JP2023070432A - 茶類香味付与組成物 - Google Patents

茶類香味付与組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023070432A
JP2023070432A JP2021182612A JP2021182612A JP2023070432A JP 2023070432 A JP2023070432 A JP 2023070432A JP 2021182612 A JP2021182612 A JP 2021182612A JP 2021182612 A JP2021182612 A JP 2021182612A JP 2023070432 A JP2023070432 A JP 2023070432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
flavor
formula
imparting
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021182612A
Other languages
English (en)
Inventor
賢治 原口
Kenji Haraguchi
麻紀子 伊藤
Makiko Ito
尚子 田中
Naoko Tanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP2021182612A priority Critical patent/JP2023070432A/ja
Priority to CN202211272070.3A priority patent/CN116103086A/zh
Publication of JP2023070432A publication Critical patent/JP2023070432A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0061Essential oils; Perfumes compounds containing a six-membered aromatic ring not condensed with another ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0007Aliphatic compounds
    • C11B9/0011Aliphatic compounds containing S
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0026Essential oils; Perfumes compounds containing an alicyclic ring not condensed with another ring
    • C11B9/003Essential oils; Perfumes compounds containing an alicyclic ring not condensed with another ring the ring containing less than six carbon atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Confectionery (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】茶類香味付与に有用な茶類香味付与組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるスルフィド化合物を含む、茶類香味付与組成物。式(1)中、R1は2-フリル基またはフェニル基であり、R2は水素、メチル基またはエチル基であり、R3はR1と同一であるか、水素、メチル基、またはR4で表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。ただし、R1が2-フリル基であり、R2が水素であり、R3が水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。TIFF2023070432000025.tif48112【選択図】なし

Description

本発明は、茶類香味付与組成物に関し、詳しくは、特定のスルフィド化合物を含有する茶類香味付与組成物に関する。
昨今、飲食品や香粧品における消費者の要求は高度化および多様化しているが、特に、香りに注目が集まっており、香りの特性が製品の訴求力に重要な要素となっている。例えば、物品への添加によって、当該物品の香味に持続性、天然感など特徴的な香味を付与できる化合物への要求が高まっている。
緑茶、焙じ茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉を用いた飲料、麦茶、コーン茶などの穀物茶、またはこれらの混合茶などの各種茶類飲料は、健康志向から消費者の高い支持を得ており、これらの茶類を原料として缶やペットボトルなどに殺菌充填された容器詰飲料は、近年、生産量の高い伸びを示している。また、飲料としただけではなく、大福、羊羹、あんみつ、最中、かき氷シロップ等の和菓子の他に、ケーキ、アイスクリーム、クッキー、プリン等の洋菓子、温めた牛乳と混ぜ合わせた緑茶等茶類ラテ等の乳飲料などにも幅広く用いられ、国内外の消費者に広く親しまれている。
このように茶類の需要は大きいが、特に、茶類を用いた飲食品などの市販品の製造過程(例えば加熱処理や殺菌工程)において晒される光、熱、酸などの影響により香味の減少または損失が起こり、実際に淹れた茶類から感じられるような豊かな風味が失われることがある。
これまで、各種茶類香味の付与方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、4-エトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールを有効成分として含有することを特徴とする茶系フレーバーが提案されており、特許文献2には、3-メルカプトヘキサナールと3-メルカプト-1-ヘキサノールとが合計で0.000001~0.1質量%含有され、両成分の配合割合が1/4~4/1であることを特徴とする茶飲料又は果汁飲料用香料組成物が提案されている。
特開2005-46056号公報 特開2008-101097号公報
従来用いられてきた茶類香味付与のための化合物では、各種茶類香味に対する消費者の要望に十分対応できておらず、各種茶類香味付与に有用な化合物の発見が課題となっていた。従って、本発明の課題は、各種茶類香味付与に有用な化合物を含む香味付与組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意研究したところ、特定のスルフィド化合物が各種茶類香味付与に有用であることを見出し、本発明に至った。
かくして、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
[1] 下記式(1)で表されるスルフィド化合物を含む、茶類香味付与組成物。
Figure 2023070432000001
[式中、Rは2-フリル基またはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。(ただし、Rが2-フリル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。)]
[2] 前記式(1)で表されるスルフィド化合物が、下記式(1)-1または(1)-2で表される化合物である、[1]に記載の茶類香味付与組成物。
Figure 2023070432000002
[式中、Rは2-フリル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。(ただし、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。)]
Figure 2023070432000003
[式中、Rはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
[3] 前記茶類香味が、チャノキ(Camellia sinensis)の葉を用いた茶類および穀物を用いた茶類からなる群から選択される1種以上の茶類の香味である、[1]または[2]に記載の茶類香味付与組成物。
[4] 前記チャノキの葉を用いた茶類が緑茶、焙じ茶、紅茶、またはウーロン茶であり、前記穀物を用いた茶類が焙煎穀物茶類である、[3]に記載の茶類香味付与組成物。
[5] 前記焙煎穀物茶類が麦茶またはそば茶である、[4]に記載の茶類香味付与組成物。
[6] [1]~[5]のいずれか一項に記載の茶類香味付与組成物を含む消費財。
[7] [1]~[5]のいずれか一項に記載の茶類香味付与組成物を消費財に添加することを含む、消費財の茶類香味付与方法。
[8] [1]~[5]のいずれか一項に記載の茶類香味付与組成物を他の香味付与組成物に添加することを含む、香味付与組成物の茶類香味付与方法。
本発明によって、茶類香味の付与に有効な茶類香味付与組成物を提供できるようになった。
以下、本発明について、具体例を挙げつつさらに詳細に説明する。本明細書において、「~」は下限値および上限値を含む範囲を意味し、濃度(ppt、ppb、ppmなど)、%は特に断りのない限りそれぞれ質量濃度、質量%を表し、濃度とは特に断りのない限り最終濃度とする。
[茶類香味付与組成物]
本発明の一実施態様に係る茶類香味付与組成物(本明細書では単に本発明の茶類香味付与組成物ということもある)は、下記式(1)で表される化合物(本明細書では、単に式(1)の化合物ということもある)を所定量含むものであり、各種消費財に添加してその消費財に茶類香味付与できるものである。
本明細書において、「香味付与」とは、香味を新たに加えることおよび増強することを含む。例えば、「香味付与」の結果香味が改善されるものであってよい。また、本明細書において、飲食品の香味を風味と呼ぶこともある。本明細書において、「添加」とは、ある対象に噴霧、滴下などによって単に加えること、およびある対象と混ぜ合わせることの、少なくとも1つを含む。
本明細書において、茶類香味とは、各種茶を実際に淹れた時に感じられるような香味を含むものであり、より具体的には、甘み感、苦み感、渋み感(本明細書では、苦み感および渋み感を併せて苦渋み感ということもある)、および香ばしさの少なくとも1つを含んでよい。
本発明の茶類香味付与組成物の例として、飲食品、香粧品、保健衛生品など各種消費財に添加できる、式(1)の化合物を含む茶類用香料組成物が代表例として挙げられ、そのほかにも、各種消費財に添加できる、式(1)の化合物を含む各種動植物エキス、各種動植物原料の発酵品などが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023070432000004
[式中、Rは2-フリル基またはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。(ただし、Rが2-フリル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。)]
