JP2021119748A - 電解質補給飲料及びその製造方法 - Google Patents

電解質補給飲料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ミネラルを含み、塩味が抑えられた、新規な電解質補給飲料の提供。【解決手段】ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上のミネラルの含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満、クエン酸換算酸度が0.001質量%以上0.4質量%未満であり、乳蛋白質由来ペプチドを含む、電解質補給飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、電解質補給飲料及びその製造方法に関する。
電解質補給飲料は、水分と、発汗等で失われるナトリウムやカリウム等のミネラルを補給するのに好適な飲料であり、飲み易いことが求められる。
特許文献1には、食塩とクエン酸を含む電解質補給飲料の塩味を抑えて飲み易くするために、リン酸を含有させる方法が記載されている。
特開2019−76067号公報
しかし、リン酸を添加すると渋味が増強しやすいため、リン酸を使用しなくても塩味を抑制できる方法が望まれる。
本発明は、ミネラルを含み、塩味が抑えられた、新規な電解質補給飲料の提供を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上のミネラルの含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満、クエン酸換算酸度が0.001質量%以上0.4質量%未満であり、乳蛋白質由来ペプチドを含む、電解質補給飲料。
[2]前記乳蛋白質由来ペプチドの含有量が0.001質量%以上0.5質量%以下である、[1]の電解質補給飲料。
[3]前記乳蛋白質由来ペプチドの含有量に対する、前記ミネラルの含有量の質量比を表す、ミネラル/乳蛋白質由来ペプチドの値が0.12〜35である、[1]又は[2]の電解質補給飲料。
[4]甘味度が0.1質量%以上20質量%未満である、[1]〜[3]のいずれかの電解質補給飲料。
[5]ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群から選ばれる1種以上であるミネラル源と、乳蛋白質由来ペプチドと、酸味料と、水を含む原料を、前記原料の総質量に対して、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上のミネラルの含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満、クエン酸換算酸度が0.001質量%以上0.4質量%未満となるように混合する、電解質補給飲料の製造方法。
[6]前記乳蛋白質由来ペプチドの含有量が0.001質量%以上0.5質量%以下となるように混合する、[5]の電解質補給飲料の製造方法。
[7]前記原料が甘味料を含み、前記原料の総質量に対する甘味度が0.1質量%以上20質量%未満である、[5]又は[6]の電解質補給飲料の製造方法。
本発明によれば、ミネラルを含み、塩味が抑えられた電解質補給飲料が得られる。
本明細書において、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
本明細書において、pHは特に断りがない限り20℃における値である。
<測定方法>
本発明において以下の測定方法を用いる。
[ミネラル含有量]
質量基準のナトリウム(Na)含有量、カリウム(K)含有量、カルシウム(Ca)含有量及びマグネシウム(Mg)含有量は、ICP法(高周波誘導結合プラズマ法)により測定する。
[クエン酸換算酸度]
クエン酸換算酸度は、電解質補給飲料中に含まれる酸の濃度を、クエン酸相当量として換算した値(単位:質量%)である。下記の式により算出される。電解質補給飲料中に含まれる酸の含有量は中和滴定法(果実飲料の日本農林規格(最終改正令和元年6月27日農林水産省告示第475号))に準拠する方法で測定する。
200mL程度の容器に、電解質補給飲料5gを量りとり、pH計の電極を試料溶液中に挿入し、かき混ぜながら0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定する(本試験)。終点は、pH8.1±0.2とし、その範囲内のpHが30秒以上持続することを確認する。空試験については、試料の代わりに同量の水を用いて同様に滴定する。クエン酸換算酸度は、下記式により求める。
クエン酸換算酸度(質量%)=0.0064×(T−B)×F×(1/W)×100
T:本試験における0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
