JP4545765B2 - 発酵乳原料の殺菌方法、発酵乳の製造方法、および発酵乳 - Google Patents

発酵乳原料の殺菌方法、発酵乳の製造方法、および発酵乳 Download PDF

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本発明は、発酵乳原料の殺菌方法、該殺菌方法を用いた発酵乳の製造方法、および該製造方法で得られる発酵乳に関する。
発酵乳は、一般に哺乳類の乳を主原料とし、これを乳酸菌、ビフィズス菌、酵母等(以下、乳酸菌等と記載することがある。)によって発酵させて得られる製品であり、製品の組成によって、(1)乳成分のみを原料として発酵させたプレーン発酵乳、(2)甘味料、香料、チョコレート、コーヒー等で味付けをしたフレーバード発酵乳、(3)フルーツを添加したフルーツ入り発酵乳、等に分類される。また、製品の性状によって、(1)固形状発酵乳、(2)糊状発酵乳、(3)液状発酵乳、等に分類される。このような分類の組合せにより、乳幼児から老人に至るまでの幅広い消費者年齢層に対して、それぞれの嗜好に適した発酵乳製品が製造されている。
発酵乳は、発酵乳原料を調製した後、発酵乳原料の加熱及び冷却からなる殺菌(均質化を含むことがある)、スターター(乳酸菌等)添加、発酵、冷却の各工程の順に製造される。
発酵乳原料の殺菌工程は、病原菌などの有害菌を死滅させること、乳酸菌の培地としての性質を改善すること、発酵乳の離水を防ぎカードを固くすること等を目的としている。従来、発酵乳原料の殺菌では、85℃以上95℃以下の温度まで昇温し、5分から15分の間保持して加熱処理すること(以下、このような殺菌方法を『従来殺菌法』と記載することがある。)が行われていた(非特許文献1参照)。
また、発酵乳の好適な硬度または粘度を得るために適正な蛋白変性を行うとともに、微生物的な殺菌を行うことを目的として、殺菌の工程において2段階の異なる条件による加熱処理を組合せたことを特徴とする発酵乳原料の殺菌方法等も報告されている(特許文献1参照)。
従来、乳原料や飲用乳等を殺菌する方法としては、超高温加熱処理法(以下、UHT法と記載する。)が主流となっている。このUHT法には、間接加熱殺菌法と、直接加熱殺菌法との2種類がある。
間接加熱殺菌法は、例えば飲用乳を殺菌温度まで加熱する操作において、加熱に熱交換器を使用することを特徴としており、飲用乳を伝熱壁を介して熱媒と接触させ、この伝熱壁を通して加熱する。これに対して、直接加熱殺菌法は、例えば飲用乳と加圧蒸気とを直接接触させて加熱する。この直接加熱殺菌法としては、飲用乳のなかに加圧蒸気を吹き込む方式(インジェクション方式)と、蒸気を充満させた容器の中に飲用乳を放出する方式(インフュージョン方式)とが存在している(以上、非特許文献2、または非特許文献3参照。)。
下記特許文献2は発酵工程を経ない飲用乳に関するもので、加熱殺菌を行うと熱によるダメージを受けることは避けられず、加熱臭の発生による風味の変化が生じることが記載されている。そしてインフュージョン式の直接加熱法を特定の条件で行うことにより、生乳には含まれず加熱殺菌後の乳に含まれる硫化物およびケトン類の量を低減できることが記載されている。
特許第3746982号公報 特開2005−46140号公報 山内邦男ら編、「ミルク総合事典」、株式会社朝倉書店、1998年、第238頁 山内邦男ら編、「ミルク総合事典」、株式会社朝倉書店、1998年、第153−155頁 岩附慧二、外1名、「新しい殺菌技術」、乳業技術、財団法人日本乳業技術協会、平成12年10月20日、第50巻、第161−185頁
上記のように、発酵工程を経ない飲用乳については、加熱殺菌による加熱臭の抑制に関する提案がなされているが、発酵工程を経て製造される発酵乳については、原料の加熱殺菌と製品の風味との関係に関する報告は無い。また発酵乳においては、飲用乳と異なり、加熱処理の条件が殺菌効果だけでなく、発酵後に得られる発酵乳の粘度や硬さといった性状にも影響を与えるため、飲用乳における技術や知見をそのまま発酵乳に適用できるかどうかは予測できない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、発酵乳の好ましい性状を損なうことなく、風味を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は発酵乳原料の殺菌方法であって、発酵乳原料を85℃以上95℃以下の第1の処理温度まで昇温して5分以上15分以下保持する第1の加熱処理を行う工程と、前記第1の加熱処理の後、直接加熱法で100℃以上150℃以下の第2の処理温度まで昇温して2秒以上5.5秒以下保持する第2の加熱処理を行う工程と、前記第2の加熱処理の後、減圧沸騰させて前記第2の処理温度より低い第3の処理温度まで冷却処理する工程を有することを特徴とする発酵乳原料の殺菌方法を提供する。
