JP6316599B2 - 容器詰乳入りコーヒー飲料 - Google Patents

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本発明は、容器詰乳入りコーヒー飲料に関する。
容器詰乳入りコーヒー飲料は、コーヒー分及び乳分を原料とし、ミルクの味わいや香り、コク、甘さといった風味を楽しむ飲料であり、甘味料の種類や量、乳分量の異なる多種多様の製品が開発されている。近年、健康に対する意識向上やダイエット志向から、従来の砂糖、水飴、異性化糖等に代わる甘味料として、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、スクラロース等の低カロリーの高甘味度甘味料を使用した商品が増加している。
また、容器詰乳入りコーヒー飲料は、長期保存のために加熱殺菌が必須であるが、加熱殺菌後に本来の風味が損なわれやすいという問題がある。そこで、飲食物本来の風味を維持する技術として、容器詰飲食品を加熱殺菌する際にパノースを配合することが提案されており、この風味維持効果は二糖であるマルトースでは得られず、三糖であるパノースに特異的であると報告されている(特許文献1)。
特開2013−198435号公報
本発明者らは、容器詰乳入りコーヒー飲料について検討したところ、乳入りコーヒー飲料に高甘味度甘味料を配合して加熱殺菌すると、乳が劣化し乳特有の風味が損なわれる場合があることを見出した。さらに、クロロゲン酸類に対するカフェインの質量比が0.91を超えるときには、後味が悪くなることが判明した。
本発明の課題は、乳の劣化を抑制して乳本来の香りを維持し、かつ後味の良い高甘味度甘味料含有容器詰乳入りコーヒー飲料を提供することにある。
本発明者らは、クロロゲン酸類に対するカフェインの質量比が0.91以下に低減された乳入りコーヒー飲料において、特定の高甘味度甘味料とともに、特定の単糖を構成糖とする二糖を一定量含有せしめることにより、乳の劣化を抑制し、かつ風味の良好な容器詰乳入りコーヒー飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)クロロゲン酸類
(B)カフェイン
(C)アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースから選ばれる1種又は2種以上(以下、「(C)特定の高甘味度甘味料」とも称する)
(D)構成糖がグルコース、マンノース又はそれらの組み合わせである二糖の1種又は2種以上(以下、「(D)特定の二糖」とも称する)
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.91以下であり、
成分(C)の含有量が0.003〜0.07質量%であり、かつ
成分(D)の含有量が0.2〜0.6質量%である、
加熱殺菌された容器詰乳入りコーヒー飲料を提供するものである。
本発明によれば、乳の劣化を抑制して乳本来の香りを維持し、かつ後味の良い高甘味度甘味料含有容器詰乳入りコーヒー飲料を提供することができる。
本明細書において「乳入りコーヒー飲料」とは、コーヒー分及び乳分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品をいう。製品の種類は特に限定されないが、例えば、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」「コーヒー飲料」「コーヒー入り清涼飲料」を挙げることができる。また、乳固形分が3.0質量%以上の飲料は「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、コーヒー分が含まれる場合には、当該飲料も本発明の「乳入りコーヒー飲料」に包含される。なお、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、シングルストレングスである。ここで「シングルストレングス」とは、容器詰乳入りコーヒー飲料を開封した後、希釈せずにそのまま飲用できるものをいう。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、成分(A)としてクロロゲン酸類を含有する。ここで「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、すべて含有するのが好ましい。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(A)の含有量は、生理活性の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.04質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上がより更に好ましく、また風味バランスの観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以下がより更に好ましく、0.15質量%以下がより更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、好ましくは0.02〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.5質量%、更に好ましくは0.04〜0.3質量%、より更に好ましくは0.05〜0.2質量%であり、より更に好ましくは0.05〜0.15質量%である。なお、成分(A)の含有量は、上記9種の合計量に基づいて定義される。
また、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、成分(B)としてカフェインを含有する。本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(B)の含有量は、成分(A)に対する質量比[(B)/(A)]として0.91以下であるが、甘味及び雑味の観点から、0.9以下が好ましく、0.87以下がより好ましく、0.85以下が更に好ましく、0.83以下がより更に好ましく、0.81以下がより更に好ましい。なお、かかる質量比[(B)/(A)]の下限値は特に限定されず0であってもよいが、苦味の観点から、0.0001以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.01以上が更に好ましく、0.1以上がより更に好ましく、0.2以上がより更に好ましく、0.3以上がより更に好ましく、0.4以上がより更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.0001〜0.91、より好ましくは0.0001〜0.9、更に好ましくは0.001〜0.87、より更に好ましくは0.01〜0.85、より更に好ましくは0.1〜0.83、より更に好ましくは0.2〜0.83、より更に好ましくは0.3〜0.81、より更に好ましくは0.4〜0.81である。