親油性を有する界面活性剤を容易に同定することができる。
溶解増強剤は、薬学的組成物における使用に適切な任意の界面活性剤であり得る。適切な界面活性剤は、アニオンセイ、カチオン性、両イオン性または非イオン性であり得る。そのような界面活性剤は、本明細書の表81〜98において詳述される以下の一般的化学的クラスに分けることができる。以下の表81〜98に記載のHLB値は、一般的に、対応する商業製品の製造者によって報告されるHLB値を提示する。1を超える商業製品が列挙される場合、表のHLB値は、商業製品のうちの1つについて報告された値、報告された値の大まかな平均、または本発明者らの判断において、より信頼できる値である。
本発明は、代表的ではあるが、排他的ではない利用可能な界面活性剤のリストを示す表81〜98の界面活性剤に限定されないことが強調されるべきである。さらに、精錬、蒸留もしくは分画された界面活性剤、その精製された画分、または再エステル化画分もまた、本発明の範囲内にあるが、表には特に列挙していない。
ポリエチレングリコール(PEG)自体は界面活性剤として機能しないが、様々なPEG−脂肪酸エステルは、有用な界面活性剤特性を有する。市販のポリエトキシル化脂肪酸モノエステル界面活性剤の例を表81に示す。
ポリエチレングリコール(PEG)脂肪酸ジエステルもまた、本発明の組成物における界面活性剤としての使用に適切である。代表的なPEG−脂肪酸ジエステルを表82に示す。
一般に、2つもしくはそれ以上の市販の界面活性剤製品の混合物を含む界面活性剤の混合物もまた、本発明において有用である。いくらかのPEG−脂肪酸エステルは、混合物またはモノ−およびジエステルとして市販されている。代表的な界面活性剤混合物を表83に示す。
適切なPEGグリセロール脂肪酸エステルを表84に示す。
異なる程度の親油性または親水性の多量の界面活性剤は、アルコールもしくはポリアルコールと様々な天然のおよび/または硬化油との反応によって調製することができる。所定の実施態様では、使用される油は、ヒマシ油または硬化ヒマシ油あるいはコーン油、オリーブ油、ピーナツ油、パーム核油、杏仁油、もしくはアーモンド油のような食用植物油である。アルコールの例として、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、およびペンタエリトリトールが挙げられる。本発明における使用に適切なこのクラスの代表的界面活性を表85に示す。
脂肪酸のポリグリセロールエステルもまた、本発明に適切な界面活性剤である。適切なポリグリセリルエステルの例を表86に示す。
プロピレングリコールおよび脂肪酸のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。このクラスの界面活性剤の例を、表87に示す。
一般に、界面活性剤の混合物もまた、本発明における使用に適切である。特に、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびグリセロール脂肪酸エステルの混合物は、適切であり、市販されている。これらの界面活性剤の例を表88に示す。
界面活性剤のもう1つのクラスは、モノ−およびジグリセリドのクラスである。これらの界面活性剤は、一般的に親油性である。これらの界面活性剤の例を表89に示す。
ステロールおよびステロールの誘導体は、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤は、親水性または親油性であり得る。このクラスの界面活性剤の例を、表90に示す。
様々なPEG−ソルビタン脂肪酸エステルが利用可能であり、本発明における界面活性剤としての使用に適切である。一般に、これらの界面活性剤は親水性であるが、このクラスのいくらかの親油性界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤の例を表91に示す。
ポリエチレングリコールおよびアルキルアルコールのエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を表92に示す。
糖のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。そのような界面活性剤の例を表93に示す。
いくらかの親水性PEG−アルキルフェノール界面活性が利用可能であり、本発明における使用に適切である。これらの界面活性剤の例を表94に示す。
POE−POPブロックコポリマーは、ポリマー界面活性剤の独特なクラスである。良好に規定された比および位置で親水性POEおよび親油性POP部分を伴う界面活性剤の独特な構造は、本発明における使用に適切な多様な界面活性剤を提供する。これらの界面活性剤は、SynperonicTMPEシリーズ(ICI);Pluronic(登録商標)シリーズ(BASF)、EmkalyxTM、LutrolTM(BASF)、SupronicTM、MonolanTM、PluracareTM、およびPlurodacTMを含む多様な商標において利用可能である。これらのポリマーの一般的用語は「ポリキサマー」(CAS9003−11−6)である。これらのポリマーは以下の式を有する:
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)aH
[式中、「a」および「b」は、それぞれ、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン単位の数を示す]。このクラスの適切な界面活性剤の例を、表95に示す。
脂肪酸のソルビタンエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を表96に示す。
低級アルコール(C2〜C4)および脂肪酸(C8〜C18)のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を表97に示す。
カチオン性、アニオン性および両イオン性界面活性剤を含むイオン性界面活性剤は、本発明における使用に適切な親水性界面活性剤である。所定の実施態様では、界面活性剤は、脂肪酸塩、胆汁塩、またはそれらの組み合わせのようなアニオン性界面活性剤である。他の実施態様では、界面活性剤は、カルニチンのようなカチオン性界面活性剤である。イオン性界面活性剤の例として、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムスルホコハク酸ジオクチル、ナトリウムコーレート、タウロコール酸ナトリウム;ラウロイルカルニチン;パルミトイルカルニチン;およびミリストイルカルニチンが挙げられる。そのような界面活性剤の例を表98に示す。
イオン化可能な界面活性剤は、それらの非イオン型(天然、非塩)形態で示す場合、本発明の組成物における使用に適切な親油性界面活性剤である。そのような界面活性剤の特定の例として、遊離脂肪酸、特に、C6〜C22脂肪酸、および胆汁酸が挙げられる。より具体的には、適切な非イオン型のイオン化可能な界面活性剤として、表98に示す脂肪酸塩および胆汁塩の任意の遊離脂肪酸および胆汁酸形態が挙げられる。
ビタミンA、D、E、Kなどの油溶性ビタミンの誘導体もまた、本発明の組成物に有用な界面活性剤である。そのような誘導体の例には、トコフェリルPEG−1000スクシネート(TPGS、Eastmanより入手可能)がある。
所定の実施態様では、周囲室温で凝固する界面活性剤または界面活性剤の混合物が使用される。他の実施態様では、トリグリセリドのような特定の親油性成分との組み合わせで、もしくは粘度改変剤、バインダー、増粘剤などのような適切な添加剤の添加を伴う周囲室温で凝固する界面活性剤または界面活性剤の組み合わせが使用される。
非イオン性親水性界面活性剤の例として、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド(lauryl macrogolglyceride);ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェノール;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体、および類似体;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油:ポリオールと脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールとの反応混合物;糖エステル、糖エーテル;スクログリセリド;ポリエトキシル化脂溶性ビタミンまたは誘導体;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
所定の実施態様では、非イオン性親水性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリグリセリル脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリル;ポリオキシエチレン植物油;およびポリオキシエチレン硬化植物油からなる群から選択される。グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、またはそれらの混合物であり得る。
他の所定の実施態様では、使用される界面活性剤は、ポリオールと脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油またはステロールとの反応混合物である非イオン性親水性界面活性剤である。これらの反応混合物は、概して、反応のエステル交換生成物からなり、しばしば、他の反応性生物の複雑な混合物を伴う。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、糖またはそれらの混合物であり得る。
親水性界面活性剤はまた、イオン性界面活性剤であるか、または成分として、該イオン性界面活性剤を含むことができる。イオン性界面活性剤の例として、アルキルアンモニウム塩;胆汁酸およびその塩、類似体、および誘導体;フシジン酸およびその誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドグリセリド誘導体;乳酸アシル;モノ−、ジグリセリドのモノ−、ジアセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノグリセリド;モノ−、ジグリセリドのクエン酸エステル;アルギン酸塩;アルギン酸プロピレングリコール;レシチンおよび水添レシチン;リゾレシチンおよび水添リゾレシチン;リゾリン脂質およびその誘導体;リン脂質およびその誘導体;硫酸アルキルの塩;脂肪酸の塩;ドキュセートナトリウム;カルニチン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
所定の実施態様では、イオン性界面活性剤として、胆汁酸およびその塩、類似体、および誘導体;レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびその誘導体;硫酸アルキルの塩;脂肪酸の塩;ドキュセートナトリウム;乳酸アシル;モノ−、ジグリセリドのモノ−、ジアセチル化酒石酸エステル;サクシニル化モノグリセリド;モノ−、ジグリセリドのクエン酸エステル;カルニチン;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
イオン性界面活性剤の例として、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コレート、タウロコレート、グリココレート、デオキシコレート、タウロデオキシコレート、ケノデオキシコレート、グリコデオキシコレート、グリコケノデオキシコレート、タウロケノデオキシコレート、ウルソデオキシコレート、タウロウルソデオキシコレート、グリコウルソデオキシコレート、コリルサルコシン、N−メチルタウロコレート、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレエート、リノレネート、ステアレート、ラウリルスルフェート、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、カルニチンミリストイル、ならびにそれらの塩および混合物が挙げられる。
所定の実施態様では、使用されるイオン性界面活性剤として、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、PEG−ホフファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コレート、タウロコレート、グリココレート、デオキシコレート、タウロデオキシコレート、グリコデオキシコレート、コリルサルコシン、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、オレエート、ラウリルスルフェート、ドキュセート、ならびにそれらの塩および混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、イオン性界面活性剤は、レシチン、脂肪酸の乳酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、サクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、タウロコレート、カプリレート、カプレート、オレエート、ラウリルスルフェート、ドキュセート、ならびにそれらの塩および混合物が挙げられる。
親油性界面活性剤の例として、アルコール;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;脂肪酸;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;プロピレングリコールジグリセリド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;エステル交換化植物油;ステロール;ステロール誘導体;糖エステル;糖エーテル;スクログリセリド;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油;およびそれらの混合物が挙げられる。
親水性界面活性剤に関して、親油性界面活性剤は、ポリオールならびに脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールの反応混合物であり得る。
所定の実施態様では、親油性界面活性剤は、脂肪酸;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン硬化植物油;およびポリオールおよび脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、ステロールの反応混合物ならびにそれらの混合物からなる群から選択される1つもしくはそれ以上を含む。
他の所定の実施態様では、親油性界面活性剤は、低級アルコール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン植物油;およびそれらの混合物からなる群から選択される1つもしくはそれ以上を含む。グリセロール脂肪酸エステルの中で、エステルは、モノ−もしくはジグリセリド、またはモノ−およびジグリセリドの混合物であり得、ここで、脂肪酸部分はC6〜C22脂肪酸である。
他の実施態様は、ポリオールならびに脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールの反応混合物である親油性界面活性剤を含む。ポリオールの例は、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリトリトール、およびその混合物である。
溶解増強剤(即ち、界面活性剤)の組み合わせを使用することができる。溶解増強剤として有用なマクロゴール脂肪酸エステルの例として、Gelucire50/13(登録商標)およびGelucire44/14(登録商標)が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、溶解増強剤はGelucire50/13(登録商標)である。溶解増強剤は、微小粒子の0.1重量%〜70重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、溶解増強剤は、微小粒子の1重量%〜50重量%の量で存在し;他の実施態様では、微小粒子の10重量%〜30重量%、なお他の実施態様では、微小粒子の15重量%〜25重量%である。少なくとも1つの実施態様では、溶解増強剤は、微小粒子の20重量%の量で存在する。
いくつかの実施態様では、本発明の目的に一致する1つもしくはそれ以上の他の薬学的に許容可能な賦形剤は、潤滑剤、バインダー、pH改変剤、充填剤および/または滑剤のような微小粒子において使用することができることが想定される。
球状化によって、本発明の薬物含有微小粒子を製造するためのプロセスは、CEFORMTM技術に限定されるわけではなく、本発明の目的に一致する微小粒子の製剤を生じる他の任意の技術を使用することができる。例えば、本発明の微小粒子はまた、押出し成形/球状化、造粒またはペレット化によって製造することができる。
押出し成形/球状化は、一様なサイズの球状粒子を作製するために使用される多工程プロセスである。技術は、過度に大きな粒子を生じることなく、高レベルの有効成分を組み入れる能力を付与する。プロセスにおける主な工程は以下のとおりである:
(i)均質な粉体分散体を達成するための成分の乾燥混合;
(ii)一様な直径の棒形状の粒子を形成させるための例えば、高剪断湿式造粒装置を使用する泥漿化;
(iii)一様な直径の棒状形状の粒子を形成させるための押出し成形;
(iv)棒を丸くして球状粒子にするための球状化;
(v)所望される狭い粒度分布を達成するためのスクリーニング。
乾燥混合のために使用される混合容器は、生成しようとする製剤のサイズに適合する任意のサイズおよび形状であり得る。例えば、プラネタリーミキサー、高剪断ミキサー、またはツインコーンブレンダーのような市販の混合デバイスを使用することができる。相対的に少量の製剤を調製しようとする場合、簡単なモーターおよび乳棒が成分を混合するのに十分であり得る。混合容器のタイプは、薬学的分野の当業者に明らかである。従来の造粒装置にける泥漿化によって形成される給湿された塊は、円筒形フィラメントを生成させるために、穿孔メッシュを介して押出し成形される。メッシュの開口部は、フィラメントの直径を決定することができる。このプロセスでは、0.2mm〜3mmの範囲の開口部を使用することができる。このプロセスを使用する少なくとも1つの実施態様では、開口部は、0.4mm〜2mmの範囲である。押出し成形は、スクリュー、二重スクリュー、「篩およびバスケット」種、「ロール押出し機」、「ラム押出し機」押出し機または円筒形フィラメントを生成するための他の任意の薬学的に許容可能な手段を使用して、行うことができる。この押出し成形/球状化プロセスを利用する所定の実施態様では、二重スクリュー同軸押出し機が使用される。球状化デバイスは、水平回転板を伴う中空のシリンダーを含んでなる。フィラメントは、短いセグメントに破断され、200rpm〜2,000rpmの範囲の速度の回転板の上部表面上において球状または準球状粒子に変形される。粒子は、例えば、静的条件での風乾によるような任意の薬学的に許容可能な方法で乾燥することができる。粒子はそのままの形で使用されるか、またはそれらは、錠剤、カプセル、分包または他の薬学的製剤で使用するための顆粒を得るためにコーティングされる。
ブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる押出し形成/球状化製剤のさしあたりの実施例は次のとおりであり得る:本実施例では、ブプロピオン臭化水素酸塩は1%〜80%w/wの量で存在することができる。本実施例内の所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩は、1%〜50%w/w;他の実施態様では、10%〜30%w/w;およびなお他の実施態様では、10%w/wの量で存在する。本実施例では、充填剤は0%〜80%w/wの量で存在することができる。本実施例の所定の実施態様では、充填剤は、10%〜60%の量で存在し;および他の実施態様では、40%w/wである。本実施例では、結晶セルロースは10%〜90%w/wの量で存在することができる。本実施例の所定の実施態様では、結晶セルロースは、10%〜70%;および他の実施態様では、20%〜50%w/wの量で存在する。本実施例では、バインダーは0%〜10%w/wの量で存在することができる。本実施例の所定の実施態様では、バインダーは、1%〜8%w/w;および他の実施態様では、2%〜4%w/wの量で存在する。本実施例では、水は10%〜80%w/wの量で存在することができる。本実施例の所定の実施態様では、水は、15%〜70%w/w;および他の実施態様では、20%〜50%w/wの量で存在する。本実施例における適切な充填剤として、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、澱粉(例えば、トウモロコシ、トウモロコシ、ポテトおよびイネ澱粉)、加工澱粉(例えば、カルボキシメチル澱粉など)、結晶セルロース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、ラクトース、およびフルクトースが挙げられるが、これらに限定されない。本実施例における適切な潤滑剤として、ステアリン酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛上のカルシウム、マグネシウム)、ステアリン酸、硬化植物油、タルク、澱粉、軽質性鉱物油、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリルおよびポリエチレングリコール(例えば、CarbowaxTM4000および6000)が挙げられるが、これらに限定されない。本実施例における適切な付着防止剤として、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。本実施例における適切なバインダーとして、エチルセルロース、ポリメタクリレートポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー(例えば、Kollidon VA64)ヒドロキシエチルセルロース、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、20℃で1〜50cps;20℃で2〜12cps;または20℃で4〜6cpsの粘度)、ヒドロキシプロピルセルロースポリメタクリレート、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
このさしあたりの実施例において押出し成形/球状化によって形成される薬物含有微小粒子は、次の工程による架橋型両親媒性ポリマーを使用して、生成させることができる:(a)ペースト状の粘稠度を得るために、適切な量の液体が転化される乾燥粉体の形態の一様な混合物を得るための1つもしくはそれ以上の架橋型両親媒性ポリマーとブプロピオン臭化水素酸塩および場合により、他の薬学的賦形剤との混合;(b)所望される長さおよび直径を有する円筒形フィラメントを得るために、穿孔メッシュを介して工程(a)から得られる混合物の押出し成形;(c)球状多粒子の形態の生成物を得るためのフィラメントの球状化;(d)生成物の乾燥;ならびに(e)微小粒子の表面に対する薬物の随意的被着。「架橋型両親媒性ポリマー」は、本実施例において、水溶液の全pH範囲およびまた異なる極性特徴を有する溶媒または溶媒混合物において膨潤性の特徴を示すポリマーを指す。ポリマーは、物理的に高分子メッシュの相互浸透を介してかまたは化学的のいずれかで架橋することができ、それ故、高分子鎖の間に連結の位置を示す。そのようなポリマーの非限定的な例として、架橋型ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ナトリウム澱粉グリコレートおよびデキストランが挙げられる。随意的賦形剤として、分散、乳化、湿潤剤および着色剤が挙げられる。本実施例における「一様な混合物」という表現は、混合物の成分が、各成分の一様な分布を確実にする混合プロセスによって、一様に分散されることを意味する。合理的な混合時間は、粉体の混合乾燥に慣例的に使用される混合装置(例えば、「V」、固定体、回転体、シグマミキサー)の1つを使用して、1〜60分間の範囲であり得る。本実施例における用語「液体」は、例えば、通常の薬学的用途の水、異なるpHを有する水溶液、有機溶媒(例えば、アルコール、塩素化溶媒)、およびオイルのような粉体混合物を給湿することが可能な通常の薬学的用途の任意の液体物質または液体の混合物(溶液もしくはエマルジョン)を意味する。本実施例において使用することができるオイルおよび界面活性剤には、次のものがある:飽和または不飽和の天然油(オリーブ、ピーナツ、ダイズ、トウモロコシ、ココナツ油、パーム、ゴマおよび類似の油);飽和および/または不飽和脂肪酸を含有する半合成ならびに合成のモノ−、ジ−およびトリグリセリドならびにそれらのポリヒドロキシエチル化誘導体(カプリコ−カプリル酸(caprico−caprilic)トリグリセリド[MygliolTM、CaptexTM、LabrafacTM、Lipo]、多様な種類の飽和または不飽和ポリヒドロキシル化トリグリセリド[LabrafilTM、LabrafacTMHydro、GelucireTM]);液体蝋(イソプロピルミリステート、イソプロピル−カプリネート(caprinate)、−カプリレート、−ラウレート、−パルミテート、−ステアレート);脂肪酸エステル(オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル);シリコーンオイル;ポリエチレングリコール(PEG200、PEG400、PEG600、PEG1000など);ポリグリコール酸グリセリド(例えば、LabrasolTM);ポリグリコール(プロピレングリコール、テトラグリコール、およびエトキシジグリコール(TranscutolTM)、脂肪酸のソルビタンエステル(例えば、Span(登録商標)、Arlacel(登録商標)、Brij(登録商標))、脂肪酸のポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、Tween(登録商標)、Capmul(登録商標)、Liposorb(登録商標))、ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシド(Poloxamer)コポリマー、ポリエチレングリコールエステル(PEG)−グリセロール(Labrasol(登録商標)、Labrafil(登録商標))、PEGエステルおよび長鎖脂肪酸またはアルコール(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリグリセリドエステル(Plurol(登録商標))、糖および脂肪酸エステル(ショ糖エステル)。さらに、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム)またはカチオン性界面活性剤(例えばトリセトール(tricetol))、ならびにレシチン、リン脂質およびそれらの半合成もしくは合成誘導体を使用することができる。また、ブプロピオン臭化水素酸塩および/または賦形剤を、そのような液体に溶解、分散および/または乳化させることができる。
上記のさしあたりの実施例から押出し成形/球状化プロセスによって形成される特定の実施態様では、給湿性液体は、オイル/界面活性剤系を含んでなり、ここで、場合により、水相で乳化されるブプロピオン臭化水素酸塩が溶解または分散される。混合物の調製において使用される固体に対する液体の量は、1重量%〜80重量%の範囲であり得る。この実施態様のさしあたりの実施例として、1/3重量に等しい比のブプロピオン臭化水素酸塩およびKollidonTMCLの混合物は共粉砕され、50ミクロンより低い100%の粒度分布を有する粉体の形態の混合物が得られる。混合物は、3%w/w溶液でKollidonTM25(ポリビニルピロリドン、BASF)を含有する脱鉱物水の液体を使用して、給湿される。押出し成形が行われ、1mmに等しい穴の直径を有するスレッダーを介して、給湿された塊が押し込まれる。このさしあたりの実施例における操作パラメータは次のとおりであり得る:粉体流量:4.5kg/時;液体流量:4.1kg/時;ねじり応力:27%;ヘッド温度:46℃;およびスクリュー回転速度:140rpm。次いで、押出し形成フィラメントは、1,000rpmに等しい速度でに調整された球状化装置において、2分間、処理される。次いで、得られる微小粒子は、流動層において2時間、59℃に等しい最大温度で乾燥される。乾燥の終了時に、生成物が解放され、機械的にスクリーニングされ、0.7mm〜1.2mmの範囲の画分が分別される。
押出し形成/球状化プロセスによって形成される本発明の薬物含有微小粒子実施態様の別のさしあたりの実施例は、荷電した樹脂を使用し、その工程は次のものを含んでなることができる:(a)荷電した樹脂、ブプロピオン臭化水素酸塩および他の賦形剤を混合容器に添加すること;(b)成分を混合して、一様な混合物を得ること;(c)造粒溶液(乾燥混合物を湿潤させることが可能な液体)を添加すること。以後の押出し形成および球状化(粒状化(marumerization))を支持する乾燥粉体混合物の湿式造粒への変換を生じる液体が含まれる。典型的に、水または水溶液が用いられる。アルコール、典型的に、エタノールまたはイソプロパノールを造粒水と共に封入して、造粒の加工性を増強することができる。本発明の別の実施態様では、製剤の1つもしくはそれ以上の成分は、最初に、水に溶解され、この溶液は、湿式造粒を生成するために使用される。極めて低い濃度で存在する有効成分または賦形剤を、はじめに、造粒溶媒に溶解または懸濁させて、製剤を通して、より一様な分布を確実にすることができる。(d)一様な造粒が生じるまで、混合物を造粒すること;(e)スクリーンを介して湿式造粒を押出し形成し、造粒のストランドを生成すること;(f)造粒のストランドを球状化して、球状多粒子を生成すること;および(g)球状多粒子を回収し、乾燥すること。「荷電した樹脂」とは、本実施例において、本発明の実施態様において有用になるイオン化可能な官能基を伴うポリマーを意味する。これは、イオン化時に、カチオン性またはアニオン性ポリマー鎖を生じることが可能であり、球状化を支持する任意のポリマーを広範に包含する。典型的に、10%〜70重量%の球状多粒子が荷電した樹脂である。これらの荷電したポリマーの非限定的な例として、Rohm and Haas,Co.、Philadelphia、ペンシルバニア州よりAMBERLITE IRP−69TMの商標で販売されるナトリウムポリスチレンスルホネート;Rohm and Haas,Co.,Philadelphia、ペンシルバニア州よりAMBERLITE IRP−276TMとして販売されるコレスチラミン(cholestyramine)樹脂USPの塩化物塩;Rohm and Haas Co.、Philadelphia、ペンシルバニア州よりAMBERLITE IRP−64TMとして販売のメタクリル酸−ジビニルベンゼンの酸形態;B.F.Goodrich,Inc.、Brecksville、オハイオ州よりCARBOPOLTM974PおよびCARBOPOLTM934Pの商標で販売のカルボキシポリメチレン、ならびにSeitetsu Kagaku、日本国よりAQUAKEEPTMJ−550の商標で販売のナトリウムポリアクリレートが挙げられる。樹脂が所望される程度のイオン化を維持するために、造粒および球状化中の酸性または塩基性環境を生じる薬剤を、製剤内にあり得る。この効果を及ぼすことができる化合物のグループの中には、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酒石酸ナトリウム、およびトロメタミンのような酸性物、塩基性物、ならびに酸性物および塩基性物の塩がある。所定の化合物を造粒に添加して、適切な程度の水和の荷電した樹脂、医薬品および賦形剤を提供することができる。これらの水和剤として、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ペンタエリトリトール、グルコースおよびデキストロースのような糖が挙げられる。ポリエチレングリコールのようなポリマーならびに界面活性剤および他の有機および無機塩もまた、ポリマーの水和を調節するために使用することができる。
別のさしあたっての実施例では、ブプロピオン臭化水素酸塩を含有する多粒子は、次のとおりにして得ることができる。
このさしあたっての実施例では、上記の製剤のおよそ5.75kgを、プラネタリーミキサーにおいて、15分間、混合する。ブチル化ヒドロキシアニソールを、60ccのエタノールに溶解し、水を添加して、最終溶液を133ccの容積にする。この溶液をプラネタリーミキサーに2分間、添加する。次いで、ミキサーを、15分間、添加された250ccの水の7アリコートと共に造粒する。このようにして形成される粒造を、1.0mmスクリーンを介して押出し形成し、アリコートを、それぞれおよそ1200rpmでおよそ10分間の粒状化(marumerization)によって球状化する。次いで、形成される球状多粒子を、50℃で、24時間、乾燥する。
本発明の別の実施態様は、「パール」の形態の薬物含有微小粒子の生成に関与する。パールは、ブプロピオン臭化水素酸塩と1つもしくはそれ以上の薬学的賦形剤とを、溶融形態で混合することによって、製造することができ;溶融物を、振動に供されるノズルに強制的に通過させ;形成されるパールを、気体に対して逆方向の塔に落下させ;固体のパールを、塔の底部に回収する。本実施例では、ブプロピオン臭化水素酸塩の量は、5重量%から95重量%まで;および所定の実施態様では、40重量%から60重量%まで変動し得る。本実施例に含まれるべき過冷却生成物の結晶化を可能にする添加剤は、次のものから選択することができる:脂肪アルコール、例えば:セチルアルコール、ステアリルアルコール、脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、グリセロールエステル、例えば:グリセロールパルミトステアレート、PrecirolTMのマークで市販されているグリセロールステアレート、CompritolTMのマークで市販されているグリセロールベヘネート、硬化油、例えば:CutinaTMHRのマークで市販されている硬化ヒマシ油、脂肪酸塩、例えば:ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム、ポリオール、例えば:マンニトール、ソルビトール、キシリトール、蝋、例えば:白蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、高分子量のポリオキシエチレングリコール、ならびにエステル化ポリオキシエチレン、例えば:PEG−32ジステアレート、およびPEG−150ジステアレート。これらの結晶化添加剤に対して、本実施例では、溶融物において可溶性または分散性であり、それらを使用する場合、パールの制御されたおよび調整可能な溶解を提供するポリマーを添加することが所望され得、それらの例として、次のものが挙げられる:セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース)、アクリル樹脂(Eudragit(登録商標)のマークで市販されている)、ポリビニルアセテート(Rhodopas(登録商標)のマークで市販されている)、ポリアルキレン(エチレンプロピレン)、ポリ乳酸、マレイン酸無水物およびシリコーン樹脂。さらに、無機添加剤は、活性物質の凝固を促進するために添加することができ、その例として:シリカ、酸化チタンまたは鉄のような無機酸化物、リン酸塩、炭酸塩、クレーおよびタルクが挙げられる。さらに、界面活性剤は、結晶化添加剤における活性物質の分散を改善するために添加することができ、その例として:ソルビトールエステル、Tween(登録商標)のマークで市販されているポリオキシエチレンポリソルベート、およびグリセリンまたはプロピレングリコールのようなグリコールが挙げられる。パールの調製のためのプロセスは、1つもしくはそれ以上の賦形剤を伴うブプロピオン臭化水素酸塩の溶融物を調製することを含んでなる。この溶融物は、個別に、多様な構成分を溶融し、次いで、それらを混合することによってか、または構成分の混合物を溶融することによって調製することができ、可能な不溶性化合物は、均質な塊が得られるように、溶融の終了時に添加される。溶融物の構成分の性質は、当業者によって選択され、構成分の適合性、構成分の混合物の粘度、ノズルの直径、活性物質の親水性、活性物質の表面張力、不溶性添加剤の粒度、ノズルの流量、塔の温度、その高さ、中でも、所望されるパールのサイズ、そこに封入すべきブプロピオン臭化水素酸塩の割合および活性物質の所望される放出時間の機能としてみなされる。
薬物含有微小粒子を製造するための押出し形成または球状化以外の代替的手順として、湿式造粒、溶媒系造粒および溶融造粒を挙げることができる。これらのすべての技術は、より小さな粒子をより大きな顆粒に集合させるための不活性なバインダーの添加に関与する。例えば、湿式造粒および溶媒系造粒は、活性な材料および賦形剤を顆粒に集合させる液体バインダーの添加に関与する。造粒後、液体は、個別の乾燥工程によって取り出すことができる。溶融造粒は湿式造粒に類似するが、低い融点の固体材料をバインダーとして使用する。溶融造粒における固体バインダーは溶融され、液体バインダーとして作用し、それによって、粉体化された活性な材料および賦形剤を顆粒に集合させる。バインダーは、従って、顆粒が冷却する場合、顆粒に組み入れられ得る。
本発明の所定の実施態様は、ブプロピオン臭化水素酸塩と、ある区域においてブプロピオン臭化水素酸塩より高い融点を有する粉体化された賦形剤材料とを混合することを含んでなる転動溶融造粒によって顆粒を生成するためのプロセスによって製造される微小粒子を含み、ここで、両方の粉体化された材料は、底部表面を有する垂直容器内に局在する迅速に回転する水平ディスクを有する装置における上昇気流によって、流動化状態で維持され;ここで、前記迅速に回転するディスクは、垂直容器の底部表面に局在し、ここで、前記気体は、ブプロピオン臭化水素酸塩を少なくとも部分的に溶融し、従って、前記粉体化された材料を集合させ、顆粒を形成させるのに十分な温度にある。本発明の他の実施態様は、粉体化されたバインダー材料と、ブプロピオン臭化水素酸塩とを混合することを含んでなる転動溶融造粒によって顆粒を生成するためのプロセスによって製造される微小粒子を含み、ここで、ブプロピオン臭化水素酸塩は、ある区域において粉体化されたバインダー材料より高い融点を有し、ここで、両方の粉体化された材料は、底部表面を有する垂直容器内に局在する迅速に回転する水平ディスクを有する装置における上昇気流によって、流動化状態で維持され;およびここで、前記迅速に回転するディスクは、垂直容器の底部表面に局在し、ここで、前記気体は、粉体化されたバインダー材料を少なくとも部分的に溶融し、従って、前記粉体化された材料を集合させ、顆粒を形成させるのに十分な温度にある。
転動溶融造粒では、バインダーとしての役割を果たすため、供給粉体の1つは、他の粉体より低い融点を有さなければならない。供給粉体は、容器の底部に局在する回転可能な水平ディスクを伴う垂直容器に導入される。粉体は、1つもしくはそれ以上の入口を介して垂直容器の底部から循環している濾過された気体の少なくとも1つの流れによって、流動状態で維持される。次いで、回転可能な水平ディスクが回転する一方、粉体を流動化するために供給される気体は、より低い融点の粉体を軟化または溶融するのに十分な温度で維持される。軟化するために加熱しなければならないバインダーへの温度は、多様なバインダーについて多様な温度で顆粒の形成を観察することによって経験的に決定することができる。現在、融点または融解範囲より3℃〜5℃低い温度が、顆粒形成を生じるのに十分な軟化を提供すると考えられる。次いで、より低い融点の粉体は、粉体粒子の顆粒への集合を促進するための結合剤として作用する。転動溶融造粒における使用のための適切な粉体は、5ミクロン〜150ミクロンの範囲の直径サイズを有し;所定の実施態様では、35ミクロン〜80ミクロンの範囲の直径サイズを有する。成分が暴露される温度は、粉体を集合させるために用いられるバインダーに依存する。一般的に、バインダーの融点は30℃を超え;および所定の実施態様では、100℃未満である。
転動溶融造粒によって製造されるこれらの微小粒子において使用される粉体は、少なくとも2つの代替的造粒機構によって、顆粒に形成され得る。顆粒形成のための第1の機構は、より大きな粒状バインダーおよびより小さな粒状粉体を利用する。次いで、転動溶融造粒中の温度は、バインダー粒子の外部表面が粘着性になる箇所に対してのみ上昇する。より小さなサイズの第2の粉体化された材料が粘着性表面に接触するとき、それは、バインダー粒子の表面上において超薄層を形成する。この造粒機構は、用いられる本来のバインダー粒子に類似のサイズ分布を有する顆粒を生じる。あるいは、転動溶融造粒は、バインダーが、非溶融粒子間の間隙を橋絡する接合剤として作用する(これは、凝集と称される)温度で行われ得る。この機構は、顆粒の形成を生じ、ここで、成分が混ざり合う。使用されるそれぞれのバインダーについて、機構は、転動溶融造粒が実施される温度によって主に制御され得る。当業者であれば、生じる造粒プロセスのタイプを決定するために、形成される顆粒を電子顕微鏡によって観察することができることを理解するであろう。1つの特定のタイプの顆粒を所望する場合、プロセス条件または出発物質は、所望される顆粒を生成するために変動することができる。
