JP2008509687A - コーヒー芳香安定化用ガラス状マトリックス - Google Patents

コーヒー芳香安定化用ガラス状マトリックス Download PDF

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Abstract

芳香を劣化させる化合物が減量し、それにより改良された可溶性コーヒー粉末の製造を可能にする、コーヒー芳香のためのガラス状マトリックスが提供される。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、コーヒー芳香の捕捉用ガラス状マトリックスと、そのようなマトリックスを含むコーヒー芳香組成物とに関する。
関連技術の説明
コーヒー飲料は、刺激的効果とは別に、その感覚特性で好まれている。これらの感覚特性で最も重要なものは、調製されたコーヒー飲料の香りと味である。
可溶性コーヒーの製造者の目的は、通常は、製造したての焙煎粉砕コーヒーの感覚特性をできるだけ忠実に再現しようとすることである。可溶性コーヒーの開発および製造の主要な注目は、従来の焙煎粉砕コーヒーとは異なる感覚特性を開発することである場合があるが、可溶性コーヒーの開発および製造の目的は必ず、消費者の好みを最大に満足させるように、可溶性コーヒーの感覚プロファイルを最適化することである。
可溶性コーヒーの感覚特性は、製造で用いるコーヒーブレンド、焙煎条件、芳香回収の効率性、乾燥技術、粉末の保存状態および消費者の可溶性コーヒーの調製方法に複雑に左右される。今日では、可溶性コーヒーのいくつかの感覚特性については、可溶性コーヒーの感覚特性と、その化学的、構造的、物理的性質との相互関係が確立しているため、現行の可溶性コーヒーの開発が促進されている。
例えば、可溶性コーヒー飲料の芳香における重要な感覚特性は、約800種の揮発性化合物の複雑ではあるがバランスのとれた混合物による、嗅上皮に与える効果の結果である。このような約800種の化合物の多くの物理化学的特性および感覚特性は周知であり、それらがどのようにコーヒー芳香の性質に寄与しているかも周知である。揮発性芳香化合物は、大部分が焙煎工程で形成され、一部が最終的な可溶性コーヒー粉末に組み込まれる。可溶性コーヒー飲料の調製の間に、コーヒー粉末が溶けて、いくつかの中間のステップを経て、芳香化合物が嗅上皮に放出される。
従来可溶性コーヒーは、焙煎粉砕コーヒーを水で抽出し、水溶性コーヒー抽出物を濃縮分散液へ濃縮し、その濃縮分散液を乾燥することにより、焙煎粉砕コーヒーから調製され、それによりガラス状態の可溶性コーヒー粉末が得られる。
コーヒー豆の焙煎中に発生したコーヒー芳香は、焙煎工程の間に一部が回収され、乾燥前に濃縮コーヒー抽出液に再導入される。乾燥後、コーヒー芳香は、ガラス状態の可溶性コーヒーマトリックスに捕捉される。
可溶性コーヒーに関する主要な問題の1つは、その芳香の強さと質が、保存によって低下することである。芳香の強さと質が失われることは、可溶性コーヒーを最適に近い保存条件(低含水率、不活性雰囲気および周囲温度)で保存する間でさえ顕在化し、通常は1年である可溶性コーヒーの一般的保存寿命の間でさえも顕在化する。しかし、高湿度、高温または酸素の存在などの悪条件の保存条件下では、芳香の強さと質は大幅に低下する。
保存中の可溶性コーヒー芳香の質と強さの低下は、可溶性コーヒーからの高インパクト芳香化合物の多くと、可溶性コーヒーのマトリックス中にある多種類の不揮発性化合物との相互作用および反応によるところが大きい。このような不揮発性化合物は、焙煎粉砕コーヒーから抽出されたものの中に存在し、可溶性コーヒー粉末のガラス状マトリックスを調製するために使用される抽出液中に結局存在することとなる。
したがって、可溶性コーヒーの強さおよび質の保存を良好にするために、芳香を組み込む系を提供することが望ましい。さらに、このような系が芳香の劣化の原因である化合物の組み込み量を減らすことが望ましい。
patent application JP 02−104242において、限外濾過が、コーヒー芳香の劣化に対して抑制的性質を有数する液体食品を調製する技術として挙げられている。この方法を、保存特性が改良されたガラス状コーヒー物質を調製するために使用することができるという示唆はなされていない。
他方、Zanoniら,Lebensmittel−Wissenschaft und−Technologie25(3),271−274(1992)においては、コーヒー芳香の保存特性が改良された液体コーヒー抽出液を調製するための、限外濾過について記載されている。驚いたことに、また本発明者らの知見に反して、その透過液により液体複合食品中のコーヒー芳香の安定性が向上することが見出されている。むしろ、透過液は、芳香劣化成分を含有すると考えられ、そのため、コーヒー芳香を含めた感応性有効成分の安定性に関する、限外濾過ならびに得られた透過液および濃縮液の役割についての統一的な科学的理解はできないように思われる。
CA1157310では、可溶性コーヒー製造のために、抽出液の調製と平行して、限外濾過および逆浸透が用いられる。しかし、限外濾過ステップからの全固形分の99%以上が保持されており、これは明らかに高すぎて、コーヒー固形分の芳香劣化能はあまり減少しない。
オンライン版のKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technologyの「Flavor Delivery Systems」の項では、芳香および風味を送出および封入する系を調製するための種々の技術について広範な記述がされている。しかし、マトリックス組成物を芳香化合物の封入マトリックスとして使用する前に、マトリックス組成物から芳香劣化化合物を除去する技術には何も言及していない。
米国特許第5087469号明細書では、反応性芳香化合物を取り出し、次いでそれを普通のコーヒーに加え、2バッチ分の芳香を添加することにより全体的な芳香を増加させる。このような芳香化合物が、不活性ガラス状マトリックス中に保持されているとの開示または示唆はされていない。