また本発明は、発酵乳原料を調製する工程と、該発酵乳原料を本発明の殺菌方法によって殺菌する工程と、殺菌後の発酵乳原料を発酵させる工程を有することを特徴とする発酵乳の製造方法を提供する。
また本発明は、前記製造方法によって得られる、2−ペンタノンの含有量が31ppb以下である発酵乳を提供する。
本発明によれば、発酵乳の好ましい性状を損なうことなく、加熱臭を低減させて風味を向上させることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
<発酵乳原料>
本発明における発酵乳原料は、乳類と、必要に応じて添加される他の原料を、水とともに混合したものである。
乳類は、発酵乳の製造において通常用いられているものであればよく、例えば、牛乳、馬乳、山羊乳、羊乳などの生乳、脱脂乳、脱脂粉乳や全脂粉乳を溶解した還元乳、乳蛋白質、乳清蛋白質分離物(WPI)等が挙げられる。また必要に応じてバターやクリーム等の脂肪分を含有する原料を用いることもできる。なお、風味を向上させるという点では、発酵乳原料における乳脂肪は1.5%以上が好ましく、2.0%以上が特に好ましい。
他の原料としては、各種糖質や乳化剤、増粘剤、甘味料、酸味料、果汁、香料、植物性脂肪等の食品素材を適宜配合できる。具体的には、ショ糖、果糖、ブドウ糖、デキストリン、還元麦芽糖等の糖類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール;オレンジ果汁、レモン果汁、リンゴ果汁、ストロベリー果汁、ブルーベリー果汁等の果汁類;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;ペクチン、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム等の増粘(安定)剤;ヤシ油、オリーブ油、大豆油等の植物性脂肪等が挙げられる。
<発酵乳原料の殺菌方法>
本発明の殺菌方法は、少なくとも、第1の加熱処理と第2の加熱処理との2段階の異なる条件で加熱処理を行う。
[第1の加熱処理]
第1の加熱処理は、85℃以上95℃以下の第1の処理温度まで昇温し、該第1の処理温度に5分以上15分以下保持して加熱処理を行う。この加熱条件は前記従来殺菌法と同等であり、この処理によって充分な殺菌効果が得られる。また該第1の加熱処理により発酵乳原料を熱変性させて、発酵工程後に得られる発酵乳の粘度を好ましい範囲とすることができる。
第1の処理温度が上記範囲より低いと、または第1の処理温度に保持する保持時間が上記範囲より短いと、熱履歴が不足して、殺菌効果および/または発酵乳原料の熱変性が不充分となるおそれがある。一方、第1の処理温度が上記範囲より高いと、または保持時間が上記範囲より長いと、発酵乳の組織が軟弱となるおそれがある。特に90〜95℃で5〜10分加熱処理することが望ましい。
前記条件に基づいた加熱処理を行うために、第1の加熱処理はプレート式殺菌機、チューブラー式殺菌機などを用いた間接加熱法で行うことが望ましい。
[第2の加熱処理および第1の冷却処理]
第2の加熱処理は、100℃以上150℃以下の第2の処理温度まで昇温し、該第2の処理温度に2秒以上5.5秒以下保持して加熱処理を行う。
第2の処理温度が上記範囲より低いと、または第2の処理温度に保持する保持時間が上記範囲より短いと、加熱臭の低減や風味改善の効果が充分に得られないおそれがある。
一方、第2の処理温度が上記範囲より高いと、または保持時間が上記範囲より長いと、過度の加熱処理となり、発酵乳の良好な組織が得られないおそれがある。
第2の処理温度は110℃以上150℃以下がより好ましい。110℃以上で加熱処理することにより、芽胞菌等の耐熱生菌を殺菌することも可能である。
