JP7469281B2 - 抹茶香味付与組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、抹茶香味付与組成物に関し、詳しくは、特定のスルフィド化合物を含有する抹茶香味付与組成物に関する。
昨今、飲食品や香粧品における消費者の要求は高度化および多様化しているが、特に、香りに注目が集まっており、香りの特性が製品の訴求力に重要な要素となっている。例えば、物品への添加によって、当該物品の香味に持続性、天然感など特徴的な香味を付与できる化合物への要求が高まっている。
抹茶は、抹茶は玉露と同様に茶樹を葭簀(よしず)や藁(わら)等で直射日光を遮り栽培した茶葉を摘採後、直ちに蒸熱したのち、碾茶機で揉捻せずに乾燥し、葉、茎などを取り除き真の葉の部分だけを石臼で粉末にしたものである。抹茶の製法には、流通する緑茶葉では揉捻して乾燥するが抹茶は揉捻せず、煎茶では日光に当てて屋外栽培するところ抹茶では直射日光を遮る、という特徴がある。
近年では消費者の嗜好性の多様化、健康志向の高まりとともに、抹茶の機能性や抹茶の爽やかな苦味と甘味との相性のよさにより、飲用としただけではなく、大福、羊羹、あんみつ、最中、かき氷シロップ等の和菓子の他に、ケーキ、アイスクリーム、クッキー、プリン等の洋菓子、温めた牛乳と混ぜ合わせた抹茶ラテ等の乳飲料などに幅広く用いられ、国内外の消費者に広く親しまれている。
このように加工用の抹茶の需要は大きいが、碾茶の栽培には、遮光を必要なことから資材と栽培に手間がかかり、また、碾茶から抹茶への加工が必要なため製造コストがかかり、その分価格が通常の煎茶の倍以上となる場合がある。このようなことから飲食物に抹茶風味を付与するには、コストを考慮すると多量の抹茶を配合することができない。
また、抹茶は光、熱、酸などの影響により変色したり、香気、香味が失われたりすることが知られており、特に加工食品の製造過程において香気、香味の減少または損失により、実際に立てた抹茶から感じられる豊かな風味が失われることがある。これら減少または損失した香気、香味を補うために抹茶用香料が用いられているが、その主成分はジメチルサルファイドやβ-イオノンであることから、ともすれば、賦香された抹茶風味飲食品から海苔様、フローラル様の香味が強く感じられて抹茶様の香味とは大きく異なってしまうことがある。
このようなことから、抹茶の使用量を減らしながらも、抹茶様の香味がしっかりと感じられる製品が求められている。
また、これまで、抹茶香味付与に化合物を用いる方法がいくつか提案されている。例えば、4,5-エポキシ-2-デセナールなどのエポキシ化脂肪族不飽和アルデヒドを抹茶の風味を有する飲食品に少量添加することで抹茶香味を改善する方法(特許文献1)、(E)-6-ノネナールを有効成分とする抹茶風味付与乃至抹茶風味改善剤を抹茶又は抹茶を含有する飲食物に所定量含有させることで、抹茶香味を付与する方法(特許文献2)などの提案がある。
特再公表2017-33850号公報 特開2017-79668号公報
従来用いられてきた抹茶香味付与のための化合物では、抹茶香味に対する消費者の要望に十分対応できておらず、抹茶香味付与に有用な化合物の発見が課題となっていた。従って、本発明の課題は、抹茶香味付与に有用な化合物を含む抹茶香味付与組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意研究したところ、特定のスルフィド化合物が抹茶香味付与に有用であることを見出し、本発明に至った。
かくして、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
[1] 下記式(1)で表されるスルフィド化合物を含む、抹茶香味付与組成物。
Figure 0007469281000001
[式中、Rは2-フリル基またはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
[2] 前記式(1)で表されるスルフィド化合物が、下記式(1)-1または(1)-2で表される化合物である、[1]に記載の抹茶香味付与組成物。
Figure 0007469281000002
[式中、Rは2-フリル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
Figure 0007469281000003
[式中、Rはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
[3] [1]または[2]に記載の抹茶香味付与組成物を含む消費財。
[4] [1]または[2]に記載の抹茶香味付与組成物を消費財に添加することを含む、消費財の抹茶香味付与方法。
[5] [1]または[2]に記載の抹茶香味付与組成物を他の香味付与組成物に添加することを含む、香味付与組成物の抹茶香味付与方法。
本発明によって、抹茶香味の付与に有効な抹茶香味付与組成物を提供できるようになった。
以下、本発明について、具体例を挙げつつさらに詳細に説明する。本明細書において、「~」は下限値および上限値を含む範囲を意味し、濃度(ppt、ppb、ppmなど)、%は特に断りのない限りそれぞれ質量濃度、質量%を表し、濃度とは特に断りのない限り最終濃度とする。
[抹茶香味付与組成物]
本発明の一実施態様に係る抹茶香味付与組成物(本明細書では単に本発明の抹茶香味付与組成物ということもある)は、下記式(1)で表される化合物(本明細書では、単に式(1)の化合物ということもある)を所定量含むものであり、各種消費財に添加してその消費財に抹茶香味付与できるものである。 本明細書において、「香味付与」とは、香味を新たに加えることおよび増強することを含む。例えば、「香味付与」の結果香味が改善されるものであってよい。また、本明細書において、飲食品の香味を風味と呼ぶこともある。本明細書において、「添加」とは、ある対象に噴霧、滴下などによって単に加えること、およびある対象と混ぜ合わせることの、少なくとも1つを含む。
本明細書において、抹茶香味とは、お濃茶を点てた時に感じられるような、抹茶粉または抹茶を想起させる香味を含むものであり、より具体的には、抹茶独特のうま味感、甘み感、苦み感、渋み感(本明細書では、苦み感および渋み感を併せて苦渋み感ということもある)、香ばしさ、および抹茶粉様の濃厚感の少なくとも1つを含んでよい。
本発明の抹茶香味付与組成物の例として、飲食品、香粧品、保健衛生品など各種消費財に添加できる、式(1)の化合物を含む抹茶香料組成物が代表例として挙げられ、そのほかにも、各種消費財に添加できる、式(1)の各化合物を含む各種動植物エキス、各種動植物原料の発酵品などが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007469281000004
[式中、Rは2-フリル基またはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
式中、好ましくは、Rは水素またはメチル基であり、nは0であり、n’は1または2である。
式(1)の化合物は、下記式(1)-1または(1)-2で表される化合物であってよい。
Figure 0007469281000005
[式中、Rは2-フリル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
式中、好ましくは、Rは水素またはメチル基であり、nは0であり、n’は1または2である。
Figure 0007469281000006
[式中、Rはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