式中、好ましくは、Rは水素またはメチル基であり、nは0であり、n’は1または2である。
式(1)の化合物は、下記式(1)-1または(1)-2で表される化合物であってよい。
Figure 2023070432000005
[式中、式中、Rは2-フリル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。(ただし、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。)]
式中、好ましくは、Rは水素またはメチル基であり、nは0であり、n’は1または2である。
Figure 2023070432000006
[式中、式中、Rはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
式中、好ましくは、Rは水素またはメチル基であり、nは0であり、n’は1または2である。
さらに好ましくは、式(1)の化合物は、下記式(1)-1a~(1)-1hまたは下記式(1)-2a~(1)-2gで表される各化合物である。式(1)-1a~(1)-1hの各化合物は式(1)-1の化合物に属し、式(1)-2a~(1)-2gの各化合物は式(1)-2の化合物に属する。ただし、茶類が緑茶または焙じ茶である場合には、式(1)-1aの化合物(すなわち、式(1)において、Rが2-フリル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合)を除くものとする。
Figure 2023070432000007
Figure 2023070432000008
式(1)の化合物はいずれも茶類香味付与に有効であり、好ましくは、特に茶類の苦渋み感の付与効果を奏する(以降、本明細書では、茶類が緑茶または焙じ茶である場合には、特に明記がなくても式(1)-1aの化合物を除くものとする)。より好ましくは、さらに、各種茶類特有の香ばしさ、うま味感および/または火香感を付与する効果も奏する。ここで、火香感とは、茶葉の乾燥工程で生じる、甘さと香ばしさを兼ね備える香味を含む独特の感覚を意味する。茶類の製造にあたり、蒸しなどの加熱工程や煎り工程が実施されるが、各種茶の苦渋み感はこれらの工程で生じるとされており、式(1)の各化合物の添加によってこの苦渋み感を付与することで、茶類の特徴的な香味を付与することができる。
茶類は特に制限されず、チャノキ(Camellia sinensis)の葉を用いた茶類でも、それ以外の茶、すなわち茶外茶でもよい。好ましくは、チャノキの葉を用いた茶類または穀物を用いた茶類である。好ましくは、穀物を用いた茶類は焙煎穀物を用いた茶類である。チャノキの葉を用いた茶類の例としては、煎茶、焙じ茶、玉露、かぶせ茶、てん茶等の蒸青茶、青柳茶、各種中国茶等の釜炒り茶、包種茶、鉄観音茶、ウーロン茶等の半発酵茶、紅茶等の発酵茶などが挙げられる。穀物を用いた茶類の例としては、大麦茶、はと麦茶、黒豆茶、小豆茶、玄米茶、そば茶、コーン茶、ルイボス茶などの焙煎工程を経て製造される焙煎穀物茶が挙げられる。
式(1)の化合物は、茶類の種類や所望の茶香味付与効果に応じて任意に選択できる。以下、茶類の種類に応じた好ましい式(1)の化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、本発明はこれらの茶類と化合物との組合せに限定されず、1種または2種以上の任意の組み合わせによって、各種茶類に茶類香味を付与することができる。
茶類が緑茶の場合、式(1)-1c、(1)-1d、(1)-1e、(1)-1f、(1)-1h、(1)-2a、(1)-2b、(1)-2c、(1)-2eの各化合物が好ましい。これらの化合物は、緑茶香味のうち、特に、苦み感、渋み感、火香、濃く抽出したような濃厚感、甘み感の少なくとも1以上の緑茶香味の付与効果に優れている。そのうち、特に上記式(1)-1d、(1)-1e、(1)-1f、(1)-1h、(1)-2a、(1)-2bの各化合物が、これらの緑茶香味の付与効果が高い。
茶類が焙じ茶の場合は、式(1)-1c、(1)-1h、(1)-2d、(1)-2eおよび(1)-2fの各化合物が好ましい。これらの化合物は、焙じ茶香味のうち、特に、苦み感、渋み感、濃く抽出したような濃厚感、香ばしさの少なくとも1以上の焙じ茶香味の付与効果に優れている。
茶類がウーロン茶の場合は、式(1)-1c、(1)-1h、(1)-2d、(1)-2eおよび(1)-2fの各化合物が好ましい。これらの化合物は、ウーロン茶香味のうち、特に、苦み感、渋み感、濃く抽出したような濃厚感、香ばしさの少なくとも1以上のウーロン茶香味の付与効果に優れている。
茶類が紅茶の場合は、式(1)-1a、(1)-1c、(1)-1d、(1)-1e、(1)-1f、(1)-1h、(1)-2a、(1)-2eの各化合物が好ましい。これらの化合物は、紅茶香味のうち、特に、苦み感、渋み感、濃く抽出したような濃厚感の少なくとも1以上の紅茶香味の付与効果に優れている。
茶類が焙煎穀物茶の場合は、式(1)-1a~(1)-1hの各化合物および式(1)-2a~(1)-2fの各化合物のいずれも好ましく使用でき、これらの化合物は、焙煎穀物茶香味のうち、特に、焙煎したての香ばしさ、苦み感、渋み感、濃く抽出したような濃厚感の少なくとも1以上の焙煎穀物茶香味の付与効果に優れている。特に、式(1)-1b、(1)-1g、(1)-2fの各化合物が、これらの焙煎穀物茶香味の付与効果が高い。特に、焙煎穀物茶が麦茶またはそば茶である場合に、式(1)-1a~(1)-1hの各化合物および式(1)-2a~(1)-2fの各化合物が好ましく、とりわけ式(1)-1b、(1)-1g、(1)-2fの各化合物が、焙煎したての香ばしさを含む良好な麦茶またはそば茶香味を付与することができる。
式(1)の化合物を得る手段は特に限定されず、市販のものを用いることが出来る。
本発明の茶類香味付与組成物は、式(1)の化合物に加えて、溶媒、分散媒、式(1)の化合物以外の香味付与成分、抗酸化剤などの補助成分など任意の他の成分(具体例は後述)を含み得るが、実質的に式(1)の化合物のみからなるものであってもよい。本発明の茶類香味付与組成物が式(1)の化合物以外の成分も含む場合、当該茶類香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度は、茶類香味付与組成物の添加対象や香気特性に応じて任意に決定できる。
本発明の茶類香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度の例として、本発明の茶類香味付与組成物が実質的に式(1)の化合物およびその溶媒または分散媒(具体例は後述)のみを含む場合は、0.1%~99.9%の範囲内が例示できる。好ましい例として1%~99.9%、10%~99.9%、20%~99.9%、50%~99.9%、70%~99.9%、80%~99.9%、90%~99.9%、95%~99.9%、および99%~99.9%の範囲内が挙げられる。
本発明の茶類香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度の例として、特に本発明の茶類香味付与組成物が式(1)の化合物およびその溶媒または分散媒以外に香味付与可能な成分を含む場合には、当該茶類香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度(式(1)の化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい)は、茶類香味付与組成物の添加対象や香気特性に応じて任意に決定できるが、例えば、茶類香味付与組成物の全体質量に対して、10ppt~10%、好ましくは100ppt~1%、より好ましくは1ppb~0.1%の範囲内が挙げられる。より具体的には、下限値を10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、0.1%、1%のいずれかとし、上限値を10%、1%、0.1%、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせによる範囲内とすることができるが、これらに限定されない。なお、茶類香味付与組成物の処方などにも依存するが、茶類香味付与組成物中の式(1)の化合物の濃度を10ppt~10%とすると、式(1)の化合物由来の香りが過度に突出することなく消費財への茶類香味付与効果が得られる。本発明の茶類香味付与組成物やその添加対象の香調などによっては、式(1)の化合物を10ppt~10%の範囲外の濃度で添加してもよい。
本発明の茶類香味付与組成物において、式(1)の化合物に加えてさらに含有し得る任意の他の成分の具体例として、各種類の香料化合物、香料組成物、油溶性色素類、ビタミン類、機能性物質、魚肉エキス類、畜肉エキス類、植物エキス類、酵母エキス類、動植物タンパク質類、動植物蛋白分解物類、澱粉、デキストリン、糖類、アミノ酸類、核酸類、有機酸類、溶剤(溶媒や分散媒)などを例示することができる。例えば、「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品用香料、平成12年1月14日発行」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度厚生科学研究報告書、日本香料工業会、平成13年3月発行)、および「合成香料 化学と商品知識」(2016年12月20日増補新版発行、合成香料編集委員会編集、化学工業日報社)に記載されている天然精油、天然香料、合成香料化合物などを挙げることができる。
香料化合物のその他の具体例として、炭化水素類としては、オシメン、リモネン、β-カリオフィレン、α-ファルネセン、αまたはβ-ピネン、α,βまたはγ-テルピネン、カンフェン、α-セドレン、ミルセン、αまたはβ-フェランドレン、p-サイメン、αまたはβ-カジネン、1または2-メチルナフタレン、1-イソプロピル-4-メチルベンゼン、1,4-ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジメチルスチレン、t-ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、メチルプロピルベンゼン、テトラヒドロナフタレン、1,1-ジメチルナフタレン、トリメチルジヒドロナフタレン、1,6-ジメチル-4-メチルナフタレン、2,4-[8-p-メンタジエン]、Δ-3-カレンなどが例示できる。