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(B)の含有量は、甘味及び雑味の観点から、0.1質量%以下が好ましく、0.08質量%以下がより好ましく、0.07質量%以下が更に好ましく、0.06質量%以下がより更に好ましい。なお、成分(B)の含有量は0質量%であってもよいが、苦味の観点から、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.02質量%以上がより更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、好ましくは0.0001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.08質量%、更に好ましくは0.01〜0.07質量%、より更に好ましくは0.02〜0.06質量%である。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、成分(C)として特定の高甘味度甘味料を含有する。(C)特定の高甘味度甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースから選ばれる1種又は2種以上であり、2種以上の場合、任意に組み合わせて含有することができる。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(C)の含有量は、0.003〜0.07質量%であるが、苦味及び甘味の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上がより好ましく、0.012質量%以上が更に好ましく、0.015質量%以上がより更に好ましく、また乳本来の香り、後味の観点から、0.06質量%以下が好ましく、0.055質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.045質量%以下が更に好ましく、0.04質量%以下がより更に好ましく、0.035質量%以下がより更に好ましく、0.03質量%以下がより更に好ましい。成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、好ましくは0.003〜0.06質量%、より好ましくは0.005〜0.055質量%、更に好ましくは0.005〜0.05質量%、更に好ましくは0.008〜0.045質量%、より更に好ましくは0.008〜0.04質量%、より更に好ましくは0.012〜0.035質量%、より更に好ましくは0.015〜0.03質量%である。なお、成分(C)の含有量は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースの合計量である。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、成分(D)として特定の二糖を1種又は2種以上含有する。(D)特定の二糖は、構成糖がグルコース、マンノース、又はグルコース及びマンノースの組み合わせからなるものである。すなわち、グルコース同士がグリコシド結合した二糖、マンノース同士がグリコシド結合した二糖、又はグルコースとマンノースがグリコシド結合した二糖であり、グリコシド結合の結合方式はα結合でもβ結合でもよく、結合位置も特に限定されない。また、(D)特定の二糖は、環状構造でも、鎖状構造でもよく、それらの混合物であってもよい。更に、本発明においては、特定の二糖が含まれていれば、単糖、三糖以上のオリゴ糖及び多糖から選ばれる糖類を含む混合物を使用することもできる。
(D)特定の二糖の具体例としては、例えば、マルトース、トレハロース、コージビオース、ニゲロース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、ゲンチビオース、マンノビオース等を挙げることができる。
(D)特定の二糖は、乳の劣化抑制の観点から、還元性を有することが好ましく、還元性を有する二糖としては、マルトース、マンノビオースが好ましい。ここで、「還元性」とは、鎖状構造におけるアルデヒド基又はケトン基により他の物質を還元する性質を有することをいい、還元性の有無はフェーリング反応により確認することができる。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(D)の含有量は、0.2〜0.6質量%であるが、乳の劣化抑制の観点から、0.25質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.33質量%以上が更に好ましく、0.37質量%以上がより更に好ましく、また乳本来の香り、後味の観点から、0.55質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.45質量%以下が更に好ましい。成分(D)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、好ましくは0.25〜0.6質量%、より好ましくは0.3〜0.55質量%、更に好ましくは0.33〜0.5質量%、より更に好ましくは0.37〜0.45質量%である。なお、成分(D)の含有量は、特定の二糖の合計量である。
また、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]は、乳の劣化抑制の観点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上が更に好ましく、また苦味、甘味の観点から、70以下が好ましく、60以下がより好ましく、45以下が更に好ましく、35以下がより更に好ましく、30以下がより更に好ましく、25以下がより更に好ましい。かかる質量比[(D)/(C)]の範囲としては、好ましくは5〜70、より好ましくは5〜60、更に好ましくは10〜45、より更に好ましくは15〜35、より更に好ましくは15〜30、より更に好ましくは15〜25である。