第2の加熱処理は、直接加熱法または間接加熱法で行うことができる。本発明では直接加熱法で行う。直接加熱法としては、インフュージョン式またはインジェクション式が挙げられる。間接加熱法の例としてはプレート式殺菌機を用いる方法や、チューブラー式殺菌機を用いる方法等が挙げられる。第2の加熱処理を間接加熱法で行うと、その後に減圧沸騰による冷却処理(以下、第1の冷却処理ということもある。)を行うことにより発酵乳原料は濃縮されることになる。インフュージョン式またはインジェクション式の直接加熱法で第2の加熱処理を行うと発酵乳原料中に蒸気が混入されるため、その後に減圧沸騰を行うことにより該混入した蒸気を除去することができる。したがって、直接加熱法は、発酵原料乳を濃縮させずに第2の加熱処理および減圧沸騰による冷却処理を行うことができる点で好ましい。また直接加熱法は、昇温および降温をより短時間で行うことができるため過加熱が生じ難い点でも好ましい。
また、第2の加熱処理と減圧沸騰による冷却処理(第1の冷却処理)とを連続して行うことが好ましい。
例えば、インフュージョン方式の直接加熱法の手順は次のとおりである。すなわち、まず、発酵乳原料を予備加熱して中間温度まで上昇させ、次いで、加圧蒸気を充満させた加熱容器の内部に発酵乳原料を放出する。この際に、発酵乳原料は蒸気と接触して蒸気が発酵乳原料の中に流入するため、発酵乳原料は所定の温度(第2の処理温度)に加熱される。加熱された発酵乳原料は、所定長さの保持管を通過することにより所定時間保持される。その後、加熱された発酵乳原料は吸引室に送られる。吸引室は所定の陰圧になるように吸引されており、このため、送られた発酵乳原料は減圧沸騰し、加熱時に流入した蒸気が抜かれるとともに温度が低下し(第1の冷却処理)、第3の処理温度まで冷却される。
例えば、インジェクション方式の直接加熱法の手順は次のとおりである。すなわち、まず、発酵乳原料を予備加熱して中間温度まで上昇させ、該発酵乳原料中に、加圧蒸気を吹き込む。これにより発酵乳原料は蒸気と接触して所定の温度(第2の処理温度)に加熱される。加熱された発酵乳原料は、所定長さの保持管を通過することにより所定時間保持される。その後、加熱された発酵乳原料は吸引室に送られる。吸引室は所定の陰圧になるように吸引されており、このため、送られた発酵乳原料は減圧沸騰し、加熱時に吹き込まれた蒸気が抜かれるとともに温度が低下し(第1の冷却処理)、第3の処理温度まで冷却される。
また第1の加熱処理と第2の加熱処理との間に、発酵乳原料を冷却する工程を加えることも可能であるが、かかる冷却工程を行わず、第1の加熱処理に続けて第2の加熱処理を行うことが好ましい。その場合には、発酵乳原料を予備加熱する工程を省略することができる。
第1の冷却処理における第3の処理温度は第2の処理温度より低い温度とされる。第2の加熱処理を直接加熱法で行う場合、第1の処理温度が第3の処理温度と同じであると、第2の加熱処理前と第1の冷却処理後とで、発酵乳原料中の水分含有量は変わらない。すなわち濃縮されない。一方、第3の処理温度が第1の処理温度より低いと発酵乳原料は濃縮される。また、第3の処理温度を第1の処理温度より高くすると発酵乳原料を希釈することができる。
また第3の処理温度と第2の処理温度との差は、装置の規模等に応じて適宜設定できる。該第3の処理温度と第2の処理温度との差は1〜100℃の範囲内であることが好ましく、発酵乳における加熱臭の低減効果や、乳本来の風味やコクを保持する点から、5〜55℃であることがより好ましい。
[第2の冷却処理および均質化処理]
第1の冷却処理により第3の処理温度まで冷却した後、さらに第2の冷却処理を行い、最終的には発酵温度付近にまで温度を下げる。発酵温度は25〜45℃程度である。第2の冷却処理は、例えばプレート熱交換器を用いて行うことができる。
第2の冷却処理において、例えば55〜95℃、好ましく60〜85℃にまで一旦冷却して、5〜25MPa、好ましくは10〜20MPaの均質圧で均質化処理を行った後、さらに冷却して発酵温度とすることが好ましい。
なお、均質化処理は必須ではないが、良好な組織を得るためには上記の条件を満たす均質化処理を行うことが好ましい。均質化処理を行うタイミングは、第2の冷却工程の途中でもよいが、第1の加熱処理に至る加熱段階もしくは第1の加熱処理の途中の段階で行うこともでき、又は第1の冷却処理の後に行うこともできる。
尚、発酵乳原料の殺菌工程の前後に、熱履歴に大きな影響を及ぼさない程度の別の目的による加熱処理を適宜追加することは差し支えない。
[乳清蛋白質変性率]
このような殺菌方法を経た発酵乳原料の乳清蛋白質変性率は、発酵工程後の発酵乳における性状(硬度または粘度)の指標となる。本明細書における乳清蛋白質変性率の値は、「牛乳の官能特性に及ぼす殺菌条件の影響」、日本食品科学工学会誌、第46号、第8号、1999年8月、第535−542頁に記載の岩附らの方法に従って測定され、下記数式(1)で算出される値である。この値が大きいほど、発酵工程後の発酵乳における硬度または粘度が高くなる傾向がある。
