JP2024008466A - ミカン香味付与組成物 - Google Patents

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Takeshi Sugawara
麻紀子 伊藤
Makiko Ito
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恵美 牛島
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Abstract

【課題】ミカン香味付与組成物を提供すること。【解決手段】桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、桂皮酸、3-フェニルプロピオン酸メチル、3-フェニルプロピオン酸エチル、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、およびフェニル酢酸エチルからなる化合物群から選択される1種以上の化合物を有効成分として含有するミカン香味付与組成物、ミカン香味付与組成物を他の香味付与組成物に配合することを含む香味付与組成物のミカン香味付与方法、ミカン香味付与組成物を消費財に配合することを含む消費財のミカン香味付与方法などを提供する。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年10月30日に第65回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会にて発表
本発明はミカン香味付与組成物に関する。
柑橘類は、各種飲食品や香粧品の香味として日本のみならず世界中で広く親しまれており、ミカン類、オレンジ類、グレープフルーツ類、香酸柑橘類などを含むカンキツ属、キンカン属、カラタチ属などに分類され、具体的には、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、ミカン、ダイダイ、ユズなど様々な種類がある。各種柑橘類の香気成分に関しては従来から多くの報告例が存在し、その香味寄与成分も柑橘の種類に応じて多様である。例えば、グレープフルーツでは、その特徴的な香気に寄与するものとしてヌートカトン、1,10-ジヒドロヌートカトン、8,9-ジヒドロヌートカトンなどのヌートカトン類縁体によるところが大きく、レモンではシトラール、オクタナール、ノナナールなどの含酸素化合物が香気への寄与が大きくほかの柑橘類に比べ含有量が2倍以上と多いのが特徴であり(以上非特許文献1)、ダイダイでは微量ではあるが特徴的な香気に寄与する重要成分としてノニルアルデヒド、シトロネラール、リナロール等が含まれることが知られており、スダチではその新鮮さおよびさわやかさに重要である成分はリナロール、シス-3-ヘキセナール、トランス-2-ヘキセナールが知られている(以上非特許文献2)。また、特許文献1には、柑橘類のうち、レモンの特徴香成分は、シトラール、ネロール、ゲラニオール、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル等が挙げられ、シトラールはレモン由来の精油に含まれる含酸素化合物の半分以上を占めること、グレープフルーツの特徴香成分としては、オクタナール、デカナール、ヌートカトン等が挙げられ、ユズの特徴香成分としては、リナロール、チモール、ユズノン(登録商標)、N-メチルアントラニル酸メチル等が挙げられ、オレンジの特徴香成分としては、オクタナール、デカナール、リナロール、酢酸ゲラニル、シネンサール等が挙げられることが記載されている。さらに、温州みかん果皮油とヴァレンシアオレンジ果皮油を比較した場合、微量香気成分などに差異があり、官能的にも両者がはっきりと区別できることが示されている(非特許文献3)。
飲食品や香粧品などの各種消費財に良好なミカン香味を付与できる素材は様々に開発されており、その素材の代表的として、香料化合物などの香味付与素材が挙げられるが、自然なミカン様の香味を再現するには従来から提案されている香料化合物だけでは十分には対応しきれず、新たな香料化合物の開発が課題となっている。
特開2021-78520号公報
香りの百科事典、丸善、平成17年1月31日、134頁および279頁 「香りの百科」朝倉書店 1989年6月25日初版 415-416頁 温州みかん果皮油の香気成分に関する研究、加藤征江、北陸学院短期大学紀要,1974
本発明の課題は、各種消費財にミカン香味を付与可能な香味付与組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、意外なことに、これまでミカンから同定されておらずミカンの香味付与に有効であるとは知られていなかった、桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、桂皮酸、3-フェニルプロピオン酸メチル、3-フェニルプロピオン酸エチル、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、およびフェニル酢酸エチルからなる化合物群から選択される1種以上の化合物がミカン香味付与に有効であることを見出した。
かくして、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
[1] 下記I群から選択される1種以上の化合物を有効成分として含有する、ミカン香味付与組成物。
(I群) 桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、桂皮酸、3-フェニルプロピオン酸メチル、3-フェニルプロピオン酸エチル、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、フェニル酢酸エチル
[2] 前記I群の化合物を100ppt~1%の濃度で含有する、[1]に記載のミカン香味付与組成物。