式中、好ましくは、Rは水素またはメチル基であり、nは0であり、n’は1または2である。
さらに好ましくは、式(1)の化合物は、下記式(1)-1a~(1)-1hまたは下記式(1)-2a~(1)-2fで表される各化合物である。式(1)-1a~(1)-1hの各化合物は式(1)-1の化合物に属し、式(1)-2a~(1)-2fの各化合物は式(1)-2の化合物に属する。
Figure 0007469281000007
Figure 0007469281000008
さらに好ましくは、式(1)の化合物は、上記式(1)-1a、(1)-1c、(1)-1d、(1)-1e、(1)-1f、(1)-1h、(1)-2a、(1)-2b、(1)-2c、(1)-2eで表される各化合物であり、そのうち、特に好ましくは上記式(1)-1d、(1)-1e、(1)-1f、(1)-1h、(1)-2a、(1)-2bで表される各化合物である。これらの化合物は、抹茶香味付与において、抹茶独特のうま味感、甘み感、苦み感、渋み感(本明細書では、苦み感および渋み感を併せて苦渋み感ということもある)、香ばしさ、および抹茶粉様の濃厚感の少なくとも1つの付与効果が特に高く、特に抹茶香味付与に有効である。抹茶香味は、茶葉の水抽出物ではなく抹茶粉そのものを水に分散して飲むので、うまみ感、甘み感、苦み感、渋み感などがはっきりと感じられるという特徴を有する。
式(1)の化合物を得る手段は特に限定されず、市販のものを用いることが出来る。
本発明の抹茶香味付与組成物は、式(1)の化合物に加えて、溶媒、分散媒、式(1)の化合物以外の香味付与成分、抗酸化剤などの補助成分など任意の他の成分(具体例は後述)を含み得るが、実質的に式(1)の化合物のみからなるものであってもよい。本発明の抹茶香味付与組成物が式(1)の化合物以外の成分も含む場合、当該抹茶香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度は、抹茶香味付与組成物の添加対象や香気特性に応じて任意に決定できる。
本発明の抹茶香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度の例として、本発明の抹茶香味付与組成物が実質的に式(1)の化合物およびその溶媒または分散媒(具体例は後述)のみを含む場合は、0.1%~99.9%の範囲内が例示できる。好ましい例として1%~99.9%、10%~99.9%、20%~99.9%、50%~99.9%、70%~99.9%、80%~99.9%、90%~99.9%、95%~99.9%、および99%~99.9%の範囲内が挙げられる。
本発明の抹茶香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度の例として、特に本発明の抹茶香味付与組成物が式(1)の化合物およびその溶媒または分散媒以外に香味付与可能な成分を含む場合には、当該抹茶香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度(式(1)の化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい)は、上述したように抹茶香味付与組成物の添加対象や香気特性に応じて任意に決定できるが、例えば、抹茶香味付与組成物の全体質量に対して、10ppt~10%、好ましくは100ppt~1%、より好ましくは1ppb~0.1%の範囲内が挙げられる。より具体的には、下限値を10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、0.1%、1%のいずれかとし、上限値を10%、1%、0.1%、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせによる範囲内とすることができるが、これらに限定されない。なお、抹茶香味付与組成物の処方などにも依存するが、抹茶香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度を10ppt~10%とすると、式(1)の化合物由来の香りが過度に突出することなく消費財への抹茶香味付与効果が得られる。本発明の抹茶香味付与組成物やその添加対象の香調などによっては、式(1)の化合物を10ppt~10%の範囲外の濃度で添加してもよい。
本発明の抹茶香味付与組成物において、式(1)の化合物に加えてさらに含有し得る任意の他の成分の具体例として、各種類の香料化合物、香料組成物、油溶性色素類、ビタミン類、機能性物質、魚肉エキス類、畜肉エキス類、植物エキス類、酵母エキス類、動植物タンパク質類、動植物蛋白分解物類、澱粉、デキストリン、糖類、アミノ酸類、核酸類、有機酸類、溶剤(溶媒や分散媒)などを例示することができる。例えば、「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品用香料、平成12年1月14日発行」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度厚生科学研究報告書、日本香料工業会、平成13年3月発行)、および「合成香料 化学と商品知識」(2016年12月20日増補新版発行、合成香料編集委員会編集、化学工業日報社)に記載されている天然精油、天然香料、合成香料化合物などを挙げることができる。
香料化合物のその他の具体例として、炭化水素類としては、オシメン、リモネン、β-カリオフィレン、α-ファルネセン、αまたはβ-ピネン、α,βまたはγ-テルピネン、カンフェン、α-セドレン、ミルセン、αまたはβ-フェランドレン、p-サイメン、αまたはβ-カジネン、1または2-メチルナフタレン、1-イソプロピル-4-メチルベンゼン、1,4-ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジメチルスチレン、t-ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチルプロピルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、1,1-ジメチルナフタレン、トリメチルジヒドロナフタレン、1,6-ジメチル-4-メチルナフタレン、2,4-[8-p-メンタジエン]、Δ-3-カレンなどが例示できる。
アルコール類としては、プロパノール、イソブタノール、ブタノール、イソアミルアルコール、アミルアルコール、ヘキサノール、(Z)-2-ペンテン-1-オール、1-ペンテン-3-オール、(E)-2-ヘキセノール、(Z)または(E)-3-ヘキセノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2-オクテン-1-オール、1-オクテン-3-オール、1,5-オクタジエン-3-オール、ノナノール、ベンジルアルコール、2-フェノキシエタノール、1または2-フェニルエチルアルコール、2,4-ジメトキシベンゼンメタノール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ファルネソール、ネロリドール、α-テルピネオール、1または4-テルピネオール、αまたはδ-カジノール、クベノール、β-エデスモール、セドロール、カルベオール、ミルテノール、イソフィトール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5-オクタジエン-3,7-ジオールおよびメントール、2-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、1-ペンテン-3-オール、4-ペンテン-1-オール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチルブタン-1-オール、1-ヘキセン-3-オール、2-メチル-1-ペンテン-3-オール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ペンタノール、(E)-4-ヘプテノール、2-メチルヘキサノール、2,5-オクタジエノール、(E,E)-3,5-オクタジエン-3-オール、(E)-2-オクテノール、5-ウンデカノール、p-メンタ-1,4-ジエン-7-オール、4-テルピノール、1-テルピネオール、ボルネオール、ジヒドロカルベオール、(E,E)-フアルネソール、フィトールなどが例示できる。
アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロパナール、イソブタナール、ブタナール、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、(E)-2-ヘプテナール、(Z)-4-ヘプテナール、(E)-2-ペンテナール、(Z)-3-ペンテナール、2-メチルブタナール、ヘキサナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-3-ヘキセナール、(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(E,Z)-2,4-ヘキサジエナール、ヘプタナール、(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール、(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、オクタナール、(E)-2-オクテナール、(E,E)-2,4-オクタジエナール、(E,Z)-2,4-オクタジエナール、ノナナール、(E)-2-ノネナール、(E,E)または(E,Z)-2,4-ノナジエナール、(E,Z)-2,6-ノナジエナール、デカナール、(E)-2-デセナール、(E)-4,5-エポキシ-2-デセナール、(E,E)-2,4-デカジエナール、(E)-2-ウンデカナール、サリチルアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジメチルベンズアルデヒド、バニリン、ペリラアルデヒド、シンナミルアルデヒド、サフラナール、ゲラニアール、ネラール、β-シクロシトラール、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、2-フェニルブタナール、2-メチル-2-ペンテナール、4-メチル-2-ペンテナール、2-メチルペンタナール、3-メチルペンタナール、2,4-ジメチル-2,4-ヘプタジエナール、2,4,6-デカトリエナール、(E)-2-トリデセナール、4-エチル-7,11-ジメチル-(2E,6E,10E)-ドデカトリエナール、ベンズアルデヒド、2または4-メチルベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド、4-メチル-2-フェニル-2-ペンテナール、5-メチル-2-フェニル-2-ヘキサナールなどが例示できる。
ケトン類としては、エチルメチルケトン、アセトイン、ジアセチル、(Z)または(E)-3-ペンテン-2-オン、4-メチル-3-ペンテン-2-オン、3-ヘキセン-2-オン、2-ヘプタノン、3,5-ヘプタジエン-2-オン、6-メチル-3,5-ヘプタジエン-2-オン、1-オクテン-3-オン、3-オクテン-2-オン、4-オクテン-2-オン、(E,Z)、(E,E)または(Z,E)-3,5-オクタジエン-2-オン、(Z)-1,5-オクタジエン-3-オン、3-メチル-2,4-ノナンジオン、2-デカノン、2,6,10-トリメチルヘプタデカノン、シクロヘキサノン、シス-ジャスモン、2,2,6-トリメチルシクロヘキサノン、αまたはβ-ダマセノン、αまたはβ-ダマスコン、4-オキソ-β-イオノン、αまたはβ-イオノン、5,6-エポキシ-β-イオノン、3,4-ジヒドロ-β-イオノン、7,8-ジヒドロ-α-イオノン、5,6-ジヒドロキシ-β-イオノン、ゲラニルアセトン、2,3-ペンタンジオン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、4-メチル-3-ペンテン-2-オン、2-ヘプタノン、(3E,5E)-6-メチルヘプタジエン-2-オン、2-メチル-2-ヘプテン-6-オン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-エチル-6-メチル-2-ヘプタノン、2-デカノン、6,10-ジメチル-2-ウンデカノン、メチルテトラデカン-3-オン、6,10,14-トリメチル-2-ペンタデカノン、2,3-ジメチルシクロヘキサノン、3-ヒドロキシシクロヘキサノン、イソホロン、2,6,6-トリメチルシクロヘキサノン、2,2,6-トリメチル-6-ヒドロキシシクロヘキサノン、2,2,6-トリメチル-4-ヒドロキシクロヘキサノン、2-ヒドロキシアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、1,3または1,4-ジアセチルベンゼン、4-エチルアセトフェノン、3,4-ジメチルアセトフェノン、ベンジルエチルケトン、2-メトキシメチルアセトフェノン、1-(2,4-ジメトキシフェニル)-1-プロパノン、カンファー、フェンコン、プレゴン、4-(1-ヒドロキシ-4-オキソ-2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセニル)-3-ブテン-2-オン、1,5,5,9-テトラメチルビシクロ-[4.3.0]-8-ノネン-7-オン、1,2-スレオ-1,2-ジヒドロキシ-β-イオノンなどが例示できる。
酸類としては、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、4-メチル吉草酸、(E)-2-ヘキセン酸、(Z)-3-ヘキセン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、デセン酸、(E)-2-デセン酸、(Z)または(E)-ゲラン酸、シトロネリル酸、安息香酸、フェニル酢酸およびサリチル酸、ギ酸、2-オキソブタン酸、2-ヒドロキシブタン酸、3-メチル-2-ブテン酸、2または3-メチルブタン酸、Z-2-ヘキセン酸、E-3-ヘキセン酸、4-メチル-4-ヘプテン酸、2,3または4-メチルペンタン酸、ヘキサン酸、(2E,4Z)または(E,4E)-ヘプタジエン酸、Z-2-ヘプテン酸、ZまたはE-4-ヘプテン酸、2,3または5-メチルヘキサン酸、(E)-2-オクテン酸、(Z)-3または4-オクテン酸、2-エチルヘキサン酸、2,3または6-メチルペンタン酸、(E)-4-ノネン酸、7-メチルオクタン酸、2-エチルヘプタン酸、(E)-4-ノネン酸、7-メチルノナン酸、2-エチルヘプタン酸、2または8-メチルノナン酸、ZまたはE-3-ウンデセン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸およびオクタデカン酸などが例示できる。