また、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料には、乳が含まれている。ここで「乳」とは、コーヒー飲料にミルク風味やミルク感を付与するために添加する成分であり、主に乳、牛乳及び乳製品をいう。例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料等が挙げられ、乳製品としては、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳等が挙げられる。また、発酵乳や乳酸菌飲料も乳として用いることができる。中でも、乳としては、風味の観点から、牛乳、クリームが好ましい。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の乳の含有量は嗜好性に応じて適宜選択することができるが、固形分換算で、ミルク風味やミルク感の付与の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.7質量%以上が更に好ましく、またコーヒー風味やコーヒー感の付与の観点から、8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましい。かかる乳の含有量の範囲としては、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、固形分換算で、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.3〜6質量%、更に好ましくは0.7〜4質量%である。ここで「固形分」とは、乳を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、更に成分(E)として乳化剤を含有することができる。成分(E)は食品分野において通常乳化剤として使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等を挙げることができる。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(E)の含有量は適宜選択することができるが、飲料の安定性の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、また飲料の安定性及び風味の観点から、0.2質量%以下が好ましく、0.14質量%以下がより好ましく、0.08質量%以下が更に好ましい。かかる成分(E)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料中に、好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.005〜0.14質量%、更に好ましくは0.01〜0.08質量%である。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、所望により、甘味料(成分(C)及び(D)を除く)、酸化防止剤、香料、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、無機塩、色素、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料のpH(20℃)は、保存性、風味バランスの観点から、5以上が好ましく、5.5以上がより好ましく、6.0以上が更に好ましく、そして7以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、6.5以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは5〜7、より好ましくは5.5〜6.8、更に好ましくは6.0〜6.5である。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料のBrix(20℃)は、風味バランスの観点から、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上が更に好ましく、2.5以上がより更に好ましく、そして10以下が好ましく、7以下がより好ましく、6以下が更に好ましく、5.5以下がより更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは1〜10、より好ましくは1.5〜7、更に好ましくは2〜6、より更に好ましくは2.5〜5.5である。
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料は、例えば、質量比[(B)/(A)]が0.91以下であるコーヒー分、乳分、(C)特定の高甘味度甘味料、及び(D)特定の二糖を、必要により重曹等のpH調整剤、乳化剤とともに配合し、(C)特定の高甘味度甘味料及び(D)特定の二糖の各濃度を調整した後、乳入りコーヒー飲料を加熱殺菌して製造することができる。
コーヒー分としては、例えば、焙煎コーヒー豆から抽出したコーヒー抽出液、インスタントコーヒーの水溶液から、質量比[(B)/(A)]が0.91以下のものを選択して使用することもできるし、カフェインレス焙煎コーヒー豆から抽出したコーヒー抽出液、カフェインレスインスタントコーヒーの水溶液等を用いて質量比[(B)/(A)]が0.91以下に調製して使用することもできる。コーヒー分は、当該コーヒー抽出液100g当たり焙煎コーヒー豆を生豆換算で、好ましくは1g以上、より好ましくは2.5g以上、更に好ましくは5g以上使用しているものである。また、コーヒー分は、容器詰乳入りコーヒー飲料中のコーヒー分のBrixが、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.7〜3、更に好ましくは0.9〜2となる量を配合することが、コーヒー感の付与の観点から好ましい。
抽出に使用する焙煎コーヒー豆の豆種及び産地は特に限定されず、嗜好性に応じて適宜選択することができる。また、豆種又は産地の異なる焙煎コーヒー豆を2種以上使用しても構わない。焙煎コーヒー豆の焙煎度は特に限定されないが、風味バランスの観点から、色差計で測定したL値として、好ましくは15〜35、より好ましくは20〜33、更に好ましくは22〜31である。また、焙煎度の異なるコーヒー豆を2種以上使用することもできる。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。なお、焙煎方法及び焙煎条件は特に限定されない。
抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法及び条件を採用することが可能であり、例えば、特開2009−153451号公報に記載の方法及び条件が挙げられる。また、得られたコーヒー抽出液は、必要により濃縮又は水希釈してコーヒー分として使用してもよい。
乳入りコーヒー飲料を収容する容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器を挙げることができる。
加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器詰乳入りコーヒー飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
