JP7179431B2 - 含硫化合物および香味付与剤 - Google Patents
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Description
本発明の一実施の形態に係る含硫化合物(以下、本件含硫化合物という場合がある。)は、以下の式(1)で表される含硫化合物のうち、R1がアセチル基またはホルミル基であり、R2およびR3がそれぞれ独立して炭素数1~4の直鎖または分岐鎖状アルキル基であるものであって、これまで一切知られていなかった新規化合物である。
本件含硫化合物は、例えば、ジアルキル メルカプトサクシネート(Dialkyl mercaptosuccinate)を中間体として、合成することができる。
本発明の一実施の形態に係る香味付与剤(以下、本件香味付与剤という場合がある。)は、式(2)で表される化合物のうち、R4が水素、炭素数1~4の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基、アセチル基、またはホルミル基のいずれかであり、R5およびR6はそれぞれ独立して炭素数1~4の直鎖または分岐鎖状アルキル基であるものからなる。
本件香味付与剤は、当業者によってなし得る任意の方法で入手することができる。本件香味付与剤のうち、式(2)のR4が水素であるジアルキル メルカプトサクシネート(例えば、式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)および(12))にあっては、前述した通りに合成することができる。
本発明の一実施の形態に係る香料組成物(以下、本件香料組成物という場合がある。)は、本件含硫化合物または本件香味付与剤を所定量含み、香味の付与を目的として、各種物品に配合することができるものである。本件香料組成物によれば、例えば、香料組成物の天然感、果汁感、みずみずしさ、ボリューム感、熟成感、完熟感、華やかさ、フレッシュ感、香ばしさ、苦さ、スパイシー感、コク、またはボリューム感などの香味が付与された香料組成物を提供することができ、本件香料組成物が配合された各種物品の香味を改善することができる。
本発明の一実施の形態に係る香料組成物の香味改善方法(以下、本件に係る香料組成物の香味改善方法という場合がある。)は、本件含硫化合物または本件香味付与剤を香料組成物に配合する工程を含む。
本発明の一実施の形態に係る消費財(以下、本件消費財という場合がある。)は、本件含硫化合物、本件香味付与剤または本件香料組成物を所定量含むものである。本件消費財によれば、例えば、飲食品や香粧品などに使用された動植物素材を想起させるような天然感、果汁感、みずみずしさ、ボリューム感、熟成感、完熟感、華やかさ、フレッシュ感、香ばしさ、苦さ、スパイシー感、コク、またはボリューム感などが増強され、それが良好なバランスのまま持続可能な消費財を提供することができる。また、本件消費財によれば、トップ、ミドル、ラストのいずれか1以上の香味が増強され、例えば、トップの香味立ち、ミドル以降の香味の持続性(余韻ともいう)の1以上が増強された消費財を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る消費財の香味改善方法(以下、本件に係る消費財の香味改善方法という場合がある。)は、本件含硫化合物、本件香味付与剤、または本件香料組成物を、消費財に配合する工程を含む。
以下、本件含硫化合物および本件香味付与剤の合成例について説明する。なお、ジメチル メチルチオサクシネートは、Biomacromolecules,10,pp.366-373(2009)に記載の方法により、ジエチル メチルチオサクシネートは、Chem.Res.Toxicol.,6,pp.718-723(1993)に記載の方法により、それぞれ合成した。
100mL三口フラスコに対し、ギ酸(8.28g)および無水酢酸(18.39g)を加え、窒素雰囲気下40℃で2時間撹拌した。室温へと冷却後、ジメチル メルカプトサクシネート(8.91g)およびピリジン(0.5mL)の混合液を加え、60℃で2時間撹拌した。反応液に対し水道水を加え(100mL)、エーテル抽出した(100mL)。有機相を水道水(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、および飽和食塩水(100mL)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮した。残渣を2回の減圧蒸留にて精製し(101-105℃/0.3kPa)、無色油状物質としてジメチル ホルミルチオサクシネートを得た(0.65g、収率6%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ10.10(s,1H),4.71(dd,1H,J=8.0Hz,5.6Hz),3.74(s,3H),3.69(s,3H),3.00(dd,1H,J=17.2Hz,8.0Hz),2.89(dd,1H,J=17.2Hz,5.6Hz).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ185.0,170.6,170.2,53.2,52.2,38.2,36.2.
MS(EI,70eV):m/z 206(0.09,M+),175(10),147(15),146(92),119(41),118(100),113(31),87(38),86(18),77(12),59(53),58(27),55(20).
