JP6859419B1 - 3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤 - Google Patents
3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤 Download PDFInfo
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Abstract
Description
[1] 下記式(1)で表される3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテート。
[4] [2]に記載の香味付与剤または[3]に記載の香料組成物を配合してなる消費財。
[5] [2]に記載の香味付与剤を香料組成物に配合することを含む、香料組成物の香味改善方法。
[6] [2]に記載の香味付与剤または[3]に記載の香料組成物を消費財に配合することを含む、消費財の香味改善方法。
下記式(1)で表される3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートは、従来文献未記載の新規化合物である。
3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートは、当業者によってなし得る任意の方法で入手してよく、例えば、以下の反応経路に従って合成することができる。
本発明の香味付与剤は、下記式(1)で表される3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートからなることを特徴とする。
本発明の香料組成物は、香味の付与を目的として使用でき、3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートからなる香味付与剤を有効量含み、各種物品に配合することができるものである。具体例としては、飲食品用香料組成物(フレーバー組成物ともいう)、香粧品用香料組成物(フレグランス組成物ともいう)が挙げられる。配合対象となる物品の例としては、上述のように、飲食品、香粧品、医薬衛生品などの消費財が挙げられる。本発明の香料組成物の形態は特に限定されず、水溶性香料組成物、油溶性香料組成物、乳化香料組成物、粉末香料組成物が例示できる。
3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートからなる本発明の香味付与剤、およびそれを含む本発明の香料組成物は、各種物品またはそれに用いる香料組成物に配合して使用することができる。
(1)エチル 3−メチル−2−ペンテノエートの合成
(2)3−メチル−2−ペンテン−1−オールの合成
(3)3−メチル−3−チオベンジルペンタン−1−オールの合成
(4)3−メルカプト−3−メチルペンタン−1−オールの合成
(5)3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートの合成
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ4.23(br t,2H, J=7.2Hz),2.02(s,3H),1.95−1.82(m,2H),1.65−1.56(m,3H),1.32(s,3H),0.96(br t,3H,J=7.2Hz)
13C NMR(CDCl3, 100MHz):δ171.1,61.8,46.8,41.7,37.4,29.7,21.0,9.1.
MS(EI,70eV):m/z 116(29),101(18),87(31),83(82),55(100),43(71).
(1)グレープフルーツ風味
下記表1の処方に従って、グレープフルーツエッセンス基本調合香料組成物を調製した。
(天然感に関する評価基準)
対照品に比べて大きく増加した 4
対照品に比べてある程度増加した 3
対照品に比べて若干増加した 2
対照品と同等である 1
グレープフルーツとは異質な香りがする 0
本発明の香味付与剤としての3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートを0.1%含有する95%エタノール溶液を調製した。市販のレモネードを用意し、前記エタノール溶液を3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテート濃度が0.001ppt、1ppb、または10ppm(対レモネード全量)となるようにそれぞれ添加して、本発明の柑橘飲料を3種調製した。各飲料について、市販のレモネードを対照品として、対照品と比較した本発明の柑橘飲料の香味について官能評価を行った。官能評価では、よく訓練された7名のパネラーに、上記(1)グレープフルーツの場合と同様にして下記基準によって官能評価を実施させ、さらに香味についてコメントさせた。
(天然感に関する評価基準)
対照品に比べて大きく増加した 4
対照品に比べてある程度増加した 3
対照品に比べて若干増加した 2
対照品と同等である 1
レモンとは異質な香りがする 0
7名のパネラーの平均的な評価を下記表3に示す。
市販の果汁50%のマンゴージュースに、3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートを本発明の香味付与剤として下記表3の通り配合し、本発明のフルーツ飲料を調製した。また、比較対象として、上記3−メルカプト−4−メチルペンチル アセテートを前記市販の果汁50%マンゴージュース下記表3の通り配合して、比較品のフルーツ飲料を調製した。そして、得られた本発明のフルーツ飲料および比較品のフルーツ飲料について、15名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価では、市販のマンゴージュースを対照品として、対照品と比べた本発明品の香味についてコメントさせるとともに、果肉感および熟成感について下記の基準に従って点数付けさせた。ここで果肉感とは、マンゴー果実そのものをまるごと食したような繊維感、甘さや果汁感を包含する感覚を意味し、熟成感とは、熟した果実のような甘くジューシーで濃厚な香味を意味するものとする。