アルコール類としては、プロパノール、イソブタノール、ブタノール、イソアミルアルコール、アミルアルコール、ヘキサノール、(Z)-2-ペンテン-1-オール、1-ペンテン-3-オール、(E)-2-ヘキセノール、(Z)または(E)-3-ヘキセノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2-オクテン-1-オール、1-オクテン-3-オール、1,5-オクタジエン-3-オール、ノナノール、ベンジルアルコール、2-フェノキシエタノール、1または2-フェニルエチルアルコール、2,4-ジメトキシベンゼンメタノール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ファルネソール、ネロリドール、α-テルピネオール、1または4-テルピネオール、αまたはδ-カジノール、クベノール、β-エデスモール、セドロール、カルベオール、ミルテノール、イソフィトール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5-オクタジエン-3,7-ジオールおよびメントール、2-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、1-ペンテン-3-オール、4-ペンテン-1-オール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチルブタン-1-オール、1-ヘキセン-3-オール、2-メチル-1-ペンテン-3-オール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ペンタノール、(E)-4-ヘプテノール、2-メチルヘキサノール、2,5-オクタジエノール、(E,E)-3,5-オクタジエン-3-オール、(E)-2-オクテノール、5-ウンデカノール、p-メンタ-1,4-ジエン-7-オール、4-テルピノール、1-テルピネオール、ボルネオール、ジヒドロカルベオール、(E,E)-フアルネソール、フィトールなどが例示できる。
アルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロパナール、イソブタナール、ブタナール、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、(E)-2-ヘプテナール、(Z)-4-ヘプテナール、(E)-2-ペンテナール、(Z)-3-ペンテナール、2-メチルブタナール、ヘキサナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-3-ヘキセナール、(E,E)-2,4-ヘキサジエナール、(E,Z)-2,4-ヘキサジエナール、ヘプタナール、(E,Z)-2,4-ヘプタジエナール、(E,E)-2,4-ヘプタジエナール、オクタナール、(E)-2-オクテナール、(E,E)-2,4-オクタジエナール、(E,Z)-2,4-オクタジエナール、ノナナール、(E)-2-ノネナール、(E,E)または(E,Z)-2,4-ノナジエナール、(E,Z)-2,6-ノナジエナール、デカナール、(E)-2-デセナール、(E)-4,5-エポキシ-2-デセナール、(E,E)-2,4-デカジエナール、(E)-2-ウンデカナール、サリチルアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、2,5-ジメチルベンズアルデヒド、バニリン、ペリラアルデヒド、シンナミルアルデヒド、サフラナール、ゲラニアール、ネラール、β-シクロシトラール、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、2-フェニルブタナール、2-メチル-2-ペンテナール、4-メチル-2-ペンテナール、2-メチルペンタナール、3-メチルペンタナール、2,4-ジメチル-2,4-ヘプタジエナール、2,4,6-デカトリエナール、(E)-2-トリデセナール、4-エチル-7,11-ジメチル-(2E,6E,10E)-ドデカトリエナール、ベンズアルデヒド、2または4-メチルベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド、4-メチル-2-フェニル-2-ペンテナール、5-メチル-2-フェニル-2-ヘキサナールなどが例示できる。
ケトン類としては、エチルメチルケトン、アセトイン、ジアセチル、(Z)または(E)-3-ペンテン-2-オン、4-メチル-3-ペンテン-2-オン、3-ヘキセン-2-オン、2-ヘプタノン、3,5-ヘプタジエン-2-オン、6-メチル-3,5-ヘプタジエン-2-オン、1-オクテン-3-オン、3-オクテン-2-オン、4-オクテン-2-オン、(E,Z)、(E,E)または(Z,E)-3,5-オクタジエン-2-オン、(Z)-1,5-オクタジエン-3-オン、3-メチル-2,4-ノナンジオン、2-デカノン、2,6,10-トリメチルヘプタデカノン、シクロヘキサノン、シス-ジャスモン、2,2,6-トリメチルシクロヘキサノン、αまたはβ-ダマセノン、αまたはβ-ダマスコン、4-オキソ-β-イオノン、αまたはβ-イオノン、5,6-エポキシ-β-イオノン、3,4-ジヒドロ-β-イオノン、7,8-ジヒドロ-α-イオノン、5,6-ジヒドロキシ-β-イオノンおよびゲラニルアセトン2,3-ペンタンジオン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、4-メチル-3-ペンテン-2-オン、2-ヘプタノン、(3E,5E)-6-メチルヘプタジエン-2-オン、2-メチル-2-ヘプテン-6-オン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-エチル-6-メチル-2-ヘプタノン、2-デカノン、6,10-ジメチル-2-ウンデカノン、メチルテトラデカン-3-オン、6,10,14-トリメチル-2-ペンタデカノン、2,3-ジメチルシクロヘキサノン、3-ヒドロキシシクロヘキサノン、イソホロン、2,6,6-トリメチルシクロヘキサノン、2,2,6-トリメチル-6-ヒドロキシシクロヘキサノン、2,2,6-トリメチル-4-ヒドロキシクロヘキサノン、2-ヒドロキシアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、1,3または1,4-ジアセチルベンゼン、4-エチルアセトフェノン、3,4-ジメチルアセトフェノン、ベンジルエチルケトン、2-メトキシメチルアセトフェノン、1-(2,4-ジメトキシフェニル)-1-プロパノン、カンファー、フェンコン、プレゴン、4-(1-ヒドロキシ-4-オキソ-2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセニル)-3-ブテン-2-オン、1,5,5,9-テトラメチルビシクロ-[4.3.0]-8-ノネン-7-オン、1,2-スレオ-1,2-ジヒドロキシ-β-イオノンなどが例示できる。
酸類としては、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、4-メチル吉草酸、(E)-2-ヘキセン酸、(Z)-3-ヘキセン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、デセン酸、(E)-2-デセン酸、(Z)または(E)-ゲラン酸、シトロネリル酸、安息香酸、フェニル酢酸およびサリチル酸、ギ酸、2-オキソブタン酸、2-ヒドロキシブタン酸、3-メチル-2-ブテン酸、2または3-メチルブタン酸、Z-2-ヘキセン酸、E-3-ヘキセン酸、4-メチル-4-ヘプテン酸、2,3または4-メチルペンタン酸、ヘキサン酸、(2E,4Z)または(E,4E)-ヘプタジエン酸、Z-2-ヘプテン酸、ZまたはE-4-ヘプテン酸、2,3または5-メチルヘキサン酸、(E)-2-オクテン酸、(Z)-3または4-オクテン酸、2-エチルヘキサン酸、2,3または6-メチルペンタン酸、(E)-4-ノネン酸、7-メチルオクタン酸、2-エチルヘプタン酸、(E)-4-ノネン酸、7-メチルノナン酸、2-エチルヘプタン酸、2または8-メチルノナン酸、ZまたはE-3-ウンデセン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸およびオクタデカン酸などが例示できる。
エステル類としては、ギ酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸(Z)-3-ヘキセニル、ギ酸(E)-2-ヘキセニル、ギ酸フェニルエチルおよびギ酸ゲラニル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸3-メチルブチル、酢酸(Z)-3-ヘキセニル、酢酸(E)-3-ヘキセニル、酢酸(E)-2-ヘキセニル、酢酸ヘキシル、酢酸フェニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ベンジル、酢酸ゲラニル、α-酢酸テルピニル、酢酸ネリル、酢酸リナリルおよび酢酸ボルニル、プロピオン酸(Z)-3-ヘキセニル、プロピオン酸(E)-3-ヘキセニル、プロピオン酸(E)-ヘキセニルおよびプロピオン酸ネリル、酪酸メチル、酪酸(Z)-3-ヘキセニル、酪酸(E)-2-ヘキセニル、酪酸ベンジル、酪酸フェニルエチルおよび酪酸ヘキシル、2-メチル酪酸(Z)-3-ヘキセニル、3-ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸イソブチルおよび吉草酸(Z)-3-ヘキセニル、ヘキサン酸(Z)-2-ペンテニル、ヘキサン酸(E)-2-ペンテニル、ヘキサン酸(E)-2-ヘキセニル、ヘキサン酸(Z)-3-ヘキセニル、ヘキサン酸フェニルエチルおよびヘキサン酸ヘキシル、(Z)-3-ヘキセン酸メチル、(E)-2-ヘキセン酸メチル、(E)-2-ヘキセン酸(Z)-3-ヘキセニルおよび(Z)-3-ヘキセン酸(E)-3-ヘキセニル、オクタン酸エチル、オクタン酸ヘキシルおよびオクタン酸(Z)-3-ヘキセニル、デカン酸エチル、デカン酸プロピル、デカン酸ヘキシルおよびデカン酸(Z)-3-ヘキセニル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチルおよびフェニル酢酸ヘキシル、安息香酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸ベンジルおよび安息香酸(Z)-3-ヘキセニル、2-メトキシ安息香酸メチル、4-メトキシ安息香酸メチル、ジャスモン酸メチル、エピジャスモン酸メチル、(Z)-ジヒドロジャスモン酸メチルおよびメチルプロピオン酸ネリル、ギ酸ヘキシル、酢酸エチル、酢酸1-ヒドロキシ-2-プロパノン、コハク酸メチル、ペンタン酸メチル、オクタン酸メチル、4-オキソノナン酸メチル、酪酸2-ヘキシル、テトラデカン酸メチル、ペンタデカン酸メチルおよびエチル、11-ヘキサデセン酸メチル、ペンタデカン酸エチルおよびメチル、ヘキサデカン酸メチルおよびエチル、安息香酸メチルなどが例示できる。
ラクトン類としては、δ-ヘキサラクトン、δ-ヘプタラクトン、δ-ノナラクトン、δ-デカラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘプタラクトン、γ-ヘキサラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、2-メチル-γ-ブチロラクトン、2-ヘキセン-4-オリド、4-メチル-5-ヘキセン-4-オリド、5-オクテン-4-オリド、2-ノネン-4-オリド、7-デセン-4-オリド、ロリオライド、2-メチルブタノリド、γ-ペンタラクトン、δ-オクタラクトン、3,7-デカジエン-5-オリド、シス-ジャスミンラクトン、γ-デカラクトン、ジヒドロアクチニジオライド、ボボライド(bovolide)、ジヒドロボボライド(dihydrobovolide)、4-テトラデカノリドなどが例示できる。
