JP2021119762A - 飲料および飲料の乳臭さの抑制方法 - Google Patents

飲料および飲料の乳臭さの抑制方法 Download PDF

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洋 西尾
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Abstract

【課題】低甘味度であっても乳臭さを抑制しつつミルク感が得られる飲料を提供する。【解決手段】ミルク入りの飲料であって、(a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、(b)当該飲料の甘味度が1以下であり、(c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、(d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たす、飲料。(i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb(ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb(iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb(iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb【選択図】なし

Description

本発明は、飲料および飲料の乳臭さの抑制方法に関する。
従来、コーヒーや紅茶などの茶飲料に乳成分を含有させた飲料は、コクやうまみ、まろやかさなど、ミルク特有の良好な風味が得られ、広く親しまれる。
しかしながら、乳成分を含有した飲料は、長時間常温に放置等されると、乳成分由来の乳臭さが生じることが知られている。そこで、例えば、特許文献1には、時間経過による乳臭さの発生を抑制する観点から、乳タンパク質を含む飲料のポリフェノール含有量、pHを特定の範囲とすることが開示されている。
一方で、コーヒー飲料は、消費者の嗜好や流行等を背景に様々な風味や香味を有するものが開発され、コーヒー飲料に香気成分を添加する試み等が行われている。例えば、特許文献2には、飲料の液温にかかわらず、苦味が抑制され、後味のキレが良好なコーヒー飲料を得るため、グアイアコールとフルフリルメチルスルフィドを含み、さらにp−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、及び2−アセチルピロールの少なくとも1種を含むことが開示されている。
特開2014−113113号公報 特開2018−148875号公報
ところで、近年の健康志向の高まりに伴い、低カロリー、低糖の飲料が求められている。
本発明者は、かかる要求に応えるべく、甘味度の低い乳成分入り飲料の開発に新たに着手したところ、甘味度を低くすると、乳成分由来の乳臭さが感じられやすくなることを見出した。そして、さらに検討を重ねた結果、乳成分を含む低甘味度の飲料において、4−エチルフェノールと、グアイアコール、4−エチルグアイアコール、フルフリルメチルスルフィドおよびフルフリルメチルジスルフィドのうちの少なくとも1つを組み合わせ、これらの含有量を制御することで、ミルク感を得つつも、乳臭さを効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
ミルク入りの飲料であって、
(a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、
(b)当該飲料の甘味度が1以下であり、
(c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、
(d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たす、飲料が提供される。
(i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb
(ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb
(iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb
(iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb
また、本発明によれば、ミルク入りの飲料の乳臭さの抑制方法であって、
(a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、
(b)当該飲料の甘味度が1以下であり、
(c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、
(d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たすように調製する、飲料の乳臭さの抑制方法が提供される。
(i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb
(ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb
(iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb
(iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb
本発明によれば、低甘味度であっても乳臭さを抑制しつつミルク感が得られる飲料が提供できる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。また、「ppm」は「mg/L」と同義であり、「ppb」は「μg/L」と同義であり、「ppt」は「ng/L」と同義である。
<飲料>
本実施形態の飲料は、ミルク入りの飲料であって、
(a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、
(b)当該飲料の甘味度が1以下であり、
