JP6638123B1 - 1−デオキシノジリマイシンを含む飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高濃度に1−デオキシノジリマイシンを含有するにもかかわらず、後味が良好な容器詰飲料を提供することを目的とする。【解決手段】飲料100mLあたり0.1〜0.75mgの1−デオキシノジリマイシンを含有する可溶性固形分2.0以下の容器詰飲料において、0.05〜15mg/100mLのマグネシウムおよび/またはカルシウムを配合する。【選択図】なし

Description

本発明は、1−デオキシノジリマイシンを含有する飲料に関し、特に1−デオキシノジリマイシンに由来する特有の後味の雑味が感じられにくい飲料に関する。
1−デオキシノジリマイシンは桑の葉等の植物に含まれているイミノ糖の一種であり、血糖値抑制効果があることが報告されている。近年、桑の葉の生理活性に着目し、桑の葉抽出物を配合した食品や飲料が種々報告されている。例えば、桑の葉及びアガリクス抽出混合物を含む健康食品(特許文献1)、海藻抽出物及び桑の葉を含む種々の薬草木の抽出物からなる組成物(特許文献2)が報告されている。また、1−デオキシノジリマイシン等の糖類似アルカロイドは、飲食物に添加する場合に風味を損なうという欠点があることが知られている(特許文献3)。
一方、マグネシウムで香味改善した飲料について、特許文献3には乳酸の後味改善、特許文献4には、イヌリンに由来する甘味を感じられにくい無色透明な飲料、について記載されている。
特開2001−213798号公報 特開2006−36681号公報 特開平9−140351号公報 特開2018−99106号公報 特開2018−77729号公報
近年、消費者の健康意識や天然、自然志向を背景にフレーバードウォーターの人気が高まっている。フレーバードウォーターとは、水に香料やエキス、果汁などの原料を加えた飲料で、ニアウォーターとも呼ばれる飲料である。フレーバードウォーターのような飲料は、一般にすっきりとした味わいを有しており、水と同程度、或いはそれ以上に飲みやすいという特徴を有している。しかしながら、本発明者らによる1−デオキシノジリマイシンの飲料への利用検討において、フレーバードウォーターのようなすっきりとした味わいの飲料では、1−デオキシノジリマイシンに起因する嫌なざらざらとした舌触りが残り、嗜好性が低下することを見出した。本明細書においては「後味の雑味」とも記載するが、これは、「苦味」や「渋味」「えぐみ」とは異なるものである。
そこで本発明は、1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味が低減された飲料を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らは鋭意検討した結果、飲料における1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味改善に関して、所定量のマグネシウムやカルシウムに優れた効果があることを見出した。飲料中のマグネシウム含有量やカルシウム含有量を特定範囲となるように調整することによって、1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味が低減され、後味が良好な飲料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
(1) 0.1〜0.75mg/100mLの1−デオキシノジリマイシンと0.05〜15mg/100mLのマグネシウムおよび/またはカルシウムを含有する、可溶性固形分濃度が2.0以下である飲料。
(2) 容器詰飲料である、(1)に記載の飲料。
本発明によれば、1−デオキシノジリマイシンを含有しながらも後味が良好な飲料を提供することが可能となる。
本発明の一つの態様は、0.1〜0.75mg/100mLの1−デオキシノジリマイシンと0.05〜15mg/100mLのマグネシウムおよび/またはカルシウムを含有する、可溶性固形分濃度が2.0以下である飲料である。
(1−デオキシノジリマイシン)
1−デオキシノジリマイシン(1-Deoxynojirimycin)とは、桑の葉等に含まれているイミノ糖の一種であって、別名はモラノリン、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−グルシトール(1,5-Dideoxy-1,5-imino-D-glucitol)とも称され、そのCAS登録番号は19130−96−2である。
