JP2017112880A - 容器詰めコーヒー飲料、コーヒー飲料の製造方法およびコーヒー飲料の呈味改善方法 - Google Patents

容器詰めコーヒー飲料、コーヒー飲料の製造方法およびコーヒー飲料の呈味改善方法 Download PDF

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尚欣 鈴木
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Abstract

【課題】淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れた容器詰めコーヒー飲料、容器詰めコーヒー飲料の製造方法および容器詰めコーヒー飲料の呈味改善方法を提供する。【解決手段】コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液と、3−メチル−2−ブテン−1−チオールと、を含む容器詰めコーヒー飲料であって、当該容器詰めコーヒー飲料全量に対する、当該容器詰めコーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰めコーヒー飲料、コーヒー飲料の製造方法およびコーヒー飲料の呈味改善方法に関する。
非特許文献1には、淹れたてのコーヒーにおけるコーヒー本来の香り感に寄与する香気成分の1種として、3−メチル−2−ブテン−1−チオールが記載されている。しかし、3−メチル−2−ブテン−1−チオールに限られず、コーヒー本来の香味感に寄与する成分として同文献に記載されている各種香気成分は、いずれも、コーヒーを淹れた直後に短時間で消失してしまうことが知られている。
こうした事情に鑑みて、従来の容器詰めコーヒー飲料においては、淹れたてのコーヒーに近い香味感を付与すべく、たとえば、特許文献1等に記載されているコーヒーの淹れたて感賦与剤を配合することが一般的であった。
特開2008−259472号公報
Thomas Hofmann et al., J. Agric. Food Chem., 2001, 49, 2382-2386
従来の容器詰めコーヒー飲料は、淹れたてのコーヒーに近い香り感をある程度実現できている。しかし、従来の容器詰めコーヒー飲料は、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の香り感や食味という観点において、依然として、改善の余地を有していた。この要因について本発明者らが鋭意検討した結果、淹れたてのコーヒーにおいては、当該コーヒー中に極微量溶存している、背景技術の項で上述した各種香気成分が、その香り感にくわえて食味にも影響を与えている可能性があることを見出した。
そこで、本発明は、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れた容器詰めコーヒー飲料、コーヒー飲料の製造方法およびコーヒー飲料の呈味改善方法を提供する。
本発明者らは、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れた容器詰めコーヒー飲料を提供すべく鋭意検討した結果、コーヒー本来の香りに寄与する3−メチル−2−ブテン−1−チオールという成分を飲料中に所定量溶存させることが、その設計指針として有効であることを見出し、本発明に至った。なお、3−メチル−2−ブテン−1−チオールをコーヒーの食味改善および香り感の向上に利用する技術については、これまでに報告されていなかった。
また、従来の容器詰めコーヒー飲料中に溶存している上述した各種香気成分の含有量は、せいぜい数ppm程度の極微量であると考えられる。
本発明によれば、コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液と、
3−メチル−2−ブテン−1−チオールと、
を含む容器詰めコーヒー飲料であって、
当該容器詰めコーヒー飲料中に溶解している3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下である、容器詰めコーヒー飲料が提供される。
さらに、本発明によれば、コーヒー豆から前記コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を調製する工程と、
前記コーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させて、コーヒー飲料を調製する工程と、
を有し、
コーヒー飲料を調製する前記工程において、前記コーヒー飲料全量に対する、前記コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下となるように前記コーヒー飲料を調製する、コーヒー飲料の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、コーヒー豆から前記コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を調製する工程と、
前記コーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させて、コーヒー飲料を調製する工程と、
を有し、
コーヒー飲料を調製する前記工程において、前記コーヒー飲料全量に対する、前記コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下となるように前記コーヒー飲料を調製する、コーヒー飲料の呈味改善方法が提供される。
本発明によれば、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れた容器詰めコーヒー飲料、コーヒー飲料の製造方法およびコーヒー飲料の呈味改善方法を提供することができる。
<容器詰めコーヒー飲料>
本実施形態に係る容器詰めコーヒー飲料(以下、本コーヒー飲料ともいう。)は、コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液と、3−メチル−2−ブテン−1−チオールと、を含むものである。そして、本コーヒー飲料は、当該コーヒー飲料全量に対する、当該容器詰めコーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下である。こうすることで、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れたものとすることができる。
