JP7292086B2 - カルシウムを含む透明容器詰め乳性飲料 - Google Patents
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Description
このカルシウムの摂取量は十分でないケースもあり、例えば、日本人においてはその一日の摂取量は推奨される量に比べて不足しているとの報告がある。
鋭意研究の結果、本発明者は、乳性飲料において高甘味度甘味料であるアスパルテームとアセスルファムカリウムを含有させ、その含有割合(質量%)を5:1~1:5とすることで、飲んだときに感じられる収斂味を抑えることができることを見出し、本発明を完成させた。
[1] カルシウムを含有し、透明容器に詰められている乳性飲料であって、
アスパルテームおよびアセスルファムカリウムを含有し、
カルシウムの含有量が40~100mg/100mlであり、
アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が5:1~1:5である、乳性飲料。
[2] アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が3:1~1:5である、[1]に記載の乳性飲料。
[3] アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が3:1~1:1である、[1]または[2]に記載の乳性飲料。
[4] 果汁をさらに含有し、果汁含有率が0.1%以上である[1]から[3]のいずれか一つに記載の乳性飲料。
[5] 前記透明容器がポリエチレンテレフタレート製容器である、[1]から[4]のいずれか一つに記載の乳性飲料。
[6] カルシウムを含有する透明容器に詰められる乳性飲料において、
アスパルテームおよびアセスルファムカリウムを含有させることを含み、
アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が5:1~1:5である、前記乳性飲料のカルシウム由来の収斂味抑制方法。
本実施形態はカルシウムを含有し、透明容器に詰められている乳性飲料に関する。該乳性飲料は、アスパルテームおよびアセスルファムカリウムを含有し、アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が5:1~1:5である。また、カルシウムの含有量は、例えば40~100mg/100mlである。
本実施形態において、原材料として用いる乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であってもよい。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は二種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳を、乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳として用いることもできる。
乳の形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物が挙げられ、また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。
本明細書において無脂乳固形分(SNF)とは、乳から水分及び脂質を除いた残りの成分をいい、蛋白質、乳糖および無機質などにより構成されている。
乳性飲料における無脂乳固形分量の調整は、例えば、原材料として使用される乳の形態や量を調整するなどして行うことができる。また、乳性飲料中の無脂乳固形分量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ケルダール法などにより測定することができる。
乳性飲料中のカルシウム含有量は例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ICP発光分析法により測定することができる。また、乳性飲料中のカルシウムが塩の形態にある場合は、これを遊離カルシウムの量に換算した上で該飲料中のカルシウム含有量を算出することができる。
カルシウムの有機酸塩としては、例えば、アスコルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等が挙げられる。
カルシウムの有機物塩としては、例えば、L-グルタミン酸カルシウム等が挙げられる。
また、収斂味を抑制できるとともに同じくカルシウム由来の苦味についても抑制することができるため、アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)は3:1~1:1がより好ましい。
なお、本実施形態の乳性飲料におけるアスパルテームおよびアセスルファムカリウムそれぞれの含有量は上記含有割合を満足する限り特に限定されない。例えば、アスパルテームについては飲料における0.001~0.05質量%とすることができ、アセスルファムカリウムについては飲料における0.001~0.05質量%とすることができる。
本実施形態の乳性飲料に果汁を含有する場合、果汁含有率は0.1%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5%以上、さらにより好ましくは1%以上である。また、果汁含有率の上限値は特に限定されないが、例えば50%とすることができ、乳性飲料に求められる乳感を出すという観点から20%であることが好ましく、10%であることがより好ましい。
例えば、本実施形態の乳性飲料は、大豆多糖類を含有するようにしてもよい。
大豆多糖類は、乳蛋白質の安定化剤として知られたものが使用でき、通常、大豆製品の製造工程において副生するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出精製された多糖類であって、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものが使用できる。市販品としては、例えば、商品名「SM-1200」(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)が挙げられる。
