JP2017163864A - 容器詰め濃縮コーヒー飲料 - Google Patents
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1−1.コーヒー飲料
本明細書でいう「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用した飲料を意味する。また、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料は、飲用時に任意の希釈液で適宜希釈して飲む飲料であることが好ましい。そのため、ある態様では、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料は濃縮コーヒー飲料である。なお、本明細書において「濃縮コーヒー飲料」とは、希釈せずに飲用される一般的なコーヒー飲料よりも、飲料中のコーヒー固形分濃度が高いものをいう。
本実施の形態に係る発明における「コーヒー固形分」とは、原料となるコーヒー抽出液(コーヒーエキスやインスタントコーヒーを溶解させた溶液を含む)の固形分を20℃における糖用屈折計示度(Brix値)より求めた質量(g)をいう。具体的には、糖用屈折計(アタゴRX−5000等)を用いてコーヒー抽出液の糖用屈折計示度(Brix値)を測定し、これに、測定に使用したコーヒー抽出液量(g)を乗ずることによって、コーヒー固形分(g)を算出する。また、本実施の形態に係る発明におけるコーヒー固形分の濃度とは、上で求められたコーヒー固形分(g)の、コーヒー飲料に対する濃度(重量%)をいう。本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料において、コーヒー固形分の濃度は特に限定されないが好ましくは2.0〜20重量%、より好ましくは3.0〜15重量%、さらにより好ましくは4.0〜12重量%である。一般的なコーヒー飲料のコーヒー固形分濃度(1.0〜1.5重量%程度)と比較して、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料のコーヒー固形分濃度は高いため、湯、水又は牛乳などで希釈した場合でも、コーヒー特有の香りや味わいを維持できる。また、前述の通りコーヒー固形分濃度が高いため、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料の一態様は濃縮コーヒー飲料である。
本明細書において濁度は、コーヒー飲料のコーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際のOD680nmにおける吸光度を意味する。本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料では、コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度が0.05〜0.38であり、0.10〜0.37であることが好ましく、0.15〜0.36であることがより好ましく、0.20〜0.35であることがさらにより好ましく、0.20〜0.30であることが特に好ましい。本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料の濁度を前記のような範囲にすることで、希釈液で希釈した場合にもフレッシュな味わいを感じることができ、特に乳で希釈する場合にはコーヒー特有の香りなどとミルク感とのバランスの点でも好ましい。
コーヒー飲料特有の香りや厚みある味わいを維持させるために、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料には、カフェインを含有させることが好ましいが、カフェイン含有量が高いと、本実施の形態に係る発明の効果を低下させることがある。本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料におけるカフェインの含有量は、飲料100gに対して100〜500mgが好ましく、100〜300mgがより好ましく、150〜300mgがさらにより好ましく、180〜250mgが特に好ましい。
本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料は、所定の範囲内のpHを有することが好ましい。pHの調整には一般的なpH調整剤を使用することができ、そのようなpH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基や、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、L−アスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸のナトリウム又はカリウム塩、および、その他食品衛生法上使用可能なpH調整剤又は酸味料が挙げられる。また、pHの異なるコーヒー抽出液を混合することにより所定のpHに調整することも可能である。
上記成分の他、本実施の形態に係る発明の効果を損なわない限りで、甘味料(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元デンプン糖化物、ステビア、グリチルリチン、タウマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ズルチンなど)、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、香料(コーヒーフレーバーなど)等を適宜配合することができる。
ある態様では、本実施の形態に係る発明はコーヒー飲料の製造方法である。当該製造方法は、コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)が0.05〜0.38であり、かつカフェインの濃度をコーヒー固形分の濃度で除した値(カフェイン濃度/コーヒー固形分濃度)が5×10−3〜100×10−3であるコーヒー飲料を製造できるものであれば特に限定されない。例えば、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料の製造方法は、(A)コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)が0.05〜0.38となるように、飲料中のコーヒー固形分の濃度を調整する工程、(B)カフェインの濃度をコーヒー固形分の濃度で除した値(カフェイン濃度/コーヒー固形分濃度)が5×10−3〜100×10−3となるように、飲料中のカフェイン及びコーヒー固形分の濃度を調整する工程、を含むものである。また、本実施の形態に係る発明のコーヒー飲料の製造方法には、さらに(C)得られた飲料を容器に充填する工程を含めてもよい。