[3] 前記ミカン香味がミカンの果汁感である、[1]または[2]に記載のミカン香味付与組成物。
[4] 前記ミカンの果汁感がミカンの搾りたての果汁感である、[1]または[2]に記載のミカン香味付与組成物。
[5] さらに下記A群から選択される1種以上の化合物を含有する、[1]または[2]に記載のミカン香味付与組成物。
(A群) アセトアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、デカナール、γ-テルピネン、リモネン、リナロール、1,3,5-ウンデカトリエン、1,3,5,7-ウンデカテトラエン、1,3,5,8-ウンデカテトラエン、ネロール、ゲラニオール、チモール、オイゲノール
[6] さらに甘み後引き、苦み感、酸刺激感、プロテイン臭のいずれか1種以上の低減効果を奏する、[1]または[2]に記載のミカン香味付与組成物。
[7] [1]に記載のミカン香味付与組成物を他の香味付与組成物に配合することを含む、香味付与組成物のミカン香味付与方法。
[8] [1]に記載のミカン香味付与組成物を消費財に添加することを含む、消費財のミカン香味付与方法。
[9] 前記添加によって前記消費財中の前記化合物の濃度が1ppt~100ppmとなる、[8]に記載の消費財のミカン香味付与方法。
[10] [1]に記載のミカン香味付与組成物を添加してなる消費財。
本発明によって、ミカン香味付与に有効な香味付与組成物を提供できる。
以下、本発明について、具体例を挙げつつさらに詳細に説明する。本明細書において、「~」は下限値および上限値を含む範囲を意味し、濃度(ppt、ppb、ppmなど)、%は特に断りのない限りそれぞれ質量濃度、質量%を表し、濃度とは特に断りのない限り最終濃度とする。
[ミカン香味付与組成物]
本発明の一実施態様に係るミカン香味付与組成物(本明細書では単に本発明のミカン香味付与組成物ということもある)は、下記I群から選択される1種以上の化合物(以下、単に本件化合物という場合がある)を有効成分として含有することを特徴とし、各種消費財など任意の物品に添加してその物品にミカン香味を付与できるものである。
(I群) 桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、桂皮酸、3-フェニルプロピオン酸メチル、3-フェニルプロピオン酸エチル、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、フェニル酢酸エチル
本件化合物を得る手段は特に限定されず、市販のものを用いることができる。本明細書において、「添加」とは、ある対象に噴霧、滴下などによって単に加えること、およびある対象と混ぜ合わせることの、少なくとも1つを含む。
本明細書において「ミカン香味付与(ミカン香味を付与する)」とは、ミカン香味を新たに加える、および/または、ミカン香味を増強することを含み、例えば、ミカン香味を付与した結果、ミカン香味が改善されるものを含んでいる。また、本明細書において、「香味」とは、香りによって変化し得る1種または複数種の感覚、代表的には嗅覚と味覚などを含む感覚を意味し、「ミカン香味」とは、ミカンから感じられる香味を想起させる香味であって、例えば、ミカンの果汁感、果皮感、さのう感などを含んでよく、好ましくはミカンの果汁感を含み、さらに好ましくは、ミカンの果汁感とはミカン果実の搾りたて果汁を想起させる果汁感であり、具体例としては、ミカンから感じられる独特の甘み感を伴う爽やかな酸味感を含むミカン果汁感が挙げられるが、これに限定されない。このような香味付与効果によって、本発明のミカン香味付与組成物は、消費財に添加した際にその消費財のミカン香味を良好なものとすることができ、例えば、天然感のある嗜好性の高い優れた香味にすることができる。なお、「ミカン」とはウンシュウミカン(Citrus unshiu)を意味する。また、本発明のミカン香味付与組成物は、さらに甘み後引き、苦み感、酸刺激感、プロテイン臭のいずれか1種以上の低減効果を奏するものであってもよい。
本発明のミカン香味付与組成物は、本件化合物に加えて、溶媒、分散媒、本件化合物以外の香味付与成分、抗酸化成分などの補助成分など任意の他の成分(具体例は後述)を含み得るが、実質的に本件化合物のみからなるものであってもよい。本発明のミカン香味付与組成物が本件化合物以外の成分も含む場合、当該ミカン香味付与組成物中の本件化合物の濃度は、ミカン香味付与組成物の添加対象や香気特性に応じて任意に決定できる。
本発明のミカン香味付与組成物中の本件化合物の濃度の例として、本発明のミカン香味付与組成物が実質的に本件の化合物およびその溶媒または分散媒(具体例は後述)のみを含む場合は、10ppb~99.9%の範囲内が例示でき、好ましい例として10ppm~99.0%の範囲内が挙げられるが、これらに限定されず、用途などに応じて任意に選択できる。なお、本明細書において「濃度」とは、本件化合物が複数の場合は、特に断りのない限り、複数の化合物の合計濃度とする。
本発明のミカン香味付与組成物中の本件化合物の濃度の例として、特に本発明のミカン香味付与組成物が本件化合物およびその溶媒または分散媒以外に香味付与可能な成分を含む場合には、当該ミカン香味付与組成物中の本件化合物の濃度(本件化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい)は、上述したようにミカン香味付与組成物の添加対象や香気特性に応じて任意に決定でき、消費財にミカン香味が付与できる濃度で添加可能なように適当な濃度にすればよい。例えば、ミカン香味付与組成物の全体質量に対して、100ppt~1%、好ましくは1ppb~0.1%、より好ましくは10ppb~100ppmの範囲内が挙げられる。より具体的には、下限値を100ppt、1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、0.1%のいずれかとし、上限値を1%、0.1%、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppbのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせによる範囲内とすることができるが、これらに限定されない。なお、ミカン香味付与組成物の処方などにも依存するが、ミカン香味付与組成物中の本件化合物の濃度を100ppt~1%とすると、本件化合物由来の香りが過度に突出することなくミカン香味付与効果が得られる。本発明のミカン香味付与組成物やその添加対象の香調などによっては、本件化合物を100ppt~1%の範囲外の濃度で添加してもよい。