含窒素化合物類としては、メチルアミン、エチルアミン、ジフェニルアミン、1-エチルピロール、2-ホルミルピロール、1-エチル-2-ホルミルピロール、2-アセチルピロール、2-アセチル-1-エチルピロール、インドール、3-メチルインドール、ピラジン、メチルピラジン、エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2-エチル-3-メチルピラジン、2-エチル-5-メチルピラジン、2-エチル-6-メチルピラジン、2-(2'-フリル)-5または6-メチルピラジン、2,5-ジエチルピラジン、2,6-ジエチルピラジン、トリメチルピラジン、3-エチル-2,5-ジメチルピラジン、2,5-ジエチル-3-メチルピラジン、3,5-ジエチル-2-メチルピラジン、テトラメチルピラジン、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピラジン、6,7-ジヒドロ-2-メチル-5H-シクロペンタピラジン、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタピラジン、2-(2'-フリル)ピラジン、2-メチルピリジン、アセチルピリジン、3-メトキシピリジン、3-メチルブタンニトリル、フェニルニトリル、キノリン、2-メチルキノリン、6または7-メチルキノリン、2,4-ジメチルキノリン、2,6-ジメチルキノリン、4,8-ジメチルキノリン、ジフェニルアミンおよび3-プロピルキノリン、2,6-ジメチルピリジン、ピロール、1-メチル-2-ホルミルピロール、1-アセチルピロール、2,5-ジメチルピロール、1-メチル-2-アセチルピロール、1-メチル-プロピオニルピロール、2-アセチル-3-フルフリルピロール、ピリジン、3または4-メチルピリジン、3-メチルピリジン、4-ビニルピリジン、2または3-エチルピリジン、2,5-ジメチルピリジン、2-エチル-6-メチルピリジン、5-エチル-2-メチルピリジン、プロピルピラジン、2,6-ジエチルピラジン、2,4,5-トリメチルオキサゾールなどが例示できる。
含硫化合物類としては、メチルメルカプタン、エタンチオール、1-プロパンチオール、ジメチルスルフィド、チオフェン、テトラハイドロチオフェン、2-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン、3-メチルチオフェン-2-アルデヒド、ベンゾチアゾール、2-プロピオニルチオフェン、ビス(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド、4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールおよび4-メルカプト-2-ペンタノンなどが例示できる。
フェノール類としては、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、エチルフェノール、4-ビニルフェノール、2,3-ジメチルフェノール、チモール、1,3-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、アネトール、グアイアコール、4-エチルグアイアコール、1,4-ジメトキシベンゼン、ジフェニルエーテル、サフロール、オイゲノール、カルバクロールなどが例示できる。
フランおよびピラン類としては、リナロールオキサイド(EまたはZ体の5員環およびEまたはZ体の6員環)、2-エチルフラン、2-ペンチルフラン、2,3-ジヒドロフラン、フルフラール、5-メチルフルフラール、ソトロン、フラネオール、3,4-ジメチル-5-ペンチル-2(5H)-フラノン、3,4-ジメチル-5-ペンチリデン-2(5H)-フラノン、2-アセチルフラン、クマリン、マルトール、エチルマルトール、テアスピロン、(Z)または(E)-テアスピロン、(E)-テアスピラン、(E)-6,7-エポキシジヒドロテアスピラン、(E)-6-ヒドロキシジヒドロテアスピランおよびフルフリルアルコールなどが例示できる。
天然香料類としては、例えば、メース、バイオレット、カシー、ゼラニウム、ナッツメグ、ダバナ、ジャスミン、メリオタス、緑茶、紅茶、ウーロン茶、セージ、ヘイ、オークモス、オスマンサス、コリアンダー、クミン、タイム、オールスパイス、ベイ・ローレル、バーチ、カルダモン、セロリ、クローブ、ディル、ジンジャー、フェネグリーク、パセリ、オレガノ、オリガナム、ウインターグリーン、イランイラン、アボカド、アルファルファ、パルマローザなどを挙げることができる。
天然精油としては、スイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ヒヤシンス、ライラック、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナム、エルダーフラワー、クラリセージなどが挙げられる。
各種動植物エキスとしては、ハーブまたはスパイスの抽出物、コーヒー、緑茶、紅茶、またはウーロン茶などの各種茶抽出物や、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼおよび/またはプロテアーゼなどの各種酵素分解物などが挙げられる。
特に好ましく併用できる香料化合物、精油、または動植物エキスとして、リナロール、リナロールオキサイド、ベンジルアルコール、3-メチル-2,4-ノナンジオン、α-イオノン、β-イオノン、シス-ジャスモン、ジャスモン酸メチル、酢酸エチル、ジメチルスルフィド、ヘキサナール、(Z)または(E)-3-ヘキセノール、(E)-2-ヘキサナール、ヘキサノール、オクタノール、バニリン、β-ダマセノン、デヒドロアクチニジオリド、インドール、スカトール、エルダーフラワー精油、クラリセージ精油、各種茶抽出物、マテアブソリュートが挙げられる。
本発明の茶類香味付与組成物は、上述した通り、式(1)の化合物を公知の方法によって適切な溶媒や分散媒に添加して調製することができ、本発明の茶類香味付与組成物の形態としては、式(1)の化合物やその他成分を水溶性または油溶性の溶媒に溶解した溶液、乳化製剤、粉末製剤、その他固体製剤(固形脂など)などが好ましい。使用する溶媒や分散媒の種類に特に制限はないが、例えば以下に挙げるものを使用することができる。
水溶性溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2-プロパノール、メチルエチルケトン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシルグリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレートなどを例示することができる。これらのうち、飲食品へ使用する場合には、エタノールまたはプロピレングリコールが特に好ましい。油溶性溶媒としては、植物性油脂、動物性油脂、精製油脂類(例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの加工油脂や、トリアセチン、トリプロピオニンなどの短鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられる)、ハーコリン、各種精油、トリエチルシトレートなどを例示することができる。
また、乳化製剤とするためには、式(1)の化合物を水溶性溶媒および乳化剤と共に乳化して得ることができる。式(1)の化合物の乳化方法としては特に制限されるものではなく、従来から飲食品などに用いられている各種類の乳化剤、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、化工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びおよびその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キラヤサポニン、カゼインナトリウムなどの乳化剤を使用してホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて乳化処理することにより安定性の優れた乳化液を得ることができる。これら乳化剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、使用する乳化剤の種類などに応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、式(1)の化合物1質量部に対し、約0.01~約100質量部、好ましくは約0.1~約50質量部の範囲内が適当である。また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶媒液は水の他に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、トレハロース、糖液、還元水飴などの多価アルコール類の1種類または2種類以上の混合物を添加することができる。
また、かくして得られた乳化液は、所望ならば乾燥することにより粉末製剤とすることができる。粉末化に際して、さらに必要に応じて、アラビアガム、トレハロース、デキストリン、砂糖、乳糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴などの糖類を適宜添加することもできる。これらの使用量は粉末製剤に望まれる特性などに応じて適宜に選択することができる。
[他の香味付与組成物の茶類香味付与方法]
本発明の一態様として、本発明の茶類香味付与組成物は、他の香味付与組成物に添加してその香味付与組成物に茶類香味を付与することもでき(本明細書では、本発明の他の香味付与組成物の茶類香味付与方法ということがある)、それによって茶類香味の付与された新たな香味付与組成物を製造することができる。本発明の、他の香味付与組成物の茶類香味付与方法によって製造された新たな香味付与組成物も、本発明の茶類香味付与組成物として、飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財の製造に用いることができる。当該製造にあたっては、新たに製造された茶類香味付与組成物それ自体を飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財に添加してもよいし、1種または2種以上の他の香味付与組成物(例えば、水溶性香料組成物、乳化香料組成物、任意の香料化合物、天然精油(例えば、前掲の「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品香料」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」、および「合成香料 化学と商品知識」に記載される香料化合物)、から選択される1種以上)と併せて各種消費財に添加してもよい。
[消費財の茶類香味付与方法および消費財]