ジメチル メルカプトサクシネートの代わりにジエチル メルカプトサクシネート(2.06g)を原料とし、実施例1-1と同様の方法によって、無色油状物質としてジエチル ホルミルチオサクシネートを得た(0.79g、収率34%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ10.07(s,1H),4.63(dd,1H,J=7.6Hz,5.6Hz),4.14(q,2H,J=7.2Hz),4.10(q,2H,J=7.2Hz),2.94(dd,1H,J=17.2Hz,7.6Hz),2.83(dd,1H,J=17.2Hz,5.6Hz),1.20(t,3H,J=7.2Hz),1.19(t,3H,J=7.2Hz).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ185.2,170.1,169.6,62.2,61.2,38.6,36.5,14.1,13.9.
MS(EI,70eV):m/z 234(0.004,M+),207(7),189(21),161(24),160(100),133(37),132(92),127(17),105(24),99(18),87(28),86(11),61(12),59(9),55(11),29(24).
100mL二口フラスコに対し、ジメチル メルカプトサクシネート(1.78g)、ピリジン(5mL)、4-ジメチルアミノピリジン(0.12g)および無水酢酸(1.53g)を加え、10分撹拌した。反応液に対し水道水(50mL)を加え、ヘキサン抽出した(50mL)。有機相を希塩酸(1mol/L,30mL)、水道水(30mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)、飽和食塩水(30mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留にて精製し(95-96℃/0.1kPa)、無色油状物質としてジメチル アセチルチオサクシネートを得た(1.51g,収率69%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ4.51(dd,1H,J=7.6Hz,5.6Hz),3.71(s,3H),3.67(s,3H),2.95(dd,1H,J=17.2Hz,7.6Hz),2.83(dd,1H,J=17.2Hz,5.6Hz),2.34(s,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ193.0,170.8,170.7,53.0,52.0,40.8,36.4,30.1.
MS(EI,70eV):m/z 220(0.1,M+),189(23),188(16),178(81),161(15),146(90),145(40),119(13),118(59),113(18),87(12),59(19),58(11),55(11),43(100).
実施例1-3において、ジメチル メルカプトサクシネートの代わりにジエチル メルカプトサクシネート(2.06g)を原料とし、実施例1-3と同様の方法によって、無色油状物質としてジエチル アセチルチオサクシネートを得た(1.54g、収率62%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ4.47(dd,1H,J=8.0Hz,5.6Hz),4.14(q,2H,J=7.2Hz),4.10(q,2H,J=7.2Hz),2.91(dd,1H,J=17.2Hz,8.0Hz),2.81(dd,1H,J=17.2Hz,5.6Hz),2.32(s,3H),1.21(t,3H,J=7.2Hz),1.19(t,3H,J=7.2Hz).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ193.0,170.3,170.1,61.9,60.9,41.2,36.7,30.0,14.0,13.9.
MS(EI,70eV):m/z 248(0.03,M+),206(64),203(33),175(14),173(34),160(86),133(28),132(100),127(20),104(16),99(25),87(15),55(12),43(95),29(21).
300mL三口フラスコに対し、メルカプトコハク酸(15.0g、100mmol)およびイソプロピルアルコール(100mL)を入れ、p-トルエンスルホン酸(0.19g、1mmol)を加えた後、加熱還流下10時間撹拌した。反応液を加熱し溶媒を常圧回収した後、そのまま減圧蒸留に付し(87-91℃/0.2kPa)、無色油状物質として目的物であるジイソプロピル メルカプトサクシネートを得た(13.2g、収率56%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ5.03-4.92(m,2H),3.68-3.61(m,1H),2.90(ddd,1H,J=16.8Hz,9.2Hz,1.2Hz),2.67(br dd,1H,J=16.8Hz,6.0Hz),2.11(br d,1H,J=9.2Hz),1.24-1.17(m,12H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ171.7,169.7,69.1,68.5,40.1,36.5,21.7,21.5,21.4.
MS(EI,70eV):m/z 234(5,M+),192(29),175(21),174(14),150(51),133(74),132(100),105(42),104(38),87(20),43(44),41(13).
実施例1-5において、イソプロピルアルコールの代わりにイソブチルアルコール(70mL)を原料とし、実施例1-5と同様の方法によって、無色油状物質としてジイソブチル メルカプトサクシネートを得た(8.36g、収率32%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ3.95-3.83(m,4H),3.74(dt,1H,J=9.2Hz,6.0Hz),2.98(dd,1H,J=16.8Hz,9.2Hz),2.74(dd,1H,J=16.8Hz,6.0Hz),2.17(d,1H,J=9.2Hz),1.99-1.83(m,2H),0.92-0.87(m,12H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ172.3,170.3,71.7,71.1,39.8,36.3,27.7,27.6,19.0,18.9.
MS(EI,70eV):m/z 262(3,M+),206(9),188(9),150(23),133(28),132(82),105(18),104(21),101(12),57(100),56(12)41(21),29(10).