本発明のミカン香味付与組成物において、本件化合物に加えてさらに含有し得る、すなわち本件化合物と併用し得る任意の他の成分の具体例として、各種類の香料化合物、香料組成物、油溶性色素類、ビタミン類、機能性物質、魚肉エキス類、畜肉エキス類、動植物エキス類、酵母エキス類、動植物タンパク質類、動植物蛋白分解物類、澱粉、デキストリン、糖類、アミノ酸類、核酸類、有機酸類、溶剤などを例示することができる。例えば、「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品用香料、平成12年1月14日発行」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度厚生科学研究報告書、日本香料工業会、平成13年3月発行)、および「合成香料 化学と商品知識」(2016年12月20日増補新版発行、合成香料編集委員会編集、化学工業日報社)に記載されている天然精油、天然香料、合成香料などを挙げることができる。
そのような化合物または成分の例として、各種の合成香料、天然香料、天然精油、柑橘油、植物エキスなどを挙げることができ、例えば、「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品香料,88-131頁,平成12年1月14日発行」に記載されている天然精油、柑橘精油、天然香料、合成香料などを挙げることができる。
より具体的には、オシメン、リモネン、α-フェランドレン、テルピネン、3-カレン、ビサボレン、β-ピネン、バレンセンなどの炭化水素類;3-ヘプタノール、1-ウンデカノール、2-ウンデカノール、1-ドデカノール、プレノール、10-ウンデセン-1-オール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロムゴール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、オシメノール、テルピネオール、3-ツヤノール、ベンジルアルコール、β-フェニルエチルアルコール、α-フェニルエチルアルコール、リナロール、シス-3-ヘキセノールなどのアルコール類;アセトアルデヒド、n-ヘキサナール、n-ヘプタナール、n-オクタナール、n-ノナナール、2-メチルオクタナール、3,5,5-トリメチルヘキサナール、デカナール、ウンデカナール、2-メチルデカナール、ドデカナール、トリデカナール、テトラデカナール、トランス-2-ヘキセナール、トランス-4-デセナール、シス-4-デセナール、トランス-2-デセナール、10-ウンデセナール、トランス-2-ウンデセナール、トランス-2-ドデセナール、3-ドデセナール、トランス-2-トリデセナール、2,4-ヘキサジエナール、2,4-デカジエナール、2,4-ドデカジエナール、5,9-ジメチル-4,8-デカジエナール、シトラール、ジメチルオクタナール、α-メチレンシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ミルテナール、ネラール、α-あるいはβ-シネンサール、マイラックアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2-メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタールなどのアルデヒド類;3-ヘプタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、2-ウンデカノン、2-トリデカノン、メチルヘプテノン、ジメチルオクテノン、ゲラニルアセトン、2,3,5-トリメチル-4-シクロヘキセニル-1-メチルケトン、ネロン、ヌートカトン、ジヒドロヌートカトン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸プロピル、ギ酸オクチル、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ネリル、ギ酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸シス-3-ヘキセニル、酢酸トランス-2-ヘキセニル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸デシル、酢酸ドデシル、酢酸ジメチルウンデカジエニル、酢酸オシメニル、酢酸ミルセニル、酢酸ジヒドロミルセニル、酢酸リナリル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸テトラヒドロムゴール、酢酸ラバンジュリル、酢酸ネロリドール、酢酸ジヒドロクミニル、酢酸テルピニル、酢酸シトリル、酢酸ノピル、酢酸ジヒドロテルピニル、酢酸2,4-ジメチル-3-シクロヘキセニルメチル、酢酸ミラルディル、酢酸ベチコール、プロピオン酸デセニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸ネリル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、プロピオン酸スチラリル、