WO−A−96/09773は、コーヒー芳香化合物を食品高分子のガラス状マトリックス中に封入するための技術に関する。選択的に芳香劣化化合物を除去するために、コーヒー抽出液の限外濾過か、コーヒー抽出液のPVP/PVPPでの処理を用いることについての示唆はされていない。
WO−A−98/18610およびUS−A−5399368の両明細書においては、封入された化合物を含有する(放出制御)粒子を製造するための方法が記述されている。ここでも、限外濾過またはPVPPの使用によって、コーヒー芳香から反応性分子を除去することについて開示または示唆はされていない。
したがって、本発明では、1つまたは複数の前述の問題について対処し、および/または1つまたは複数の前述の利点を実現しようとしている。
驚いたことに、芳香を組み込むのに適当な固体のガラス状マトリックスを、コーヒーから調製することができ、そのマトリックスは、芳香劣化の原因である各種不揮発性化合物を減量して含むことを今や見出した。
発明の概要
したがって本発明によれば、通常は水溶性コーヒー抽出物中にあり、かつコーヒー芳香中のインパクト化合物を劣化させる化合物の、少なくとも一部を除去した、コーヒー芳香捕捉用の不活性ガラス状マトリックスが提供される。
本発明は、コーヒー芳香捕捉用の不活性ガラス状マトリックスを調製する方法も提供し、この方法は、
(i)劣化化合物を除去するために、コーヒー抽出液をポリビニルポリピロリドンまたは固定化ポリビニルピロリドンで処理するステップと、
(ii)ポリビニルポリピロリドンまたはポリビニルピロリドンを含有する画分を除去して、処理済み抽出液を残すステップと、
(ii)処理済み抽出液を使用して、捕捉マトリックスを調製するステップとを含む。
さらなる態様において、本発明は、コーヒー芳香捕捉用の不活性ガラス状マトリックスを調製する方法を提供し、この方法は、
(i)劣化化合物を除去し、かつ処理済み抽出液を残すために、コーヒー抽出液を限外濾過により処理するステップと、
(ii)処理済み抽出液を使用して、固体の捕捉マトリックスを調製するステップとを含む。
さらに他の態様において、本発明は、本発明のガラス状マトリックスと捕捉された芳香とを含む可溶性コーヒー組成物を提供する。
発明の説明
本発明のガラス状マトリックスを用いて調製した可溶性コーヒーでは、マトリックス中に捕捉された芳香の安定性が向上した。規制によって、一般に「可溶性コーヒー」という名称は、焙煎コーヒー豆からの水溶性成分のみが最終製品に含まれ得ることを意味しているため、使用することのできる原料に厳格な制限があり、そのため他の技術分野における芳香の安定性および劣化についての従来の解決策は、現在の状況では使用するのに適切ではない。
本発明の本質は、芳香劣化を制限するために、十分に低い含水率および周囲温度において可溶性コーヒーマトリックスがガラス状態を形成する能力を維持しながら、コーヒー抽出液から芳香劣化化合物の大部分を除去するか、あるいは実質的に完全に除去することである。
コーヒー抽出液の組成の改質は、以下のように行われる。(1)芳香劣化化合物のかなりの部分、好ましくは実質的に全部を、コーヒー抽出液から除去する。(2)処理済マトリックスが、コーヒー芳香を捕捉するのに適したガラス状態を形成する能力を保持する。
好ましい方法は、固定化ポリビニルピロリドン(以下「PVP」と称する)またはポリビニルポリピロリドン(以下「PVPP」と称する)による処理であり、特に後者による処理である。本発明での使用に適切であると見出された代替方法は、限外濾過による処理である。
「固定化」という用語は、この物質(すなわちPVP)が、固体または高分子支持体にグラフトされることを意味する。適切な高分子支持体には、シリカ、ポリスチレンおよびデキストランが挙げられる。
次いで、当分野において確立した手順に従って、例えば、処理済コーヒー抽出液の任意選択の濃縮、乾燥前のコーヒー抽出液中への芳香画分の再導入、芳香含有抽出液の乾燥を含めて、当分野において周知の手段によって、処理済マトリックスから可溶性コーヒーを製造し、それにより感覚特性および捕捉された芳香の安定性が向上した、ガラス状態の芳香を付与した可溶性コーヒー粉末を得ることができる。場合により、残存する反応性の芳香を付与していないマトリックスを乾燥し、乾燥後に、捕捉されたコーヒー芳香を含有するガラス状不活性コーヒーマトリックスと再混合してもよい。
芳香劣化化合物の除去は、通常はコーヒー芳香の再導入の前に、蒸気によってストリッピングし、任意選択で濃縮するコーヒー抽出液で行われる。コーヒー抽出液の処理は、液体状態でありさえすれば、任意の都合のよい固形分含量で、またはコーヒー抽出液で行うことができる。しかし、通常は、どちらかの処理が行われる最適濃度は、処理要件および実現する必要がある芳香劣化化合物の除去の程度によって決まる。
コーヒー抽出液のPVPPまたはPVPによる処理は、当業者に周知の任意の手順に従って行うことができる。この操作を行う2種類の従来の方法は、(1)所望の濃度のPVPPまたは固定化PVPをコーヒー抽出液と混合し、その混合物を必要な時間インキュベートし、PVPPまたはPVPを結合した芳香劣化化合物と共に濾過または遠心分離で除去する、あるいは(2)コーヒー抽出液を、PVPPまたは固定化PVPを含有した十分な大きさと容量のカラムに通す方法である。
コーヒー抽出液の限外濾過は、除去する分子のサイズ画分に応じて、一定の分画分子量の限外濾過膜を使用して行う。この限外濾過を行う技術は、当業者には周知であり、平膜型、スパイラル型および中空糸型の技術が挙げられる。限外濾過工程は、デッドエンド、クロスフローおよびバックフラッシュ操作方式などのさまざまな方式で行ってよい。
芳香劣化化合物の除去後の固形分含量によって、抽出液は、場合により過剰な水を除去するための濃縮工程に呈してもよい。この濃縮は、この目的のために用いられる通常の手順、例えば蒸発および逆浸透などのいずれかに従って行ってよい。
コーヒー芳香は、乾燥前に、濃縮芳香画分、水溶液、油性濃縮物のいずれかの形で加えてもよい。その後の芳香含有抽出液の乾燥は、乾燥の間の芳香の損失が最小となり、周囲温度でガラス状態の粉末を得るように行われる。この可溶性コーヒー粉末は、増強された感覚特性と、および捕捉されたコーヒー芳香の向上した安定性を示す。