本発明の飲料は、0.1〜0.75mg/100mLの1−デオキシノジリマイシンを含有する。飲料中の1−デオキシノジリマイシン含有量が0.1mg/100mL以上であると、1−デオキシノジリマイシンに起因する後味の雑味が感じられるところ、本発明によって、後味の雑味を抑制することができる。飲料中の1−デオキシノジリマイシン含有量は0.15mg/100mL以上が好ましく、0.2mg/100mL以上がより好ましい。
一方、本発明において1−デオキシノジリマイシン含有量が0.75mg/100mLを超えるような飲料は、1−デオキシノジリマイシンの後味の雑味が強くなり、本発明の作用効果が十分に発揮されないことがある。そのような点から、飲料中の1−デオキシノジリマイシン含有量の上限は、0.7mg/100mLが好ましく、0.6mg/100mL以下がより好ましく、0.5mg/100mL以下がさらに好ましい。飲料中の1−デオキシノジリマイシンの含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて測定することができる。
本発明で使用する1−デオキシノジリマイシンは、桑科植物などの植物から抽出単離されたものに限定されず、化学的合成法、発酵法で得られる物質、微生物生産物であっても使用することができる。本発明では、1−デオキシノジリマイシンは純品又は植物抽出物の形態で用いることができる。1−デオキシノジリマイシンの市販品としては、富士フイルム和光純薬より販売されているものが挙げられる。
また、本発明で使用する1−デオキシノジリマイシンを含有する植物抽出物としては、桑科植物などの植物抽出物の形態で用いることができる。桑科植物としては、ヤマグワ(Morus bombycis Koidzumi)、マグワ(Morus alba L.)、シマグワ(Morus australis Poir)、ロソウ(Morus latifolia Poir.)、モウコグワ(Morus mongolica Schneid)、クロミグワ(Morus nigra L.)、アカミグワ(Morus rubra L.)、オガサワラグワ(Morus boninensis Koidzumi.)などを用いることができ、またこれらの交配種や変種を用いることもできる。使用する部位はなんら限定されるものではなく、葉、枝条、若枝、樹皮、幹、根、根皮、花、桑椹などを使用することができる。桑科植物抽出物としては、例えば、トヨタマ健康食品の桑の葉エキスパウダー、殺菌桑葉粉末等が挙げられる。
植物抽出物を用いる場合、本発明の課題が顕著となるため、1−デオキシノジリマイシン濃度が高められた植物抽出物を用いることが好ましい。以下、1−デオキシノジリマイシン含有の桑葉抽出物を得る方法を例示する。まず、桑葉の乾燥物に含水エタノールなどのアルコール類を加えて抽出する。1−デオキシノジリマイシンは、乾燥桑葉中に少量(0.1〜0.2重量%程度)しか含まれていないため、効率よく抽出するために、アルコール類を加えた抽出が好ましい。抽出液は、遠心分離器にかけて不溶物を除去し、減圧濃縮することで桑葉抽出物を得ることができる。この抽出物中には1−デオキシノジリマイシンが通常、0.4〜1重量%含まれる。
(マグネシウム)
本発明の飲料は、一つの態様において、0.05〜15mg/100mLのマグネシウムを含有する。マグネシウムの含有量が前記範囲内であることにより、1−デオキシノジリマイシンに由来する後味の雑味を効果的に低減することができる。また、マグネシウムの含有量が前記範囲内であれば、すっきりした味わいや爽やかな風味といった飲料の美味しさを維持することもできる。なお、マグネシウムは苦味を有するミネラルとして知られている成分であることから、マグネシウムを用いて1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味が抑制できることは驚くべきことである。
本発明において、香味的な観点からは、飲料中のマグネシウムの含有量は13mg/100mL以下が好ましく、11mg/100mL以下がより好ましく、9mg/100mL以下がさらに好ましい。また、効果の顕著さから、マグネシウムの含有量は0.1mg/100mL以上が好ましく、0.3mg/100mL以上がより好ましい。
本発明において用いられるマグネシウムが塩の形態にある場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で飲料中のマグネシウムの含有量を算出することができる。また、本発明において飲料中のマグネシウムの含有量は、ICP発光分光分析装置(ICPAES)を用いて公知の方法により測定することができる。
