JP2006254713A - 乳飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Michio Ikeda
三知男 池田
Masahito Endo
雅人 遠藤
Masayuki Akiyama
正行 秋山
Kazuya Murakami
和也 村上
Yuta Hirano
雄太 平野
Teruyuki Miyai
輝幸 宮井
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Abstract

【課題】 乳飲料の風味を向上させる。
【解決手段】乳及び/又は豆乳を含む第1の飲料成分を、121℃で0.0001〜15分保持に相当する条件で直接加熱法により加熱殺菌し、均質化した後、冷却する工程と、乳および豆乳を含まない第2の飲料成分を加熱殺菌し、冷却する工程と、冷却した第1の飲料成分と、冷却した第2の飲料成分を混合する工程を有することを特徴とする乳飲料の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、乳および/または豆乳を含む乳飲料およびその製造方法に関する。
一般的に市場で流通される乳含有飲料や豆乳含有飲料は、加熱殺菌工程を経て製造されるため、殺菌時の風味の低下が課題である。例えば、常温で保存可能な無菌飲料の場合は、121℃で20〜30分相当の厳しい条件で加熱殺菌されるため、殺菌時における味や香りの低下が大きい。
下記特許文献1では、乳および乳化剤を含む乳成分を混合し、乳化した第1の成分を121℃、20〜30分相当の条件で高温殺菌し冷却する一方で、乳を含まない第2の成分を121℃、5分相当の条件で高温殺菌して冷却し、冷却した第1の成分と、冷却した第2の成分とを無菌下で混合して乳入り清涼飲料を製造する方法が提案されている。
また下記特許文献2には、乳化剤を含まず、乳成分を含む第1の成分を乳化した後、例えば138℃、30秒(121℃、25分に相当)の条件で加熱殺菌する一方で、乳を含まず、乳化剤および香味成分を含む第2の成分を、例えば131℃、30秒(121℃、5分に相当)の条件で加熱殺菌し、しかる後に両者を混合して乳含有飲料を製造する方法が記載されている。
特許第3272292号公報 特開2003−24022号公報
しかしながら従来の方法では、乳飲料の製造における風味の改善効果が充分とはいえない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、乳飲料の風味をより向上できる製造方法、および該方法で製造される乳飲料を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、乳および/または豆乳を含む乳飲料を製造する方法であって、乳および/または豆乳を含む第1の飲料成分を、121℃で0.0001〜15分保持に相当する条件で直接加熱法により加熱殺菌し、均質化した後、冷却する工程と、乳および豆乳を含まない第2の飲料成分を加熱殺菌し、冷却する工程と、冷却した第1の飲料成分と、冷却した第2の飲料成分を混合する工程を有することを特徴とする方法を提供する。
また本発明は、本発明の製造方法で製造される乳飲料を提供する。
本発明によれば、より風味が向上した、乳および/または豆乳を含む乳飲料が得られる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における乳は、乳蛋白質および/または乳脂肪を含有するものであればいずれであってもよく、例えば、生乳、牛乳、脱脂乳、部分脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、乳清(ホエー)、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質分離物(WPI)、全乳蛋白質濃縮物(TMP)、クリーム、クリームパウダー、ホエーパウダー等が挙げられる。簡便には、市販の牛乳(例えば森永乳業社製等)を使用することができる。尚、粉末又は濃縮形態の乳は、最終的に飲料成分として利用するため、及び後記する殺菌を行うために、水、温水等の溶媒に分散又は溶解した溶液状態で使用される。
本発明における豆乳は、日本農林規格(JAS)の分類における豆乳、調製豆乳を用いることができる。又、豆乳粉末、豆乳大豆たんぱく質も使用できる。粉末の原料は水、温水等の溶媒に分散又は溶解した溶液状態で使用される。これらの中で好ましいのは豆乳である。