本発明の少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩が融解され、転動溶融造粒プロセスにおける結合剤として作用する。適切な賦形剤の例として、次のもの:充填剤、潤滑剤、滑剤および付着防止剤から選択されるものが挙げられる。適切な充填剤として、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、澱粉(例えば、トウモロコシ、トウモロコシ、ポテトおよびイネ澱粉)、加工澱粉(例えば、カルボキシメチル澱粉など)、結晶セルロース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、ラクトース、およびフルクトースが挙げられるが、これらに限定されない。粒子を顆粒に集合させるために添加されるバインダーの量は、10%w/w〜80%w/wの範囲であり得;および所定の実施態様では、転動溶融造粒において粉体化された材料の30%w/w〜70%w/wの範囲である。合計で100%w/wを提供するための残りの重量百分率は、1つもしくはそれ以上の適切な粉体化された薬学的有効物質であり得る。場合により、転動溶融造粒はまた、1つもしくはそれ以上の粉体化された賦形剤の0%〜60%w/wを含有することができ、ここで、すべての粉体化された材料の全重量は100%w/wに等しい。本発明のこれらの実施態様において使用されるバインダーは、5μm〜150μmの範囲;および所定の実施態様において35μm〜80μmの範囲の粒度を有する薬学的に許容可能な乾燥粉体であり得る。転動溶融造粒のための適切なバインダーは、低い融点の粉体化されたバインダーであり、その例として:ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ステアリン酸、および低い融点の蝋が挙げられる。適切な低い融点の蝋として、モノステアリン酸グリセリル、硬化獣脂、ミリスチルアルコール、ミリスチン酸、ステアリルアルコール、置換モノグリセリド、置換ジグリセリド、置換トリグリセリド、晒蜜蝋、カルナウバ蝋、カスター蝋、ハゼ蝋、アセチル化モノグリセリドおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。バインダーは、30℃〜100℃;および所定の実施態様では、40℃〜85℃の融点を有することができる。
転動溶融造粒プロセスによって製造されるこれらの実施態様のさしあたりの実施例として、320gのブプロピオン臭化水素酸塩および80gのPEG8000が乾燥混和され、長手板を伴う転動造粒装置としてのGlatt1.1チャンバ設備に注がれる。入口気体温度は、60℃に設定され、生成チャンバがおよそ50℃に加熱される。混和物はおよそ120m3/時で流動化され、摩擦板が900rpmに設定される。生成チャンバの温度は60℃に上昇され、次いで、およそ20分間の期間、球状化が達成される間、20℃まで漸進的に減少される。
本発明の他の実施態様は、ブプロピオン臭化水素酸塩を含むコアおよび甘味がありかつ負の溶解熱を有する化合物を有する微小粒子の形成に関与する。このカテゴリーに当てはまる化合物の例として、マンニトールおよびソルビトールが挙げられる。例えば、メントールが添加されている塔または人工甘味料もまた、なお作用することができる。バインダーおよび/または他の賦形剤もまた、コア内に配置することができる。使用される甘味化合物の量は、得られる微小粒子のサイズ、得られる錠剤のサイズまたは容積、微小粒子コーティングされた微小粒子製剤の堅牢性、錠剤が口部において崩壊する速度、微小粒子もしくは錠剤のいずれか一方において、または両方において使用される特定の甘味料によって付与される甘味の程度、使用される薬物の量などを含む多くの因子に依存し得る。例えば、特に頑強な微小粒子は、咀嚼および/または圧縮中にはあまり破壊しないようであり得る。従って、好ましくない風味を有する材料の放出に対して保護するために提供される材料の量を減少することができる。他の場合では、より多い相対量の甘味化合物が使用され得る。一般的に、使用される甘味材料の量は、得られる微小粒子の重量の0より大きい〜80%の範囲である。甘味料およびブプロピオン臭化水素酸塩は、例えば、湿式造粒、乾燥造粒、凝集、または噴霧コーティングによるような任意の数の既知の方法で、組み合わせることができる。例えば、甘味料は、有効な薬剤の吸着剤として使用することができる。あるいは、それぞれの粒子はまた、単純に共に混合することができる。1つもしくはそれ以上のバインダー、または他の補助剤はまた、なお錠剤の製剤においても使用することができる。これらの実施態様におけるバインダーとして、例えば:澱粉(例えば、水性ペーストとして5%〜10%の量で);予備糊化澱粉(例えば、粉体に対し乾燥状態で添加される5%〜10%の量で);ゼラチン(例えば、水溶液として2%〜10%の量で、または澱粉ペーストにおいて2%);ポリビニルピロリドン(例えば、水性またはアルコール溶液中2%〜20%の量で);メチルセルロース(例えば、水溶液として2%〜10%の量で);ナトリウムカルボキシメチルセルロース(例えば、水溶液として2%〜10%の量で);エチルセルロース(例えば、アルコールまたはヒドロアルコール溶液として5%〜10%の量で);ポリアクリルアミド(Polymer JR)(例えば、水溶液として2%〜8%の量で);ポリビニルオキソアゾリドン(polyvinyloxoazolidone)(Devlex)(例えば、水性またはヒドロアルコール溶液として5%〜10%の量で);およびポリビニルアルコール(例えば、水溶液において5%〜20%の量で)が挙げられる。他の補助剤もまた、本発明の本実施態様の微小粒子のコアを処方するのに使用することができ、その非限定的な例として:硫酸カルシウムNF、二塩基性リン酸カルシウムNF、三塩基性硫酸カルシウムNF、澱粉、炭酸カルシウム、結晶セルロース、加工澱粉、ラクトース、スクロースなど、Sta−RxTM、AvicelTM、Solka−FlocTMBW40、アルギン酸、ExplotabTM、AUTOTABTM、グァーガム、カオリンVecgumTM、およびベントナイトが挙げられる。これらの補助剤は、20%w/wまで使用することができ;および所定の実施態様では、3%〜5%w/wの量で存在する。
ブプロピオン臭化水素酸塩および甘味がある化合物を含んでなるコアを有するこれらの実施態様のさしあたりの実施例として、次の手順を使用して、ブプロピオン臭化水素酸塩を造粒することができる:ポリビニルピロリドンK−30USP(240.0gm)を、撹拌しながら蒸留水(1,890.0gm)に溶解する。マンニトール粉末USP(11,160gm)およびブプロピオン臭化水素酸塩(600.0gm)をZanchetta50リットル造粒装置/プロセッサーに置く。チョッパーおよび200rpmに調整したプロペラによる粉体の最初の2分間の乾燥混合後、エア駆動噴霧システムを使用して、ポリビニルピロリドンK−30溶液を混合粉体層に緩徐に噴霧する。溶液添加の時間を含む造粒の合計時間は、およそ8分間である。造粒のエンドポイントは、目視および得られる材料の粘稠度によって決定される。次いで、材料をトレイに解放し、供給される乾燥気体を利用し、6時間の間、0.08パーセン以下の水分含有量まで、80℃で乾燥する。次いで、乾燥した材料を、U.S.番号40(420ミクロン)スクリーンを具備したハンマーミル(前方刃)を介して通過させる。
本発明の他の実施態様は、薬物が少なくとも部分的に微小粒子コア内に局在されるが、即時放出が可能であるブプロピオン臭化水素酸塩の微小粒子への組み合わされた造粒およびコーティングに関与する。これを行うために、最初に、ブプロピオン臭化水素酸塩と顆粒崩壊剤とを乾燥混合し;次いで、粒子を共に結合させて、粒体を生じさせることが可能な少なくとも1つのバインダーを含んでなる賦形剤の混合物の存在下で、得られる粉体を造粒し;次いで、このようにして形成される粒体を、少なくとも1つのコーティング剤および膜崩壊剤を含んでなる懸濁液で噴霧し;次いで、得られるコーティングされた顆粒を乾燥する。造粒工程において使用されるバインダーの主な機能は、粒子を共に結合させることであるが、それにもかかわらず、それは、常に、形成される粒体を部分的にコーティングするため、その限りにおいて、実際の造粒とコーティング工程との間の差異は相対論的である。同様に、実際のコーティング工程において使用されるコーティング剤の主な機能は、粒体のそれぞれの最終コーティングを完了させることであるが、しかし、顆粒凝集の機構によって、それは、コーティングされた他の粒体に恣意的に結合する。バインダーおよびコーティング剤は、セルロースポリマーおよびアクリル系ポリマーを含んでなる群から選択される。しかし、バインダーおよびコーティング剤は、同じ群の化合物から選択されるが、それにもかかわらず、それらは、先に記載のようなそれらの機能において相互に異なる。有利に選択され得るセルロースポリマーの中には、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはそれらの混合物がある。有利に選択され得るアクリル系ポリマーの中には、アンモニオ−メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)RLまたはRS)、ポリアクリレート(Eudragit(登録商標)NE)およびメタクリル酸コポリマー(Eudragit(登録商標)LまたはS)、Eudragit(登録商標)(Rohmの登録商標である)がある。少なくとも1つの実施態様では、バインダーはコーティング剤と同じ性質である。ブプロピオン臭化水素酸塩の放出をさらに加速するために、コーティング懸濁液はまた、その固有の溶解特性のために、膜コーティングの穿孔を生じる透過剤を含んでなり、それ故、ブプロピオン臭化水素酸塩を放出させることが可能である。透過剤の非限定的な例として、ポビドンおよびその誘導体、ポリエチレングリコール、シリカ、ポリオールおよび低粘度セルロースポリマーが挙げられる。その粘度が6センチポアズに等しいヒプロメロースのようなタイプのポリマーが、例えば、低粘度セルロースポリマーとして使用される。少なくとも1つの実施態様では、初期の粉体の乾燥混合ならびに造粒、コーティングおよび乾燥工程が、流動層において実施される。この場合、初期の粉体混合物は、少なくともバインダーを含んでなる賦形剤混合物で前記粉体を噴霧することによって造粒する前に、最初に流動化され、次いで、得られる粒体は、コーティング懸濁液で噴霧することによってコーティングされ、最終的に形成されるコーティングされた粒体は、流動層において乾燥される。少なくとも1つの実施態様では、造粒工程中に使用される賦形剤およびコーティング工程中に使用されるコーティング懸濁液の混合物は、単一の混合物を形成する。この場合、造粒工程は、混合物の噴霧の速度および前記混合物の霧化圧のような異なるパラメータを変動することによって、噴霧工程と識別することができる。従って、造粒工程中は、賦形剤の混合物のうちのいくつかのみが使用される一方、他の部分は、コーティング工程中に使用され得る。従って、コーティング懸濁液の噴霧速度は、コーティング工程中よりも造粒工程中の方が高いが、コーティング懸濁液の霧化圧は、コーティング工程中よりも造粒工程中の方が低い。実際には、例えば、造粒工程中のGlatt GPCG1のようなタイプの流動層デバイスの研究室スケールでは、コーティング懸濁液の噴霧の速度は10グラム/分〜25グラム/分の間であり、霧化圧は1バール〜1.8バールの間である。コーティング工程中、コーティング懸濁液の噴霧の速度は5グラム/分〜15グラム/分の間である一方、霧化圧は1.5バール〜2.5バールの間である。少なくとも1つの実施態様では、賦形剤の混合物の10%〜20%が造粒工程中に噴霧され、残りがコーティング工程中に噴霧される。
薬物が少なくとも部分的に微小粒子コア内に局在されるが、即時放出が可能であるブプロピオン臭化水素酸塩の微小粒子への組み合わされた造粒およびコーティングに関与するこれらの実施態様のさしあたりの実施例として、微小粒子は、次のプロセスに従って製造され得る:造粒溶液を、最初に、273gのエチルアルコールに48gのエチルセルロースを溶解することによって調製する。次いで、1900gのエチルアルコールにおいて、97gのエチルセルロース、28.5gのポリエチレングリコール6000、26gのクロスカルメロースナトリウム、10gの沈降シリカおよび27.5gのアスパルテームを、均質な懸濁液が得られるまで混合することによって、コーティング懸濁液を調製する。次いで、700グラムのブプロピオン臭化水素酸塩および35グラムのAcdisolよりなる粉体混合物を流動化する。次いで、15〜20分間の間、25グラム/分の噴霧速度および0.8バールの懸濁液霧化圧で造粒溶液を噴霧することによって、造粒を開始する。次いで、実際のコーティングは、1時間30分間、15〜20グラム/分の噴霧速度および1.5バールの懸濁液噴霧圧でコーティング懸濁液を噴霧することによって、実施される。
本発明の他の実施態様は、ブプロピオン臭化水素酸塩材料をコーティングし、それによって、薬物含有微小粒子を形成させることに関与する。これを達成するためのそのような1つのプロセスは、以下に関与する:
(i)個々の粒体を得るために、有効な成分および補助剤の粉体混合物を混和ならびに流動化すること、
(ii)加温条件下で、ベヘン酸とアルコールとのエステルまたはパルミチン酸/ステアリン酸とアルコールとのエステルのいずれかを含んでなる脂質マトリックス薬剤を個別に液化すること、
(iii)個々の粒体に対して脂質マトリックス薬剤を噴霧することによって、加温条件下で流動化粉体混合物をコーティングすること、
(iv)脂質マトリックス薬剤を凝固させるために、組み合わされた生成物の温度を低下させること。
それが湿潤経路または溶媒経路造粒工程を必要とせず、それ故、最終製品における毒性残余の存在による任意の危険性を免れることが可能であるため、このプロセスは、蒸発相または乾燥相を必要としない。さらに、溶媒の痕跡の定量的決定(極めて効果であり得る分析)を行う必要はない。本発明のこの実施態様のプロセスに従えば、ブプロピオン臭化水素酸塩の放出プロファイルを変動するために、いくらかのパラメータ(その調節特徴が簡単であることに変わりはない)を変動することによって、噴霧条件およびそれ故コーティング特徴を改変することができる。従って、粒体の周りの脂質マトリックス薬剤の均質なフィルムの形成を促進するために、噴霧圧を増加することができる。有利なことに、脂質マトリックス薬剤の噴霧の速度は、同時に減少することができる。この場合、ブプロピオン臭化水素酸塩放出プロファイル、即ち、時間の関数としての溶解の百分率が得られ、これは、薬物の徐放性に対応して、低くあり得る。対照的に、粒体の相互の凝集を促進するために、噴霧圧を減少することができる。有利なことに、脂質マトリックス薬剤の噴霧の速度は、同時に増加することができる。この場合、得られる粒体の放出プロファイルを得ることができ、これは、ブプロピオン臭化水素酸塩の迅速放出に対応して高い。実際には、用いられる粉体の塊に対応して、脂質マトリックス薬剤の噴霧の速度の値は、粒体の周りの均質なフィルムの形成を促進することが所望される場合よりも、粒体の相互の凝集を促進することが所望される場合に、2〜4倍になり得る。一方、噴霧圧の値は、粒体の周りの均質なフィルムの形成を促進することが所望される場合よりも粒体の相互の凝集を促進することが所望される場合に、1〜2倍になり得る。これらの実施態様を製造するためのプロセスに従って、所定の薬物放出プロファイルを決定した後、噴霧圧およびコーティング段階を通しての噴霧速度の値を変動することが可能であり、粒体の周りの均質なフィルムの形成を促進するか、または流体の凝集を促進することを可能にする。一旦、噴霧圧の持続の配列および噴霧速度が決定されると、継続かつ自動的にコーティング操作を行うことができる。これらの実施態様を製造するプロセスの別の特徴に従えば、液化マトリックス薬剤の混合および噴霧気体の温度は、脂質マトリックス薬剤の融解温度より35℃〜60℃だけ大きい。同様に、流動化気体の温度および粉体のそれは、脂質マトリックス薬剤の融解温度にプラスまたはマイナス10℃でおよそ等しい。さらに、個々の粒体の混合物を得るために、空気作動流動層デバイスまたはタービンデバイスを使用することができる。さらに、脂質マトリックス薬剤は、気体噴霧技術、即ち、圧縮気体の存在下における液体噴霧によって、噴霧することができる。少なくとも1つの実施態様に従えば、薬物および補助剤を含んでなる粉体が利用される。言い換えれば、粉体の組み合わされた構成分を混合し、流動体化した後、脂質マトリックス薬剤は、得られる個々の粒体に対して噴霧される。得られるコーティングされた粒体の付着を回避するために、すべての粒体が処置される場合であろうと、または粒体の一部のみが処置される場合であろうと、粒体の潤滑の段階が、コーティング段階と、薬学的形態にする段階との間に挿入される。さらに、薬学的組成物のより大きな安定性を得るため、即ち、経時的なブプロピオン臭化水素酸塩の放出に関連する改変を最小限にするために、本実施例の所定の実施態様において得られる顆粒または錠剤は、オーブンにおいて、少なくとも8時間、45℃〜60℃の間の温度で;および所定の実施態様では、55℃で、成熟段階に供され得る。
ブプロピオン臭化水素酸塩材料をコーティングすることによって形成されるこれらの薬物含有微小粒子実施態様のさしあたりの実施例として、薬物含有微小粒子は、次のプロセスに従って、製造することができる:ブプロピオン臭化水素酸塩;リン酸二カルシウム脱水物;およびポリビニルピロリドンを含んでなる粉体の混合物を調製する。顆粒のバッチは、次の段階を含んでなるプロセスによって調製される:得られる粉体の混合物を篩い分けし;個々の粒体を得るために、空気作動流動層によって加熱しながら前記粉体を混合し;脂質マトリックス薬剤(Compritol(登録商標)880ATOの商標で販売されているベヘン酸グリセリル)を個別に120℃で液化する;脂質マトリックス薬剤を、加熱された粉体混合物に対して噴霧し、脂質マトリックス薬剤を凝固させるために、最終的に、温度を低下させる。これらの段階は、粒体の周りの均質なフィルムの形成を促進するためか、または以下の表に従う粒体の凝集を促進するためのいずれかで、多様なパラメータを変動しながら行われる;
ブプロピオン臭化水素酸塩材料をコーティングし、それによって、薬物含有微小粒子を形成するための本発明の別の実施態様は、その後、錠剤に組み入れられ得るコーティングされた微結晶の形成に関与する。適切なポリマーの選択を介して、前記コーティングされたまたはコーティングされていない微結晶およびマイクロ顆粒は、多粒子錠の形態で形成された後、それらの初期の特性(この中には、ブプロピオン臭化水素酸塩の味のマスキング、胃耐性および制御型放出が含まれる)を保存するという事実により、微結晶は、胃耐性および制御型放出のような様々な特徴を所有し得る。本実施例の所定の実施態様では、従来の流動化に基づくコーティング装置におけるブプロピオン臭化水素酸塩のコーティングのために、次の非制限的リストを選択することができる:エチルセルロース(EC);ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ゼラチン;ゼラチン/アカシア(Acacia);ゼラチン/アカシア(Acacia)/ビニルメチルエーテル無水マレイン酸;ゼラチン/アカシア(Acacia)/エチレン無水マレイン酸;カルボキシルメチルセルロース;ポリビニルアルコール;セルロースアセテートフタレート;ニトロセルロース;シェラック;蝋;ポリメタクリレートポリマー、例えば、Eudragit(登録商標)RS;Eudragit(登録商標)RLまたは両方の組み合わせ、Eudragit(登録商標)EおよびEudragit NE30D;KollicoatTMSR30D;ならびにそれらの混合物。
薬物層型微小粒子
薬物層型微小粒子は、ノンパレイユ球(例えば、糖球)のような不活粒子またはコアをブプロピオン塩およびポリマーバインダーでコーティングすることによって作製することができる。薬物層型微小粒子の所定の実施態様では、不活コアは、セルロース球または二酸化ケイ素のような水不溶性材料を含む。他の実施態様では、不活コアは、澱粉、塩または糖球のような水溶性材料を含む。不活コアは、100ミクロン〜2000ミクロンの範囲の直径を有することができる。例えば、所定の実施態様では、不活コアの直径は150ミクロン〜1500ミクロンの範囲である。少なくとも1つの実施態様では、不活コアは、62.5%以上および91.5%以下のスクロースを含有する糖球NFである。少なくとも1つの実施態様では、不活コアは、実質的に、一貫したバルク密度、低い摩損度、および低いダスト発生特性を有する。少なくとも1つの実施態様では、不活コアは、浸透剤およびポリマー結合剤を含んでなる浸透圧性サブコートでコーティングされる。さらに、不活コアは、はじめに、シールコートでコーティングされ、さらに一貫したコア表面を提供し、任意の浸透圧効果を最小限にすることができる。シールコート層は、薬物、ポリマーバインダー、および任意のポリマーフィルム層の適用前に、コアに適用することができる。少なくとも1つの実施態様では、シールコート層は、実質的に、ブプロピオン塩の放出を改変しない。シールコートにおいて使用することができる適切なシーラントの例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ポリメタクリレートポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、キサンタンガム、およびそれらの混合物のような透過性または可溶性薬剤が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、シールコートにおいて使用されるシーラントは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。シーラントのプロセス可能性を改善するために、他の薬剤を添加することもできる。そのような薬剤の例として、タルク、コロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、微粉末シリカ、ヒュームドシリカ、モノステアリン酸グリセロール、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、およびそれらの混合物が挙げられる。シールコート層は、流動層コーター(例えば、Wursterコーティング)を使用する溶液(例えば、水性)または懸濁液から、またはパンコーティングシステムにおいて、適用され得る。そのようなシールコートコーティングの例は、Opadry(登録商標)White Y−1−7000およびOpadry(登録商標)OY/B/28920White(それぞれ、Colorcon Limited、英国から利用可能である)の商標で販売されるもののように、市販されている。
これらの薬物層型実施態様の結合剤は、ブプロピオン塩層を不活コアまたはコアのシールコートに付着させるために使用される。所定の実施態様では、結合剤は水溶性であり、ブプロピオン塩層を不活コアに付着させるために十分に高い付着性を所有し、不活コアとブプロピオン塩との間の実質的な付着を提供するのに適切な粘度を所有する。所定の実施態様では、結合剤は水不溶性である。少なくとも1つの実施態様では、結合剤は、エチルセルロース、ポリメタクリレートポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−ビニルアセテートコポリマー(例えば、Kollidon VA64)、ヒドロキシエチルセルロース、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、20℃で1〜50cps;20℃で2〜12cps;または20℃で4〜6cpsの粘度)、ヒドロキシプロピルセルロースポリメタクリレート、またはそれらの混合物である。例えば、所定の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩のためのバインダーの組成物は1%〜25%w/w;他の実施態様では、2%〜10%w/w;およびなお他の実施態様では、コアの全重量の百分率として表して、3%〜5%w/wである。
溶媒は、ブプロピオン塩を不活コアに適用するために使用することができ、その例として、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコールならびにアルコール/水混合物、アセトンおよび塩素化炭化水素が挙げられる。
薬物層型微小粒子は、バインダーおよびブプロピオン塩の懸濁液または溶液を形成し、次いで、流動層コーティングまたはパンコーティングのような当該分野において公知の重層技術のいずれかを使用して、不活もしくはサブコーティングされたコアに懸濁液または溶液を重層することによって、調製することができる。これは、単一のコーティングにおいて生じ得るか、またはプロセスは、場合により、間に乾燥/蒸発工程を伴って、複数の層において行われ得る。このプロセスは、所望される量のブプロピオン塩を含有する微小粒子を生成し、インビボ投与時にその所望される用量および放出を達成するように、行うことができる。
所定の実施態様では、薬物層型微小粒子は、例えば、以下の仮想実験における手順を使用して、製造することができる:ブプロピオン臭化水素酸塩(2.8kg)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel(登録商標)E5)(0.40kg)を、水およびイソプロピルアルコールの混合物に溶解する。次いで、有効な薬物溶液を、Wurster挿入物を伴う流動層プロセッサーにおいて、糖球30/35(1.06kg)に対して噴霧することができる。次いで、活性なコア微小粒子を、乾燥減量が1%未満になるまで、流動層プロセッサーにおいて乾燥することができる。次いで、ブプロピオン微小粒子を、16メッシュスクリーンおよび30メッシュスクリーンを介して通過させることができ、16メッシュより小さくかつ30メッシュより大きい微小粒子を回収することができる。
微小粒子味マスキング性コーティング
本発明の微小粒子は、それぞれ、少なくとも1つの味マスキング性コーティングでコーティングすることができる。味マスキング性コーティングは、微小粒子における有効な薬物の味を遮蔽することができる。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティング製剤は、ポリマー成分を含有する。本発明の目的に一致する他の賦形剤もまた、味マスキング性コーティングにおいて使用することができることが想定される。
少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングは、使用前に有機溶媒に可溶化された乾燥ポリマー(例えば、Ethocel(登録商標)、Dow Corning)としてまたは水性分散体として使用することができるエチルセルロースのようなポリマーを含んでなる。エチルセルロースの1つの市販の水性分散体は、Aquacoat(登録商標)(FMC Corp.、Philadelphia、ペンシルバニア州、米国)である。Aquacoat(登録商標)は、水非混和性有機溶媒にエチルセルロースを溶解し、次いで、それを、界面活性剤および安定剤の存在下で水中に乳化することによって、調製することができる。均質化してサブミクロン液滴を作製した後、擬ラテックスから減圧下で有機溶媒をエバポレートする。製造段階中、可塑剤は擬ラテックスに組み入れられない。従って、それをコーティングとして使用する前に、使用前にAquacoatを適切な可塑剤と緊密に混合する。エチルセルロースの別の水性分散体は、Surelease(登録商標)(Colorcon,Inc.、West Point、ペンシルバニア州、米国)として市販されている。この生成物は、製造プロセス中に可塑剤を分散体に組み入れることによって調製することができる。ポリマー、可塑剤(例えば、セバシン酸ジブチル)、および安定剤(例えば、オレイン酸)のホットメルトを、均質な混合物として調製し、次いで、アルカリ溶液で希釈して、基体に直接適用することができる水性分散体を得る。
他の実施態様では、ポリメタクリレートアクリル系ポリマーを、味マスキング性ポリマーとして用いることができる。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングは、Eudragit(登録商標)の商標でRohm PharmaからまたはKollicoat(登録商標)の商標でBASFから市販されているもののような水性分散体の形態で使用されるアクリル樹脂ラッカーである。さらなる好適な実施態様では、アクリルコーティングは、それぞれEudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSの商標でRohm Pharmaから市販の2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含んでなる。
Eudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSは、低含有量の第四級アンモニウム基を伴うアクリルおよびメタクリルエステルのコポリマーであり、アンモニウム基対残りの中性(メタ)アクリルエステルのモル比は、Eudragit(登録商標)RLにおいて1:20およびEudragit(登録商標)RSにおいて1:40である。平均分子量は150,000である。コード表示RL(高透過性)およびRS(低透過性)は、これらの薬剤の透過特性を指す。Eudragit(登録商標)RL/RS混合物は、水および消化液に不溶性である。しかし、それらから形成されるコーティングは、水溶液ならびに消化液において膨潤性および透過性である。本発明のEudragit(登録商標)RL/RS分散体または溶液は、究極的に所望の薬物溶解プロファイルを有する味マスキング性コーティングを得るために、所望される任意の比で共に混合することができる。所望の製剤は、例えば、100%Eudragit(登録商標)RL;50%Eudragit(登録商標)RLと50%Eudragit(登録商標)RS;および10%Eudragit(登録商標)RLと90%Eudragit(登録商標)RSから誘導されるコーティングから得ることができる。
他の実施態様では、味マスキング性ポリマーはまた、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性のメタクリル酸エステル(例えば、Eudragit(登録商標)E、Rohm Pharmaから市販のされている)に基づく特徴のカチオン性であるポリマーを含むことができる。本発明の疎水性アクリル系ポリマーコーティングは、Eudragit(登録商標)NE(NE=中性エステル)(Rohm Pharmaから市販されている)のようなポリ(メタ)アクリレートに基づく中性のコポリマーをさらに含むことができる。Eudragit(登録商標)NE30Dラッカーフィルムは、水および消化液に不溶性であるが、透過性および膨潤性がある。
他の実施態様では、味マスキング性ポリマーは、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(Kollicoat(登録商標)EMM30D、BASF)の分散体である。
他の実施態様では、味マスキング性ポリマーは、Kollicoat(登録商標)SR30D(BASF)のようなポリビニルピロリドンおよびラウリル硫酸ナトリウムで安定化されたポリビニルアセテートであり得る。
他の味マスキング性ポリマーとして、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);ヒドロキシエチルセルロース;ゼラチン;ゼラチン/アカシア(Acacia);ゼラチン/アカシア(Acacia)/ビニルメチルエーテル無水マレイン酸;ゼラチン/アカシア(Acacia)/エチレン無水マレイン酸;カルボキシルメチルセルロース;ポリビニルアルコール;ニトロセルロース;ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー;シェラック;蝋およびそれらの混合物が挙げられる。
味マスキング性コーティングは、1つもしくはそれ以上の有機または水性の溶媒溶液あるいは懸濁液由来の微小粒子に適用することができる。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングを適用するために使用することができる有機溶媒として、1つもしくはそれ以上のアセトン、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコールおよびアルコール/水混合物、塩素化炭化水素などが挙げられる。本発明の微小粒子を味マスキング性コーティングでコーティングするために使用されるデバイスとして、流動層コーティングデバイスのような薬学的プロセシングにおいて従来使用されるようなものが挙げられる。微小粒子に適用されるコーティングは、機能性ポリマー以外の成分を含有することができる。1つもしくはそれ以上の着色剤、風味付け剤(flavorants)、甘味剤もまた、味マスキング性コーティングにおいて使用することができる。
いくつかの実施態様では、微小粒子からのブプロピオン臭化水素酸塩の放出の速度に影響を及ぼすために、孔形成物を味マスキング性コートに封入することができる。他の実施態様では、孔形成物は味マスキング性コートに含まれない。孔形成物は、無機系または有機系であり、使用環境においてコーティングから溶解、抽出、または浸出させることができる粒状材料のような材料を含むことができる。使用環境における液体への暴露時に、例えば、孔形成物を溶解し、環境液体で満たすチャンネルおよび孔を形成させることができる。
例えば、所定の実施態様の孔形成物は、製剤の放出特徴を改変するために、1つもしくはそれ以上の水溶性親水性ポリマーを含んでなることができる。形成物として使用される適切な親水性ポリマーの例として、ヒドロキシメチルセルロース、セルロースエーテルおよびこれらのポリマーのタンパク質誘導性材料、セルロースエーテル、特に、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロースが挙げられる。また、合成水溶性ポリマーを使用することができ、例えば、その例として、ポリビニルピロリドン、架橋型ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドなど、水溶性ポリデキストロース、糖類および多糖類、例えば、プルラン、デキストラン、スクロース、グルコース、フルクトース、マンニトール、ラクトース、マンノース、ガラクトース、およびソルビトールを挙げることができる。少なくとも1つの実施態様では、親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなる。
孔形成物の他の非限定的な例として、アルカリ金属塩、例えば、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。孔形成固体はまた、CarbowaxesTM、およびCarbopolTMのような使用環境において可溶性であるポリマーであり得る。さらに、孔形成物は、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコール、およびポリ(a−w)アルキレンジオールを包含する。本発明の製剤において有用であり得る他の孔形成物として、澱粉、加工澱粉、および澱粉誘導体、次のものを含むがこれらに限定されないガム、キサンタンガム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、ベントナイト、ビーガム(veegum)、寒天、グアー、ローカストビーンガム、アラビアガム、マルメロ(quince)、オオバコ(psyllium)、アマニ種子、オクラガム、アラビノグラクタン(arabinoglactin)、ペクチン、トラガント、スクレログルカン、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、デキストリンなど、架橋型リビニルピロリドン、イオン交換樹脂、例えば、カリウムポリメタクリレート、カラギーナン、κ−カラギーナン、λカラギーナン、カラヤガム(gum karaya)、生合成ガムなどが挙げられる。他の孔形成物として、使用環境において微小孔層を作製するのに有用な材料、例えば、ポリマー鎖において炭酸基が繰り返し生じる炭酸の線状ポリエステルからなるポリカーボネート、微孔性材料、例えば、ビスフェノール、微孔性ポリ(ビニルクロリド)、微孔性ポリアミド、微孔性モダクリルコポリマー、微孔性スチレン−アクリル系およびそのコポリマー、多孔性ポリスルホン、ハロゲン化ポリ(ビニリデン)、ポリクロロエーテル、アセタールポリマー、アルキレンポリオールによるジカルボン酸または無水物のエステル化によって調製されるポリエステル、ポリ(アルキレンスルフィド)、フェノール系、ポリエステル、非対称多孔性ポリマー、架橋型オレフィンポリマー、減少したバルク密度を有する親水性微孔性ホモポリマー、コポリマーまたはインターポリマー、および他の類似の材料、ポリ(ウレタン)、架橋型鎖伸長型ポリ(ウレタン)、ポリ(イミド)、ポリ(ベンズイミダゾール)、コロジオン、再生タンパク質、半固体架橋型ポリ(ビニルピロリドン)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
一般に、本発明の所定の実施態様の味マスキング性コーティングに含まれる孔形成物の量は、ポリマーおよび孔形成物の組み合わされた量に対して0.1重量%〜80重量%であり得る。それが味マスキング性ポリマーの乾燥重量に関連するときの孔形成物の百分率は、コーティング微小粒子の薬物放出特性に対して影響を及ぼし得る。ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性孔形成物を使用する少なくとも1つの実施態様では、10:1〜1:1の間の味マスキング性ポリマー:孔形成物乾燥重量比が存在し得る。所定の実施態様では、味マスキング性ポリマー:孔形成物乾燥重量比は、8:1〜1.5:1、および他の実施態様では、6:1〜2:1である。味マスキング性ポリマーとしてEudragit(登録商標)NE30Dおよび水溶性孔形成物としてMethocel(登録商標)E5、Pharmacoat606Gのようなヒドロキシプロピルメチルセルロース(約5cps粘度(2%水溶液中))を使用する少なくとも1つの実施態様では、2:1の味マスキング性ポリマー:孔形成物乾燥重量比(ratio ratio)が存在する。
味マスキング性コーティングにおいて使用することができる着色剤として、食品、薬品および化粧品着色料(FD&C)、薬品および化粧品着色料(D&C)または外部薬品および化粧品着色料(Ext.D&C)が挙げられる。これらの着色料は、染料、レーキ、ならびに所定の天然および誘導された着色剤である。有用なレーキとして、水酸化アルミニウムまたは他の適切なキャリアに吸収された染料が挙げられる。
味マスキング性コーティングにおいて使用することができる風味付け剤(flavorants)として、天然および合成の風味付け液が挙げられる。そのような風味付け剤(flavorants)の例示的リストとして、揮発油、合成香油、風味付け芳香剤、オイル、液、オレオレジンならびに植物、葉、花、果実、茎およびそれらの組み合わせから誘導される抽出物が挙げられる。これらの非制限的代表的リストとして、レモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツのような柑橘系のオイル、ならびにリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコットを含む果実精油、または他の果実風味付けが挙げられる。他の有用な風味付け剤(flavorants)として、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド);シトラール、即ち、α−シトラール(レモン、ライム);ネラール、即ち、β−シトラール(レモン、ライム);デカナール(オレンジ、レモン);アルデヒドC−8(柑橘類);アルデヒドC−9(柑橘類);アルデヒドC−12(柑橘類);トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド);2,6−ジメチルオクタナール(熟していない果実);2−ドデナール(2−dodenal)(柑橘類のマンデリン);それらの混合物などのようなアルデヒドならびにエステルが挙げられる。
味マスキング性コーティングにおいて使用することができる甘味剤として、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびそれらの混合物(キャリアとして使用されない場合);サッカリンおよびナトリウム塩のようなその多様な塩;アスパルテームのようなジペプチド甘味剤;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;ステビア(ステビオシド);スクラロースのようなクロロ誘導体またはスクロース;ならびにソルビトール、マンニトール、キシリトールなどのような糖アルコールが挙げられる。また、硬化澱粉加水分解物ならびに3,6−ジヒドロ−6−メチル−1−1−1,2,3−オキサチアジン−4−1−2,2−ジオキシド、特に、そのカリウム塩(アセスルファム−K)、ならびにナトリウムおよびカルシウム塩のような合成甘味剤も想定される。甘味剤は、単独またはそれらの任意の組み合わせで使用することができる。