変性率(%)=[(殺菌前の発酵乳原料の420nmにおける吸光度)−(殺菌後の発酵乳原料の420nmにおける吸光度)]/(殺菌前の発酵乳原料の420nmにおける吸光度)×100 …(1)
該発酵乳原料の乳清蛋白質変性率は、80%以上であることが好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。上限は特に限定されず100%でもよい。乳清蛋白質変性率が80%以上であると発酵乳の粘度や高度が高まり、組織を良好にすることが可能である。
<発酵乳原料の製造方法>
本発明の殺菌方法により加熱殺菌処理され、発酵温度付近にまで冷却された発酵乳原料に、乳酸菌等のスターターを添加した後、所定の発酵温度に保持して発酵させる。発酵後、発酵を終了させるために常法にしたがって冷却することにより、発酵乳が得られる。
スターターとして使用する菌は、特に限定されるものではなく産業的に使用可能な菌株を利用することが可能であり、具体的には、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)やストレプトコッカス・クレモリス(Streptococcus cremoris)等の酸生成の少ない菌種、またはラクトバシラス・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)を採用することが好ましい。
発酵は、37℃において乳酸酸度が0.70%に達するまで行うことが好ましい。乳酸酸度の値は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」における「乳及び乳製品の酸度の測定法」に従って求められる値である。
また、酸度が0.70%に到達した後も適宜発酵を続け、所望の酸度に調整することも可能である。
<発酵乳>
本発明の製造方法によれば、10℃における粘度が1500mPa・s以上、好ましくは2000mPa・s以上の発酵乳を得ることができる。本明細書における粘度の値は、B型粘度計(例えば、東京計器社製)を使用し、4番ローター、60回転/分、試料温度10℃の条件により測定した値である。
該粘度の値が1500mPa・s以上であると、発酵乳の食感が良好となる。該粘度の上限値は特に限定されないが、現実的に達成可能な範囲は10,000mPa・s以下である。
本発明は固形状発酵乳又は糊状発酵乳の製造に好適である。
固形状発酵乳とは、流動性のない組織を有する発酵乳を意味する。このような固形状発酵乳の具体例としては、殺菌した発酵乳原料をあらかじめ容器に充填し、その後スターターを添加し発酵して製造する静置型のプレーンヨーグルトやハードヨーグルト、または後記する糊状発酵乳にゼラチンや寒天等のゲル化剤を加えて固めた発酵乳等が挙げられる。
糊状発酵乳とは、組織に流動性はあるものの粘度が高く、スプーン等を使用して食される発酵乳を意味する。例えば、タンク内で、殺菌した発酵乳原料にスターターを添加して発酵させ、生じたカードを破砕することにより糊状発酵乳が得られる。該粉砕工程は1.0MPa以下の均質圧で行うことが好ましい。こうして得られる糊状発酵乳に、例えばチョコレートやフルーツソース、果肉などを混合して、フレーバード発酵乳やフルーツ入り発酵乳などを製造することも可能である。
本発明の製造方法により得られる発酵乳は、発酵乳原料の殺菌段階等で生じる加熱臭の原因である硫黄化合物やケトン類が低減されており、良好な風味を有する。
具体的には、硫黄化合物のジメチルサルファイド(Dimethylsulfide:DMS)やケトン類のペンタノンが低減され、後述の試験例に示されるように、2−ペンタノン(2-Pentanone)が31ppb以下に低減されており、風味の官能評価が良好である発酵乳が得られる。
一方、後述の試料31〜34についての評価結果に示されるように、必ずしも発酵乳中の2−ペンタノン含量が少ない方が風味の官能評価が良いとは限らない。これは、乳原料には元々硫黄化合物やケトン類がごく微量含まれており、これらは牛乳等の香りを構成する成分の一部でもあるため、発酵乳における乳本来の風味にも寄与していると考えられる。したがって、乳本来の風味やコクを損なわない範囲で上記加熱臭の原因物質を除去することが望ましい。
なお、本明細書における、前記硫黄化合物やケトン類等の香気成分の測定方法は、下記試験例で詳述する。
