JP7408285B2 - コーヒー飲料およびコーヒー飲料の風味改善方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コーヒー飲料およびコーヒー飲料の風味改善方法に関する。
従来、コーヒーは、嗜好性飲料として広く親しまれている。
一方で、近年の健康志向等の高まりから、コーヒー飲料など飲食品において、付加機能を与える試みが種々行われている。付加機能を与える成分としては、例えば、ペプチドが挙げられる。ペプチドは、2個以上のアミノ酸が結合した化合物であり、その有用な生理作用が注目されている。
ペプチドを含有させたコーヒー飲料に関する技術として、特許文献1がある。特許文献1には、コーヒー抽出液にカゼインペプチド200ppmと、ビタミンE50ppmとを併用して添加することによって、焦げ臭発生を抑制し、コーヒー本来の甘い香りを保持し、酸味の増加を抑制したコーヒー飲料が開示されている。
特開平7-87891号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、カゼインペプチドと、ビタミンEとを併用することを前提とするものであり、カゼインペプチドに由来する雑味に着目したものではなかった。そして、カゼインペプチドに由来する雑味を抑制しつつ、コーヒー飲料の風味を向上させる点で十分ではなかった。
本発明者は、ペプチドの中でもカゼインペプチドを含むことに着目し、カゼインペプチドに由来する雑味を抑制しつつ、コーヒー飲料の風味を向上させる観点から鋭意検討を行った結果、飲料中のナトリウム濃度が重要であることを知見した。ナトリウムはコーヒー抽出液、pH調整剤、および食塩など広く含まれるものであるが、飲料中のナトリウムの含有量を適切に制御することにより、カゼインペプチドに由来する雑味のカドが低減し、まろやかな風味が得られるとともに、カゼインペプチドとコーヒー風味との相乗効果により、コーヒー風味が向上できることが見出され、本発明が完成された。
本発明によれば、カゼインペプチドを含有し、
ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下である、コーヒー飲料が提供される。
また、本発明によれば、飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下となるように調整する工程を含む、コーヒー飲料の風味改善方法が提供される。
本発明によれば、カゼインペプチドに由来する雑味を抑制しつつ、コーヒーの風味を向上させたコーヒー飲料が提供できる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
また、本明細書において、ナトリウム、カリウムは、飲料中に溶解したナトリウムイオン、カリウムイオンのことを示す。
<コーヒー飲料>
本実施形態のコーヒー飲料は、コーヒー豆から抽出または溶出した成分(コーヒー分)を原料とする飲料及びこれにその他の成分が加えられている飲料であり、飲んだときにコーヒー風味が感じられる飲料をいい、1977年に制定された「コーヒー含有飲料等の表示に関する公正競争規約」にも記載されているように、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳製品、乳化された食用油脂その他の可食物を加え容器に密封した飲料のことを指す。また、本実施形態においては、コーヒー豆使用量が生豆換算で1重量%未満の飲料であっても、飲んだときにコーヒー風味が感じられる飲料については、コーヒー飲料として扱うこととする。
ここで、本実施形態のコーヒー飲料にコーヒー分を含有させる方法としては、特に限定されず当業者が適宜設定することができる。例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出した溶液(コーヒー抽出液)や、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥させたインスタントコーヒー等を用いて、これらのうち1種または2種以上を飲料中に添加するといった方法等を挙げることができる。
一方、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によれば、2017年現在、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものについては、乳飲料として扱われることになる。
本実施形態に係るコーヒー飲料については、コーヒー豆を原料とした飲料であるため、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものであったとしても、コーヒー飲料として扱うこととする。
コーヒー飲料は、ブラックコーヒー飲料(有糖と無糖を問わない。)であってもよく、1種または2種以上の乳分を含有した乳入りコーヒー飲料であってもよい。
コーヒー飲料中のコーヒー可溶性固形分の含有量の下限値は、本格的なコーヒー感、飲みやすさ、おいしさを得るため、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
