JP2023015573A - 容器詰めコーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】コーヒーのしっかりした苦味が感じられながらも、後味のキレが良好な、新規の容器詰めコーヒー飲料を提供する。【解決手段】(A)乳固形分の含有量が1.2質量%以下であり、(B)糖類の含有量が5g/100mL以下であり、(C)グアイアコールの含有量が400~2000μg/Lであり、(D)2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量が10~40μg/Lであり、(E)2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい、容器詰めコーヒー飲料である。【選択図】なし

Description

本発明は、新規の組成を有する容器詰めコーヒー飲料に関する。
コーヒーは、世界各国で飲用されており、わが国においても身近な嗜好性飲料の一つとなっており、より高い嗜好性を提供する技術について現在も開発が進められている。また、近年、多種多様なターゲットに合わせた様々な乳入りコーヒー飲料も開発されており、様々な手段で飲料に好適なミルク風味を付与する手段の開発も試みられている。
例えば、特許文献1には、嗜好性の高い乳様の香味を付与する香料組成物を提供することを目的とする、乳系フレーバーの製造方法に関する発明が開示されている。また、特許文献2には、乳風味増強油脂を使用することによる、飲食品の乳風味を増強する方法に関する発明が開示されている。特許文献2においては、メチルケトン類の総含有量に対するδ-ラクトン類の総含有量の重量比とδ-ラクトン類の総含有量とを特定の範囲に調整してなる乳風味増強油脂が開示されている。また、特許文献3には、コーヒー風味の強さ及び良さ、並びに、後味の良さを併せ持つコーヒー飲料に関する発明が開示されている。特許文献3では、コーヒーオイルと、2-メチルフラン、グアイアコール及びプロパナールとを所定量含有させたコーヒー飲料が開示されている。
特開2014-077067号公報 国際公開第2016/084749号 特開2019-146526号公報
本発明の課題は、コーヒーのしっかりした苦味を感じられながらも、後味のキレが良好な、新規の容器詰めコーヒー飲料を提供することである。
本発明者は、甘さ控えめでありながらも、満足感のあるコーヒー飲料に対するニーズに着目し、コーヒーのしっかりとした苦味や後味のキレなどのバランスが整えられた新規の飲料の開発をすすめることにした。そして、鋭意研究により、本発明者は、乳入り微糖コーヒー飲料において、特定の香気成分の含有量や条件を調整することで、コーヒーのしっかりした苦味を感じられながらも、後味のキレが良好な、新しいコーヒー飲料を提供できることを見出した。さらに予想外にも、本発明者は、乳や糖分を含有しないような容器詰めコーヒー飲料であっても、同様に特定の香気成分の含有量とその条件を調整することで、コーヒーのしっかりした苦味を感じられながらも、後味のキレが良好なコーヒー飲料を提供できることも見出した。本発明者は、これらの発見に基づいて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである。
〔1〕(A)乳固形分の含有量が1.2質量%以下であり、(B)糖類の含有量が5g/100mL以下であり、(C)グアイアコールの含有量が400~2000μg/Lであり、(D)2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量が10~40μg/Lであり、(E)2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい、容器詰めコーヒー飲料。
〔2〕甘味度が1.0~6.5である、前記〔1〕に記載の容器詰めコーヒー飲料。
本発明は、コーヒーのしっかりした苦味を感じられながらも、後味のキレが良好な、新規の容器詰めコーヒー飲料を提供できる。
本発明は、(A)乳固形分の含有量が1.2質量%以下であり、(B)糖類の含有量が5g/100mL以下であり、(C)グアイアコールの含有量が400~2000μg/Lであり、(D)2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量が10~40μg/Lであり、(E)2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい、容器詰め乳入りコーヒー飲料(以下、単に「コーヒー飲料」ともいう)に関する。以下、グアイアコール、2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンを合わせて特定の香気成分とも呼ぶ。