エステル類としては、ギ酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸(Z)-3-ヘキセニル、ギ酸(E)-2-ギ酸ヘキセニル、ギ酸フェニルエチルおよびギ酸ゲラニル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3-酢酸メチルブチル、酢酸(Z)-3-ヘキセニル、酢酸(E)-3-ヘキセニル、酢酸(E)-2-ヘキセニル、酢酸ヘキシル、酢酸フェニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ベンジル、酢酸ゲラニル、α-酢酸テルピニル、酢酸ネリル、酢酸リナリルおよび酢酸ボルニル、プロピオン酸(Z)-3-ヘキセニル、プロピオン酸(E)-3-ヘキセニル、プロピオン酸(E)-ヘキセニルおよびプロピオン酸ネリル、酪酸メチル、酪酸(Z)-3-ヘキセニル、酪酸(E)-2-ヘキセニル、酪酸ベンジル、酪酸フェニルエチルおよび酪酸ヘキシル、2-メチル酪酸(Z)-3-ヘキセニル、3-ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸イソブチルおよび吉草酸(Z)-3-ヘキセニル、ヘキサン酸(Z)-2-ペンテニルまたはヘキサン酸(E)-2-ペンテニル、ヘキサン酸(E)-2-ヘキセニル、ヘキサン酸(Z)-3-ヘキセニル、ヘキサン酸フェニルエチルおよびヘキサン酸ヘキシル、(Z)-3-ヘキセン酸メチル、(E)-2-ヘキセン酸メチル、(E)-2-ヘキセン酸(Z)-3-ヘキセニルおよび(Z)-3-ヘキセン酸(E)-3-ヘキセニル、オクタン酸エチル、オクタン酸ヘキシルおよびオクタン酸(Z)-3-ヘキセニル、デカン酸エチル、デカン酸プロピル、デカン酸ヘキシルおよびデカン酸(Z)-3-ヘキセニル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチルおよびフェニル酢酸ヘキシル、安息香酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸ベンジルおよび安息香酸(Z)-3-ヘキセニル、2-メトキシ安息香酸メチル、4-メトキシ安息香酸メチル、ジャスモン酸メチル、エピジャスモン酸メチル、(Z)-ジヒドロジャスモン酸メチルおよびメチルプロピオン酸ネリル、ギ酸ヘキシル、酢酸エチル、酢酸1-ヒドロキシ-2-プロパノン、コハク酸メチル、ペンタン酸メチル、オクタン酸メチル、4-オキソノナン酸メチル、酪酸2-ヘキシル、テトラデカン酸メチル、ペンタデカン酸メチルおよびエチル、11-ヘキサデセン酸メチル、ペンタデカン酸エチルおよびメチル、ヘキサデカン酸メチルおよびエチル、安息香酸メチルなどが例示できる。
ラクトン類としては、δ-ヘキサラクトン、δ-ヘプタラクトン、δ-ノナラクトン、δ-デカラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘプタラクトン、γ-ヘキサラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、2-メチル-γ-ブチロラクトン、2-ヘキセン-4-オリド、4-メチル-5-ヘキセン-4-オリド、5-オクテン-4-オリド、2-ノネン-4-オリド、7-デセン-4-オリド、ロリオライド、2-メチルブタノリド、γ-ペンタラクトン、δ-オクタラクトン、3,7-デカジエン-5-オリド、シス-ジャスミンラクトン、γ-デカラクトン、ジヒドロアクチニジオライド、ボボライド(bovolide)、ジヒドロボボライド(dihydrobovolide)、4-テトラデカノリドなどが例示できる。
含窒素化合物類としては、メチルアミン、エチルアミン、ジフェニルアミン、1-エチルピロール、2-ホルミルピロール、1-エチル-2-ホルミルピロール、2-アセチルピロール、2-アセチル-1-エチルピロール、インドール、3-メチルインドール、ピラジン、メチルピラジン、エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-エチル-3-メチルピラジン、2-エチル-5-メチルピラジン、2-エチル-6-メチルピラジン、2-(2'-フリル)-5または6-メチルピラジン、2,5-ジエチルピラジン、2,6-ジエチルピラジン、トリメチルピラジン、3-エチル-2,5-ジメチルピラジン、2,5-ジエチル-3-メチルピラジン、3,5-ジエチル-2-メチルピラジン、テトラメチルピラジン、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピラジン、6,7-ジヒドロ-2-メチル-5H-シクロペンタピラジン、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピラジン、2-(2'-フリル)ピラジン、2-メチルピリジン、アセチルピリジン、3-メトキシピリジン、3-メチルブタンニトリル、フェニルニトリル、キノリン、2-メチルキノリン、6または7-メチルキノリン、2,4-ジメチルキノリン、2,6-ジメチルキノリン、4,8-ジメチルキノリン、ジフェニルアミンおよび3-プロピルキノリン、2,6-ジメチルピリジン、ピロール、1-メチル-2-ホルミルピロール、1-アセチルピロール、2,5-ジメチルピロール、1-メチル-2-アセチルピロール、1-メチル-プロピオニルピロール、2-アセチル-3-フルフリルピロール、ピリジン、3または4-メチルピリジン、3-メチルピリジン、4-ビニルピリジン、2または3-エチルピリジン、2,5-ジメチルピリジン、2-エチル-6-メチルピリジン、5-エチル-2-メチルピリジン、プロピルピラジン、2,6-ジエチルピラジン、2,4,5-トリメチルオキサゾールなどが例示できる。
含硫化合物類としては、メチルメルカプタン、エタンチオール、1-プロパンチオール、ジメチルスルフィド、チオフェン、テトラハイドロチオフェン、2-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン-2-アルデヒド、ベンゾチアゾール、2-プロピオニルチオフェン、ビス(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールおよび4-メルカプト-2-ペンタノンなどが例示できる。
フェノール類としては、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、エチルフェノール、4-ビニルフェノール、2,3-ジメチルフェノール、チモール、1,3-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、アネトール、グアイアコール、4-エチルグアイアコール、1,4-ジメトキシベンゼン、ジフェニルエーテル、サフロール、オイゲノール、カルバクロールなどが例示できる。
フランおよびピラン類としては、リナロールオキサイド(EまたはZ体の5員環およびEまたはZ体の6員環)、2-エチルフラン、2-ペンチルフラン、2,3-ジヒドロフラン、フルフラール、5-メチルフルフラール、ソトロン、フラネオール、3,4-ジメチル-5-ペンチル-2(5H)-フラノン、3,4-ジメチル-5-ペンチリデン-2(5H)-フラノン、2-アセチルフラン、クマリン、マルトール、エチルマルトール、テアスピロン、(Z)または(E)-テアスピロン、(E)-テアスピラン、(E)-6,7-エポキシジヒドロテアスピラン、(E)-6-ヒドロキシジヒドロテアスピランおよびフルフリルアルコールなどが例示できる。
天然香料類としては、例えば、メース、バイオレット、カシー、ゼラニウム、ナッツメグ、ダバナ、ジャスミン、メリオタス、緑茶、紅茶、ウーロン茶、セージ、ヘイ、オークモス、オスマンサス、コリアンダー、クミン、タイム、オールスパイス、ベイ・ローレル、バーチ、カルダモン、セロリ、クローブ、ディル、ジンジャー、フェネグリーク、パセリ、オレガノ、オリガナム、ウインターグリーン、イランイラン、アボカド、アルファルファ、パルマローザなどを挙げることができる。