実施例1-5において、イソプロピルアルコールの代わりにプロピルアルコール(50mL)を原料とし、実施例1-5と同様の方法によって、無色油状物質としてジプロピル メルカプトサクシネートを得た(9.7g、収率41%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ4.15-4.01(m,4H),3.74(dt,1H,J=5.6Hz,9.6Hz),2.99(dd,1H,J=16.8Hz,9.6Hz),2.74(dd,1H,J=16.8Hz,5.6Hz),2.18(d,1H,J=9.6Hz),1.72-1.58(m,4H),0.94(t,3H,J=7.2Hz),0.91(t,3H,J=7.2Hz).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ172.4,170.4,67.3,66.6,39.9,36.3,21.9,21.8,10.3,10.3.
MS(EI,70eV):m/z 234(7,M+),175(23),174(48),146(17),133(46),132(100),105(33),104(54),101(9)87(17),43(35),41(13).
実施例1-5において、イソプロピルアルコールの代わりにブチルアルコール(30mL)を原料とし、実施例1-5と同様の方法によって、無色油状物質としてジブチル メルカプトサクシネートを得た(23.1g、収率87%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ4.19-4.05(m,4H),3.72(dt,1H,J=6.0Hz,9.6Hz),2.98(dd,1H,J=16.8Hz,9.6Hz),2.73(dd,1H,J=16.8Hz,6.0Hz),2.17(d,1H,J=9.6Hz),1.67-1.54(m,4H),1.43-1.29(m,4H),0.94-0.88(m,6H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ172.4,170.4,65.6,64.9,39.9,36.3,30.5,30.5,19.0,19.0,13.7.
MS(EI,70eV):m/z 262(6,M+),188(24),133(29),132(100),105(21),104(36),101(18),57(30),56(12),41(19),29(11).
200mL三口フラスコに対し、水素化ナトリウム(2.62g,55%純度)およびテトラヒドロフラン(50mL)を加え、窒素雰囲気、氷水冷下とした。ジメチル メルカプトサクシネート(8.91g)を10分かけ滴下し、同温で30分撹拌後ヨウ化メチル(3.74mL)を添加し、同温で1時間撹拌した。反応液に対し水道水を加え(100mL)、エーテル抽出した(50mL)。有機相を水道水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し、減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留にて精製し(86℃/0.3kPa)、無色油状物質としてジメチル メチルチオサクシネート(5.05g,収率53%)を得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ3.75(s,3H),3.68(s,3H),3.61(dd,1H,J=10.0Hz,5.6Hz),3.00(dd,1H,J=17.2Hz,10.0Hz),2.67(dd,1H,J=17.2Hz,5.6Hz),2.15(s,3H).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ171.7,171.1,52.5,52.0,42.0,35.7,13.9.
MS(EI,70eV):m/z 192(20,M+),161(11),160(77),146(13),133(65),132(100),114(37),113(10),100(16),91(58),75(17),74(14),59(25),55(16).
実施例1-9において、ジメチル メルカプトサクシネートの代わりにジエチル メルカプトサクシネート(2.06g)を原料とし、実施例1-9と同様の方法によって、無色油状物質としてジエチル メチルチオサクシネートを得た(1.27g、収率58%)。
1H NMR(CDCl3,400MHz):δ4.23-4.16(m,2H),4.12(q,2H,J=7.2Hz),3.58(ddd,1H,J=10.0Hz,5.6Hz,0.8Hz),2.97(dd,1H,J=17.2Hz,10.0Hz),2.64(dd,1H,J=17.2Hz,5.6Hz),2.15(d,3H,J=0.8Hz),1.27(br t,3H,J=7.2Hz),1.21(br t,3H,J=7.2Hz).
13C NMR(CDCl3,100MHz):δ171.2,170.7,61.3,60.9,42.2,35.9,14.1,14.1,13.9.
MS(EI,70eV):m/z 220(19,M+),175(17),174(75),147(68),146(100),128(31),105(19),100(28),75(29),73(11),55(12),29(20).