本発明の乳飲料における乳および/または豆乳の含有量は特に限定されないが、最終製品における乳固形分および/または大豆固形分の濃度が0.1〜15質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の乳飲料には乳化剤を含有させることが好ましい。乳化剤は食品添加物として認可されている乳化剤のうちの1種または2種以上が用いられる。具体例としては、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明においては、特にHLBの値が8〜18程度のものが好ましく、例えば蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が好適である。本発明の乳飲料における乳化剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.001〜1.0質量%程度である。
本発明の乳飲料には香味成分を適宜含有させることが好ましい。香味成分は飲料成分として許容される材料で、得ようとする飲料の味付けおよび香り付けのために添加される材料であって、香りを呈する材料、および味と香りの両方を呈する材料がこれに含まれる。例えば、コーヒー、紅茶、緑茶、ほうじ茶、番茶、煎茶、ウーロン茶等の茶類およびこれらのエキス;柑橘類、リンゴ、ブドウ、イチゴ、パイナップル、バナナ、ナシ、モモ、ウメ、ブルーベリー等のベリー類、メロン、グアバ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ等の果汁類;トマト、ニンジン等の野菜汁類;果汁類または野菜汁類の粉末;果汁類または野菜汁類のフレーバー等が挙げられる。
また香りを調整するために補助的に用いられる香料も本発明における香味成分に含まれる。
尚、粉末又は濃縮形態の香味成分は、最終的に飲料成分として利用するため、及び後記する殺菌を行うために、水、温水等の溶媒に分散又は溶解した溶液状態で使用される。
本発明の乳飲料には、必要に応じて甘味料を含有させることができる。また、その他の成分として、増粘多糖類、油脂、蛋白質、アミノ酸、有機酸、ビタミン、無機塩類、pH調整剤等を添加することもできる。
甘味料としては、例えば砂糖(蔗糖)、ブドウ糖、果糖、乳糖、マルトース、パラチノース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラフィノーズ等の糖類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチュロース等の糖アルコール;グルチルリチン、ステビオサイド、レバウディオサイド、甜茶抽出物、甘茶抽出物等の天然甘味料、サッカリン、アステルパーム等の人工甘味料を例示することができる。簡便には、市販の蔗糖(例えば、三井製糖社製)等を使用することができる。
本発明の方法により乳含有飲料を製造するには、まず、乳および/または豆乳を含む第1の飲料成分を調製する。乳飲料に香味成分および甘味料を含有させる場合、香味成分と甘味成分の反応を防ぐために、甘味料は第1の飲料成分に含有させ、香味成分は後記の第2の飲料成分に含有させることが好ましい。
第1の飲料成分および第2の飲料成分は、上記のそれぞれの含有成分と水(温水を含む)を含有することが好ましい。
第1の飲料成分は予備乳化することが好ましい。第1の飲料成分の予備乳化時の温度は80℃程度に保持することが好ましい。材料の温度が高い場合には、必要に応じて混合前に材料を冷却しておいてもよい。また、良好な乳化状態を得るために、操作条件が互いに異なる複数段階の乳化工程を設けることが好ましい。例えば、スーパーミキサー等の混合手段を用いて十分な乳化(一段目)を行った後、ホモジナイザー等の乳化手段を用いて乳化(二段目)を行うことが好ましい。
予備乳化後、第1の飲料成分を、直接加熱法により加熱殺菌した後、均質化する。
乳飲料等を殺菌する方法として、超高温加熱処理法(以下、UHT法と記載する。)が知られているが、このUHT法には、間接加熱法と、直接加熱法との2種類がある。間接加熱法は、乳飲料等を殺菌温度まで加熱する操作において、加熱に熱交換器を使用することを特徴としており、乳飲料等を伝熱壁を介して熱媒と接触させ、この伝熱壁を通して乳飲料等を加熱する。
これに対して、直接加熱法は、乳飲料等と加圧蒸気とを直接接触させて加熱する。直接加熱殺菌法としては、乳飲料等の中に加圧蒸気を吹き込む方式(インジェクション方式)と、蒸気を充満させた容器の中に乳飲料等を放出する方式(インフュージョン方式)とがある。