天然精油としては、スイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ヒヤシンス、ライラック、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナム、エルダーフラワー、クラリセージなどが挙げられる。
各種動植物エキスとしては、ハーブまたはスパイスの抽出物、コーヒー、緑茶、紅茶、またはウーロン茶などの各種茶抽出物や、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼおよび/またはプロテアーゼなどの各種酵素分解物などが挙げられる。
特に好ましく併用できる香料化合物、精油、または動植物エキスとして、リナロール、リナロールオキサイド、ベンジルアルコール、3-メチル-2,4-ノナンジオン、α-イオノン、β-イオノン、シス-ジャスモン、ジャスモン酸メチル、酢酸エチル、ジメチルスルフィド、ヘキサナール、(Z)または(E)-3-ヘキセノール、(E)-2-ヘキサナール、ヘキサノール、オクタノール、バニリン、β-ダマセノン、デヒドロアクチニジオリド、インドール、スカトール、エルダーフラワー精油、クラリセージ精油、各種茶抽出物、マテアブソリュートが挙げられる。
本発明の抹茶香味付与組成物は、上述した通り、式(1)の化合物を公知の方法によって適切な溶媒や分散媒に添加して調製することができ、本発明の抹茶香味付与組成物の形態としては、式(1)の化合物やその他成分を水溶性または油溶性の溶媒に溶解した溶液、乳化製剤、粉末製剤、その他固体製剤(固形脂など)などが好ましい。使用する溶媒や分散媒の種類に特に制限はないが、例えば以下に挙げるものを使用することができる。
水溶性溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2-プロパノール、メチルエチルケトン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシルグリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレートなどを例示することができる。これらのうち、飲食品へ使用する場合には、エタノールまたはプロピレングリコールが特に好ましい。油溶性溶媒としては、植物性油脂、動物性油脂、精製油脂類(例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの加工油脂や、トリアセチン、トリプロピオニンなどの短鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられる)、ハーコリン、各種精油、トリエチルシトレートなどを例示することができる。
また、乳化製剤とするためには、式(1)の化合物を水溶性溶媒および乳化剤と共に乳化して得ることができる。式(1)の化合物の乳化方法としては特に制限されるものではなく、従来から飲食品などに用いられている各種類の乳化剤、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、化工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びおよびその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キラヤサポニン、カゼインナトリウムなどの乳化剤を使用してホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて乳化処理することにより安定性の優れた乳化液を得ることができる。これら乳化剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、使用する乳化剤の種類などに応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、式(1)の化合物1質量部に対し、約0.01~約100質量部、好ましくは約0.1~約50質量部の範囲内が適当である。また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶媒液は水の他に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、トレハロース、糖液、還元水飴などの多価アルコール類の1種類または2種類以上の混合物を添加することができる。
また、かくして得られた乳化液は、所望ならば乾燥することにより粉末製剤とすることができる。粉末化に際して、さらに必要に応じて、アラビアガム、トレハロース、デキストリン、砂糖、乳糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴などの糖類を適宜添加することもできる。これらの使用量は粉末製剤に望まれる特性などに応じて適宜に選択することができる。
[他の香味付与組成物の抹茶香味付与方法]
本発明の一態様として、本発明の抹茶香味付与組成物は、他の香味付与組成物に添加してその香味付与組成物に抹茶香味を付与することもでき(本明細書では、本発明の他の香味付与組成物の抹茶香味付与方法ということがある)、それによって抹茶香味の付与された新たな香味付与組成物を製造することができる。本発明の、他の香味付与組成物の抹茶香味付与方法によって製造された新たな香味付与組成物も、本発明の抹茶香味付与組成物として、飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財の製造に用いることができる。当該製造にあたっては、新たに製造された抹茶香味付与組成物それ自体を飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財に添加してもよいし、1種または2種以上の他の香味付与組成物(例えば、水溶性香料組成物、乳化香料組成物、任意の香料化合物、天然精油(例えば、前掲の「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品香料」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」、および「合成香料 化学と商品知識」に記載される香料化合物)、から選択される1種以上)と併せて各種消費財に添加してもよい。
[消費財の抹茶香味付与方法および消費財]
式(1)の化合物を含む本発明の抹茶香味付与組成物を、飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財に添加して各種消費財に抹茶香味を付与することによって、抹茶香味の付与された消費財が製造される。そのため、本発明において、各種消費財への抹茶香味付与方法とは、抹茶香味の付与された消費財の製造方法ともいえる。抹茶香味付与組成物の各種消費財への添加タイミングは任意である。