まず、本実施形態に係る容器詰めコーヒー飲料とは、1977年に制定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」にも記載されているように、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳製品、乳化された食用油脂その他の可食物を加え容器に密封した飲料のことを指す。
本発明者は、従来の容器詰めコーヒー飲料が、淹れたてのコーヒーのようなコーヒー本来の食味を実現できていない要因について鋭意検討した。その結果、本発明者は、淹れたてのコーヒーにおいては、当該コーヒー中に極微量溶存している、背景技術の項で上述した各種香気成分が、その香り感にくわえて食味にも影響を与えている可能性があることを見出した。
そこで、本発明者らは、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れた容器詰めコーヒー飲料を提供すべく、その設計指針について鋭意検討した結果、コーヒー本来の香りに寄与する3−メチル−2−ブテン−1−チオールを当該飲料中に所定量溶存させることが、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の香り感と食味を実現するために有効であることを見出した。なお、3−メチル−2−ブテン−1−チオールをコーヒーの呈味改善に利用する技術については、これまでに報告されていなかった。
本コーヒー飲料は、上述した通り、当該コーヒー飲料全量に対する3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下である。言い換えれば、本コーヒー飲料は、当該コーヒー飲料中に溶存している3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が、50ppb以上200ppb以下となるように制御したものである。こうすることで、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の呈味に優れたコーヒー飲料を実現することができる。また、3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が上記数値範囲内であることにより、本コーヒー飲料に対して、淹れたてのコーヒーにおけるコーヒー本来の香り感と食味を付与することができる。この理由としては、コーヒー中に溶存させた3−メチル−2−ブテン−1−チオールが、微量であってもコーヒー本来の香り感や食味に寄与しているものと考えられる点が挙げられる。
本コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量は、50ppb以上200ppb以下であるが、好ましくは、60ppb以上200ppb以下であり、さらに好ましくは、70ppb以上200ppb以下である。こうすることにより、より一層淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の香味感に優れたコーヒー飲料とすることが可能である。
本コーヒー飲料は、当該コーヒー飲料全量に対するナトリウムの含有量をXとし、当該コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量をYとしたとき、Y/Xの値が、好ましくは、8×10−5以上2×10−1以下であり、さらに好ましくは、1×10−4以上5×10−2以下であり、最も好ましくは、2×10−4以上5×10−3以下である。こうすることで、後味、酸味、まろやかさおよびキレ等の観点において、より一層呈味に優れたコーヒー飲料を実現することができる。この理由は、明らかではないが、本コーヒー飲料中に含まれる呈味成分の溶存状態を長期間バランスよく保持することが可能となるためであると考えられる。特に、本コーヒー飲料においては、Y/Xの値が上記数値範囲内となるように制御することで、保存時間の経過に伴い呈味成分が消失してしまうことにより、当該コーヒー飲料中の呈味成分の含有割合が低下してしまうことを抑制できているものと考えられる。
また、本コーヒー飲料全量に対するナトリウムの含有量は、好ましくは、1ppm以上600ppm以下であり、さらに好ましくは、2ppm以上500ppm以下である。こうすることで、理由は明らかではないが、より一層呈味に優れたコーヒー飲料を実現することができる。この理由は、明らかではないが、本コーヒー飲料中に含まれる呈味成分の溶存状態を長期間バランスよく保持することが可能となるためであると考えられる。
以下、本コーヒー飲料について、その構成を詳細に説明する。
本コーヒー飲料は、コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を含有することを前提としたものである。上記コーヒー抽出液としては、インスタントコーヒーやレギュラーコーヒーを使用してもよい。ここで、本実施形態において使用するコーヒー豆は、特に限定されるものではなく、生豆であっても焙煎豆であってもよい。さらに、使用するコーヒー豆の種類や産地についても、特に限定されるものではなく、たとえば、メキシコ、グアテマラ、ブルーマウンテン、クリスタルマウンテン、コスタリカ、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル・サントス、ハワイ・コナ、モカ、ケニア、キリマンジャロ、マンデリン、アラビカ種、ロブスタ種等が挙げられる。
本コーヒー飲料のpHは、4.5以上6.8以下であることが好ましく、5.0以上6.6以下であることがさらに好ましい。こうすることで、より一層味および香りのバランスに優れたものとすることができる。
本コーヒー飲料は、上述した通り、所定量の3−メチル−2−ブテン−1−チオールが当該コーヒー飲料中に溶存してなるものである。ここで、上記3−メチル−2−ブテン−1−チオールは、背景技術の項で述べたとおり、コーヒーを淹れた直後に短時間で消失してしまうことが知られている。それ故、上記3−メチル−2−ブテン−1−チオールは、本コーヒー飲料の製造時に添加剤として、当該コーヒー飲料中に溶解させる必要が有る。
本コーヒー飲料は、カフェインを含むものである。本コーヒー飲料におけるカフェインは、コーヒー豆由来のカフェインであっても、別途添加して含有させたものであってもよい。
本コーヒー飲料中のカフェイン含有量は、0.2g/L以上1.0g/L以下であることが好ましく、0.3g/L以上0.8g/L以下であるとさらに好ましい。こうすることで、風味の経時安定性に優れたコーヒー飲料を実現することができる。