インフュージョン方式の直接加熱法は、公知の装置を用いて行うことができ、例えば次の手順で行われる。すなわち、まず、未殺菌の第1の飲料成分を予備加熱して中間温度まで上昇させ、これを、加圧蒸気を充満させた加熱容器の内部に放出する。この際、第1の飲料成分が蒸気と接触することにより短時間で所定の殺菌温度に加熱される。加熱された第1の飲料成分は、所定長さの保持管を通過して、所定時間保持されて殺菌される。その後、吸引室に送られる。吸引室は所定の陰圧になるように吸引されており、送られた第1の飲料成分は減圧沸騰し、加熱時に流入した蒸気が抜かれるとともに温度が低下し、殺菌前の中間温度付近まで温度降下する。このように吸引室にて減圧沸騰して急冷した後に、均質機によって所定の均質圧力で均質化処理を行う。その後、所定の冷却を行う。
インジェクション方式の直接加熱法は、公知の装置を用いて行うことができ、例えば次の手順で行われる。すなわち、まず、未殺菌の第1の飲料成分を予備加熱して中間温度まで上昇させ、次いで加圧する。そして加圧された第1の飲料成分に対して加圧蒸気を吹き込む。この際、第1の飲料成分中に蒸気が流入し、第1の飲料成分は蒸気と接触することにより短時間で所定の殺菌温度に加熱される。加熱された第1の飲料成分は、所定長さの保持管を通過して、所定時間保持されて殺菌される。その後、吸引室に送られる。吸引室は所定の陰圧になるように吸引されており、送られた第1の飲料成分は減圧沸騰し、加熱時に流入した蒸気が抜かれるとともに温度が低下し、殺菌前の中間温度付近まで温度降下する。また、吸引室にて減圧沸騰して急冷した後に、均質機によって所定の均質圧力で均質化処理を行う。その後、所定の冷却を行う。
第1の飲料成分を直接加熱法により殺菌する際の加熱条件は、121℃で0.0001〜15分保持に相当する条件とする。ここで「相当する条件」とは、殺菌効果が同等であること、すなわち殺菌後の菌の死滅状態が同等であることを意味する。したがって、加熱温度や加熱時間が異なっても、同等の殺菌効果が得られれば「相当する条件」であると言える。
第1の飲料成分を殺菌する際の上記加熱条件の下限値(121℃、0.0001分)は、直接加熱殺菌機の構造上可能な加熱条件の下限値である。
一方、殺菌時の加熱条件が高すぎる(温度が高い及び/又は時間が長い)と乳飲料の風味の低下が大きくなる。該加熱条件の好ましい上限値は121℃で10分保持に相当する条件である。
特に常温で保存可能な無菌飲料を得ようとする場合、上記加熱条件のより好ましい範囲は121℃で4〜6分に相当する条件である。また10℃以下で保存、流通されるチルド飲料を得ようとする場合、上記加熱条件のより好ましい範囲は121℃で0.0001〜0.25分に相当する条件である。
加熱殺菌後、均質化し、しかる後に第1の飲料成分を冷却する。冷却温度は5〜10℃程度が好ましい。
一方、第1の飲料成分とは別に、乳および豆乳を含まない第2の飲料成分を調製し、これを加熱殺菌する。
乳飲料に香味成分を含有させる場合は第2の飲料成分に含有させることが好ましい。
乳飲料にpH調製剤を含有させる場合は、第2の飲料成分に含有させることが好ましい。
第2の飲料成分を調製する際の温度は10℃程度に保持することが好ましい。また、温水を用いて抽出したコーヒー抽出液を用いる場合など、材料の温度が高い場合には、必要に応じて混合前に材料を冷却しておいてもよい。
第2の飲料成分の加熱殺菌の方法は特に限定されない。例えば上述の直接加熱法または間接加熱法を用いることができるが、直接加熱法による吸引室での香味成分の散逸の点からは間接加熱法が好ましい。
第2の飲料成分の殺菌時の加熱条件は、前記第1の飲料成分の殺菌時の加熱条件と同等か、またはこれよりも緩やかな条件とすることが好ましいが、最終製品の流通や保存の状態に応じて要求される殺菌効果が得られるように設定される。ここで加熱殺菌の加熱条件が緩やかであるとは、加熱温度が低い及び/又は加熱時間が短いことをいう。
第2の飲料成分の殺菌時の加熱条件が緩やかであるほど、加熱による成分の劣化や好ましくない風味成分の生成が少ない。第2の飲料成分が香味成分を含有する場合、香味成分が本来有している味や香りの劣化をより抑えることができる。
例えば、常温で保存可能な無菌飲料を得ようとする場合、無菌飲料に要求される殺菌状態を得るためには、第2の飲料成分を121℃で4分間保持に相当する条件以上とすることが必要である。第2の飲料成分を第1の飲料成分と同等の加熱条件で殺菌すれば充分な殺菌効果が得られる。それ以上に殺菌条件を厳しくすることは風味の劣化が大きくなるので好ましくない。