本発明との関連で、「コーヒー芳香」という用語は、飲む人が嗅上皮内の受容器細胞を刺激されることによって経験するように、コーヒーの香り/風味の感覚をもたらす揮発性化合物の混合物と定義する。
芳香化合物は、鼻で嗅ぐことにより外部から鼻腔に入る(次いで、香り分子が香りとして感知される)か、あるいは飲むことにより口および喉の奥にある後鼻腔を経由して内部から鼻腔に入る(次いで、風味として感知される)。コーヒー芳香中には、コーヒー芳香をもたらすと確認されている何百種類もの化合物があり、その中で最も重要なものは、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、1−メチルピロール、フルフリルチオール(FFT)、1H−ピロール、メタンチオール、エタンチオール、プロパナール、ブタナール、エタナール、ギ酸メチル、酢酸メチル、メチルフラン、2−ブタノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ピラジン、フルフラール、硫化ジメチル、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン、2−メチルブタナール、2(5)−エチル−4−ヒドロキシ−5(2)−メチル−3(2H)−フラノン、メチルプロパナール、4−エテニル−2−メトキシフェノール、3−メチルブタナール、バニリン、2−メトキシフェノール、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン、4−エチル−2−メトキシフェノール、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、メチオナール、3−メルカプト−3−メチルブチルホルマート、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、3−イソブチル−2−メトキシピラジン、2−メチル−3−フランチオール、2−エテニル−3,5−ジメチルピラジン、3−メチル−2−ブテン−1−チオールおよび2−エテニル−3−エチル−5−メチルピラジンである。
可溶性コーヒーに関する重要な問題の1つは、その芳香の強さと質が、保存によって低下することである。芳香の強さと質が失われることが、可溶性コーヒーを最適に近い保存条件(低含水率、不活性雰囲気および周囲温度)で保存する間でさえ発生し、通常は1〜2年である可溶性コーヒーの一般の保存寿命の間でさえも発生する。しかし、高湿度、酸素の存在下または高温などの悪条件の保存条件下では、芳香の強さと質は大幅に低下する。
コーヒー芳香からの重要なインパクト化合物の多くは、揮発性であること以外に、化学的に反応性が高く、相互に反応し、または他の種々の化合物と反応する場合がある。このような反応は、例えば他の芳香化合物、空気中の酸素、水およびガラス状コーヒーマトリックスの成分と起こり得る。
保存中の可溶性コーヒー芳香の質と強さの低下は、可溶性コーヒーからの多くの高インパクト芳香化合物と、可溶性コーヒーマトリックス中にある多種類の化合物との相互作用および反応によるところが大きいことが見出された。生コーヒー豆の焙煎中に、あらゆる種類の非常に複雑な化学反応が起こるが、そのうちの重要な部分は、メイラード反応として1つに分類できる。このような反応が、コーヒー芳香および化合物の形成を引き起こし、これが典型的なコーヒー芳香の生成の原因となる一方で、経験的に望ましくはないが、それでも可溶性コーヒーのマトリックス中に保持される不揮発性化合物をもたらす多数の反応も引き起こす。
通常、可溶性コーヒーは、下記の主要なステップに従って焙煎粉砕コーヒーから調製する。まず、焙煎粉砕コーヒーを、特定の作業条件下で水および/または蒸気で抽出する。抽出中の温度および圧力ならびに抽出工程の持続時間などが例として挙げられるこの作業条件を、コーヒー豆から所望の成分を抽出するために注意深く調整する。下記で論じるように、通常、芳香は抽出の前または後にコーヒーからストリッピングする。次いで、抽出液は、一般にコーヒー固形分の分散液へと濃縮する。ストリッピングしたコーヒー芳香の再導入の後、濃縮分散液を、次に乾燥し、ガラス状態の可溶性コーヒー粉末を生成する。最終用途および消費者の好みに応じて、可溶性コーヒー粉末を、食品製造で用いられる、例えば噴霧乾燥または凍結乾燥などの通常の乾燥技術のいずれかによって乾燥し得る。
可溶性コーヒーの製造工程の重要な部分は、コーヒー芳香を回収し、可溶性コーヒーに導入する方法である。これを行うために、種々の工程が、商業的に用いられている。これらの工程は、可溶性コーヒーの製造工程においてコーヒー芳香を抽出する方法や効率性がかなり異なっているが、これらの工程に共通していることは、工程の間に回収した芳香は、乾燥前に濃縮コーヒー抽出液中にあるか、あるいは加えられることである。これは、例えば、抽出の前または直後に揮発性の芳香の一部をストリッピングし、乾燥前にストリッピングした芳香を再導入することによって行われる。濃縮コーヒー抽出液を乾燥すると同時に、いわゆるガラス状態の可溶性コーヒー粉末が得られ、そこにはコーヒー芳香が捕捉されている。
可溶性コーヒーの製造において重要なことは、抽出液がその後に乾燥して、所望の物理的安定性を有する粉末となることのできる分子量分布を示すように、抽出を行うことである。この物理的安定性とは、粉末粒がやわらかくならず、崩れず、粒同士がくっつかない状態に粉末を保つことであると通常は理解されている。常識として、炭水化物の大きな画分を含有する可溶性コーヒーのマトリックスは、通常は非晶形である。すべての非晶質系と同様に、可溶性コーヒーマトリックスは、2つの別個の物理的状態を示し、これは製造のためおよび保存安定性のために重要である。ガラス状態およびゴム状態として知られているこのような状態は、ガラス−ゴム転移によって分離する。したがって、「物理的安定性」という表現は、可溶性コーヒーのマトリックスがガラス状態であることを意味する。