B:空試験における0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
F:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液のファクター
W:試料重量(g)
0.0064:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g)
[固形分]
固形分は常圧加熱乾燥法(日本食品標準成分表2015年版(七訂)分析マニュアル 第1章 一般成分及び関連成分に記載)に従って飲料100g中の水含有量を測定し、下記式により求める。
固形分の含有量(単位:質量%)=100−水分含有量(単位:質量%)。
[乳蛋白質由来ペプチド含有量]
高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて行うことができる。
[乳蛋白質由来ペプチドの数平均分子量]
質量分析計、たとえば、島津LCMS−2010AやサーモクエストLCQを用いて行うことができる。
乳蛋白質由来ペプチドの平均分子量(Da:ダルトン)は、以下の数平均分子量の概念により求めるものである。
数平均分子量(Number Average of Molecular Weight)は、例えば非特許文献(社団法人高分子学会編、「高分子科学の基礎」、第116〜119頁、株式会社東京化学同人、1978年)に記載されているとおり、高分子化合物の分子量の平均値を次のとおり異なる指標に基づき示すものである。
すなわち、蛋白質加水分解物などの高分子化合物は不均一な物質であり、かつ分子量に分布があるため、蛋白質加水分解物の分子量は、物理化学的に取り扱うためには、平均分子量で示す必要があり、数平均分子量(以下、Mnと略記することがある。)は、分子の個数についての平均であり、ペプチド鎖iの分子量がMiであり、その分子数をNiとすると、次の数式(1)により定義される。
Figure 2021119748
[甘味度]
各甘味料の甘味度は、ショ糖(スクロース)が標準物質として使用され、任意の濃度のスクロースと同等の甘味強度を示す濃度の比率、あるいは同条件で求めたスクロースの閾値との比率から判定される。例えば、ある甘味料Aがあり、スクロース1%溶液と同じ甘味強度を示すAの濃度を官能試験により測定する。そのときのAの濃度が0.5%だとすると、甘味料Aの甘味度は、スクロースの甘味度1に対して2となる。甘味料の甘味度は、例えば参考文献(伊藤汎、小林幹彦、早川幸男編、「食品と甘味料」、第305頁、株式会社光琳、2008年)に記載されている。
本明細書において、「飲料の甘味度」は、飲料中の甘味料の濃度を、同等の甘さを有するショ糖濃度に換算した値(ショ糖換算濃度ともいう)である。具体的には、飲料の甘味度(ショ糖換算濃度、単位:質量%)=飲料に含まれる甘味料の甘味度×甘味料の濃度(単位:質量%)で求める。飲料が甘味料を2種以上含む場合、各甘味料のショ糖換算濃度の合計を「飲料の甘味度」とする。同様に、本明細書において、「原料の総質量に対する甘味度」は、原料の総質量の甘味料の含有量を、同等の甘さを有するショ糖濃度に換算した値(ショ糖換算濃度)である。
<電解質補給飲料>
本実施形態の電解質補給飲料(以下、単に「飲料」ともいう)は、ミネラルと水を含み、発汗等で失われたミネラルと水分を補給することができる。
本実施形態の飲料は、少なくとも、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上のミネラルを含む。
飲料中のミネラルの含有量は、飲料中のナトリウム(Na)含有量、カリウム(K)含有量、カルシウム(Ca)含有量及びマグネシウム(Mg)含有量の合計である。
飲料中のミネラルの含有量は、0.01質量%以上0.2質量%未満であり、0.03〜0.16質量%が好ましく、0.03〜0.12質量%がより好ましく、0.04〜0.08質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると発汗等で失われたミネラルを効率よく補給することが可能であり、上限値未満であると塩味が抑えられた飲料が得られやすい。一般的に、塩味が強い飲料は飲み難い。
本実施形態の飲料は、清涼飲料に広く適用することができる。本明細書における「清涼飲料」は、酒精分1容量パーセント未満である飲料(ただし、乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く)を指す。
本実施形態の飲料は、乳蛋白質由来ペプチドを含む。乳蛋白質由来ペプチドは、ミネラルを含む飲料の塩味の抑制に寄与する。
乳蛋白質由来ペプチドは、乳蛋白質を加水分解して得られるぺプチドが好ましい。
乳蛋白質由来ペプチドの数平均分子量は1200ダルトン以下が好ましく1000ダルトン以下がより好ましく、800ダルトン以下がさらに好ましく、200〜500ダルトンがより好ましい。上記範囲の内であるとより良好な塩味抑制の効果を発揮できる。