微小粒子味マスキング性コートはまた、潤滑剤、乳化薬剤、消泡剤、可塑剤、溶媒などのような1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含むことができる。
潤滑剤は、製造中のコーティング微小粒子の摩擦を減少するのに役立たせるために封入することができる。本発明の味マスキング性コートにおいて使用することができる潤滑剤として、アジピン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硬化植物油、塩化ナトリウム、ステロテックス(sterotex)、ポリオキシエチレン、モノステアリン酸グリセリル、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、軽質性鉱物油、ベヘン酸グリセリルのような蝋脂肪酸エステル(即ち、CompritolTM)、Stear−O−WetTM、MyvatexTMTLおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクから選択される。これらの潤滑剤の組み合わせは操作可能である。潤滑剤は、味マスキング性コートにおけるポリマー乾燥重量の1%〜100重量%の量で存在することができる。例えば、味マスキング性ポリマーが疎水性孔形成物を伴うEudragit(登録商標)NE30DまたはEudragit(登録商標)NE40D(Rohm America LLC)である所定の実施態様では、潤滑剤は、ポリマー乾燥重量の1%〜30重量%の量で存在し;他の実施態様では、2%〜20%;およびなお他の実施態様では、微小粒子味マスキング性コート乾燥重量の10重量%で存在する。味マスキング性ポリマーがエチルセルロース(EthocelTMPR100、PR45、PR20、PR10もしくはPR7ポリマー、またはそれらの混合物)である別の実施態様では、潤滑剤は、微小粒子味マスキング性コート乾燥重量の10重量%〜100重量%の量で存在することができ;別の実施態様では、微小粒子味マスキング性コート乾燥重量の20重量%〜80重量%;なお別の実施態様では、微小粒子味マスキング性コート乾燥重量の50重量%で存在することができる。他の実施態様では、味マスキングコートは孔形成物を含まない。
乳化剤(乳化薬剤またはエマルジェント(emulgent)とも呼ばれる)は、コートの製造中実際のの乳化を容易にし、また、製品の貯蔵寿命中のエマルジョン安定性を確実にするために微小粒子味マスキング性コートに封入することができる。微小粒子味マスキング性コート組成物に有用な乳化剤として、天然に存在する材料および多糖のようなそれらの半合成誘導体、ならびにグリセロールエステル、セルロースエーテル、ソルビタンエステル、(例えば、モノオレイン酸ソルビタンもしくはSpanTM80)、およびポリソルベート(例えば、TweenTM80)が挙げられるが、これらに限定されない。乳化剤の組み合わせは操作可能である。少なくとも1つの実施態様では、乳化剤はTweenTM80である。乳化剤は、微小粒子味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.01重量%〜5重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、乳化剤は、微小粒子味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.05重量%〜3%の量で存在し;他の実施態様では、微小粒子味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.08重量%〜1.5重量%、およびなお他の実施態様では、微小粒子味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.1重量%で存在する。
消泡剤は、コートの製造中の泡沫または泡を減少するために、微小粒子味マスキング性コートに封入することができる。コート組成物に有用な消泡剤として、シメチコン、ポリグリコール、シリコンオイル、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、消泡剤はシメチコンC(Simethicone C)である。消泡剤は、微小粒子味マスキング性コート重量の0.1重量%〜10重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、消泡剤は、微小粒子味マスキング性ポリマー乾燥重量の0.2重量%〜5重量%の量で存在し;他の実施態様では、0.3重量%〜1.5重量%、およびなお他の実施態様では、0.6重量%で存在する。
製造中に増加された可撓性および耐久性を提供するために、微小粒子味マスキング性コートに可塑剤を含ませることができる。微小粒子味マスキング性コートにおいて使用することができる可塑剤として、アセチル化モノグリセリド;クエン酸アセチルトリブチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;トリプロピオン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;クエン酸アセチルトリエチル、ポリエチレングリコール;ヒマシ油;菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、グリセリンソルビトール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル(dietylfmerate)、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、三酪酸グリセロール、およびそれらの混合物が挙げられる。可塑剤は、味マスキング性ポリマー乾燥重量の1%〜80%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、5%〜50%の量で存在し、他の実施態様では、10%〜40%、およびなお他の実施態様では、味マスキング性ポリマー乾燥重量の20%で存在する。
ポリマーの選択、ポリマー:孔形成物の比、および微小粒子製剤の全表面積に依存して、味マスキング性コーティングは、微小粒子の1%〜90重量%の量で存在することができる。有効な味マスキングを達成するために、味マスキング性コーティングの所定の厚さを達成しなければならないため、製造中に使用される味マスキング性ポリマーコーティングの量は、コーティングを必要とするコーティングされていない微小粒子のバッチの全表面積に関連する。味マスキング性ポリマー表面積適用範囲は、0.5mg/cm2〜20mg/cm2の範囲であり得る。例えば、所定の実施態様では、味マスキング性ポリマーの表面積適用範囲は、0.6mg/cm2〜10mg/cm2、および他の実施態様では、1mg/cm2〜5mg/cm2である。本発明の少なくとも1つの実施態様では、Eudragit(登録商標)Eは、4mg/cm2の表面積適用範囲で味マスキング性ポリマーとして用いられる。多粒子バッチの全表面積を評価する1つのアプローチは、平行に配列された毛管を介する層流の数理モデルに基づくBlaine(ASTM Des.C205−55)に従う透過方法である。
微小粒子の全表面積の正確な決定が存在しないときは、適用すべき味マスキング性ポリマーの量は、コーティングされていない微小粒子の百分率として表現することができる。例えば、所定の実施態様では、味マスキング性コーティングは、微小粒子の5重量%〜60重量%の量で存在し;他の実施態様では、10重量%〜40重量%;およびなお他の実施態様では、15重量%〜35重量%である。少なくとも1つの実施態様では、味マスキング性コーティングは、微小粒子の30重量%の量で存在する。
所定の実施態様では、(味マスキング性コーティングを伴うまたは伴わない)微小粒子の直径は、50μm〜800μmの範囲である。例えば、所定の実施態様では、微小粒子の直径は、100μm〜600μm、および他の実施態様では、150μm〜450μmの範囲である。
微小粒子制御放出性コート
本発明の微小粒子は、それぞれ、少なくとも1つの制御放出性コートでコーティングすることができる。本明細書において使用する用語「微小粒子制御放出性コート」は、それぞれの微小粒子を実質的に取り囲む制御放出性コートを指す。微小粒子制御放出性コートは、微小粒子からのブプロピオン塩の制御型放出を達成するように設計される。例えば、微小粒子制御放出性コートは、胃のpHで低い溶解度を伴う腸溶性コートであり得、胃の管腔における薬物放出を減少または最小限にする一方、十二指腸における薬物放出を容易にするpH依存的溶解度を所有する。別の実施態様では、制御放出性コートは、溶解媒体のpHに非依存的、あるいは依存的である予め決定された遅延時間(lagtime)を伴うブプロピオン塩の遅延放出を提供する遅延放出コーティングであり得る。例えば、pH非依存的拡散ポリマーを使用して、微小粒子制御放出性コートの厚さを増加することによって、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間の遅延時間を達成することができる。あるいは、所定のpHより上で可溶性になる制御型放出ポリマーが選択され得る。そのようなシステムからの薬物放出は、選択されたポリマーの臨界pHを超えるまで、減少または最小限にされる。いずれかのアプローチによって、予め決定された遅延の後、例えば、即時放出パルスの1時間内、あるいは、長期間、例えば、3〜24時間にわたって、薬物が放出される。他の実施態様では、微小粒子制御放出性コートは、pHに非依存的であり、それ故、投与の3〜24時間後に生じるブプロピオン塩の実質的に完全な放出を伴う持続放出プロファイルを容易にする拡散バリアを提供することができる。少なくとも1つの実施態様では、微小粒子制御放出性コートは、投与後24時間内の実質的に十分な放出を伴う微小粒子からのブプロピオン塩の遅延および持続放出を提供する。
所定の実施態様では、微小粒子制御放出性コートは、いずれの孔形成物の使用も必要としない微小粒子からのブプロピオン塩の実質的に完全な放出を提供することができる。微小粒子制御放出性コートにおいて必要とされない不必要な孔形成物として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような親水性ポリマーが挙げられる。
微小粒子制御放出性コートは、ブプロピオン塩の制御型放出を達成するのに十分な量の少なくとも1つのポリマーを含む。本発明の少なくとも1つの実施態様では、制御放出性ポリマーはアクリル系ポリマーである。適切なアクリル系ポリマーとして、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、ならびにグリシジルメタクリレートコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートは重合可能な第四級アンモニウム化合物を含んでなり、その非限定的な例として、アクリル酸ならびにメタクリル酸の四級化アミノアルキルエステルおよびアミノアルキルアミド、例えば、β−メタクリル−オキシエチル−トリメチル−アンモニウムメトスルフェート、β−アクリルオキシ−プロピル−トリメチル−アンモニウムクロリド、およびトリメチルアミノメチル−メタクリルアミドメトスルフェートが挙げられる。第四級アンモニウム原子はまた、メタクリルオキシエチルメチル−モルホリニオム(morpholiniom)クロリドもしくは対応するピペリジニウム塩におけるような複素環の部分であり得、またはそれは、ポリグリコールエーテル基のようなヘテロ原子を含有する基を介してアクリル酸基あるいはメタクリル酸基に接続され得る。さらに適切な重合可能な第四級アンモニウム化合物として、メチル−ビニルピリジニウム塩のような四級化ビニル置換窒素ヘテロ環、四級化アミノカルボン酸のビニルエステル、およびスチリルトリアルキルアンモニウム塩が挙げられる。本発明において有用な他の重合可能な第四級アンモニウム化合物として、アクリル−およびメタクリル−オキシエチルトリメチル−アンモニウムクロリドおよびメトスルフェート、ベンジルジメチルアンモニウムエチル−メタクリレートクロリド、ジエチルメチルアンモニウムエチル−アクリレートおよび−メタクリレートメトスルフェート、N−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド、ならびにN−トリメチルアンモニウム−2,2−ジメチルプロピル−1−メタクリレートクロリドが挙げられる。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性コートのポリマーは、1つもしくはそれ以上のアンモニオメタクリレートコポリマーからなるアクリル系ポリマーである。アンモニオメタクリレートコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)RSおよびRLの商標で販売されている)が、NF XVIIにおいて、低い含有量の第四級アンモニウムを伴うアクリル酸およびメタクリル酸エステルの完全に重合されたコポリマーとして記載されている。ブプロピオン臭化水素酸塩のような所定の治療有効な薬剤のための所望の溶解プロファイルを得るために、いくつかの実施態様では、異なる物理特性を有する2つもしくはそれ以上のアンモニオメタクリレートコポリマーを組み入れることが必要であり得る。例えば、第四級アンモニウム基対中性の(メタ)アクリル酸エステルの分子比を変更することによって、得られる制御放出性コートの透過特性を改変することができることが公知である。
本発明の他の実施態様では、アクリル系ポリマーコーティングは、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーのようなその透過性がpH依存的であるポリマーをさらに含む。そのようなポリマーは、例えば、Eudragit(登録商標)LおよびEudragit(登録商標)Sの商標でRohm Pharma GmbHから市販されており、遊離のカルボキシル基対エステルの比は、Eudragit(登録商標)Lにおいて1:1およびEudragit(登録商標)Sにおいて1:2と言われる。Eudragit(登録商標)Lは、酸および純水において不溶性であるが、pH5.0を超えると透過性が増加してくる。Eudragit(登録商標)Sも、pH7を超えると透過性が増加してくることを除いて、同様である。疎水性アクリル系ポリマーコーティングはまた、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性のメタクリル酸エステル(例えば、Eudragit(登録商標)E、Rohm Pharmaから市販のされている)に基づく特徴のカチオン性であるポリマーを含むことができる。所定の実施態様の疎水性アクリル系ポリマーコーティングは、Eudragit(登録商標)NE(NE=中性エステル)(Rohm Pharmaから市販されている)のようなポリ(メタ)アクリレートに基づく中性のコポリマーをさらに含むことができる。Eudragit(登録商標)NE30Dラッカーフィルムは、水および消化液に不溶性であるが、透過性および膨潤性がある。
本発明の他の実施態様では、制御放出性ポリマーは、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(Kollicoat(登録商標)EMM30D、BASF)の分散体である。他の実施態様では、制御放出性ポリマーは、Kollicoat(登録商標)SR30D(BASF)のようなポリビニルピロリドンおよびラウリル硫酸ナトリウムで安定化されたポリビニルアセテートであり得る。溶解プロファイルは、コーティングに含まれる異なるアクリル樹脂ラッカーの相対量を変えることによって変更することができる。また、所定の実施態様における重合可能な透過性増強剤(例えば、第四級アンモニウム化合物)対中性の(メタ)アクリル酸エステルのモル比を変えることによって、得られるコーティングの透過特性(および従って、溶解プロファイル)を改変することができる。
少なくとも1つの実施態様では、制御放出性ポリマーは、使用前に有機溶媒に可溶化された乾燥ポリマー(例えば、Ethocel(登録商標)、Dow Corning)としてまたは水性分散体として使用することができるエチルセルロースを含んでなる。エチルセルロースの1つの市販の水性分散体は、Aquacoat(登録商標)(FMC Corp.、Philadelphia、ペンシルバニア州、米国)である。Aquacoat(登録商標)は、水非混和性有機溶媒にエチルセルロースを溶解し、次いで、それを、界面活性剤および安定剤の存在下で水中に乳化することによって、調製することができる。均質化してサブミクロン液滴を作製した後、擬ラテックスから減圧下で有機溶媒をエバポレートする。製造段階中、可塑剤は擬ラテックスに組み入れられない。従って、それをコーティングとして使用する前に、使用前にAquacoat(登録商標)を適切な可塑剤と緊密に混合する。エチルセルロースの別の水性分散体は、Surelease(登録商標)(Colorcon,Inc.、West Point、ペンシルバニア州、米国)として市販されている。この生成物は、製造プロセス中に可塑剤を分散体に組み入れることによって調製することができる。ポリマー、可塑剤(例えば、セバシン酸ジブチル)、および安定剤(例えば、オレイン酸)のホットメルトを、均質な混合物として調製し、次いで、アルカリ溶液で希釈して、基体に直接適用することができる水性分散体を得る。
微小粒子制御放出性コートにおいて使用することができるポリマーの他の例として、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリマレテート(cellulose acetate trimaletate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアルコールフタレート、シェラック;ヒドロゲルおよびゲル形成材料、例えば、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、澱粉、ならびに水の吸着およびポリマーマトリックスの膨張を容易にするように架橋の程度が低いセルロースを基材とする架橋ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋澱粉、結晶セルロース、キチン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアガム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、(膨潤性親水性ポリマー)ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)(分子量5k〜5000k)、ポリビニルピロリドン(分子量10k〜360k)、アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル、ゼイン、ポリアミド、低級な酢酸残基を有するポリビニルアルコール、寒天およびカルボキシルメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレンまたはイソブチレンとのコポリマー、ペクチン(分子量30k〜300k)、多糖類、例えば、寒天、アカシア、カラヤ、トラガント、アルギン類およびグアー、ポリアクリルアミド、Polyox(登録商標)ポリエチレンオキシド(分子量100k〜5000k)、AquaKeep(登録商標)アクリレートポリマー、ポリグルカンのジエステル、架橋されたポリビニルアルコールおよびポリN−ビニル−2−ピロリドン、親水性ポリマー、例えば、多糖類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシルメチルセルロース、セルロースエーテル、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、ゼラチン、澱粉、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、天然ガム類、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アルギン酸アンモニア(ammonia alginate)、ナトリウム、カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、寒天、ならびにガム、例えば、アラビック、カラヤ、ローカストビーン、トラガント、カラギーン、グアー、キサンタン、スクレログルカンならびにその混合物および混和物が挙げられる。
少なくとも1つの実施態様では、微小粒子の制御放出性コートは、胃腸管内での粘膜付着(mucoadhsion)を容易にすることができるポリマーを含んでなる。粘膜付着のために使用することができるポリマーの非限定的な例として、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、CarbopolTM、PolycarbophilTM、ゼラチンおよび他の天然または合成ポリマーが挙げられる。
少なくとも1つの実施態様では、微小粒子は、以下からなる制御放出性コートでコーティングされる:
(i)制御放出性コート組成物の乾燥物の50重量%〜90重量%(例えば、50重量%〜80重量%)の量で存在し、少なくとも1つの非水溶性セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、またはそれらの混合物)を含む消化管の液において不溶性である少なくとも1つのフィルム形成ポリマー;
(ii)制御放出性コート組成物の乾燥物の2重量%〜25重量%(例えば、5重量%〜15重量%)の量で存在し、少なくとも1つのポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアリド(vinylaride)、ポリ−N−ビニル−ラクタム、ポリビニルピロリドン、またはそれらの混合物を含む少なくとも1つの窒素含有ポリマー;
(iii)場合により、制御放出性コート組成物の乾燥物の2%重量〜20%重量(例えば、4重量%〜15重量%)の量で存在し、少なくとも1つの次の化合物:グリセロールエステル、フタレート、シトレート、セバケート、セチルアルコールエステル、ヒマシ油、クチン、またはそれらの混合物を含む少なくとも1つの可塑剤;
(iv)制御放出性コート組成物の乾燥物の2重量%〜20重量%(例えば、4重量%〜15重量%)の量で存在し、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、およびそれらの混合物)のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩のようなアニオン性界面活性剤、および/またはソルビタンのポリオキシエチレン化エステル、ソルビタンのポリオキシエチレン化エステル、ヒマシ油のポリオキシエチレン化誘導体のような非イオン性界面活性剤、および/またはステアリン酸塩(例えば、ステアリン酸カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛およびそれらの混合物)、フマル酸ステアリル(例えば、ステアリルフマル酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリルおよびそれらの混合物)のような潤滑剤;ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの界面活性剤および/または潤滑剤;
ここで、コーティング微小粒子は、少なくとも5時間の期間;所定の実施態様では、少なくとも7時間;および所定の他の実施態様では、8時間〜24時間の間、小腸において保持することができるように;小腸におけるその期間の少なくとも一部の間に、ブプロピオン臭化水素酸塩の吸収を可能にするように、設計される。
本発明の本実施態様のさしあたりの実施例では、微小粒子は、流動層コーターにおいて、以下のコーティング溶液でコーティングされる:
エチルセルロース 44.7g
PVP 4.8g
ヒマシ油 4.8g
ステアリン酸マグネシウム 6.1g
アセトン 479g
イソプラノール(Isopranol) 53g
本発明の他の実施態様では、制御型放出製剤からのブプロピオン臭化水素酸塩の放出は、さらに影響を受け得、即ち、1つもしくはそれ以上の孔形成物の制御放出性コートへの添加によって、所望される速度に調整し得、ここで、孔形成物は、無機系または有機系であり得、使用環境において制御放出性コートから溶解、抽出または浸出させることができる材料を含むことができる。使用環境における液体への暴露時に、例えば、孔形成物を溶解し、環境液体で満たすチャンネルおよび孔を形成させる。例えば、孔形成物は、製剤の放出特徴を改変するために、1つもしくはそれ以上の水溶性親水性ポリマーを含むことができる。適切な親水性ポリマーの非限定的な例として、ヒドロキシメチルセルロース、セルロースエーテルおよびこれらのポリマーのタンパク質誘導性材料、セルロースエーテル(例えば、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキルセルロース)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。また、合成水溶性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、架橋型ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、水溶性ポリデキストロース、糖類および多糖類、例えば、プルラン、デキストラン、スクロース、グルコース、フルクトース、マンニトール、ラクトース、マンノース、ガラクトース、ソルビトール、ならびにこれらの混合物を使用することができる。少なくとも1つの実施態様では、親水性ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。孔形成物の他の例として、アルカリ金属塩、例えば、炭酸リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物が挙げられる。孔形成固体はまた、Carbowaxes(登録商標)、Carbopol(登録商標)などのような使用環境において可溶性であるポリマーであり得る。可能な孔形成物は、ジオール、ポリオール、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコール、ポリ(a−w)アルキレンジオール、およびそれらの混合物を包含する。本発明の製剤において有用であり得る他の孔形成物として、澱粉、加工澱粉、および澱粉誘導体、次のものを含むがこれらに限定されないガム、キサンタンガム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、ベントナイト、ビーガム(veegum)、寒天、グアー、ローカストビーンガム、アラビアガム、マルメロ(quince)、オオバコ(psyllium)、アマニ種子、オクラガム、アラビノグラクタン(arabinoglactin)、ペクチン、トラガント、スクレログルカン、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、デキストリンなど、架橋型リビニルピロリドン、イオン交換樹脂、例えば、カリウムポリメタクリレート、カラギーナン、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、カラヤガム(gum karaya)、生合成ガム、およびそれらの混合物が挙げられる。他の孔形成物として、使用環境において微小孔層を作製するのに有用な材料、例えば、ポリマー鎖において炭酸基が繰り返し生じる炭酸の線状ポリエステルからなるポリカーボネート、微孔性材料、例えば、ビスフェノール、微孔性ポリ(ビニルクロリド)、微孔性ポリアミド、微孔性モダクリルコポリマー、微孔性スチレン−アクリル系およびそのコポリマー、多孔性ポリスルホン、ハロゲン化ポリ(ビニリデン)、ポリクロロエーテル、アセタールポリマー、アルキレンポリオールによるジカルボン酸または無水物のエステル化によって調製されるポリエステル、ポリ(アルキレンスルフィド)、フェノール系、ポリエステル、非対称多孔性ポリマー、架橋型オレフィンポリマー、減少したバルク密度を有する親水性微孔性ホモポリマー、コポリマーまたはインターポリマー、および他の類似の材料、ポリ(ウレタン)、架橋型鎖伸長型ポリ(ウレタン)、ポリ(イミド)、ポリ(ベンズイミダゾール)、コロジオン、再生タンパク質、半固体架橋型ポリ(ビニルピロリドン)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
他の実施態様では、界面活性剤または発泡性基剤を制御放出性コートに封入することができ、これは、表面張力の影響を減少することができ、所定の実施態様では、克服することができる。さらに、所定の実施態様の制御放出性コートとして、1つもしくはそれ以上の浸透圧調整剤(即ち、外液に対して浸透圧勾配を提供することによって、デバイスから有効な薬剤を浸透圧的に送達することができる)、膨潤剤(即ち、水において多様な膨潤速度を伴う親水性の薬学的に許容可能な化合物を含むことができるが、これらに限定されない)、または他の薬学的に許容可能な薬剤(即ち、不透過性コーティングの破壊を引き起こすことなく、環境液体の進入を容易にするのに十分な量で提供される)を挙げることができる。所定の実施態様の制御放出性コートにおいて使用することができる界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性であり得る。そのような界面活性剤の非限定的な例として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル、ポリソルベート、プルロニック、カリウムラウレート、およびそれらの混合物が挙げられる。所定の実施態様の制御放出性コートにおいて使用することができる発泡性基剤の非限定的な例として、炭酸グリシンナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、およびそれらの混合物が挙げられる。所定の実施態様の制御放出性コートにおいて使用することができる浸透圧調整剤の非限定的な例として、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、ラクトース、グルコース、スクロース、マンニトール、尿素、当該分野において公知の他の有機および無機化合物、ならびにそれらの混合物が挙げられる。膨潤剤として:少なくとも10重量%(wt/wt)より大きいかもしくは等しい、少なくとも15重量%(wt/wt)より大きいかもしくは等しい、または少なくとも20重量%(wt/wt)より大きいかもしくは等しい25℃での水における膨潤速度あるいは膨潤量を有する少なくとも1つの薬学的に許容可能な親水性化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明の所定の実施態様の制御放出性コートにおいて使用することができる膨潤剤の非限定的な例として、架橋型ポリビニルピロリドン(例えば、ポリプラスドン(polyplasdone)、クロスポビドン(crospovidone)およびそれらの混合物)、架橋型カルボキシアルキルセルロース、架橋型カルボキシメチルセルロース(例えば、架橋型クロスカルメロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびそれらの混合物)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物)、カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)、加工澱粉(例えば、グリナトリウムコーレート)、澱粉または天然の澱粉(例えば、トウモロコシ、コムギ、イネ、ポテトおよびそれらの混合物)、セルロース(即ち、粉体形態もしくは微結晶形態にあり得るがそれらに限定されない)、アルギン酸ナトリウム、ポラクリンカリウム(potassium polacriline)、ならびに対応するそれらの混和物または混合物を含むことができるが、これらに限定されない高分子量の親水性ポリマー(即ち、100,000ダルトンより大きいかもしくは等しくあり得るが、これに限定されない)が挙げられる。他の実施態様では、膨潤剤の非限定的な例として、次の部分集合の化合物:架橋型ポリビニルピロリドン(例えば、ポリプラスドン(polyplasdone)、クロスポビドン(crospovidone)もしくはそれらの混合物)、架橋型カルボキシアルキルセルロース(例えば、架橋型クロスカルメロースナトリウムのような架橋型カルボキシメチルセルロース)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。他の実施態様では、膨潤剤は、窒素含有ポリマーであり得、その非限定的な例として、ポリビニルピロリドン、架橋型ポリビニルピロリドンおよびそれらの混合物を挙げることができる。本発明の所定の実施態様の制御放出性コートにおける膨潤剤の濃度は、微小粒子の3重量%〜40重量%であり得る。例えば、所定の実施態様では、制御放出性コートにおける膨潤剤の濃度は、微小粒子の4重量%〜30重量%、および他の実施態様では、5重量%〜25重量%である。
所定の実施態様では、本発明の目的に一致する1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、制御放出性コートにおいて使用することができ、例えば、潤滑剤、乳化剤、消泡剤、および/または可塑剤がある。
潤滑剤は、製造中のコーティング微小粒子の摩擦を減少するのに役立たせるために、制御放出性コートに封入することができる。本発明の所定の実施態様の制御放出性コートにおいて使用することができる潤滑剤として、アジピン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硬化植物油、塩化ナトリウム、ステロテックス(sterotex)、ポリオキシエチレン、モノステアリン酸グリセリル、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、軽質性鉱物油、ベヘン酸グリセリルのような蝋脂肪酸エステル(例えば、CompritolTM)、Stear−O−WetTMおよびMyvatexTMTLが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよびそれらの混合物から選択される。これらの潤滑剤の組み合わせは操作可能である。潤滑剤は、それぞれ、制御放出性コート乾燥重量の1%〜100重量%の量で存在することができる。例えば、制御放出性ポリマーが疎水性孔形成物を伴うEudragit(登録商標)NE30DまたはEudragit(登録商標)NE40D(Rohm America LLC)である所定の実施態様では、潤滑剤は、制御放出性コート乾燥重量の1%〜30重量%の量で存在し;他の実施態様では、2%〜20%;およびなお他の実施態様では、微小粒子制御放出性コート乾燥重量の10重量%で存在する。制御放出ポリマーがエチルセルロース(EthocelTMPR100、PR45、PR20、PR10もしくはPR7ポリマー、またはそれらの混合物)である別の実施態様では、潤滑剤は、微小粒子制御放出性コート乾燥重量の10重量%〜100重量%の量で存在することができ;別の実施態様では、微小粒子制御放出性コート乾燥重量の20重量%〜80重量%;なお別の実施態様では、50重量%で存在することができる。
乳化剤(乳化薬剤またはエマルジェント(emulgent)とも呼ばれる)は、コートの製造中実際のの乳化を容易にし、また、製品の貯蔵寿命中のエマルジョン安定性を確実にするために微小粒子制御放出性コートに封入することができる。微小粒子制御放出性コート組成物に有用な乳化剤として、天然に存在する材料および多糖のようなそれらの半合成誘導体、ならびにグリセロールエステル、セルロースエーテル、ソルビタンエステル、(例えば、モノオレイン酸ソルビタンもしくはSpanTM80)、およびポリソルベート(例えば、TweenTM80)が挙げられるが、これらに限定されない。乳化剤の組み合わせは操作可能である。少なくとも1つの実施態様では、乳化剤はTweenTM80である。乳化剤は、微小粒子制御放出性コート乾燥重量の0.01重量%〜5重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、乳化剤は、微小粒子制御放出性コート乾燥重量の0.05重量%〜3%の量で存在し;他の実施態様では、0.08重量%〜1.5重量%、およびなお他の実施態様では、0.1重量%で存在する。
消泡剤は、コートの製造中の泡沫または泡を減少するために、微小粒子制御放出性コートに封入することができる。コート組成物に有用な消泡剤として、シメチコン、ポリグリコールおよびシリコンオイルが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、消泡剤はシメチコンC(Simethicone C)である。消泡剤は、微小粒子制御放出性コート重量の0.1%〜10%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、消泡剤は、微小粒子制御放出性コート乾燥重量の0.2重量%〜5重量%の量で存在し;他の実施態様では、0.3重量%〜1重量%、およびなお他の実施態様では、0.6重量%で存在する。
可塑剤は、製造中の簡便なプロセシングのためのコートにおいて使用されるポリマーの特性および特徴を改変する(例えば、製造中に増加された可撓性および耐久性を提供する)ために、微小粒子制御放出性コートに封入することができる。本明細書において使用する用語「可塑剤」は、本発明において使用されるポリマーもしくはバインダーを可塑化または軟化することが可能な任意の化合物を含む。一旦コートが製造されると、所定の可塑剤は、使用環境におけるコートの親水性を増加するために機能することができる。コートの製造中に、可塑剤は、ポリマーまたはバインダーの融解温度もしくはガラス転移温度(軟化点温度)を低下させることができる。低分子量PEGのような可塑剤の添加は、一般的に、それらが含まれるポリマーの平均分子量の分布を拡げ、それによって、そのガラス転移温度または軟化点を低下させる。可塑剤はまた、一般的に、ポリマーの粘性を減少することができる。微小粒子制御放出性コートにおいて使用することができる可塑剤の非限定的な例として、アセチル化モノグリセリド;クエン酸アセチルトリブチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;トリプロピオン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;クエン酸アセチルトリエチル、ポリエチレングリコール;ヒマシ油;菜種油、オリーブ油、ゴマ油、クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、グリセリンソルビトール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート(epoxidized tallate)、トリメリット酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、フマル酸ジエチル(dietylfmerate)、コハク酸ジブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、三酪酸グリセロール、およびそれらの混合物が挙げられる。可塑剤は、制御放出性コート乾燥重量の1%〜80%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、可塑剤は、5%〜50%の量で存在し、他の実施態様では、10%〜40%、およびなお他の実施態様では、制御放出性コート乾燥重量の20%で存在する。
ポリマーの選択、ポリマー:孔形成物の比、および微小粒子製剤の全表面積に依存して、制御放出性コートは、微小粒子の1重量%〜100重量%の量で存在することができる。所望される溶解プロファイルを達成するために、制御放出コーティングの所定の厚さを達成しなければならないため、製造中に要求されるポリマーコーティングの量は、コーティングを必要とするコーティングされていない微小粒子のバッチの全表面積に関連する。制御放出性ポリマー表面積適用範囲は、0.5mg/cm2〜30mg/cm2の範囲であり得る。例えば、所定の実施態様では、制御放出性ポリマーの表面積適用範囲は、0.6mg/cm2〜20mg/cm2、および他の実施態様では、1mg/cm2〜5mg/cm2である。本発明の少なくとも1つの実施態様では、Eudragit(登録商標)NE30Dは、10mg/cm2の表面積適用範囲で制御放出性ポリマーとして使用される。多粒子バッチの全表面積を評価するための1つのアプローチは、平行に配列された毛管を介する層流の数理モデルに基づくBlaine(ASTM Des.C205−55)に従う透過方法である。微小粒子の全表面積の正確な決定が存在しないときは、適用すべき制御放出性ポリマーの量は、コーティングされていない微小粒子の百分率として表現することができる。