また、本実施形態においては、1または2以上の乳分を含有させてもよい。コーヒー飲料に含有させる乳分は、特に限定されないが、たとえば、生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、部分脱脂乳、練乳、粉乳、発酵乳等が挙げられる。
また、本実施形態においては、1または2以上の甘味成分を含有させてもよい。コーヒー飲料に含有させる甘味成分は、特に限定されないが、砂糖などの糖類、マルチトール、エリスリトールなどの糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物、ネオテーム、サッカリン、スクラロース等の高甘味度甘味料等が挙げられる。
また、本実施形態においては、1または2以上の香味成分を含有させてもよい。コーヒー飲料に含有させる香味成分は、特に限定されないが、香料、動植物エキス等が挙げられる。
また、本実施形態においては、1または2以上の抗酸化剤を含有させてもよい。コーヒー飲料に含有させる抗酸化剤は、特に限定されないが、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、本実施形態においては、1または2以上のpH調整剤を含有させてもよい。コーヒー飲料に含有させるpH調整剤は、特に限定されないが、炭酸カリウム、重曹、水酸化カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。
また、本実施形態においては、1または2以上の酸味料を含有させてもよい。コーヒー飲料に含有させる酸味料は、特に限定されないが、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、又はそれらの塩類等が挙げられる。
以上に説明した成分の他にも、本発明の目的を損なわない範囲で各種栄養成分、抽出物、着色剤、希釈剤等の食品添加物を添加することもできる。
<容器詰めコーヒー飲料の製造方法>
次に、本コーヒー飲料の製造方法を説明する。
本コーヒー飲料の製造方法は、コーヒー豆からそのコーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を調製する工程と、上記コーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させて、コーヒー飲料を調製する工程と、を有する。そして、本コーヒー飲料の製造方法は、上記コーヒー飲料を調製する工程において、コーヒー飲料全量に対する当該コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下となるように調製することを特徴としている。なお、上述した容器詰めコーヒー飲料の製造工程においては、得られた飲料を殺菌する工程を含んでいてもよい。
本コーヒー飲料は、上述した通り、コーヒーを淹れた直後に短時間で消失してしまうことが知られている3−メチル−2−ブテン−1−チオールが当該コーヒー飲料中に特定量溶存してなるものである。しかしながら、このようなコーヒー飲料は、従来の塩基性アミノ酸含有コーヒー飲料を製造する方法により得ることは困難である。具体的に、本コーヒー飲料は、コーヒー豆から調製したコーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させる手法に係る条件を制御することで初めて得ることができる。
<容器詰めコーヒー飲料の品質改善方法>
淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の香り感や食味という面において品質を改善した容器詰めコーヒー飲料を実現するためには、コーヒー豆から上記コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を調製する工程と、上記コーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させて、コーヒー飲料を調製する工程とを含む方法を採用することが重要である。特に、かかる方法における上記コーヒー飲料を調製する工程において、コーヒー飲料全量に対する当該コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下となるように工夫する必要がある。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<コーヒー抽出液の調製>
L値が21.6となるように焙煎した粉砕コーヒー豆を用いて、以下の手法でコーヒー抽出液を調製した。
まず、ペーパーフィルターをセットしたドリッパー内に、上記粉砕コーヒー豆45gを充填した。次いで、90℃以上に加熱した熱水をドリッパー内に充填し、当該ドリッパー内に充填した粉砕コーヒー豆からコーヒー抽出液を得る操作を6回繰り返すことにより、合計4100gのコーヒー抽出液を得た。
<実施例1〜6および比較例1〜2に係る容器詰めコーヒー飲料の作製>
まず、調製した上記コーヒー抽出液の内、2000gのコーヒー抽出液を他の容器に移した。この2000gのコーヒー抽出液に対して、当該抽出液全量に対する濃度が0.5g/Lとなるように炭酸水素ナトリウムを溶解させた。
以降、炭酸水素ナトリウムを溶解させたコーヒー抽出液を、抽出液Aとし、調製した上記コーヒー抽出液の内、上記抽出液Aの調製に使用しなかった残りの抽出液を抽出液Bと称して説明する。
次に、抽出液Aおよび抽出液Bを、それぞれ400mLずつ容器に分注した。そして、飲料全量に対する、3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が、下記表に示す値となるように、分注した各抽出液(抽出液Aまたは抽出液B)に対して、1000ppbの3−メチル−2−ブテン−1−チオールを所定量添加することにより、当該抽出液中に3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解混合させた。
その後、75℃以上となるように加熱した各抽出液を190g缶に充填・密封した後、レトルト殺菌を行うことにより、各実施例および比較例に係る容器詰めコーヒー飲料を作製した。
得られた各コーヒー飲料について、以下に示す評価を行った。なお、以下の評価に用いたコーヒー飲料は、室温で評価に供した。
・3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量(Y):コーヒー飲料全量に対する、当該コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量は、添加量で示した。なお、単位は、ppbである。
・ナトリウム含有量(X):コーヒー飲料全量に対する、当該コーヒー飲料中のナトリウム含有量は、原子吸光法を用いて測定した。なお、単位は、ppmである。
