JP5525168B2 - 糖類含量の少ない乳入りコーヒー飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、糖類の含有量が一定以下の乳入りコーヒー飲料に関する。
缶コーヒーは昭和45年に発売されて以来、長期のロングセラー商品となり、現在、缶コーヒーをはじめとする容器詰コーヒー飲料は、清涼飲料の中でも生産量、生産額ともにトップとなっており、糖質の種類や量、乳固形分の量によってさまざまなタイプの製品が開発されている。
中でも近年、健康志向や低カロリー志向の高まりから、糖類の含有量を一定以下に抑えた微糖タイプ、あるいは無糖タイプの乳入りコーヒー飲料が消費者に受け入れられている。
しかしながらこれらの乳入りコーヒー飲料においては、糖類の含有量を一定以下に抑えているため、乳成分に由来する飲み心地(ボディー感)が大きく損なわれ、乳入りコーヒー飲料としての香味バランスが崩れてしまう(特に乳成分由来の深みのある濃厚な味わいが薄れてくる。)。ボディー感を出すために乳成分を多量に添加することが考えられるが、前記の通り低カロリー志向やコスト面からは望ましくない。
他方、乳清ミネラルは、通常、乳からチーズやカゼイン等を製造又は取り出した際の残りのホエーから限外ろ過やイオン交換等の方法を用いてミネラルを多く含む画分を取り、これから乳糖をある程度除いたもので、栄養強化目的で使用される他、例えば、基本風味を維持しながらカドのとれた厚みのある風味に調味することができる調味料(特許文献1、特許文献2)や、苦味や渋味、えぐみのマスキング剤(特許文献3、特許文献4)、また高甘味度甘味料であるスクラロースの甘味質改善目的(特許文献5)等として使用されている。
特開2008−54663号公報 特開2008−54666号公報 特開2008−54664号公報 特開2008−54667号公報 特開2000−175648号公報
このような観点から本発明者らは、糖類の含有量を一定以下に抑えた乳入りコーヒー飲料において不足したボディー感を補充するために、乳清ミネラルを配合することを試みた。しかしながら乳清ミネラルには、それ自体に塩味とともに独特の後口の渋味・収斂味があり、糖類の含有量を一定以下に抑えた乳入りコーヒー飲料においては、その渋味・収斂味が発生し香味バランスが崩れてしまうことが明らかとなった。
例えば糖類の含有量が5質量%以下である糖類含量が比較的少ないタイプの乳入りコーヒー飲料や約2質量%である微糖タイプの乳入りコーヒー飲料、0.5質量%未満である無糖タイプの乳入りコーヒー飲料において、ボディー感を付与するために乳清ミネラルを添加した場合に、乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味が表面化してしまうことが判った。そのため、乳成分を多量に使用せずとも乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味をマスキングする技術の開発が強く望まれていた。
したがって、本発明は、糖類の含有量を一定以下に抑えた乳入りコーヒー飲料において、ボディー感があり、しかも乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味がなく香味バランスの優れた飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。そして、乳清ミネラルとともに高甘味度甘味料の中でも特にアセスルファムカリウムを併用することにより、乳清ミネラルの渋味や収斂味等の後口の悪さがマスキングされ、香味バランスが良好で、しかもコクのある飲料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.糖類の濃度が5質量%以下の乳入りコーヒー飲料において、乳清ミネラルとアセスルファムカリウムを含有する乳入りコーヒー飲料、
2.乳清ミネラルの灰分量(A)に対するアセスルファムカリウム(B)の割合(質量比)((B)/(A))が、3.5〜25である、前記1に記載の乳入りコーヒー飲料、
3.アセスルファムカリウムの濃度が、0.005質量%以上である、前記1又は2に記載の乳入りコーヒー飲料、
4.脂質の濃度が1.2質量%以下である、前記1〜3のいずれか一つに記載の乳入りコーヒー飲料、
5.UHT殺菌又はレトルト殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料である、前記1〜4のいずれか一つに記載の乳入りコーヒー飲料、
6.糖類の濃度が5質量%以下の乳清ミネラルを含有する乳入りコーヒー飲料にアセスルファムカリウムを添加することによる、乳清ミネラル含有乳入りコーヒー飲料の呈味改善方法、
7.乳清ミネラルの灰分量(A)に対するアセスルファムカリウム(B)の割合(質量比)((B)/(A))が、3.5〜25となるようにアセスルファムカリウムを添加する、前記6に記載の呈味改善方法、
8.濃度が0.005質量%以上となるようにアセスルファムカリウムを添加する、前記6又は7に記載の呈味改善方法、