酪酸オクチル、酪酸ネリル、酪酸シンナミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ酪酸オクチル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ネリル、イソ吉草酸リナリル、イソ吉草酸テルピニル、イソ吉草酸フェニルエチル、2-メチル吉草酸2-メチルペンチル、3-ヒドロキシヘキサン酸メチル、3-ヒドロキシヘキサン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸オクチル、オクタン酸リナリル、ノナン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、安息香酸リナリル、ケイヒ酸メチル、アンゲリカ酸イソプレニル、ゲラン酸メチル、クエン酸トリエチルなどのエステル類;チモール、カルバクロール、β-ナフトールイソブチルエーテルなどのフェノール類;γ-ウンデカラクトン、δ-ドデカラクトンなどのラクトン類;酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、2-デセン酸、ゲラン酸などの酸類;アントラニル酸メチル、アントラニル酸エチル、N-メチルアントラニル酸メチル、N-2’-メチルペンチリデンアントラニル酸メチル、リガントラール、ドデカンニトリル、2-トリデセンニトリル、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、3,7-ジメチル-2,6-ノナジエノニトリル、インドール、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、チオゲラニオール、リモネンチオール、p-メンチル-8-チオールなどの含窒素・含硫化合物類;フルフリルアルコール、フルフラール、ローズオキシド、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピラン、4,7-ジヒドロ-2-イソペンチル-2-メチル-1,3-ジオキセピンなどのフラン・エーテル化合物類など公知の合成香料化合物およびミカン果皮の圧搾、溶剤抽出、水蒸気蒸留などにより得られるエキスなどを挙げることができ、これらを任意に組み合わせて混合した製剤を挙げることができる。
本件化合物と併用可能な特に好ましい化合物例として、下記群の化合物から選択される1種以上の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
(A群) アセトアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、デカナール、γ-テルピネン、リモネン、リナロール、1,3,5-ウンデカトリエン、1,3,5,7-ウンデカテトラエン、1,3,5,8-ウンデカテトラエン、ネロール、ゲラニオール、チモール、オイゲノール
(B群)トランス-2,トランス-4-ノナジエナール、トランス-2,シス-6-ノナジエナール、トランス-2,トランス-4-デカジエナール、シス-3-ヘキセナール、シス-8-テトラデセナール、1,8-シネオール、 6-メチルオクタナール、ノナナール、ウンデカナール、ドデカナール、イソチモール、インドール、シス-3-ヘキセノール、トランス-2-デセナール、トランス-2-ドデセナール、シトロネラ―ル、ワインラクトン(3,6-ジメチル-3a,4,5,7a-テトラヒドロ-3H-1-ベンゾフラン―2-オン)、α―ファルネセン、シス-ジャスモン、トランス-4,5-エポキシ-2(E)-デセナール、(2E,7Z)-トランス-4,5-エポキシデカ-2,7-ジエナール
(C群) 酢酸エチル、酪酸エチル、リナロールオキシド(フラノイド)、3-ヒドロキシ酪酸エチル、β-カリオフィレン、3-ヒドロキシヘキサン酸エチル、2-メチルプロパン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、4-メルカプト-4-メチル-2-ペンタノエート
(D群) ロタンドン、バニリン
(E群) α-ピネン、ミルセン、1-オクテン-3-オン、4-ビニルグアイアコール
なかでも、A群、B群、C群およびD群の化合物から選択される1種以上の化合物を本件化合物と併用することが、良好なミカン香味の付与効果の観点から好ましい。A群、B群およびC群に属する化合物はミカン香味の天然感の付与に有効である。A群の化合物は特にミカン果実まるごとの天然感および/またはミカンの果汁感の付与に有効であり、当該ミカンの果汁感は好ましくは搾りたてのミカンの果汁感である。B群は特にミカンの果汁感の付与に有効であり、当該ミカンの果汁感は好ましくは搾りたてのミカンの果汁感である。C群およびD群の化合物は特にミカンの果汁感の付与に有効である。E群の化合物も本件化合物と併用してよく、甘み感を伴った果実の果汁感の付与に有効である。
本発明のミカン香味付与組成物は、上述した通り、本件化合物を公知の方法によって適切な溶媒や分散媒に添加して調製することができ、本発明のミカン香味付与組成物の形態としては、本件化合物やその他成分を水溶性または油溶性の溶媒に溶解した溶液、乳化製剤、粉末製剤、その他固体製剤(固形脂など)などが好ましい。使用する溶媒や分散媒の種類に特に制限はないが、例えば以下に挙げるものを使用することができる。
水溶性溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2-プロパノール、メチルエチルケトン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシルグリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレートなどを例示することができる。これらのうち、飲食品へ使用する場合には、エタノールまたはプロピレングリコールが特に好ましい。油溶性溶媒としては、植物性油脂、動物性油脂、精製油脂類(例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの加工油脂や、トリアセチン、トリプロピオニンなどの短鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられる)、ハーコリン、各種精油、トリエチルシトレートなどを例示することができる。