一方、10℃以下で保存、流通されるチルド飲料を得ようとする場合には、チルド飲料に要求される殺菌状態を得るために、第2の飲料成分を121℃で0.000035秒間保持に相当する条件以上とすることが必要である。この殺菌条件は、食品衛生法(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)「乳飲料の製造の方法の基準」に規定されている殺菌条件(62℃30分)に相当する。またチルド飲料の場合も、第2の飲料成分を第1の飲料成分と同等の加熱条件で殺菌すれば充分な殺菌効果が得られる。それ以上に殺菌条件を厳しくすることは風味の劣化が大きくなるので好ましくない。
加熱殺菌後、第2の飲料成分を冷却する。冷却温度は5〜10℃程度が好ましい。
加熱殺菌後、冷却前に均質化工程を行ってもよい。
次いで、加熱殺菌した第1の飲料成分と、加熱殺菌した第2の飲料成分とを混合し、得られた混合液を容器に充填する。
特に常温で保存可能な無菌飲料を得ようとする場合には、例えば無菌タンク内で混合するなど、混合を無菌条件下で行う。そして得られた混合液は無菌条件下で、予め殺菌された容器内に充填することが好ましい。
いずれの場合も、混合時の温度は10℃以下に保持することが好ましい。
なお、乳および豆乳以外の成分を、第2の飲料成分、第3の飲料成分…と複数に分けてそれぞれ加熱殺菌、冷却し、しかる後に第1の飲料成分と混合してもよい。
以下、具体的な実施例を示して本発明の効果を明らかにする。
(実施例1)
図1に示す工程に従い、表1の処方に基づいてコーヒーの風味を有する乳飲料(無菌飲料)を製造した。
まず、脱脂粉乳(森永乳業社製、以下同じ)、無塩バター(森永乳業社製、以下同じ)、および蔗糖(三井製糖社製、以下同じ)を混合して第1の飲料成分を得、これを予備乳化した後、加熱殺菌を行った。混合時および予備乳化時の液温は80℃に保持した。加熱殺菌はスチームインフュージョン式殺菌機(APV社製、以下同じ)を用い、145℃で3.7秒保持する加熱条件(121℃で15分保持に相当する加熱条件)で行った。加熱殺菌後、均質化し、液温を10℃にまで冷却した。
これとは別に、10℃に冷却したコーヒー抽出液(高砂珈琲社製、以下同じ)に、乳化剤として蔗糖脂肪酸エステル(HLB=12)およびグリセリン脂肪酸エステル(HLB=12)(いずれも三栄源FFI社製、以下同じ)と、香料(コーヒーフレーバー、長谷川香料社製、以下同じ)とを添加し、混合して第2の飲料成分を得た。この混合時の液温は10℃とした。
得られた第2の飲料成分を、プレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製、以下同じ)を用い、131℃で30秒保持する加熱条件(121℃で5分保持に相当する加熱条件)で加熱殺菌した。加熱殺菌後、均質化し、液温を10℃にまで冷却した。
この後、第1の飲料成分と第2の飲料成分とを、無菌タンク(安田ファインテ社製、以下同じ)内で混合した後、予め殺菌した容器内に無菌条件下で充填して乳飲料を得た。
Figure 2006254713
(実施例2)
図2に示す工程に従い、表1の処方に基づいてコーヒーの風味を有する乳飲料(無菌飲料)を製造した。
すなわち実施例1において、第1の飲料成分の加熱殺菌を行う装置を、スチームインジェクション式殺菌機(APV社製、以下同じ)に変更した。その他は上記実施例1と同様にして乳飲料を製造した。
(実施例3)
図3に示す工程に従い、表2の処方に基づいて豆乳を含みコーヒーの風味を有する乳飲料(無菌飲料)を製造した。
まず、豆乳(不二製油社製、以下同じ)および蔗糖を混合して第1の飲料成分を得、これを予備乳化した後、加熱殺菌を行った。予備乳化時の液温は80℃に保持した。加熱殺菌はスチームインフュージョン式殺菌機を用い、145℃で3.7秒保持する加熱条件(121℃で15分保持に相当する加熱条件)で行った。加熱殺菌後、均質化し、液温を10℃にまで冷却した。
これとは別に、第2の飲料成分を上記実施例1における第2の飲料成分と同様の手順で調製した。
この後、第1の飲料成分と第2の飲料成分とを、無菌タンク内で混合した後、予め殺菌した容器内に無菌条件下で充填して乳飲料を得た。
Figure 2006254713
(実施例4)