水は、可溶性コーヒー中に生じる生体高分子の強力な可塑剤であるので、可溶性コーヒーマトリックスのガラス転移温度は、含水率または水分活量の増加に伴い激しく低下する。可溶性コーヒーは、必ず一定量の水を含んでいるので、水の相応な濃度に対して可溶性コーヒーマトリックスを確実にガラス状態に保つことが結果的に非常に重要なことである。可溶性コーヒーの製造のための最先端の技術によれば、これは、コーヒー抽出液の組成および分子量プロフィールを正確に調整することによって達成される。
本発明は、望ましくない化合物をコーヒーマトリックスから除去することによって、捕捉された芳香が優れた安定性を有する可溶性コーヒーを提供するものであると同時に、改質した可溶性コーヒーマトリックスが、ガラス状態と同様の特性または改善された特性さえも確実に示す可溶性コーヒーを提供するものである。これを達成するために、所与の限界含水率または水分活量で、室温以上で良好なガラス転移を有する改質した可溶性コーヒーマトリックスを提供することが特に望ましいことが見出された。
驚いたことに、改質したコーヒーマトリックスの物理的安定性を、十分なレベルまたは改善したレベルまで維持する一方で、コーヒー芳香化合物の劣化に関わっているコーヒーマトリックスからの化合物の主要画分を除去することができることが見出された。芳香劣化化合物を、コーヒー抽出液のPVPPまたは固定化PVPによる処理か、あるいはコーヒー抽出液の限外濾過かのどちらかによって、コーヒー抽出液から除去することが好ましい。このようにして組成が改質されたコーヒー抽出液は、コーヒー芳香の捕捉および安定的なガラス状マトリックスの形成に使用することができる。場合によっては、反応性の芳香を付与していない残存するマトリックスを乾燥し、乾燥後に捕捉されたコーヒー芳香を含有するガラス状不活性コーヒーマトリックスと再混合してもよい。限外濾過を不活性マトリックスの調製における方法として用いると、封入マトリックスとして使用する濃縮液のガラス転移温度は、同じ水分活量の標準の可溶性コーヒーと比べて、例えば5℃〜40℃、好ましくは10℃〜20℃上昇する可能性がある。
コーヒー抽出液の固形分含量は、抽出液のPVPPまたは固定化PVPによるバッチ式のベンチスケール処理の場合の約2%から、抽出液の限外濾過によるパイロットスケール処理の場合の約10%、工業用連続高圧限外濾過ユニットの場合の約50%まで変化し得る。
水溶性コーヒー抽出物のPVPPまたは固定化PVPによる処理においては、コーヒー固形分の少なくとも5%、好ましくは10%超、さらに好ましくは15%超が除去される。水溶性コーヒー抽出物からのこのような固体画分の除去によって、クロロゲン酸、クロロゲン酸ラクトン、コーヒー酸およびフェルラ酸、ヒドロキシメチルフルフラール、カフェインあるいはトリゴネリンを含めた一群の化学マーカーの一部の除去、または実質的に完全な除去をもたらすことが認められる。遊離および結合フェノール、低分子量アルデヒドおよび低分子量メラノイジンなどの芳香劣化を引き起こすと疑われている不揮発性化合物の主要な種類も、それらの同様の物理化学的性質によって、このように大部分が除去、または実質的に除去されるが、直接測定はできなかった。したがって、この化学マーカーを、芳香劣化において実際に反応する相手である芳香劣化化合物のレベルを推定するために使用することができる。このような化学マーカーのレベルによって、分離工程の評価、およびガラス状態に封入された後の芳香の安定性における処理済コーヒーマトリックスの性能の予測が可能となる。マーカー化合物の、理想的には少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特には少なくとも85%がマトリックスから除去される。
使用するPVPPは、食品製造で許容されている限りは、任意のタイプおよびグレードでよい。PVPの架橋型であるPVPPは、水中で膨張するが、その架橋のために本質的に不溶性である。特に適当であると見出されたPVPPは、Polyclar(登録商標)ATであるが、他のPVPP製品も使用し得る。
バッチ式操作で、PVPPまたは固定化PVPを、コーヒー抽出液に所望の濃度で加える。これは通常、PVPPまたは固定化PVPとコーヒー固形分との重量比は、コーヒー芳香劣化化合物の除去の程度およびインキュベーションに費やすことのできる時間によって決められたレベルに設定することを意味する。この重量比は、10:1〜1:10で変動することが望ましく、1:1〜1:10で変動することが好ましく、1:10〜1:10で変動することがさらに好ましい。PVPP処理のインキュベーション時間は、処理条件および芳香劣化化合物の所望の除去の程度によって異なる。通常のインキュベーション時間は、1分〜24時間で変動し、25分〜6時間で変動することが好ましく、40分〜1.5時間で変動することがさらに好ましい。インキュベーションが行われる温度は、変動してもよく、通常は4℃〜30℃であるが、より低い温度ではインキュベーション時間が増加する可能性がある。したがって、この範囲以外の温度も所望であれば利用できる。
インキュベーション後に、PVPPまたは固定化PVPを、コーヒー抽出液からの結合芳香劣化化合物と共に、当業者に周知の任意の手順によって除去する。使用できる特定の手順には、濾過および遠心分離が挙げられる。濾過は、減圧か加圧を用いることにより補助できる。フィルターの孔径は、実質的に全てのPVPPまたは固定化PVPが除去され、一方で未結合コーヒー固形分をあまり保持しないように選択する。Polyclar ATを使用する本発明の特定の実施形態のために、多孔度No.3のガラスフリットを濾過助剤として使用する。PVPPまたは固定化PVPにより処理済み抽出液の沈降は、実験室用または工業用遠心機の任意の型を使用して行い得る。遠心処理によるPVPPまたは固定化PVPの除去は、一般に抽出液がより希釈されているほど容易であるが、高速遠心機および超遠心機を使用すると、PVPPまたは固定化PVPは、非常に濃縮されたコーヒー抽出液でさえも沈降させ得る。遠心処理の条件および時間は、当業者に周知のように標準の決まった手順に従って設定し得る。