マグネシウムの供給源としては、これらに限定するものではないが、例えば以下の形態のものが挙げられる:硫酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、ビス−グリシン酸塩、アミノ酸キレート、炭酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、リン酸塩、ピロリン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、およびリンゴ酸塩。本発明において好ましいマグネシウム塩は、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、及びグルコン酸マグネシウムである。また、天然物由来のマグネシウムを供給源とすることもできる。具体的にはミネラルウォーターが挙げられる。
(カルシウム)
本発明の飲料は、一つの態様において、0.05〜15mg/100mLのカルシウムを含有することができる。カルシウムは、苦味と塩味が合わさった複雑な味を有するミネラルとして知られている成分である。本発明の好ましい態様では、マグネシウムとカルシウムの併用により、1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味をより効果的に改善することができる。
本発明において、香味的な観点からは、飲料中のカルシウムの含有量は13mg/100mL以下が好ましく、11mg/100mL以下がより好ましく、9mg/100mL以下がさらに好ましい。また、効果の顕著さから、カルシウムの含有量は0.1mg/100mL以上が好ましく、0.3mg/100mL以上がより好ましい。
本発明において用いられるカルシウムが塩の形態にある場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で飲料中のカルシウムの含有量を算出することができる。また、本発明において飲料中のカルシウムの含有量は、ICP発光分光分析装置(ICP−AES)を用いて公知の方法により測定することができる。
マグネシウムとカルシウムとを併用する場合は、上述した濃度範囲で両成分を用いることができる。ただし、マグネシウムとカルシウムの合計量が多くなると、マグネシウムとカルシウムに共通する嫌味(苦味や舌に刺激のある硬さ感)を感じることがある。したがって、マグネシウムとカルシウムの合計量は、20mg/100mL以下であることが好ましく、15mg/100mL以下であることがより好ましく、13mg/100mL以下であることがさらに好ましい。
カルシウムの供給源としては、これらに限定するものではないが、例えば以下の形態のものが考えられる:硫酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、ビス−グリシン酸塩、アミノ酸キレート、炭酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、リン酸塩、ピロリン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、およびリンゴ酸塩。本発明において好ましいカルシウム源は、硫酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、及び乳酸グルコン酸カルシウムである。また、天然物由来のカルシウムを供給源とすることもできる。具体的にはミネラルウォーターが挙げられる。
(可溶性固形分)
フレーバードウォーターのようなすっきりとした味わいの飲料では、一般に、水以外の配合成分の種類や量が比較的少ないことが特徴とされている。そのため、別の成分を添加すると飲料の香味のバランスが崩れやすくなり、すっきりした味わいや爽やかな風味といった飲料の美味しさを維持しながら1−デオキシノジリマイシンの後味の雑味を抑制することは困難である。
本発明者らの検討によると、飲料中の可溶性固形分濃度が2.0以下のような低Brixの飲料は、それよりもBrixが高い飲料と比較して、1−デオキシノジリマイシンの後味の雑味が目立ちやすい。効果の顕著さから、本発明の飲料の可溶性固形分濃度は0〜1.5が好ましく、0〜1.0がより好ましく、0〜0.5がさらに好ましい。本発明において、可溶性固形分濃度は、糖度計や屈折計などを用いて得られるBrix(ブリックス)値に相当する。ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である(単位:「°Bx」、「%」または「度」)。
本発明の飲料の種類は特に限定されず、清涼飲料、栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料などいずれであってもよい。また、本発明の飲料は、炭酸ガスを含まない飲料であってもよく、炭酸ガスを含む飲料であってもよい。
(その他の成分)