前述の実施形態に関し、本発明は更に以下の飲料及び方法を開示する。
<1>
次の成分(A)〜(D);
(A)クロロゲン酸類
(B)カフェイン
(C)アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースから選ばれる1種又は2種以上
(D)構成糖がグルコース、マンノース又はそれらの組み合わせである二糖の1種又は2種以上
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.91以下であり、
成分(C)の含有量が0.003〜0.07質量%であり、かつ
成分(D)の含有量が0.2〜0.6質量%である、
加熱殺菌された容器詰乳入りコーヒー飲料。
<2>
次の成分(C)及び(D);
(C)アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースから選ばれる1種又は2種以上
(D)構成糖がグルコース、マンノース又はそれらの組み合わせである二糖の1種又は2種以上
を配合し、成分(C)の濃度を0.003〜0.07質量%に、成分(D)の濃度を0.2〜0.6質量%に、それぞれ調整する、加熱殺菌された容器詰乳入りコーヒー飲料の乳の劣化を抑制する方法。
<3>
成分(A)としてクロロゲン酸類を配合する、前記<2>記載の容器詰乳入りコーヒー飲料の乳の劣化を抑制する方法。
<4>
成分(B)としてカフェインを配合する、前記<2>又は<3>記載の容器詰乳入りコーヒー飲料の乳の劣化を抑制する方法。
<5>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]を0.91以下に調整する、前記<2>〜<4>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料の乳の劣化を抑制する方法。
<6>
成分(A)が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸、5−フェルラキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸、及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは前記9種の全てである、前記<1>記載の容器詰乳入りコーヒー飲料、又は前記<3>〜<5>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料の乳の劣化を抑制する方法(以下、「容器詰乳入りコーヒー飲料、又は容器詰乳入りコーヒー飲料の乳の劣化を抑制する方法」を「容器詰乳入りコーヒー飲料等」と称する)。
<7>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(A)の含有量が、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.04質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.15質量%以下である、前記<1>、<3>〜<6>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<8>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(A)の含有量が、好ましくは0.02〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.5質量%、更に好ましくは0.04〜0.3質量%、より更に好ましくは0.05〜0.2質量%であり、より更に好ましくは0.05〜0.15質量%である、前記<1>、<3>〜<7>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<9>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(B)の含有量が、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.08質量%以下、更に好ましくは0.07質量%以下、より更に好ましくは0.06質量%以下であって、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上である、前記<1>、<4>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<10>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(B)の含有量が、好ましくは0.0001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.08質量%、更に好ましくは0.01〜0.07質量%、より更に好ましくは0.02〜0.06質量%であり、また0質量%であってもよい、前記<1>、<4>〜<9>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<11>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.87以下、更に好ましくは0.85以下、より更に好ましくは0.83以下、より更に好ましくは0.81以下であって、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.4以上である、前記<1>、<5>〜<10>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<12>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.0001〜0.91、より好ましくは0.0001〜0.9、更に好ましくは0.001〜0.87、より更に好ましくは0.01〜0.85、より更に好ましくは0.1〜0.83、より更に好ましくは0.2〜0.83、より更に好ましくは0.3〜0.81、より更に好ましくは0.4〜0.81であり、また0であってもよい、前記<1>、<5>〜<11>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<13>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.008質量%以上、更に好ましくは0.012質量%以上、より更に好ましくは0.015質量%以上であって、好ましくは0.06質量%以下、より好ましくは0.055質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.045質量%以下、更に好ましくは0.04質量%以下、更に好ましくは0.035質量%以下、より更に好ましくは0.03質量%以下である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<14>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.003〜0.06質量%、より好ましくは0.005〜0.055質量%、更に好ましくは0.005〜0.05質量%、更に好ましくは0.008〜0.045質量%、より更に好ましくは0.008〜0.04質量%、より更に好ましくは0.012〜0.035質量%、より更に好ましくは0.015〜0.03質量%である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<15>