一方、コーヒー飲料中のコーヒー可溶性固形分の含有量の上限値は、香り、酸味、苦み、後味のバランスを良好にしつつ、口あたりを良好にするため、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.8質量%以下であり、さらに好ましくは1.7質量%以下である。
[カゼインペプチド]
本実施形態のコーヒー飲料は、カゼインペプチドを含有するものである。
一般に、ペプチドとは、例えば、動植物性あるいは微生物由来のタンパク質を酸、アルカリまたは蛋白質加水分解酵素で加水分解する等により得られるものである。由来するタンパク質によって、コラーゲンペプチド、大豆ペプチド、乳ペプチド、小麦ペプチドおよび卵ペプチドなどがある。
本実施形態のコーヒー飲料は、ペプチドの中でもカゼインペプチドに着目したものであり、カゼインペプチドとコーヒー風味や飲みやすさの向上との関係性は本発明者が初めて見出したものである。
本実施形態のカゼインペプチドは、例えば、牛乳、馬乳、山羊乳、および羊乳等の獣乳に由来するペプチドが挙げられる。中でも、牛乳由来のカゼインペプチドが好ましい。カゼインペプチドは、コーヒー風味やおいしさの向上、コクが得られる観点において、コーヒー飲料の風味との相性がよい。コーヒー風味を効果的に向上させる観点から、当該牛乳由来のカゼインペプチドをタンパク質加水分解酵素で分解して得られる乳カゼインペプチドであることが好ましい。
また、本実施形態におけるカゼインペプチドの分子量分布は、500~10000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として5質量%以上であることが好ましく、500~10000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として50質量%以上であることがより好ましく、500~6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として50質量%以上であることがさらに好ましい。
カゼインペプチドの分子量を、上記下限値以上とすることにより、コーヒー風味を増強しやすくなる。一方、カゼインペプチドの分子量を、上記上限値以下とすることにより、カゼインペプチドに由来する臭いを抑制しつつ、コーヒー風味が向上しやすくなる。そのため、カゼインペプチドの分子量分布を適切に制御することにより、カゼインペプチドに由来する雑味の抑制と、コーヒー風味の増強とのバランスを高水準で実現しやすくなる。
なお、カゼインペプチドに由来する雑味とは、原料となる獣乳由来の独特の不快な臭い等を意図する。
本実施形態におけるカゼインペプチドの分子量は、公知の方法で測定することができ、例えば、粘度測定、HPLC及びサイズ排除クロマトグラフ法等の定量方法によって測定できる。なかでも、サイズ排除クロマトグラフ法であることが好ましい。サイズ排除クロマトグラフ法を用いる場合、使用カラムはTSKgel G2500PWXL(東ソー株式会社製)とすることが好ましい。
本実施形態のコーヒー飲料において、カゼインペプチドの含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。カゼインペプチドの含有量を、飲みやすさを保持しつつ、コーヒー風味を向上しやすくなる。
一方、カゼインペプチドの含有量は、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましく、0.6質量%以下が特に好ましい。カゼインペプチドの含有量を上記上限値以下とすることにより、雑味の発生を抑制しつつ、コーヒー風味を向上させることができる。
[ナトリウム]
本実施形態のコーヒー飲料は、ナトリウムの含有量を18mg/100ml以上、40mg/100ml以下とするものである。ナトリウムの含有量は、好ましくは20mg/100ml以上、より好ましくは22mg/100ml以上であり、一方、好ましくは38mg/100ml以下、より好ましくは33mg/100ml以下である。
ナトリウムの含有量を上記下限値以上とすることにより、カゼインペプチドに由来する雑味のカドが低減し、まろやかな風味が得られるようになる。その結果、ペプチド由来の雑味を低減できるとともに、後味の良さ、飲みやすさを向上し、良好なおいしさが得られる。また、飲料の流通・保存等の時間経過により飲料中のカゼインペプチドが劣化したとしても、良好な香味を保持しやすくなる。
一方、ナトリウムの含有量を上記上限値以下とすることにより、ペプチド由来の雑味を低減しつつ、塩味が強くなりすぎるのを抑止し、後味の良さ、飲みやすさ、おいしさのバランスを良好に保持できる。
なお、ナトリウムは、コーヒー豆およびカゼインペプチドに由来するもの、炭酸水素ナトリウムなどのpH調整剤および食塩などの添加剤に由来するものなどがあり、これらの組み合わせおよび含有量を調整することで、所定のナトリウム濃度の飲料を調製できる。
[カリウム]
本実施形態のコーヒー飲料は、カリウムを含む。
本実施形態において、ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)が0.20以上、0.50以下であることが好ましく、0.26以上、0.42以下がより好ましい。
ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)を上記下限値以上とすることにより、ペプチド由来の雑味を低減できるとともに、後味の良さ、飲みやすさを向上し、良好なおいしさが得られる。また、飲料の流通・保存等の時間経過により飲料中のカゼインペプチドが劣化したとしても、良好な香味を保持しやすくなる。