式(1)の化合物を含む本発明の茶類香味付与組成物を、飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財に添加して各種消費財に茶類香味を付与することによって、茶類香味の付与された消費財が製造される。そのため、本発明において、各種消費財への茶類香味付与方法とは、茶類香味の付与された消費財の製造方法ともいえる。茶類香味付与組成物の各種消費財への添加タイミングは任意である。
本発明の茶類香味付与組成物を添加可能な飲食品は特に限定されず、いかなる香味(風味ともいう)を有していてもよいが、香味の例として、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、みかん、カボス、スダチ、ハッサク、イヨカン、ユズ、シークワーサー、金柑などの各種柑橘風味;ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、アップル、チェリー、プラム、アプリコット、ピーチ、パイナップル、バナナ、メロン、マンゴー、パパイヤ、キウイ、ペアー、グレープ、マスカット、巨峰、ライチ、パッションフルーツなどの各種フルーツ風味;ミルク、ヨーグルト、バターなどの乳風味;バニラ風味;緑茶、抹茶、焙じ茶、紅茶、烏龍茶、プーアル茶、ハーブティーなどの各種茶風味;コーヒー風味;コーラ風味;カカオ風味;ココア風味;スペアミント、ペパーミントなどの各種ミント風味;シナモン、カモミール、カルダモン、キャラウェイ、クミン、クローブ、コショウ、コリアンダー、サンショウ、シソ、ショウガ、スターアニス、タイム、トウガラシ、ナツメグ、バジル、マジョラム、ローズマリー、ローレル、ワサビ、山椒、ニンニク(ガーリック)などの各種スパイスまたはハーブ風味;アーモンド、カシューナッツ、クルミなどの各種ナッツ風味;ワイン、ブランデー、ウイスキー、ラム、ジン、リキュール、日本酒、焼酎、ビールなどの各種酒類(アルコール)風味;ニンジン、トマト、キュウリ、タマネギなどの野菜風味;鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉風味;魚介風味;野菜、畜肉、魚介などの出汁(ブイヨン)風味;コンソメ風味;カラメル風味;などの風味の1以上を有する飲食品が挙げられる。すなわち、上記風味の1種類のみを感じさせる飲食品でもよく、2種類以上の風味を感じさせる飲食品でもよく、その複数種類の風味が同類であっても異類であってもよく、例えば、前者の例としてフルーツ風味のうちバナナ、ピーチおよびアップル風味など複数のフルーツ風味を感じさせる飲食品(いわゆるミックスフルーツ風味)が挙げられ、後者の例として、レモンなどの柑橘風味および乳風味を感じさせる飲食品(シトラス風味の乳酸菌飲料など)や、ミント風味や柑橘風味とコーラ風味とを感じさせる飲食品(ミントまたはレモンフレーバーのコーラ飲料など)が挙げられるが、本発明の茶類香味付与組成物によって茶類香味を付与可能な任意の風味であってよい。
本発明の茶類香味付与組成物の添加対象の飲食品の特に好適な風味の例として、茶類飲料またはそれを製造するための茶エキスもしくは粉末、茶類含有菓子または飲料(各種茶類風味(代表例としては、緑茶、焙じ茶、ウーロン茶、紅茶、麦茶)のプリン、ケーキ、クッキー、乳飲料、アイス、チョコレート、キャンディー、キャラメルなど);などを挙げることができるが、これらに限定されない。
より具体的な飲食品例としては、せんべい、あられ、おこし、餅類、饅頭、ういろう、あん類、羊かん、水羊かん、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、クッキー、パイ、プリン、氷菓、アイスクリーム、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディー、ピーナッツペーストまたはその他のペースト類、などの菓子類;パン、うどん、ラーメン、中華麺、すし、五目飯、チャーハン、ピラフ、餃子の皮、シューマイの皮、お好み焼き、たこ焼き、などのパン類、麺類、ご飯類、その他穀類;糠漬け、梅干、福神漬け、べったら漬け、千枚漬け、らっきょう、味噌漬け、たくあん漬け、および、それらの漬物の素、などの漬物類;サバ、イワシ、サンマ、サケ、マグロ、カツオ、クジラ、カレイ、イカナゴ、アユなどの魚類、スルメイカ、ヤリイカ、紋甲イカ、ホタルイカなどのイカ類、マダコ、イイダコなどのタコ類、クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ブラックタイガーなどのエビ類、タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニなどのカニ類、アサリ、ハマグリ、ホタテ、カキ、ムール貝などの貝類、などの魚介類;鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉類;缶詰、煮魚、佃煮、すり身、水産練り製品(ちくわ、蒲鉾、あげ蒲鉾、カニ足蒲鉾など)、フライ、天ぷら、カレー、シチュー、ビーフシチュー、ハヤシライスソース、ミートソース、マーボ豆腐、ハンバーグ、餃子、釜飯の素、スープ類(コーンスープ、トマトスープ、コンソメスープなど)、肉団子、角煮、畜肉缶詰、野菜の煮物、筑前煮、おでん、鍋物、持ち帰り惣菜類、ラーメン、そば、うどん、そうめんなどの麺類およびそれに用いるスープ、野菜スープなどの動植物原料を用いた加工食品類;卓上塩、調味塩、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、お茶漬けの素、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、めんつゆ(昆布だしまたは鰹だしなど)、ソース(中濃ソース、トマトソースなど)、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素(昆布だしまたは鰹だしなど)、複合調味料、新みりん、唐揚げ粉・たこ焼き粉などのミックス粉、などの調味料類、これらの調味料類が添加された動物性または植物性だし風味飲食品;チーズ、ヨーグルト、バターなどの乳製品;リンゴ、ぶどう、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)などの果汁、果肉、果粒、果皮などを用いた果実飲料;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニガウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス、ワラビ、ゼンマイなどの野菜や、これら野菜類を含む野菜系飲料、野菜スープなどの野菜含有飲食品;コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、炭酸飲料、コーラ飲料、乳酸菌飲料などの嗜好飲料品;生薬やハーブを含む飲料;コーラ飲料、果汁飲料、乳飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料などの機能性飲料;各種酒類風味(ビール風味、梅酒風味、チューハイ風味など)のアルコールテースト飲料などのノンアルコール嗜好飲料類(ノンアルコールビール、ノンアルコールチューハイなど);ワイン、焼酎、泡盛、清酒、ビール、チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒、いわゆる「第三のビール」などを含むビールテイスト飲料(ビール風味飲料ともいう)、その他醸造酒(発泡性)、リキュール(発泡性)、またはこれらを含む、アルコール飲料類;などを挙げることができる。
本発明の茶類香味付与組成物を添加可能な香粧品および保健衛生品は特に限定されず、いかなる香味を有していてもよいが、香味の例として、緑茶、焙じ茶、紅茶、ウーロン茶、麦茶などの各種茶類調、またはその香りを含む各種香調(茶類香味を含む甘い飲食品様の香り)、バルサム調、グリーン調、パウダー調の香りが好ましい例として挙げられる。より具体的な香粧品および保健衛生品の例として、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムなどの香水類;シャンプー、リンス、整髪料(ヘアクリーム、ポマードなど)などのヘアケア製品;ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップグロス、化粧水、化粧用乳液、化粧用クリーム、化粧用ゲル、美容液、パック剤などの化粧品類;制汗スプレー、デオドラントシート、デオドラントクリーム、デオドラントスティックなどのデオドラント製品;無機塩類系、清涼系、炭酸ガス系、スキンケア系、酵素系、生薬系などの入浴剤;サンタン製品、サンスクリーン製品などの日焼け化粧品類;フェイス用石鹸や洗顔クリームなどの洗顔料、ボディ用石鹸やボディソープ、洗濯用石鹸、洗濯用洗剤、消毒用洗剤、防臭洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、清掃用洗剤などの保健衛生用洗剤類;歯みがき、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの保健衛生材料類;室内や車内などの芳香消臭剤、ルームフレグランスなどの芳香製品;などを挙げることができる。
本発明の茶類香味付与組成物を添加した飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財中の式(1)の化合物の濃度は、消費財の香味や所望の効果の程度などに応じて任意に決定できる。
当該濃度の例として、飲食品であれば、飲食品の全体質量に対して、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に茶類香味を付与することができることを発明者らは確認している。当該濃度範囲の好ましい例として、0.1ppt~100ppb、より好ましくは1ppt~10ppbの範囲内が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、下限値を0.01ppt、0.1ppt、1ppt、10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppbのいずれか、上限値を1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100ppt、10ppt、1ppt、0.1ppt、0.01pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせの範囲内でよいが、これらの濃度範囲に限定されない。なお、本発明の茶類香味付与組成物の添加対象となる飲食品の香味特性、飲食品製造時の加工条件(温度、pHなど)、喫食時の温度などに依存するが、飲食品中の式(1)の化合物の濃度が0.01ppt~1ppmの範囲内においては、化合物そのものの香気が過度に突出することなく、添加対象の飲食品に茶類香味を付与することができる。例えば、式(1)の化合物の種類に応じて、0.01ppt~1ppmの範囲の中で飲食品の全体質量に対する濃度を調整することができる。添加対象の飲食品の香味特性、飲食品製造時の加工条件(温度、pHなど)、喫食時の温度などによっては、式(1)の化合物を、前記下限を下回る濃度または前記上限を上回る濃度で添加してもよい。本段落で例示した濃度は、式(1)の化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい。