また、乳化製剤とするためには、本件化合物を水溶性溶媒および乳化剤と共に乳化して得ることができる。本件化合物の乳化方法としては特に制限されるものではなく、従来から飲食品などに用いられている各種類の乳化剤、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、加工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びおよびその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キラヤサポニン、カゼインナトリウムなどの乳化剤を使用してホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて乳化処理することにより安定性の優れた乳化液を得ることができる。これら乳化剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、使用する乳化剤の種類などに応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、本件化合物1質量部に対し、約0.01~約100質量部、好ましくは約0.1~約50質量部の範囲内が適当である。また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶媒液は水の他に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、トレハロース、糖液、還元水飴などの多価アルコール類の1種類または2種類以上の混合物を添加することができる。
また、かくして得られた乳化液は、所望ならば乾燥することにより粉末製剤とすることができる。粉末化に際して、さらに必要に応じて、アラビアガム、トレハロース、デキストリン、砂糖、乳糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴などの糖類を適宜添加することもできる。これらの使用量は粉末製剤に望まれる特性などに応じて適宜に選択することができる。
[ミカン香味付与組成物の製造方法]
本発明の一態様として、本件化合物を各種消費財に添加可能な任意の組成物に添加することを含む、ミカン香味付与組成物の製造方法が提供される。各種消費財に添加可能な組成物の例としては、飲食品、香粧品、保健衛生品に添加することが可能な溶剤、抗酸化剤、色素、およびその他添加物から選択される1種以上を含む組成物が例示できる。さらに、本発明の別の一態様として、本発明のミカン香味付与組成物を他の香味付与組成物に添加することで、添加対象の香味付与組成物をミカン香味付与組成物として製造することもできる。このように製造された本発明のミカン香味付与組成物は、飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財の添加用組成物として、各種消費財の製造に用いることができる。
[消費財のミカン香味付与方法および消費財]
本発明のミカン香味付与組成物を、飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財に添加することによって、ミカン香味が付与された消費財が製造される。そのため、本発明において、各種消費財のミカン香味付与方法とは、ミカン香味が付与された消費財の製造方法ともいえる。ミカン香味付与組成物の各種消費財への添加タイミングは任意であり、ミカン香味付与組成物それ自体を飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財に添加してもよいし、1種または2種以上の他の香味付与組成物(例えば、水溶性香料組成物、乳化香料組成物、任意の香料化合物、天然精油(例えば、前掲の「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品香料」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」、および「合成香料 化学と商品知識」に記載される香料化合物)、から選択される1種以上)と併せて各種消費財に添加してもよい。
本発明のミカン香味付与組成物を添加可能な消費財はミカン香味を有しているまたは有していない各種消費財であってよい。ミカン香味と他の香味との両方を有しているまたはミカン香味を有していないが他の香味を有している消費財も、本発明のミカン香味付与組成物の添加対象としてよい。前者の例としては、ミカン香味に加えてピーチおよびアップル香味など複数のフルーツ香味を感じさせる飲食品(いわゆるミックスフルーツ味)、ミカン香味および乳様香味を感じさせる飲食品(ミカン味の乳酸菌飲料など)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、本発明のミカン香味付与組成物を添加する消費財は、その香味として少なくともミカン香味を有しているものである。