一方、ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)を上記上限値以下とすることにより、ペプチド由来の雑味を低減しつつ、塩味が強くなりすぎるのを抑止し、後味の良さ、飲みやすさ、おいしさのバランスを良好に保持できる。
また、ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)を上記の数値範囲とすることで、コーヒー飲料のpHを適切に調整しつつ、ペプチドに由来する雑味を低減できるようになる。
なお、カリウムは、コーヒー豆に由来するもの、炭酸カリウムなどのpH調整剤に由来するものなどがあり、これらの組み合わせおよび含有量を調整することで、所定のカリウム濃度の飲料を調製できる。
また、コーヒー飲料中のナトリウムイオン、カリウムイオン濃度は、例えば、ICP-MS法(誘導結合プラズマ質量分析計)や原子吸光光度法による分析で求めることができる。また、飲料の原材料中のナトリウム濃度、カリウム濃度と、原材料の配合量から、計算により求めることもできる。
[pH]
本実施形態のコーヒー飲料の20℃におけるpHは、5.3以上、7以下であることが好ましく、5.7以上、6.5以下であることがより好ましい。
pHを上記下限値以上とすることにより、ペプチドに由来する雑味を低減しやすくなるとともに、保存性が向上できる。
一方、pHを上記上限値以下とすることにより、ペプチドに由来する雑味を低減しつつ、コーヒー飲料の風味のバランスを良好にできる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、pH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
[ブリックス値]
本実施形態のコーヒー飲料のブリックス値(Bx)は、飲みやすさを向上しつつ、香り、酸味、苦み、後味のバランスを良好にする観点から、好ましくは、0.3°以上10°以下であり、より好ましくは、0.5°以上7°以下であり、さらに好ましくは、1.0°以上7°以下である。
ブリックス値は、コーヒー飲料全量に対する可溶性固形分の合計含有量を示す。ブリックス値は、たとえば、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を用いて、20℃における糖用屈折計の示度を測定することができる。
ブリックス値は、例えば、後述の甘味料の量、その他の各種成分の量などにより調整することができる。
本実施形態のコーヒー飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、乳、甘味料、酸味料、乳化剤、pH調整剤、果汁、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、および増粘安定剤等を含んでもよい。
上記の乳としては、生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、部分脱脂乳、練乳、粉乳、および発酵乳等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
乳入りコーヒー飲料である場合、良好な乳風味を得る観点から、牛乳を用いることが好ましい。ここで、牛乳の含有量は、1.0~20質量%であることが好ましく、1.3~15質量%であることがより好ましい。
上記の甘味料としては、例えば、果糖、ショ糖、ブドウ糖、グラニュー糖、乳糖、および麦芽糖等の糖類、キシリトール、およびD-ソルビトール等の低甘味度甘味料、タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、およびサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記の酸味料としては、例えば、クエン酸三ナトリウムなどのクエン酸塩、無水クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、酢酸、リン酸、フィチン酸、アスコルビン酸又はそれらの塩類等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
[容器]
本実施形態のコーヒー飲料は容器詰めされてもよい。かかる容器は、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。
<コーヒー飲料の風味改善方法>
本実施形態の飲料のコーヒー飲料の風味改善方法は、飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下となるように調整する工程を含むものである。これにより、カゼインペプチドに由来する雑味を抑制しつつ、コーヒー飲料の風味を向上させることができる。また、飲料の長期保存による香味の劣化を抑制できる。
コーヒー飲料としては、上記のコーヒー飲料を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. カゼインペプチドを含有し、
ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下である、コーヒー飲料。