本発明によれば、硫黄化合物やケトン類等の加熱臭が低減された風味が良好な発酵乳を提供することが可能である。また後述の試験例に示されるように、従来殺菌法のみを用いて殺菌した場合に比べて発酵時間が短縮される。本発明の殺菌方法は、工業規模において、簡便に応用することができ、これを用いて発酵乳を安価に製造することが可能である。
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。以下の試験例では下記の測定方法を用いた。
[乳酸酸度]
乳酸酸度の測定は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」における「乳及び乳製品の酸度の測定法」に従って、フェノールフタレインを指示薬として用いた0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液による滴定により測定した。
[乳清蛋白質変性率]
殺菌後の発酵乳原料(殺菌後試料)および殺菌前の発酵乳原料(殺菌前試料)を用いて、次の方法により乳清蛋白質変性率を測定した。すなわち、各試料22gを37℃で30分間保持し、食塩8gを添加した後、濾過し、濾液1mlに酸性飽和食塩水(飽和食塩水1Lに氷酢酸4mlを添加したもの)10mlを添加し、分光光度計(日立製作所社製、製品名:U−2000形ダブルビーム分光光度計)を用いて420nmにおける吸光度(ディスポセル、光路長10mm、室温)を測定した。吸光度の測定値に基づき、前記数式(1)により変性率(%)を算出した。
[粘度]
発酵乳を調製後10℃で20時間保管した試料の粘度を、B型粘度計(東京計器社製)を使用し、4番ローターを用いて、60回転/分、試料温度10℃の条件によりそれぞれ5回ずつ測定して、平均値を算出した。
[香気成分のピーク面積および定量]
発酵乳を調製後、10℃にて所定期間保管した試料について、香気成分(ジメチルサルファイドおよび2−ペンタノン)を下記の方法で測定した。ジメチルサルファイド(以下、DMSと略記することもある。)および2−ペンタノンは、牛乳の加熱殺菌時に生じる加熱臭の原因物質として知られている化合物である。
試料5gに対し、塩化ナトリウム1gおよび溶解水を4g添加して混合し、40℃にて30分間放置した後、固相マイクロ抽出法により香気成分を抽出し、抽出した香気成分を、アジレントテクノロジー社製(GC−MS5973A、GC6890等)の分析機器を用いたガスクロマトグラフィー・マススペクトロメトリー(GC/MS)により測定し、各香気成分のピーク面積を分析した。該ピーク面積が小さいほど含有量が少ないことを意味する。標準試料として、ジメチルサルファイドは和光純薬工業社製、2−ペンタノンは和光純薬工業社製をそれぞれ使用した。定量は標準添加法により行った。
[発酵乳の風味]
発酵乳を調製後、10℃にて所定期間保管した試料を男女10人のパネラーに試食してもらい、風味について下記の評価方法で官能評価した。
(評価方法)
「不良」:1点
「やや良い」:2点
「良い」:3点
「非常に良い」:4点の4段階で評価し、各試料について10人の評価点の平均値を算出して、その平均値が
1.5点未満:「不良」
1.5点以上2.5点未満:「やや良好」
2.5点以上3.5点未満を「良好」
3.5点以上4.0点以下を「非常に良好」として判定した。
〔試験例1〕
本試験では、第1の加熱処理または第2の加熱処理の有無を変えて発酵乳を製造し、発酵乳原料の乳清蛋白質変性率、および発酵後の発酵乳の粘度を評価した。主な製造条件および評価結果を表1に示す。
(1)試料11の調製。
市販の脱脂粉乳(森永乳業社製)9.0kg、45%クリーム(森永乳業社製)6.6kg、WPI(乳清蛋白質分離物:ミライ社製)0.7kg、砂糖(三井製糖社製)6.0kg、及び水77.1kgを均一に混合溶解して発酵乳原料(殺菌前試料)を調製した。
次に、第1の加熱処理として、プレート熱交換器(APV社製)を用い、前記発酵乳原料を第1の処理温度に加熱し、保持管(APV社製)にて所定時間保持した。
続いて、第2の加熱処理として、直接加熱殺菌機(インフュージョン式、APV社製)で第2の処理温度に加熱し、所定時間保持した。
次いで、第1の冷却処理としてバキュームチャンバーにて減圧沸騰を行って第3の処理温度に冷却し、さらに第2の冷却処理として、プレート熱交換器で75℃に冷却し、ホモゲナイザー(APV社製)を使用して15MPaの圧力で均質化し、さらにプレート熱交換器にて37℃(最終冷却温度)に冷却して、殺菌後の発酵乳原料(殺菌後試料)を調製した。