成分(D)が、好ましくはマルトース、トレハロース、コージビオース、ニゲロース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、ゲンチビオース、及びマンノビオースから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<16>
成分(D)が、好ましくは還元性を有する二糖であり、より好ましくはマルトース及びマンノビオースから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<17>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.33質量%以上、より更に好ましくは0.37質量%以上であって、好ましくは0.55質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.45質量%以下である、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<18>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(D)の含有量が、好ましくは0.25〜0.6質量%、より好ましくは0.3〜0.55質量%、更に好ましくは0.33〜0.5質量%、より更に好ましくは0.37〜0.45質量%である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<19>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]が、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であって、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは45以下、更に好ましくは35以下、更に好ましくは30以下、より更に好ましくは25以下である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<20>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]が、好ましくは5〜70、より好ましくは5〜60、更に好ましくは10〜45、更に好ましくは15〜35、更に好ましくは15〜30、より更に好ましくは15〜25である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<21>
乳が、好ましくは生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳、発酵乳、及び乳酸菌飲料から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは牛乳及びクリームから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<22>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の乳の含有量が、固形分換算で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上であって、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<23>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の乳の含有量が、固形分換算で、好ましくは0.1〜8質量%、より好ましくは0.3〜6質量%、更に好ましくは0.7〜4質量%である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<24>
成分(E)として乳化剤を更に含有する、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<25>
成分(E)が、好ましくはショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である、前記<24>記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<26>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(E)の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であって、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.14質量%以下、更に好ましくは0.08質量%以下である、前記<24>又は<25>記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<27>
容器詰乳入りコーヒー飲料中の成分(E)の含有量が、好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.005〜0.14質量%、更に好ましくは0.01〜0.08質量%である、前記<24>〜<26>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<28>
好ましくは甘味料(成分(C)及び(D)を除く)、酸化防止剤、香料、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、無機塩、色素、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸、pH調整剤、及び品質安定剤から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<29>