乳蛋白質由来ペプチドは特に限定されないが、牛乳あるいは脱脂粉乳等の乳製品由来の乳蛋白質由来ペプチドが好ましい。乳蛋白質由来ペプチドとしては、例えば、カゼインペプチド、ホエイペプチド等が挙げられ、これらを1種又は2種以上選択することができる。本実施形態の飲料では、飲料の塩味を良好に抑制できる点でカゼインペプチドが好ましい。
カゼインペプチドは、乳由来のカゼイン原料を公知の方法で加水分解して得られる。加水分解は、例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素加水分解等が挙げられる。カゼイン原料としては、乳酸カゼイン、硫酸カゼイン、塩酸カゼイン等の酸カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウム等のカゼイン塩、又はこれらの任意の混合物が挙げられる。カゼインペプチドは、市販品からも入手できる。
カゼインペプチドは、例えば特開2019−140923号公報に開示された製造方法にて製造することが可能である。
飲料に含まれる乳蛋白質由来ペプチドは、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
飲料の総質量に対して、乳蛋白質由来ペプチドの含有量は0.001〜0.5質量%が好ましく、0.002〜0.5質量%がより好ましく、0.002質量%以上0.2質量%未満がさらに好ましく、0.005〜0.1質量%が最も好ましい。乳蛋白質由来ペプチドの含有量が下限値以上であると塩味抑制効果が得られ、上限値以下又は未満であると乳蛋白質由来ペプチドの味が強調されすぎず、おいしい飲料が得られる。
飲料中の、乳蛋白質由来ペプチドの含有量に対する、ミネラルの含有量の質量比を表す、ミネラル/乳蛋白質由来ペプチド(以下、ミネラル/ペプチド質量比ともいう。)の値は、0.12〜35であることが好ましく、0.3より大きく35以下がより好ましく、0.3より大きく30以下がさらに好ましく、0.6〜12が最も好ましい。上記範囲の下限値以上であると発汗等で失われたミネラルを効率よく補給することが可能であり、上限値以下であると塩味が抑えられた飲料が得られやすい。
本実施形態の飲料は、飲料の総質量に対して、固形分の含有量が0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜18質量%がより好ましく、0.2〜18質量%がさらに好ましく、0.3〜16質量%が特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると電解質補給の目的に適した飲料を提供することができ、上限値以下であると風味の良い飲料を提供することができる。
本実施形態の飲料は、酸成分を含む。飲料のクエン酸換算酸度は0.001質量%以上0.4質量%未満であり、0.002質量%以上0.4質量%未満が好ましく、0.004質量%以上0.4質量%未満がより好ましく、0.01質量%以上0.4質量%未満がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、乳蛋白質分解ペプチドによる塩味抑制効果が得られやすく、上限値未満であると適度な酸味を呈する電解質補給飲料が得られる。
本実施形態の飲料は、甘味成分を含んでもよい。本実施形態の飲料は、発汗等で失われたミネラルと水分を補給する飲料であることから、継続的に何度も少量ずつ摂取する場合、一度に50〜500mL程度摂取する場合などがある。飲料の甘味度が高すぎると、甘味に飽きてしまい、身体が必要とする量の飲料を摂取することが困難な場合がある。そのため、飲料の甘味度(ショ糖換算濃度)は0.1質量%以上20質量%未満が好ましく、0.1〜18質量%がより好ましく、0.2〜15質量%がさらに好ましい。上記範囲の甘味度であると程よい甘味を呈する電解質補給飲料が得られる。
本実施形態の飲料は、pHが1.0〜7.0であることが好ましく、2.0〜6.0がより好ましく、2.0〜4.6がさらに好ましい。上記範囲pHであると程よい酸味を呈する電解質補給飲料が得られる。
pHは、乳蛋白質由来ペプチドの含有量が多くなると高くなる傾向がある。
<電解質補給飲料の製造方法>
本実施形態の電解質補給飲料の製造方法は、ミネラル源と、前記乳蛋白質由来ペプチドと、酸味料と、水を含む原料(以下、飲料の原料という。)を混合して、目的の飲料を得る。混合後、加熱殺菌することが好ましい。飲料の原料は、さらに甘味料を含んでもよい。
ミネラル源は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群から選ばれる1種以上である。これらの塩は食品添加物として許容されているものを使用する。ミネラル源と酸味料を兼ねる塩でもよい。
ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム(精製塩)、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
カリウム塩としては、塩化カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、L−グルタミン酸カリウム、グルコン酸カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
マグネシウム塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、グルタミン酸マグネシウム等が挙げられる。
カルシウム塩としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム等が挙げられる。
これらのうち、水に溶けやすく臭いや味への影響の少ない点で塩化ナトリウム(精製塩)、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウムがより好ましい。
酸味料は、食品添加物として許容されているものを適宜使用できる。
酸味料の具体例としては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、フィチン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩など)等が挙げられる。
これらのうち、程よい酸味の強さとバランスが得られる点でクエン酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、フマル酸から選択される1種又は2種以上がより好ましい。
甘味料の具体例としては、砂糖(グラニュー糖、上白糖、三温糖、黒砂糖など)、ブドウ糖、果糖、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖など)、水あめ、粉飴、乳糖、麦芽糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、ラクチュロース、マルトース、パラチノース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、ラフィノース等の糖類;ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール;スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリン及びその塩、サイクラメート及びその塩、ソーマチン、アスパルテーム、アリテーム、ネオテーム、グリチルリチン、レバウディオサイド、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド、甜茶抽出物、甘茶抽出物等の非糖質系甘味料が挙げられる。甘味料は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、甘味の質と適度な浸透圧の電解質補給飲料が得られやすい点で砂糖、ブドウ糖、果糖、及び異性化糖からなる群から選ばれる1種又は2種以上の糖類と、スクラロース、アセスルファムカリウム、及びステビオサイドからなる群から選ばれる1種又は2種以上の高甘味度甘味料の併用がより好ましい。ステビオサイドはステビア抽出物に含まれる。
飲料の原料は、ミネラル源、乳蛋白質由来ペプチド、酸味料、甘味料及び水以外の、その他の原料を含んでもよい。
その他の原料としては、例えば、果汁、野菜汁、乳成分、コーヒー、茶、ココア、チョコレート、キャラメル、ビタミン類、香料、色素類、酸化防止剤、保存料等が挙げられる。
飲料の原料は、風味の点でリン酸又はリン酸塩を含まない、または含む場合は少量であることが好ましい。例えば飲料の原料の総質量に対して、リン酸の含有量は0.01質量%未満が好ましく、0.005質量%未満がより好ましく、0.001質量%未満がさらに好ましい。ゼロが最も好ましい。
飲料の原料の組成と、得られる飲料の組成は、熱による変性を除いて同じである。
飲料の原料の配合は、目的とする飲料の組成が得られるように設計する。
飲料の原料中のミネラルの含有量は、ミネラル源及びミネラル源以外の原料に由来する、ナトリウム(Na)含有量、カリウム(K)含有量、カルシウム(Ca)含有量及びマグネシウム(Mg)含有量の合計である。
加熱殺菌は公知の方法で実施できる。例えば、110〜150℃の間の温度で1〜120秒間加熱殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法を用いることができる。
加熱殺菌後の飲料を、無菌的に保存容器に充填することで容器入り電解質補給飲料が得られる。加熱殺菌前の原料混合物を保存容器に充填し、レトルト殺菌法で加熱殺菌してもよい。
