JP6627005B1 - 容器詰コーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、風味の低下が抑制された容器詰コーヒー飲料を提供することを目的とする。【解決手段】0.3〜3.0質量%のコーヒー固形分を含有するコーヒー飲料において、0.1〜2.0mg/100mLの1−デオキシノジリマイシンを含有させる。【選択図】なし

Description

本発明は、特定量の1−デオキシノジリマイシンを含有する容器詰コーヒー飲料に関し、より詳細には、コーヒーの風味の低下が抑制された容器詰コーヒー飲料に関する。
コーヒーは、香りや風味はとても繊細で不安定なものであり、抽出直後の高い香りと風味は時間の経過とともに変化し、長時間保持できるものではない。工業的なコーヒー飲料の製造ではコーヒー豆と加熱水が接触する時間が長く、また、常温での長期保存のために過酷な加熱殺菌がなされることから、コーヒー特有の優れた香りが消失し、風味も大きく変化する。そのため、工業的に製造される容器詰めコーヒー飲料は、家庭等で淹れたレギュラーコーヒーと香りや風味の点で顕著な差がある。そこで、加熱工程によるコーヒーの風味の低下、及び劣化を抑制する方法として、エマルジョン化されたコーヒーオイルを添加する方法(特許文献1)や、ピラジン類とN−フルフリルピロールの含有量を一定割合に調整した抽出液を使用する方法(特許文献2)、コーヒー抽出時及び抽出後に活性炭を添加したコーヒー抽出液を使用する方法(特許文献3)が報告されている。
一方、1−デオキシノジリマイシンは桑の葉等の植物に含まれているイミノ糖の一種であり、血糖値抑制効果があることが報告されている。1−デオキシノジリマイシン等の糖類似アルカロイドは、飲食物に添加する場合に風味を損なうという欠点があることが知られている(特許文献4)。しかしながら、1−デオキシノジリマイシンや桑の葉茶抽出物を配合したコーヒー飲料に関しては、報告はない。
特開2001−086933号公報 特開2011−125288号公報 特開平7−313063号公報 特開平9−140351号公報
本発明は、加熱殺菌などによる風味の低下が抑制された容器詰コーヒー飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定量の1−デオキシノジリマイシンが、コーヒー飲料の風味の低下を抑制するのに優れた効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明における風味とは、コーヒー特有の優れた香りの強度のことを言う。本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
(1) 飲料中のコーヒー固形分含有量が0.3〜3.0重量%、1−デオキシノジリマイシン含有量が0.1〜2.0mg/100mLである、容器詰コーヒー飲料。
(2) ブラックコーヒーである、(1)に記載の容器詰コーヒー飲料。
(3) 加熱殺菌済の飲料である、(1)または(2)に記載の容器詰コーヒー飲料。
本発明により、加熱殺菌などに伴う風味の低下が抑制されるので、香気豊かな嗜好性の高い、常温で長期間保管可能な容器詰コーヒー飲料を提供することが可能となる。
本発明の一態様は、コーヒー固形分と1−デオキシノジリマイシンとを含有する容器詰コーヒー飲料であって、コーヒー固形分含有量が0.3〜3.0重量%、1−デオキシノジリマイシン含有量が0.1〜2.0mg/100mLである、容器詰コーヒー飲料である。
(コーヒー飲料)
本発明において「コーヒー飲料」とは、特に断りがない限り、コーヒー分を原料として製造される飲料を意味する。コーヒー飲料の製品の種類や規格は、特に限定されないが、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」、「コーヒー飲料」及び「コーヒー入り清涼飲料」等が含まれる。コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0重量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これも、本発明のコーヒー飲料に含まれる。また、カフェインを90%以上除去したコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分のみを使用した「コーヒー入り清涼飲料(カフェインレス)」に関しても、本発明のコーヒー飲料に含まれる。
希釈して飲用する濃縮タイプのコーヒーについては、飲用時の形態が、本発明のコーヒー飲料に含まれる。
本明細書において「コーヒー分」とは、コーヒー豆由来の成分を含有する液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した液も、コーヒー分として挙げられる。