本発明の抹茶香味付与組成物を添加可能な飲食品は特に限定されず、いかなる香味(風味ともいう)を有していてもよいが、香味の例として、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、みかん、カボス、スダチ、ハッサク、イヨカン、ユズ、シークワーサー、金柑などの各種柑橘風味;ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、アップル、チェリー、プラム、アプリコット、ピーチ、パイナップル、バナナ、メロン、マンゴー、パパイヤ、キウイ、ペアー、グレープ、マスカット、巨峰、ライチ、パッションフルーツなどの各種フルーツ風味;ミルク、ヨーグルト、バターなどの乳風味;バニラ風味;緑茶、抹茶、ほうじ茶、紅茶、烏龍茶、プーアル茶、ハーブティーなどの各種茶風味;コーヒー風味;コーラ風味;カカオ風味;ココア風味;スペアミント、ペパーミントなどの各種ミント風味;シナモン、カモミール、カルダモン、キャラウェイ、クミン、クローブ、コショウ、コリアンダー、サンショウ、シソ、ショウガ、スターアニス、タイム、トウガラシ、ナツメグ、バジル、マジョラム、ローズマリー、ローレル、ワサビ、山椒、ニンニク(ガーリック)などの各種スパイスまたはハーブ風味;アーモンド、カシューナッツ、クルミなどの各種ナッツ風味;ワイン、ブランデー、ウイスキー、ラム、ジン、リキュール、日本酒、焼酎、ビールなどの各種酒類(アルコール)風味;ニンジン、トマト、キュウリ、タマネギなどの野菜風味;鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉風味;魚介風味;野菜、畜肉、魚介などの出汁(ブイヨン)風味;コンソメ風味;カラメル風味;などの風味の1以上を有する飲食品が挙げられる。すなわち、上記風味の1種類のみを感じさせる飲食品でもよく、2種類以上の風味を感じさせる飲食品でもよく、その複数種類の風味が同類であっても異類であってもよく、例えば、前者の例としてフルーツ風味のうちバナナ、ピーチおよびアップル風味など複数のフルーツ風味を感じさせる飲食品(いわゆるミックスフルーツ風味)が挙げられ、後者の例として、レモンなどの柑橘風味および乳風味を感じさせる飲食品(シトラス風味の乳酸菌飲料など)や、ミント風味や柑橘風味とコーラ風味とを感じさせる飲食品(ミントまたはレモンフレーバーのコーラ飲料など)が挙げられるが、本発明の抹茶香味付与組成物によって抹茶香味を付与可能な任意の風味であってよい。
本発明の抹茶香味付与組成物の添加対象の飲食品の特に好適な風味の例として、抹茶飲料またはそれを製造するための抹茶エキスもしくは粉末、抹茶含有菓子または飲料(抹茶プリン、抹茶ケーキ、抹茶クッキー、抹茶ミルク、抹茶アイス、抹茶チョコレート、抹茶キャンディー、抹茶キャラメルなど);などを挙げることができるが、これらに限定されない。
より具体的な飲食品例としては、せんべい、あられ、おこし、餅類、饅頭、ういろう、あん類、羊かん、水羊かん、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、クッキー、パイ、プリン、氷菓、アイスクリーム、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディー、ピーナッツペーストまたはその他のペースト類、などの菓子類;パン、うどん、ラーメン、中華麺、すし、五目飯、チャーハン、ピラフ、餃子の皮、シューマイの皮、お好み焼き、たこ焼き、などのパン類、麺類、ご飯類、その他穀類;糠漬け、梅干、福神漬け、べったら漬け、千枚漬け、らっきょう、味噌漬け、たくあん漬け、および、それらの漬物の素、などの漬物類;サバ、イワシ、サンマ、サケ、マグロ、カツオ、クジラ、カレイ、イカナゴ、アユなどの魚類、スルメイカ、ヤリイカ、紋甲イカ、ホタルイカなどのイカ類、マダコ、イイダコなどのタコ類、クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ブラックタイガーなどのエビ類、タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニなどのカニ類、アサリ、ハマグリ、ホタテ、カキ、ムール貝などの貝類、などの魚介類;鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉類;缶詰、煮魚、佃煮、すり身、水産練り製品(ちくわ、蒲鉾、あげ蒲鉾、カニ足蒲鉾など)、フライ、天ぷら、カレー、シチュー、ビーフシチュー、ハヤシライスソース、ミートソース、マーボ豆腐、ハンバーグ、餃子、釜飯の素、スープ類(コーンスープ、トマトスープ、コンソメスープなど)、肉団子、角煮、畜肉缶詰、野菜の煮物、筑前煮、おでん、鍋物、持ち帰り惣菜類、ラーメン、そば、うどん、そうめんなどの麺類およびそれに用いるスープ、野菜スープなどの動植物原料を用いた加工食品類;卓上塩、調味塩、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、お茶漬けの素、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、めんつゆ(昆布だしまたは鰹だしなど)、ソース(中濃ソース、トマトソースなど)、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素(昆布だしまたは鰹だしなど)、複合調味料、新みりん、唐揚げ粉・たこ焼き粉などのミックス粉、などの調味料類、これらの調味料類が添加された動物性または植物性だし風味飲食品;チーズ、ヨーグルト、バターなどの乳製品;リンゴ、ぶどう、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)などの果汁、果肉、果粒、果皮などを用いた果実飲料;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニガウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス、ワラビ、ゼンマイなどの野菜や、これら野菜類を含む野菜系飲料、野菜スープなどの野菜含有飲食品;コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、炭酸飲料、コーラ飲料、乳酸菌飲料などの嗜好飲料品;生薬やハーブを含む飲料;コーラ飲料、果汁飲料、乳飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料などの機能性飲料;各種酒類風味(ビール風味、梅酒風味、チューハイ風味など)のアルコールテースト飲料などのノンアルコール嗜好飲料類(ノンアルコールビール、ノンアルコールチューハイなど);ワイン、焼酎、泡盛、清酒、ビール、チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒、いわゆる「第三のビール」などを含むビールテイスト飲料(ビール風味飲料ともいう)、その他醸造酒(発泡性)、リキュール(発泡性)、またはこれらを含む、アルコール飲料類;などを挙げることができる。
本発明の抹茶香味付与組成物を添加可能な香粧品および保健衛生品は特に限定されず、いかなる香味を有していてもよいが、香味の例として、抹茶調、またはその香りを含む各種香調(抹茶香味を含む甘い飲食品様の香り)、バルサム調、グリーン調、パウダー調の香りが好ましい例として挙げられる。より具体的な香粧品および保健衛生品の例として、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムなどの香水類;シャンプー、リンス、整髪料(ヘアクリーム、ポマードなど)などのヘアケア製品;ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップグロス、化粧水、化粧用乳液、化粧用クリーム、化粧用ゲル、美容液、パック剤などの化粧品類;制汗スプレー、デオドラントシート、デオドラントクリーム、デオドラントスティックなどのデオドラント製品;無機塩類系、清涼系、炭酸ガス系、スキンケア系、酵素系、生薬系などの入浴剤;サンタン製品、サンスクリーン製品などの日焼け化粧品類;フェイス用石鹸や洗顔クリームなどの洗顔料、ボディ用石鹸やボディソープ、洗濯用石鹸、洗濯用洗剤、消毒用洗剤、防臭洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、清掃用洗剤などの保健衛生用洗剤類;歯みがき、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの保健衛生材料類;室内や車内などの芳香消臭剤、ルームフレグランスなどの芳香製品;などを挙げることができる。