保存容器としては、缶、PETボトル、ガラス瓶又は紙パック等が例示できる。
保存容器の容量は特に限定されないが、例えば50〜20000mLが好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[官能評価方法]
(1)パネラーの選出
塩味評価の均一化のために、0.05質量%塩化ナトリウム溶解液を基準液とし、これを日常的に確認し、塩味の判断基準について摺合せを行っている開発担当者7名(パネラーA〜G)又は8名(パネラーA〜H)を評価パネラーとして選出した。
(2)塩味の評価
評価パネラーが、対照試料を試飲し、塩味の基準点4点とした。次に試験試料を試飲し、塩味の強さを対照試料と比較し、下記の基準で7段階評価した。全員の評価点の平均を求めた。平均点が低いほど塩味抑制効果が高い。
(塩味の強さ)
1点:非常に弱い。
2点:弱い。
3点:少し弱い。
4点:どちらともいえない。
5点:少し強い。
6点:強い。
7点:非常に強い。
(3)おいしさの評価
評価パネラー間のおいしさの均一化のため、苦味に由来する後味が持続することなく、かつ、繰り返し飲料を摂取することが許容できる味(飽きにくい味)が感じられる場合を「おいしい」とし、おいしさの判断基準について摺合せをした。
評価パネラーが、対照試料を試飲し、おいしさの基準点4点とした。次に試験試料を試飲し、おいしさを対照試料と比較し、下記の基準で7段階評価した。全員の評価点の平均を求めた。平均点が高いほどおいしさに優れる。
(おいしさ)
1点:非常においしくない。
2点:おいしくない。
3点:少しおいしくない。
4点:どちらともいえない。
5点:少しおいしい。
6点:おいしい。
7点:非常においしい。
[実施例・比較例・試験例・製造例]
下記の表に示す原料は以下の通りである。
<原料>
カゼインペプチド:森永乳業社製、数平均分子量337。
砂糖混合果糖ブドウ糖液糖:昭和産業社製。甘味度1のものを用いた。
グラニュー糖:三井製糖社製。
塩化ナトリウム:精製塩。
塩化カリウム:富田製薬社製。
硫酸マグネシウム:富田製薬社製。
乳酸カルシウム:太陽化学産業社製。
クエン酸:扶桑化学工業社製。
香料:グレープフルーツ香料、長谷川香料社製。
<実施例1・比較例1>
(1)目的
乳蛋白質由来ペプチドの塩味抑制効果を調べる。
(2)飲料の調製
表1に示す処方の飲料を調製した。具体的には、表に示す配合の全原料を混合して混合液を調製した。この混合液をUHT殺菌機を用いて110℃で2秒間殺菌処理をした。殺菌処理後、10℃以下に冷却して飲料を得た。
表1には、飲料の固形分、クエン酸換算酸度、甘味度、20℃におけるpH、ミネラル含有量、ミネラル/ペプチド質量比を示す(以下、同様)。
(3)評価
上記評価方法に基づいて塩味の強さを評価した。比較例1の飲料を対照試料、実施例1の飲料を試験試料とした。試料はいずれも10℃とした(以下、同様)。結果を表2に示す。表2には各評価パネラーの評価点と、その平均点を示す。
Figure 2021119748
Figure 2021119748
表2の結果に示されるように、乳蛋白質由来ペプチドを含む実施例1は、乳蛋白質由来ペプチドを含まない比較例1と比較して塩味が抑制された。
<試験例1>
(1)目的
乳蛋白質由来ペプチドの含有量の好適な範囲を調べる。
(2)試料の調製
表3に示す処方の飲料A0及びA1〜A8を調製した。飲料A0は乳蛋白質由来ペプチドを含まない対照試料である。飲料A3は実施例1と同じ処方である。
具体的には、表に示す配合の全原料を混合して混合液を調製した。この混合液を、実施例1と同様にして殺菌処理し、冷却して飲料を得た。
(3)評価
上記評価方法に基づいて塩味の強さ及びおいしさを評価した。飲料A0を対照試料として飲料A1〜A8を評価した。結果を表4、5に示す。
Figure 2021119748
Figure 2021119748
Figure 2021119748
表4の結果に示されるように、乳蛋白質由来ペプチドを0.002〜0.5質量%含む飲料A1〜A8は、乳蛋白質由来ペプチドを含まない飲料A0と比較して塩味が抑制された。
表5の結果に示されるように、乳蛋白質由来ペプチドの含有量が0.002質量%以上0.2質量%未満である飲料A1〜A6は、乳蛋白質由来ペプチドを含まない飲料A0と比較しておいしさが向上した。
<試験例2>
(1)目的
甘味度およびクエン酸換算酸度が低い場合の、乳蛋白質由来ペプチドの効果を調べる。
(2)試料の調製
表6に示す処方の飲料B0、B1及びC0、C1を調製した。具体的には、表に示す配合の全原料を混合して混合液を調製した。この混合液を、実施例1と同様にして殺菌処理し、冷却して飲料を得た。
(3)評価
上記評価方法に基づいて塩味の強さ及びおいしさを評価した。飲料B0を対照試料として飲料B1を評価し、飲料C0を対照試料として飲料C1を評価した。結果を表7、8に示す。