容器詰乳入りコーヒー飲料のpH(20℃)が、好ましくは5以上、より好ましくは5.5以上、更に好ましくは6.0以上であって、好ましくは7以下、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.5以下である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<30>
容器詰乳入りコーヒー飲料のpH(20℃)が、好ましくは5〜7、より好ましくは5.5〜6.8、更に好ましくは6.0〜6.5である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<31>
容器詰乳入りコーヒー飲料のBrix(20℃)が、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上、より更に好ましくは2.5以上であって、好ましくは10以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5.5以下である、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<32>
容器詰乳入りコーヒー飲料のBrix(20℃)が、好ましくは1〜10、より好ましくは1.5〜7、更に好ましくは2〜6、より更に好ましくは2.5〜5.5である、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<33>
容器詰乳入りコーヒー飲料中のコーヒー分は、コーヒー抽出液100g当たり焙煎コーヒー豆を生豆換算で、好ましくは1g以上、より好ましくは2.5g以上、更に好ましくは5g以上使用しているものである、前記<1>〜<32>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<34>
容器詰乳入りコーヒー飲料中のコーヒー分の含有量は、当該容器詰乳入りコーヒー飲料中のコーヒー分のBrixが、好ましくは0.5〜5、より好ましくは0.7〜3、更に好ましくは0.9〜2となる量である、前記<1>〜<33>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<35>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
<36>
加熱殺菌方法が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、より好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、又は超高温殺菌(UHT)である、前記<1>〜<35>のいずれか一に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料等。
1.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420(日立ハイテクノロジーズ社製)
・カラムオーブン:L−2300(日立ハイテクノロジーズ社製)
・ポンプ:L−2130(日立ハイテクノロジーズ社製)
・オートサンプラー:L−2200(日立ハイテクノロジーズ社製)
・カラム:Cadenza CD−C18 φ4.6×150mm、粒子径3μm(インタクト社製)
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
・ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
なお、カフェインの分析は、UV−VIS 検出器設定波長:270nm、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分。
2.マルトースの分析
マルトースの含有量はHPLC分析法などの公知の方法で求めることができる。具体的には下記の方法で求めることができる。
分析機器はHPLCを使用する。装置の構成ユニットの型番、分析条件は次の通りである。
・機種 :LC−10ADvp(島津製作所社製)
・検出器:蛍光分光光度計 RF−10AXL(島津製作所社製)
・カラム:TSKgel SUGAR AXIφ4.6×150mm(東ソー社製)
・カラム温度:60℃
・移動相:0.5mol/Lホウ酸緩衝液(pH8.7)
・サンプル注入量:20μL
・流量 :0.4mL/min
・蛍光励起波長:320nm
・蛍光測定波長:430nm
・ポストカラム:反応液 ;1W/V%のL−アルギニン溶液
反応液流量;0.7mL/min
反応温度 ;150℃
試料2gを精秤し、中和して濃縮乾固させた後、水で再溶解させ、水で50mLに定容する。これをSep−Pak plus Accell QMA(日本ウォーターズ社製)に通液し、更に孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した溶液について、高速液体クロマトグラフ法により分析する。
3.マンノビオースの分析
マンノビオースの分析は、高速陰イオン交換クロマトグラフィー−パルスドアンペロメ トリ検出法(High-performance anion exchange chromatography with pulsed amperometric detection法)などの公知の方法で求めることができる。具体的には下記の方法で求めることができる。
分析機器、分析条件は次の通りである。
・システム:ICS−3000 (DIONEX社製)
・カラム:CarboPack PA1(DIONEX社製)
・溶媒 :20mM NaOH (0−20min)、
20mM NaOH+20mM NaOAc (20−35min)
・流速 :1.0mL/min
・検出器:PAD
・カラムオーブン:30℃
試料0.05gを精秤した後、蒸留水で10mLにメスアップし、これを限外ろ過フィルター(ウルトラフィルターユニットUSY−1、分画分子量10,000、ADVANTEC社製)に通液した後、ろ液を蒸留水で10倍希釈する。次いで、これを陰イオン除去カートリッジ(OnGuard II A、DIONEX社製)に通液した後、糖質・アミノ酸高感度分析システム(DIONEX社製)により分析する。
4.アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースの分析
アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースの含有量はLC/MS分析法などの公知の方法で求めることができる。具体的には下記の方法で求めることができる。