(果肉感)
対照品に比べて大きく増加した 4
対照品に比べてある程度増加した 3
対照品に比べて若干増加した 2
対照品と同等である 1
マンゴーとは異質な香りがする 0
(熟成感)
対照品に比べて大きく増加した 4
対照品に比べてある程度増加した 3
対照品に比べて若干増加した 2
対照品と同等である 1
マンゴーとは異質な香りがする 0
市販の容器詰めブラックコーヒー、無糖紅茶、緑茶に、本発明の香味付与剤としての3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートを、それぞれ1ppm、0.1ppm、0.1ppmの濃度となるように配合して、本発明の嗜好飲料を調製した。各市販品を対照品として、15名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価では、対照品である各市販品と比べた本発明品の熟成感および嗜好度について下記の基準に従って点数付けさせた。ここでは、熟成感とは、各飲料素材を熟成や発酵させた時に感じられるようなコクのあるまろやかな香味を包含する感覚を意味する。嗜好度とは、対照品と比べた、その飲料を好ましいと感じられる度合いを意味する。
(評価基準)
対照品に比べて大きく増加した 4
対照品に比べてある程度増加した 3
対照品に比べて若干増加した 2
対照品と同等である 1
対照品とは異質な香りがする、または対照品より好ましくない 0
市販のビール風味飲料(ノンアルコール)を用意し、本発明の香味付与剤としての3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートを0.1ppmの濃度となるように配合して、本発明のビール風味飲料を調製した。市販のビール風味飲料を対照品として、対照品と比べた本発明のビール風味飲料の風味について、5名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。その結果、5名のパネラー全員が、ビールの原料であるホップ風味が増強し、麦汁感も増強して飲みごたえが増強されたと回答した。
市販のバニラアイスを用意し、本発明の香味付与剤としての3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートを10ppbの濃度となるようによく混合して配合し、本発明のバニラアイスを調製した。市販のバニラアイスを対照品として、対照品と比べた本発明のバニラアイスの風味について、7名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。その結果、7名のパネラー全員が、バニラの濃厚な熟成香が増強されるとともに、乳脂感が増強され、乳発酵を感じさせる独特なさわやかな酸味が増強され、クリーミーさが増強されたと回答した。
市販の赤ワインを用意し、本発明の香味付与剤としての3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートを0.1ppmの濃度となるようによく混合して配合し、本発明の赤ワイン飲料を調製した。市販品を対照品として、対照品と比べた本発明の酒飲料の香味について、7名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。その結果、7名のパネラー全員が、本発明の赤ワイン飲料は、対照品と比べ長年熟成を重ねたようなコクのある甘さと渋さが増強されていたと回答した。
市販のプルメリア精油およびジャスミン精油に、3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートをそれぞれ濃度が100ppbとなるように配合した。そして、市販の各精油を対照品として、対照品と比べた香気について、よく訓練された経験年数10年以上の調香師15名に評価させた。評価基準は、香りの天然感が増加したかどうかについて、以下の基準で点数付け、さらに香気についてコメントさせた。天然感とは、生花の香りを感じさせるような感覚を包含するものとする。調香師15名の平均的な結果を下記表5に示す。
(評価基準)
対照品に比べて大きく増加した 4
対照品に比べてある程度増加した 3
対照品に比べて若干増加した 2
対照品と同等である 1
対照品とは異質な香りがする、または対照品より好ましくない 0
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JP2019206817A JP6859419B1 (ja) | 2019-11-15 | 2019-11-15 | 3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤 |
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JP2019206817A Active JP6859419B1 (ja) | 2019-11-15 | 2019-11-15 | 3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤 |
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