2. pHが5.3以上、7以下である、1.に記載のコーヒー飲料。
3. ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)が0.20以上、0.50以下である、1.または2.に記載のコーヒー飲料。
4. 前記カゼインペプチドの含有量が0.1質量%以上1.5質量%以下である、1.乃至3.いずれか一つに記載のコーヒー飲料。
5. 前記カゼインペプチドは、分子量分布が500以上10000以下のものが50質量%以上のものを含む、1.乃至4.のいずれか一つに記載のコーヒー飲料。
6. 前記コーヒー飲料が容器詰めされた、1.乃至5.のいずれか一つに記載のコーヒー飲料。
7. 飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下となるように調整する工程を含む、コーヒー飲料の風味改善方法。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実験例1]ペプチドの種類の違いの検証
<実施例1,対照例1,比較例1,2>
以下の3種類のペプチドを準備した。
・乳カゼインペプチド:ラクトノナデカペプチド(以下、「LNDP」)
特許第5718741号公報段落[0108]~[0110]に記載の方法に従って作製し、7時間反応させたものを用いた。
分子量分布は、500~6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として65質量%であった。
・大豆ペプチド:ハイニュート-AM(不二製油社製)
・フィッシュコラーゲンペプチド:HPフィッシュコラーゲン(協和発酵バイオ株式会社製)
次に、コーヒー豆(ブラジル産、L値16.5)を抽出してコーヒー抽出液を得た。続けて、飲料中の濃度(g/L)が表1に示す値となるように上記のペプチド、コーヒー抽出液、重曹(炭酸水素ナトリウム)を均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を缶に充填し、120~125℃で約25分間のレトルト殺菌をして、容器詰めコーヒー飲料を得た。
コーヒー飲料のpH(20℃)はいずれも6.0であり、ブリックス値は1.8であった。
得られたコーヒー飲料について以下の測定・評価を行い、結果を表1に示した。
<測定>
・ナトリウム、カリウム量の測定:ICP-MS法を用いて、算出した。
<評価>
・官能評価:コーヒー飲料(20℃)それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲し、以下の評価基準に従い、「おいしさ」、「コーヒー風味の強さ」、「コーヒー風味の良さ」、「飲みやすさ」、「コクがある」それぞれについて、7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照例1の飲料を対照品(基準値4点)として評価を実施した。
・評価基準
「おいしさ」
7点・・・非常においしい
6点・・・かなりおいしい
5点・・・ややおいしい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・ややおいしくない
2点・・・かなりおいしくない
1点・・・非常においしくない
「コーヒー風味の強さ」
7点・・・非常に強い
6点・・・かなり強い
5点・・・やや強い
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや弱い
2点・・・かなり弱い
1点・・・非常に弱い
「コーヒー風味の良さ」
7点・・・非常に良い
6点・・・かなり良い
5点・・・やや良い
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや悪い
2点・・・かなり悪い
1点・・・非常に悪い
「飲みやすさ」
7点・・・非常に飲みやすい
6点・・・かなり飲みやすい
5点・・・やや飲みやすい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや飲みにくい
2点・・・かなり飲みにくい
1点・・・非常に飲みにくい
「コクがある」
7点・・・非常にそう思う
6点・・・かなりそう思う
5点・・・ややそう思う
4点・・・どちらともいえない
3点・・・ややそう思わない
2点・・・かなり思わない
1点・・・非常に思わない
Figure 0007408285000001
[実験例2]ナトリウム、カリウム濃度の違いの検証
<実施例1~3,対照例1,比較例3~6>
以下の乳カゼインペプチドを準備した。
・乳カゼインペプチド:ラクトノナデカペプチド(以下、「LNDP」)
特許第5718741号公報段落[0108]~[0110]に記載の方法に従って作製し、7時間反応させたものを用いた。
分子量分布は、500~6000のものがサイズ排除クロマトグラフ法のピーク面積比として65質量%であった。
次に、コーヒー豆(ブラジル産、L値16.5)を抽出してコーヒー抽出液を得た。続けて、飲料中の濃度(質量%)が表2に示す値となるように上記のペプチド、コーヒー抽出液、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸カリウム、食塩を均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を缶に充填し、120~125℃で約25分間のレトルト殺菌をして、容器詰めコーヒー飲料を得た。