本発明の抹茶香味付与組成物を添加した飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財中の式(1)の化合物の濃度は、消費財の香味や所望の効果の程度などに応じて任意に決定できる。
飲食品であれば、飲食品の全体質量に対して、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に抹茶香味を付与できることを発明者らは確認している。濃度範囲の好ましい例として、0.1ppt~100ppb、0.1ppt~10ppb、1ppt~100ppbの範囲内が挙げられる。例えば、下限値を0.01ppt、0.1ppt、1ppt、10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppbのいずれか、上限値を1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100ppt、10ppt、1ppt、0.1pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせの範囲内でよいが、これらの濃度範囲に限定されない。なお、本発明の抹茶香味付与組成物の添加対象となる飲食品の香味特性、飲食品製造時の加工条件(温度、pHなど)、喫食時の温度などに依存するが、飲食品中の式(1)の化合物の濃度が0.01ppt~1ppmの範囲内においては、化合物そのものの香気が過度に突出することなく、添加対象の飲食品に抹茶香味を付与することができる。例えば、式(1)の化合物の種類に応じて、0.01ppt~1ppmの範囲の中で飲食品の全体質量に対する濃度を調整することができる。添加対象の飲食品の香味特性、飲食品製造時の加工条件(温度、pHなど)、喫食時の温度などによっては、式(1)の化合物を、前記下限を下回る濃度または前記上限を上回る濃度で添加してもよい。本段落で例示した濃度は、式(1)の化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい。
香粧品および保健衛生品であれば、香粧品の全体質量に対して、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1%の濃度範囲において、香粧品に抹茶香味を付与することができることを発明者らは確認している。より具体的には、下限値を0.01ppt、0.1ppt、1ppt、10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、0.1%のいずれか、上限値を1%、0.1%、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100ppt、10ppt、1ppt、0.1pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせの範囲内が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい濃度の例として、香粧品または保健衛生品の全体質量に対して、式(1)の化合物の濃度として、100ppb~100ppm、1ppm~100ppm、1ppm~0.1%、10ppm~0.1%の各範囲から、本発明の抹茶香味付与組成物の添加対象となる香粧品の香気特性に応じて選択することができるが、これらに限定されない。なお、香粧品または保健衛生品の種類や香気にも依存するが、香粧品中の式(1)の化合物の濃度が0.01ppt~1%において、化合物そのものの香気が過度に突出することなく、添加対象の香粧品または保健衛生品に抹茶香味を付与することができる。例えば、式(1)の化合物の種類に応じて、0.01ppt~1%の範囲の中で香粧品または保健衛生品の全体質量に対する濃度を調整することができる。添加対象の香粧品または保健衛生品の香気特性などによっては、式(1)の化合物を、前記下限を下回る濃度または前記上限を上回る濃度で添加してもよい。本段落で例示した濃度は、式(1)の化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] 抹茶香味付与組成物への添加例
下記表1に示す一般的な処方に従って、抹茶様の香りを有する基本調合抹茶香料組成物を調製した。
Figure 0007469281000009
一方で、式(1)の化合物として、市販の式(1)-1a~式(1)-1hの各化合物および式(1)-2a~式(1)-2fの各化合物、合計14種の式(1)の各化合物(以降、実施例ではこれら14種の式(1)の化合物について、単に式(1)の各化合物または式(1)の化合物ということもある)を用意した。そして、本発明の抹茶香味付与組成物の一態様として、これら14種の式(1)の化合物のそれぞれを95%エタノールに混合して、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液を用意した(本発明品1-1~1-14、表2)。
Figure 0007469281000010
得られた基本調合抹茶香料組成物に、本発明品1-1~1-14を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表3に示す(i)~(iii)の3種の濃度となるように添加して、本発明の抹茶香味付与組成物の別の一態様である本発明の抹茶香料組成物を調製した(本発明品1-15(i)~1-28(iii))。そして、上記基本調合抹茶香料組成物を対照品1として、対照品1と比べた本発明品の抹茶香料組成物の香気について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香気の抹茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品1に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。ここで、抹茶感とは、お濃茶を点てた時に感じられるような、抹茶粉または抹茶を想起させる香りが感じられる感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた抹茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表3に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 0007469281000011
表3に示すように、式(1)の化合物である前記14種の式(1)の各化合物を有効成分として含有する本発明の抹茶香味付与組成物(本発明品1-1~1-14)は、各抹茶香料組成物に抹茶感を感じさせる良好な香気を付与できることが確認された。また、いずれの式(1)の化合物も10ppt、100ppb、1%の各濃度のうち100ppbが最も優れた賦香効果を奏することが確認された。本実施例で得られた本発明品1-15(i)~1-28(iii)の各抹茶香料組成物は、本発明の抹茶香味付与組成物として、飲食品、香粧品、保健衛生品などの消費財に添加してその消費財への抹茶香味付与に使用することができる。