Figure 2021119748
Figure 2021119748
Figure 2021119748
表7の結果に示されるように、乳蛋白質由来ペプチドを含む飲料B1、C1は、乳蛋白質由来ペプチドを含まない飲料B0、C0と比較して塩味が抑制された。
表8の結果に示されるように、乳蛋白質由来ペプチドを含む飲料B1、C1は、乳蛋白質由来ペプチドを含まない飲料B0、C0と比較しておいしさが向上した。
<試験例3>
(1)目的
飲料に添加するミネラルの種類を変えた場合、クエン酸換算酸度を高めた場合、又はミネラル含有量を高めた場合の、乳蛋白質由来ペプチドの効果を調べる。
(2)試料の調製
表9に示す処方の飲料D0及びD1〜D5を調製した。具体的には、表に示す配合の全原料を混合して混合液を調製した。この混合液を、実施例1と同様にして殺菌処理し、冷却して飲料を得た。
(3)評価
上記評価方法に基づいて塩味の強さ、おいしさを評価した。飲料D0を対照試料として飲料D1〜D5を評価した。結果を表10〜11に示す。
Figure 2021119748
Figure 2021119748
Figure 2021119748
表10の結果に示されるように、乳蛋白質由来ペプチドを含む飲料D1、D2は、ミネラルの種類を変えても、乳蛋白質由来ペプチドを含まない飲料D0と比較して塩味が抑制された。
飲料D3、D4は、乳蛋白質由来ペプチド含有量及びミネラル含有量は飲料D1と同じであり、クエン酸換算酸度が飲料D1より高い。クエン酸換算酸度が0.3質量%である飲料D3では良好な塩味抑制効果が得られたが、クエン酸換算酸度が0.4質量%である飲料D4では塩味の抑制が不充分であった。
飲料D5は、乳蛋白質由来ペプチド含有量及びクエン酸換算酸度は飲料D1と同じであり、ミネラル含有量が飲料D1より高い。ミネラルを0.2質量%含む飲料D5では塩味の抑制が不充分であった。
表11の結果に示されるように、飲料D1、D2、D3は、乳蛋白質由来ペプチドを含まない飲料D0と比較しておいしさが向上した。
[製造例]
カゼインペプチド0.4g、塩化ナトリウム1g、グルコン酸カリウム(扶桑化学工業社製)0.5g、乳酸カルシウム0.5g、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖35g、アセスルファムカリウム(三栄源FFI社製)0.09g、スクラロース(三栄源FFI社製)0.03g、クエン酸2.5g、グレープフルーツ6倍濃縮果汁(Cape Fruit Processors社製)15g、ライチ5倍濃縮果汁(果香社製)10g、グレープフルーツ香料1gを、全量が1000gとなるようイオン交換水に溶解し、混合した。混合液を110℃で2秒間殺菌処理を行い、330mLのキャップ付き紙容器に無菌的に充填し、電解質補給飲料を得た。

Claims (7)

  1. ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上のミネラルの含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満、クエン酸換算酸度が0.001質量%以上0.4質量%未満であり、乳蛋白質由来ペプチドを含む、電解質補給飲料。
  2. 前記乳蛋白質由来ペプチドの含有量が0.001質量%以上0.5質量%以下である、請求項1に記載の電解質補給飲料。
  3. 前記乳蛋白質由来ペプチドの含有量に対する、前記ミネラルの含有量の質量比を表す、ミネラル/乳蛋白質由来ペプチドの値が0.12〜35である、請求項1又は2に記載の電解質補給飲料。
  4. 甘味度が0.1質量%以上20質量%未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解質補給飲料。
  5. ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群から選ばれる1種以上であるミネラル源と、乳蛋白質由来ペプチドと、酸味料と、水を含む原料を、
    前記原料の総質量に対して、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選ばれる1種以上のミネラルの含有量が0.01質量%以上0.2質量%未満、クエン酸換算酸度が0.001質量%以上0.4質量%未満となるように混合する、電解質補給飲料の製造方法。
  6. 前記乳蛋白質由来ペプチドの含有量が0.001質量%以上0.5質量%以下となるように混合する、請求項5に記載の電解質補給飲料の製造方法。
  7. 前記原料が甘味料を含み、前記原料の総質量に対する甘味度が0.1質量%以上20質量%未満である、請求項5又は6に記載の電解質補給飲料の製造方法。
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