制御放出性ポリマーは、所望される制御型放出プロファイルに依存して、コーティング微小粒子の1重量%〜99重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、ポリマーは、コーティング微小粒子の5重量%〜80重量%、および他の実施態様では、10重量%〜50重量%の量で存在する。制御放出性ポリマーがEudragit(登録商標)NE30D、Eudragit(登録商標)NE40D(Rohm America LLC)、Kollicoat(登録商標)SR 30D、またはそれらの混合物である少なくとも1つの実施態様では、ポリマーは、コーティング微小粒子の1重量%〜50重量%の量で存在し;他の実施態様では、5重量%〜30重量%;およびなお他の実施態様では、15重量%である。制御放出性ポリマーがエチルセルロースである少なくとも1つの実施態様では、ポリマーは、コーティング微小粒子の1重量%〜99重量%の量で存在し;他の実施態様では、コーティング微小粒子の5重量%〜50重量%;およびなお他の実施態様では、20重量%である。制御放出性ポリマーがEthocelTM、エチルセルロースPR100、PR45、PR20、PR10、PR7等級のポリマーである少なくとも1つの実施態様では、ポリマーは、コーティング微小粒子の5重量%〜30重量%の量で存在し;他の実施態様では、コーティング微小粒子の10重量%〜25重量%;およびなお他の実施態様では、20重量%である。
所定の実施態様では、(制御放出性コートを伴うまたは伴わない)微小粒子の直径は、50μm〜800μmの範囲である。例えば、所定の実施態様では、微小粒子の直径は、100μm〜600μm、および他の実施態様では、150μm〜450μmの範囲である。
代替的実施態様では、本発明の目的に一致する他の賦形剤もまた、微小粒子制御放出性コートにおいて使用することができることが想定される。
少なくとも1つの実施態様では、微小粒子制御放出性コートは、乾燥制御放出性コート組成物の重量百分率として表す場合、96%Eudragit(登録商標)NE30D、1.9%ステアリン酸マグネシウム、1.9%タルク、0.04%Tween80、および0.19%シメチコンC(Simethicone C)を含む。別の実施態様では、微小粒子制御放出性コートは、乾燥制御放出性コート組成物の重量百分率として表す場合、68%エチルセルロース、17%モノステアリン酸グリセリルおよび15%クエン酸アセチルトリブチルを含む。
微小粒子制御放出性コートの製造プロセスは、以下のとおりであり得る。水を、15%および85%の2つの部分に分割する。次いで、消泡剤および乳化剤を15%水部分に添加し、300rpmで混合して、部分Aを形成する。少なくとも1つの実施態様では、消泡剤はシメチコンC(Simethicone C)であり、乳化剤はTweenTM80である。次いで、第1の潤滑剤を85%水部分に添加し、9500rpmで混合して、部分Bを形成する。少なくとも1つの実施態様では、第1の潤滑剤はタルクである。次いで、部分Aを部分Bと混合し、第2の潤滑剤は、緩徐に添加し、700rpmで1晩混合する。少なくとも1つの実施態様では、第2の潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。最終的に、中性エステルコポリマーの水性分散体を添加し、30分間、500rpmで混合する。少なくとも1つの実施態様では、中性エステルコポリマーの水性分散体はEudragit(登録商標)NE30Dである。次いで、得られる制御放出性コート溶液を使用して、次のパラメータにより、35%重量増加まで、微小粒子をコーティングすることができる:10℃〜60℃、好ましくは、20℃〜40℃、およびより好ましくは、25℃〜35℃の入口温度;10℃〜60℃、好ましくは、20℃〜40℃、およびより好ましくは、25℃〜35℃の出口温度;10℃〜60℃、好ましくは、15℃〜35℃、およびより好ましくは、22℃〜27℃の製品温度;10c.m/時〜180c.m/時、好ましくは、40c.m/時〜120c.m/時、およびより好ましくは、60c.m/時〜80c.m/時の風量;ならびに0.5バール〜4.5バール、好ましくは、1バール〜3バール、およびより好ましくは、2バールの霧化圧。次いで、得られる制御放出性コーティング微小粒子を、コーティングチャンバから解放し、次のパラメータでオーブン硬化することができる:20℃〜65℃、好ましくは、30℃〜55℃、およびより好ましくは、40℃の硬化温度;および2時間〜120時間、好ましくは、10時間〜40時間、およびより好ましくは24時間の硬化時間。本発明の目的に一致する微小粒子制御放出性コートの製剤を生じる他の任意の技術もまた、使用することができる。
3.2.4微小粒子剤形
ブプロピオン塩、球状化助剤、および他の賦形剤を含有する組成物から作製される微小粒子を制御放出性ポリマーでコーティングする場合、高度に有用な剤形が生じる。次いで、制御放出性コーティング微小粒子を、賦形剤集塊および/または他の薬学的賦形剤と組み合わせて、錠剤に圧縮することができる。従来の錠剤は、既知の圧縮技術を使用して、適切な賦形剤と共にコーティング微小粒子を圧縮することによって、製造することができる。制御放出性コーティング微小粒子の溶解プロファイルは、微小粒子の錠剤への圧縮による実質的な影響を受けない。得られる剤形は、賦形剤集塊の使用に関するプロセシングの平易性および制御放出性コーティング微小粒子に関連する放出特性を享受する。あるいは、コーティング微小粒子を、カプセルに充填することができる。
本発明に従う投与形態は、経口投与に適切である。所定の実施態様では、投与形態は錠剤およびカプセルである。しかし、本発明の組成物はまた、ペレット、ビーズまたはマイクロタブレットの形を取ることができ、次いで、カプセルに包装するかまたは単一の固体剤形に圧縮することができる。本発明において開示する他の固体経口用剤形は、そのような固体経口用剤形は、商業的製造により困難であり得るという事実にもかかわらず、当業者によって調製することができる。
本発明はまた、様々な異なる放出プロファイルを提供するための剤形への異なるコーティングを施した微小粒子の組み合わせを想定している。例えば、所定の実施態様では、遅延放出プロファイルを伴う微小粒子は、多成分制御型放出ブプロピオン製剤を提供するための持続放出プロファイルを有する他の微小粒子と組み合わせることができる。さらに、他の実施態様は、即時放出ブプロピオンの1つもしくはそれ以上のさらなる成分を含むことができる。即時放出ブプロピオン成分は、コーティングされていないブプロピオン微小粒子または粉体;当業者に公知であるOpadry(登録商標)タイプコーティングのような高度に可溶性の即時放出コーティング、もしくは上記のいずれかの組み合わせによってコーティングされたブプロピオン微小粒子の形態をとることができる。次いで、複数の成分を、所望される比で共に混和し、カプセル内に置くか、または錠剤に形成することができる。多成分制御型放出ブプロピオン製剤の例は、米国特許第6,905,708号明細書に記載されている。
3.2.5用量輸送技術
本発明はまた、液体との混合でブプロピオン臭化水素酸塩を含有する微小粒子を送達するための経口送達システムを想定している。例えば、中空薬物製剤チャンバを含んでなる経口送達システムが提供される。少なくとも1つの実施態様では、チャンバは、第1の端部および第2の端部を有し、微小粒子の形態で製剤を含有する。少なくとも1つの実施態様では、薬物製剤は、ブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる。システムは、チャンバの第1の端部に液体通過薬物製剤保持子をさらに含んでなる。保持子は、チャンバへの液体の進入を可能にする一方、第1の端部からの微小粒子の放出を防止する。他の実施態様では、チャンバ内に含有される微小粒子は、ブプロピオン臭化水素酸塩および少なくとも1つの他の薬物を含んでなる。
本発明は、液体との混合でブプロピオン臭化水素酸塩製剤を含有する微小粒子を経口的に送達するための方法をさらに提供する。方法は、薬物送達デバイスの中空送達チャンバへブプロピオン臭化水素酸塩製剤の微小粒子を挿入することに関与する。チャンバは、第1の端部および第2の端部を有する。チャンバの第1の端部は、液体通過薬物製剤保持子を有する。薬物送達デバイスは、第1および第2の端部を有する。薬物送達デバイスの第1の端部は液体に挿入され、第2の端部は患者の口部に挿入される。次いで、患者は、デバイスの第2の端部へ吸引を適用し、液体およびブプロピオン臭化水素酸塩製剤の微小粒子の患者の口部への送達を引き起こす。
本明細書において使用する用語「薬物製剤保持子」は、薬物製剤のデバイスからの通過を防止するバルブ、プラグまたは制限部などを指す。「液体通過薬物製剤保持子」とは、液体を通過させるが、送達デバイスに含有される薬物製剤のような他の成分を通過させないバルブ、プラグまたは制限部を意図する。
本発明の本実施態様の分配デバイスは、カプセルもしくは錠剤のような固体経口用剤形を使用するのに不便または危険である場合の使用が認められる。デバイスは、高齢または小児の患者集団において特に有用であり得るが、それらはまた、膨潤性カプセルまたは錠剤に困難を伴うヒトにも有用であり得る。単一の送達デバイスまたはいくらかのデバイスは、治療プログラム中の患者に投与することができる。
一般的に、デバイスは、液体における設置の前に、調製された形態にある。少なくとも1つの実施態様では、分配デバイスは、第1の末端および第2の末端を伴う中空の薬物製剤チャンバを含んでなる。薬物製剤および液体通過薬物製剤は、チャンバ内で組み合わされる。液体通過薬物製剤保持子は、制限部および一方向プラグを含んでなる。開放部の直径はプラグより小さい。少なくとも1つの実施態様では、制限部は、チャンバの端部をクリンプすることによって、作製される。チャンバの第2の端部は、プラグの放出を防止するための薬物製剤保持子を有する。少なくとも1つの実施態様では、保持子は、チャンバの端部をクリンプすることによって、調製される。次いで、ブプロピオン臭化水素酸塩の微小粒子は、チャンバに置かれる。使用前に薬物製剤の放出を防止するために、端部キャップをチャンバの第2の端部上に置く。調製された形態で、プラグは、実質的にチャンバの第1の端部をシールし、それによって、第1の端部からの薬物製剤の消失を防止する。
デバイスは、その中で混合しようとする有効な薬物ならびに液体希釈剤の両方と物理的および/または化学的に適合可能である任意の適切な材料から形成され得る。所定の実施態様では、薬物製剤チャンバ、長形の管状メンバー、端部キャップおよびタブを含むデバイスを形成するための代表的材料として、紙、プラスチック、例えば、プロピレン/スチレンコポリマー、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。デバイスは、3mm〜8mmの間の内径および0.1mm〜0.4mmの間の壁厚を有することができる。デバイスは、10cm〜30cmの間の長さであり得る。
液体通過薬物製剤保持子は、液体媒体の自由な流動を可能にするが、送達前のデバイスからの薬物製剤の通過を阻止する。保持子が一方向プラグまたはバルブを含んでなる場合、プラグまたはバルブは、大気圧でストロー管でシールする。吸引が適用される場合、液体はプラグの周りおよび薬物製剤チャンバに引き出される。さらに、プラグは、薬物製剤が口腔に送達されるときに、それが頂部に上がるように、1未満の密度を有する。吸引がもはや適用されない場合、プラグは、輸送中にそれが到達する最も高い位置で保持される。プラグは、EthaFoam(登録商標)のようなクローズドセルポリエチレンフォームから調製され得る。一方向プラグの他の形態は、エラストマー材料のバルーン、一方向の機械的ボールバルブなどであり得る。
薬物製剤チャンバを介する輸送によって薬物製剤を懸濁するために使用することができる液体の例として、水、液分、乳汁、ソーダ、コーヒー、茶などのような口に合う任意の液体が挙げられる。液体の薬物製剤との適合性を確実にするように注意すべきである。
少なくとも1つの実施態様では、本発明に従う用量輸送送達デバイスは、以下のとおりに調製することができる。0.21インチの内径および8インチの長さを伴う大型サイズのストロー管を1つの端部でヒートシールする。「一方向」プラグが逸出し得ないように、シールを部分的に切り離した。部分的にシールされた端部を、1号サイズのハードゼラチンカプセルの半分に収める。次いで、微小粒子を、ストロー管の開放端部の内部に置く。クローズドセルポリエチレンフォーム、Microfoam(登録商標)(DuPont)から作製された「一方向」プラグを微調整して、ストロー管の内側にぴったり合わせる。次いで、プラグを微小粒子の頂部のストロー管の内部に置く。操作中に、ストロー管のプラグ端部をコップ1杯分の水の中に置き、ストロー管の頂部の保護ゼラチンカプセルを取り出す。ストロー管の部分的にシールされた端部を介して緩徐に吸引を適用することによって、微小粒子は後部に吸引され、容易に嚥下される。
浸透圧性剤形
浸透圧性剤形、浸透圧性送達デバイス、放出調整浸透圧性剤形、または浸透制御型徐放性システムは、本明細書において交換可能に使用される用語であり、浸透によって作製される圧力または拡張する材料への液体の浸透および分散によってブプロピオン塩を強制的に分散し、ブプロピオン塩を浸透圧性剤形から強制的に分散させる剤形を意味するものと規定される。浸透は、低濃度の溶質を伴うコンパートメントから高濃度の溶質を伴うコンパートメントへの溶媒の流動として規定され得る。2つのコンパートメントは、溶質ではなく溶媒(液体、水性媒体、もしくは生物学的液体)の流動を可能にする膜、壁、またはコートによって分離される。そのような膜の例は、例えば、半透膜、微孔性、非対称膜であり得、該非対称膜は、透過性、半透過性、穿孔型、または非穿孔型であり得、浸透圧ポンプ、拡散または拡散および浸透圧ポンプの組み合わされた機構によって、ブプロピオン塩を送達することができる。従って、原則として、ブプロピオン塩の浸透制御型放出は、水性媒体の浸透圧性剤形への浸透輸送、それに続く、ブプロピオン塩の溶解、ならびに半透膜における少なくとも1つの通路を介する溶液の浸透圧ポンプまたは半透膜を介する浸透および分散の組み合わせによるブプロピオン塩の飽和溶液の以後の輸送に関与する。
所望されるインビトロ放出速度およびインビトロでの薬物動態学的パラメータは、例えば、コアを形成するために使用されるブプロピオン塩の量、コアを形成するために使用される薬学的に許容可能な賦形剤の量、コアを形成するために使用される薬学的に許容可能な賦形剤のタイプ、例えば、浸透圧調整剤(浸透圧調整剤、浸透圧有効溶質、浸透圧有効化合物および浸透剤という用語は、本明細書において交換可能に使用される)、オスモポリマー(osmopolymer)、ならびにそれらの任意の組み合わせのようなコアを形成するために使用される他の任意の材料の量もしくはタイプのようないくらかの要因によって影響を受け得ることが当業者に周知である。放出プロファイルはまた、コアを被覆する半透膜を形成するために使用される材料または半透膜に対する制御放出性コーティング(例えば、徐放性コート)のような任意のコーティングを形成するのに使用される材料によって影響を受け得る。これらの要因を念頭に置くと、従って、浸透デバイスは、例えば、900ml水、0.1N HCl、0.1N HCl+0.1%セトリミド、USP緩衝液pH1.5、酢酸緩衝液pH4.5、リン酸緩衝液、pH6.5またはリン酸緩衝液pH7.4中、75rpm、37℃±0.5℃でUSP1型装置(回転バスケット法)を使用することによって測定する場合、所定の実施態様では、2時間後、0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後、15%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように設計することができる。あるいは、溶解は、SGF pH1.2、pH4.5での酢酸緩衝液またはpH6.8でのリン酸緩衝液のようなUSP−3媒体において生じ得る。
浸透デバイスはまた、上記において同定されるかまたは当該分野において公知のような溶解媒体を使用してアッセイする場合、2時間後に40%以下のインビトロ放出、4時間後に40〜75%の放出、8時間後に少なくとも75%、および16時間後に少なくとも85%を達成するように設計され得る。
本発明の所定の実施態様では、ブプロピオン塩および1つもしくはそれ以上の賦形剤を含んでなるコアを有する浸透圧性剤形が提供される。少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形は浸透圧調整剤を含んでなる。浸透圧性送達システムは、例えば、微小粒子を含有する錠剤またはカプセルの形態であり得る。
所定の実施態様では、浸透圧性剤形のコアは、水膨潤性ポリマーを含んでなり、その非限定的な例として、ヒドロキシプロピルセルロース、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレンオキシド、およびそれらの混合物が挙げられる。バインダーを浸透圧性剤形の所定の実施態様のコアに封入して、コアの機械的強度を増加することができる。バインダーの非限定的な例として、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低分子量ポリエチレンオキシドポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、カルボマー、カラギーン(caragheen)、澱粉誘導体、およびこれらの混合物が挙げられる。潤滑剤は、錠剤製造中に固体と鋳型壁との間の減少した摩擦を提供するために、浸透圧性剤形の所定の実施態様に封入することができる。潤滑剤の非限定的な例として、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、タルク、鉱油、ステアリルフマル酸ナトリウム、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、およびそれらの混合物が挙げられる。他の実施態様では、本発明の目的に一致するさらなる不活な賦形剤はまた、浸透圧性剤形のコアに封入して、調製を容易にし、および/または本明細書に記載の最終浸透圧性剤形の患者受容性を改善することができる。適切な不活な賦形剤も当業者に周知であり、関連文献、例えば、the Handbook of Pharmaceutical Excipients(ロウ(Rowe)ら、第4版、Pharmaceutical Press、2003年)において見出すことができる。
少なくとも1つの実施態様では、本発明は、拡散による半透膜、ならびに/あるいは浸透圧ポンプによる膜における少なくとも1つの通路を介して、コアからブプロピオン臭化水素酸塩を強制的に分散させることによって、ブプロピオン臭化水素酸塩を放出する治療有効量で存在するブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる放出調整浸透圧性剤形を含んでなり、それは、(i)全体的もしくは部分的に、浸透、即ち、液体、溶媒、生物学的液体もしくは水性媒体の正の静水圧によりコアにおいて作製される圧力によるおよび/または全体的にもしくは部分的に、ブプロピオン臭化水素酸塩を剤形のコアから強制的に分散させる膨潤性材料の拡張によってであり、ならびに(ii)剤形が、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は、治療有効量で存在するブプロピオン塩を、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と共に実質的に含んでなる均質な固体コアを含んでなる浸透圧性送達デバイスを含んでなり、前記コアは、剤形が、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、もしくは2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように、少なくとも1つの通路を介するかまたは浸透および拡散の組み合わせによるコアへの水性液体の進入ならびにコアから剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜によって取り囲まれる。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は多粒子剤形を含んでなり、各微小粒子は浸透圧性送達デバイスを含んでなり、各微小粒子は、ブプロピオン塩を、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と共に実質的に含んでなる均質な固体コアを含んでなり、各微小粒子の前記コアは、膜における孔形成剤の封入によって半透膜において形成される複数の孔を介するか、またはブプロピオン塩の送達のためにコアとデバイスの外側とのコミュニケーションを可能にするような浸透および拡散の組み合わせによるコアへの水性液体の進入ならびにコアから剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜によって取り囲まれ、剤形が、治療有効量のブプロピオン塩を含んでなり、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は多粒子剤形を含んでなり、各微小粒子は浸透圧性送達デバイスを含んでなり、各微小粒子は、ブプロピオン塩を、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤、浸透圧調整剤および/またはオスモポリマーとの混合で実質的に含んでなる均質な固体コアを含んでなり、各微小粒子の前記コアは、膜における孔形成剤の封入によって半透膜において形成される複数の孔を介するか、または浸透の組み合わせおよびブプロピオン塩の送達のためにコアとデバイスの外側とのコミュニケーションを可能にするような拡散によるコアへの水性液体の進入ならびにコアから剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜によって取り囲まれ、剤形が、治療有効量のブプロピオン塩を含んでなり、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は多粒子剤形を含んでなり、各微小粒子は、ブプロピオン塩を、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と共に、浸透圧調整剤、および/またはオスモポリマー、および/または吸収促進剤との混合で実質的に含んでなる均質な固体コアを含んでなり、前記微小粒子は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と共に錠剤に圧縮され、前記錠剤は、半透膜における少なくとも1つの通路を介する、および/またはブプロピオン塩の送達のために錠剤内部と錠剤の外部とのコミュニケーションを可能にするような半透膜を介する拡散によるコアへの水性液体の進入ならびに錠剤内部から剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜によって取り囲まれ、剤形が、治療有効量のブプロピオン塩を含んでなり、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は多粒子剤形を含んでなり、各微小粒子は、ブプロピオン塩を、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と共に実質的に含んでなる少なくとも1つの層でコーティングされた糖球またはノンパレイユビーズを含んでなり、前記少なくとも1つの層は、膜における孔形成剤の封入によって半透膜において形成される複数の孔を介するか、および/またはブプロピオン塩の送達のためにコアとデバイスの外側とのコミュニケーションを可能にするような拡散による層への水性液体の進入ならびに層から剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜によって取り囲まれ、剤形が、治療有効量のブプロピオン塩を含んでなり、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は多粒子剤形を含んでなり、各微小粒子は、ブプロピオン塩を、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤、浸透圧調整剤および/もしくはオスモポリマーとの混合で含んでなる少なくとも1つの層でコーティングされた糖球またはノンパレイユビーズを含んでなり、前記少なくとも1つの層は、膜における孔形成剤の封入によって半透膜において形成される複数の孔を介するか、および/またはブプロピオン塩の送達のためにコアとデバイスの外側とのコミュニケーションを可能にするような拡散による層への水性液体の進入ならびに層から剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜によって取り囲まれ、剤形が、治療有効量のブプロピオン塩を含んでなり、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は、治療有効量のブプロピオン塩を、浸透圧調整剤、および/またはオスモポリマー、および/または吸収促進剤との混合で含んでなる均質な固体コアを含んでなる放出調整浸透圧性剤形を含んでなり、前記コアは、例えば、半透膜における少なくとも1つの通路を介する、および/またはブプロピオン塩の送達のためにコアと剤形の外側とのコミュニケーションを可能にするような膜を介する拡散によるコアへの水性液体の進入ならびにコアから剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜のような非毒性の壁、膜またはコートによって取り囲まれ、剤形が、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるか、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるようなインビトロ放出速度を示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は、2つもしくはそれ以上の層を伴う固体コアを生じるために、層型接触配列において治療有効量で存在するブプロピオン塩を、膨潤性材料組成物と共に含んでなる浸透圧性送達デバイスを含んでなり、該コアは、例えば、半透膜における少なくとも1つの通路を介する、またはブプロピオン塩の送達のためにコアと剤形の外側とのコミュニケーションを可能にするような膜を介する浸透および拡散によるコアへの水性液体の進入ならびにコアから剤形の外部へのブプロピオン塩の送達を可能にする半透膜のような非毒性の壁、膜またはコートによって取り囲まれ、剤形が、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度;または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるデバイスを示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は、コアおよび前記コアを取り囲む膜を含んでなる浸透圧性送達デバイスを含んでなり、前記コアは、治療有効量のブプロピオン塩、および場合により、ブプロピオン塩をデバイスから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段を含んでなり、前記膜は、ブプロピオン塩のデバイスからの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなり、前記デバイスは、デバイスが水性媒体中にある場合、ブプロピオン塩、ならびに場合により、ブプロピオン塩をデバイスから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段およびブプロピオン塩のデバイスからの退出のための少なくとも1つの手段が、協同して機能して、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度;または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるデバイスを示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、放出調整剤形は、コアおよび前記コアを取り囲む膜を含んでなる浸透圧性送達デバイスを含んでなり、前記コアは、治療有効量のブプロピオン塩、膜の内側の静水圧を増加するための少なくとも1つの手段および場合により、ブプロピオン塩をデバイスから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段を含んでなり、前記膜は、ブプロピオン塩のデバイスからの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなり、前記デバイスは、デバイスが水性媒体中にある場合、膜の内側の静水圧を増加するための少なくとも1つの手段、ならびに場合により、ブプロピオン塩をデバイスから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段およびブプロピオン塩の退出のための少なくとも1つの手段が、協同して機能して、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度;または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるデバイスを示すように処方される。
少なくとも1つの実施態様では、本発明は、それを必要とする被験体に1日1回投与する場合、FDAガイドラインに従って、WellbutrinTMERまたはZybanTM/WellbutrinTMSRに生物学的に同等である1日1回のブプロピオン臭化水素酸塩持続放出製剤であって、ここで、40℃および75%相対湿度で少なくとも3、4 5および/または少なくとも6箇月間貯蔵する場合、含有されるブプロピオン塩は、Welbutrin ERまたはZybanに含有されるブプロピオン塩酸塩より安定である、上記製剤に関する。特に、本発明は、生物学的に同等な150mg、174mg、300mgまたは348mgブプロピオンHBr含有製剤を包含する。
少なくとも1つの実施態様では、本発明は、局所的、例えば、経粘膜または経皮的に投与され得るブプロピオン臭化水素酸塩を含有する局所製剤に関する。特に、本発明は、潜在的に、ニコチンのような別の有効な薬剤を含んでなり得る局所的に投与可能なゲルおよびパッチタイプの送達デバイスを包含する。
少なくとも1つの実施態様では、本発明は、それを必要とする被験体への肺送達を介して投与され得るブプロピオン臭化水素酸塩を含有する吸入可能な肺送達可能な組成物に関する。好ましくは、これらの組成物は、米国特許第6,682,716号明細書;同第6,716,415号明細書;同第6,716,417号明細書;同第6,783,753号明細書;同第7,029,658号明細書;および同第7,033,575号明細書ならびにAlexza Corporationに譲渡された他のものにおいて開示されるエアゾル技術に従って生成される。これらの特許は、特に、肺送達のための抗うつ薬を含有するエアゾルを生成するそのような方法の使用を開示する。
少なくとも1つの実施態様では、本発明は、有効量のブプロピオン臭化水素酸塩および薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤を含んでなる注射可能な組成物に関する。
少なくとも1つの実施態様では、本発明は、上記の浸透圧性剤形のいずれか1つを、そのような1日1回の投与を必要とする患者に投与することを含んでなる病態を処置する方法に関する。
本発明は、少なくとも1つの実施態様では、病態の処置または管理のために、ブプロピオン塩をヒトの胃腸管に投与するための方法に関し、ここで、方法は:(a)ブプロピオン塩を含んでなる放出調整剤形を経口的にヒトに進入させることであって、放出調整剤形は浸透圧性剤形を含んでなる;ならびに(b)浸透圧性剤形が、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度;または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出される剤形を示すように、治療応答用量で浸透圧性剤形からブプロピオン塩を投与して、病態の処置または管理を提示することを含んでなる。
本発明は、少なくとも1つの実施態様では、病態の処置または管理のために、ブプロピオン塩をヒトの胃腸管に投与するための方法に関し、ここで、方法は:(a)コアおよび前記コアを取り囲む膜を含んでなる放出調整剤形を経口的にヒトに進入させることであって、前記コアは、ブプロピオン塩、および場合により、ブプロピオン塩をデバイスから強制的に分散させるための手段を含んでなり、前記膜は、ブプロピオン塩の剤形からの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなる;ならびに(b)剤形が水性媒体中にある場合、ブプロピオン塩、および場合により、ブプロピオン塩を強制的に分散させるための手段およびブプロピオン塩の退出のための少なくとも1つの手段が、協同して機能して、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度;または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出される医薬品を示すように処方される剤形由来のブプロピオン塩を投与することを含んでなる。
本発明は、少なくとも1つの実施態様では、病態の処置または管理のために、ブプロピオン塩をヒトの胃腸管に投与するための方法に関し、ここで、方法は:(a)コアおよび前記コアを取り囲む膜を含んでなる放出調整剤形を経口的にヒトに進入させることであって、前記コアは、ブプロピオン塩、コア内の静水圧を増加するための手段および場合により、ブプロピオン塩をデバイスから強制的に分散させるための手段を含んでなり、前記膜は、ブプロピオン塩の剤形からの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなる;ならびに(b)剤形が水性媒体中にある場合、ブプロピオン塩、コア内の静水圧を増加するための手段および場合により、ブプロピオン塩を強制的に分散させるための手段およびブプロピオン塩の退出のための少なくとも1つの手段が、協同して機能して、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度;または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出されるデバイスを示すように処方される剤形由来のブプロピオン塩を投与することを含んでなる。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形は、即時放出コートからのブプロピオン塩の即時放出のための即時放出コートをさらに含んでなる。即時放出コートを含んでなる実施態様では、浸透圧性剤形は、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度、または2時間後に40%以下が放出されるか、4時間後に40〜75%が放出されるか、8時間後に少なくとも75%が放出されるか、もしくは16時間後に少なくとも85%が放出される剤形を示す。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形は、半透膜またはコートを被覆する不活性水溶性コートをさらに含んでなる。この不活性水溶性コートは、第1の外部液において不透過性であり得る一方、第2の外部液に可溶性である。不活な水溶性コートを含んでなる実施態様では、浸透圧性剤形は、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出される剤形を示す。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形は、浸透圧性サブコートをさらに含んでなる。浸透圧性サブコートを含んでなる実施態様では、浸透圧性剤形は、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出される剤形を示す。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形は、制御放出性コートをさらに含んでなる。浸透圧性剤形の制御放出性コートは、ブプロピオン塩の放出を、例えば、制御、延期、および/または遅延することができる。制御放出性コートを含んでなる実施態様では、浸透圧性剤形は、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15重量%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40重量%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなインビトロ放出速度、または2時間後に40%以下が放出され、4時間後に40〜75%が放出され、8時間後に少なくとも75%が放出され、および16時間後に少なくとも85%が放出される剤形を示す。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、腸液、胃液より高いpHを有する液の実質的にpH中性または塩基性の液において可溶性もしくは腐食性であるが、胃液または酸性液体ではほとんどの部分が不溶性である材料を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーおよび少なくとも1つの水溶性ポリマーを含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーおよび少なくとも1つの水溶性ポリマーならびに場合により、少なくとも1つの可塑剤を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、少なくとも1つの水溶性ポリマーおよびブプロピオン塩の浸透圧性剤形のコアからの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、少なくとも1つの水溶性ポリマーおよび少なくとも1つの通路を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、少なくとも1つの水溶性ポリマーおよび少なくとも1つの可塑剤を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、少なくとも1つの水溶性ポリマー、場合により、少なくとも1つの可塑剤、およびブプロピオン塩の浸透圧性剤形のコアからの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、少なくとも1つの水溶性ポリマー、場合により、少なくとも1つの可塑剤、および少なくとも1つの通路を含んでなる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、何ら官能基を伴わない中性エステルコポリマーの水性分散体;55℃を超える融点を有するポリグリコール、1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、および場合により、ブプロピオン塩の浸透圧性剤形のコアからの退出のための少なくとも1つの手段を含んでなる。この制御放出性コートは、ポリグリコールの融点に少なくとも等しいかもしくはそれを超える温度で硬化される。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、少なくとも1つの腸溶性ポリマーを含んでなる。
膜または壁は、水性媒体の通過に対して透過性であり、コアに存在するブプロピオン塩の通過に対して透過性ではない。膜は、例えば、半透膜、あるいは透過性、半透過性、穿孔型、もしくは非穿孔型であり得、浸透圧ポンプ、または拡散および浸透圧ポンプの組み合わされた機構によってブプロピオン塩を送達し得る非対称膜であり得る。そのような膜の構造的完全性は、ブプロピオン塩の送達の期間中、実質的に無傷(intact)を保持すべきである。「実質的に無傷(intact)」とは、膜の半透過性特性がブプロピオン塩の送達の期間中に損なわれないことを意味する。
浸透圧性剤形の半透膜は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤、少なくとも1つのポリマー、蝋、またはそれらの組み合わせを含んでなるが、セラミックス、金属またはガラスのような適切に処置された無機材料を使用することができる。半透膜は、少なくとも1つのポリマーを含んでなる、少なくとも1つのポリマーまたはポリマーの組み合わせの分子量は、ポリマーまたはポリマーの組み合わせが、使用、即ち、インビトロおよびインビボの両方での温度において固体であるようなものであるべきである。