本発明のコーヒー飲料は、乳製品又は乳化された食用油脂を使用しない、いわゆるブラックコーヒーであってもよいし、例えば、低糖コーヒー、微糖コーヒー飲料であってもよいし、例えば乳成分特有のまろやかさを感じられるような乳入りコーヒー飲料であってもよいし、例えば乳入りの微糖コーヒー飲料であってもよい。ここで、本発明のコーヒー飲料では、ブラックコーヒー、低糖コーヒー、及び微糖コーヒーについては、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」(令和1年8月19日改正施行)の定義のとおりであってもよいが、「乳入り」との記載は単に乳を含むものを意味し、その含有量については特に限定されないものとする。
本発明は、「苦味の強さ」と「コーヒー感の強さ」を有しつつも、「苦味の良さ」と「後味のキレ」を両立したコーヒー飲料を提供する。
本発明のコーヒー飲料における、グアイアコール、2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンの含有量は、コーヒー飲料に市販品のこれらの各成分を添加することで調整してもよい。また、特定の香気成分を含む組成物等をコーヒー飲料に配合して、コーヒー飲料中の各構成成分の含有量を調整してもよい。また、既知濃度の特定の香気成分を含有する飲食品、例えば乳等をコーヒー飲料に配合して、その香気成分の含有量を調整してもよい。
なお、本発明における「苦味の良さ」とは、例えば、後に残る雑味やえぐ味の少ない、後残りの好ましい苦味である。
以下、本発明に係る飲料の各構成成分や物性等について詳述する。
・(A)乳固形分
本発明のコーヒー飲料において、乳固形分の含有量は、飲料全質量を基準として、1.2質量%以下であり、1.0質量%以下であってもよく、0.9質量%以下であってもよい。本発明におけるコーヒー飲料においては、乳固形分の含有量が1.2質量%を超える場合には、コーヒーのしっかりとした苦味や後味のキレなどのバランスが崩れる可能性があり好ましくない。また、乳固形分の含有量の下限は特に限定されないが、例えば0.1質量%以上であってもよく、0.3質量%以上であってもよい。乳固形分を含有させることで、コーヒー飲料に、柔らかいミルク感を付与してもよい。
本発明における乳固形分とは、動物性乳成分に由来する固形分を意味し、動物性乳成分としては、例えば、牛乳、山羊乳、羊乳及び馬乳等が挙げられるが、牛乳であることが特に好ましい。また、飲料に含まれる乳成分の形態としては、例えば、生乳、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳たんぱく濃縮物、バターミルク粉、無糖練乳、脱脂加糖練乳、全脂加糖練乳、生クリーム、及び発酵乳が挙げられる。また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。また、乳成分は、単一種類の原料由来であっても、数の種類の原料由来であってもよい。
本発明のコーヒー飲料は、乳固形分由来の乳糖を、後述する糖類として含有していてもよい。
飲料中の乳固形分の含有量は、製造に用いられる原材料に基づいて算出に従い決定することができる。なお、原材料としての乳及び乳製品の乳固形分は、例えば、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令((昭和二十六年厚生省令第五十二号)令和元年十二月二十七日公布(令和元年厚生労働省令第八十七号)改正)の内容に従って測定された値としてもよい。
・(B)糖類
本発明のコーヒー飲料において含まれる糖類は、食品に用いられる一般的な単糖類及び二糖類であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキソース(ぶどう糖(グルコース)、フルクトース、ガラクトースを含む)、スクロース(ショ糖、砂糖、グラニュー糖などともいう)、上白糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖等から選択されるものである。具体的には、例えば、本発明のコーヒー飲料においては、糖類として、上述した乳固形分由来の乳糖のみを含んでもよいし、当該乳糖に加えて又は当該乳糖を含まずに、自然な甘さと全体の厚みを付与する観点から、例えば、ショ糖(砂糖)やぶどう糖などを糖類として含んでもよい。
本発明のコーヒー飲料において、糖類の含有量は、5g/100mL以下であり、4.5g/100mL以下であってもよく、2.5g/100mL以下であってもよい。本発明において、本発明におけるコーヒー飲料においては、糖類の含有量が5g/100mLを超える場合には、コーヒー特有の苦みが感じられにくくなり後味のキレが悪くなる。また、糖類の含有量の下限は特に限定されないが、例えば0.1g/100mL以上であってもよく、0.25g/100mL以上であってもよい。本発明のコーヒー飲料においては、コク味出し(濃厚感やボディ感の強化)やテクスチャー付与する目的で、糖類を含有させてもよい。また、本発明のコーヒー飲料においては、糖類を含有させることによって生じる傾向にある後味のキレの悪さを回避する目的で、上記糖類の含有量を設定し、かつ/又は、後述する特定の香気成分を特定の含有量で含有させてもよい。
・(C)グアイアコール(CAS:90-05-1)