本発明の容器詰飲料には、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲であれば、必要に応じて、酸化防止剤、pH調整剤、香料、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ビタミン、エキス類、品質安定剤等の各種添加剤を単独で又は併用してもよい。
(容器詰飲料)
本発明の飲料は、1−デオキシノジリマイシンの後味の雑味が低減された飲料である。したがって、1−デオキシノジリマイシンの生理作用を期待して継続摂取する飲料として、常温で長期保存でき、即時飲用可能な形態(RTD:Ready To Drink)とするのが、ユーザーへの簡便性の観点から好ましい。これについて、加熱殺菌処理を経て得られる容器詰め飲料は本発明の一態様である。
本発明の容器詰飲料に使用される容器は、特に制限されず、一般的な容器を使用することができる。樹脂製容器としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)を好適な例として挙げることができる。樹脂製容器の他にも、例えば、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などを挙げることができ、このような容器に密閉した形態で提供することができる。容量は、特に限定されないが、例えば350mL〜1000mLであり、好ましくは500mL〜1000mLである。
上述のとおり、本発明は、1−デオキシノジリマイシンに起因する後味の雑味を効果的に抑制するものであるが、後味の雑味は、加熱殺菌によって特に顕在化する。そのため、本発明による効果を特に大きく享受できるため、好ましい態様において本発明に係る飲料は、加熱殺菌済の容器詰飲料である。本発明における加熱殺菌の条件は、例えば、食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択することができ、具体的には、60〜150℃、好ましくは90〜150℃、より好ましくは110〜150℃で、1秒間〜60分間、好ましくは1秒間〜30分間とすることができる。容器として耐熱性容器(金属缶、ガラス等)を使用する場合には、レトルト殺菌(110〜140℃、1〜数十分間)を行えばよい。
また、容器として非耐熱性容器(PETボトル、紙容器等)を用いる場合は、例えば、調合液を予めプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後(UHT殺菌:110〜150℃、1〜数十秒間)し、一定の温度まで冷却した後、容器に充填することができる。また、本発明の容器詰飲料において、食品衛生法に定められた条件以上の殺菌強度であれば、1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味という課題の大きさは変わらない。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
1−デオキシノジリマイシンの分析方法
飲料中の1−デオキシノジリマイシンの分析は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)を用いて以下の条件で行った。必要に応じて、飲料を減圧濃縮し、分析に供した。
・カラム:TSKgel Amide-80, φ4.6mm×250mm, 粒径5μm
・移動相:水、アセトニトリル及び酢酸の混液
・流量:1.0ml/min
・カラム温度:40℃
・イオン化法:エレクトロスプレー(正イオン検出モード)
・設定質量数(m/z):164.0→109.9
実験1:1−デオキシノジリマイシン含有飲料の製造と評価(参考例)
表1の含有量となるように、純水に1−デオキシノジリマイシン(富士フイルム和光純薬、純度98%)を添加し、容器詰飲料を得た。いずれの飲料もBrix0.5以下であった。
得られた容器詰飲料について、サンプル1−1をコントロールとして後味の雑味を、パネル3名にて、1〜3点の3段階評価法にて官能評価した。具体的には、下記の基準に基づいて各パネルが評価した上で、全員で自由討議し、全員の合意のもとに整数値で評点を決定した。
・3点:コントロールと比較し、後味の雑味が極めて大きい
・2点:コントロールと比較し、後味の雑味を感じる
・1点:コントロールと比較し、後味の雑味は同程度
官能評価結果を表1に示す。1−デオキシノジリマイシンの含有量が0.1mg/100mL以上の容器詰飲料では後味の雑味が強くなった。
Figure 0006638123
実験2:マグネシウムによる後味の雑味抑制効果(1)
表2の含有量となるように、純水に1−デオキシノジリマイシン(富士フイルム和光純薬、純度98%)及び硫酸マグネシウム(富士フイルム和光純薬)を添加し、容器詰飲料を得た。いずれの飲料もBrix0.5以下であった。