得られた発酵乳原料(殺菌後試料)4940gに対して、乳酸菌スターターとしてストレプトコッカス・サーモフィラス30g、およびラクトバチルス・ブルガリカス30g(共にハンセン社製)を添加して均一に混合した。これを37℃に保持して発酵させ、乳酸酸度が0.70%に到達した時点で、氷水中で攪拌しながら15℃まで速やかに冷却し、発酵を終了させた。
こうして得られた発酵乳をホモゲナイザー(三丸機械社製)を使用して1.0MPa以下の圧力で均質化し、紙カップに充填し、アルミ蓋にて密栓して発酵乳試料(試料11)を調製した。
(2)試料12、13の調製。
第1の加熱処理を行わず、第2の加熱処理を表1に示す条件で行った。その他は試料11と同様にして発酵乳試料(試料12、13)を調製した。
(3)対照試料10の調製。
第2の加熱処理および第1の冷却処理を行わなかった。すなわち第1の加熱処理を行った後、プレート熱交換器で所定の温度(均質化前の冷却温度:75℃)に冷却して、均質化処理に供した。その他は試料11と同様にして発酵乳試料(試料10)を調製した。
Figure 0004545765
(4)評価結果
表1の結果に示されるように、第1の加熱処理を行った対照試料10および試料11は、第2の加熱処理のみを行った試料12および試料13に比べて乳清蛋白質変性率が高かった。
粘度については、試料12および試料13の粘度が低すぎるのに対して、対照試料10および試料11では糊状発酵乳として充分な粘度が得られた。
これらのことより、発酵後に好ましい粘度を得るには、少なくとも第1の加熱処理が必要であり、それに加えて第2の加熱処理および減圧沸騰による第1の冷却処理を行っても、好ましい粘度が損なわれないことが認められた。
〔試験例2〕
本試験では、第1の加熱処理と第2の加熱処理を行うとともに第2の加熱処理における第2の処理温度を変えて発酵乳を製造し、発酵時間、製造後10℃にて1日間保管した発酵乳の香気成分(ピーク面積)および風味を評価した。ここでの発酵時間は、スターターを添加してから乳酸酸度が0.70%に到達するまでの時間である。主な製造条件および評価結果を表2に示す。
(1)試料21〜26の調製。
試験例1の試料11の調製において、第2の処理温度を表2に示すとおりに変更した他は、試料11と同様にして、発酵乳試料(試料21〜26)を調製した。
(2)対照試料20の調製。
第2の加熱処理における第2の処理温度を第1の処理温度と同じに設定し、減圧沸騰を行わない他は、試料21と同様にして発酵乳試料(試料20)を調製した。すなわち、第1の加熱処理を終えた95℃の処理液を保持管内で5.5秒間、温度保持した後に、プレート熱交換器で均質化温度まで冷却した。
Figure 0004545765
(3)評価結果
表2に示されるように、第2の処理温度を100℃以上に設定し、減圧沸騰による第1の冷却処理を行った試料21〜26の発酵乳は、第2の処理温度が95℃であり減圧沸騰を行わなかった対照試料20に比べて、ジメチルサルファイドおよび2−ペンタノンのピーク面積が減少した。また風味の官能評価結果では、対照試料20と同等以上の良好な評価が得られた。
発酵時間については、対照試料20に比べて試料21〜26は発酵時間が2時間以上短縮された。
〔試験例3〕
本試験では、第1の加熱処理と第2の加熱処理を行うとともに第2の加熱処理における第2の処理温度を変えて発酵乳を製造し、製造後10℃にて7日間保管した発酵乳について、2−ペンタノン含有量および風味を評価した。主な製造条件および評価結果を表3に示す。
(1)試料31〜34の調製。
試験例1の試料11の調製において、第2の加熱処理における第2の処理温度と保持時間、および第1の冷却処理における第3の処理温度を表3に示すとおりに変更した他は、試料11と同様にして、発酵乳試料(試料31〜34)を調製した。
(2)対照試料30の調製。
第2の加熱処理における第2の処理温度を第1の処理温度と同じに設定し、減圧沸騰を行わない他は、試料31と同様にして発酵乳試料(試料30)を調製した。
Figure 0004545765
(3)評価結果
表3に示されるように、第2の処理温度を100℃以上に設定し、減圧沸騰による第1の冷却処理を行った試料31〜34の発酵乳は、第2の処理温度が95℃であり減圧沸騰を行わなかった対照試料30に比べて、2−ペンタノンの含有量が減少し、31ppb以下となった。また試料31〜34は対照試料30よりも風味の官能評価が良かった。特に第2の処理温度を130℃以上とした試料33、34では官能評価の結果が優れていた。