香粧品および保健衛生品であれば、香粧品の全体質量に対して、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1%の濃度範囲において、香粧品に茶類香味を付与することができることを発明者らは確認している。より具体的には、下限値を0.01ppt、0.1ppt、1ppt、10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、0.1%のいずれか、上限値を1%、0.1%、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100ppt、10ppt、1ppt、0.1pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせの範囲内が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい濃度の例として、香粧品または保健衛生品の全体質量に対して、式(1)の化合物の濃度として、100ppb~100ppm、1ppm~100ppm、1ppm~0.1%、10ppm~0.1%の各範囲から、本発明の茶類香味付与組成物の添加対象となる香粧品の香気特性に応じて選択することができるが、これらに限定されない。なお、香粧品または保健衛生品の種類や香気にも依存するが、香粧品中の式(1)の化合物の濃度が0.01ppt~1%において、化合物そのものの香気が過度に突出することなく、添加対象の香粧品または保健衛生品に茶類香味を付与することができる。例えば、式(1)の化合物の種類に応じて、0.01ppt~1%の範囲の中で香粧品または保健衛生品の全体質量に対する濃度を調整することができる。添加対象の香粧品の香気特性などによっては、式(1)の化合物を、前記下限を下回る濃度または前記上限を上回る濃度で添加してもよい。本段落で例示した濃度は、式(1)の化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] 茶類香味付与組成物の調製
式(1)の化合物として、市販の式(1)-1a~式(1)-1hの各化合物および式(1)-2a~式(1)-2fの各化合物、合計14種の式(1)の各化合物(以降、実施例ではこれら14種の式(1)の化合物の2種以上について言及する場合、式(1)の各化合物または単に式(1)の化合物ということもある)を用意した。そして、本発明の茶類香味付与組成物の一態様として、これら14種の式(1)の各化合物のそれぞれを95%エタノールに混合して、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液を用意した(本発明品1-1~1-14)。本発明品1-1~1-14は各種飲食品や香粧品などの物品に添加してその物品に茶類香味を付与することができる。
Figure 2023070432000009
[実施例2] 茶類風味飲食品への添加例1(緑茶)
(1)緑茶飲料
茶飲料として、市販の容器入り緑茶を用意した。そこに、実施例1で調製した、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)のうち本発明品1-2~1-14のそれぞれを、式(1)の各化合物の濃度が下記表2に示す(i)~(v)の5種の濃度となるように添加して、本発明の茶類香味付与組成物の別の一態様である本発明の緑茶飲料を調製した(本発明品2-1(i)~2-13(v))。そして、市販の緑茶を対照品1-1として、対照品1-1と比べた本発明品の緑茶飲料の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の緑茶葉感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品1-1に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。緑茶葉感とは、茶葉を適量使用して淹れたときのような、緑茶葉に由来する苦渋み感を伴う香味を意味する。
(基準)対照品と比べた緑茶葉感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表2に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000010
表2に示すように、本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-2~1-14)は、濃度(i)~(v)いずれの濃度においても良好な緑茶香味を付与できることが確認された。上述の通り、本発明者らは、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に茶類香味を付与できることを確認しているが、表2に示した濃度のうち、特に10ppt~1ppbまたは0.1ppt~10pptの濃度範囲が、式(1)の各種化合物による緑茶香味付与効果が非常に高い濃度範囲の例であることが確認された。
(2)緑茶含有飲食品
市販の緑茶アイスに、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)のうち本発明品1-2~1-14を、式(1)の各化合物の濃度が下記表3に示す濃度となるように添加し、本発明の緑茶香味飲食品を得た(本発明品2-14~2-39)。そして、市販の緑茶アイスを対照品1-2として、対照品1-2と比べた本発明品の緑茶香味飲食品の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト10人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の緑茶葉感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品1-2に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。緑茶葉感とは、実際に茶葉から淹れた緑茶のような香味を想起させる感覚であって、緑茶葉に由来する苦渋み感を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた緑茶葉感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表3に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000011
表3に示すように、本発明の茶類香味付与組成物は、緑茶香味に加え他の香味(本実施例においては乳香味などのアイスから感じられる香味)を有する飲食品に対しても良好な茶類香味付与効果を奏し、少なくとも、表3に記載の濃度範囲において特に高い茶類香味付与効果が奏されることが確認された。
[実施例3] 茶類風味飲食品への添加例2(焙じ茶)
(1)焙じ茶飲料
茶飲料として、市販の容器入り焙じ茶を用意した。そこに、実施例1で調製した、式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)のうち本発明品1-2~1-14を、式(1)の各化合物の濃度が下記表4に示す(i)~(v)の5種の濃度となるように添加して、本発明の茶類香味付与組成物の別の一態様である本発明の焙じ茶飲料を調製した(本発明品3-1(i)~3-13(v))。そして、市販の焙じ茶を対照品3-1として、対照品3-1と比べた本発明品の焙じ茶飲料の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の焙じ茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品3-1に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。焙じ茶感とは、実際に茶葉から淹れた焙じ茶のような香味を想起させる感覚であって、炒って乾燥した緑茶葉のような焙じ茶葉の香ばしさと甘み感を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた焙じ茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表4に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000012
表4に示すように、本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-2~1-14)は、良好な焙じ茶香味を付与できることが確認された。上述の通り、本発明者らは、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に焙じ香味を付与できることを確認しているが、表4に示した濃度のうち、特に10ppt~1ppbの濃度範囲が、式(1)の各種化合物による焙じ茶香味付与効果が非常に高い濃度範囲の例であることが確認された。
(2)焙じ茶含有飲食品
市販の焙じ茶ラテに、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)のうち本発明品1-2~1-14を、式(1)の化合物それぞれの濃度が下記表5に示す濃度となるように添加し、本発明の焙じ茶香味飲食品を得た(本発明品3-14~3-39)。そして、市販の焙じ茶ラテを対照品3-2として、対照品3-2と比べた本発明品の焙じ茶香味飲食品の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の焙じ茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品3-2に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。焙じ茶感とは、実際に茶葉から淹れた焙じ茶のような香味を想起させる感覚であって、炒って乾燥した緑茶葉のような焙じ茶葉の香ばしさと甘み感を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた焙じ茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表5に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000013
表5に示すように、本発明の茶類香味付与組成物は、焙じ茶香味に加え他の香味(本実施例においては乳に由来する香味など)を有する飲食品に対しても良好な茶類香味付与効果を奏し、少なくとも、表5に記載の濃度範囲において特に高い焙じ茶類香味付与効果が奏されることが確認された。
[実施例4] 茶類風味飲食品への添加例3(ウーロン茶)
(1)ウーロン茶飲料