9.前記乳入りコーヒー飲料の脂質濃度が1.2質量%以下である、前記6〜8のいずれか一つに記載の呈味改善方法、
10.アセスルファムカリウムを有効成分として含む、乳清ミネラルを含有する乳入りコーヒー飲料の乳清ミネラルによる後口に残る渋味及び/又は収斂味の呈味改善剤。
本発明によると、糖類の含有量が5質量%以下である糖類含量が比較的少ないタイプの乳入りコーヒー飲料、約2質量%である微糖タイプの乳入りコーヒー飲料、及び0.5質量%未満である無糖タイプの乳入りコーヒー飲料において、糖類の含有量が7質量%以上である従来のコーヒー飲料の香味に極めて近い、バランスの取れたコーヒー飲料を提供する事が可能になる。
また本発明により、乳清ミネラルの独特の後口の悪さが解消し汎用性が向上するため、乳のコクを保持しながら、乳成分や糖類の添加量を抑えたコーヒー飲料を提供する事が可能になる。
近年の低カロリー志向の高まりから、糖類だけでなく、乳脂肪分も一定量以下に抑えたコーヒー飲料が望まれているが、本発明により従来のコーヒー飲料の香味に極めて近い、バランスの取れたコーヒー飲料を提供する事が可能になる。他方、乳成分を一定量以下に抑えることにより、従来より課題となっているコーヒー飲料の乳分離を抑えることも可能になる。
本発明の乳入りコーヒー飲料は、糖類の含有量が5質量%以下であって、乳清ミネラルとアセスルファムカリウムを含有するコーヒー飲料である。
本明細書でいう「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」「コーヒー飲料」「コーヒー入り清涼飲料」が主に挙げられる。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0質量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これは、本発明におけるコーヒー飲料に含まれるものとする。
ここで、コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有する溶液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した溶液も、コーヒー分として挙げられる。
本明細書中、乳成分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造されるコーヒー飲料を、「乳入りコーヒー飲料」と表す。ここで、乳成分とは、コーヒー飲料に乳風味や乳感を付与するために添加される成分を指し、主に哺乳動物の乳、牛乳及び乳製品のことをいい、例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料などが挙げられ、乳製品としては、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳などが挙げられる。
乳清ミネラルとは、通常、牛乳を初めとする哺乳動物の乳から得られる乳清(ホエー)または乳そのものを原料とし、限外ろ過やイオン交換等の方法を用いてミネラルを多く含む画分を取り、これから乳糖をある程度除いたものであり、ナトリウム及びカリウム等の灰分(ミネラル成分)などを含んだ無脂乳固形分等を含有するものである。具体的な製造方法としては、乳又は乳清(乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエーや、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエー、乳を限外濾過することによって得られるホエーなど)を原料として、これを膜分離(精密濾過膜分離、限外濾過膜分離、ナノ濾過膜分離、逆浸透膜分離、透析膜分離等)、及び/又はイオン交換(陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離やイオン交換樹脂による方法等)、さらには冷却により、蛋白質と乳糖を除去して乳清ミネラルを得ることができる。得られた乳清ミネラルは、液状のままとしてもよいが、保存や取扱いのうえから、これを濃縮及び/又は乾燥してもよい。濃縮方法としてはエバポレーターを用いた減圧濃縮法等、また乾燥方法としては噴霧乾燥や凍結乾燥等、一般に用いられる方法を適宜選択すればよい。
本発明においてボディー感を付与するために使用する乳清ミネラルは上記いずれの方法によって製造されたものであってもよく、例えば、特開2008−54663号公報に記載の方法に従って製造されたものを使用することができる。
また本発明の乳清ミネラルの組成としては、例えば、特開2008−54666号公報に記載の乳清ミネラルを使用することもできるが、特に限定されるものではない。
アセスルファムカリウムは、6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシド(6−methyl−1,2,3−oxathiazine−4(3H)−one−2,2−dioxide)のカリウム塩で、分子量201.24、分子式CKNOSの白色結晶性粉末で、ショ糖の約200倍の甘味を示す高甘味度甘味料である。