グアイアコール又はこれを含む香料等を必要に応じてコーヒー飲料に添加してグアイアコールの含有量を調整できる。本発明のコーヒー飲料において、グアイアコールの含有量は、400~2000μg/Lであり、450~2000μg/Lであることが好ましく、450~1500μg/Lであることがより好ましい。コーヒー飲料におけるグアイアコールの含有量は、例えば、本実施例に記載の条件によって、測定することができる。
・(D)2-ヘプタノン(CAS:110-43-0)と2-ノナノン(CAS:821-55-6)との合計量
2-ヘプタノン、2-ノナノン、或いはこれらの何れか、又は両方を含む香料等を必要に応じてコーヒー飲料に添加して2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量の合計量を調整できる。本発明のコーヒー飲料において、当該合計量は、10~40μg/Lであり、10~35μg/Lであることがより好ましい。コーヒー飲料における当該合計量は、例えば、本実施例に記載の条件によって、測定することができる。
・(E)2-ヘプタノン含有量と2-ノナノンの含有量の関係性
本発明のコーヒー飲料では、2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きく、この場合において、例えば、本発明のコーヒー飲料において、2-ノナノンの含有量は、測定できない程度のごく微量であってもよい。例えば、上記(D)の条件に従う限りにおいて、2-ヘプタノンの含有量を6~39.9μg/Lに設定し、2-ノナノンの含有量を0.1~10μg/Lに設定してもよい。コーヒー飲料における2-ヘプタノン含有量と2-ノナノンの含有量は、例えば、本実施例に記載の条件によって、測定することができる。
・(F)コーヒー抽出物
本発明におけるコーヒー飲料は、コーヒー抽出物を含有する。当該コーヒー抽出物には、コーヒー豆由来の成分を含有する液体、例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出した溶液(以下、抽出液ともいう)、又は、該溶液を濃縮したコーヒーエキスや該溶液を乾燥させたインスタントコーヒーを含む。
本発明において使用されるコーヒー抽出物の原料であるコーヒー豆は、アラビカ種でもロブスタ種でもよく、特に限定されない。例えば、当該生豆としては、メキシコ、グアテマラ、ブルーマウンテン、クリスタルマウンテン、コスタリカ、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル・サントス、ハワイ・コナ、モカ、ケニア、キリマンジャロ、マンデリン、及びロブスタから選択される豆、又はこれらの混合豆が挙げられる。
また、本発明で用いられるコーヒー抽出物は、抽出液である場合には、コーヒー豆1~100g、より好ましくは20~80gに対して1Lの水で抽出されるのが好ましく、抽出時の水は、60~95℃であることが好ましい。また、当該コーヒー抽出液の抽出時間は30~120分間であることが好ましい。本発明のコーヒー抽出液の抽出方法は特に限定されず、例えば一般的なドリップ法や浸漬法、エスプレッソ法などで抽出されうる。
ここで、本発明のコーヒー飲料中のコーヒー抽出物由来の可溶性固形分(以下、「コーヒー固形分」とも呼ぶ)の含有量は、特に限定されないが、飲料全質量を基準として、例えば0.5~2.0質量%であってもよく、より細かく規定すると0.8~1.8質量%であってもよく、さらに細かく規定すると1.0~1.7質量%であってもよい。例えば、コーヒー固形分の含有量は、含有させる当該コーヒー抽出液のBrix(ブリックス)値と同義としてもよい。また、コーヒー抽出物として、インスタントコーヒーを用いる場合には、コーヒー固形分の含有量は、インスタントコーヒーの含有量に対応する。また、コーヒー抽出物として、コーヒーエキスを用いる場合には、コーヒー固形分の含有量は、コーヒーエキスの濃度に基づいて算出することができる。
・ブリックス(Brix又はBxとも表記する)値
本発明においてブリックス値は、20℃における糖用屈折計の示度とし、例えば、商品名「デジタル屈折計Rx-5000」(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した固形分量とすることができる。当該ブリックス値は、特に限定されないが、例えば1~15°Bxであってもよく、1~10°Bxであってもよく、1~6°Bxであってもよい。
本発明に係るコーヒー飲料のブリックス値は、乳成分や糖類や任意の甘味料等使用することで上記の値に調整してもよい。具体的には例えば、上述した糖類に加えて、又は上述した糖類を含まずに、キシリトール、D-ソルビトール等の低甘味度甘味料;タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、及びサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料を単独で、又は適宜2種類以上を組み合わせて、前記ブリックス値を調整してもよい。
・甘味度