図4に示す工程に従い、表3の処方に基づいて乳および豆乳を含みコーヒーの風味を有する乳飲料(無菌飲料)を製造した。
処方を変更した他は実施例1と同様の手順で乳飲料を得た。
すなわち、まず脱脂粉乳、無塩バター、豆乳および蔗糖を混合して第1の飲料成分を得、これを予備乳化した後、加熱殺菌を行った。混合時および予備乳化時の液温は80℃に保持した。加熱殺菌はスチームインフュージョン式殺菌機を用い、145℃で3.7秒保持する加熱条件(121℃で15分保持に相当する加熱条件)で行った。加熱殺菌後、均質化し、液温を10℃にまで冷却した。
これとは別に、第2の飲料成分を上記実施例1における第2の飲料成分と同様の手順で調製した。
この後、第1の飲料成分と第2の飲料成分とを、無菌タンク内で混合した後、予め殺菌した容器内に無菌条件下で充填して乳飲料を得た。
Figure 2006254713
(実施例5)
図5に示す工程に従い、表1の処方に基づいてコーヒーの風味を有する乳飲料(チルド飲料)を製造した。
すなわち、実施例1において第1の飲料成分および第2の飲料成分の加熱殺菌条件を130℃で2秒保持(121℃で15秒保持に相当)に変更した。その他は実施例1と同様にして乳飲料を製造した。
(実施例6)
図6に示す工程に従い、表4の処方に基づいて紅茶の風味を有する乳飲料(チルド飲料)を製造した。
まず第1の飲料成分を調製した。上記実施例1における第1の飲料成分の調製工程において、加熱殺菌条件を130℃で2秒保持(121℃で15秒保持に相当)に変更した他は同様にして第1の飲料成分を得た。
これとは別に、10℃に冷却した紅茶抽出液(リプトンジャパン社製)に、実施例1と同様にして、乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル)、香料(紅茶フレーバー、長谷川香料社製)を添加し、混合して第2の飲料成分を得た。混合時の液温は10℃とした。
得られた第2の飲料成分を、プレート式殺菌機を用い、130℃で2秒保持する加熱条件(121℃で15秒保持に相当する加熱条件)で加熱殺菌した。加熱殺菌後、均質化し、液温を10℃にまで冷却した。
この後、第1の飲料成分と第2の飲料成分とを、無菌タンク内で混合した後、予め殺菌した容器内に無菌条件下で充填して乳飲料を得た。
Figure 2006254713
(実施例7)
図7に示す工程に従い、表5の処方に基づいてストロベリーの風味を有する乳飲料(チルド飲料)を製造した。
まず第1の飲料成分を調製した。上記実施例2における第1の飲料成分の調製工程において、加熱殺菌条件を130℃で2秒保持(121℃で15秒保持に相当)に変更した他は同様にして第1の飲料成分を得た。
これとは別に、10℃に冷却したストロベリー果汁(東京フードテクノ社製)に、実施例1と同様にして、乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル)、香料(ストロベリーフレーバー、長谷川香料社製)、pH調整剤(純無水炭酸ナトリウム)を添加し、混合して第2の飲料成分を得た。混合時の液温は10℃とした。
得られた第2の飲料成分を、プレート式殺菌機を用い、130℃で2秒保持する加熱条件(121℃で15秒に相当する加熱条件)で加熱殺菌した。加熱殺菌後、均質化し、液温を10℃にまで冷却した。
この後、第1の飲料成分と第2の飲料成分とを、無菌タンク内で混合した後、予め殺菌した容器内に無菌条件下で充填して乳飲料を得た。
Figure 2006254713
(比較例1)
図8に示す工程に従い、表1の処方に基づいてコーヒーの風味を有する乳含有飲料(無菌飲料)を製造した。本例は、第1の飲料成分の加熱殺菌をプレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製)を用い、138℃で30秒保持する加熱条件(121℃で25分保持に相当する加熱条件)で行った点で上記実施例1と異なる。それ以外は実施例1と同様にして乳飲料を得た。
(比較例2)
前記実施例5において、第1の飲料成分の加熱殺菌をプレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製)を用いて行った他は実施例5と同様にして乳飲料を製造した。第1の飲料成分および第2の飲料成分の加熱殺菌条件は130℃で2秒保持とした。
(試験例1:風味の嗜好性)