そのような消費財のうち、飲食品の具体例としては、せんべい、あられ、おこし、餅類、饅頭、ういろう、あん類、羊かん、水羊かん、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、クッキー、パイ、プリン、氷菓、アイスクリーム、アイスミルク、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディー、ピーナッツペーストまたはその他のペースト類、ホイップクリームなどの菓子または菓子素材類;パン、うどん、ラーメン、中華麺、すし、五目飯、チャーハン、ピラフ、餃子の皮、シューマイの皮、お好み焼き、たこ焼き、などのパン類、麺類、ご飯類、その他穀類;糠漬け、梅干、福神漬け、べったら漬け、千枚漬け、らっきょう、味噌漬け、たくあん漬け、および、それらの漬物の素、などの漬物類;サバ、イワシ、サンマ、サケ、マグロ、カツオ、クジラ、カレイ、イカナゴ、アユなどの魚類、スルメイカ、ヤリイカ、紋甲イカ、ホタルイカなどのイカ類、マダコ、イイダコなどのタコ類、クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ブラックタイガーなどのエビ類、タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニなどのカニ類、アサリ、ハマグリ、ホタテ、カキ、ムール貝などの貝類、などの魚介類;鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、馬肉などの畜肉類;缶詰、煮魚、佃煮、すり身、水産練り製品(ちくわ、蒲鉾、あげ蒲鉾、カニ足蒲鉾など)、フライ、天ぷら、カレー、シチュー、ビーフシチュー、ハヤシライスソース、ミートソース、マーボ豆腐、ハンバーグ、餃子、釜飯の素、スープ類(コーンスープ、トマトスープ、コンソメスープなど)、肉団子、角煮、畜肉缶詰、野菜の煮物、筑前煮、おでん、鍋物、持ち帰り惣菜類、ラーメン、そば、うどん、そうめんなどの麺類およびそれに用いるスープ、野菜スープなどの動植物原料を用いた加工食品類;卓上塩、調味塩、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、お茶漬けの素、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、めんつゆ(昆布だしまたは鰹だしなど)、ソース(中濃ソース、トマトソースなど)、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素(昆布だしまたは鰹だしなど)、複合調味料、新みりん、唐揚げ粉・たこ焼き粉などのミックス粉、などの調味料類、これらの調味料類が添加された動物性または植物性だし風味飲食品;チーズ、ヨーグルト、バター、生クリームなどの乳製品;リンゴ、ぶどう、マンゴー、桃、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)などの果汁、果肉、果粒、果皮などを用いた果実飲料;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニガウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス、ワラビ、ゼンマイなどの野菜や、これら野菜類を含む野菜系飲料、野菜スープなどの野菜含有飲食品;コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、炭酸飲料、コーラ飲料、乳酸菌飲料、乳を含む飲料(ミルクティ、カフェオレなど)、果実または果汁入り飲料(レモンティやオレンジティなどのフルーツティーなど)などの嗜好飲料品;生薬やハーブを含む飲料;コーラ飲料スポーツドリンク、ハチミツ飲料、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンクなどの機能性飲料;各種酒類風味(ビール風味、梅酒風味、チューハイ風味など)のアルコールテースト飲料などのノンアルコール嗜好飲料類(ノンアルコールビールを含むビールテイスト飲料(ビール風味飲料ともいう)、ノンアルコールチューハイなど);ワイン、焼酎、泡盛、清酒、ビール、チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒、いわゆる「第三のビール」などを含むその他醸造酒(発泡性)、リキュール(発泡性)、またはこれらを含む、アルコール飲料類;などを挙げることができる。
特に好ましい飲食品例としては、コーラ飲料、果汁入炭酸飲料、乳類入炭酸飲料、ビールテイスト飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などの食系飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒、いわゆる「第三のビール」などのその他醸造酒(発泡性)またはリキュール(発泡性)などのアルコール飲料類;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類およびそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、グミキャンデー、チューインガム、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類およびそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類;ドレッシング、たれ、ポン酢、スプレッド、ジャムなどの調味料類;を挙げることができる。