茶飲料として、市販の容器入りウーロン茶を用意した。そこに、実施例1で調製した、式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液である本発明品1-1~1-14を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表6に示す(i)~(v)の5種の濃度となるように添加して、本発明の茶類香味付与組成物の別の一態様である本発明のウーロン茶飲料を調製した(本発明品4-1(i)~4-14(v))。そして、市販のウーロン茶を対照品4-1として、対照品4-1と比べた本発明品のウーロン茶飲料の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味のウーロン茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品4-1に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。ウーロン茶感とは、実際に茶葉から淹れたウーロン茶のような香味を想起させる感覚であって、ウーロン茶独特のシャープな苦み感を伴う、やや甘く香ばしいような香味を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べたウーロン茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表6に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000014
表6に示すように、本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-1~1-14)は、良好なウーロン茶香味を付与できることが確認された。上述の通り、本発明者らは、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に茶類香味を付与できることを確認しているが、表6に示した濃度のうち、特に10ppt~1ppbまたは0.1ppt~10pptの濃度範囲が、式(1)の各種化合物によるウーロン茶香味付与効果が非常に高い濃度範囲の例であることが確認された。
(2)ウーロン茶含有飲食品
(1)で用意した市販のウーロン茶3質量部に対し市販の牛乳1質量部、砂糖0.05質量部を加えて混合し、ウーロン茶ミルクを調製した。そこに、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表7に示す濃度となるように添加し、本発明のウーロン茶香味飲食品を得た(本発明品4-15~4-42)。そして、式(1)の化合物を添加していないウーロン茶ミルクを対照品4-2として、対照品4-2と比べた本発明品のウーロン茶香味飲食品の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味のウーロン茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品4-2に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。ウーロン茶感とは、実際に茶葉から淹れたウーロン茶のような香味を想起させる感覚であって、ウーロン茶独特のシャープな苦み感を伴う、やや甘く香ばしいような香味を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べたウーロン茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表7に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000015
表7に示すように、本発明の茶類香味付与組成物は、ウーロン茶香味に加え他の香味(本実施例においては乳に由来する香味など)を有する飲食品に対しても良好な茶類香味付与効果を奏し、少なくとも、表7に記載の濃度範囲において非常に高いウーロン茶香味付与効果が奏されることが確認された。
[実施例5] 茶類風味飲食品への添加例4(紅茶)
(1)紅茶飲料
茶飲料として、市販の容器入り無糖紅茶を用意した。そこに、実施例1で調製した、式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液である本発明品1-1~1-14を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表8に示す(i)~(v)の5種の濃度となるように添加して、本発明の茶類香味付与組成物の別の一態様である本発明の紅茶茶飲料を調製した(本発明品5-1(i)~5-14(v))。そして、市販の無糖紅茶を対照品5-1として、対照品5-1と比べた本発明品の紅茶飲料の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の紅茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品5-1に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。紅茶感とは、実際に茶葉から淹れた紅茶のような香味を想起させる感覚であって、紅茶独特の渋み感を伴う、やや甘く香ばしいような香味を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた紅茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表8に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000016
表8に示すように、本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-1~1-14)は、良好な紅茶香味を付与できることが確認された。上述の通り、本発明者らは、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に茶類香味を付与できることを確認しているが、表8に示した濃度のうち、特に10ppt~1ppbまたは0.1ppt~10pptの濃度範囲が、式(1)の各種化合物による紅茶香味付与効果が非常に高い濃度範囲の例であることが確認された。
(2)紅茶含有飲食品
市販のレモン紅茶に、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表9に示す濃度となるように添加し、本発明の紅茶香味飲食品を得た(本発明品5-15~5-42)。そして、式(1)の化合物を添加していないレモン紅茶を対照品5-2として、対照品5-2と比べた本発明品の紅茶香味飲食品の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の紅茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品5-2に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。紅茶感とは、実際に茶葉から淹れた紅茶のような香味を想起させる感覚であって、紅茶独特の渋み感を伴う、やや甘く香ばしいような香味を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた紅茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表9に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000017
表9に示すように、本発明の茶類香味付与組成物は、紅茶香味に加え他の香味(本実施例においては乳に由来する香味など)を有する飲食品に対しても良好な紅茶香味付与効果を奏し、少なくとも、表9に記載の濃度範囲において非常に高い紅茶茶香味付与効果が奏されることが確認された。
[実施例6] 茶類風味飲食品への添加例5(麦茶)
(1)麦茶飲料
茶飲料として、市販の容器入り麦茶を用意した。そこに、実施例1で調製した、式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液である本発明品1-1~1-14を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表10に示す(i)~(v)の5種の濃度となるように添加して、本発明の茶類香味付与組成物の別の一態様である本発明の麦茶飲料を調製した(本発明品6-1(i)~6-14(v))。そして、市販の容器入り麦茶を対照品6-1として、対照品6-1と比べた本発明品の麦茶飲料の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の麦茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品6-1に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。麦茶感とは、実際に焙煎麦を煮出して淹れた麦茶のような香味を想起させる感覚であって、麦茶独特の穀物を煎ったような甘く香ばしいような香味を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた麦茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表8に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000018
表10に示すように、本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-1~1-14)は、良好な麦茶香味を付与できることが確認された。上述の通り、本発明者らは、式(1)の化合物の濃度として0.01ppt~1ppmの濃度範囲において、飲食品に茶類香味を付与できることを確認しているが、表10に示した濃度のうち、特に10ppt~1ppbまたは0.1ppt~10pptの濃度範囲が、式(1)の各種化合物による麦茶香味付与効果が非常に高い濃度範囲の例であることが確認された。
(2)麦茶含有飲食品
(1)で用意した市販の麦茶3質量部に対し市販の牛乳1質量部、砂糖0.05質量部を加えて混合し、麦茶ミルクを調製した。そこに、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を、前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの濃度が下記表11に示す濃度となるように添加し、本発明の麦茶香味飲食品を得た(本発明品6-15~6-42)。そして、式(1)の化合物を添加していない、麦茶ミルクを対照品6-2として、対照品6-2と比べた本発明品の麦茶香味飲食品の香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の香味の麦茶感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品6-2に対し付与されたと感じられた香りについて自由にコメントさせた。麦茶感とは、実際に焙煎麦を煮出して淹れた麦茶のような香味を想起させる感覚であって、麦茶独特の穀物を煎ったような甘く香ばしいような香味を含む感覚を意味する。