場合により、処理後のPVPPまたは固定化PVPからのコーヒー抽出液から、未結合化合物を除去するために、洗浄工程を用いる場合がある。この洗浄工程では、洗浄剤として水を用いて行われる(4℃の冷水が好ましい)。洗浄工程には、PVPPまたは固定化PVPを除去するための遠心処理または濾過が含まれ、コーヒー固形分の回収のレベルを高めるために、液相を処理済コーヒー抽出液に加えてもよい。
限外濾過法のために、限外濾過操作において任意の通常タイプの限外濾過膜を使用し得る。最小限のサイズの濾過ユニットで、最大限の濾過面積と、濃縮液および透過液両方の最適化した流れパターンが得られるため、中空糸膜を使用することが好ましいが、平面フィルターも使用することができる。フィルターは、このような目的に一般に使用される任意の材料で作ることができる。ポリスルホンフィルターが、本発明の枠組みの中でその利点が証明されているが、本発明ではこのようなフィルター材料には限定されない。
水溶性コーヒー抽出物の限外濾過で使用する膜は、3kDa〜100kDaの分画分子量を有することが好ましく、4kDa〜8kDaがより好ましい。芳香劣化が所望の減少度合いを達成するために除去すべき水溶性コーヒー抽出物中の固体画分は、膜の分画分子量によって変動する場合がある。分画分子量が3kDaの膜の場合、コーヒー芳香捕捉用のマトリックスとして使用する濃縮液は、全コーヒー固形分の、最大80%からなり、50%未満からなることが好ましく、25%未満からなることがさらに好ましい。分画分子量が6kDaの膜の場合、コーヒー芳香捕捉用のマトリックスとして使用する濃縮液は、全コーヒー固形分の最大80%からなり、50%未満からなることが好ましく、25%未満からなることがさらに好ましい。分画分子量が100kDaの膜の場合、コーヒー芳香捕捉用のマトリックスとして使用する濃縮液は、全コーヒー固形分の最大50%からなり、30%未満からなることが好ましく、25%未満からなることがさらに好ましい。
限外濾過は、ある期間コーヒー抽出液を循環して行われ得る。この工程期間は、通常、小分子の所望の除去の程度、膜上の効果的な流れ、抽出物の量と膜表面積の比によって決まる。通常は、コーヒー抽出液の循環は1時間〜24時間であり、2時間〜12時間の循環が好ましく、4時間〜8時間の循環がさらに好ましい。限外濾過操作の間の膜間圧は、変動する可能性があり、通常は操作中にある適度上昇する。これは、コーヒー抽出液による細孔の目詰まりが原因であり、クロスフロー方式および/またはバックフラッシュ方式を用いてユニットを操作することにより目詰まりを最小限にし得る。限外濾過操作中の濃縮係数は、約2〜20で変動し、4〜15で変動することが好ましく、8〜12で変動することがさらに好ましい。
コーヒー抽出液の限外濾過は、1回の限外濾過操作のみが必要なように行い得る。しかし、通常抽出液を、粗い沈降物を除去するためにマイクロフィルターを用いて前置濾過することとなる。このような粗い沈降物を、限外濾過後に、また場合により洗浄工程後に、濃縮液または透過液に任意選択で加えてもよい。さらに、コーヒー抽出液の限外濾過は、さまざまなタイプの限外濾過膜の使用を含めた複数の限外濾過操作を用いて行ってよい。
芳香劣化化合物のレベルが減少した処理済ガラス状抽出液は、可溶性コーヒー製造のための出発原料として使用する。芳香劣化化合物の除去後の固形分含量に応じて、場合により、抽出液は過剰な水を除去するために濃縮工程にかけてもよい。この濃縮は、この目的のために用いられる任意の一般の手順、例えば、蒸発または逆浸透などに従って行ってもよい。
通常コーヒー芳香は、乾燥前に、濃縮芳香画分、水溶液、油性濃縮物のいずれかの形で加える。
コーヒー芳香は、通常は天然のコーヒー芳香か凝縮液である。さらに、コーヒー芳香を、一定量の限定された芳香化合物を加えることにより濃厚にすることができる。このような加えた芳香化合物は、例えばコーヒー以外の原料からの天然のものでもよいし、天然物同一物質でもよい。このような特定の芳香化合物に富んだコーヒー芳香は、コーヒー芳香組成物として表すこととする。1種類の純粋な芳香化合物から調製したコーヒー芳香、またはコーヒー以外の芳香に同じ用語を適用する。コーヒー芳香は、芳香化合物のみを含有する本質的に純粋な組成物(濃縮物として表すこととする)として処理できるが、芳香キャリア(例えばコーヒーオイルまたは水)および任意選択で不揮発性コーヒー化合物を含有する抽出液または凝縮液の形の場合もある。このようなキャリア中のコーヒー芳香も、コーヒー芳香組成物と表すこととする。コーヒー芳香組成物中のコーヒー芳香化合物の濃度は、その原料、用途および使用されるキャリアのタイプによって変動する場合がある。例えば、水をキャリアとして使用する場合は、コーヒー芳香化合物の濃度は、通常かなり低く、例えば0.001%〜10%であり、0.1%〜1%の場合が多い。油性芳香は、一般に芳香濃度が1%〜90%であり、5%〜20%が好ましい。90%以上のコーヒー芳香化合物からなる任意の芳香組成物は、純粋なコーヒー芳香またはコーヒー芳香濃縮物として表すこととする。本発明によるコーヒー芳香は、任意の適当な手段により得ることができるが、通常は空気および任意選択的に蒸気で焙煎粉砕コーヒーをストリッピングし、分離した芳香を含有した流体を凝縮および濃縮して得る。
それに続く芳香含有抽出物の乾燥は、乾燥中の芳香の減少が最小限となり、周囲温度でガラス状態の粉末を得るように行う。コーヒー芳香の不活性マトリックスへの封入または捕捉は、当分野で通常使用されている技術のいずれかに従って行い得る。このような技術には、それだけに限らないが、噴霧乾燥、凍結乾燥、溶融押出、流動層乾燥、凝集と組み合わせた噴霧乾燥、真空乾燥が含まれる。一般的な技術の概要は、例えば、J.Ubbink and A.Schoonman,‘Flavor Delivery Systems’,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Wiley Interscience(2003)に見出すことができる。