所定の実施態様では、浸透圧性剤形の半透膜に含まれる少なくとも1つのポリマーは、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートアセトアセテート、セルロースアセテートベゼンゾエート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートブチレートスルフェート、セルロースアセテートブチレートブチレートバレレート、セルロースアセテートカプレート、セルロースアセテートカプロエート、セルロースアセテートカプリレート、セルロースアセテートカルボキシメトキシプロピオネート、セルロースアセテートクロロアセテート、セルロースアセテートジメタアミノアセテート(dimethaminoacetate)、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートジメチルスルファメート、セルロースジパルミテート、セルロースアセテートジプロピルスルファメート、セルロースアセテートエトキシアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートエチルカルボネート、セルロースアセテートエチルオキサレート、セルロースアセテートフロエート、セルロースアセテートヘプタノエート、セルロースアセテートペプチレート、セルロースアセテートイソブチレート、セルロースアセテートラウレート、セルロースアセテートメタクリレート、セルロースアセテートメトキシアセテート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートミリステート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースアセテートパルミテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートスルフェート、セルロースアセテートプロピオネートバレレート、セルロースアセテートp−トルエンスルホネート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートスルフェート、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートトリプロピオネート、セルロースアセテートバレレート、セルロースベンゾエート、セルロースブチレートナフチレート、セルロースブチレート、セルロースクロロベンゾエート、セルロースシアノアセテート、セルロースジカプリレート、セルロースジオクタノエート、セルロースジペンタネート、セルロースジペンタンレート(dipentanlate)、セルロースホルメート、セルロースメタクリレート、セルロースメトキシベンゾエート、セルロースニトレート、セルロースニトロベンゾエート、セルロースホスフェート(ナトリウム塩)、セルロースホスフィネート、セルロースホスフィット、セルロースホスホネート、セルロースプロピオネート、セルロースプロピオネートクロトネート、セルロースプロピオネートイソブチレート、セルロースプロピオネートスクシネート、セルロースステアレート、セルローススルフェート(ナトリウム塩)、セルローストリアセテート、セルローストリカプリレート、セルローストリホルメート、セルローストリヘプタノエート、セルローストリヘプチレート、セルローストリラウレート、セルローストリミリステート、セルローストリニトレート、セルローストリオクタノエート、セルローストリパルミテート、セルローストリプロピオネート、セルローストリスクシネート、セルローストリバレレート、セルロースバレレートパルミテートのようなセルロースエステル;例えば、2−シアノエチルセルロース、2−ヒドロキシブチルメチルセルロース、2−ヒドロキシエチルセルロース、2−ヒドロキシエチルエチルセルロース、2−ヒドロキシメチルセルロース、2−ヒドロキシプロピルセルロース、2−ヒドロキシプロピルセルロースアセテート、ジメトキシエチルセルロースアセテート、エチル2−ヒドロキシルエチルセルロース、エチルセルロース、エチルセルローススルフェート、エチルセルロースジメチルスルファメート、メチルセルロース、メチルセルロースアセテート、メチルシアノエチルセルロース、カルボキシメチル2−ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウムのようなセルロースエーテル;例えば、ポリエーテルスルホンのようなポリスルホン;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリビニルアセテート;ポリビニルアルコール;ポリエステル;ポリエチレン、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリプロピレン、ポリ(1,2−ジメチル−1−ブテニレン)、ポリ(1−ブロモ−1−ブテニレン)、ポリ(1,ブテン)、ポリ(1−クロロ−1−ブテニレン)、ポリ(1−デシル−1−ブテニレン)、ポリ(1−ヘキサン)、ポリ(1−イソプロピル−1−ブテニレン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(3−ビニルピレン)、ポリ(4−メトキシ1−ブテニレン)、ポリ(エチレン−コ−メチルスチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ(エチレン−コ−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−テレフタレート)、ポリ(ドデカフルオロブトキシルエチレン)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ヘキシルオキシエチレン)、ポリ(イソブテン)、ポリ(イソブテン−コ−イソプレン)、ポリ(イソプレン)、ポリ−ブタジエン、ポリ[(ペンタフルオロエチル)エチレン]、ポリ[2−エチルヘキシルオキシ)エチレン]、ポリ(ブチルエチレン)、ポリ(tertブチルエチレン)、ポリ(シクロヘキシルエチレン)、ポリ[(シクロヘキシルメチル)エチレン]、ポリ(シクロペンチルエチレン)、ポリ(デシルエチレン)、ポリ−(ドデシルエチレン)、ポリ(ネオペンチルエチレン)、ポリ(プロピルエチレン)のようなポリアルケン;例えば、ポリ(2,4−ジメチルスチレン)、ポリ(3−メチルスチレン)、ポリ(4−メトキシスチレン)、ポリ(4−メトキシスチレン−stat−スチレン)、ポリ(4−メチルスチレン)、ポリ(イソペンチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)のようなポリスチレン、例えば、ポリ(ベンゾイルエチレン)、ポリ(ブトキシエチレン)、ポリ(クロロプレン)、ポリ(シクロへキシルオキシエチレン)、ポリ(デシルオキシエチレン)、ポリ(ジクロロエチレン)、ポリ(ジフルオロエチレン)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルトリメチルスチレン)のようなポリビニルエステルまたはポリビニルエーテル;例えば、ポリ(ジメチルシロキサン)のようなポリシロキサン;例えば、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)高級アルキルエステル、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサデシルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)、ポリ−(メチルアクリレート−コ−スチレン)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−ブチル−アクリレート)、ポリ(シクロドデシルアクリレート)、ポリ(ベンジルアクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(secブチルアクリレート)、ポリ(ヘキシルアクリレート)、ポリ(オクチルアクリレート)、ポリ(デシルアクリレート)、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)、ポリ(アダマンチルメタクリレート)、ポリ(ベンジルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリ(オクチルメタクリレート)、アクリル樹脂のようなポリアクリル酸誘導体;例えば、ポリ(イミノアジポイルイミノドデカメチレン)、ポリ(イミノアジポイルイミノヘキサメチレン)のようなポリアミド、例えば、ポリ(オクチルオキシエチレン)、ポリ(オキシフェニルエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(ペンチルオキシエチレン)、ポリ(フェノキシスチレン)、ポリ(secブトキシルエチレン)、ポリ(tert−ブトキシエチレン)のようなポリエーテル;およびそれらの組み合わせであり得る。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の半透膜に含まれる少なくとも1つの蝋は、例えば、イボタ蝋、蜜蝋、鯨蝋、脂および羊毛蝋のような昆虫および動物の蝋;例えば、タケの葉の蝋、キャンデリラ蝋、カルナウバ蝋、ハゼ蝋、オーリキュリー(ouricury)蝋、ホホバ蝋、ベイベリー蝋、ベイマツの蝋、綿蝋、クランベリーの蝋、ケープベリー(cape berry)の蝋、米糠蝋(rice−bran wax)、カスター蝋、トウモロコシ蝋、硬化植物油(例えば、ヒマ(castor)、ヤシ、綿実、ダイズ)、モロコシ(sorghum grain)の蝋、スパニッシュ・モス(Spanish moss)の蝋、サトウキビ蝋、カランダ蝋、晒蝋(bleached wax)、アフリカハネガヤ(Esparto)蝋、亜麻蝋、マダガスカル(Madagascar)ワックス、オレンジ果皮蝋、シェラック蝋、サイザルアサの蝋および米蝋(rice wax)のような植物蝋;例えば、モンタン蝋、ピート蝋、石蝋、石油由来セレシン(petroleum ceresin)、オゾケライト蝋、微結晶蝋およびパラフィンのような鉱物蝋;例えば、ポリエチレン蝋、フィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)蝋、化学的に改変された炭化水素蝋、セチルエステル蝋のような合成蝋;およびそれらの組み合わせであり得る。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の半透膜は、少なくとも1つのポリマー、蝋、またはそれらの組み合わせおよび場合により、少なくとも1つの賦形剤の組み合わせを含んでなることができる。半透膜を含んでなるすべての成分の全重量パーセントは100%である。
拡散および浸透圧ポンプの組み合わされた機構によって制御された様式で、膜または壁を介してブプロピオン塩が放出される実施態様では、膜または壁は、少なくとも1つの上記のポリマーおよび/または蝋あるいは例えば、セルロースエステル、メタクリレート塩のコポリマーのようなポリマーの組み合わせおよび場合により、可塑剤を含んでなることができる。
浸透圧性剤形のための膜の製造において使用されるポリ(メタクリレート)コポリマー塩は、例えば、水および消化液において不溶性であり得るが、異なる程度で透過性である。そのようなコポリマーの例には、ポリ(アンモニウムメタクリレート)コポリマーRL(Eudragit(登録商標)RL)、ポリ(アンモニウムメタクリレート)コポリマー(タイプA−USP/NF)、ポリ(アミノアルキルメタクリレート)コポリマーRL−JSP I)、および(エチルアクリレート)−(メチルメタクリレート)−[(トリメチルアンモニウム)−エチルメタクリレート](1:2;0.2)コポリマー、MW150,000がある。そのようなコポリマーの他の例として、例えば、Eudragit(登録商標)RS100:固体ポリマー、Eudragit(登録商標)RL12.5:溶媒中12.5%溶液、Eudragit(登録商標)RL30D:30%水性分散体、および他の等価な製品のようなRohm Pharma、Weiterstadtから入手可能なものが挙げられる。以下のポリ(アンモニウムメタクリレート)コポリマーもまた、使用することができる:アンモニウムメタクリレートコポリマーRS(Eudragit(登録商標)RS)、ポリ(アンモニウムメタクリレート)コポリマー(タイプB−USP/NF)、ポリ(アミノアルキルメタクリレート)コポリマー(RSL−JSP I)、(エチルアクリレート)−(メチルメタクリレート)−[(トリメチルアンモニウム)−エチルメタクリレート](1:2:0.1)コポリマー、PM150,000。特定のポリマーとして、(Rohm Pharma、Weiterstadt):Eudragit(登録商標)RS100:固体ポリマー、Eudragit(登録商標)RS12.5:溶媒中12.5%溶液、Eudragit(登録商標)RS30D:30%水性分散体および他の等価な製品が挙げられる。RLは容易に水を透過させる一方、Eudragit(登録商標)RSは水を透過させ難い。Eudragit(登録商標)RLおよびEudragit(登録商標)RSの両方の混合物を用いることによって、インビトロ溶解速度およびインビボ薬物動態学的パラメータを達成するための所望される程度の透過性を有する膜を調製することができる。
可塑剤の使用は随意的であるが、必要であれば、浸透圧性剤形のコートおよび/またはコアの製造中の簡便なプロセシングのための浸透圧性剤形のコートまたはコアにおいて使用されるポリマーの特性ならびに特徴を改変するために浸透圧性剤形に封入することができる。本明細書において使用する用語「可塑剤」は、本発明において使用されるポリマーもしくはバインダーを可塑化または軟化することが可能な任意の化合物を含む。一旦、コートまたは膜が製造されると、所定の可塑剤は、使用環境における浸透圧性剤形のコートおよび/またはコアの親水性を増加するように機能することができる。コートの製造中に、可塑剤は、ポリマーまたはバインダーの融解温度もしくはガラス転移温度(軟化点温度)を低下させることが可能であるべきである。低分子量PEGのような可塑剤は、一般的に、それらが含まれるポリマーの平均分子量の分布を拡げ、それによって、そのガラス転移温度または軟化点を低下させる。可塑剤はまた、ポリマーの粘性を減少することができる。可塑剤は、いくつかの特に有利な物理特性を本発明の浸透デバイスに付与することができる。
本発明の浸透圧性剤形において有用な可塑剤として、例えば、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、オイル、小さな有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロックポリマー、シングルブロックポリマー、低分子量ポリ(エチレングリコール)、クエン酸エステル型可塑剤、トリアセチン、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、tetraエチレングリコールおよび他のポリ(エチレングリコール)化合物、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ラクテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチルおよびグリコール酸アリルを挙げることができる。そのようなすべての可塑剤は、AldrichまたはSigma Chemical Coのような供給源から市販されている。また、可塑剤の組み合わせが本製剤において使用され得ることは想定されることであり、本発明の範囲内にある。PEGに基づく可塑剤は市販されているか、またはPoly(ethylene glycol) Chemistry:Biotechnical and Biomedical Applications(J.M.ハリス(J.M.Harris)編;Plenum Press、ニューヨーク州)において開示されるような様々な方法によって作製することができる。一旦、浸透圧性剤形が製造されると、所定の可塑剤は、使用環境(それはインビトロであってももしくはインビボであってもよい)における浸透圧性剤形のコートおよび/またはコアの親水性を増加するように機能することができる。従って、所定の可塑剤は、流動促進剤として機能することができる。
セルロースエステル:メタクリレート塩のコポリマー:浸透圧性剤形の可塑剤の比は、例えば、1〜99重量%のセルロースエステル:84〜0.5重量%のメタクリレート塩のコポリマー:15〜0.5重量%の可塑剤であり得る。壁を含んでなるすべての成分の全重量パーセントは100%である。
上記の浸透圧性剤形の半透膜とは別に、非対称膜もまた、ブプロピオン塩の制御型放出が上記のインビトロ放出速度および病態の処置または管理のための治療便益性のあるインビボ薬物動態学的パラメータを提供するために、浸透圧性剤形のコアを取り囲むために使用することができる。そのような非対称膜は、透過性、半透過性、穿孔型、もしくは非穿孔型であり得、浸透圧ポンプ、拡散または拡散および浸透圧ポンプの組み合わされた機構によってブプロピオン塩を送達し得る。浸透または拡散浸透ポンプの組み合わせによる1つもしくはそれ以上の非対称膜を介する有効物の制御型放出のための非対称膜の製造およびその使用については、読者は、米国特許第5,612,059号明細書を参照にされたい。
浸透圧性剤形の所定の実施態様では、半透膜は、流動促進剤、またはチャネリング剤をさらに含んでなることができる。
「流動促進剤」または「チャネリング剤」は、浸透圧性剤形が、浸透により半透膜における少なくとも1つの通路を介して、または半透膜を介する浸透および拡散によって、実質的にすべてのブプロピオン塩を分散させることを可能にするために、コアに吸収される液体の容積を増加するように機能する任意の材料である。流動促進剤は、溶解し、半透膜において進路を形成して、液体が、コアに進入して、浸透圧調整剤(存在する場合)と共にコアにおいてブプロピオン塩を溶解するようにするが、ブプロピオン塩の退出を許容しない。流動促進剤は、コアに吸収される液体の容積の増加を許容するが、ブプロピオン塩の退出を許容しない任意の水溶性材料または腸溶性材料であり得る。そのような材料は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアルコール、メタクリル系コポリマー、およびそれらの組み合わせであり得る。いくつかの可塑剤もまた、浸透圧性剤形の半透膜および/またはコアの親水性を増加することによって、流動促進剤として機能することができる。流動促進剤またはチャネリング剤はまた、流動促進剤またはチャネリング剤が十分な量で使用される場合、ブプロピオン塩のコアからの退出のための手段として機能することができる。
本明細書において使用する表現「通路」は、浸透圧性剤形のコアからのブプロピオン塩の計量された放出に適切な手段および方法を含んでなる。ブプロピオン塩の退出のための手段は、オリフィス、穴、アパーチャ、孔、多孔性エレメント、中空線維、毛細管、多孔性オーバーレイ、またはブプロピオン塩の浸透圧制御型放出を提供する多孔性エレメントを含む少なくとも1つの通路を含んでなる。退出のための手段は、線状または曲状であり得る。退出のための手段は、少なくとも1つの定寸された通路を生じるために、半透膜の弱められた区域、または腐食するかもしくは使用の液体環境において壁から浸出される材料を含む。ブプロピオン塩の退出のための手段は、半透膜から浸出する場合、ブプロピオン塩の浸透圧性剤形のコアからの退出に適切な通路を形成する任意の浸出可能な材料を含んでなることができる。そのような浸出可能な材料は、例えば、半透膜における浸出可能なポリ(グリコール)酸もしくはポリ(乳)酸ポリマー、ゼラチン状フィラメント、ポリ(ビニルアルコール)、浸出可能な多糖、塩、酸化物、ソルビトール、またはスクロースを含んでなることができる。退出のための手段はまた、十分量で存在する場合、流動促進剤またはチャネリング剤を含んでなることができる。退出のための手段は、剤形からのブプロピオン塩の計量された放出のために、円形、三角形、正方形および楕円形のような制御型放出ディメンションを所有する。ブプロピオン塩の退出の手段のディメンションは、退出のための手段を介してブプロピオン塩を通過させるようなサイズに仕上げられる。剤形は、壁の単一の面または1を超える面に対して離れた関係で隔てられた1つもしくはそれ以上の手段で構築することができる。
表現「液体環境」は、胃腸管を含むヒト患者におけるような水性または生物学的液体を示す。退出のための手段は、浸透圧性剤形を形成させるために使用されるパンチの上部パンチの内面と一体をなす、例えば、円筒形もしくは円錐台形ピンのようなブプロピオン塩の退出のための手段を形成するための、例えば、機械的穿孔、レーザー穿孔による、または打錠パンチの内部に対して適切なサイズに仕上げられた突起を使用することによるような、例えば、半透膜が浸透圧性剤形のコアに適用された後の機械的手段によって、実施することができる。あるいは、ブプロピオン塩の退出のための手段は、半透膜が浸透圧性剤形のコアに適用される前に、浸出可能な材料または孔形成剤を半透過性組成物に組み入れることによって、形成させることができる。ブプロピオン塩の退出のための手段は、上記の異なる退出手段の組み合わせを含んでなることができる。浸透圧性剤形は、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれ以上の退出手段を含むブプロピオン塩の退出のための1を超える手段を含んでなることができ、浸透圧性剤形の任意の場所に形成させることができる。退出のための手段の多様な位置については、例えば、米国特許第6,491,949号明細書に開示されている。ブプロピオン塩の退出のための手段のタイプ、数、およびディメンションは、剤形が本明細書に記載の所望されるインビトロ放出速度を示すようなものであり、薬剤送達分野における当業者による日常的実験によって、決定することができる。退出のための手段および退出のための手段を形成するための装置については、例えば、米国特許第3,845,770号明細書;同第3,916,899号明細書;同第4,034,758号明細書;同第4,063,064号明細書;同第4,077,407号明細書、同第4,088,864号明細書;同第4,200,098号明細書;同第4,285,987号明細書;同第4,783,337号明細書;同第4,816,263号明細書;および同第5,071,607号明細書に開示されている。
浸透デバイスは、腸液、胃液より高いpHを有する液の実質的にpH中性または塩基性の液において可溶性もしくは腐食性であるが、胃液または酸性液体ではほとんどの部分が不溶性である腸溶または遅延放出コートを含んでなる半透膜を取り囲む制御放出性コートをさらに含んでなることができる。多種多様な他のポリマー材料が、これらの多様な溶解特性を所有することが公知である。そのような他のポリマー材料として、例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートトリマレエート(CAT)、ポリ(ビニルアセテート)フタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP)、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)コポリマー(MA−EA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー(MA−MMA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、Eudragit(登録商標)L−30−D(MA−EA、1:1)、Eudragit(登録商標)L−100−55(MA−EA、1:1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、Coateric(登録商標)(PVAP)、Aquateric(登録商標)(CAP)、AQUACOAT(登録商標)(HPMCAS)およびそれらの組み合わせが挙げられる。腸溶性コートはまた、溶解補助剤、安定性改変剤、および生体吸収促進剤を含んでなることができる。
本発明の浸透圧性剤形の制御放出性コートを溶解するか、腐食させるかまたは浸透圧性剤形から離すことが意図される場合、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース(FMC Corp.由来のMCC、AvicelTM)、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)(60:40)コポリマー(Aldrich Chemical Co.由来のEVAC)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、MMA、N,N’−ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルアミノ)−アゾベンゼンの存在下で合成されたHEMA:MMA:MAのターポリマー、アゾポリマー、腸溶性コーティングされた時限放出システム(Pharmaceutical Profiles,Ltd.、英国由来のTime Clock(登録商標))およびカルシウムぺクチネート(calcium pectinate)のような材料を使用することができる。
本発明の浸透圧性剤形の制御放出性コートにおける使用のためのポリマーは、例えば、半透過性の壁を介する透過を回避する胃液の作用に対して抵抗する腸溶性材料であり得る一方、剤形のコアにおける1つもしくはそれ以上の材料は、腸管において可溶化され、それによって、浸透圧性剤形における浸透圧ポンプによるコアにおけるブプロピオン塩の送達を開始させる。この種の要件に適応する材料は、例えば、そのKollidon(登録商標)VA64の商標でBASFより供給される材料のようなポリ(ビニルピロリドン)−ビニルアセテートコポリマーであり得、ステアリン酸マグネシウムおよび他の類似の賦形剤と混合される。腸溶性コートはまた、そのKollidon(登録商標)K30の商標でBASFより供給されるポビドン、およびそのMethocel(登録商標)E−15の商標でDowより供給されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでなることができる。材料は、所望される溶液粘度に従って異なる濃度のポリマーを有する溶液において調製することができる。例えば、Kollidon(登録商標)K30の10%P/V水溶液は、20℃で5.5〜8.5cpsの粘度を有し、Methocel(登録商標)E−15の2%P/V水溶液は、20℃で13〜18cpsの粘度を有する。
本発明の浸透圧性剤形の制御放出性コートは、胃において、および錠剤が胃に滞在する期間の間、溶解せず、崩壊せず、またはそれらの構造的完全性を変更しない次のような1つもしくはそれ以上の材料を含んでなることができる:例えば、(a)ケラチン、ケラチンサンダラック−トルー、ザロール(salol)(フェニルサリシレート)、ザロール(salol)β−ナフチルベンゾエートおよびアセトタンニン、ペルーバルサム(balsam of Peru)を伴うザロール(salol)、トルー(tolu)を伴うザロール(salol)、マスティックガム(gum mastic)を伴うザロール(salol)、ザロール(salol)およびステアリン酸、ならびにザロール(salol)およびシェラックの群から選択されるメンバー;(b)ホルマリン処理したタンパク質、ホルマリン処理したゼラチン、およびホルマリン処理した架橋型ゼラチンならびに交換樹脂の群から選択されるメンバー;(c)ミリスチン酸−硬化ヒマシ油−コレステロール、ステアリン酸−羊脂、ステアリン酸−トルーバルサム(balsam of tolu)、およびステアリン酸−ヒマシ油の群から選択されるメンバー;(d)シェラック、アンモニア化シェラック、アンモニア化シェラック−ザロール(salol)、シェラック−羊毛脂、シェラック−アセチルアルコール、シェラック−ステアリン酸−トルーバルサム(balsam of tolu)、およびシェラックn−ブチルステアレートの群から選択されるメンバー;(e)アビエチン酸、メチルアビエテート、ベンゾイン、トルーバルサム(balsam of tolu)、サンダラック(sandarac)、トルー(tolu)を伴うマスティック(mastic)、およびトルー(tolu)を伴うマスティック(mastic)、ならびにアセチルアルコールを伴うマスティック(mastic)の群から選択されるメンバー;(f)メタクリレート酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーによって提示されるアクリル樹脂、メタクリルおよびメタクリル酸ならびにメタクリル酸アルキルエステルのコポリマーアクリル樹脂、アルクアクリル酸およびアルクアクリル酸アルキルエステルのコポリマー、アクリル樹脂、例えば、150,000分子量のジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、135,000分子量のメタクリル酸−メチルメタクリレート50:50コポリマー、135,000mol.wt.のメタクリル酸−メチルメタクリレート−30:70−コポリマー、750,000mol.wt.のメタクリル酸−ジメチルアミノエチル−メタクリレート−エチルアクリレート、1,000,000mol.wt.のメタクリル酸−メチルメタクリレート−エチルアクリレート、および550,000mol.wtのエチルアクリレート−メチルメタクリレート−エチルアクリレート;ならびに(g)セルロースアセチルフタレート、セルロースジアセチルフタレート、セルローストリアセチルフタレート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートナトリウム、セルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、メチルセルロースフタレート、セルロースエステル−エーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートのアルカリ塩、セルロースアセテートフタレートのアルカリ土類塩、セルロースアセテートフタレートのカルシウム塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのアンモニウム塩、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ポリビニルアセテートフタレートフタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアルキル(ここで、アルキルは、1〜7直鎖および分岐鎖のアルキル基を含んでなる)、アリールフタレート、ならびに当業者に公知の他の材料の群から選択される腸溶性組成物。
従って、少なくとも1つの他の実施態様では、本発明の浸透圧性剤形の制御放出性コートは、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマー、水溶性ポリマー、ならびに場合により、可塑剤および/または孔形成剤を含んでなる。制御放出性コートの製造に有用な水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーは、例えば、エチルセルロースPR100等級、エチルセルロースPR20等級およびそれらの任意の組み合わせの群から選択されるエチルセルロースのようなセルロースエーテル;セルロースエステル、ならびにポリビニルアルコールであり得る。制御放出性コートに有用な水溶性ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースであり得る。
当業者であれば、ブプロピオン塩について本明細書に記載の所望されるインビトロ放出速度は、浸透圧性剤形のコアに適用されるコーティングの透過性および/または量を制御することによって、達成することができることを理解するであろう。制御放出性コートの透過性は、水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマー:水溶性ポリマー:場合により可塑剤の比および/または浸透圧性剤形のコアに適用されるコーティングの量を変動することによって、変更することができる。より延期された放出は、一般的に、より多量の水不溶性、水透過性フィルム形成ポリマーによって得られる。他の賦形剤の浸透圧性剤形のコアへの添加もまた、制御放出性コートの透過性を変更し得る。膨潤性ポリマーが柔軟性の低いコートに及ぼす圧力はコートを破断し得るため、例えば、浸透圧性剤形のコアが膨潤性ポリマーを含んでなる場合、制御放出性コートにおける可塑剤の量を増加して、コートをより柔軟にすることができる。さらに、水不溶性水透過性フィルム形成ポリマーおよび水溶性ポリマーの割合はまた、より速いまたはより遅いインビトロでの溶解が所望されるかどうかに依存して、変更し得る。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、何ら官能基を伴わない中性エステルコポリマーの水性分散体;55℃を超える融点を有するポリグリコール、および1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなり、ポリグリコールの融点に少なくとも等しいかもしくはそれを超える温度で硬化される。そのようなコーティング製剤の製造および使用については、2004年2月26日に公開された米国特許出願公開第2004/0037883A1号明細書に詳細に記載されている。簡単に説明すると、コートを含んでなる何ら官能基を伴わない中性エステルコポリマーの例は、Eudragit(登録商標)NE30D、Eudragit(登録商標)NE40D(Roehm America LLC)、またはそれらの混合物であり得る。このコートは、胃腸液と接触する場合のコートの浸潤を促進するための親水性薬剤を含んでなることができる。そのような親水性薬剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびそれらの組み合わせのような親水性水溶性ポリマーが挙げられる。ポリグリコールは、例えば、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポロキサマー188、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンステアレート、およびこれらの組み合わせの群から選択することができる。浸透圧性剤形の制御放出性コートは、孔形成剤をさらに含んでなることができる。しかし、孔形成物は、水性分散体において十分に不溶性でなければならないが、使用環境においては十分に可用性でなければならない。そのようなコートを生成するための1つの方法が欧州特許第1267842B1号明細書に詳述されている。
本発明の所定の実施態様の浸透圧性剤形の所定の実施態様の制御放出性コートは、ブプロピオン塩の制御型放出を達成するのに十分な量の少なくとも1つのポリマーを含む。これらの実施態様の制御放出性コートにおいて使用することができるポリマーの他の例として、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリマレテート(cellulose acetate trimaletate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、アンモニオメタクリレートコポリマー、例えば、Eudragit(登録商標)RSおよびRLの商標で販売されているもの、ポリアクリル酸ならびにポリアクリレートおよびメタクリレートコポリマー、例えば、Eudragit(登録商標)SおよびLの商標で販売されているもの、ジエチルアミノポリビニルアセテートアセタール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、シェラック;ヒドロゲルおよびゲル形成材料、例えば、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、澱粉、ならびに水の吸着およびポリマーマトリックスの膨張を容易にするように架橋の程度が低いセルロースを基材とする架橋ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋澱粉、結晶セルロース、キチン、アミノアクリル−メタクリレートコポリマー(Eudragit(登録商標)RS−PM、Rohm&Haas)、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアガム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、(膨潤性親水性ポリマー)ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)(分子量5k〜5000k)、ポリビニルピロリドン(分子量10k〜360k)、アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル、低級な酢酸残基を有するポリビニルアルコール、寒天およびカルボキシルメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレンまたはイソブチレンとのコポリマー、ペクチン(分子量30k〜300k)、多糖類、例えば、寒天、アカシア、カラヤ、トラガント、アルギン類およびグアー、ポリアクリルアミド、Polyox(登録商標)ポリエチレンオキシド(分子量100k〜5000k)、AquaKeep(登録商標)アクリレートポリマー、ポリグルカンのジエステル、架橋されたポリビニルアルコールおよびポリN−ビニル−2−ピロリドン、ナトリウム澱粉グリコレート(例えば、Explotab(登録商標);Edward Mandell C.Ltd.);親水性ポリマー、例えば、多糖類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシルメチルセルロース、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド(例えば、Polyox(登録商標)、Union Carbide)、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、ゼラチン、コラーゲン、澱粉、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)、Rohm and Haas)、他のアクリル酸誘導体、ソルビタンエステル、天然ガム類、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アルギン酸アンモニア(ammonia alginate)、ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、寒天、ならびにガム、例えば、アラビア、カラヤ、ローカストビーン、トラガント、カラギーン、グアー、キサンタン、スクレログルカンならびにその混合物および混和物が挙げられる。本発明の浸透圧性剤形の少なくとも1つの実施態様では、ポリマーは、Eudragit(登録商標)NE30D、Eudragit(登録商標)NE40D(Rohm America LLC)、Kollicoat(登録商標)SR30D、Surelease(登録商標)、またはこれらの混合物のようなアクリレート分散体である。ポリマーは、所望される制御型放出プロファイルに依存して、制御放出性コートの20重量%〜99重量%の量で存在することができる。例えば、浸透圧性剤形の所定の実施態様では、ポリマーは、制御放出性コート重量の50%〜95%の量で存在し、他の実施態様では、60%〜90%、およびなお他の実施態様では、75%で存在する。
本発明の浸透圧性剤形の所定の実施態様の制御放出性コートはまた、潤滑剤、乳化剤、消泡剤、可塑剤、溶媒などのような1つもしくはそれ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含むことができる。
潤滑剤は、製造中のコーティング微小粒子の摩擦を減少するのに役立たせるために、本発明の浸透圧性剤形の所定の実施態様の制御放出性コートに封入することができる。制御放出性コートにおいて使用することができる潤滑剤として、アジピン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硬化植物油、塩化ナトリウム、ステロテックス(sterotex)、ポリオキシエチレン、モノステアリン酸グリセリル、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、軽質性鉱物油、ベヘン酸グリセリルのような蝋脂肪酸エステル(即ち、CompritolTM)、Stear−O−WetTMおよびMyvatexTMTLを挙げることができるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクから選択される。これらの潤滑剤の組み合わせは操作可能である。潤滑剤は、制御放出性コート重量の0.1%〜80%の量でそれぞれ存在することができる。例えば、所定の実施態様では、潤滑剤は、0.5%〜20%の量で存在し、他の実施態様では、0.8%〜10%、およびなお他の実施態様では、制御放出性コート重量の1.5%で存在する。
乳化剤(乳化薬剤またはエマルジェント(emulgent)とも呼ばれる)は、コートの製造中実際のの乳化を容易にし、また、製品の貯蔵寿命中のエマルジョン安定性を増加または確実にするために、本発明の所定の実施態様の浸透圧性剤形の制御放出性コートに含まれ得る。浸透圧性剤形の制御放出性コート組成物に有用な乳化剤として、天然に存在する材料および多糖のようなそれらの半合成誘導体、ならびにグリセロールエステル、セルロースエーテル、ソルビタンエステル、(例えば、モノオレイン酸ソルビタンもしくはSpanTM80)、およびポリソルベート(例えば、TweenTM80)が挙げられるが、これらに限定されない。乳化剤の組み合わせは操作可能である。乳化剤は、制御放出性コート重量の0.01%〜0.25%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、乳化剤は、0.01%〜0.15%の量で存在し、他の実施態様では、0.01%〜0.07%、およびなお他の実施態様では、制御放出性コート重量の0.03%で存在する。