コーヒー飲料のpH(20℃)はいずれも6.0であり、ブリックス値は1.8であった。
得られたコーヒー飲料について以下の測定・評価を行い、結果を表2に示した。
<測定>
・ナトリウム、カリウム量の測定:ICP-MS法を用いて、算出した。
<評価>
・官能評価:コーヒー飲料(20℃)それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲し、以下の評価基準に従い、「おいしさ」、「ペプチド由来の雑味の強さ」、「後味の良さ」、「飲みやすさ」それぞれについて、7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照例1の飲料を対照品(「ペプチド由来の雑味の強さ」の基準値1点、その他の評価項目の基準値4点)として評価を実施した。
なお、「飲みやすさ」とは、コーヒー飲料の雑味や苦みが低減され、まろやかさが得られることによって感じられる風味である。
・評価基準
「おいしさ」
7点・・・非常においしい
6点・・・かなりおいしい
5点・・・ややおいしい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・ややおいしくない
2点・・・かなりおいしくない
1点・・・非常においしくない
「ペプチド由来の雑味の強さ」
7点・・・非常に強い
6点・・・かなり強い
5点・・・やや強い
4点・・・やや弱い
3点・・・かなり弱い
2点・・・非常に弱い
1点・・・感じない
「後味の良さ」
7点・・・非常に良い
6点・・・かなり良い
5点・・・やや良い
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや悪い
2点・・・かなり悪い
1点・・・非常に悪い
「飲みやすさ」
7点・・・非常に飲みやすい
6点・・・かなり飲みやすい
5点・・・やや飲みやすい
4点・・・どちらともいえない
3点・・・やや飲みにくい
2点・・・かなり飲みにくい
1点・・・非常に飲みにくい
・保存性:得られた飲料をそれぞれ、80℃で5日間保存したものと、冷蔵庫で5日間保存したものとに分けて用意した。その後、コーヒー飲料(20℃)それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲し、両者の「保存後の香味差」について7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。
「保存後の香味差」
7点・・・ない
6点・・・非常に小さい
5点・・・かなり小さい
4点・・・やや小さい
3点・・・やや大きい
2点・・・かなり大きい
1点・・・非常に大きい
Figure 0007408285000002

Claims (10)

  1. カゼインペプチドを含有し、
    ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下であり、pHが5.3以上、7以下であり、ブラックコーヒーである、コーヒー飲料。
  2. カゼインペプチドを含有し、
    ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、26.3mg/100ml以下であり、pHが5.3以上、7以下である、コーヒー飲料。
  3. ブラックコーヒーである、請求項に記載のコーヒー飲料。
  4. ナトリウムとカリウムの質量比(Na/K)が0.20以上、0.50以下である、請求項1乃至3いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
  5. カリウムの含有量が83.9mg/100ml以上、91.3mg/100ml以下である、請求項1乃至いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
  6. 前記カゼインペプチドの含有量が0.1質量%以上1.5質量%以下である、請求項1乃至5いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
  7. 前記カゼインペプチドは、分子量分布が500以上10000以下のものが50質量%以上のものを含む、請求項1乃至6いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
  8. 前記コーヒー飲料が容器詰めされた、請求項1乃至7いずれか一項に記載のコーヒー飲料。
  9. 飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、40mg/100ml以下であって、pHが5.3以上、7以下となるように調整する工程を含み、前記飲料がブラックコーヒーである、コーヒー飲料の風味改善方法。
  10. 飲料に、カゼインペプチドを配合し、ナトリウムの含有量が18mg/100ml以上、26.3mg/100ml以下であって、pHが5.3以上、7以下となるように調整する工程を含む、コーヒー飲料の風味改善方法。
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