本発明の糖類の含有量が5質量%以下である乳入りコーヒー飲料は、乳清ミネラルとアセスルファムカリウムとを含有していることによって、乳清ミネラルによるボディー感を奏しつつ、乳清ミネラルによる後口の渋味・収斂味が抑制された、香味バランスに優れたコーヒー飲料となっている。すなわち、乳清ミネラルを添加した場合に発生する独特の渋味・収斂味を、アセスルファムカリウムを添加することによりマスキングしたものであり、糖類の含有量が7質量%以上である従来の乳入りコーヒー飲料の香味に極めて近い、バランスのとれたコーヒー飲料である。
本発明の乳入りコーヒー飲料において糖類の含有量は、低カロリーのコーヒー飲料を提供するという観点から、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。また、糖類の含有量が0.5質量%未満の無糖タイプであってもよい。ここで、糖類とは、飲料に含まれている、糖類(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖及び麦芽糖等)、オリゴ糖類、及び糖アルコール類のような甘味料を意味する。
本発明のコーヒー飲料は乳清ミネラルを含有するものであるが、その含有量としては、飲料にボディー感を付与することができる量であれば特に制限はない。飲料中の乳清ミネラルの灰分量が0.0007質量%以上、例えば0.0007〜0.03質量%、好ましくは0.0007〜0.02質量%、より好ましくは0.0013〜0.014質量%となるように、コーヒー飲料に乳清ミネラルを添加することができる。0.03質量%を超えるような量で乳清ミネラルを用いると、渋味・収斂味が感じられるおそれがある。
本発明のコーヒー飲料は、乳清ミネラルを添加した場合に発生する特有の後口の渋味・収斂味を、アセスルファムカリウムを添加することによりマスキングすることが特徴である。すなわちアセスルファムカリウムによるマスキング効果は、従来の単なる甘味によるマスキングとは異なり、甘味だけに頼ることなく、アセスルファムカリウム独特の苦味や後口のキレが、乳清ミネラルの渋味及び収斂味をマスキングしてコーヒー飲料の呈味を改善することができる。従って高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、ステビアなどが知られているが、アセスルファムカリウムが、乳清ミネラル特有の後口の渋味・収斂味に対し、特異的なマスキング効果を奏するものである。アセスルファムカリウムは、飲料全体に対し0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上添加することが望ましい。尚、食品衛生法でコーヒー飲料に対するアススルファムカリウムの使用基準が0.035質量%以下と定められている。乳清ミネラル特有の後口の渋味・収斂味に対するマスキング効果という点から、乳清ミネラルの灰分量(A)に対するアセスルファムカリウム(B)の割合(質量比)((B)/(A))が、3.5〜25、または3.7〜20、または3.7〜15となるようにアセスルファムカリウムの添加量を調節することが好ましい。
上記のような乳成分を含有する本発明の乳入りコーヒー飲料では、その乳成分の添加量に特に制限はないが、風味バランスの取れた低カロリーのコーヒー飲料を提供するという点から、飲料中の脂質が例えば1.2質量%以下、または1.0質量%以下となるような量で乳成分が添加されることが好ましい。
本発明のコーヒー飲料には、上述の成分の他、コーヒー飲料に通常配合される成分、例えば、天然非糖質甘味料(ステビア抽出物、カンゾウ抽出物等)や合成非糖質甘味料(スクラロース、アスパルテーム等)のような高甘味度甘味料などの甘味料、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、沈殿物や凝集物の発生抑制を目的とした各種乳化剤・安定剤、香料等を配合することができる。合成非糖質甘味料を用いる場合、スクラロースを用いることが好ましい。特に、アセスルファムカリウムに対して10質量%〜50質量%のスクラロースを併用することによって、より香味バランスのとれた乳入りコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の乳入りコーヒー飲料は、慣用的方法によって、容器詰の飲料とすることができる。例えば、コーヒー抽出液に必須成分(乳成分、乳清ミネラル及びアセスルファムカリウム)及び必要に応じて、他の甘味成分及び各種添加剤等を添加して調合液を得、加熱殺菌処理を行う。調合液の殺菌方法としては、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法とがあるがいずれの方法を用いてもよい。殺菌条件は、コーヒー飲料の調合液の特性、及び用いる容器に応じて適宜設定すればよいが、UHT殺菌法の場合、通常120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で30〜120秒間程度の条件であり、レトルト殺菌法の場合、通常110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度の条件である。