また、嗜好性の評価としてのコーヒー飲料の甘味度は、1.0~6.5であることが好ましく、1.5~6.0であることがより好ましい。当該甘味度が6.5超過であると、しっかりとしたコーヒー感が感じられにくくなり、甘すぎることに起因して後味のキレを低下する恐れがある。本発明において、甘味度は、例えば後述する実施例に記載の方法で規定される。
本発明における甘味度も、上述の公知の糖類や甘味料などを使用することで上記の値に調整することができる。さらに具体的には、例えば、ショ糖や乳糖、アセスルファムカリウムで調整することで、コーヒー飲料に求められる自然な甘みを付与してもよい。
本発明において、コーヒー飲料の甘味度は、甘さの強さを示すパラメータであり、ショ糖の甘味度を1とした場合の相対値で表された飲料中に含まれる「各甘味料の甘味度」に基づき算出される。具体的には、以下の方法で特定される。
飲料中に含まれる各甘味料について水溶液を作製し、ショ糖1質量%水溶液と同等の甘さとなるような濃度Xを求める。そして、「1(質量%)/X(質量%)」を求め、この値を「各甘味料の甘味度」とする。飲料中に含まれる「各甘味料の甘味度」の合計値が「飲料の甘味度」である。
・pH
本発明に係るコーヒー飲料は、pHは特に限定されないが、例えば4.6~8.0であることが好ましく、5.0~7.0であることがより好ましい。pHをこの範囲に設定することにより、コーヒー飲料の安定性と良好な風味の保持に好ましい影響をもたらすことができる。本発明のコーヒー飲料のpHは、食品に広く用いられるpH調整剤を添加することで調整してもよい。
・その他の添加成分
また、本発明のコーヒー飲料に対して、風味等を損なわない範囲で、必要に応じて任意の酸性成分として、果汁、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等の果汁を添加してもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料において、さらに植物性ミルクを含有させてもよい。当該植物性ミルクは、豆乳、アーモンドミルク、カシューミルク、ココナッツミルク、ライスミルク等から選択されるが、例えば、平成30年3月29日農林水産省告示第683号に記載される豆乳、調製豆乳、又は豆乳飲料を含むことが好ましい。また、植物性ミルクは、液状体のほか、粉末体のものを用いてもよい。より具体的には、本発明に係るコーヒー飲料は原料として、例えば豆乳粉末を混合したものであってもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、乳化状態を良好に保持する点において、乳化剤を含有してもよい。乳化剤としては、食品や飲料に用いられうるものであれば、特に制限無く使用できるが、例えば、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アラビアガム、レシチンを用いてもよい。乳化剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用しても良い。
当該コーヒー飲料への乳化剤の配合割合は、その種類等に応じて本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定されてもよい。
本発明に用いる水は特に限定されず、例えば、イオン交換水を用いることができる。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、原料(生乳など)を乳酸菌や酵母等を用いて発酵して得られる、液状又は糊状の発酵乳飲食品等を含むものであってもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、一般的に使用されうる、上述していない甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を含有させてもよい。
・製法
本発明に係るコーヒー飲料は、乳原料、特定の香気成分のそれぞれや糖類を上述した含有量になるようにコーヒー飲料に配合する工程により得られる。また、上述した任意の甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を適宜混合してもよい。本発明のコーヒー飲料においては、その製造工程において、適宜必要に応じて、均質化処理や殺菌処理を加えて行なってもよい。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行ってもよい。均質化条件は特に限定されず、常法に従うことができる。
殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用してもよい。
殺菌処理後の本発明のコーヒー飲料を容器に充填する方法としては、例えば、飲料を容器にホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法により行ってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものでなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更させてもよい。