消泡剤は、コートの製造中の泡沫または泡を減少するために、本発明の所定の実施態様の浸透圧性剤形の制御放出性コートに封入することができる。浸透圧性剤形の制御放出性コート組成物に有用な消泡剤として、シメチコン、ポリグリコールおよびシリコンオイルが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施態様では、消泡剤はシメチコンC(Simethicone C)である。消泡剤は、制御放出性コート重量の0.01%〜10%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、消泡剤は、0.05%〜1%の量で存在し、他の実施態様では、0.1%〜0.3%、およびなお他の実施態様では、制御放出性コート重量の0.15%で存在する。
所定の実施態様では、本発明の目的に一致する他の賦形剤もまた、浸透圧性剤形の制御放出性コートにおいて使用することができることが想定される。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形の制御放出性コートは、制御放出性コート組成物の重量で、75%Eudragit(登録商標)NE30D、1.5%ステアリン酸マグネシウム、1.5%タルク、0.03%TweenTM80、0.15%シメチコンC(Simethicone C)、および21.82%水を含む。
本発明の浸透圧性剤形の所定の実施態様のさしあたりの実施例では、浸透圧性剤形の制御放出性コートのための製造プロセスは、仮定的に次のとおりであり得る:水を、15%および85%の2つの部分に分割する。次いで、消泡剤および乳化剤を15%水部分に添加し、300rpmで混合して、部分Aを形成する。少なくとも1つの実施態様では、消泡剤はシメチコンC(Simethicone C)であり、乳化剤はTweenTM80である。次いで、第1の潤滑剤を85%水部分に添加し、9500rpmで混合して、部分Bを形成する。少なくとも1つの実施態様では、第1の潤滑剤はタルクである。次いで、部分Aを部分Bと混合し、第2の潤滑剤は、緩徐に添加し、700rpmで1晩混合する。少なくとも1つの実施態様では、第2の潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。最終的に、中性エステルコポリマーの水性分散体を添加し、30分間、500rpmで混合する。少なくとも1つの実施態様では、中性エステルコポリマーの水性分散体はEudragit(登録商標)NE30Dである。次いで、得られるコート溶液を使用して、次のパラメータにより、35%重量増加まで、浸透サブコーティング微小粒子をコーティングすることができる:10℃〜60℃、好ましくは、20℃〜40℃、およびより好ましくは、25℃〜35℃の入口温度;10℃〜60℃、好ましくは、20℃〜40℃、およびより好ましくは、25℃〜35℃の出口温度;10℃〜60℃、好ましくは、15℃〜35℃、およびより好ましくは、22℃〜27℃の製品温度;10c.m/時〜180c.m/時、好ましくは、40c.m/時〜120c.m/時、およびより好ましくは、60c.m/時〜80c.m/時の風量;ならびに0.5バール〜4.5バール、好ましくは、1バール〜3バール、およびより好ましくは、2バールの霧化圧。次いで、得られるコーティング微小粒子を、コーティングチャンバから解放し、次のパラメータでオーブン硬化することができる:20℃〜65℃、好ましくは、30℃〜55℃、およびより好ましくは、40℃の硬化温度;および2時間〜120時間、好ましくは、10時間〜40時間、およびより好ましくは24時間の硬化時間。本発明の目的に一致する浸透圧性剤形の制御放出性コートのコーティング製剤を生じる他の任意の技術もまた、使用することができる。
少なくとも1つの他の実施態様では、浸透圧性剤形は、半透膜と制御放出性コートとの間で水溶性または迅速に溶解するコートを含んでなる。迅速に溶解するコートは、口腔および/または胃、十二指腸、空腸もしくは小腸上部のようなGI管上部において可用性であり得る。水溶性コートの製造に適切な材料については、米国特許第4,576,604号明細書および同第4,673,405号明細書、ならびにthe text Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets第I巻、第2版、A.リーバーマン(A.Lieberman)編、1989年、Marcel Dekker,Inc.において開示されている。所定の実施態様では、迅速に溶解するコートは、唾液、胃液、または酸性の液体において可溶性であり得る。水溶性コートまたは層を作製するのに適切である材料は、例えば、カラギーナン、フコイダン、ガティガム、トラガント、アラビノガラクタン、ペクチンおよびキサンタンのような水溶性多糖ガム;アルギン酸ナトリウム、トラガカンチンナトリウム(sodium tragacanthin)、およびガッタテガムナトリウム(sodium gum ghattate)のような多糖ガムの水溶性塩;例えば、ハイドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性ヒドロキシアルキルセルロース(ここで、アルキルメンバーは1〜7個の炭素の直鎖または分岐鎖である);ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシブチルメチルセルロースの群から選択されるメンバーのような例えば、メチルセルロースおよびそのヒドロキシアルキルメチルセルロースセルロース誘導体のような合成水溶性セルロースを基材とする層形成物;クロスカルメロースナトリウム;カルボキシメチルセルロースナトリウムのような他のセルロースポリマー;ならびに当業者に公知である他の材料を含んでなることができる。この目的のために使用することができたの層形成材料として、例えば、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ゼラチンとポリビニル−ピロリドンとの混和物、ゼラチン、グルコース、糖類、ポビドン、コポビドン、ポリ(ビニルピロリドン)−ポリ(ビニルアセテート)コポリマーが挙げられる。水溶性コーティングは、水溶性コーティングが挙動する方法を変更するまたは変更しない他の薬学的賦形剤を含有することができる。当業者であれば、上記の材料がフィルム形成ポリマーを含むことを理解するであろう。半透過性の壁を被覆し、本発明の浸透圧性剤形の通路を阻止する不活性水溶性コートは、選択的溶解もしくは腐食を介して、通路を非阻止型にし、それ故に、浸透圧性送達のプロセスを開始させることができる合成または天然の材料から作製される。この水溶性コートは、第1の外部液に対して不透過性であり得る一方、第2の外部液に可溶性である。この特性は、所望されるインビトロ放出速度を達成するように浸透圧性剤形からのブプロピオン塩の制御型および選択的放出を達成するのに役立ち得る。
浸透圧性剤形のコアが浸透圧調整剤を含まない実施態様では、浸透圧性剤形は、浸透圧性剤形のコアを取り囲むことができる浸透圧性サブコートを含んでなることができる。浸透圧性サブコートは、少なくとも1つの浸透剤および少なくとも1つの親水性ポリマーを含んでなる。この実施態様の浸透圧性サブコートは、実質的に個別のコンパートメント/層への浸透剤からのブプロピオン塩の実質的な分離を提供する。この分離は、ブプロピオン塩と浸透圧調整剤との間、および/またはブプロピオン塩と制御放出性コートの成分との間の可能な好ましくない相互作用を減少することによって、ブプロピオン塩の安定性を増加することができる。例えば、浸透圧調整剤は本質的に吸湿性であり得、ブプロピオン塩の分解をもたらし得る水を引き付け得る。これらの実施態様の浸透剤は、実質的にブプロピオン塩から分離され得るため、ブプロピオン塩は、浸透圧調整剤によって引き出される水による分解を受け難い傾向があり得る。制御放出性コートは、制御放出性ポリマーおよび場合により、可塑剤を含んでなる。浸透圧性剤形のコーティングされたコアは、カプセルに充填することができるか、あるいは、適切な賦形剤を使用して、錠剤に圧縮することができる。これらの実施態様では、多粒子浸透圧性剤形は、拡散および浸透を利用して、薬物放出を制御することができ、持続放出および/または遅延放出剤形に組み入れることができる。さらに、所定の実施態様では、ブプロピオン塩の放出の浸透圧勾配および速度は、浸透圧性サブコートの周囲のシールコートの必要性を伴わずに、浸透剤のレベルおよび/または浸透圧性サブコートにおける親水性ポリマーのレベルを変動することによって、制御することができる。
本発明の所定の実施態様の浸透圧性サブコートにおいて使用される親水性ポリマーは、浸透剤のキャリアとして機能する。所定の実施態様では、浸透圧性サブコートにおける親水性ポリマーは、実質的に薬物放出に影響を及ぼさない。少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性サブコートにおいて使用される親水性ポリマーは、ブプロピオン塩の放出に対する拡散バリアとして作用しない。少なくとも1つの実施態様では、浸透剤の放出プロファイルは、ブプロピオン塩の放出プロファイルと実質的に同じである。本発明の浸透圧性サブコートにおいて有用なそのような親水性ポリマーとして、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリメタクリレート、エチルセルロース、およびそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性サブコートの親水性ポリマーは、低分子量および低粘度の親水性ポリマーである。多種多様な低分子量および低粘度の親水性ポリマーを、浸透圧性サブコートにおいて使用することができる。浸透圧性サブコートにおいて使用することができるHPMCポリマーの例として、Pharmacoat(登録商標)606、Pharmacoat(登録商標)606G、Pharmacoat(登録商標)603、Methocel(登録商標)E3、Methocel(登録商標)E5、Methocel(登録商標)E6、およびそれらの混合物が挙げられる。浸透圧性サブコートの親水性ポリマーは、浸透圧性サブコート組成物の1重量%〜30重量%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、親水性ポリマーは、浸透圧性サブコート組成物の1重量%〜20重量%の量で存在し、他の実施態様では、3重量%〜10重量%、およびなお他の実施態様では、7重量%で存在する。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性サブコートは、浸透圧性サブコート組成物の重量で7%Pharmacoat(登録商標)606、1%塩化ナトリウム、および92%水を含んでなる。
浸透圧性サブコートを生成するための1つの方法は、以下のとおりであり得る。少なくとも1つの浸透剤、例えば、塩化ナトリウムを水に溶解する。次いで、浸透剤および水の溶液を60℃に加熱する。次いで、親水性ポリマーを、徐々に溶液に添加する。磁気スターラーを使用して、浸透剤および水の溶液への親水性ポリマーの混合を援助することができる。次いで、得られる浸透圧性サブコーティング溶液を使用して、Glatt(独国)またはAeromatic(瑞国)によって製造される造粒装置のような流動層造粒装置において、所望される重量増加まで、浸透圧性剤形のコアをコーティングすることができる。10℃〜70℃、好ましくは、30℃〜55℃、およびより好ましくは40℃〜45℃の入口温度;10℃〜70℃、好ましくは、20℃〜45℃、およびより好ましくは、30℃〜35℃の出口温度;10℃〜70℃、好ましくは、20℃〜45℃、およびより好ましくは、30℃〜35℃の製品温度;10c.m/時〜180c.m/時;好ましくは、40c.m/時〜120c.m/時;およびより好ましくは、60c.m/時〜80c.m/時の風量;0.5バール〜4.5バール、好ましくは、1バール〜3バール、およびより好ましくは、2バールの霧化圧;10℃〜70℃、好ましくは、20℃〜50℃、およびより好ましくは、30℃〜40℃の硬化温度;ならびに5分間〜720分間;好ましくは、10分間〜120分間、およびより好ましくは30分間の硬化時間。本発明の目的に一致する浸透圧性サブコートのコーティング製剤を生じる他の任意の技術もまた、使用することができる。
コア、半透膜および/または水溶性膜および/または少なくとも1つの制御放出性コートおよび/または浸透圧性サブコートにおける成分の比ならびに適用される多様な膜またはコアの量を変動して、主に、半透膜の表面を超える拡散、または主に、半透膜における少なくとも1つの通路を介する浸透圧ポンプのいずれかによって、およびそれらの組み合わせにより、ブプロピオン塩の送達を制御することができ、そのため、剤形は、放出調整、制御型放出、持続放出、徐放性、長期放出、二相性放出、遅延放出プロファイルまたは放出プロファイルの組み合わせを示すことができ、それによって、ブプロピオン塩のインビトロ放出速度は、2時間後に0〜20重量%のブプロピオン塩が放出され、4時間後に15%〜45重量%のブプロピオン塩が放出され、8時間後、40%〜90重量%のブプロピオン塩が放出され、および16時間後、80重量%を超えるブプロピオン塩が放出されるようなものになる。ブプロピオン塩の退出の態様が複数の孔を含んでなる実施態様では、所望されるインビトロ溶解速度を達成するために用いられる孔形成剤の量は、薬物送達分野の当業者によって容易に決定することができる。
少なくとも1つの実施態様では、浸透圧性剤形のコアは、ブプロピオン臭化水素酸塩を含んでなる。コアにおけるブプロピオン臭化水素酸塩の割合は、例えば、コア乾燥重量の40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%のような40%〜99%であり得る。
所定の実施態様では、浸透圧性剤形のコアは、膜コート内部の静水圧を増加するための少なくとも1つの手段を含んでなる。膜またはコートは、半透膜、制御放出性コート、水溶性コート、浸透圧性サブコート、もしくはそれらの組み合わせであり得る。浸透圧性剤形のコアは、水がコアに浸入するための正味の駆動力が存在するように、使用環境における周囲のものより有効な浸透圧を有する。膜コート内部の静水圧を増加するための少なくとも1つの手段は、浸透圧性剤形のコアの浸透圧を増加する任意の材料であり得る。膜コート内部の静水圧を増加するための少なくとも1つの手段は、例えば、ブプロピオン塩、浸透圧調整剤、例えば、オスモポリマーのような水および/または生物学的水性液体と相互作用し、膨潤し、それらの構造内の水を保持し得る任意の材料、ならびにそれらの任意の組み合わせであり得る。浸透圧調整剤は可溶性または膨潤性であり得る。浸透圧有効溶質の例は、無機および有機塩ならびに糖である。ブプロピオン塩は、それ自体、浸透圧調整剤であり得、または例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カリウム(potassium acid phosphate)、乳酸化カルシウム、d−マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、酒石酸、水溶性の酸、アルコール、界面活性剤、およびラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、フルクトース、アルギン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、カラギーナン、フコイダン、ファーセルラン、ラミナラン、イバラノリ(hypnea)、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム(gum karaya)、ローカストビーンガム、ペクチン、澱粉のような炭水化物ならびにそれらの混合物のような1つもしくはそれ以上の他の浸透圧調整剤と組み合わされ得る。所定の実施態様では、浸透圧調整剤の量は、コア乾燥重量の例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%の範囲であり得る。
本発明の所定の実施態様において有用な浸透圧調整剤は、使用外部環境から浸透圧性剤形への水の輸送のための浸透圧勾配を生じ得る任意の薬剤であり得る。浸透圧調整剤はまた、浸透圧有効化合物、浸透圧性溶質、および浸透圧性液体吸収剤としても公知である。本発明の所定の実施態様において有用な浸透圧調整剤は水性および生物学的液体において可溶性であり、例えば、イオン化化合物、本質的に極性の化合物、無機ならびに有機の酸、塩基および塩である。少なくとも1つの実施態様では、浸透圧調整剤は固体であり、溶解して、浸透圧性剤形に吸収される液体を伴う溶液を形成する。多種多様な浸透圧調整剤を使用して、浸透圧性剤形のコアからブプロピオン塩を駆動するために使用される浸透圧勾配を提供することができる。浸透圧調整剤として有用な無機塩の例として、塩化リチウム、硫酸リチウム、リン酸リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム(potassium acid phosphate)、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。浸透圧調整剤として有用な有機酸の塩の例として、クエン酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム(potassium acid tartrate)、重酒石酸カリウム、重酒石酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。浸透圧調整剤として有用なイオン化可能な固体酸の例として、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、タルトロン酸、イタコン酸、アジピン酸、コハク酸、メサコン酸、およびそれらの混合物が挙げられる。浸透圧調整剤として有用な他の化合物の例として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、乳酸化ルシウム、マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、ソルビトール、およびラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、ラクトース一水和物のような炭水化物、フルクトースグルコースの混和物ならびにそれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、浸透圧調整剤は、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、重硫酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム(potassium acid tartrate)、クエン酸、マンニトール、スクロースおよびそれらの混合物から選択される。これらの浸透圧調整剤の組み合わせも許容される。浸透圧調整剤は、剤形重量の0.1%〜50%の量で存在することができる。例えば、所定の実施態様では、浸透圧調整剤は、1%〜40%の量で存在し、他の実施態様では、剤形重量の1%〜20%である。
所定の実施態様では、静水圧を増加するための少なくとも1つの手段は、浸透圧調整剤に加えて、水および/または生物学的水性液体と相互作用し、膨潤し、それらの構造内の水を保持し得る任意の材料を含んでなることができる。静水圧を増加するための少なくとも1つの手段がオスモポリマーである所定の実施態様では、当該物は僅かに架橋された形または非架橋型であり得る。オスモポリマーとして使用すべき非架橋型ポリマーは、水および/または生物学的水性液体と接触される場合、水に溶解すべきではなく、従って、それらの物理的完全性を維持する。そのようなポリマーは、例えば、ポリアクリル酸誘導体(例えば、ポリアクリレート、ポリ−メチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)高級アルキルエステル、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサデシルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート−コ−スチレン)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−ブチル−アクリレート)、ポリ(シクロドデシルアクリレート)、ポリ(ベンジルアクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(secブチルアクリレート)、ポリ(ヘキシルアクリレート)、ポリ(オクチルアクリレート)、ポリ(デシルアクリレート)、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)、ポリ(アダマンチルメタクリレート)、ポリ(ベンジルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリ(オクチルメタクリレート)、アクリル樹脂)、ポリアクリルアミド、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリN−ビニル−2−ピロリドン、天然に存在する樹脂、例えば、多糖(例えば、デキストラン、水溶性ガム、澱粉、化学的に加工された澱粉)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル、セルロースエーテル、化学修飾されたセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびメチルセルロース)、澱粉、CarbopolTM、酸性カルボキシポリマー、CyanamerTM、ポリアクリルアミド、架橋型水膨潤性インデン−無水マレイン酸ポリマー、Good−riteTM、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、澱粉グラフトコポリマー、Aqua−KeepsTM、アクリレートポリマー、ジエステル架橋型ポリグルカン、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択することができる。
所定の実施態様では、浸透圧性剤形のコアは、ブプロピオン塩をコアから剤形の外部へ強制的に分散させるための手段をさらに含んでなる。ブプロピオン塩を強制的に分散させるための少なくとも1つの手段は、水および/または生物学的水性液体において膨潤し、その構造内において水の有意な画分を保持し得、水および/または生物学的水性液体には溶解しない任意の材料、気体を発生するための手段、浸透圧有効溶質またはそれらの任意の組み合わせであり得、場合により、使用される特定の手段に依存して、膜またはコートによって取り囲まれ得る。膜またはコートは、例えば、ブプロピオン塩、気体および化合物の通過に対して本質的に不透過性であり、水および/または生物学的水性液体の通過に対して透過性である膜またはコートであり得る。そのようなコートまたは膜は、例えば、半透膜、微孔性、非対称膜を含んでなり、該非対称膜は、透過性、半透過性、穿孔型、または非穿孔型であり得る。少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン塩を浸透圧性剤形のコアから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段は、気体を発生させるための手段を含んでなり、該気体を発生させるための手段は、例えば、半透膜によって取り囲まれる。操作では、気体発生手段が、水および/または生物学的水性液体を吸収する場合、気体を発生させるための手段が反応し、気体を発生させ、それによって、ブプロピオン塩を強制的に分散させるための少なくとも1つの手段を一方向的または多方向的に拡大および拡張する。気体を発生させるための手段は、液体の存在下で反応して、例えば、二酸化炭素のような気体を形成することができる、例えば、少なくとも1つの固体酸化合物および少なくとも1つの固体塩基化合物のような発泡を生じることができる任意の化合物(単数または複数)を含んでなる。酸化合物の例として、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、イタコン酸、マレイン酸、クエン酸、アジピン酸、コハク酸およびメサコン酸のような有機酸、ならびにスルファミン酸またはリン酸のような無機酸、またクエン酸一ナトリウム、酒石酸水素カリウム(potassium acid tartrate)および重酒石酸カリウムのような酸性塩が挙げられる。塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩および重炭酸塩のような金属炭酸および重炭酸塩が挙げられる。酸性および塩基性材料は、1対200部の少なくとも1つの酸性化合物対少なくとも1つの塩基性化合物または1対200部の少なくとも1つの塩基性化合物対少なくとも1つの酸性化合物の間の任意の簡便な割合で使用することができる。気体を発生させるための手段については、例えば、米国特許第4,235,236号明細書に記載されている。
少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン塩を浸透圧性剤形のコアから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段は、水および/または生物学的水性液体において膨潤し、その構造内において水の有意な画分を保持し得、水および/または生物学的水性液体には溶解しない例えば、ヒドロゲルのような任意の材料を含んでなる。ヒドロゲルは、液体の存在下で溶解を伴わずに高い程度で膨潤する、例えば、軽度に架橋された親水性ポリマーを含み、通常、5倍〜50倍の容積増加を示す。ヒドロゲルの例として、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル、高分子電解質錯体、コポリマーにおいて1モルの無水マレイン酸あたり0.001〜0.5モルのポリ不飽和架橋剤で架橋された無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンまたはイソブチレンとの微粉化されたコポリマーの分散体を形成することによって生成される水不溶性、水膨潤性コポリマー(米国特許第3,989,586号明細書において開示されている)、水膨潤性ポリマーまたはN−ビニルラクタム(米国特許第3,992,652号明細書において開示されている)、半固体架橋型ポリ(ビニルピロリドン)、ジエステル架橋型ポリグルカンヒドロゲル(米国特許第4,002,173号明細書において記載されている)、複素環N−ビニルモノマーのアニオン性ヒドロゲル(米国特許第4,036,788号明細書において記載されている)、イオノゲニック(ionogenic)親水性ゲル(J.Biomedical Mater,Res.、第7巻、123〜126頁、1973年において記載されている)などが挙げられる。オスモポリマーおよびヒドロゲルのいくつかは交換可能である。そのような手段は、場合により、ブプロピオン塩、および化合物の通過に対して不透過性の膜またはコートによって被覆され得、水および/または生物学的水性液体の通過に透過性である。そのようなコートまたは膜は、例えば、半透膜、微孔性、非対称膜を含んでなり、該非対称膜は、透過性、半透過性、穿孔型、または非穿孔型であり得る。
少なくとも1つの他の実施態様では、ブプロピオン塩を浸透圧性剤形のコアから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段は、ブプロピオン塩、および化合物の通過に対して不透過性の膜またはコートによって取り囲まれる少なくとも1つの浸透圧有効溶質を含んでなり、水および/または水性生物学的液体の通過に透過性であり、このため、浸透圧有効溶質は、膜またはコートを超える浸透圧勾配を示す。そのようなコートまたは膜は、例えば、半透膜、微孔性、非対称膜を含んでなり、該非対称膜は、透過性、半透過性、穿孔型、または非穿孔型であり得る。浸透圧有効溶質として、例えば、上記の浸透圧調整剤が挙げられる。
ブプロピオン塩を強制的に分散させるための手段が膜またはコートによって分散される浸透圧性剤形の実施態様では、少なくとも1つの可塑剤を膜組成物に添加して、膜またはコートに可撓性および伸縮性を付与することができる。ブプロピオン塩を強制的に分散させる手段が気体を発生させる手段を含んでなる実施態様では、膜またはコートは、ブプロピオン塩の送達の期間中に膜またはコートの破裂を防止するように伸縮可能であるべきである。米国特許第4,235,236号明細書は、そのような膜またはコートの製造について記載している。これらの実施態様において使用することができる可塑剤として、例えば、環式および非環式の可塑剤、フタル酸塩、リン酸塩、クエン酸、アジピン酸塩、酒石酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グリセロレート、安息香酸塩、ミリスチン酸塩、スルホンアミド、ハロゲン化フェニル、ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(アルキレンジオール)、アルキレングリコールのポリエステル、フタル酸ジアルキル、フタル酸ジシクロアルキル、フタル酸ジアリールおよび混合型フタル酸アルキル−アリール、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−イソプロピル、フタル酸ジアミルおよびフタル酸ジカプリル;リン酸アルキルおよびアリール、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレシルおよびリン酸トリフェニル;クエン酸アルキルおよびクエン酸エステル、例えば、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、およびクエン酸アセチルトリエチル;アジピン酸アルキル、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジエチルおよびアジピン酸ジ(2−メトキシエチル);酒石酸ジアルキル、例えば、酒石酸ジエチルおよび酒石酸ジブチル;セバシン酸アルキル、例えば、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジプロピルおよびセバシン酸ジノニル;コハク酸アルキル、例えば、コハク酸ジエチルおよびコハク酸ジブチル;グリコール酸アルキル、アルキルグリセロレート、グリコールエステルおよびグリセロールエステル、例えば、二酢酸グリセロール、三酢酸グリセロール、グリセロールモノラクテートジアセテート、グリコール酸メチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル、二酢酸エチレングリコール、二酪酸エチレングリコール、二酢酸トリエチレングリコール、二酪酸トリエチレングリコール、二プロピオン酸トリエチレングリコールならびにこれらの混合物が挙げられる。他の可塑剤として、カンフル、N−エチル(o−およびp−トルエン)スルホンアミド、塩化ビフェニル、ベンゾフェノン、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、置換エポキシド、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
ブプロピオン塩を浸透圧性剤形の所定の実施態様のコアから強制的に分散させるための少なくとも1つの手段は、それが、浸透圧性剤形のコア内のおよそ中心に局在し、ブプロピオン塩を含んでなる層によって取り囲まれるように、局在され得る。そのような形状構成は、米国特許第6,352,721号明細書に開示されている。あるいは、浸透圧性剤形のコアは、第1の層がブプロピオン塩、浸透圧調整剤および/またはオスモポリマーならびに場合により、ブプロピオン塩を強制的に分散させるための手段を含んでなる第2の層に隣接する少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる少なくとも2つの層を含んでなる。あるいは、浸透圧性剤形のコアは、ブプロピオン塩を含んでなる層がブプロピオン塩を浸透圧性剤形から強制的に分散させるための手段の2つの層の間に介在する多層型構造を含んでなる。
組み合わせ
本発明はまた、ブプロピオン塩と少なくとも1つの他の薬物との組み合わせを想定している。例えば、ブプロピオン臭化水素酸塩の第1の成分、および少なくとも1つの他の薬物の第2の成分を含んでなる組成物が提供され、ここで、2つの成分は、病態の処置において有効な量で存在する。本発明はさらに、有効量の少なくとも1つの他の薬物の組み合わせで、有効量の第1の成分のブプロピオン臭化水素酸塩を患者に投与することを含んでなる、病態を処置するための方法を提供する。当業者であれば、どの薬物の組み合わせた許容可能であるかを知っているか、または既知の方法によって、それを決定することができる。第2の薬物として選択され得る薬物のタイプとして、例えば、他の抑制薬、抗不安剤、ステロイドおよび非ステロイド系炎症薬(inflammatories)、SSRI、抗片頭痛剤、抗疼痛剤、制吐剤、ニコチンのような乱用を処置するための薬物、食欲調節物質、抗ウイルス剤、血管拡張薬、抗疼痛剤などが挙げられる。例えば、他の薬物は:モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害薬、三環系抗うつ薬、セロトニン再取り込み阻害薬、選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、アミノケトン、セロトニン拮抗薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、二重再取り込み阻害薬、ノルエピネフリン増強剤、セロトニン活性増強剤、ドーパミン活性増強剤、およびそれらの組み合わせから選択される抗うつ薬であり得る。ブプロピオン臭化水素酸塩と組み合わせることができる他の薬物の例として、シタロプラム、エスシタロプラム、ベンラファキシン、クロザピン、メルペロン、アンペロジド、イロペリドン、リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、レボキセチン、Viagra(登録商標)、セルトラリン、パロキセチン、フルオキセチン、ガバペンチン、バルプロ酸、アミトリプチリン、ロフェプラミン、フルボキサミン、イミプラミン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、SAM−Eおよびそれらの組み合わせが挙げられる。少なくとも1つの実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩およびシタロプラムの組み合わせが提供される。少なくとも1つの他の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩およびエスシタロプラムの組み合わせが提供される。少なくとも1つの他の実施態様では、ブプロピオン臭化水素酸塩およびベンラファキシンの組み合わせが提供される。
所定の実施態様では、組み合わせ生成物は、各微小粒子の制御放出性コートを実質的に取り囲むためのオーバーコートを提供することによって、作製することができる。所定の実施態様では、少なくとも1つの他の薬物のパルス放出は、コーティング微小粒子から達成される。このオーバーコートは、少なくとも1つの他の薬物および少なくとも1つの低粘度親水性ポリマーを含む即時放出オーバーコートであり得る。低粘度ポリマーは、オーバーコートからの他の薬物の即時放出を提供する。少なくとも1つの実施態様では、オーバーコートにおいて使用される低粘度ポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。オーバーコートはまた、タルクのような潤滑剤を含むことができる。従って、この実施態様は、薬物放出の第1の層におけるオーバーコートからの少なくとも1つの薬物の即時放出、および次いで、薬物放出の第2の層における制御放出性コーティング微小粒子からのブプロピオン臭化水素酸塩の以後の制御型放出を提供することができる。
さらに、異なる機能的コーティングを伴うそれぞれの本発明の微小粒子の組み合わせは、剤形において一緒に組み合わせることができる。例えば、第1のグループの非コーティング、味マスキング性型または腸溶性コーティング微小粒子と、第2のグループの遅延または持続放出コーティング微小粒子とを組み合わせることによって、パルス薬物放出プロファイルまたは時間療法プロファイル達成することができる(例えば、米国特許第5,260,068号明細書、同第6,270,805号明細書、同第6,926,909号明細書、米国特許出願公開第2002/0098232号明細書、同第2004/0197405号明細書、同第6,635,284号明細書、または同第6,228,398号明細書を参照のこと)。
他の実施態様では、組み合わせは、少なくとも2つの異なる微小粒子を含んでなり得、このうち一方は、ブプロピオン臭化水素酸塩を含有し、他方の第2の薬物は、カプセル製剤に含まれる。
本明細書では、本発明の多様な特徴および成分のうちの特定の組み合わせのみについて考察してきたるが、当業者であれば、開示した特徴および成分の所望する部分集合ならびに/あるいはこれらの特徴および成分の代替的組み合わせを、所望するとおりに使用することができることを理解するであろう。
以下に記載の非限定的な例から認められるとおり、本発明のコーティングはかなり多能である。例えば、遅延時間のための長さおよび時間は、水和の比および制御放出性コートの厚さによって制御することができる。所望される制御型放出薬物プロファイルを達成することができるように、水和の比および制御放出性コートの透過性を調節することが可能である。これは所望される制御型放出プロファイルに依存するため、一般に好適な制御放出性コートの厚さは存在しない。制御放出性コートの厚さと組み合わされた他のパラメータは、制御放出性コート組成物の1つもしくはそれ以上の成分の濃度を変動すること、硬化温度およびコーティング錠微小粒子を硬化するための時間の長さを変動すること、ならびに所定の実施態様では、浸透剤のレベルを変動することを含む。当業者であれば、所望される制御型放出プロファイルについて変化するためのパラメータまたはパラメータの組み合わせがどれかを知っているであろう。
4.安定性試験
ブプロピオン臭化水素酸塩の増強された安定性は、特に、ブプロピオンHClと比較すると、有効医薬品成分(API)単独に対して、賦形剤の存在下でおよびXL錠の形態で実施される分解試験から、明らかに明白である。結果を、以下の実施例において、より詳細に記載する。
本明細書において使用する用語「増強された安定性」、「より大きな安定性」、「増加した安定性」または「より安定な」は、ブプロピオン塩(ブプロピオン臭化水素酸塩)、およびブプロピオン塩を含んでなる組成物、製剤または医薬品が、同様の条件に暴露される場合、即ち、加速貯蔵条件、即ち、40℃、75%相対湿度下で少なくとも3、4、5および/または6箇月貯蔵される場合、ブプロピオン塩酸塩を含有する他の類似の組成物と比較して、ブプロピオン分解に特徴的な少なくとも1つの分解産物の形成によって決定される分解がより少なくおよび/または効力の保持を示すことを意味する。これは、特に、類似の加速貯蔵条件下、即ち、40℃、75%湿度で、少なくとも3箇月、4箇月、5箇月および/または少なくとも6箇月間貯蔵された他の類似のブプロピオン塩酸塩組成物と比べて、ブプロピオン分解に特徴的な少なくとも1つの化合物の減少した量に基づき、より少ない分解を示すブプロピオン臭化水素酸塩を含有する組成物を含む。さらに、増強された安定性のもう1つの指標は、ブプロピオンHBr組成物が、インビトロ溶解プロファイルにおいてより少ない変動を示すことであり、これは、類似の条件下で長期貯蔵後の他の類似のブプロピオンHCl組成物と比べてより少ない変動を示し、ここで、溶解は、特に、少なくとも3箇月、4箇月、5箇月および/または少なくとも6箇月間、40℃および75%相対湿度で貯蔵された後に類似の条件(媒体および時間)下でアッセイされる。
「より少ない分解」とは、組成物が、長期間、即ち、少なくとも3箇月、4箇月、5箇月および/または少なくとも6箇月間、40℃、75%相対湿度で貯蔵された後の他の類似のブプロピオンHCl組成物と比べて、ブプロピオン分解に特徴的な少なくとも1つの不純物もしくは分解産物の量の任意の測定可能な減少または効力における任意の測定可能な差異(増強もしくは減少した変動)を意味する。「分解産物」は、USPの第26版の281頁に列挙されたものおよびアッセイ中にクロマトグラム上にピークとして出現し得る他の任意の分解産物を含む。増強された効力の1つの指標は、長期貯蔵、即ち、40℃および75%相対湿度で少なくとも3、4、5または6箇月間のあと、類似の条件下でアッセイされる他の類似のブプロピオンHCl組成物と比べて、溶解プロファイルにおいてより少ない変動を示すブプロピオンHBr組成物である。
HBr、HCl、マレイン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸およびクエン酸塩を含むいくらかのブプロピオン塩の安定性の比較を、40℃および75%相対湿度で多様な期間保持された安定性チャンバにおいて開放および密閉バイアルの両方にこれらの塩をおくことによって、実施した。塩の安定性を、HPLC分析によって決定される主な分解産物(下記を参照のこと)の形成および安定性チャンバにおける特定の期間後のAPIの効力%(もしくはアッセイ)に基づいて評価した。水、エタノールおよびイソプロピルアルコールのような溶媒の添加の影響についても試験した。
結果は、少なくとも3箇月または少なくとも6個月後、ブプロピオンのHBr塩が、平均で、最小量の分解産物を示し、試験したすべての塩のうち最も高い活性を保持したことを明らかに示す。従って、HBr塩は、最も大きな安定性を所有する。試験した他の塩のいずれもこのような増強された安定性を示さなかったため、これらの結果は予想外であり、当業者が推定することは決してできないであろう。