上記消費財のうち、香粧品および保健衛生品の例としては、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムなどの香水類;シャンプー、リンス、整髪料(ヘアクリーム、ポマードなど)などのヘアケア製品類;ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップグロス、化粧水、化粧用乳液、化粧用クリーム、化粧用ゲル、美容液、パック剤などの化粧品類;頭皮臭を抑制するための各種製剤(頭皮ケア剤など)、体臭抑制のための各種製剤(制汗スプレー、デオドラントシート、デオドラントクリーム、デオドラントスティックなど)、口臭抑制のための製剤(マウスウォッシュ、歯磨き剤、口臭防止効果を有するマスクなど)などのデオドラント製品類;無機塩類系、清涼系、炭酸ガス系、スキンケア系、酵素系、生薬系などの入浴剤類;サンタン製品、サンスクリーン製品などの日焼け化粧品類;フェイス用石鹸や洗顔クリームなどの洗顔料、ボディ用石鹸やボディソープ、洗濯用石鹸、洗濯用洗剤、消毒用洗剤、防臭洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、清掃用洗剤などの保健衛生用洗剤類;ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの保健衛生材料類;室内や車内などの空間臭、糞尿臭などの各種不快臭抑制のための消臭剤類;ルームフレグランスなどの芳香剤類;などを挙げることができる。
特に好ましい香粧品例としては、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムなどの香水類;シャンプー、リンス、整髪料(ヘアクリーム、ポマードなど)などのヘアケア製品類;ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップグロス、化粧水、化粧用乳液、化粧用クリーム、化粧用ゲル、美容液、パック剤などの化粧品類;頭皮臭を抑制するための各種製剤(頭皮ケア剤など)、体臭抑制のための各種製剤(制汗スプレー、デオドラントシート、デオドラントクリーム、デオドラントスティックなど)、口臭抑制のための製剤(マウスウォッシュ、歯磨き剤、口臭防止効果を有するマスクなど)などのデオドラント製品類;無機塩類系、清涼系、炭酸ガス系、スキンケア系、酵素系、生薬系などの入浴剤類;サンタン製品、サンスクリーン製品などの日焼け化粧品類;フェイス用石鹸や洗顔クリームなどの洗顔料、ボディ用石鹸やボディソープ、洗濯用石鹸、洗濯用洗剤、消毒用洗剤、防臭洗剤、柔軟剤、台所用洗剤、清掃用洗剤などの保健衛生用洗剤類;ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの保健衛生材料類;室内や車内などの空間臭、糞尿臭などの各種不快臭抑制のための消臭剤類;ルームフレグランスなどの芳香剤類;などを挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明のミカン香味付与組成物を添加した飲食品、香粧品、保健衛生品などの各種消費財中の本件化合物の濃度は、消費財の香味や所望の効果の程度などに応じて任意に決定できる。例えば、1ppt~100ppmでの範囲内が例示できる。
さらに具体的には、飲食品であれば、各種飲食品の全体質量に対して、本件化合物の濃度として1ppt~10ppmの濃度範囲において、各種飲食品にミカン香味を付与できることを発明者らは確認している。例えば、下限値を1ppt、10ppt、100ppt、1ppb、10ppb、100ppb、1ppmのいずれか、上限値を、10ppm、1ppm、100ppb、10ppb、1ppb、100ppt、10pptのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせの範囲内でよいが、これらの濃度範囲に限定されない。濃度範囲の好ましい具体例として、1ppb~1ppm、10ppb~1ppmおよび1ppb~100ppbの範囲内が挙げられる。なお、本発明のミカン香味組成物の添加対象となる飲食品の香味特性、飲食品製造時の加工条件(温度、pHなど)、喫食時の温度などに依存するが、飲食品中の本件化合物の濃度が1ppt~10ppmの範囲内においては、化合物そのものの香気が過度に突出することなく、添加対象の飲食品にミカン香味を付与できる。例えば、飲料であれば、100ppt~1ppmの範囲内、好ましくは1ppb~100ppbの範囲内が挙げられ、菓子では1ppb~10ppm、好ましくは10ppb~1ppmの範囲外が挙げられる。また、本件化合物の飲食品全体質量に対する濃度は、所望の香味付与効果に応じて前記下限を下回る濃度または前記上限を上回る濃度としてもよい。
香粧品および保健衛生品については、各種香粧品の全体質量に対して、本件化合物の濃度として10ppb~100ppmの濃度範囲において、各種香粧品にミカン香味を付与できることを発明者らは確認している。より具体的には、下限値を10ppb、100ppb、1ppm、10ppmのいずれか、上限値を100ppm、10ppm、1ppm、100ppbのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせの範囲内でよいが、これらに限定されない。濃度範囲の好ましい具体例として、10ppb~10ppm、100ppb~10ppmおよび10ppb~1ppmの範囲内が挙げられるが、これらに限定されない。なお、添加当該対象の香粧品の種類や香気にも依存するが、当該香粧品中の本件化合物の濃度が10ppb~100ppmにおいて、化合物そのものの香気が過度に突出することなく、当該添加対象の香粧品または保健衛生品にミカン香味を付与でき、例えば、本件化合物の種類に応じて、10ppb~100ppmの範囲内で香粧品または保健衛生品の全体質量に対する濃度を調整してもよい。また、本件化合物の香粧品または保健衛生品全体質量に対する濃度は、所望の香味付与効果に応じて前記下限を下回る濃度または前記上限を上回る濃度としてもよい。本段落で例示した濃度は、本件化合物を複数添加する場合はその合計濃度であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] ミカン香味付与組成物の製造例