本発明において用いられる原料のコーヒー豆の栽培樹種は、特に限定されず、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種などが挙げられ、また、品種名も特に限定されず、モカ、ブラジル、コロンビア、グアテマラ、ブルーマウンテン、コナ、マンデリン、キリマンジャロなどが挙げられる。焙煎の度合い(浅煎り、中煎り、深煎りの順に基本的に3段階で表現される)についても特に限定されず、また、コーヒーの生豆も用いることができる。さらに、複数品種のコーヒー豆をブレンドして用いることもできる。コーヒー豆の焙煎方法に関して、焙煎温度や焙煎環境に特に制限はなく、通常の方法を採用できる。さらに、その焙煎コーヒー豆からの抽出方法についても何ら制限はなく、例えば焙煎コーヒー豆を粗挽き、中挽き、細挽き等に粉砕した粉砕物から水や温水(0〜200℃)を用いて抽出する方法が挙げられる。抽出方法は、ドリップ式、サイフォン式、ボイリング式、ジェット式、連続式などがある。
本発明のコーヒー飲料におけるコーヒー分の含有量は、「コーヒー固形分」の量として表される。本発明において「コーヒー固形分」とは、コーヒー分を一般的な乾燥法(凍結乾燥、蒸発乾固など)を用いて乾燥させて水分を除いた後の、乾固物の重量のことをいう。すなわち、コーヒー飲料におけるコーヒー固形分は、コーヒー飲料に含まれ得る可溶性固形分のうち、乳分、甘味成分、pH調整剤、香料等のコーヒー豆に由来しない成分を除いた固形分をいう。本発明では、コーヒー抽出液中のコーヒー固形分の含有量は、コーヒー抽出液のBrix(%)に相当し、当該Brixは、糖度計(糖用屈折計)を用いて測定することができる。
本発明のコーヒー飲料におけるコーヒー固形分の含有量は0.3〜3.0重量%である。近年、容器詰コーヒー飲料として、コーヒー本来の風味を楽しむことを目的に、コーヒー固形分が比較的多量のものが多く流通されており、このようなコーヒー固形分が多いコーヒー飲料は、加熱処理などに伴う風味の低下が顕著になる。特に、乳分や甘味成分などコーヒー分以外の成分を含まないブラックコーヒーにおいては、その風味の低下がより顕著に知覚される傾向がある。したがって、本発明の所期の効果の大きさから、コーヒー固形分の含有量は3.0重量%以下、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは1.7重量%以下である。一方、コーヒー固形分が少ないと風味の低下という課題が顕在化しないことから、コーヒー固形分の含有量は0.3重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは0.7重量%以上である。
(1−デオキシノジリマイシン)
本発明は、コーヒー飲料の風味の低下を、1−デオキシノジリマイシンを用いることによって抑制するものである。ここで、1−デオキシノジリマイシン(1-Deoxynojirimycin)とは、桑の葉等に含まれているイミノ糖の一種であって、別名はモラノリン、1,5-Dideoxy-1,5-imino-D-glucitolとも称され、そのCAS登録番号は19130−96−2である。
本発明のコーヒー飲料は、0.1〜2.0mg/100mLの1−デオキシノジリマイシンを含有する。コーヒー飲料中の1−デオキシノジリマイシン含有量が0.1mg/100mL以上あると、コーヒー飲料の風味の低下を効果的に抑制し、コーヒー飲料の香味改善を図ることができる。コーヒー飲料中の1−デオキシノジリマイシンの含有量は0.17mg/100mL以上が好ましく、0.2mg/100mL以上がより好ましい。
1−デオキシノジリマイシン等の糖類似アルカロイドは、飲食物に添加する場合に風味を損なうという欠点があることが知られている(特許文献4、段落0003参照)。本発明者らは、1−デオキシノジリマイシンを高濃度に含有するコーヒー飲料では、飲用後半に嫌な後味が残り易いことを見出した。ここで、嫌な後味とは、ざらざらとした舌触りをいう(以下、後味の雑味とも表記する)。この1−デオキシノジリマイシンの後味の雑味は、本発明の所期の効果である飲用時に感じられる風味の良いコーヒー飲料の嗜好性を低下させることがある。嫌な後味が残りにくく、口中におけるスッキリ感に優れるという観点から、コーヒー飲料中の1−デオキシノジリマイシン含有量の上限は、2.0mg/100mLである。コーヒー飲料中の1−デオキシノジリマイシン含有量は1.5mg/100mL以下が好ましく、1.0mg/100mL以下がより好ましい。飲料中の1−デオキシノジリマイシンの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて測定することができる。
本発明で使用する1−デオキシノジリマイシンは、桑科植物などの植物から抽出単離されたものに限定されず、化学的合成法、発酵法で得られる物質、微生物生産物であっても使用することができる。1−デオキシノジリマイシンの市販品としては、和光純薬より販売されているものが挙げられる。
また、本発明で使用する1−デオキシノジリマイシンは、桑科植物などの植物抽出物の形態で用いることができる。桑科植物としては、ヤマグワ(Morus bombycis Koidzumi)、マグワ(Morus alba L.)、シマグワ(Morus australis Poir)、ロソウ(Morus latifolia Poir.)、モウコグワ(Morus mongolica Schneid)、クロミグワ(Morus nigra L.)、アカミグワ(Morus rubra L.)、オガサワラグワ(Morus boninensis Koidzumi.)などを用いることができ、またこれらの交配種や変種を用いることもできる。使用する部位はなんら限定されるものではなく、葉、枝条、若枝、樹皮、幹、根、根皮、花、桑椹などを使用することができる。桑科植物抽出物としては、例えば、トヨタマ健康食品株式会社の桑の葉エキスパウダー、殺菌桑葉粉末等が挙げられる。