最も適切な技術の選択は、通常は、処理、粉体物性および消費者の好みについて、多くの要求を最適に満足させることにより決まる。例えば、技術の選択は、装置の利用可能性、運転経費、ユニット製品あたりに必要なエネルギー投入量および同様の考慮すべき事項によって決定することができる。粉体物性が重要である時は、この選択は粉末流動性、再構成挙動および混合挙動の制約によって影響を受ける場合がある。消費者の好みは、粉末の外見が消費者による製品の認識に影響を与えるであろうという点で、技術の選択において重要な役割を果たす可能性がある。
例えば、噴霧乾燥した可溶性コーヒーを強化するために、封入されたコーヒー芳香を含有するカプセルを使用する場合は、乾燥技術として噴霧乾燥を用いることが有利であろう。
カプセルを凍結乾燥した可溶性コーヒー粉末とブレンドする場合は、凍結乾燥は粉末混合物の外見を最適化することになるので、凍結乾燥が選択する技術である。
カプセルを流動層乾燥により製造する場合は、それらは凍結乾燥した可溶性コーヒー粉末と混合することができ、それにより凍結乾燥したコーヒー粒子と流動層乾燥した芳香含有カプセルとの見た目のよい対比を有する最終的な粉末混合物が実現する。
本発明の可溶性コーヒー粉末は、ガラス状マトリックスの粒子のみをベースとし、コーヒー芳香で処理をした均一な粉末でもよい。あるいは、複合粉末でもよく、この複合粉末では、粉末粒子の一画分は、本発明に従って改質した組成のマトリックスからなり、他の画分は、従来の可溶性コーヒーの粒子および/または限外濾過操作によってマトリックスを調製する時に得られた透過液を含有する粒子から構成できる。驚いたことに、芳香劣化化合物を含有する透過液は、粉末中での使用に適している。これは、劣化化合物が同じマトリックス粒子中で物理的に結合する時のみに、芳香劣化がかなりの程度起こるためである。本発明においては、この接触は実質的に排除される。複合粉末の場合は、コーヒー芳香は、マトリックス粒子に優先的に捕捉される。複合粉末中のマトリックスの画分は、1%〜90%で、好ましくは5%〜50%で、さらに好ましくは7〜25%で変動し得る。
可溶性コーヒー粉末は、最終製品の所望の形態に到達するために、場合によりさらに1種または複数の普通の粉末成分とブレンドしてもよい。このような他の粉末成分には、場合により封入された形状である、糖、粉乳、乳成分を含まないクリーマー、発泡成分、増量剤、凝結防止剤および生理活性成分が挙げられる。
実施例1:ポリビニルポリピロリドンの処理による不活性マトリックスの調製
可溶性コーヒーの2%水溶液(可溶性コーヒー90g、全重量4500g)を、ポリビニルポリピロリドン225gとバッチ方式でインキュベートした。回転式撹拌機を使用して室温で1時間撹拌した後、懸濁液をガラスフリットで濾過した。フリット上に保持されたPVPPを冷水900ml(4℃)中で再懸濁し、数分撹拌し、再び濾過することにより2回の洗浄を行った。濾液を共に回収し、PVPPの第2のバッチ(113g)で処理した。室温で1時間撹拌した後、懸濁液を前と同様に処理した。最後に、すべての濾液を回収し、凍結乾燥し、PVPP処理済マトリックス73gを得た。結果的に、全体の回収率は81%であった。クロロゲン酸含量は、供給液の20%であると測定された。
実施例2:限外濾過による不活性マトリックスの調製
フィードアンドブリード方式(連続方式)で操作するベンチスケールの中空糸系を、限外濾過実験に使用した。透過液を定期的に濃縮液に逆流させることを行うバックフラッシュ汚染防止技術を適用した。フィードアンドブリード操作においては、供給材料を連続して膜系に供給して、濃縮液および透過液の両方を一定の流量で取り除く。
限外濾過実験で使用されるコーヒー抽出液の固形分含量は、7.5%であった。コーヒーを60℃まで5分間加熱し、室温まで冷まし、不溶性物質を除去するために500mlのバッチ中で遠心分離した(Sorvall RC5C、ローターGS3、16〜20℃で30分間の8900rpm)。最終的なコーヒー溶液(全固形分含量6.3%)を、限外濾過実験に使用するまで冷凍保存した。この原料を、限外濾過供給液と呼ぶ。
種々の限外濾過条件の効果を試験するために、次の3種類の限外濾過ステップを適用した。限外濾過工程に入る前に、大きい沈降物および凝集物を除去するために供給液をマイクロフィルターで濾過した。
限外濾過ステップA
限外濾過供給液の繰り返しのダイアフィルトレーションによって、パイロットスケールの限外濾過ステップを行った。ステップ1の後に固形分の約40%を除去した。約3kDaの分画分子量のフィルターの効果は、コーヒー抽出液の限外濾過濃縮液中の多糖類の分子量分布を示す図1において明らかに証明されている。
濃縮液の一部を、限外濾過ステップBでさらに処理した。このUFステップの生成物を、UF処理済試料Aと表す。
限外濾過ステップB
ベンチスケールの限外濾過実験を、限外濾過実験1の濃縮液で行った。膜の分画分子量は、10kDaであった。濃縮液中に、さらに10%減少した固形分が得られた。このUFステップの生成物を、UF処理済試料Bと表す。
限外濾過ステップC
別個のベンチスケールの中空糸限外濾過実験を、目が非常に粗い膜(膜の分画分子量の範囲は50〜100kDa)を用いて限外濾過の供給液で行った。このUFステップの生成物を、UF処理済試料Cと表す。分画分子量が約3kDaのフィルターの効果は、図1において明らかに分かる。
限外濾過実験で回収した種々の試料の特性を下記の表に要約する。
Figure 2008509687
表および図1から、コーヒー抽出液の供給液の組成は、種々のUFステップによって非常に改質したされることが認められる。特に、特にCQA含量の減少に見られるように、試料から小分子が強力に除去される(CQA=カフェオイルキナ酸、3、4および5異性体の合計)。
UF実験からのすべての生成物を凍結乾燥し、さまざまな表面構造および色を有する易流動性粉末を得た。
実施例3:芳香劣化度の低下を証明する試験