さらに、強制分解試験においてブプロピオンHBrとブプロピオンHCl塩とを直接比較することによって、安定性試験を実施した。これらの試験は、40℃および75%相対湿度に保持された安定性チャンバにおける密閉ボトルにおいて実施した。特定の時間に、ボトル中の材料を、分解産物の存在および効力%(アッセイ%)について、分析した。意外にも、HCl塩と比較してHBr塩の方が、不純物の量が一貫してより低く、効力%が一貫してより高いことが見出された。
また、薬学的製剤において使用される標準的な賦形剤の存在下で、ブプロピオンHBrおよびブプロピオンHCl APIに対して、強制分解試験を実施した。主な分解産物の量を、55℃、55℃および100%相対湿度および105℃での処理の24ならびに48時間後に観察した。これもまた同様に、意外にも、HBr塩は、これらの条件下で、最も低い量の分解(不純物の形成によって決定される)を示すことが見出された。
ブプロピオンHClおよびHBr塩の錠剤製剤の安定性についても比較した。両方の塩について、第1の制御放出性(EC)コートを有する錠剤ならびに二重コーティング錠(制御放出性および水分バリアコートを伴う)を評価した。錠剤を、個々に開放ディッシュに置き、安定性チャンバにおいて40℃および75%相対湿度の加速条件に暴露した。13および20日間後、サンプルをアッセイし、不純物分析を実施した。
単一コーティングされたブプロピオンHCl錠では、主な分解不純物3−CBZおよび852U77は、それぞれ0.12%および0.38%であったが、ブプロピオンHBr錠では、これらの値は、それぞれ0.07%および0.49%であった。他の分解不純物および全不明物は、両方の産物で極めて類似した;しかし、HBr産物のアッセイ値は、HClより高かった。アッセイおよび不純物レベルにおける差異は、二重コーティング錠生成物ではより有意であった。同じ期間の試験では、ブプロピオンHClのアッセイはより低く(ブプロピオンHBrの98.6と比較して95.5%)、分解および全不明物のレベルは、ブプロピオンHBr(3−CBZ:0.12%、852U77:0.41%、827U76:0.05%および全体で0.75%)より高かった(3−CBZ:0.28%、852U77:1.23%、827U76:0.10%および全体で1.73%)。
ここで実施した安定性試験は、特に、現在利用可能なすべての薬学的形態において使用されるブプロピオンHClと比較して、ブプロピオンHBrの予想外の増強された安定性を明らかに実証した。このような増強された安定性は、API形態のみ、API形態+賦形剤ならびに徐放性および増強型吸収錠剤で認められる。従って、ブプロピオンHBrを含んでなる薬学的製剤は、単に新規であるだけでなく、それらの予想外かつ便益な増強された安定性特性により、発明の創意が認められる。ブプロピオンHBrを含んでなる薬学的製剤は、現在使用されているブプロピオンHCl製剤と比較して、増強された貯蔵寿命を示し、より高い温度および湿度レベルでの貯蔵に耐える。
5.多型
有機分子が固体形態に結晶化し得ることは周知である。さらに、同じ有機化合物は、結晶産物が形成される条件に依存して、固体形態で異なる結晶配列を仮定し得る。この現象は多型として一般に公知である。ブプロピオン臭化水素酸塩の多型を探求するための試験を行った。この試験において得られる生成物の結晶形態を、粉末X線回折(PXRD)によって決定した。RIGAKUミニフレックス装置(Radiation Cu K∝、発生装置30KV、フィルターNi)を使用して、PXRDデータを得た。
ブプロピオン臭化水素酸塩を作製するための標準手順を確立したが、この標準的手順は、多型Iと称されている第1の多型を生じる。形態Iの相対PXRDを図54に示し、示唆走査熱量測定(DSC)プロファイルを図55に示す。
形態IのブプロピオンHBrを、実験の出発物質として使用し、他の多型を同定した。さらなる2つの多型を同定し、形態IIおよび形態IIIと命名した。図56および57は、それぞれ多型IIのPXRDデータおよびDSCプロファイルを示す。図58および59は、それぞれ形態IIIのPXRDデータおよびDSCプロファイルを示す。
形態IIは、アセトン−水、メタノール、ジクロロメタン、トルエン−メタノールおよびジメチルカーボネート−メタノールのような溶媒または溶媒の混合物からの形態1の再結晶化によって入手した。多型IIIは、メタノールにおける多型Iの再結晶化によって入手した。表80は、再結晶化条件および各組の条件下で得られる多型のリストを提供する。
3つの多型を、安定性試験に供した。多型のサンプルをICH条件(40℃、75%R.H.)に供し、PXRDデータを、3箇月および6箇月目に入手した。すべてのサンプルが同じPXRDプロファイルを有し、この多型がこれらの条件で安定であり、変化または分解していないことを示した。多型IIおよびIIIのサンプルを、同じ加速安定性条件下で1箇月後に試験した。多型IIは、当該時間においてPXRDプロファイルの変化を示さなかったが、形態IIIのPXRDプロファイルは、形態IIへの変換を示した。このデータは、多型IおよびIIがかなり安定であるが、多型IIIは試験条件下で多型IおよびIIほど安定ではないことを示唆する。
表99〜104は、本発明に従う例示的348および174ブプロピオンHBr XL錠を含有する。表105は、異なるバッチについて、異なる期間の加速条件下での例示的ブプロピオンHBr製剤の安定性データを含有する。
以下に記載の非限定的な例から認められるとおり、本発明において使用されるコーティングはかなり多能である。例えば、遅延時間のための長さおよび時間は、水和の比および放出調整オーバーコートの厚さによって制御することができる。コーティングの厚さと組み合わされた他のパラメータは、記載の本発明のコーティング組成物のいくつかの成分の濃度を変動させることならびに/あるいは硬化温度およびコーティング錠剤コアを硬化する長さを変動させることを含む。当業者であれば、所望される制御型放出プロファイルについて変化するためのパラメータまたはパラメータの組み合わせがどれかを知っているであろう。
以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限することを意図しない。
実施例1:ブプロピオンHBr塩の調製
ブプロピオンHBr塩を、スキーム1に示される方法に従って調製した。
(a)臭素化および濃縮反応
3−クロロ−プロピオフェノン出発物質を、制御された条件下で臭素を滴下することによって、塩化メチレンにおいて臭素化した。反応終了時に、母液を処理し、次いで、tert−ブチルアミンに臭素誘導性溶液(bromoderivative solution)を移すことによって、第2反応を実行した。第2の置換反応(tert−ブチルアミンのアミノ基を臭素原子に置換する)は最終ブプロピオン分子を形成する。母液の処理後、ブプロピオントルエン溶液を得た。溶媒をエバポレートし、ブプロピオンをイソプロパノールに溶解した。イソプロパノール溶液から、臭化水素ガスによって、臭化水素酸塩を沈殿させた。沈殿終了時に、生成物を遠心分離し、イソプロパノールで洗浄し、減圧下で乾燥した。乾燥機の排気が認められたら、それを二重ポリエチレン袋内のKraftドラムに解放した。
最後の仕上げ工程では、上記の中間体を篩い分けして、二重ポリエチレン袋内のKraftドラムにおいて包装された最終版を得た。
Fisons Elemental Analyser EA1108を使用して、ブプロピオンHBrの元素分析を行った。結果はブプロピオンHBrの分子式と一致した。
実施例2:ブプロピオン塩の物理化学的特徴付け
以下のブプロピオン塩を、HCl塩に対して特徴付けした。
熱分析(DSC)サンプル
2〜5mgのそれぞれの塩を、アルミニウムパンに置き、その蓋で覆った。それぞれのサンプルに対し、10℃/分の速度(HBr塩では、多型について調べるために、異なる速度を使用した)、30℃〜400℃で、DSCを駆動させた。また、TGAを、HBr、HCl、マレイン酸およびp−トルエンスルホン酸塩のそれぞれについて、使用した。
結果および考察
物理化学的データ
最初に、8種の塩を、純度、水分量、水中pHおよび可能な多型について、HPLC、KF、pHならびにDSCによって評価した。表1に見られるように、マレイン酸、p−トルエンスルホン酸、HBrおよびコハク酸塩のみが十分に純粋であり、他のアッセイは51.7%%〜89.8%の間の範囲であった。
塩をDSC(10℃/分で30℃〜400℃)およびpH(水中0.5%)によって分析し、KFによる水分含有量も測定した。TGAを、HCl、マレイン酸、p−トルエンスルホン酸およびHBr塩に対して実施した。
マレイン酸塩:DSCは、開始温度199.1℃で融解吸熱ピークを、および205℃でより小さな鋭敏なピークを示した。水分含有量は0.10%であり、0.5%の水溶液のpHは4.29であった。
イソプロピルアルコール(IPA)/EtOAcにおける再結晶化によって、より小さなピークはほとんど認められなかった。室温〜100℃の間で1.3%重量消失が観察されたが、TGAにより、この生成物は少なくとも150℃に耐熱性であることが示された。ブプロピオンHClと同様に、熱−冷−熱実験をTA装置.により行った場合、ガラス転移は観察されなかった。
フマル酸塩:DSCは、異なる開始温度(172.3、182.3、202および217℃)で複数の吸熱ピークを示した。水分含有量は0.09%であり、0.5%の水溶液のpHは3.84であった。
p−トルエンスルホン酸:DSCは、開始温度150℃で融解吸熱ピーク、90℃でより小さなピークおよびより高い温度で複数のピーク(>200℃、おそらく、分解)を示した。90℃でのピークは、おそらく、溶媒の酢酸イソプロピルによる。水分含有量は1.71%であり、0.5%の水溶液のpHは5.56であった。
アセトニトリル/ヘキサンまたはアセトニトリル/EtOAcにおける再結晶によって、90での小さなピークは認められなくなり、水分含有量は0.23%に低下し、pHは5.88に変化した。2箇月後、再結晶化されたサンプルを、水分含有量について再試験し、0.18%であることを見出した。従って、純度および水分含有量(本来、水和物および/または吸湿性と考えられる)について、本来の塩と再結晶化された塩との間に差異が存在する。
室温〜100℃の間で1.3%重量消失が観察されたたが、TGAにより、この生成物は耐熱性でないことが示された。また、サンプルは、ブプロピオンHClおよびマレイン酸塩についての最小の残渣と比較して、400℃で10.3%の残渣を生じた。熱−冷−熱実験がTA装置によって行われ、45℃でガラス転移(Tg)が示された。Tgは、形態学が結晶ではなく非晶質であることを示す。
HBr:DSCは、温度224℃で、ショルダーピークを伴う融解吸熱ピークを示した。サンプルを、異なる温度速度、1、10、15および20℃/分で処理し、可能な多型を求めた。異なる温度速度の吸熱ピークの形状については、有意差が観察されなかった。異なる溶媒におけるHBr塩の再結晶または3−クロロプロピオフェノンから開始する内部合成によって、約224℃での融解による吸熱ピークの形状の改善は観察されなかった(即ち10℃もしくはそれより高い速度でなお同じショルダーが認められる)。熱−冷−熱実験がTA装置によって行われ、23℃でガラス転移(Tg)が示された。
水分含有量は0.00%であり、0.5%の水溶液のpHは5.92であった。
他の塩:他の塩のDSC結果は複数の融解吸熱ピークを示す。すべての塩のpH、および水分量を表2に示す。
ブプロピオンHBr対ブプロピオンHClの溶解度および他の物理特性の比較を表3に提示する。
ブプロピオンHBrの吸湿性:
ブプロピオンHBrの動的蒸気吸着(DVS)分析は、サンプルが結晶性無水物であり、極めて少ない水分取り込み能を有する(即ち、非吸湿性)ことを示唆する。ブプロピオンHBrのサンプルは、0%RH〜90%RHの範囲で有意な水分取り込みを示さない。最大水分取り込みを、0.14重量%、90%RHで測定した。ブプロピオンHBrのDVSプロファイルを図1に示し、ブプロピオンHBrのDVS等温線データを図2に示す。
実施例3:強力分解安定性試験
それぞれの塩およびブプロピオンHCl XLを伴うスパイクされた塩のサンプルを、表4に記載の条件下で調製した。サンプルを、40℃/75%RHで安定性チャンバに置き、10、20および32日目に抜き取り、アッセイおよび不純物についてHPLCにより分析した。主な分解産物の3−クロロ安息香酸(3−CBZ)ならびに中間分解産物のジケトン827U76およびケトヒドロキシル誘導体(20U78および852U77)の形成に基づいて、ブプロピオン塩の安定性を評価した(スキーム2)。3−クロロ安息香酸は、親化合物ブプロピオン塩の酸化/加水分解の結果として形成される。
上記のように、安定性サンプルを、2mLバイアルにおいて調製し、誤差を最小限にするために、さらなるサンプルの調製を伴わずに、HPLCによって、アッセイおよび不純物について直接使用した。
これらの塩に対する10日間の強制分解試験は、コハク酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩(密閉バイアルにおいて賦形剤との混合を伴うまたは伴わない)が、表4に記載の条件下で安定でなかったことを示した。アッセイは実質的に低下し、既知および不明な不純物のレベルは増加し、これらの塩の色は本来の白色粉体から黄色半液体状生成物に変化した。従って、これらの塩に対するさらなる試験は継続しなかった。
マレイン酸、p−トルエンスルホン酸、HBr、およびフマル酸塩の10、20および32日間の安定性時間ポイントは、ブプロピオンHClと平行して、継続した。結果を図3〜10に示す。これらの5種の塩についての20日間のアッセイおよび不純物を、塩+賦形剤について比較したが、これを図3および4に提示する。図5〜7は、密閉バイアルにおいて32日間保持し、水、水−イソプロピルアルコール(IPA)−エタノール(EtOH)およびIPA−EtOHでスパイクした薬物塩(DS)の結果を示す。
密閉バイアルアッセイでは、HBr塩における不純物(3−CBZ、852U77および全体)は、HClを含む他の塩のすべてと比較して、最も低かったことが留意される(図3を参照のこと)。他の塩における852U77のレベルはHClに匹敵したが、しかし、3−CBZのレベルおよび特に、全体の不純物のレベルは、HClより他の塩のほうが大きかった。アッセイ結果(効力%)では、p−トルエンスルホン酸およびHCl塩は、密閉バイアルにおいて20日間後に類似の効力を有した(図4)。アッセイ試験では、ブプロピオン塩についての安定性の順序は次のとおりであった:HBr>HCl≒p−トルエンスルホン酸>フマル酸>マレイン酸)。
次いで、塩の安定性を、より強度の条件下で評価した。薬物塩(DS)および賦形剤を、水、水+EtOHおよびIPAおよびEtOHおよびIPAでスパイクした。図5〜7において示される結果から見ることができるように、塩の安定性(アッセイ)の順序は、以下のとおりに要約することができる:
水を伴う安定性:p−トルエンスルホン酸塩>マレイン酸塩>HCl>HBr>フマル酸塩。
IPAおよびEtOHを伴う安定性:HCl>HBr>p−トルエンスルホン酸塩>マレイン酸塩>フマル酸塩。
p−トルエンスルホン酸およびマレイン酸塩は、水に直接暴露される場合、他の塩より安定であり、有機溶媒のIPAおよびEtOHに暴露される場合、それほど安定ではなかった。
HClおよびHBr塩は、IPAおよびEtOHに直接暴露される場合、他の塩より安定であり、水ではそれほど安定ではなかった。フマル酸塩は、水においても、また有機溶媒のIPAおよびEtOHにおいても安定ではなかった。
不純物(既知、不明および全体)のレベルは、本実験の条件下で、それぞれの塩においてばらつきが認められた。主な不純物のそれぞれ(3CBZおよび52U77)ならびに全体の不純物のレベルは以下のとおりであった(図8〜10)。
上記のブプロピオン塩において行った強力分解安定性試験に基づいて、シュウ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩および酒石酸塩の安定性は、DSならびにスパイクされたDSについて、極めて不良であることが示された(20日間:変色、低アッセイおよび高レベルの分解不純物)。HBr、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、およびある程度までは、フマル酸塩が、さらなる試験の良好な候補である。後者の塩のうち、HBrは密閉容器におけるそのより優れた安定性、最も低い水分量、非吸湿性およびその容易な調製のため、最も良好な候補であった。
p−トルエンスルホン酸塩もまた良好な安定性を示したが、それは、HBr、HClまたはマレイン酸ほど純粋ではなかった。しかし、p−トルエンスルホン酸塩は、許容可能な毒性プロファイルを有さなかった。
また、有機溶媒のエタノールおよびイソプロピルアルコールの存在は、これらの塩の安定性に有意な影響を及ぼすことも見出された。
実施例4:ブプロピオンHClおよびブプロピオンHBr API塩の比較強制分解試験
ブプロピオンHClおよびブプロピオンHBr API塩の安定性を、安定性チャンバにおいて40℃/75%RHの加速条件下でさらに評価した。サンプルを、密閉ボトルにおいて、数日間上記の条件に暴露し、次いで、HPLC分析に供した。処置後に存在する主な分解産物の量を、初期に存在した量と比較した。
表5に示すように、各APIの正確な量を、50mLアンバーガラスボトルにおいて、個々に秤量した。ボトルを密閉し、40℃/75%RHで安定性チャンバに置いた。サンプルを、14および24日間(試験−1)および10日間(試験II)後、ボトルの全含有量の直接処置による定量様式で、HPLC標準試験方法(P05.901.10)のとおりに分析した。
表6において示されるとおり、ブプロピオンHClおよびブプロピオンHBrの両方において得られた分解産物は、類似であるかまたはHBr塩の方がより良好であるかのいずれかであった。
上記の試験を、10日間、APIのそれぞれの2つバッチにおいて反復した。表7において示されるように、ブプロピオンHBr塩の場合の不純物のレベルはブプロピオンHClより低く、また、後者のアッセイ値は、HBr塩のそれより低かった。
実施例5:ブプロピオンHBr徐放性(XL)錠
本実施例の目的は、ブプロピオンHBr XL(174および348mg)の開発について説明することであった。造粒、打錠およびコーティングについて、本実施例を通して、すべて記載する。どの製剤が所望される結果を生じるかを決定するために、コア、ECコーティングしたコアおよび最終コーティング錠に対して、インビトロ試験を行った。
それらの構造式から、ブプロピオンHClとブプロピオンHBrとの間の差異は塩であることが観察できる。もちろん、これは異なる分子量を生じる。しかし、これらの差異を本試験において考慮し、溶解試験を使用して、ブプロピオンHClに対するインビトロでの相関関係結果を得るために、改変を行った。
150mgのブプロピオンHClを、ブプロピオンのその放出について試験した場合、放出された基本値は130mgであったことを予め観察した。しかし、150mgのブプロピオンHBrを試験した場合、放出された基本値は僅か112mgであった。従って、基本値を112mgから目標であった130mgに増加するために、ブプロピオンHBrの量を増加した。試験は、174mgのブプロピオンHBrが130mgの放出基本値を生じたが、従って、これが、150mgブプロピオンHBrに対立して、174mgを使用した理由であることを示した。
ブプロピオンHBr XL−造粒プロセス
ブプロピオンHBr XL錠の調製に使用される製造プロセスの概要を図11に示す。
次の材料を、ブプロピオンHBr EA錠の即時放出コアの造粒に使用した:ブプロピオンHBr、ポリビニルアルコール(PVA)および精製水。一旦造粒したら、潤滑剤(Compritol 888)を添加し、製剤を完了した。
各治験を、5部に分割した。各製剤におけるAPIの百分率は93.75%であり;各製剤におけるPVAの百分率は3.125%であった。部あたりの各治験の分解の概要を表8に記載する。
PVAを、磁気スターラーを使用して精製水に溶解し、澄明な無色溶液を作製した。
NIRO流動層を使用して、泥漿化として公知のプロセスで、PVA溶液によりブプロピオンHBr顆粒を造粒した。図12は造粒手順の概要を示す。
ブプロピオンHBrを流動層に局在させ、造粒を開始した。指針として使用した仕様を表9に列挙する。
各造粒後に、水分分析装置を使用して、乾燥減量を決定した。1gのサンプルを採取し、水分分析装置に充填した。サンプルを5分間、105℃の温度で処理した。
各バッチ部の造粒の完了時に、5つの部をともに組み合わせた。それらを、メッシュ番号14(1.4mm)を使用して、手動でスクリーニングし、任意のオーバーサイズの造粒を、2mmスクリーンを具備したComilを介して通過させた。
Compritol888を、製剤において潤滑剤として使用した。スクリーニングしたブプロピオンHBr顆粒およびCompritol888を、Vブレンダーに局在させ、5分間、混和した。Compritol888は製剤の3.125%を構成した。最終顆粒バッチサイズを表10に記載する。
ブプロピオンHBr XL−打錠プロセス
Beta Pressを使用して、ブプロピオンHBr錠を圧縮した。錠剤の用量174mgまたは348mgに依存して、異なる型押しセットを使用した。7mmパンチを使用して174mg錠を圧縮し、9mmおよび10mmパンチを使用して348mg錠を圧縮した。型押しは、それぞれの処理の前に研磨した。
錠剤重量は、174mg用量錠では185.6mgおよび348mg用量錠では371.2mgと決定された。用量重量へのこれらの調整は、ブプロピオンHBrがブプロピオンHClの代わりに使用されていた事実を補償するために行った。個々の錠剤重量は±5%の管理限界を有し、平均錠剤重量は(10個の錠剤を使用して)±3%の管理限界を有した。
硬度計を使用して、直径に沿って錠剤を2つの等しい半体に切断するのに必要とされる負荷(破壊強度)を決定した。予め決定された範囲で硬度の仕様が設定され、174mgおよび348錠の両方については6.0〜12.0SCであった。
摩損度試験器において、4分間、25rpmで、6.5gの重量に等しい錠剤を使用して、摩損度を決定した。試験の前後に錠剤を除塵した。バッチを受理または拒絶するために0.8%未満の重量減少を基準として使用した。
表11は、錠剤プレス設定の仕様を概要する。すべての仕様は、すべてのバッチを通して、範囲内および割り当てられた設定で保持された。
表12は、すべてのバッチの圧縮を通して一定に保持された使用を概要する。
図12に示されるフローチャートは、打錠プロセスに至るおよび該打錠プロセスを含む工程について記載している。図13は打錠手順の概要を示す。
ブプロピオンHBr XL−コーティングプロセス
ブプロピオンHBr XL錠のコーティングに使用されるコーティングプロセスの概要を図14に示す。第1のコートは、放出を制御するEthocelコートであり、続いて、水分バリアとして作用する最終コートである。
ブプロピオンHBr XL錠のEthocelコーティングおよび最終コーティングについては、15インチO’Hara Labcoat II Systemを使用した。装着型噴霧ノズルおよびプロペラミキサーも使用した。
いくらかのEthocelコーティング溶液を展開し、ブプロピオンHBr錠をコーティングするために使用した。Ethocelコーティング層を、表13に列挙した製剤の1つを含有する錠剤に置いた。
製剤1では、エチルアルコール95%およびIPA99%を、ステンレス鋼製容器に共に合わせた。撹拌しながら、PEG4000を添加し、溶解させた。一旦溶解したら、Ethocelを添加し、30分間そのまま撹拌した。次いで、ポビドンを溶液に添加し、1晩(15〜20時間)混合した。
製剤2では、PEG4000を、セバシン酸ジブチルを伴うビーカーに置き、それが溶解するまで撹拌した。PEG4000を完全に溶解させるために、エチルアルコール95%をそれに応じて添加した。個別のステンレス鋼製容器において、残りのエチルアルコール95%を置き、撹拌しながら、Ethocelを添加し、30分間、撹拌した。その後、ポビドンを添加し、1晩(15〜20時間)撹拌させた。
製剤3では、エチルアルコール95%をステンレス鋼製容器に置いた。撹拌しながら、PEG4000を添加し、溶解させた。一旦溶解したら、Ethocelを添加し、30分間そのまま撹拌した。次いで、ポビドンを溶液に添加し、1晩(15〜20時間)混合した。
それらがEthocelコートで最初にコーティングされた後、2つの最終コーティング溶液を展開し、ブプロピオンHBr錠をコーティングするために使用した。
表14に示される以下の製剤のうちの1つを使用して、最終コートで錠剤をコーティングした。
製剤Aでは、精製水をガラスビーカーに置き、Chroma−Tone DEB5156−CLEを添加して、15分間、混合させた。使用前に、Eudragitをメッシュスクリーン(番号60)を介して、通過させた。この後、Eudragitをビーカーに添加し、15分間を超えて撹拌した。
製剤Bでは、精製水の部1をガラスビーカー内に置き、それに、PEG4000を添加して、それが完全に溶解するまで(5分間)混合させた。次いで、クエン酸トリエチルを添加し、さらに5分間、そのまま混合させた。一旦溶解したら、次いで、溶液をEudragit懸濁液に添加し、45分間、そのまま撹拌した。使用前に、Eudragitをメッシュスクリーン(番号60)を介して、通過させた。個別のビーカーにおいて、精製水の部2を、Syloid244FPに添加し、それが完全に溶解するまで(10分間)混合した。最後に、Syloid懸濁液をEudragit懸濁液に添加し、そのままさらに10分間、撹拌した。
表15は、Ethocelコーティングプロセスにおいてモニターした仕様およびそれらの範囲を概要する。
表16は、最終コーティングプロセスにおいてモニターした仕様およびそれらの範囲を概要する。
ブプロピオンHBrコアに対するインビトロ試験
溶解を、ブプロピオンHBrコア、異なる重量増加のEthocelコーティングされたコアおよび異なる重量増加の最終コーティング錠に対して実施した。USP−1方法を使用して、これらの試験を行った。900mLの0.1N HClおよび75rpmの速度を使用して、溶解試験を実施した。16時間の間、毎時間サンプルを採取した。サンプリング時間ポイントに対して溶解したAPIの累積パーセントをプロットすることによって、溶解プロファイルを得た。すべての実験を通して、シンク条件を維持した。
いくらかの治験では、USP−3方法を使用して、溶解試験を行った。これらの溶解試験は、次の中断を伴って、合計16時間実施した:0.5%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を伴うpH1.2の900mLの人工胃液(SGF)を使用する2時間、続いて、4.5のpHの900mLの酢酸緩衝液において2時間、続いて、6.8のpHの900mLのリン酸緩衝液人工腸液(SIF)において12時間。比較を行うために、これらの結果を、インビボデータおよびブプロピオンHClデータと共にプロットした。
バッチBUP−HBr−XL−009−5に対する試験
NIRO流動層を使用して、製剤を造粒した。造粒が完了した後、バッチをスクリーニングし、次いで、圧縮前に、潤滑剤(Compritol888)を添加した。9mmおよび10mmの標準的な円形凹面状型押しを伴うBetaプレスを使用して、最終混和物を348mg錠に圧縮した。表17は、348mg錠の造粒における各材料の量を記載している。第1の圧縮処理を行い、溶解に対する硬度の効果があればそれを決定するように、異なる硬度を伴う錠剤を生成した(図15)。それらの放出を決定するために、348mgコアに対して溶解を行った(図16)。
造粒結果は、平均造粒時間が2.0時間であり、平均LOD%が0.345%であることを示す。表18および19は、それぞれ9mmおよび10mm型押しを使用して、圧縮プロセスにおいてモニターしたパラメータの理論および実際の値を概要する。
これらの試験について錠剤硬度を決定するために、異なる硬度値の錠剤を圧縮し、それらに対して溶解を行い、差異について調べた。
4kp、6〜7kpおよび9〜10kpの硬度を伴う錠剤を圧縮し、それぞれの溶解プロファイルを図15に示した。3つの異なる硬度範囲の間には、有意差が存在しないことが観察された。
348mg(図16)および174mgコア(図17)の溶解プロファイルは、コアが1時間以内に、APIのおよそ100パーセントを放出していたことを示した。
また、これらの錠剤が、9mmコアと比較する場合、それらのより大きな表面積のため、より迅速に放出するかどうかを調べるために、10mm、348mgコアの溶解の溶解を行った(図17)。
9mmおよび10mmコアの溶解結果を比較する場合(図18)、10mmコアは、9mmコアとの差異を示さなかった。従って、10mmコアは、もはや製造せず、または本試験において使用しなかった。
バッチBUP−HBr−XL−021−5に対する試験
NIRO流動層を使用して、製剤を造粒した。7mmの標準的な円形凹面状型押しを伴うBetaプレスを使用して、最終混和物を174mg錠に圧縮した。表20は、174mg錠の造粒における各材料の量を記載している。348および174mg錠が同じ組成および量の各材料を有すること;唯一の変動は錠剤重量であり、圧縮段階で調整されることが留意された。それらの放出について調べるために、174mgコアに対して溶解を行った(図19)。
造粒結果は、造粒時間が2時間6分間であり、平均LOD%が0.26%であることを示す。表21は、7mm型押しを使用して、圧縮プロセスにおいてモニターしたパラメータの理論および実際の値を概要する。
174mg(図19)の溶解プロファイルは、コアが1時間以内に、APIのおよそ100パーセントを放出していたことを示した。
バッチBUP−HBr−XL−348mg−013−5に対する試験
348mg錠を使用して、Ethocelコーティング、続いて、最終コーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表22に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
32mgの重量増加を伴う錠剤をコーティングするのに、2時間および25分間を所要した。28mg、30mg、32mg、および34mg重量増加において錠剤重量を取得し、表23に記録した。
溶解プロファイル(図20)は、34mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、他と比較した場合、最も緩徐にブプロピオンHBrを放出したこと、および28mg重量増加を伴う錠剤が、他の重量増加と比較した場合、最も速くブプロピオンHBrを放出したことを示す。
最終コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量、固体寄与のグラムでの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表24に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:6g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:40℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
この治験の処理後、それが引き起こした製剤の問題により、Chroma−Toneは、もはや使用しなかった。第1に、Syloid、PEGおよびクエン酸トリエチル比が変動され得なかったため、それは、その非可撓性により、製剤の組成を制限する。第2に、溶液が発泡および凝固したため、次に、それが再凝固しないように、コーティング溶液を作製するためのプロセスを、本来の形から変更する原因になった。しかし、Chroma−Toneはなお、製剤のための選択肢と考えられ得るが、ブプロピオンHBr XL錠を適応させるために、異なる等級および混合物を使用および作製する必要があろう。
7mg重量増加の最終コーティング溶液を錠剤に添加するのに、31分間を所要した。
4mg、5mg、6mgおよび7mg重量増加において錠剤重量を取得し、表25に記録した。
溶解プロファイル(図21)は、7mg重量増加の最終コーティングを伴う錠剤が、他の2つの重量増加(5mgおよび6mg重量増加)と比較した場合、最も緩徐に放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−XL−348mg−018−5に対する試験
348mg錠を使用して、Ethocelコーティング、続いて、最終コーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表26に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
この治験のコーティングプロセスは、32mg重量増加を得るのに2時間および13分間を所要した。26mg、28mg、30mg、および32mg重量増加において錠剤重量を取得し、表27に記録した。
図22は、30mgおよび32mg重量増加のECコーティング溶液による錠剤がほとんど同じ速度で放出したことを示す。32mg重量増加を伴う錠剤は、溶解の最初の5時間において、30mg重量増加を伴う錠剤より緩徐に放出した。6時間後、32mg重量増加を伴う錠剤は、30mg重量増加を伴うそれらより僅かに迅速に放出した。f2類似因子により、両方の重量増加の放出速度が類似した(91.32%)ことが確認された。
最終コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量、固体寄与のグラムでの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表28に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:6g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:40℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
7mg重量増加の最終コーティング溶液を錠剤に添加するのに、41分間を所要した。4mg、5mg、6mg、および7mg重量増加において錠剤重量を取得し、表29に記録した。
図23は、7mg重量増加の最終コーティングを伴う錠剤の放出プロファイルを示す。
バッチBUP−HBr−XL−174mg−022−5に対する試験
174mg錠を使用して、Ethocelコーティング、続いて、最終コーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表30に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
30mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、4時間および30分間を所要した。20mg、22mg、24mg、26mg、28mg、29mg、および30mg重量増加において錠剤重量を取得し、表31に記録した。
図24は、ECコーティングの異なる重量増加(22mg、24mg、28mgおよび30mg重量増加)を伴うサンプルの%溶解を示す。グラフから、30mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が他の重量増加より緩徐に放出したことは明白であった。30mgおよび28mg重量増加を伴う錠剤の放出速度を比較する場合、放出において認められる僅かな差異のみが存在する。f2類似因子により、2つの放出の類似性(92.34%)が確認された。
最終コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量、固体寄与のグラムでの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表32に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:6g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:40℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
7mg重量増加の最終コーティング溶液を錠剤に添加するのに、1時間および26分間を所要した。4mg、5mg、6mg、および7mg重量増加において錠剤重量を取得し、表33に記録した。
溶解プロファイル(図25)は、7mg重量増加の最終コーティングを伴う錠剤が、5mgおよび6mg重量増加との比較において、最も緩徐に放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−XL−348mg−023−5に対する試験
348mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表34に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
32mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、2時間および16分間を所要した。26mg、28mg、30mg、および32mg重量増加において錠剤重量を取得し、表35に記録した。
溶解プロファイル(図26)は、32mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が26mg、28mgおよび30mg重量増加のECコーティングと伴う錠剤と比較した場合、最も遅い速度で放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−XL−348mg−025−5に対する試験
348mg錠を使用して、Ethocelコーティング、続いて、最終コーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表36に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
32mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、2時間および13分間を所要した。26mg、28mg、30mg、および32mg重量増加において錠剤重量を取得し、表37に記録した。
溶解プロファイル(図27)は、32mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、26mg重量増加を伴う比較する場合、開始時にはより緩徐に、および次いで、7時間後にはより迅速に放出したことを示す。32mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤を、30mg重量増加のECコーティングを伴うそれらと比較する場合、32mg重量増加を伴う錠剤は10時間まで緩徐に放出した。f2類似因子は、30mgおよび32mg重量増加を伴う錠剤が事実上類似した(93.72%)ことを示した。
最終コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量、固体寄与のグラムでの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表38に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:6g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:40℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
このバッチでは、溶液中の固体成分のそれぞれから固体の百分率を変えることによって、コーティング溶液を変更した。Eudragit固体寄与の百分率を、65%から56.5%へ減少した。Syloid、Carbowaxならびにクエン酸トリエチルの百分率を、それぞれ、25%、6.65%および3.39%から30%、9%および4.5%へ増加した。
7mg重量増加の最終コーティング溶液を錠剤に添加するのに、40分間を要した。4mg、5mg、6mgおよび7mg重量増加において錠剤重量を取得し、記録した(表39)。
溶解プロファイル(図28)は、7mg重量増加を伴う錠剤が、試験した3つのサンプルのうち最も緩徐に放出したことを示す。しかし、f2算出は、6mg重量増加を伴う錠剤が、7mg重量増加の最終コーティングを伴うそれらと同様に放出した(93.33%)ことを示した。
バッチBUP−HBr−XL−348mg−026−5に対する試験
348mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表40に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
32mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、2時間および11分間を所要した。26mg、28mg、30mg、および32mg重量増加において錠剤重量を取得し、表41に記録した。
溶解プロファイル(図29)は、32mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、より低い重量増加のECコーティング(26mg、28mgおよび30mg)を伴う他の3つのサンプルと比較した場合、最も緩徐に放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−XL−174mg−027−5に対する試験