植物抽出物を用いる場合、本発明の作用効果を効果的に得るため、またコーヒー飲料としての嗜好性を損なわないために、1−デオキシノジリマイシン濃度が高められた植物抽出物を用いることが好ましい。以下、1−デオキシノジリマイシン含有の桑葉抽出物を得る方法を例示する。まず、桑葉の乾燥物に含水エタノールなどのアルコール類を加えて抽出する。1−デオキシノジリマイシンは、乾燥桑葉中に少量(0.1〜0.2重量%程度)しか含まれていないため、効率よく抽出するために、アルコール類を加えた抽出が好ましい。抽出液は、遠心分離器にかけて不溶物を除去し、減圧濃縮することで桑葉抽出物を得ることができる。この抽出物中には1−デオキシノジリマイシンが通常、0.4〜1重量%含まれる。
飲料中の1−デオキシノジリマイシンは、HPLC(高速液体クロマトグラフ)を用いて、例えば、下記の条件で定量することができる。必要に応じて、飲料サンプルを減圧濃縮してから分析に供してもよい。
(HPLC測定条件)
・カラム:TSKgel Amide-80, φ4.6mm×250mm, 粒径5μm
・移動相:水、アセトニトリル及び酢酸の混液
・流量:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・イオン化法:エレクトロスプレー(正イオン検出モード)
・設定質量数(m/z):164.0→109.9
(その他の成分)
本発明のコーヒー飲料では、上記成分の他、本発明の効果を損なわない限りで、甘味料(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元デンプン糖化物、ステビア、グリチルリチン、タウマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ズルチンなど)、酸化防止剤(ビタミンC、エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、カゼインNa、香料(コーヒーフレーバー、ミルクフレーバーなど)等を適宜配合することができる。
乳分を含まないブラックコーヒーにおいては、その風味の低下が顕在化しやすいところ、本発明によって風味の低下を効果的に抑制できるため、本発明に係るコーヒー飲料は、乳分を含まないブラックコーヒーであることが好ましい。本発明の容器詰コーヒー飲料のpHは、香味及び保存安定性の観点から、好ましくはpH4.5〜7.0であり、より好ましくはpH5.0〜6.5、さらに好ましくはpH5.5〜6.0である。
(容器詰飲料)
本発明の容器詰飲料に使用される容器は、特に制限されず、一般的な容器を使用することができる。樹脂製容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)を好適な例として挙げることができる。樹脂製容器の他にも、例えば、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などを挙げることができ、このような容器に密閉した形態で提供することができる。容量は、特に限定されないが、例えば150mL〜1000mLであり、好ましくは190mL〜800mLである。
上述のとおり、本発明は、容器詰コーヒー飲料の風味低下を効果的に抑制するものである。本発明における加熱殺菌の条件は、例えば、食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択することができ、具体的には、60〜150℃、好ましくは90〜150℃、より好ましくは110〜150℃で、1秒間〜60分間、好ましくは1秒間〜30分間とすることができる。容器として耐熱性容器(金属缶、ガラス等)を使用する場合には、レトルト殺菌(110〜140℃、1〜数十分間)を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器(PETボトル、紙容器等)を用いる場合は、例えば、調合液を予めプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後(UHT殺菌:110〜150℃、1〜数十秒間)し、一定の温度まで冷却した後、容器に充填することができる。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:コーヒー飲料の製造と評価(参考例)
コーヒー濃縮エキス(Brix47%)を使用し、水を添加して表1の通りのコーヒー固形分含有量となるようにコーヒー飲料を調製した。得られたコーヒー飲料を缶容器に充填し、加熱殺菌処理(120〜125℃、5〜15分)をし、容器詰コーヒー飲料を製造した(サンプル1−1〜1−5)。