pH:各実施例および各比較例に係るコーヒー飲料について、それぞれ20℃でのpHを測定した。
・官能評価試験1(おいしさ):各実施例および各比較例に係る開封直後のコーヒー飲料のそれぞれについて、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲したコーヒー飲料それぞれについて、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験1に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
7点:おいしい
6点:ややおいしい
5点:どちらかといえばおいしいと思う
4点:どちらともいえない
3点:どちらかといえばおいしくないと思う
2点:ややおいしくない
1点:おいしくない
・官能評価試験2(ボディ感の強さ):各実施例および各比較例に係る開封直後のコーヒー飲料のそれぞれについて、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲したコーヒー飲料それぞれについて、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験2に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
7点:ボディ感が強い
6点:ボディ感がやや強い
5点:どちらかといえばボディ感がわずかに強い
4点:どちらともいえない
3点:どちらかといえばボディ感がわずかに弱い
2点:ボディ感がやや弱い
1点:ボディ感が弱い
・官能評価試験3(香りの強さ):各実施例および各比較例に係る開封直後のコーヒー飲料のそれぞれについて、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲したコーヒー飲料それぞれについて、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験3に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
7点:香りが強い
6点:香りがやや強い
5点:どちらかといえば香りがわずかに強い
4点:どちらともいえない
3点:どちらかといえば香りがわずかに弱い
2点:香りがやや弱い
1点:香りが弱い
・官能評価試験4(苦味の強さ):各実施例および各比較例に係る開封直後のコーヒー飲料のそれぞれについて、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲したコーヒー飲料それぞれについて、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験4に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
7点:苦味が強い
6点:苦味がやや強い
5点:どちらかといえば苦味がわずかに強い
4点:どちらともいえない
3点:どちらかといえば苦味がわずかに弱い
2点:苦味がやや弱い
1点:苦味が弱い
・官能評価試験5(コーヒー感の強さ):各実施例および各比較例に係る開封直後のコーヒー飲料のそれぞれについて、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲したコーヒー飲料それぞれについて、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験5に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
7点:コーヒー感が強い
6点:コーヒー感がやや強い
5点:どちらかといえばコーヒー感がわずかに強い
4点:どちらともいえない
3点:どちらかといえばコーヒー感がわずかに弱い
2点:コーヒー感がやや弱い
1点:コーヒー感が弱い
上記評価項目に関する評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2017112880
表1に示した通り、各実施例のコーヒー飲料は、各比較例のコーヒー飲料と比べて、淹れたてのコーヒーに近いコーヒー本来の香り感や食味を示すものであった。

Claims (5)

  1. コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液と、
    3−メチル−2−ブテン−1−チオールと、
    を含む容器詰めコーヒー飲料であって、
    当該容器詰めコーヒー飲料全量に対する、当該容器詰めコーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下である、容器詰めコーヒー飲料。
  2. 当該容器詰めコーヒー飲料全量に対するナトリウムの含有量をXとし、当該容器詰めコーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量をYとしたとき、Y/Xの値が、8×10−5以上2×10−1以下である、請求項1に記載の容器詰めコーヒー飲料。
  3. 当該容器詰めコーヒー飲料のpHが、4.5以上6.8以下である、請求項1または2に記載の容器詰めコーヒー飲料。
  4. コーヒー豆から前記コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を調製する工程と、
    前記コーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させて、コーヒー飲料を調製する工程と、
    を有し、
    コーヒー飲料を調製する前記工程において、前記コーヒー飲料全量に対する、前記コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下となるように前記コーヒー飲料を調製する、コーヒー飲料の製造方法。
  5. コーヒー豆から前記コーヒー豆に由来するコーヒー成分を含むコーヒー抽出液を調製する工程と、
    前記コーヒー抽出液に対して3−メチル−2−ブテン−1−チオールを溶解させて、コーヒー飲料を調製する工程と、
    を有し、
    コーヒー飲料を調製する前記工程において、前記コーヒー飲料全量に対する、前記コーヒー飲料中の3−メチル−2−ブテン−1−チオールの含有量が50ppb以上200ppb以下となるように前記コーヒー飲料を調製する、コーヒー飲料の呈味改善方法。
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