〔試験例4〕
本試験では、第2の加熱処理を直接加熱法または間接加熱法で行って発酵乳を製造し、製造後10℃にて1日間保管した発酵乳の香気成分(ピーク面積)および風味を評価した。主な製造条件および評価結果を表4に示す。
(1)直接加熱法(インフュージョン式)を用いた試料41の調製。
試料32と同じ方法で発酵乳試料(試料41)を調製した。
(2)間接加熱法(プレート式)を用い減圧沸騰を行わない対照試料40の調製。
試験例1の試料11と同様にして発酵乳原料(殺菌前試料)を調製し、第1の加熱処理を行った。
次に、第2の加熱処理として、間接加熱殺菌機(熱交換プレート式、APV社製)で110℃(第2の処理温度)に加熱して2秒間保持した。
次いで、プレート熱交換器にて75℃に冷却し、試料11と同様にして均質化した後、プレート熱交換器にて37℃に冷却して、殺菌後の発酵乳原料(殺菌後試料)を調製した。この後、試料11と同様にして発酵乳試料(試料40)を得た。
Figure 0004545765
(3)評価結果
表4に示されるように、第2の加熱処理を直接加熱法で行い減圧沸騰による冷却処理を行った試料41は、間接加熱法を用い減圧沸騰を行わなかった試料40と比べて、処理温度および保持時間は同じであるのに、ジメチルサルファイドおよび2−ペンタノンのピーク面積が減少し、風味の官能評価も向上した。
また試料40における香気成分のピーク面積、および風味の官能評価結果は対照試料20とほぼ同程度であった。
〔試験例5〕
本試験では、第2の加熱処理を直接加熱法(インジェクション式)で行うともに、減圧沸騰の有無を変えて発酵乳を製造し、製造後10℃にて1日間保管した発酵乳の香気成分(ピーク面積)、発酵乳の風味、および発酵乳の粘度を評価した。主な製造条件および評価結果を表5に示す。
(1)試料51の調製。
試験例1の試料11と同様にして発酵乳原料(殺菌前試料)を調製し、第1の加熱処理を行った。
次に、第2の加熱処理として、直接加熱殺菌機(インジェクション式、APV社製)で110℃(第2の処理温度)に加熱して2秒間保持した。
次いで、第1の冷却処理としてバキュームチャンバーにて減圧沸騰を行って80℃(第3の処理温度)に冷却した。続いて第2の冷却処理としてプレート熱交換器で75℃に冷却し、試料11と同様にして均質化し、さらにプレート熱交換器にて37℃(最終冷却温度)に冷却して、殺菌後の発酵乳原料(殺菌後試料)を調製した。この後、試料11と同様にして発酵乳試料(試料51)を得た。
(2)対照試料50の調製。
第2の加熱処理における第2の処理温度を第1の処理温度と同じに設定し、減圧沸騰を行わない他は、試料51と同様にして発酵乳試料(試料50)を調製した。
この試料50の調製方法は試料30の調製方法におけるインフュージョン式をインジェクション式に変更しただけの方法に相当する。
Figure 0004545765
(3)評価結果
表5に示されるとおり、第2の加熱処理においてインジェクション式の直接加熱法を用い、第2の処理温度を110℃とし、減圧沸騰による冷却処理を行った試料51は、第2の処理温度が95℃で減圧沸騰を行わなかった試料50に比べて、2−ペンタノンのピーク面積が減少し、風味の官能評価も向上した。
粘度については、対照試料50および試料51とでほぼ同等であり、いずれも糊状発酵乳として充分な粘度が得られた。
なお、本試験で得られたインジェクション式に基づく結果は、インフュージョン式の直接加熱法での結果とほぼ同様であり、このことから、本発明において第2の加熱処理を直接加熱法で行う場合、インフュージョン式またはインジェクション式のいずれを使用してもほぼ同様の効果が得られることがわかる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
市販の脱脂粉乳(森永乳業社製)9.0kg、45%クリーム(森永乳業社製)6.6kg、WPI(乳清蛋白質分離物:ミライ社製)0.7kg、砂糖(三井製糖社製)6.0kg、及び水77.1kgを均一に混合溶解して発酵乳原料を調製した。
次いで、第1の加熱処理としてプレート熱交換器(APV社製)にて前記発酵乳原料を95℃に加熱し、保持管(APV社製)にて6分間保持を行った。続いて、第2の加熱処理として直接加熱殺菌機(インフュージョン式、APV社製)にて、110℃の温度条件で2秒保持を行った。さらに、第1の冷却処理としてバキュームチャンバーにて減圧沸騰を行って95℃に冷却した。さらに第2の冷却処理として、プレート熱交換器にて75℃に冷却後、ホモゲナイザー(APV社製)を使用して15MPaの圧力で均質化し、プレート熱交換器にて37℃に冷却して、発酵乳原料を得た。