得られた容器詰コーヒー飲料について、殺菌後の風味の低下をパネル3名にて、1〜3点の3段階評価法にて評価した。具体的には、同量のコーヒー固形分含有量の未殺菌サンプルをコントロールとし、下記の基準に基づいて各パネルが評価した上で、全員で自由討議し、全員の合意のもとに整数値で評点を決定した。なお、パネラー間では、未殺菌サンプルを含む評価基準となるサンプルを使用して、コーヒー特有の優れた香り(風味)の強度とそれに対応する点数との関係を確認し、点数付けがなるべく共通化するようにしてから評価試験を実施した。
・3点:風味の低下が極めて大きい
・2点:風味の低下を感じる。課題がある
・1点:風味の低下をほとんど感じない。
官能評価結果を表1に示す。コーヒー飲料中のコーヒー固形分含有量が0.3質量%以上の容器詰コーヒー飲料において、加熱殺菌処理による風味の低下が確認された。
Figure 0006627005
実験2:コーヒー飲料の製造と評価(1)
実験1で得られた種々のコーヒー固形分含有量のコーヒー飲料に、1−デオキシノジリマイシンを配合し、実験1と同様に、加熱殺菌処理をし、容器詰コーヒー飲料を製造した。1−デオキシノジリマイシンとしては合成品(富士フイルム和光純薬、純度98%)を使用し、下表に示す含有量となるようにコーヒー飲料に配合した。
得られた容器詰コーヒー飲料について、パネル3名にて、1〜5点の5段階評価法にて評価した。各実施例について、コーヒー固形分が同量含まれており、かつ1−デオキシノジリマイシンが含まれていない比較例をコントロールとして、殺菌によって低下した風味がどの程度改善されているのかを評価した。下記の基準に基づいて各パネルが評価した上で、全員で自由討議し、全員の合意のもとに整数値で評点を決定した。なお、パネラー間では、未殺菌サンプルを含む評価基準となるサンプルを使用して、コーヒー特有の優れた香り(風味)の強度とそれに対応する点数との関係を確認し、点数付けがなるべく共通化するようにしてから評価試験を実施した。
・5点:風味の低下が大きく改善されている
・4点:風味の低下が改善されている
・3点:風味の低下がやや改善されている
・2点:風味の低下がほとんど改善されていない
・1点:風味の低下が全く改善されていない
官能評価結果を表2に示す。コーヒー飲料に1−デオキシノジリマイシンを添加することにより、容器詰コーヒー飲料における風味の低下を抑制できた。なお、コーヒー固形分含有量が4.0質量%を超えると、コーヒーの味が強くなり、本発明による効果が感じられにくくなった。
Figure 0006627005
実験3:コーヒー飲料の製造と評価(2)
実験1で得られた1.0質量%のコーヒー固形分を含有するコーヒー飲料に、1−デオキシノジリマイシンを配合し、実験1と同様に加熱殺菌処理し、容器詰コーヒー飲料を製造した。1−デオキシノジリマイシンとしては合成品(富士フイルム和光純薬、純度98%)を使用し、下表に示す含有量となるようにコーヒー飲料に配合した。
実験2と同様にして官能評価試験により、殺菌によって低下した風味がどの程度改善されているのかを評価した。結果を表3に示すが、表から明らかなとおり、1−デオキシノジリマイシンをコーヒー飲料100mLあたり0.1mg以上配合することで、加熱殺菌後の飲料における風味の低下を抑制できた。特に、1−デオキシノジリマイシンを0.2mg/100mL以上配合すると、コーヒー飲料の風味が特に優れたものとなった。
一方、1−デオキシノジリマイシンの含有量が3.0mg/100mLであるサンプル3−9では、風味の低下は抑制されたものの、1−デオキシノジリマイシンのザラザラと舌に残る後味の雑味がやや感じられた。
Figure 0006627005
実験4:コーヒー飲料の製造と評価(3)
実験1と同様にして0.5質量%のコーヒー固形分を含有する含有するコーヒー飲料を調製し、そこに1−デオキシノジリマイシン0.5mg/100mLを添加し、pH調整剤として炭酸水素ナトリウム120mg/100mLをさらに添加してコーヒー飲料を調製した。次いで、飲料を容器に充填し、加熱殺菌処理(120〜125℃、5〜15分)をして加熱殺菌済の容器詰コーヒー飲料を製造した。容器詰飲料のpHは5.8であった。
実験2と同様にして官能評価試験により、殺菌によって低下した風味がどの程度改善されているのかを評価した。結果を表4に示すが、表から明らかなとおり、炭酸水素ナトリウムを混合した容器詰コーヒー飲料においても、本発明に基づいて1−デオキシノジリマイシンをコーヒー飲料に配合することによって、優れた容器詰コーヒー飲料を得ることができた。
Figure 0006627005

Claims (3)

  1. 飲料中のコーヒー固形分含有量が0.3〜3.0重量%、1−デオキシノジリマイシン含有量が0.1〜2.0mg/100mLである、加熱殺菌済の容器詰コーヒー飲料。
  2. ブラックコーヒーである、請求項1に記載の容器詰コーヒー飲料。
  3. 加熱殺菌工程を含む、加熱殺菌済の容器詰コーヒー飲料の製造方法であって、
    飲料中のコーヒー固形分含有量が0.3〜3.0重量%、1−デオキシノジリマイシン含有量が0.1〜2.0mg/100mLである、上記方法。
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