本実施形態の乳性飲料において、大豆多糖類の含有量は、乳の含有量等に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。
なお、本実施形態の乳性飲料において、pHは特に限定されず当業者が適宜設定できるが、例えばpHを7未満とすることができ、より好ましくは4未満とすることができる(このとき、酸性乳性飲料とも称される)。pHの調整は、例えば、酸味料を使用する方法が挙げられるほか、発酵乳を使用する方法、果汁を使用する方法、またはこれらの方法を併用する方法により行うこともできるが、所望のpHとすることができれば特に限定されない。
なお、本実施形態において糖度(Brix値)は特に限定されない。また、糖度の測定は上記の方法により行うことができる。
アスパルテームおよびアセスルファムカリウム以外の高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、ステビア、サッカリンナトリウム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、ソーマチンが挙げられる。
なお、本実施形態の乳性飲料は透明な容器に充填されていればよく、内容物である飲料自体の色(外観)については特に限定されない。
具体的には、例えば、乳、カルシウム源、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、液体原料、および必要によって加えられるその他の成分を、カルシウムの含有量が例えば40~100mg/100mlであり、アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が5:1~1:5となるように混合することにより充填される乳性飲料を得る。液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。乳、カルシウム源、アスパルテーム、アセスルファムカリウムは液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5~25℃で圧力10~50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、例えば、65℃で10分間と同等以上の殺菌価を有する加熱殺菌により行うことができる。殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
表1中の設計を満たすよう、各構成成分を混合し、参考例1~4の飲料を調製した(香料は全て同一同量のミックスフルーツ香料とした。)。
参考例1~4の溶液をペットボトルに充填し、明所下(蛍光灯保存(20,000lux、15℃、4日)、保存した。保存後の各飲料を、それぞれの保存前の飲料を基準品として、以下の各5段階の評価基準に従って5名のパネルによる官能評価を実施した。
苦味 2:強い、1:やや強い、0:基準品と同じ、-1:やや弱い、-2:弱い
後味の良さ 2:良い、1:やや良い、0:基準品と同じ、-1:やや悪い、-2:悪い
おいしさ 2:おいしい、1:ややおいしい、0:基準品と同じ、-1:ややおいしくない、-2:おいしくない
表2中の設計を満たすよう、各構成成分を混合し、実施例、比較例の飲料を調製した(香料は全て同一同量のリンゴ香料とした。)
実施例、比較例の飲料を透明容器であるペットボトルに充填し、明所下(蛍光灯保存(20,000lux、15℃、4日)、保存した。保存後の各飲料を、それぞれの保存前の飲料を基準品として参考試験と同様の官能評価を実施した(但し、パネルは6名である。)。
Claims (6)
- カルシウムを含有し、透明容器に詰められている乳性飲料であって、
アスパルテームおよびアセスルファムカリウムを含有し、
カルシウムの含有量が40~100mg/100mlであり、
アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が5:1~1:5であり、
アスパルテームの含有量が0.001~0.05質量%であり、
アセスルファムカリウムの含有量が0.001~0.05質量%である、乳性飲料。 - アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が3:1~1:5である、請求項1に記載の乳性飲料。
- アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が3:1~1:1である、請求項1または2に記載の乳性飲料。
- 果汁をさらに含有し、果汁含有率が0.1%以上である請求項1から3のいずれか一つに記載の乳性飲料。
- 前記透明容器がポリエチレンテレフタレート製容器である、請求項1から4のいずれか一つに記載の乳性飲料。
- カルシウムを含有する透明容器に詰められる乳性飲料において、
アスパルテームおよびアセスルファムカリウムを含有させることを含み、
アスパルテームとアセスルファムカリウムの含有割合(質量%)が5:1~1:5であり、
アスパルテームの含有量が0.001~0.05質量%であり、
アセスルファムカリウムの含有量が0.001~0.05質量%であり、
カルシウムの含有量が40~100mg/100mlである、前記乳性飲料のカルシウム由来の収斂味抑制方法。
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Milk Juice Drink, ID#:618044,Mintel GNPD [online],2006年11月,Retrievedfrom the Internet: <URL: https://portal.mintel.com>, [Retrieved on 26-01-2023] |
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