各成分の含有値を測定又は算出するための方法、及び官能評価方法については、以下の通りとした。
(1)香気成分(グアイアコール、2-ヘプタノン、2-ノナノン)の量(μg/L)の分析方法
分析対象であるサンプル飲料10mLを20ml容バイアルに入れ、内標を添加し密栓した。各バイアルを50℃で5分間振盪した後、SPME用ファイバー(DVB/CAR/PDMS,Stableflex 23Ga(Gray)50/30μm:SIGMA-ALDRICH社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させた。50℃で30分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で5分間脱着させ、GC/MSにより分析を行った。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
[GC/MSの分析条件]
GC:Agilent Technologies社製 7890A
MS:Agilent Technologies社製 5975C
カラム:Agilent Techologies社製 DB-WAX UI 30m×0.25mm、膜厚0.25μm
流速:0.8ml/min(圧力一定モード)
注入法:スプリットレス
キャリアガス:He
注入口温度:240℃
トランスファーライン:240 ℃
オーブン温度:40℃(5min)→5℃/min→240℃(0min)
MS条件:スキャンモード
定量イオン:グアイアコール m/z124.1
2-ヘプタノン m/z114.1
2-ノナノン m/z142.2
シクロヘキサノール(内標) m/z82.1
(2)Brix値
Brix値測定は20℃(室温)のサンプルに対して、商品名「デジタル屈折計Rx-5000」(アタゴ社製)を用いて、測定を行った。
(3)pH
pHは、pHメーター計を用いて、測定を行った。
(4)乳固形分(質量%)
液状の乳を含む原材料に含まれる乳固形分(測定値)と、乾燥状態の乳原料(例えば脱脂粉乳、全粉乳)の質量とを合計した値とした。
(5)コーヒー固形分(質量%)
コーヒー固形分は、コーヒー抽出液の濃度と使用量から算出した値とした。
(6)甘味度(ショ糖換算)
甘味度は、飲料中に含まれる各原料の「甘味度」を算出し、合計した値とした。
(7)糖類
糖類の量は、添加する糖類の質量と乳に含まれる乳糖の質量から算出した。
(8)官能評価方法
官能評価は、実験1~4では6名、実験5では5名の専門パネリストによって、20℃(室温)のサンプルに対し、各実験系の「対照」を基準点である「4.0」とした分量評定法を用いて行われた。評価項目は、「苦みの良さ」、「苦みの強さ」、「後味のキレ」、「コーヒー感の強さ」とし、それぞれ7段階評価し、その評点を平均化した。なお、各パネリストの評点にばらつきはあまりなかった。7段階評価の採点基準及び総合評価の評価基準は以下の通りとした。
[採点基準]
・「苦みの強さ」及び「コーヒー感の強さ」
1点:非常に弱い 2点:弱い 3点:少し弱い 4点:どちらでもない 5点:少し強い 6点:強い 7点:非常に強い
・「苦みの良さ」及び「後味のキレ」
1点:全くない 2点:ない 3点:少しない 4点:どちらでもない 5点:少しある 6点:ある 7点:非常にある
[評価基準]
〇:全項目が4.0以上、且つ、1項目以上が4.0より大きいもの
×:上記以外
<ベース液の調製>
ベース液の原材料は、コーヒー抽出液、砂糖、牛乳、脱脂粉乳、pH調整剤、乳化剤、甘味料(アセスルファムK)、カゼインNaとした。これらとイオン交換水(残部を構成する溶媒)を配合して、缶に詰めてからレトルト殺菌して得られた缶入り飲料をベース液とした。また、調製したベース液は、以下のような組成及び物性であった:
糖類の含有量:1.4g/100mL
乳固形分の含有量:0.6質量%
pH:6.1
Brix値:3.6°
密度:1.0105g/cm3
コーヒー固形分:1.6質量%
甘味度:2.8(ショ糖換算)
<実験1>
≪実施例1~4、及び、比較例1~2≫
上記ベース液を比較例1(対照)のサンプルとした。実施例1~4及び比較例2では、香料成分がそれぞれ、表1に記載の含有量になるように、上記ベース液にグアイアコール、2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンを添加してサンプルを調整した。
得られた各サンプルについて、比較例1のサンプルを対照として官能評価した。各サンプルの香気成分の含有量と官能評価の結果を表1に示す。
Figure 2023015573000001
実験1の結果から、2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量を20μg/Lに設定し、かつ、2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい場合には、グアイアコールの含有量が本発明の範囲(400~2000μg/L)に含まれる場合に、しっかりとした苦味を感じられながらも、後味のキレが良好な微糖のミルク入りコーヒー飲料を提供できることが分かった。