コーヒー固形分濃度やカフェイン濃度などの異なるコーヒー飲料をサンプル飲料として調製した。調製したサンプル飲料は表1及び2に記載の通り、比較例1〜9、実施例1〜6及び市販品1〜5である。また、比較例1〜9、実施例1〜5及び市販品1〜3は無糖飲料であり、実施例6及び市販品4〜5は有糖飲料である。なお、本実施の形態に係る発明の「コーヒー飲料」は、コーヒー分を原料として使用した飲料を意味し、特に飲用時に任意の希釈液で希釈して飲む飲料であることが好ましい。そのため、ある態様では、本実施の形態に係る発明の「コーヒー飲料」はコーヒー固形分濃度が高いもの、特に濃縮コーヒー飲料であることが好ましい。
各サンプル飲料のBrix値は糖用屈折計を用いて測定した。また、コーヒー固形分濃度の測定は、前記Brix値にコーヒー飲料の製造に用いたコーヒー抽出液量(g)を乗じてコーヒー固形分(g)を算出し、当該コーヒー固形分(g)のコーヒー飲料に対する濃度(重量%)を算出して求めた。
カフェイン濃度は、各サンプル飲料を移動相Aで10倍希釈(w/w)した後、メンブランフィルター(ADVANTEC製 Cellulose Acetate 0.45μm)で濾過し、HPLCに注入して定量した。HPLCの測定条件は以下の通りである。
・カラム:TSK-gel ODS-80TsQA(4.6mmφx150mm、東ソー株式会社)
・移動相:A:水:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
B:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=1000:0.5
・流速:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・グラディエント条件;分析開始から5分後まではA液100%保持、
5分から10分まででB液7.5%、
10分から20分まででB液10.5%、
20分から32分までB液10.5%保持、
32分から45分まででB液26.3%、
45分から46分まででB液75.0%、
46分から51分までB液75.0%保持、
51分から52分まででB液0%
52分から58分までB液0%保持、
・注入量:5.0μl
・検出波長:280nm
・リテンションタイム:19.3分
・標準物質:カフェイン(無水)(ナカライテスク株式会社)
<濁度の測定>
各サンプル飲料におけるコーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)を、島津製作所製 SHIMADZU UV-VISIBLE SPECTROPHOTO METER UV-1700(角セル)を用いて測定した。
各サンプル飲料を水又はミルクで4倍希釈した飲料について、専門パネラーによる官能評価を実施した。その際、水で希釈した飲料については「コーヒーらしい焙煎香」を基準に、ミルクで希釈した飲料については「コーヒーらしい焙煎香」及び「ミルク甘さ」を基準にコーヒー特有の香り、味わい、キレなどを評価した。官能評価は7点満点で行い、5点以上が好ましいものとした。
Claims (13)
- コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)が0.05〜0.38であり、
カフェインの濃度をコーヒー固形分の濃度で除した値(カフェイン濃度/コーヒー固形分濃度)が5×10−3〜100×10−3である、容器詰めコーヒー飲料。 - コーヒー固形分の濃度が2.0〜20重量%である、請求項1に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- コーヒー飲料が濃縮コーヒー飲料である、請求項1又は2に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)(X)と、カフェインの濃度をコーヒー固形分の濃度で除した値(Y)が、Y≦500Xを満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)が0.10〜0.37である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- カフェインの濃度をコーヒー固形分の濃度で除した値が10×10−3〜60×10−3である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- カフェインの濃度が100〜300mg/100gである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- pHが5.0〜6.0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- 加熱滅菌された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- ホットパック充填法によって充填された、請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- 容器が、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、及び紙容器からなる群から選択されるものである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- 湯、水、及び乳からなる群から選択される1以上を添加して飲用されるものである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
- 容器詰めコーヒー飲料の製造方法であって、
(A)コーヒー固形分の濃度を1.0重量%に調整した際の濁度(OD680nmにおける吸光度)を0.05〜0.38に調整する工程、
(B)カフェインの濃度をコーヒー固形分の濃度で除した値(カフェイン濃度/コーヒー固形分濃度)を5×10−3〜100×10−3に調整する工程、及び、
(C)得られた飲料を容器に充填する工程、
を含む、前記製造方法。
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