(c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、
(d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たす。
(i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb
(ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb
(iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb
(iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb
これにより、低甘味度であっても、乳臭さを抑制することができる。かかる理由の詳細は明らかではないが、次のように推測される。一般に、香りは、嗅いだ直後に感じられるトップノートと、次いで感じられるミドルノートと、最後に残るにベースノートに分けて検討されるところ、本実施形態の飲料に含まれる(c)、(i)〜(iv)の各香気成分はいずれも、ベースノートの役割を持つものである。また、ミルク入り飲料の乳臭さも、飲用した後の後味として感じられやすい。そのため、飲料が(c)、(i)〜(iv)の各香気成分を特定量含むことによって、(c)と(i)〜(iv)との相乗効果により、ミルク感を強くしつつも、乳成分に由来する不快な後味をマスキングでき、飲用後の乳臭さを抑制できると考えられる。
以下、本実施形態の飲料に含まれる各成分について詳細を説明する。
[(a)乳固形分]
本実施形態の飲料はミルク入りであり、乳成分を含むものである。乳成分とは、飲料にミルク風味やミルク感を付与するために添加する成分であり、乳としては、例えば、生乳、牛乳、加工乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、部分脱脂乳、練乳、粉乳、および発酵乳等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において、飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、好ましくは2.5〜4.5質量%である。
なお、乳固形分とは、乳脂肪分と無脂乳固形分とを合わせたものいう。中でも、無脂乳固形分換算で2〜5質量%とすることが好ましく、2.5〜4.5質量%とすることがより好ましい。
乳固形分量の測定方法は、全国飲用牛乳公正取引協議会事務局編「飲用乳の検査法」(平成28年5月改訂)による飲用乳の無視乳固形分の試験方法に従い算出する。具体的には、
乳固形分(質量%)=〔総固形分量(g)〕−〔乳以外の固形分量(g)〕−〔乳以外の脂質量(g)〕の式に当てはめて算出できる。
[(b)甘味度]
甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした場合の飲料の甘味の程度を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。
本実施形態の飲料は、甘味度が1以下であり、好ましくは0.8以下である。
甘味度は、乳成分由来の甘味成分(乳糖)を含むものであり、甘味料や甘味成分を含有する果汁等によっても調整することができる。
上記の甘味料としては、例えば、果糖、ショ糖、ブドウ糖、グラニュー糖、乳糖、および麦芽糖等の糖類、キシリトール、およびD−ソルビトール等の低甘味度甘味料、タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、およびサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、本実施形態の飲料は、高甘味甘味料を含まないことが好ましく、実質的に甘味料を含まないことがさらに好ましい。実質的とは、原料(乳や果汁等)由来の甘味成分や、製造過程で含まれうる極微量な成分は除く趣旨である。
[(c)4−エチルフェノール]
4−エチルフェノールは、p−エチルフェノールとも呼ばれ、一般には、香ばしい香りが得られることで知られる。
本実施形態において、飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、好ましくは3〜60ppbであり、より好ましくは6〜50ppbである。
飲料中の4−エチルフェノール含有量を上記数値範囲内とすることにより、(i)〜(iv)との組み合わせによる相乗効果が得られ、乳臭さの抑制とミルク感とを高水準で両立できるようになり、また、良好なミルク感が得られやすくなる。
[(i)グアイアコール]
グアイアコールは、2−メトキシフェノールともいい、バニリンなどを人工合成する際に用いられる香気成分である。
本実施形態において、飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppbであり、好ましくは50〜500ppbであり、より好ましくは55〜350ppbである。
飲料中のグアイアコール含有量を上記数値範囲内とすることにより、(c)4−エチルフェノールとの組み合わせによる相乗効果が得られ、乳臭さの抑制とミルク感とを高水準で両立できるようになり、また、良好なミルク感が得られやすくなる。
[(ii)4−エチルグアイアコール]
4−エチルグアイアコールは、2−メトキシ−4−エチルフェノールとも呼ばれる香気成分である。
本実施形態において、飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppbであり、好ましくは20〜450ppbである。
飲料中のグアイアコール含有量を上記数値範囲内とすることにより、(c)4−エチルフェノールとの組み合わせによる相乗効果が得られ、乳臭さの抑制とミルク感とを高水準で両立できるようになり、また、良好なミルク感が得られやすくなる。
[(iii)フルフリルメチルスルフィド]
フルフリルメチルスルフィドは、希釈すると、淹れたてのコーヒーに類似した香りを生じることで知られる。
本実施形態において、飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppbであり、好ましくは5〜25ppbである。
飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量を上記数値範囲内とすることにより、(c)4−エチルフェノールとの組み合わせによる相乗効果が得られ、乳臭さの抑制とミルク感とを高水準で両立できるようになり、また、良好なミルク感とのバランスが保持できる。
[(iv)フルフリルメチルジスルフィド]
フルフリルメチルジスルフィドは、希釈すると、淹れたてのコーヒーに類似した香りを生じることで知られる。
本実施形態において、飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppbであり、好ましくは1〜60ppbである。
飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量を上記数値範囲内とすることにより、(c)4−エチルフェノールとの組み合わせによる相乗効果が得られ、乳臭さの抑制とミルク感とを高水準で両立できるようになり、また、良好なミルク感とのバランスが保持できる。
また、(c)、(i)〜(iv)の各香気成分の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用いた固相マイクロ抽出法(SPME)法により定量することができる。
[pH]
本実施形態の飲料の20℃におけるpHは、4.0以上、8.0以下であることが好ましく、5.0以上、7.0以下であることがより好ましい。
pHを上記下限値以上とすることにより、酸味を抑制し、良好な嗜好性が得られる一方で、pHを上記上限値以下とすることにより、良好なミルク風味を得つつ、乳臭さを抑制しやすくなる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、pH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
[ブリックス値]
本実施形態の飲料のブリックス値(Bx)は、飲みやすさを向上しつつ、香り、酸味、苦み、後味のバランスを良好にする観点から、好ましくは、0.3°以上10°以下であり、より好ましくは、0.5°以上7°以下であり、さらに好ましくは、1.0°以上6°以下である。
ブリックス値は、飲料全量に対する可溶性固形分の合計含有量を示す。ブリックス値は、たとえば、デジタル屈折計Rx−5000α(アタゴ社製)を用いて、20℃における糖用屈折計の示度を測定することができる。
本実施形態の飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、上記以外の香気成分、酸味料、乳化剤(カゼインナトリウム等)、pH調整剤(炭酸水素ナトリウム「重曹」、炭酸カリウム等)、果汁、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、および増粘安定剤等を含んでもよい。
[容器]
本実施形態の飲料に用いられる容器としては、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。飲料の風味を保持する観点から、スチール缶であることが好ましく、軽量で再栓可能な観点からは、蓋つきのペットボトル、スチール缶およびアルミ缶が好ましい。
飲料の容量としては、特に限定されないが、100〜2000gが好ましく、飲み切りやすい点からは、100〜500gがより好ましい。
本実施形態の飲料が容器詰めされた場合の加熱滅菌処理の方法は、特に限定されないが、日本国内においては食品衛生法の規定に従って、加熱滅菌処理される。具体的には、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法が挙げられる。
[コーヒー飲料]
本実施形態の飲料は、コーヒー飲料であってもよい。コーヒー飲料は、コーヒー豆から抽出または溶出した成分(コーヒー分)を原料とする飲料及びこれにその他の成分が加えられている飲料であり、飲んだときにコーヒー風味が感じられる飲料をいい、1977年に制定された「コーヒー含有飲料等の表示に関する公正競争規約」にも記載されているように、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳製品、乳化された食用油脂その他の可食物を加え容器に密封した飲料のことを指す。また、本実施形態においては、コーヒー豆使用量が生豆換算で1重量%未満の飲料であっても、飲んだときにコーヒー風味が感じられる飲料については、コーヒー飲料として扱うこととする。
上記のコーヒー豆としては、特に限定されず、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種などの栽培樹種が挙げられる。また、コーヒー豆の品種としては、特に限定されず、モカ、ブラジル、コロンビア、グアテマラ、ブルーマウンテン、コナ、マンデリン、およびキリマンジャロなどが挙げられる。コーヒー豆は1種でもよいし、2種以上をブレンドして用いてもよい。
コーヒー豆の焙煎温度や焙煎環境等の条件は、特に限定されず、通常の方法を採用できる。また、焙煎コーヒー豆を用いた抽出方法としては、特に限定されないが、例えば、ドリップ式、サイフォン式、ボイリング式、ジェット式、および連続式などが挙げられる。
焙煎コーヒー豆の焙煎度は、L値として、20以下が好ましく、19以下がより好ましく、18以下がさらに好ましく、17以下がことさらに好ましい。L値の下限は、特に限定されないが、良好なコーヒー風味を得る観点から、例えば、好ましくは10以上、より好ましくは14以上である。
L値は、コーヒー豆の焙煎度合を色で表したものであり、L値100を白、L値0を黒とする。すなわち、コーヒー豆の焙煎が進むほどL値は小さくなることを意図する。
ここで、本実施形態のコーヒー飲料にコーヒー分を含有させる方法としては、特に限定されず当業者が適宜設定することができる。例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出した溶液(コーヒー抽出液)や、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥させたインスタントコーヒー等を用いて、これらのうち1種または2種以上を飲料中に添加するといった方法等を挙げることができる。