充填される容器は、殺菌方法や保存方法に合わせて適宜選択すればよく、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、乳清ミネラルとして株式会社ADEKA製、品名「みるくのミネラル」を使用した。該乳清ミネラルは89.7質量%の水分と10.3質量%の無脂乳固形分(うち灰分6.4質量%)から構成されるものである。また、灰分としてはカリウムとナトリウムが主成分であり、乳清ミネラル中にカリウム約2.3質量%、ナトリウム約0.6質量%を含む。
試験例1.乳入りコーヒー飲料(1)
焙煎コーヒー豆(L値21.9)(アラビカ種)を粉砕機(日本グラニュレーター社製)で粉砕し(粉砕の程度:中細挽き)、94℃の熱水でドリップ抽出を行い、Brix2.5(%)のコーヒー抽出液(焙煎コーヒー豆の抽出物)を得た。このコーヒー抽出液を500メッシュで濾過して不溶性固形分を除き、使用した。このコーヒー抽出液を、表1に示す処方で配合し、グラニュー糖、牛乳、乳清ミネラル(株式会社ADEKA製:品名みるくのミネラル)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。調製したコーヒー飲料を室温にて専門パネラーにより官能評価を行った。
評価した結果、乳清ミネラルを添加したサンプルでは、後口の渋味や収斂味が感じられた(No.1〜4)。そのような渋味や収斂味はグラニュー糖を添加することによってマスキングされるが、渋味や収斂味をマスキングするには乳清ミネラルの灰分1質量部に対してグラニュー糖が1480〜2950質量部(No.17〜19)程度必要であった。
Figure 0005525168
表中の評価の欄は、
−:認められない、+:僅かに感じられる、++:やや感じられる、+++:感じられる
++++:やや強く感じられる、+++++:強く感じられる、++++++:極めて強く感じられる
を意味する。
試験例2.乳入りコーヒー飲料(2)
試験例1と同様に作製したコーヒー抽出液を用い、表2に示す処方で、牛乳、乳清ミネラル(株式会社ADEKA製:品名みるくのミネラル)、アセスルファムカリウム(三栄源エフ・エフ・アイ製:品名サネット)、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製)、アスパルテーム(味の素製)、酵素処理ステビア(日本製紙ケミカル製:品名SKスイートZ3)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。調製したコーヒー飲料を室温にて専門パネラーにより官能評価を行った。評価した結果、乳清ミネラル独特の後口の渋味や収斂味が認められたサンプル(No.3)に対し、甘味料を添加することにより、後口の渋味や収斂味が多少マスキングされた。中でも特にアセスルファムカリウムのマスキング効果が最も適していた。
Figure 0005525168
試験例3.乳入りコーヒー飲料(3)
試験例1と同様に作製したコーヒー抽出液を用い、表3及び4に示す処方で、牛乳、乳清ミネラル(株式会社ADEKA製:品名みるくのミネラル)、アセスルファムカリウム(三栄源エフ・エフ・アイ製:品名サネット)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。なお、ここで調製したコーヒー飲料の脂質含有量は、牛乳10容量%配合では0.38質量%、牛乳20容量%配合では0.76質量%であった。調製したコーヒー飲料を室温にて専門パネラーにより官能評価を行った。評価した結果、牛乳の配合量が10容量%、20容量%に関わらず、アセスルファムカリウムを添加することにより、乳清ミネラル独特の後口の渋味や収斂味に対するマスキング効果が認められた。特に、乳清ミネラルの灰分1質量部に対するアセスルファムカリウムの添加量が3.7質量部以上の場合に、乳清ミネラル独特の後口の渋味や収斂味に対する優れたマスキング効果が認められた。
また、アセスルファムカリウムの添加量を甘味倍率に基づいてグラニュー糖としての量に換算して乳清ミネラルの灰分1質量部に対する割合を求め、試験例1のグラニュー糖による効果と比較すると、アセスルファムカリウムの場合、735質量部以上(サンプルNo.25〜28)でマスキング効果が認められたのに対し、グラニュー糖の場合、1474以上(No.17〜19)でマスキング効果が認められた。この結果から、甘味によるマスキング効果に加え、アセスルファムカリウム独特の苦味や後口のキレが、乳清ミネラル特有の渋味や収斂味に対し、特異的なマスキング効果を生んでいると考察された。
Figure 0005525168
Figure 0005525168
試験例4.乳入りコーヒー飲料(4)