<実験2>
≪実施例5~6、及び、比較例3≫
実験1と同様にして、表2に記載の含有量になるように、上記ベース液にグアイアコール、2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンを添加してサンプルを調整して、比較例1のサンプルを対照として官能評価した。各サンプルの香気成分の含有量と官能評価の結果を表2に示す。
Figure 2023015573000002
実験2の結果から、グアイアコールの含有量を750μg/Lに設定し、2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい場合において、2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量が本発明の範囲(10~40μg/L)に含まれる場合には、しっかりとした苦味やコーヒー感を感じられながらも、後味のキレが良好な微糖のミルク入りコーヒー飲料を提供できることが分かった。
<実験3>
≪実施例7~9、及び、比較例4≫
実験1と同様にして、表3に記載の含有量になるように、上記ベース液にグアイアコール、2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンを添加してサンプルを調整して、比較例1のサンプルを対照として官能評価した。各サンプルの香気成分の含有量と官能評価の結果を表3に示す。
Figure 2023015573000003
実験3の結果から、グアイアコールの含有量を750μg/Lに設定し、2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量が本発明の範囲(10~40μg/L)に含まれる場合において、2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい場合には、しっかりとした苦味やコーヒー感を感じられながらも、後味のキレが良好な微糖のミルク入りコーヒー飲料を提供できることが分かった。
<実験4>
≪比較例5~6≫
実験1と同様にして、表4に記載の含有量になるように、上記ベース液に2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンを添加してサンプルを調整して、比較例1のサンプルを対照として官能評価した。各サンプルの香気成分の含有量と官能評価の結果を表4に示す。
Figure 2023015573000004
実験4の結果から、2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量を本発明の範囲(10~40μg/L)に設定し、かつ、2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい場合であっても、グアイアコールの含有量が400μg/Lより小さい場合には、飲料の苦味や後味の改善効果が得られないことが示された。
<実験5>
≪実施例10~12、及び、比較例7≫
実施例10では、上記ベース液の調製において砂糖を添加しない以外は同様にして得た缶入り飲料に、香料成分がそれぞれ、表5に記載の含有量になるように、グアイアコール、2-ヘプタノン、及び、2-ノナノンを添加してサンプルを調整した。
実施例11~12及び比較例7では、実施例10で得られたサンプルに、表5に記載の含有量になるように、砂糖を添加してそれぞれのサンプルを調整した。
得られた各サンプルを、比較例1のサンプルを対照として官能評価した。各サンプルの糖類及び香気成分の含有量と官能評価の結果を表5に示す。
Figure 2023015573000005
なお、実施例10の甘味度が1.6で、実施例12のサンプルの甘味度が5.9で、比較例7のサンプルの甘味度が7.9だった。
実験5の結果から、2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量を20μg/Lに設定し、2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きく、グアイアコールの含有量を1000μg/Lに設定しても、糖類が本発明の範囲よりも多い場合には、飲料の苦味や後味のキレの改善効果が得られないことが示された。

Claims (2)

  1. (A)乳固形分の含有量が1.2質量%以下であり、
    (B)糖類の含有量が5g/100mL以下であり、
    (C)グアイアコールの含有量が400~2000μg/Lであり、
    (D)2-ヘプタノンの含有量と2-ノナノンの含有量との合計量が10~40μg/Lであり、
    (E)2-ヘプタノンの含有量が2-ノナノンの含有量よりも大きい、
    容器詰めコーヒー飲料。
  2. 甘味度が1.0~6.5である、請求項1に記載の容器詰めコーヒー飲料。
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