粉砕した焙煎豆としては、粗挽き、中挽き、細挽き等が挙げられ、特に限定されない。
一方、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によれば、2017年現在、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものについては、乳飲料として扱われることになる。
本実施形態に係るコーヒー飲料については、コーヒー豆を原料とした飲料であるため、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものであったとしても、コーヒー飲料として扱うこととする。
コーヒー飲料中のコーヒー可溶性固形分の含有量の下限値は、本格的なコーヒー感、飲みやすさ、おいしさを得るため、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
一方、コーヒー飲料中のコーヒー可溶性固形分の含有量の上限値は、香り、酸味、苦み、後味のバランスを良好にしつつ、口あたりを良好にするため、好ましくは2.5質量%以下であり、より好ましくは2.3質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以下である。
また、コーヒー飲料のL値は、良好で十分なミルク感を得るため、好ましくは30以上、より好ましくは35以上である。一方、本格的なコーヒー感を得るため、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは50以下である。また、L値を50以下にすることで、コーヒー飲料を保管している際の風味劣化や外観変化を抑えることができる点から、より好ましい。
コーヒー飲料のL値は、コーヒー抽出液や乳の含有量などによって調整することができる。
なお、コーヒー飲料のL値は、例えば分光色差計SE7700(日本電色工業社製)を用いて測定することができる。
[茶飲料]
本実施形態の飲料は、茶飲料であってもよい。茶飲料とは、植物の葉茎から加工された茶葉、または所定の加工が施された植物の種子や花等の植物由来の原料を用いて、抽出・加工された飲料である。
上記の植物の葉茎としてはカメリア属の茶葉やビワの葉、桑の葉、ドクダミの葉、および杜仲葉等が挙げられ、カメリア・シネンシス種の茎葉が好ましく、その発酵条件の違いによって、発酵茶(紅茶)、半発酵茶(ウーロン茶等)、不発酵茶(緑茶等)、後発酵茶(プアール茶等)に分けられる。また、植物の種子としては、いわゆる穀物の種子が好ましく、茶飲料の原料として通常用いられるものを使用できる。穀物の種子としては、例えば、ハトムギ、大麦、玄米、トウモロコシ、大豆、小豆、黒豆、粟、きび、およびそば等が挙げられる。原料穀物は任意の形態のものを使用でき、例えば、各々独立に、粉砕や焙煎等の処理がされていてもよく、されていなくてもよい。さらに、その他の植物由来の原料としては、例えば、ニンジン、サツマイモ、ゴボウ、タンポポの根、ミカンの皮、ジャスミン花等が挙げられる。
なかでも、本実施形態においては、ミルク入り飲料として知られる紅茶、緑茶(煎茶や抹茶等)、および緑茶を焙煎したほうじ茶等において好適に用いられる。
<ミルク入りの飲料の乳臭さの抑制方法>
本実施形態のミルク入りの飲料の乳臭さの抑制方法は、
(a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、
(b)当該飲料の甘味度が1以下であり、
(c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、
(d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たすように調製するものである。
(i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb
(ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb
(iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb
(iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb
これにより、飲料が低甘味度であっても、乳臭さを抑制することができる。飲料としては、上述した飲料と同じものを用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<香気成分の分析>
以下の実験で用いた飲料中の香気成分の含有量は、以下のようにして測定した。
分析対象である飲料を10mLを、あらかじめ3gのNaClを入れた固相マイクロ抽出(SPME)用バイアルに入れ、密栓した。
各バイアルを40℃で5分間振盪した後、SPME用ファイバー(DVB/CAR/PDMS,Stableflex 23Ga(Gray)50/30μm:SIGMA−ALDRICH社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させた。
40℃で30分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で3分間脱着させ、GC/MSにより分析を行った。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
[GC/MSの分析条件]
GC:Agilent Technologies社製 7890A。
MS:Agilent Technologies社製5975C。
カラム:AgilentTechologies社製 DB−WAX UI 30m×0.25mm、膜厚0.25μm。
圧力一定モード:122kPa。注入法:スプリットレス。キャリアガス:He。
注入口温度:240℃。トランスファーライン:240 ℃。
オーブン温度:40℃(5min)→5℃/min→240℃(0min)。
MS条件:スキャンモード