[実施例2] 抹茶風味飲食品への添加例1
市販の希釈用抹茶を用意し、付属の説明書に従って水で希釈して抹茶飲料を得た。そこに、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を下記表4に示す5種の濃度(i)~(v)となるように添加し、本発明の抹茶香味飲食品を得た(本発明品2-1(i)~2-14(v))。そして、水で希釈後の抹茶飲料そのものを対照品2として、対照品2と比べた本発明の抹茶香味飲食品の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト10人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の抹茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品2に対し付与されたと感じられた香味について自由にコメントさせた。ここで、抹茶感とは、お濃茶を点てた時に感じられるような、抹茶粉または抹茶を想起させる香味が感じられる感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた抹茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表4に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 0007469281000012
表4に示すように、式(1)の各化合物は、濃度(i)~(v)いずれにおいても抹茶香味付与効果を奏することが確認された。上述の通り、本発明者らは、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に抹茶香味を付与できることを確認しているが、表3に示した濃度のうち、特に10ppt~100pptまたは0.1ppt~10pptの濃度範囲が、式(1)の各種化合物による抹茶香味付与効果が非常に高い濃度範囲の例であることが確認された。
[実施例3] 抹茶風味飲食品への添加例2
市販の抹茶アイスに、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を、前記14種の式(1)の各化合物が下記表5に示す2種の濃度となるように添加してよく混練し、本発明の抹茶香味飲食品を得た(本発明品3-1~3-28)。そして、市販の抹茶アイスを対照品3として、得られた本発明の抹茶香味飲食品について、よく訓練された経験年数10年以上のパネリスト10人による官能評価を行った。評価にあたっては、本発明品の香味の抹茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品3に対し付与されたと感じられた香味について自由にコメントさせた。ここで、抹茶感とは、お濃茶を点てた時に感じられるような、抹茶粉または抹茶を想起させる香味が感じられる感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた抹茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表5に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 0007469281000013
表5に示すように、式(1)の各化合物はいずれの濃度でも高い抹茶香味付与効果を奏することが確認された。
[実施例4] 抹茶風味飲食品への添加例3
小麦粉(薄力粉)100質量部に対し、砂糖40質量部、抹茶粉1質量部、マーガリン50質量部、卵黄10質量部、ベーキングパウダー1質量部および水12質量部を混合して生地を調製した。その後、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を、本発明の抹茶香味付与組成物として、前記14種の式(1)の各化合物の濃度が1ppmとなるようにそれぞれ前記生地に添加し、約6mm厚に延ばして型抜きしてから225℃のオーブンで8分間焼き上げ、本発明品4-1~4-14の抹茶クッキーを調製した。
そして、得られた本発明品4-1~4-14の抹茶クッキーについて、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト5名による官能評価を行った。官能評価は、式(1)の各化合物を添加していない上記生地を同じ条件で焼き上げた抹茶クッキーを対照品4として、本発明品4-1~4-14と対照品4とを比べた際の香味の違いについてパネリストにコメントさせることにより行った。その結果、本発明品4-1~4-14のいずれも、抹茶独特の苦渋み感、甘く香ばしい香り、抹茶粉様のもったりとした濃厚感、抹茶独特のうま味感、の少なくとも1種の香味が増強したと回答した。このように飲食品製造に高温での加熱が必要な場合は、適宜本実施例のように式(1)の化合物を比較的高い濃度で添加することで、抹茶香味を飲食品に効果的に付与することができる。
[実施例5]抹茶の香りの香粧品への添加例
市販の抹茶の香りのシャンプーを用意した。そこに、実施例1で調製した、前記14種の式(1)の化合物それぞれを1%含有する本発明の抹茶香料組成物(濃度(iii)の本発明品)を1%添加して、本発明の抹茶調香粧品として、前記14種の式(1)の各化合物を100ppm含む抹茶の香りのシャンプーを調製した(本発明品5-1~5-14)。そして、市販の抹茶の香りのシャンプーを対照品5として、本発明品の抹茶の香りのシャンプーの香気について、経験年数12年以上のパネリスト5名による官能評価を行った。官能評価では、対照品および本発明品の各シャンプーを空のシャンプーボトルに詰め替え、1プッシュ分を手に取り、約40℃の湯に溶かし、感じられる香りを評価した。その結果、パネリスト5名全員が、本発明品の抹茶の香りのシャンプーは、対照品5と比べて、抹茶特有の苦さや渋さを感じさせる香り、甘く香ばしい香り、抹茶粉の粉っぽさを感じさせるような濃厚感がより強く感じられたと評価した。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表されるスルフィド化合物を含む、抹茶香味付与組成物。
    Figure 0007469281000014
    [式中、Rは2-フリル基またはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
  2. 前記式(1)で表されるスルフィド化合物が、下記式(1)-1または(1)-2で表される化合物である、請求項1に記載の抹茶香味付与組成物。
    Figure 0007469281000015
    [式中、Rは2-フリル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
    Figure 0007469281000016
    [式中、Rはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
  3. 請求項1または2に記載の抹茶香味付与組成物を含む消費財。
  4. 請求項1または2に記載の抹茶香味付与組成物を消費財に添加することを含む、消費財の抹茶香味付与方法。
  5. 請求項1または2に記載の抹茶香味付与組成物を他の香味付与組成物に添加することを含む、香味付与組成物の抹茶香味付与方法。
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