処理済コーヒー抽出液の芳香安定化能力を溶液中で測定した。未処理および処理済コーヒーマトリックスの存在下で、一定の期間にわたって揮発性モデル混合物のヘッドスペース濃度の相対変化を追った。SPME−GC−MSのピーク面積を、所与の時間間隔で測定し、淡水中の同じ揮発性モデル混合物のピーク面積の割合として表した(ブランク対照)。UF濃縮液試料B(点線)およびUF供給液(実線)の存在下での、揮発性モデル混合物の劣化速度のグラフである図2と、PVPP処理済試料(実線)および未処理のコーヒー抽出液(点線)の存在下での、揮発性チオールの劣化速度のグラフである図3では、揮発性減衰の速度論的速度定数は、処理済マトリックス中では供給液中よりも1/10〜1/100の範囲で低いことを示す。
コーヒー抽出液と揮発性モデル混合物とを混合し、室温で15分間撹拌することにより、芳香を含有するコーヒー試料を調製した。溶液の最終的な固形分含量は1%であり、揮発性物質の濃度は下記の表に示した通りである。試料800μlを2mlのシラン処理済褐色バイアルに移し、注入前に30分間平衡化した。試料のヘッドスペースを、PALオートサンプラーを使用して分析した。厚さ65μmのポリジメチルシロキサン/ジビニルベンゼンで被覆したSPMEファイバー(Supelco)を、ヘッドスペースに挿入し、正確に1分間平衡化させた。GCの注入口内で、240℃で5分間芳香化合物を脱着した。脱着の最初の3分間はパージを行わず、最後の2分間はパージを行った。GC分離は、HP5973質量分析計に結合したDB−Waxカラム(JandW Scientific、30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm、一定流量1.0mL/分)を装着したHP6890で行った。オーブン温度を35℃で3分間保持し、次いで170℃まで4℃/分で、次いで220℃まで20℃/分で設定し、220℃で10分間保持した。走査方式で29〜300amuの範囲の質量スペクトルを得た。ブランクの揮発性モデル混合物および風味を付けたコーヒー試料を含有したバイアルは、各試料の基準値を同時に準備するために、tにおいてオートサンプラーに交互においた。同じサンプリング時間で測定した、参照の揮発性モデルおよびコーヒー試料の表面積で、相対割合を計算した。
Figure 2008509687
実施例4:不活性マトリックスのガラス状態
非晶質食材のガラス転移温度は、食品マトリックスの物理的安定性の決定に用いられる重要な予測的特性である。さらに、ガラス転移温度は、マトリックスが少なくとも一部が非晶形状態であることの証拠となる。この非晶形は、マトリックスが、例えば芳香化合物の封入マトリックスとして有用となるために重要な必要条件である。実施例2の限外濾過実験の3種類の濃縮液のガラス転移温度を、示差走査熱量測定法によって、Seiko5200DSC220Cを使用して、5℃/分の第2の加熱速度からの熱流量の変化の開始として測定した。同じ試料から、Rotronic Hygrolab水分活量センサーを使用して、水分活量を測定した。参照として、限外濾過実験の供給液および参照の可溶性コーヒーを使用した。本実施例および続く実施例において、略語「UF」は、限外濾過の工程または生成物を指す。
Figure 2008509687
所与の水分活量において、Tは、UF濃縮液の方が、UF供給液または参照の可溶性コーヒーより高い。Tは分子量と共に上昇し、UF濃縮液で最も高い。UF供給液から調製した試料のガラス転移温度は、参照の可溶性コーヒーのTと非常に似ており、これはこの試料が当初の状態であることを示している。UF濃縮液のTは、限外濾過実験がどれだけ正確に行われたかと、小分子に対してより大きい分子の相対的濃縮によっていることが認められる。
したがって、UF透過液は、非晶質ガラス状マトリックスを形成する。その化学組成のために、UF濃縮液からなるマトリックスは、可溶性コーヒー中のコーヒー芳香の封入とコーヒー芳香の保存に特に有用である。
実施例5:ポリビニルピロリドン処理済マトリックスおよび限外濾過済マトリックスへのコーヒー芳香の封入
封入実験のために、コーヒー芳香の水溶性抽出物を使用した。実施例1および2の処理済粉末を、新鮮なコーヒー芳香の水溶性抽出物(化学量論組成の15倍のコーヒー芳香)中で、濃縮物の全固形分含量の25.9%まで溶解した。粉末を完全に室温で溶解し、次いでホモジナイズした。得られたコーヒー抽出液を、次いで−80℃の冷凍庫に入れ、制御条件下で凍結乾燥した。
凍結乾燥の後、封入されたコーヒー芳香を含有する全ての処理済マトリックスで、多孔性のガラス状マトリックスを得た。このガラス状マトリックスは、容易に砕け、易流動性粉末を得た。
このようなガラス状マトリックス中の芳香の保持を、GC分析を使用して測定した。コーヒー芳香からのいくつかのインパクト化合物について、結果を下記に要約する。これは芳香保持時間が十分であることを示している。
Figure 2008509687
実施例7:不活性マトリックス中に捕捉されたコーヒー芳香の保存寿命の改善:官能評価
標準的な可溶性コーヒーよりコーヒー芳香の濃度が15倍の、PVPP処理済カプセルおよび限外濾過処理済マトリックスを、実施例5に従って生成した。参照として、凍結乾燥した可溶性コーヒーを標準的技法に従って調製したが、芳香の濃度を通常の可溶性コーヒーの15倍とした。これらの強化試料の生成は、加えた芳香の量、凍結乾燥前の全固形分含量、凍結乾燥の装置と条件に関して同一とした。試料の感覚特性を、試料の生成の直後に測定した(T)。試飲用試料を下記のように作成した。水の温度:70℃、水のタイプ:ミネラルウォーター2/3および脱イオン水1/3。コーヒー粉末を下記の表にある濃度に従って希釈した。最終生成物中の強化原料の総量は6.5重量%である。
Figure 2008509687
芳香封入試料の生成の直後に、これらのカプセルで調製したコーヒー飲料を、11人の熟練したテイスターのパネルによって、20種類の香り/風味属性を用いて評価した。評価者は、0(強烈ではない)〜10(非常に強烈)の11段階で各属性に点を付けるように求められた。
結果を図4に示す。
グラフから見て分かるとおり、すべての生成物は、芳香および風味の高いコーヒー特性を有することが見いだされた。
したがって、PVPP処理済み抽出液および限外濾過コーヒー抽出液から調製した可溶性コーヒーマトリックスは、保存の最初にこれらの芳香が加えられたコーヒーについて、その感覚への効果を有意に変化させない。したがって、可溶性コーヒーは、その当初の感覚特性を有意に変えることなく、どちらのタイプのカプセルによっても、強化されることができる。