定量イオン:グアイアコールm/z81、2-フルフリルメチルスルフィドm/z129、4−エチルフェノールm/z107、4−エチルグアイアコールm/z152、フルフリルメチルジスルフィドm/z160、シクロヘキサノール(内標) m/z82。
[実験1:甘味度による乳臭さへの影響の検証]
<試作品1〜3:コーヒー飲料の調製>
表1に示す含有量となるように、インスタントコーヒー、脱脂粉乳、カゼインナトリウム、乳化剤、甘味料を熱水(80℃)で溶解し、終量が1000gになるように加水し混合して均質化し、重曹を加えてpHを7.0に調整し、甘味度がそれぞれ異なる試作品のコーヒー飲料を得た。
得られた各コーヒー飲料の乳固形分は3.3質量%(無脂乳固形分3.3質量%、乳脂肪0質量%)であった。試作品1のコーヒー飲料のブリックス値は5.1であり、L*値は41.28であった。
<官能評価>
次に、得られた各コーヒー飲料(20℃)それぞれを、熟練した5名のパネラーが試飲し、以下の表2に示す評価基準に従い「おいしさ」、「ミルク感の良さ」、「ミルク感の強さ」、「乳臭さ」それぞれについて、5段階(1〜5点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、試作品1の飲料を対照品(基準値3点)として評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2021119762
<試作品1の香気分析>
試作品1のコーヒー飲料について、(c)、(d)の香気成分の含有量を分析したところ、以下のような結果であった。
(c)4−エチルフェノール含有量 4ppb
(d)(i)グアイアコール含有量 34ppb
(ii)4−エチルグアイアコール含有量 3ppb
(iii)フルフリルメチルスルフィド含有量 3ppb
(iv)フルフリルメチルジスルフィド含有量 0ppb
Figure 2021119762
[実験2:香気成分を単独で用いた場合の検証]
<試作品4〜12:コーヒー飲料の調製>
・(c)4−エチルフェノール含有量の調整(試作品4〜8)
上記試作品1と同様のコーヒー飲料を調製し、これに、各香気成分を表3に示す含有量となるように配合し、コーヒー飲料を調製した。
・(d)(i)〜(iv)の各香気成分の単独での使用(試作品9〜12)
上記試作品1と同様のコーヒー飲料を調製し、これに、各香気成分を表4に示す含有量となるように配合し、コーヒー飲料を調製した。
<官能評価>
上記実験1と同様にして、官能評価を行った。結果を、表3、4に示す。
Figure 2021119762
Figure 2021119762
[実験3:香気成分(c)と(d)との組み合わせ効果と(d)の含有量の影響の検証]
<試作品13〜32:コーヒー飲料の調製>
上記試作品1と同様のコーヒー飲料を調製し、これに、(c)4−エチルフェノール含有量を24ppbとし、(d)の各香気成分を5〜8に示す含有量となるように配合し、コーヒー飲料を調製した。
<官能評価>
上記実験1と同様にして、官能評価を行った。結果を、表5に示す。
Figure 2021119762
Figure 2021119762
Figure 2021119762
Figure 2021119762

Claims (7)

  1. ミルク入りの飲料であって、
    (a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、
    (b)当該飲料の甘味度が1以下であり、
    (c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、
    (d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たす、飲料。
    (i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb
    (ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb
    (iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb
    (iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb
  2. 前記飲料が、茶飲料またはコーヒー飲料の少なくともいずれか一方である、請求項1記載の飲料。
  3. 前記飲料のブリックス値が0.3°以上10°以下である、請求項1または2に記載の飲料。
  4. 高甘味度甘味料を含まない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. 前記飲料がコーヒー飲料であり、当該コーヒー飲料のL値が、30〜60である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の飲料。
  6. 容器詰めされた、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の飲料。
  7. ミルク入りの飲料の乳臭さの抑制方法であって、
    (a)当該飲料中の乳固形分が2〜5質量%であり、
    (b)当該飲料の甘味度が1以下であり、
    (c)当該飲料中の4−エチルフェノール含有量が1〜100ppbであり、
    (d)下記(i)〜(iv)のうちの少なくとも1つを満たすように調製する、飲料の乳臭さの抑制方法。
    (i)当該飲料中のグアイアコール含有量が40〜550ppb
    (ii)当該飲料中の4−エチルグアイアコール含有量が10〜550ppb
    (iii)当該飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が1〜30ppb
    (iv)当該飲料中のフルフリルメチルジスルフィド含有量が1〜100ppb
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024053705A1 (ja) * 2022-09-08 2024-03-14 味の素株式会社 油脂感増強剤

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