実施例1および比較例1で製造したコーヒー入り乳飲料について風味の嗜好性を評価した。評価は53名(男性20名、女性33名)のパネリストにコーヒー入り乳飲料を飲んでもらい、風味を相対比較する方法を用いた。結果を図9に示す。有意差検定は公知のカイ二乗検定((株)培風館発行、P.G.ホエール著、浅井晃、村上正康訳、「初等統計学」、1994年第4版30刷発行、p219〜232 参照)を用いて行った。
試験例1の結果より、実施例1の方が明らかに比較例1よりも、好ましい風味が向上していることがわかる。
(試験例2:風味の嗜好性)
実施例5および比較例2で製造したコーヒー入り乳飲料について試験例1と同様の方法で風味の嗜好性を評価した。結果を図10に示す。
試験例2の結果より、実施例5の方が明らかに比較例2よりも、好ましい風味が向上していることがわかる。
(試験例3:香気成分分析)
実施例5および比較例2で製造したコーヒー入り乳飲料について香気成分の分析を行った。
香気成分の分析は以下の方法で行った。すなわちコーヒー入り乳飲料200mlに緩衝液30mlを加えた試料を、RAS(Retronasal Aroma Simulator)装置(DATU Inc.社製)のコンテナ(38℃に保温)に供給し、コンテナ内の試料を650rpmで撹拌しながら窒素ガスを1000ml/分で流したときに発生するヘッドスペース香気成分を固相マイクロ抽出(SPME)法で補足した。
補足した香気成分を、匂いかぎシステムを備えたガスクロマトグラフ装置(Agilent Technologies社製)に供給して含有成分を分離させ、「チャーム分析法(Charm Analysis;商標)」と呼ばれる公知の手法を用いて、分離された各成分の香りの強さを数値化した。
その結果を下記表6および表7に示す。表6には、実施例5の方が比較例2よりも香りの強い成分が記載されている。表7には比較例2の方が実施例5よりも香りの強い成分が記載されている。なお表中の「Charm Value」の値は大きいほど香りが強いことを示すものである。
Figure 2006254713
Figure 2006254713
また、参考試験例として、実施例5において第2の飲用成分と混合する直前の第1の飲用成分、および比較例2において第2の飲用成分と混合する直前の第1の飲用成分について、それぞれ上記の手法で香気成分の分析を行ったが、いずれにおいても表6および表7に挙げられている成分は検出されなかった。このことから、表6および表7に挙げられている成分は、第2の飲用成分に由来する香気成分または第1の飲用成分と第2の飲用成分との混合によって発生する香気成分と推測される。
ところで、実施例5および比較例2における第2の飲用成分は同一処方、同一条件で調製されたものである。
したがって、表6および表7に挙げられている成分の強度が実施例5および比較例2とで異なっているのは、実施例5と比較例2における第1の飲用成分の殺菌方法の違いに起因すると考えられる。
試験例2および試験例3の結果より、実施例5と比較例2における第1の飲用成分の殺菌方法の違いが、驚くべきことに、第2の飲用成分に由来する香気成分または第1の飲用成分と第2の飲用成分との混合によって発生する香気成分に影響を与え、その結果、乳飲料の風味が向上したものと推測される。
なお、乳を豆乳に変更した場合も、また乳と豆乳を混合した場合も、同様にして試験例2,3を行うと、実施例5および比較例2と同様の傾向が見られた。
また香味成分をコーヒー以外の成分(紅茶、抹茶、果汁等)に変更した場合も、同様にして試験例2,3を行うと、実施例5および比較例2と同様の傾向が見られた。
本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 本発明にかかる乳飲料の製造方法の実施例を示す工程図である。 比較例としての乳飲料の製造方法を示す工程図である。 風味の嗜好性の評価結果を示す図である。 風味の嗜好性の評価結果を示す図である。

Claims (2)

  1. 乳および/または豆乳を含む第1の飲料成分を、121℃で0.0001〜15分保持に相当する条件で直接加熱法により加熱殺菌し、均質化した後、冷却する工程と、
    乳および豆乳を含まない第2の飲料成分を加熱殺菌し、冷却する工程と、
    冷却した第1の飲料成分と、冷却した第2の飲料成分を混合する工程を有することを特徴とする乳飲料の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法で製造される乳飲料。

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