PVPP処理または限外濾過によって芳香劣化化合物が著しく減ったマトリックスの可溶性コーヒー粉末中と、強化可溶性コーヒー芳香中の、芳香の相対的安定性を評価するために、保存試験を行った。処理済マトリックスを有する可溶性コーヒーおよび参照の可溶性コーヒーの両方を、25℃で飽和塩溶液(MgCI)を含有するデシケーター中に保存することにより、a=0.32で平衡化した。平衡後、試料は−25℃または+37℃で3カ月保存した。芳香を再組み込みしていないコーヒーベース粉末(コーヒーA)を−25℃および37℃で保存したが、非揮発性物質の劣化および酸性度の上昇を防止するために低含水率(a=0.17)とした。
1カ月保存(T)および全3カ月保存期間(T)後に、−25℃および+37℃で保存した各生成物の試料間で3点比較法を行った。試飲のために、100mlのカップあたり、芳香を付与していない可溶性コーヒー粉末(コーヒーA)1.4gと、強化粉末(マトリックスがPVPPまたは限外濾過で処理済可溶性コーヒー粉末および強化可溶性コーヒー粉末)0.1gとで、飲料を再構成した。
Figure 2008509687
上記の表のデータは、種々のコーヒー芳香組成物(左側の欄)の香り/風味属性の、1カ月間および3カ月間の保存の効果の程度である。数字(X/Y)は、−25℃および+37℃で保存したバッチが、全テスト数(Y)に対して異なる(X)と評価した評価者の数を表している。したがって、XのYに対する高い比は、コーヒー芳香組成物が、1カ月または3カ月の保存後に、香り/風味が有意に異なると判断されたことを意味する。
3点比較法の結果は、参照の可溶性コーヒーでは、−25℃および+37℃で保存した試料間の差異は、過酷な条件下(T=37℃、a0.32)では1ヵ月のみの保存の後でも有意であることを示す。PVPP処理済マトリックスを有する試料および限外濾過処理済の3種類の試料のいずれにおいても、過酷な条件下で3カ月/の保存後においてでさえ有意な変化は見られない。
したがって、PVPP処理済マトリックスまたは限外濾過を使用して調製したマトリックス中のコーヒー芳香の捕獲は、たとえ悪条件の保存条件下においてでさえ、保存の間の可溶性コーヒーの当初の芳香の質および強さを保存するために有益である。
コーヒー抽出液の限外濾過濃縮液中の多糖類の分子量分布を示す図である。 UF濃縮液試料BおよびUF供給液の存在下での、揮発性モデル混合物の劣化速度を示すグラフである。UF濃縮液試料B(点線)およびUF供給液(実線)。 PVPP処理済試料および未処理のコーヒー抽出液の存在下での、揮発性チオールの劣化速度を示すグラフである。PVPP処理済試料(実線)および未処理のコーヒー抽出液(点線)。 20種類の香り/風味属性を用いた官能評価の結果を示すグラフである。

Claims (14)

  1. 通常は水溶性コーヒー抽出物中にあり、かつコーヒー芳香中のインパクト化合物を劣化させる化合物の、少なくとも一部を除去した、コーヒー芳香捕捉用の不活性ガラス状マトリックス。
  2. 前記劣化化合物が、コーヒー抽出液をポリビニルポリピロリドンまたは固定化ポリビニルピロリドンで処理することにより除去される、請求項1に記載のマトリックス。
  3. 前記ポリビニルポリピロリドンまたはポリビニルピロリドンを含む画分が、遠心分離または濾過により除去される、請求項2に記載のマトリックス。
  4. 前記劣化化合物が、コーヒー抽出液の限外濾過により除去される、請求項1に記載のマトリックス。
  5. 前記限外濾過が、分画分子量が3kDa〜100kDaの膜を使用して行われる、請求項4に記載のマトリックス。
  6. 前記限外濾過が、分画分子量が4kDa〜8kDaの膜を使用して行われる、請求項5に記載のマトリックス。
  7. 前記不活性マトリックスを生成するために除去される前記芳香劣化化合物が、フェノール化合物およびメラノイジンを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマトリックス。
  8. クロロゲン酸、クロロゲン酸ラクトン、トリゴネリン、カフェインおよびヒドロキシメチルフルフラールから選択されるいくつかの代表的なマーカーの濃度減少量を指標として、芳香劣化化合物が、前記水溶性コーヒー抽出物から除去されて前記不活性マトリックスを生じる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のマトリックス。
  9. マーカー化合物の少なくとも50%が除去される、請求項8に記載のマトリックス。
  10. マーカー化合物の少なくとも70%が除去される、請求項9に記載のマトリックス。
  11. マーカー化合物の少なくとも85%が除去される、請求項10に記載のマトリックス。
  12. コーヒー芳香捕捉用の不活性ガラス状マトリックスを調製する方法であって、
    (i)劣化化合物を除去するために、コーヒー抽出液をポリビニルポリピロリドンまたは固定化ポリビニルピロリドンで処理するステップと、
    (ii)ポリビニルポリピロリドンまたはポリビニルピロリドンを含有した画分を除去し、処理済み抽出液を残すステップと、
    (ii)前記処理済み抽出液を使用して、捕捉マトリックスを調製するステップと
    を含む方法。
  13. コーヒー芳香捕捉用の不活性ガラス状マトリックスを調製する方法であって、
    (i)劣化化合物を除去し、かつ処理済み抽出液を残すために、コーヒー抽出液を限外濾過で処理するステップと、
    (ii)前記処理済み抽出液を使用して、固体の捕捉マトリックスを調製するステップと
    を含む方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のマトリックスと、捕捉されたコーヒー芳香とを含む、固体のコーヒー芳香組成物。
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