分析機器としては、LC/MS 1100シリーズVLタイプ(アジレントテクノロジー社製)を使用する。分析条件は次の通りである。
1)HPLC条件
・カラム :ZORBAX Eclipse XDB−C18 φ2.1×150mm
・ガードカラム:ZORBAX Eclipse XDB−C8 φ2.1×12.5mm
・溶離液C:5mmol/L DBAA
・溶離液D:アセトニトリル−水(8:2)
グラジエント条件
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 85% 15%
4.0分 85% 15%
12.0分 60% 40%
25.0分 40% 60%
25.1分 85% 15%
・流量 :0.2mL/min
・カラム温度:40℃
・注入量 :3μL
2)MS条件
・イオン化法:ESI、Negative
・噴霧器 :N2(30psi)
・乾燥ガス:N2(12L/min、350℃)
・V−Cap:3500V
・検出 :アセスルファムカリウム;5分、70V、m/z162
スクラロース ;5分、70V、m/z395
アスパルテーム ;13.0分、60V、m/z293
試料2gを分取し、窒素気流下、吹き付け式濃縮装置(MGS−2100型、東京理化器機社製)を用いて半量以下まで濃縮後、これに0.1mol/L TBA−Br 1mL及び0.2mol/Lリン酸緩衝液(pH3.0)4mLを加え、水で全量を10mLとする。この全量をSep−pac Vac C18カートリッジに負荷し、水30mL及びアセトニトリル−水(5:95)5mLで洗浄した後、アセトニトリル−水(4:6)8mLで溶出し、全量を10mLとし、これを分析に供する。なお、溶出時には、吸引マニホールド(VACELUT SPS24、Varian社製)を使用し、流速10mL/minとする。
5.Brixの測定
糖度計(Atago RX−5000α−Bev、Atago社製)を用いて20℃にて測定した。
6.官能評価
各容器詰乳入りコーヒー飲料の苦味、甘味、呈味の厚み(ボディ感)、乳の劣化味、乳本来の香り、後味の良さについて、専門パネル5名が下記基準にしたがい評価し、その後協議により評価値を決定した。なお、「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
苦味の評価基準
A:適度な苦味
B1:苦味がやや強い
B2:苦味がやや弱い
C1:苦味が強い
C2:苦味が弱い
甘味の評価基準
A:適度な甘味
B1:甘味がやや強い
B2:甘味がやや弱い
C1:甘味が強い
C2:甘味が弱い
呈味の厚み(ボディ感)の評価基準
5:呈味の厚みがある
4:呈味の厚みがややある
3:呈味の厚みがやや弱い
2:呈味の厚みが弱い
1:呈味の厚みがない
乳の劣化味の評価基準
5:乳の劣化味がない
4:乳の劣化味がほとんどない
3:乳の劣化味がややある
2:乳の劣化味がある
1:乳の劣化味が強い
乳本来の香りの評価基準
5:乳本来の香りが強い
4:乳本来の香りがやや強い
3:乳本来の香りがやや弱い
2:乳本来の香りが弱い
1:乳本来の香りがない
後味の良さの評価基準
5:後味のキレが良い
4:後味のキレがやや良い
3:後味のキレがやや弱い
2:後味のキレが弱い
1:後味のキレがない
コーヒー抽出液の調製
市販のコーヒー抽出液から、クロロゲン酸類0.067質量%、カフェイン0.054質量%含有するものを選択し、コーヒー抽出液Aとした。
カフェインレス焙煎コーヒー豆50gを90℃の熱水にて抽出し、500gのコーヒー抽出液B(クロロゲン酸類0.044質量%、カフェイン0.002質量%含有)を得た。
市販のコーヒー抽出液から、クロロゲン酸類0.074質量%、カフェイン0.070質量%含有するものを選択し、コーヒー抽出液Cとした。
実施例1〜11及び比較例1〜9
表1に示す各成分を配合し、所定のpHに調整後、規定調合量となるようにイオン交換水を加え、乳入りコーヒー飲料を得た。乳入りコーヒー飲料を、容量200gの金属缶へ185g充填し、ヘッドスペース部を窒素にて置換した後、缶蓋を巻き締め、129℃にて8.5分のレトルト殺菌を行い、容器詰乳入りコーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰乳入りコーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に併せて示す。
Figure 0006316599
表1から、乳入りコーヒー飲料に高甘味度甘味料を配合し加熱殺菌すると、乳が劣化することがわかる(比較例2)さらに質量比[(B)/(A)]が0.91を超えるときには後味が悪くなることがわかる(比較例9)。質量比[(B)/(A)]が0.91以下に低減された乳入りコーヒー飲料に、特定の高甘味度甘味料とともに特定の二糖を一定量含有させることにより、乳の劣化が抑制され、風味が改善されることがわかる(実施例)。また、特定の二糖以外の二糖である砂糖を一定量含有させた場合は、乳の劣化抑制、風味改善が不十分であった(比較例8)。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)クロロゲン酸類
    (B)カフェイン
    (C)アセスルファムカリウム、アスパルテーム及びスクラロースから選ばれる1種又は2種以上
    (D)マルトース及びマンノビオースから選ばれる少なくとも1種
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.91以下であり、
    成分(C)の含有量が0.003〜0.07質量%であり、かつ
    成分(D)の含有量が0.2〜0.6質量%である、
    加熱殺菌された容器詰乳入りコーヒー飲料。
  2. 成分(C)と成分(D)との質量比[(D)/(C)]が5〜70である、請求項1記載の容器詰乳入りコーヒー飲料。
  3. 成分(A)の含有量が0.02〜1質量%である、請求項1又は2記載の容器詰乳入りコーヒー飲料。
  4. 成分(B)の含有量が0.0001〜0.1質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料。
  5. pHが5〜7である、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料。
  6. Brixが1〜10である、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料。
  7. 更に成分(E)として乳化剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の容器詰乳入りコーヒー飲料。
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