下記表1の処方に従って、グレープフルーツエッセンス基本調合香料組成物(以下、本件調合香料組成物という。)を調製した。
対照品に比べて大きく増加した:4
対照品に比べてある程度増加した:3
対照品に比べて若干増加した:2
対照品と同等である:1
市販の果汁50%のマンゴージュースに、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表3の通り配合し、実施例3-1~3-15のフルーツ飲料を調製した。そして、得られた実施例3-1~3-15のフルーツ飲料について、15名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記マンゴージュースを対照品として、実施例3-1~3-15を対照品と比べた際の香味の違いについてパネラーにコメントさせるとともに、果肉感および熟成感について下記評価基準にしたがいパネラーが点数付けしたものを平均することにより行った。ここで果肉感とは、マンゴー果実そのものをまるごと食したような繊維感、甘さや果汁感を包含する感覚を意味し、熟成感とは、熟した果実のような甘くジューシーで濃厚な香味を意味するものとする。
対照品に比べて大きく増加した:4
対照品に比べてある程度増加した:3
対照品に比べて若干増加した:2
対照品と同等である:1
市販の容器詰めブラックコーヒー、無糖紅茶、麦茶、ココアに、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表4の通り配合し、実施例4-1~4-20の嗜好飲料を調製した。そして、得られた実施例4-1~4-20の嗜好飲料について、15名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記各市販品を対照品として、実施例4-1~4-20を対照品と比べた際の香味の違いについてパネラーにコメントさせるとともに、嗜好度およびボリューム感について下記の基準にしたがいパネラーが点数付けしたものを平均することにより行った。ここで嗜好度とは、対照品と比べた、その飲料を好ましいと感じられる度合いを意味し、ボリューム感とは、香味の全体的な厚みや濃厚感が豊富で、好ましい感覚を意味する。
対照品に比べて大きく増加した:4
対照品に比べてある程度増加した:3
対照品に比べて若干増加した:2
対照品と同等である:1
市販のビール風味飲料(ノンアルコール)に、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表5の通り配合し、実施例5-1~5-5のビール風味飲料を調製した。そして、得られた実施例5-1~5-5のビール風味飲料について、5名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記ビール風味飲料を対照品として、実施例5-1~5-5を対照品と比べた際の香味の違いについてパネラーにコメントさせることにより行った。
市販のアーモンドバターに、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表6の通り配合し、実施例6-1~6-5のナッツ風味調味料を調製した。また、市販のアーモンドバターに、既知の香料化合物であるジイソペンチル メルカプトサクシネートを下記表6の通り配合し、比較例6-1のナッツ風味調味料を調整した。そして、得られた実施例6-1~6-5および比較例6-1のナッツ風味調味料について、15名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記アーモンドバターを対照品として、実施例6-1~6-5および比較例6-1を対照品と比べた際の香味の違いについてコメントさせるとともに、対照品と比べた嗜好度について前述の評価基準にしたがいパネラーが点数付けしたものを平均することにより行った。
市販のガーリック風味、オニオン風味、コショウ風味、バジル風味の各ドレッシングに、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表7の通り配合し、実施例7-1~7-20の香味ドレッシングを調製した。そして、得られた実施例7-1~7-20の香味ドレッシングについて、5名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記各ドレッシングを対照品として、実施例7-1~7-20を対照品と比べた際の香味の違いについてコメントさせた。
市販の赤ワインおよびウイスキーに、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表8の通り配合し、実施例8-1~8-10のアルコール飲料を調製した。そして、得られた実施例8-1~8-10のアルコール飲料について、7名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記各市販品を対照品として、実施例8-1~8-10を対照品と比べた際の香味の違いについてコメントさせることによって行った。
市販のオニオンコンソメスープ(レトルト調理品)に、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表9の通り配合し、実施例9-1~9-5のスープを調製した。そして、得られた実施例9-1~9-5のスープについて、5名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記オニオンコンソメスープを対照品として、実施例9-1~9-5を対照品と比べた際の香味の違いについてパネラーにコメントさせることにより行った。
市販のオレンジ調、ローズ調およびピーチ調の香調の各台所用洗剤に、本件含硫化合物または本件香味付与剤を下記表10の通り配合し、実施例10-1~10-15の台所用洗剤を調製した。そして、得られた実施例10-1~10-15の台所用洗剤について、15名のよく訓練されたパネラー(経験年数10年以上)による官能評価を行った。官能評価は、本件含硫化合物および本件香味付与剤のいずれも配合していない上記各台所用洗剤を対照品として、実施例10-1~10-15を対照品と比べた際の香気の違いについてパネラーにコメントさせるとともに、天然感について下記の基準にしたがいパネラーが点数付けしたものを平均することにより行った。ここで天然感とは、対照品の各香調に対応する天然素材そのもの(例えば、オレンジ果実、ローズ生花、およびピーチ果実)を感じさせるような感覚を包含するものとする。
対照品に比べて大きく増加した:4
対照品に比べてある程度増加した:3
対照品に比べて若干増加した:2
対照品と同等である:1
Claims (6)
- 請求項1に記載の含硫化合物または請求項2に記載の香味付与剤を含有する香料組成物。
- 請求項1に記載の含硫化合物、請求項2に記載の香味付与剤または請求項3に記載の香料組成物を含有する消費財。
- 請求項1に記載の含硫化合物または請求項2に記載の香味付与剤を香料組成物に配合する工程を含む、香料組成物の香味改善方法。
- 請求項1に記載の含硫化合物、請求項2に記載の香味付与剤または請求項3に記載の香料組成物を消費財に配合する工程を含む、消費財の香味改善方法。
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