(基準)対照品と比べた紅茶感について
「大きく増強された」=4点
「増強された」=3点
「わずかに増強された」=2点
「増強が感じられなかった」=1点
表11に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2023070432000019
表11に示すように、本発明の茶類香味付与組成物は、茶類香味に加え他の香味(本実施例においては乳に由来する香味など)を有する飲食品に対しても良好な麦茶香味付与効果を奏し、少なくとも、表11に記載の濃度範囲において非常に高い麦茶香味付与効果が奏されることが確認された。
[実施例7]茶類風味飲食品への添加例6
小麦粉(薄力粉)100質量部に対し、砂糖40質量部、紅茶葉1質量部、マーガリン50質量部、卵黄10質量部、ベーキングパウダー1質量部および水12質量部を混合して生地を調製した。その後、実施例1で調製した前記14種の式(1)の化合物のそれぞれの任意の濃度のエタノール希釈溶液(本発明品1-1~1-14)を、本発明の茶類香味付与組成物として、前記14種の式(1)の化合物の濃度が1ppmとなるようにそれぞれ添加し、約6mm厚に延ばして型抜きしてから225℃のオーブンで8分間焼き上げ、本発明品7-1~7-14の紅茶クッキーを調製した。また、式(1)の化合物を添加していない上記生地を同じ条件で焼き上げた紅茶クッキーを対照品7-1として調製した。
一方で、紅茶葉を緑茶葉に代えた以外は紅茶クッキーと同様にして、本発明品7-15~7-28の緑茶クッキーを調製し、式(1)の化合物を添加していない上記生地を同じ条件で焼き上げた緑茶クッキーを対照品7-2として調製した。
さらに一方で、紅茶葉を焙じ茶葉に代えた以外は紅茶クッキーと同様にして、本発明品7-29~7-42の焙じ茶クッキーを調製し、式(1)の化合物を添加していない上記生地を同じ条件で焼き上げた焙じ茶クッキーを対照品7-3として調製した。
さらに一方で、紅茶葉をそば茶用の焙煎そばの実に代えた以外は紅茶クッキーと同様にして、本発明品7-43~7-56のそば茶クッキーを調製し、式(1)の化合物を添加していない上記生地を同じ条件で焼き上げたそば茶クッキーを対照品7-4として調製した。
そして、得られた本発明品7-1~7-56の各種茶類香味クッキーについて、5名のよく訓練されたパネリスト(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本発明品7-1~7-14と対照品7-1とを比べた際の香味の違い、本発明品7-15~7-28と対照品7-2とを比べた際の香味の違い、本発明品7-29~7-42と対照品7-3とを比べた際の香味の違い、および本発明品7-43~7-56と対照品7-4とを比べた際の香味の違いについてパネリストにコメントさせることにより行った。その結果を表12に示す。
Figure 2023070432000020
このように飲食品製造に高温での加熱が必要な場合は、適宜本実施例のように式(1)の化合物を比較的高い濃度で添加使用することで、各種茶類香味の特徴の一つである独特の苦み感を飲食品に効果的に付与することができる。
[実施例8]緑茶の香りの香粧品への添加例
市販の緑茶の香りのシャンプーを用意した(対照品8-1)。そこに、実施例1で調製した、14種の式(1)の化合物それぞれを1%含有する本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-1~1-14)を1%添加して、本発明の緑茶調香粧品として、前記14種の式(1)の化合物を100ppm含む緑茶の香りのシャンプーを調製した(本発明品8-1~8-14)。
また、市販の紅茶の香りのシャンプーを用意した(対照品8-2)。そこに、実施例1で調製した、14種の式(1)の化合物それぞれを1%含有する本発明の茶類香味付与組成物(本発明品1-1~1-14)を1%添加して、本発明の紅茶調香粧品として、前記14種の式(1)の化合物を100ppm含む紅茶の香りのシャンプーを調製した(本発明品8-15~8-28)。
そして、市販の各シャンプーを対照品として、本発明品のシャンプーの香気について、調香経験年数12年以上のパネリスト5名による官能評価を行った。官能評価では、本発明品の各シャンプーを空のシャンプーボトルに詰め替え、1プッシュ分を手に取り、約40℃の湯に溶かし、感じられる香りを評価した。パネリスト5名の代表的なコメントを表13に示す。
Figure 2023070432000021
このように、香粧品についても、式(1)の各化合物は、茶類香気を有効に付与できることが確認された。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるスルフィド化合物を含む、茶類香味付与組成物。
    Figure 2023070432000022
    [式中、Rは2-フリル基またはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。(ただし、Rが2-フリル基であり、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。)]
  2. 前記式(1)で表されるスルフィド化合物が、下記式(1)-1または(1)-2で表される化合物である、請求項1に記載の茶類香味付与組成物。
    Figure 2023070432000023
    [式中、Rは2-フリル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。(ただし、Rが水素であり、Rが水素であり、nが1であり、n’が1であり、茶類が緑茶または焙じ茶である場合を除く。)]
    Figure 2023070432000024
    [式中、Rはフェニル基であり、Rは水素、メチル基またはエチル基であり、RはRと同一であるか、水素、メチル基、またはRで表されるアルデヒド基もしくはケトン基であり、nは0または1であり、n’は1または2である。]
  3. 前記茶類香味が、チャノキ(Camellia sinensis)の葉を用いた茶類および穀物を用いた茶類からなる群から選択される1種以上の茶類の香味である、請求項1または2に記載の茶類香味付与組成物。
  4. 前記チャノキの葉を用いた茶類が緑茶、焙じ茶、紅茶、またはウーロン茶であり、前記穀物を用いた茶類が焙煎穀物茶類である、請求項3に記載の茶類香味付与組成物。
  5. 前記焙煎穀物茶類が麦茶またはそば茶である、請求項4に記載の茶類香味付与組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の茶類香味付与組成物を含む消費財。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の茶類香味付与組成物を消費財に添加することを含む、消費財の茶類香味付与方法。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載の茶類香味付与組成物を他の香味付与組成物に添加することを含む、香味付与組成物の茶類香味付与方法。
JP2021182612A 2021-11-09 2021-11-09 茶類香味付与組成物 Pending JP2023070432A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021182612A JP2023070432A (ja) 2021-11-09 2021-11-09 茶類香味付与組成物
CN202211272070.3A CN116103086A (zh) 2021-11-09 2022-10-18 茶类香味赋予组合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021182612A JP2023070432A (ja) 2021-11-09 2021-11-09 茶類香味付与組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023070432A true JP2023070432A (ja) 2023-05-19

Family

ID=86262036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021182612A Pending JP2023070432A (ja) 2021-11-09 2021-11-09 茶類香味付与組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023070432A (ja)
CN (1) CN116103086A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CN116103086A (zh) 2023-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6900128B2 (ja) 4−(4−メチル−3−ペンテニル)−2(3h)−フラノンおよびそれを有効成分として含有する香料組成物
JP5918897B1 (ja) 抹茶風味付与乃至抹茶風味改善剤。
JP2019156993A (ja) 精製された茶抽出物の製造方法、精製された茶抽出物および香料組成物、ならびにこれらを含有する飲食品および香粧品
TW201910326A (zh) 吡咯化合物、香料組成物、以及含有該等之飲食品及香妝品
JP7389738B2 (ja) 酸素原子および硫黄原子を含む環状化合物
JP7321659B2 (ja) 香味付与組成物
JP6827687B1 (ja) 香味付与剤としてのジエチル メルカプトサクシネート
JP7469281B2 (ja) 抹茶香味付与組成物
JP2023070432A (ja) 茶類香味付与組成物
US20220175003A1 (en) Microwave assisted extraction of essential oils from plant biomass
CN111526728A (zh) 香草组合物
JP2020050837A (ja) 香味改善剤
JP6935572B1 (ja) 香味付与組成物
JP7321658B2 (ja) 香味付与組成物
JP7372279B2 (ja) 温感付与組成物
JP6859419B1 (ja) 3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤
JP2023116130A (ja) 不快香味改善組成物
JP7305702B2 (ja) 乳様香味付与組成物
JP7326243B2 (ja) シクロプロパン骨格を有するラクトン化合物
JP7094644B2 (ja) 含硫化合物および香味付与剤
TW201735898A (zh) 乳化組合物及粉末組合物
JP2022104508A (ja) ジスルフィド化合物を含む香味付与組成物
JP2024008467A (ja) ユズ香味付与組成物
JP2024008466A (ja) ミカン香味付与組成物
JP2022087531A (ja) 消費財

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240607