得られた容器詰飲料について、パネル3名にて、1〜5点の5段階評価法にて評価した。各飲料サンプルについて、1−デオキシノジリマイシンが同量含まれており、かつマグネシウムを添加していない比較例の後味の雑味を1点として、下記の基準に基づいて各パネルが評価した結果を再度全員で自由討議し、全員の合意のもとに整数値で表記した。
・5点:後味の雑味について、大きく改善されている
・4点:後味の雑味について、改善されている
・3点:後味の雑味について、やや改善されている
・2点:後味の雑味について、ほとんど改善されていない
・1点:後味の雑味について、全く改善されていない
官能評価結果を表2に示す。1−デオキシノジリマイシンが100mLあたり0.1〜2.0mgの飲料において、マグネシウムを添加することにより、後味の雑味抑制効果が得られた。高濃度に1−デオキシノジリマイシンを含む飲料に、マグネシウムを添加するという簡便な行為で、1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味を抑制できた。なお、1−デオキシノジリマイシン含有量が2.0mg/100mLであるサンプル2−20は、1−デオキシノジリマイシン特有の後味の雑味が強くなり、本発明の作用効果が発揮されなかった。また、マグネシウム濃度が20mg/100mLであるサンプル2−10は、雑味の低下抑制効果はあるものの、マグネシウムに起因する嫌味が感じられ、飲料としての嗜好性が損なわれた。
Figure 0006638123
実験3:マグネシウムによる後味の雑味抑制効果(2)
表3の含有量となるように、純水に1−デオキシノジリマイシン(富士フイルム和光純薬、純度98%)及び塩化マグネシウム6水和物(富士フイルム和光純薬)を添加し、容器詰飲料を得た。いずれの飲料もBrix0.5以下であった。
得られた容器詰飲料について、実験2と同様にして官能評価試験を実施した。官能評価結果を下表に示す。1−デオキシノジリマイシンが100mLあたり0.2mg及び0.4mgの飲料において、マグネシウムを添加することにより、後味の雑味抑制効果が得られた。
Figure 0006638123
実験4:カルシウムによる後味の雑味抑制効果(1)
表4の含有量となるように、純水に1−デオキシノジリマイシン(富士フイルム和光純薬、純度98%)及び乳酸カルシウム5水和物(富士フイルム和光純薬)を添加し、容器詰飲料を得た。いずれの飲料もBrix0.5以下であった。
実験2と同様に官能評価試験を行ったが、本実験においては、1−デオキシノジリマイシンが同量含まれており、かつ、カルシウムを添加していない飲料サンプルを比較例として後味の雑味を1点と評価した。結果を表4に示すが、飲料中のカルシウム濃度が0.05mg/100mL以上の場合、1−デオキシノジリマイシンに由来する後味の雑味が抑制されることが明らかとなった。なお、カルシウム濃度が20mg/100mLであるサンプル4−10は、カルシウムに起因する嫌味が生じたことから、カルシウム濃度の上限は15mg/100mLが好ましいことが示唆された。カルシウム濃度が0.05〜15mg/100mLの範囲では、1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味が抑制され好ましい飲料であった。
Figure 0006638123
実験5:カルシウムおよびマグネシウムの併用による後味の雑味抑制効果
表5の含有量となるように、純水に1−デオキシノジリマイシン及び硫酸マグネシウム、乳酸カルシウム5水和物を添加し、飲料を得た。いずれの飲料もBrix0.5以下であった。
実験2と同様に官能評価試験を行ったが、本実験においては、1−デオキシノジリマイシンが同量含まれており、かつ、マグネシウム及びカルシウムを添加していない飲料サンプルを比較例として後味の雑味を1点と評価した。結果を表5に示す。マグネシウムのみ、又はカルシウムのみを配合した場合、その量を多量に配合しても1−デオキシノジリマイシン由来の後味の雑味は、ほとんど感じないレベル(評価点:4点)であったが、マグネシウムとカルシウムを併用すると全く感じないレベル(評価点:5点)となった。
Figure 0006638123

Claims (2)

  1. 0.1〜0.75mg/100mLの1−デオキシノジリマイシンと0.05〜15mg/100mLのマグネシウムおよび/またはカルシウムを含有する、可溶性固形分濃度が2.0以下である飲料。
  2. 容器詰飲料である、請求項1に記載の飲料。
JP2019100250A 2019-05-29 2019-05-29 1−デオキシノジリマイシンを含む飲料 Active JP6638123B1 (ja)

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