次いで、得られた発酵乳原料4940gに対して、乳酸菌スターターとしてストレプトコッカス・サーモフィラス30g、およびラクトバチルス・ブルガリカス30g(共にハンセン社製)を添加して均一に混合し、これを37℃にて発酵させ、乳酸酸度が0.70%に到達した時点で、氷水中で攪拌しながら15℃まで速やかに冷却し、発酵を終了させた。
こうして得られた発酵乳をホモゲナイザー(三丸機械社製)を使用して1.0MPa以下の圧力で均質化し、紙カップに充填し、アルミ蓋にて密栓して糊状発酵乳を製造した。
製造した発酵乳は、加熱臭が低減され、微細かつクリーミーな組織を有しており、好ましい粘度であった。
〔実施例2〕
市販の脱脂粉乳(森永乳業社製)9.9kg、無塩バター(森永乳業社製)3.5kg、砂糖(三井製糖社製)6kg、及び水80kgを均一に混合し溶解して発酵乳原料を調製し、70℃に加温してホモゲナイザー(三丸機械社製)を使用して15MPaの圧力で均質化した。
次いで、実施例1と同様にして第1の加熱処理を行った。続いて、第2の加熱処理における加熱温度を110℃から130℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして第2の加熱処理を行った。次いで減圧沸騰による冷却温度を95℃から85℃に変更した他は実施例1と同様にして第1の冷却処理を行った。それ以降は実施例1と同様にして発酵乳原料を得た。
得られた発酵乳原料に対して、ストレプトコッカス・サーモフィラスからなるヨーグルトスターター(ハンセン社製)を0.6kg添加して均一に混合した。これを紙カップに充填し、37℃で24時間発酵させた後、5℃の冷蔵庫で冷却して発酵を終了させて固形状発酵乳を製造した。この発酵乳は、加熱臭が低減され、食するのに好適な滑らかな組織を有しており、好ましい硬さであった。
本発明は、製造段階で増加する乳原料中の加熱臭を低減させることに着目した、今までにない新規な発酵乳原料の殺菌方法、発酵乳の製造方法、および発酵乳を提供するものである。本発明によれば、多様な風味や新しい特徴を有する発酵乳に応用することが可能であるとともに、近年広がりつつある発酵乳への消費者の嗜好やニーズにも応えることができる。

Claims (8)

  1. 発酵乳原料の殺菌方法であって、発酵乳原料を85℃以上95℃以下の第1の処理温度まで昇温して5分以上15分以下保持する第1の加熱処理を行う工程と、
    前記第1の加熱処理の後、直接加熱法で100℃以上150℃以下の第2の処理温度まで昇温して2秒以上5.5秒以下保持する第2の加熱処理を行う工程と、
    前記第2の加熱処理の後、減圧沸騰させて前記第2の処理温度より低い第3の処理温度まで冷却処理する工程を有することを特徴とする発酵乳原料の殺菌方法。
  2. 前記第2の処理温度が120℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1記載の発酵乳原料の殺菌方法。
  3. 前記第3の処理温度と前記第2の処理温度との差が5〜55℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の発酵乳原料の殺菌方法。
  4. 前記冷却処理の後、均質化処理を行う工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発酵乳原料の殺菌方法。
  5. 前記第1の加熱処理に続けて前記第2の加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発酵乳原料の殺菌方法。
  6. 発酵乳原料を調製する工程と、該発酵乳原料を請求項1〜5のいずれかに一項に記載の殺菌方法によって殺菌する工程と、殺菌後の発酵乳原料を発酵させる工程を有することを特徴とする発酵乳の製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法によって得られる、2−ペンタノンの含有量が31ppb以下である発酵乳。
  8. 発酵乳が固形状発酵乳又は糊状発酵乳である請求項7に記載の発酵乳。
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