試験例1と同様に作製したコーヒー抽出液を用い、表5に示す処方で、牛乳、乳清ミネラル(株式会社ADEKA製:品名みるくのミネラル)、アセスルファムカリウム(三栄源エフ・エフ・アイ製:品名サネット)、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。調製したコーヒー飲料を室温にて専門パネラーにより官能評価を行った。評価した結果、いずれのサンプルにおいても、乳清ミネラル特有の渋味や収斂味はマスキングされていた。アセスルファムカリウム1質量部に対してスクラロースが0.67質量部になると、後口の甘味のベタツキが感じられた。一方、アセスルファムカリウム1質量部に対しスクラロースが0.5質量部以下の水準において、後口の甘味のベタツキがなく、コーヒー飲料としての香味バランスが良好であった。
Figure 0005525168
試験例5.乳入りコーヒー飲料(5)
試験例1と同様に作製したコーヒー抽出液を用い、表6に示す処方で、牛乳、乳清ミネラル(株式会社ADEKA製:品名みるくのミネラル)、アセスルファムカリウム(三栄源エフ・エフ・アイ製:品名サネット)、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。このコーヒー飲料を65〜70℃に加温し、均質化処理を行ない(総ゲージ20MPa、第1段(入口)15MPa、第2段(出口)5MPa)、スチール製容器に190gずつ充填し、120〜125℃、約25分の殺菌を行い(レトルト殺菌)、レトルト殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料を製造した。また、同じコーヒー飲料を均質化処理した後に、UHT殺菌(135〜140℃、約60秒)を行い、殺菌処理された190g缶にホットパックした後冷却して、UHT殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料も製造した。得られた容器詰めコーヒー飲料を室温で3日間保存後、室温にて専門パネラーにより官能評価を行った。評価した結果、UHT殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料、レトルト殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料共に、乳清ミネラル特有の渋味や収斂味がマスキングされながら、かつ後口の甘味のベタツキがなく、コーヒー飲料としての香味バランスが良好であった。
Figure 0005525168

Claims (10)

  1. 乳清ミネラルとアセスルファムカリウムが添加された、糖類の濃度が5質量%以下である乳入りコーヒー飲料であって、
    乳清ミネラルの灰分量(A)に対するアセスルファムカリウム(B)の質量比(B/A)が3.0〜25となるようにアセスルファムカリウムが添加された上記飲料。
  2. アセスルファムカリウムの濃度が、0.005質量%以上である、請求項1に記載の飲料。
  3. 脂質濃度が1.2質量%以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. UHT殺菌又はレトルト殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料である、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
  5. 前記乳入りコーヒー飲料が、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳からなる群より選択される少なくとも1以上の乳成分が添加されているコーヒー飲料である、請求項1〜4のいずれかに記載の飲料。
  6. 糖類の濃度が5質量%以下である、乳清ミネラルが添加された乳入りコーヒー飲料に、アセスルファムカリウムを添加することによる、乳清ミネラル添加乳入りコーヒー飲料の呈味改善方法であって、
    乳清ミネラルの灰分量(A)に対するアセスルファムカリウム(B)の質量比(B/A)が3.0〜25となるようにアセスルファムカリウムを添加する、上記方法。
  7. 濃度が0.005質量%以上となるようにアセスルファムカリウムを添加する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記乳入りコーヒー飲料の脂質濃度が1.2質量%以下である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. アセスルファムカリウムを有効成分として含む、乳清ミネラルが添加された乳入りコーヒー飲料の乳清ミネラルによる後口に残る渋味及び/又は収斂味の呈味改善剤であって、
    飲料に含まれる乳清ミネラルの灰分量(A)に対するアセスルファムカリウム(B)の質量比(B/A)が3.0〜25となるように飲料に対して添加される、上記呈味改善剤。
  10. 前記乳入りコーヒー飲料の脂質濃度が1.2質量%以下である、請求項9に記載の呈味改善剤。
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