174mg錠を使用して、Ethocelコーティング、続いて、最終コーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表42に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:13g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
32mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、3時間および29分間を所要した。22mg、24mg、および26mg重量増加において錠剤重量を取得し、表43に記録した。
溶解プロファイル(図30)は、26mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、試験した3つのサンプルのうち最も緩徐に放出したことを示す。
最終コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれにおける量、固体寄与のグラムでの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表44に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:6g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:40℃;製品温度:35℃±5℃;および吹出し風量:200CFW。
7mg重量増加の最終コーティング溶液を錠剤に添加するのに、1時間および17分間を所要した。4mg、5mg、6mg、および7mg重量増加において錠剤重量を取得し、表45に記録した。
溶解プロファイル(図31)は、7mg重量増加の最終コーティングを伴う錠剤が、初期は、4mg、5mgおよび6mg重量増加を伴う錠剤よりも緩徐に放出したことを示す。しかし、およそ12時間において、4つのすべてのサンプルが、同様に放出していた。
実施例6:ブプロピオンHBr増強型吸収(EA)錠
本実施例は、ブプロピオンEA「増強型吸収」錠(150mgおよび300mg)の開発について記載する。造粒、打錠およびコーティングについて、本実施例を通して、すべて記載する。どの製剤が所望される結果を与えるかを決定するために、ECコーティングされたコアに対して、インビトロ試験を行った。
ブプロピオンHBrを本試験において使用し、ブプロピオンHClに対する唯一の差異は塩である。増強型吸収組成物の主な利点は、組成物における薬物の量を少なくし得、次に、副作用の減少をもたらし得る。
ブプロピオンHBr EA錠の開発のための全体的プロセスを図32に示す。
ブプロピオンHBr EA−造粒プロセス
ブプロピオンHBr EA錠の造粒プロセスの概要を図33に示す。
次の材料を、ブプロピオンHBr EA錠の即時放出コアの造粒に使用した:ブプロピオンHBr、ポリビニルアルコールおよび精製水。一旦造粒したら、潤滑剤(Compritol888)を添加し、製剤を完了した。ブプロピオンHBr XLおよびブプロピオンHBr EAのための造粒手順は同じであることに留意しなければならない。
各治験を、5部に分割した。各製剤におけるAPIの百分率は93.75%であり、各製剤におけるPVAの百分率は3.125%であった。部あたりの各治験の分解の概要を表46に記載した。
ポリビニルアルコールを、磁気スターラーを使用して精製水に溶解し、澄明な無色溶液を作製した。
NIRO流動層を使用して、泥漿化として公知のプロセスで、PVA溶液によりブプロピオンHBr顆粒を造粒した。
ブプロピオンHBrを流動層に局在させ、造粒を開始した。指針として使用した仕様を表47に列挙した。
各造粒後に、水分分析装置を使用して、乾燥減量を決定した。1gのサンプルを採取し、水分分析装置に充填した。サンプルを5分間、105℃の温度で処理した。
各バッチ部の造粒の完了時に、5つの部をともに組み合わせた。それらを、メッシュ番号14(1.4mm)を使用して、手動でスクリーニングし、任意のオーバーサイズの造粒を、2mmスクリーンを具備したComilを介して通過させた。
Compritol888を、製剤において潤滑剤として使用した。スクリーニングしたブプロピオンHBr顆粒およびCompritol888を、Vブレンダーに局在させ、5分間、混和した。Compritol888は製剤の3.125%を構成した。最終顆粒バッチサイズを表48に記載した。
ブプロピオンHBr EA−打錠プロセス
Beta Pressを使用して、ブプロピオンHBr錠を圧縮した。錠剤の用量150mgまたは300mgに依存して、異なる型押しセットを使用した。7mmパンチを使用して150mg錠を圧縮し、9mmパンチを使用して300mg錠を圧縮した。型押しは、それぞれの処理の前に研磨した。
錠剤重量は、150mg用量錠では160.0mgおよび300mg用量錠では320.0mgと決定された。用量重量へのこれらの調整は、ブプロピオンHBrがブプロピオンHClの代わりに使用されていた事実を補償するために行った。先の調査は、上記の重量を伴うブプロピオンHBr錠が、150mgおよび300mgブプロピオンHCl錠のそれらに類似のインビトロ結果を与えたことを示した。個々の錠剤重量は±5%の管理限界を有し、平均錠剤重量は(10個の錠剤を使用して)±3%の管理限界を有した。
硬度計を使用して、直径に沿って錠剤を2つの等しい半体に切断するのに必要とされる負荷(破壊強度)を決定した。予め決定された範囲で硬度の仕様が設定され、174mgおよび348錠の両方については6.0〜12.0SCであった。
摩損度試験器において、4分間、25rpmで、6.5gの重量に等しい錠剤を使用して、摩損度を決定した。試験の前後に錠剤を除塵した。バッチを受理または拒絶するために0.8%未満の重量減少を基準として使用した。
表49は、錠剤プレス設定の仕様を概要する。すべての仕様は、すべてのバッチを通して、範囲内および割り当てられた設定で保持された。
表50は、すべてのバッチの圧縮を通して一定に保持された使用を概要する。
ブプロピオンHBr EA−コーティングプロセス
Ethocelコーティングを伴う150mgおよび300mgブプロピオンHBr EA錠のコーティングプロセスの概要を図35に示す。
ブプロピオンHBr EA錠のEthocelコーティングについては、15インチO’Hara Labcoat II Systemを使用した。装着型噴霧ノズルおよびプロペラミキサーも使用した。
いくらかのEthocelコーティング溶液を展開し、ブプロピオンHBr錠をコーティングするために使用した。Ethocelコーティング層を、表51に列挙した製剤の1つを含有する錠剤に置いた。
製剤1では、エチルアルコール200プルーフをステンレス鋼製容器に秤量した。撹拌しながら、PEG4000を添加し、溶解させた。一旦溶解したら、Ethocelを添加し、30分間そのまま撹拌した。次いで、ポビドンを溶液に添加し、1晩(15〜20時間)混合した。
製剤2では、PEG4000を、セバシン酸ジブチルを伴うビーカーに置き、それが溶解するまで撹拌した。これを、既にステンレス鋼製容器に秤量したエチルアルコール200プルーフに添加した。このあと、Ethocelを添加し、30分間撹拌した。その後、ポビドンを添加し、1晩(15〜20時間)撹拌させた。
製剤3では、エチルアルコール200プルーフをステンレス鋼製容器に置いた。撹拌しながら、セバシン酸ジブチルを添加し、溶解させた。一旦溶解したら、Ethocelを添加し、30分間そのまま撹拌した。次いで、ポビドンを溶液に添加し、1晩(15〜20時間)混合した。
製剤4では、エチルアルコール95%USPをステンレス鋼製容器に秤量した。撹拌しながら、PEG4000を添加し、溶解させた。一旦溶解したら、Ethocelを添加し、30分間そのまま撹拌した。次いで、ポビドンを溶液に添加し、1晩(15〜20時間)混合した。
表52は、コーティングプロセスにおいてモニターした仕様およびそれらの範囲を概要する。
ブプロピオンHBrコアに対するインビトロ試験
ブプロピオンHBrコアおよびEthocelコーティングされたコアの異なる重量増加に対し、溶解を実施した。USP−1方法を使用して、これらの試験を行った。900mLの0.1N HClおよび75rpmの速度を使用して、溶解試験を実施した。16時間、毎時間サンプルを採取した。サンプリング時間ポイントに対して溶解したAPIの累積パーセントをプロットすることによって、溶解プロファイルを得た。すべての実験を通して、シンク条件を維持した。
いくらかの治験では、USP−3方法を使用して、溶解試験を行った。これらの溶解試験は、次の中断を伴って、合計16時間実施した。0.5%のナトリウムラウリルスルフェート(SLS)を伴うpH1.2の900mLの人工胃液(SGF)を使用する2時間、続いて、4.5のpHの900mLの酢酸緩衝液において2時間、続いて、6.8のpHの900mLのリン酸緩衝液人工腸液(SIF)において12時間。比較を行うために、これらの結果を、インビトロデータおよびブプロピオンHClデータと共にプロットした。
バッチBUP−HBr−XL−016−5に対する試験
NIRO流動層を使用して、製剤を造粒した。9mm円形凹面状型押しを伴うBetaプレスを使用して、最終混和物を300mg錠に圧縮し、7mm円形凹面状型押しにより150mg錠に圧縮した。表53は、300mg錠の造粒におけるそれぞれの材料の量を記載し、表54は、150mg錠についての量を記載している。それらは同じであり;唯一の変動は、圧縮段階で調整された錠剤重量であったことが留意された。第1の圧縮処理を行い、溶解に対する硬度の効果があればそれを決定するように、異なる硬度を伴う錠剤を生成した(図36)。それらの放出を決定するために、300mgおよび150mgコアに対して溶解を行った(それぞれ、図37および図38)。造粒が完了した後、バッチをスクリーニングし、次いで、圧縮前に、潤滑剤(Compritol888)を添加した。
造粒結果は、平均造粒時間が2.0時間であり、平均LOD%が0.342%であることを示す。表55および表56は、それぞれ9mmおよび7mm型押しを使用して、圧縮プロセスにおいてモニターしたパラメータの理論および実際の値を概要する。
図36は、異なる硬度範囲が、溶解プロファイルに激烈には影響を及ぼさなかったことを示す。300mg(図37)および150mgコア(図38)の溶解プロファイルは、コアが1時間以内に、APIのおよそ100パーセントを放出していたことを示す。
バッチBUP−HBr−EA−300mg−001−5に対する試験
300mgブプロピオンHBrコア錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表57に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:14g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±2℃;および吹出し風量:200CFW。
54mgの重量増加を伴う錠剤をコーティングするのに、4時間および4分間を所要した。44mg、46mg、48mg、50mg 52mg、および54mg重量増加において錠剤重量を取得し、表58に記録した。
溶解プロファイル(図39)は、44mg重量増加を伴う錠剤が最も迅速に放出し、54mg重量増加を伴う錠剤が試験した6種の異なる重量増加から最も緩徐に放出したことを示す。
USP3を使用する溶解もまた、52mg重量増加を伴う錠剤を使用して、本治験において行った。溶解プロファイルを、時間単位の時間対%溶解としてプロットし、比較を行うために、インビボデータおよびブプロピオンHClデータと平行してプロットした。結果(図40)は、治験がインビボデータと一致せず、またそれはブプロピオンHClデータとも一致しなかったことを示した。
バッチBUP−HBr−EA−150mg−002−5に対する試験
150mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表59に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:14g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±2℃;および吹出し風量:200CFW。
この治験のコーティングプロセスは、36mg重量増加を得るのに4時間および38分間を所要した。18mg、20mg、22mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mgおよび36mg重量増加において錠剤重量を取得し、表60に記録した。
溶解プロファイル(図41)は、18mgおよび20mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、試験したすべての重量増加のうち最も迅速に放出したことを示す。他のすべての重量増加と比較した場合、最も緩徐に放出したのは36mg重量増加を伴う錠剤であった。
バッチBUP−HBr−EA−300mg−003−5に対する試験
300mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表61に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:14g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±2℃;および吹出し風量:200CFW。
54mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、4時間および13分間を所要した。44mg、46mg、48mg、50mg、52mg、および54mg重量増加において錠剤重量を取得し、表62に記録した。
溶解プロファイル(図42)は、52mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、異なる重量増加を伴う他のプロファイルと比較する場合、最も緩徐に放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−EA−300mg−004−5に対する試験
300mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表63に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:14g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±2℃;および吹出し風量:200CFW。
54mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、4時間および13分間を所要した。44mg、46mg、48mg、50mg、52mg、および54mg重量増加において錠剤重量を取得し、表64に記録した。
溶解プロファイル(図43)は、52mg重量増加を伴う錠剤が、他のプロファイルと比較する場合、最も緩徐に放出し、44mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が最も迅速に放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−EA−300mg−005−5に対する試験
300mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表65に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:14g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±2℃;および吹出し風量:200CFW。
54mg重量増加のECコーティング溶液を錠剤に添加するのに、4時間および14分間を所要した。44mg、46mg、48mg、50mg、52mg、および54mg重量増加において錠剤重量を取得し、表66に記録した。
図44は、54mg重量増加を伴う錠剤が、他のプロファイルと比較する場合、最も緩徐に放出し、44mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、6つのプロファイルのうち最も迅速に放出したことを示す。
バッチBUP−HBr−EA−150mg−006−5に対する試験
150mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表67に列挙した。
パラメータは次のとおりである:噴霧速度:14g/分;パン速度:12.0rpm;入口気体:50℃;製品温度:35℃±2℃;および吹出し風量:200CFW。
この治験のコーティングプロセスは、36mg重量増加を得るのに4時間および36分間を所要した。18mg、20mg、22mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mgおよび36mg重量増加において錠剤重量を取得し、表68に記録した。
溶解プロファイル(図45)は、36mg重量増加のECコーティングを伴う錠剤が、他の4つのプロファイル(24mg、28mg、32mgおよび34mg重量増加)と比較する場合、最も緩徐に放出したことを示す。
また、結果がブプロピオンHCl300mg錠のインビボデータおよびインビトロデータに類似するかどうかを調べるために、この治験によりUSP3を使用する溶解を行った。溶解プロファイル(図46)は、24mg重量増加を伴う150mgブプロピオンHBr EA錠がインビボプロファイルに類似したことを示す。
バッチBUP−HBr−EA−150mg−007−5に対する試験
150mg錠を使用して、Ethocelコーティングを、O’Hara Labcoat II Coating Equipmentを使用して、錠剤に噴霧した。
Ethocel(EC)コーティングにおいて使用される材料、全溶液に対するそれらの寄与パーセント、バッチにおけるそれぞれの量および溶液中の固体の百分率を、すべて表69に列挙した。
実施例7:ブプロピオンHCLおよびブプロピオンHBR薬品に対する比較強制分解試験
ブプロピオンHClおよびHBr錠(ECコーティングおよびEC+水分バリアコーティングされた)を、個々に開放ディッシュ上に置き、安定性チャンバにおいて40℃/75%RHの加速条件に暴露した。13および20日間後、サンプルをアッセイし、方法HPLC P05.901.10のとおりに不純物分析を実施した。
表70および図47は、ブプロピオンHClおよびHBr ECコーティング錠両方に対する強制分解試験の13および20日間の結果を示す。ブプロピオンHCl製品では、主な分解不純物3−CBZおよび852U77は、それぞれ0.12%および0.38%であったが、ブプロピオンHBrでは、これらの値は、それぞれ0.07%および0.49%であった。他の分解不純物および全不明物は、両方の産物で極めて類似した;しかし、HBr産物のアッセイ値は、HClより高かった。アッセイおよび不純物レベルにおける差異は、最終薬品ではより有意であった。表71および図48において見られるように、同じ期間の試験では、ブプロピオンHClのアッセイはより低く(95.5%)、分解および全不明物のレベルは、ブプロピオンHBr(3−CBZ:0.12%、852U77:0.41%、827U76:0.05%および全体で0.75%)より高かった(3−CBZ:0.28%、852U77:1.23%、827U76:0.10%および全体で1.73%)。
実施例8:賦形剤の存在下におけるブプロピオンHBRおよびブプロピオンHCLに対するさらなる強制分解試験
55℃、55℃および100%相対湿度、100oC、ならびに105℃で、HClおよびHBrの両方のブプロピオン塩において、賦形剤の存在下で、さらなる強制分解試験を行った。賦形剤の平均重量およびサンプルに存在する有効医薬品成分(API)の重量を表72に提示する。本試験の結果を図49〜53に提示する。図49は、多様なサンプルにおける3−CBA不純物の量を示す。図50は、多様なサンプルにおける852U77不純物の量を示す。図51は、多様なサンプルにおける20U78不純物の量を示す。図52は、多様なサンプルにおける827U76不純物の量を示す。図53は、100℃におけるTGA実験における時間経過の各塩の消失を示すグラフである。これらの結果は、上昇した温度で、HCl塩の不均化が、気体HClの同時消失により生じることを示す。この不均衡化は、HBr塩では生じなかった。
結果から、ブプロピオンHClと比較して、ブプロピオンHBrが安定性において有意な改善を示すことが明らかである。ブプロピオンHClと比較して、より少ない量の不純物の形成によって示されるように、ブプロピオンHBrの分解はより緩徐であった。
実施例9:さらなるブプロピオンHBR EA錠の調製
実施例6に記載の手順を使用し、表73に列挙した量を使用して、さらなるブプロピオンEA錠を調製した。
実施例10:ブプロピオンHBRの加速安定性試験
ブプロピオンHBrの安定性を、安定性チャンバにおいて40℃+2℃および75%+5%RHの加速条件下で評価した。サンプルを密閉ボトルにおいて調製し、安定性チャンバに置いた。それらを安定性チャンバに置く前(時間0)、ならびに3箇月および6箇月後にHPLC分析を行った。時間0において存在する主な分解産物の量を、3箇月および6箇月後に存在するそれらの量と比較した。表74〜76において示されるように、ブプロピオンHBrの異なる3つのバッチを試験した。試験した各サンプルについて、各期間において、異なる2つのHPLCアッセイを稼動させた。クロマトグラフィー純度Aと標識された第1のアッセイは、3種の不純物3’クロロプロピオフェノン、3’−クロロ−2−ブロモプロピオフェノンおよび3’−クロロ安息香酸の百分率を測定した。クロマトグラフィー純度Bと標識された第2のアッセイは、2−N−(tert−ブチル)−アミノプロピオフェノン、単一の不明な不純物および全ての不明な不純物の百分率を測定した。最後に、不純物(既知および不明)の全百分率を、各サンプルについて報告した。提示されたデータから、不純物3’−クロロプロピオフェノンの僅かな増加が存在することが認められ得る。他の不純物の百分率において僅かな変動が認められ得る一方、測定された3−および6箇月間の期間では、これらの不純物の増加を示す傾向は存在しなかった。HBrサンプルのそれぞれについての不純物の全百分率は、3箇月または6箇月の期間のいずれにおいても変化しなかった。これらの結果は、ブプロピオンのHBr塩が、加速安定性試験条件下で高度に安定であったことを示す。
実施例11:貯蔵寿命安定性プログラム
ブプロピオンHBrの安定性を、標準的な貯蔵または棚条件に近似するように意図された条件下でより長い期間にわたって試験した。密閉用においてサンプルを調製し、安定性チャンバにおいて25℃+2℃および60%+5%RHでの長期間貯蔵に供した。安定性チャンバに置く前(時間0)、ならびに3箇月および6箇月後に、サンプルをHPLCにより分析した。時間0において存在する主な分解産物の量を、3箇月および6箇月において存在する量と比較した。表77〜79において示されるように、ブプロピオンHBrの異なる3つのバッチを試験した。実施例10におけるのと同様に、各サンプルを、2つのHPLCアッセイ条件下で試験し、6つの不純物または実施例10に記載のような不純物のグループを同定した。表77〜79に示される結果から、不純物3’−クロロプロピオフェノンの百分率が、経時的に僅かに増加したことが認められ得る。他の不純物が僅かに変動した一方、それらは、経時的な増加傾向を示さなかった。これらの結果は、延期された期間にわたる標準的な棚条件下でのブプロピオンHBrの安定性を実証する。
実施例12:ブプロピオンHBR多型I、IIおよびIIIの調製ならびに安定性試験
ブプロピオン臭化水素酸塩の多型I、IIおよびIIIを、以下の様式で調製し、それらの安定性を下記の条件下で試験した:
形態I:
オーバーヘッドスターラーおよび気体入口を具備する250mlフラスコに、34gのブプロピオン塩基および138mlのイソプロパノールを装填した。溶液を撹拌下で維持する一方、13gの気体HBrを、気体入口を介して、20分間で導入する一方、混合物の内部温度を25から40℃へ上昇させた。気体添加中に、ヘビーホワイト(heavy white)の沈殿物が形成された。気体添加の終了時に、混合物の温度を上昇させて還流(80℃)し、懸濁した個体の完全な溶液を得た。次いで、温度を1時間で25℃まで低下させ、さらなる1時間で0〜5℃まで低下させた。得られた沈殿物をろ過し、20mlの冷イソプロパノールで洗浄した。解放された湿潤固体を、静的乾燥機において、50℃で16時間、減圧(30mmHg)下で乾燥させた。34gのブプロピオン臭化水素酸塩の形態Iを得た。
ブプロピオンHBr形態Iのサンプルを、実施例10に記載の加速安定性試験および実施例11に記載の貯蔵寿命安定性試験のための条件に供した。各サンプルについて3箇月および6箇月後に行われたPXRD試験は、同じ結果を与えた。加速安定性条件において6箇月後のサンプルの1つのPXRDプロファイルを図60に示す。
形態II:
10gのブプロピオンHBrの形態Iを、170mlのアセトンおよび7mlの水の混合物に溶解した。混合物を固体の溶解を伴う還流に供した。次いで、溶液を室温まで冷却した。1晩後、形成した沈殿物をろ過し、40℃、減圧(30mmHg)下で12時間乾燥した。2.4gのブプロピオンHBrの形態IIを得た。生成物をポリエチレン袋において密閉し、次に、シリカを含有するアルミニウム袋に置き、密閉し、ICH条件(40℃/75%r.h.)で安定性チャンバに置くことによって、生成物のサンプルを、ICH(医薬品許認可のための技術要件に関する国際会議)条件(40℃/75%r.h.)の加速安定性試験のために調製した。生成物を、これらの条件下で1箇月間維持した後、結晶形態を確認した。図61において示されるPXRDプロファイルは、化合物がなお形態IIであることを示す。これは、これらの条件下の結晶形態IIの安定性を実証する。
形態III:
20gのブプロピオン臭化水素酸塩の形態Iおよび96mlの無水エタノールを、250mlフラスコに置いた。混合物を還流に供し、固体の完全な溶解を得た。次いで、溶液を、撹拌を伴わずに室温まで冷却し、これらの条件で18時間放置した。次いで、得られる結晶固体をろ過し、減圧(30mmHg)下、50℃で、4時間、乾燥した。11.2gのブプロピオンHBrの形態IIIを得た。生成物をポリエチレン袋において密閉し、次に、シリカを含有するアルミニウム袋に置き、密閉し、ICH条件(40℃/75%r.h.)で安定性チャンバに置くことによって、生成物のサンプルを、安定性試験のために調製した。生成物を、これらの条件で1箇月間維持した後、結晶形態を確認した。図62に示されるPXRDプロファイルは、生成物の大部分が形態IIに変化するため、生成物は、これらの条件下で、この形態では不安定であることを実証する。
実施例13:HCl−SRに対する代替物としての100および150mg強度のHBr−SR錠
Wellbutrin HCl SR100および150mgの開発中に使用される選択肢に基づくべきである製剤。
ブプロピオンHClをHBrで置き換え、同量のブプロピオン塩基を得るために調整した。
従って、同じ錠剤重量を得るために、充填剤材料を調整した。
例えば、150mgHCl=130mg塩基=174mg HBr
100 mg =86.7 =116
HBr造粒プロセス
ブプロピオンHBrを、流動層造粒装置において、ポリビニルアルコールを含有する水溶液およびシュウ酸もしくはコハク酸もしくはアスパラギン酸または他の適切な酸化合物のような安定化剤で造粒する。
次いで、乾燥顆粒を、水溶性ポリマーまたは多様な粘度等級の疎水性/親水性ポリマーの混合物と混合する。治験では、標的放出が得られる量のHypromellose(ヒドロキシプロピルメチルセルロースK4M CR等級)ならびにヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を使用する。
結晶セルロース(MCC)を、充填剤および結合材料として使用した。ラクトースで置き換えられ得る。最終潤滑のために、ベヘン酸グリセリル(Compritol 888ATO)を使用した。ステアリン酸、フマル酸ナトリウムのような他の適切な潤滑剤が適切である。
次いで、圧縮された錠剤を、非官能性着色フィルムコーティング溶液でコーティングする。
処方例:174mg強度(150mgHClに等価である)のためのmg/単位(標的重量400mg)
ブプロピオンHBr 174mg
ポリビニルアルコール 16
安定剤 20
HPMC(HPC) 40
MCC 144
ベヘン酸グリセリル 6
コーティング:Colorconより提供されるOpadry、およそ3〜4%重量増加。
上記の処方は、安定剤の使用を伴わずに評価される。
実施例14:さらなる安定性試験
ブプロピオンHBr348Mg錠の安定性
これらの試験では、ブプロピオンHBr錠(ロット番号Bup−HBr−XL−348−025−5(7、30および90錠)の安定性を、上記のように調製し、表99に示される錠剤組成を有する348mg錠について先に記載されたような40℃および75%相対湿度での貯蔵後に試験した。これらの実験は、物理的外観、アッセイ、既知の分解不純物のレベルおよび初期データ内の1、2、3および6Mの時間ポイントの溶解プロファイルの変化比較に基づいて、7、30および90錠で包装されたブプロピオンHBr XL348mg錠の加速安定性の結果を評価した。
物理的外観、およびすべての錠数についての錠剤のアッセイにおいて、有意な変化は観察されなかったが、しかし、予想されるとおり、2つの主な既知の分解不純物(3−CBZおよび852U77)のレベルの漸進的増加が認められ、7〜90錠について、後者の2つの不純物の百分率にばらつきがあった。すべての錠数についての薬品の溶解プロファイルは、開始時のプロファイルと比較すると、すべての時間ポイントについて、第1の月に、より低かったが、しかし、他の安定性時間ポイントは変動し、例えば:
7錠:2Mおよび3Mは開始時に類似し、6Mは1Mに類似した。
30錠:6Mは1Mに類似し、開始時より低く、2Mならびに3Mについての2および4時間の時間ポイントは、開始時に類似したが、しかし、8および16時間の時間ポイントは、対応する値より低かった。
90錠:開始時のプロファイルとの比較では、2M、3M、および6Mについて、本質的により低い溶解プロファイルが観察された。これらの結果は図63に含有される。
実施例15:150mg、300mgブプロピオンHBr錠(ロット番号Bup−Hbr−Ea−150−002−5およびBup−Hbr−300−001−5)のさらなる安定性試験
同じ基準を使用して、90錠について、ブプロピオンHBr EA150および300mg薬品の安定性を評価した。ブプロピオンHBr XL348XL348mg錠90錠入りと比較する場合、2つの薬品について類似の結果が得られたが、しかし、より良好な溶解安定性が得られ、即ち、それらの対応する初期物との比較では、2つのEA製品について、僅かに低い値を示した300mgの6M溶解データを除いて、1M、2M、3M、および6Mの溶解プロファイルの有意さは観察されなかった。これらの結果は図64において認められる。
実施例16:さらなる開放ディッシュ−密閉ボトル安定性試験
10および20日間、開放ボトルおよび密閉ボトル条件下で、ブプロピオンHBr XL174mgコア、ブプロピオンHBr XL348コア、ブプロピオンHCl XL150mgコアおよびブプロピオンHCl XL300mgコアを比較して、実験を行った。これらの試験もまた、40℃および75%相対湿度で行った。分解もまた、既知の不純物3−CBZおよび852U77についてアッセイすることによって、評価した。先と同様に、ブプロピオンHBrコアは、開放および密閉ボトル条件下で、ブプロピオンHClコアより分解にあまり供されなかった。これらの結果は図65に含有される。
実施例17:異なるUSP−3媒体における本発明に従うブプロピオン製剤の溶解
本発明に従うブプロピオンHBr製剤の溶解は、3種のUSP−3媒体、即ち、SGF pH1.2、酢酸緩衝液pH4.5およびリン酸緩衝液pH6.8において、16時間の期間にわたって評価した。これらの結果は図66に含有される。特に、ブプロピオンHBr XL348mg錠(最終)ロット番号Bup−HBr−XL−012−5;Wellbutrin XL300mg錠(最終)、ロット番号05A116;ブプロピオンHBr XL348mg錠、EClロット番号Bup−HBr−XL−012−5(EC32mg wg)、ならびにWellbutrin XL300mg錠(ECl−ロット番号05D047を、SGF媒体pH1.2において2時間、酢酸緩衝液pH4.5において2時間、およびリン酸緩衝液pH6.8において合計で10時間、評価した。結果は、図66〜68に含有される。
さらに、図66は、本発明に従うブプロピオンHBr製剤、即ち、ブプロピオンHBr348mg、ロット番号05E304対BupHCl300mg(Bup300XL錠)ロット番号01L238インビボおよびBUP300XL錠のUSP3−0.5%SLS媒体における0〜16時間の時間範囲にわたる溶解試験の結果を含有する。
さらに、同図は、USP−3媒体(2時間後のSGF pH1.2および0.5%SLS、2時間後の酢酸緩衝液pH 4.5ならびに合計で16時間後のリン酸緩衝液pH 6.8)におけるブプロピオンHBr348mgロット番号05E304について、経時的に薬物放出%を比較するこれらの溶解実験の結果を表にまとめる。
また、図68は、16時間の期間にわたるブプロピオンHCl150mg XL標的(ロット02A063)についてのインビボデータと比較した、異なるUSP−3媒体(SGF pH1.2、酢酸緩衝液pH4.5およびリン酸緩衝液pH 6.8)におけるブプロピオンHBr XL348mg最終品、Wellbutrin XL EC、錠剤の比較溶解プロファイルを含有する。
本特許明細において引用した特許および非特許文献は、それらの開示内容が、本出願の明確または潜在的教示内容、特に、定義と矛盾しない程度に、それらの全体が、参考として、援用される。
表81
ポリエトキシル化脂肪酸
ポリエチレングリコール(PEG)自体は界面活性剤として機能しないが、様々なPEG−脂肪酸エステルは、有用な界面活性剤特性を有する。市販のポリエトキシル化脂肪酸モノエステル界面活性剤の例を、ここで、表81に示す。
表82
PEG−脂肪酸ジエステル
ポリエチレングリコール(PEG)脂肪酸ジエステルもまた、本発明の組成物における界面活性剤としての使用に適切である。代表的なPEG−脂肪酸ジエステルを、ここで、表82に示す。
表83
PEG−脂肪酸モノ−およびジエステル混合物
一般に、2つもしくはそれ以上の市販の界面活性剤製品の混合物を含む界面活性剤の混合物もまた、本発明において有用である。いくらかのPEG−脂肪酸エステルは、混合物またはモノ−およびジエステルとして市販されている。代表的な界面活性剤混合物を、ここで、表83に示す。
表84
ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル
適切なPEGグリセロール脂肪酸エステルを、ここで、表84に示す。
表85
アルコール−オイルエステル交換生成物
異なる程度の親油性または親水性の多量の界面活性剤は、アルコールもしくはポリアルコールと様々な天然のおよび/または硬化油との反応によって調製することができる。所定の実施態様では、使用される油は、ヒマシ油または硬化ヒマシ油あるいはコーン油、オリーブ油、ピーナツ油、パーム核油、杏仁油、もしくはアーモンド油のような食用植物油である。アルコールの例として、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、およびペンタエリトリトールが挙げられる。本発明における使用に適切なこのクラスの代表的界面活性を、ここで、表85に示す。
表86
ポリグリセロール化(Polyglycerized)脂肪酸
脂肪酸のポリグリセロールエステルもまた、本発明に適切な界面活性剤である。適切なポリグリセリルエステルの例を、ここで、表86に示す。
表87
プロピレングリコール脂肪酸エステル
プロピレングリコールおよび脂肪酸のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。このクラスの界面活性剤の例を、ここで、表87に示す。
表88
プロピレングリコールエステル−グリセロールエステルの混合物
一般に、界面活性剤の混合物もまた、本発明における使用に適切である。特に、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびグリセロール脂肪酸エステルの混合物は、適切であり、市販されている。これらの界面活性剤の例を、ここで、表88に示す。
表89
モノ−およびジグリセリド
界面活性剤のもう1つのクラスは、モノ−およびジグリセリドのクラスである。これらの界面活性剤は、一般的に親油性である。これらの界面活性剤の例を、ここで、表89に示す。
表90
ステロールおよびステロール誘導体
ステロールおよびステロールの誘導体は、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤は、親水性または親油性であり得る。このクラスの界面活性剤の例を、ここで、表90に示す。
表91
ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル
様々なPEG−ソルビタン脂肪酸エステルが利用可能であり、本発明における界面活性剤としての使用に適切である。一般に、これらの界面活性剤は親水性であるが、このクラスのいくらかの親油性界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤の例を、ここで、表91に示す。
表92
ポリエチレングリコールアルキルエーテル
ポリエチレングリコールおよびアルキルアルコールのエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を、ここで、表92に示す。
表93
糖エステル
糖のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。そのような界面活性剤の例を、ここで、表93に示す。
表94
ポリエチレングリコールアルキルフェノール
いくらかの親水性PEG−アルキルフェノール界面活性が利用可能であり、本発明における使用に適切である。これらの界面活性剤の例を、ここで、表94に示す。
表95
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー
POE−POPブロックコポリマーは、ポリマー界面活性剤の独特なクラスである。良好に規定された比および位置で親水性POEおよび親油性POP部分を伴う界面活性剤の独特な構造は、本発明における使用に適切な多様な界面活性剤を提供する。これらの界面活性剤は、SynperonicPEシリーズ(ICI);Pluronic(登録商標)シリーズ(BASF)、Emkalyx、Lutrol(BASF)、Supronic、Monolan、Pluracare、およびPlurodacを含む多様な商標において利用可能である。これらのポリマーの一般的用語は「ポリキサマー」(CAS9003−11−6)である。これらのポリマーは以下の式を有する:
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)aH
[式中、「a」および「b」は、それぞれ、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン単位の数を示す]。
このクラスの適切な界面活性剤の例を、ここで、表95に示す。化合物は広範に利用可能であるため、市販の供給源は、表に列挙されていない。化合物は、対応する「a」および「b」値を伴い、一般名で列挙される。
表96
ソルビタン脂肪酸エステル
脂肪酸のソルビタンエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を、ここで、表96に示す。
表97
低級アルコール脂肪酸エステル
低級アルコール(C2〜C4)および脂肪酸(C8〜C18)のエステルは、本発明における使用に適切な界面活性剤である。これらの界面活性剤の例を、ここで、表97に示す。
表98
イオン性界面活性剤
カチオン性、アニオン性および両イオン性界面活性剤を含むイオン性界面活性剤は、本発明における使用に適切な親水性界面活性剤である。好適なアニオン性界面活性剤として、脂肪酸塩および胆汁塩が挙げられる。好適なカチオン性界面活性剤として、カルニチンが挙げられる。具体的には、好適なイオン性界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム;ラウロイルカルニチン;パルミトイルカルニチン;およびミリストイルカルニチンが挙げられる。そのような界面活性剤の例を、ここで、表98に示す。簡単のため、典型的な対イオンを表の項目に示す。しかし、当業者であれば、任意の生体許容性対イオンを使用することができることを理解するであろう。例えば、脂肪酸はナトリウム塩として示されるが、アルカリ金属カチオンまたはアンモニウムのような他のカチオン対イオンも使用することができる。典型的な非イオン性界面活性剤とは異なり、これらのイオン性界面活性剤は、一般的に、市販の(専売)混合物ではなく、純粋な化合物として利用可能である。これらの化合物は、Aldrich、Sigmaなどのような様々な商業的供給元から容易に利用可能であるため、商業的供給源は、一般的に、表に列挙していない。