本件化合物として、桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、桂皮酸、3-フェニルプロピオン酸メチル、3-フェニルプロピオン酸エチル、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、およびフェニル酢酸エチルの各化合物の市販品を用意し、各化合物を95%エタノールに溶解させて、任意の濃度の本件化合物のエタノール溶液を調製し、下記表1の通り、本発明の一態様に係るミカン香味付与組成物とした(本発明品1-1~1-8)。
Figure 2024008466000001
次いで、市販のウンシュウミカンの精油(以下、市販のミカン精油ということがある)を用意した。ここに、本発明品1-1~1-8を、本件化合物の最終濃度が100ppt、1ppm、または1%となるように前記市販のミカン精油に添加して、本発明の一態様に係るミカン香味付与組成物を調製し(本発明品1-9~1-32)、これらの香気について経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト12人による官能評価を行った。官能評価では、前記市販のミカン精油を比較品1として、本発明品1-9~1-32の香味について下記基準で点数付けさせるとともに、比較品1と異なると感じられた香気特徴を挙げさせた。ここで天然感とは、ミカン果実まるごとを絞ったような甘さのある爽やかな香気を感じさせる感覚を意味する。
(基準)比較品と比べたミカンの天然感について
「大幅に増加した」=4点
「増加した」=3点
「わずかに増加した」=2点
「増加が感じられなかった」=1点
表2に、パネリスト12人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2024008466000002
表2に示すように、本発明品1-1~1-8を添加した本発明品1-9~1-32はいずれも、ミカン果実の搾りたてを思わせる、甘くみずみずしい天然感あふれる香りを示した。中でも、本発明品1-1、1-3および1-7を配合したものが天然感の点数が高かった。
本発明品1-9~1-32はいずれも、他の香味付与組成物や飲食品、香粧品などの各種消費財に添加してこれらにミカン香味を付与することができる。
[実施例2] 消費財へのミカン香味付与例(1)
市販品の温州ミカンジュース(濃縮還元果汁100%、Bx9.5°、pH3.4、酸度0.8%asC.A)を用意した。そこに、実施例1で調製した本発明品1-1~1-8を、本件化合物の飲料中の最終濃度が1ppt、10ppb、1ppmとなるように市販品に添加して、本発明の一態様に係るミカン飲料を得た(本発明品2-1~2-24)。
得られた各飲料の香味について経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト10人による官能評価を行った。官能評価では、市販の温州ミカンジュースを比較品2として、本発明品の飲料の香味について下記基準で点数付けさせるとともに、比較品2と異なると感じられた香味について自由にコメントさせた。
(基準)比較品と比べたミカンの天然感について
「大幅に増加した」=4点
「増加した」=3点
「わずかに増加した」=2点
「増加が感じられなかった」=1点
表3に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。コメント中、混濁感とは、果実を手搾りして得た、繊維など不溶分も混濁した濁った果汁のような濃い果汁感を含む感覚を意味し、繊維感とは、繊維質を含むような香味を含む感覚を意味する。
Figure 2024008466000003
表3に示すように、本件化合物を有効成分として含有する本発明品1-1~1-8を添加することで、添加対象に良好なミカン香味を付与できることが確認された。
[実施例3] 消費財へのミカン香味付与例(2)
下記処方の材料を用意し、ゼラチン60gに水50gを加え、膨潤後、約60℃に加熱溶解しゼラチン溶液を調製した。一方、グラニュー糖400g、水あめ400g、水200gの混合物を加熱溶解し、110℃になるまで煮詰めて調製した。その後、冷却し約100℃になったところで上記ゼラチン溶液を加えて混合し、次にミカン濃縮果汁とクエン酸とを混合し、そこに本発明品1-1~1-8のそれぞれを、最終濃度500ppbとなるように添加して、グミキャンデー用組成物を調製した。そして、スターチモールド型に充填し、乾燥後、脱型して、本発明品の一態様に係るグミキャンデーを得た(本発明品3-1~3-8)。なお、本明細書ではグミキャンデーをグミと呼ぶこともある。
(グミキャンデー用組成物)
成分 質量部
グラニュー糖 400
水あめ 400
水 200
ゼラチン 60
水 50
ミカン濃縮果汁(Bx64°) 1.5
クエン酸 10
また、本発明品1-1~1-8のいずれも添加しなかった以外は本発明品3-1~3-8と同様にして、比較品3のグミキャンデーを得た。
そして、得られた本発明品のグミキャンデーの香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト10人による官能評価を行った。官能評価では、比較品3のグミキャンデー(本発明品1-1~1-8のいずれも添加していないもの)と比べた本発明品のグミキャンデーの香味について下記基準で点数付けさせるとともに、比較品と異なると感じられた香味について自由にコメントさせた。
(基準)比較品と比べたミカンの天然感について
「大幅に増加した」=4点
「増加した」=3点
「わずかに増加した」=2点
「増加が感じられなかった」=1点
表4に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2024008466000004
表4に示すように、本発明品はいずれも、市販のミカン濃縮果汁のみを用いた比較品3よりもミカン香味が強く付与されており、本発明のミカン香味付与組成物のミカン香味付与効果が確認された。
また、濃度を500ppbから10ppmに変えた以外は同様にしてグミキャンデーを調製して(本発明品3-9~3-16)、本発明品3-1~3-8と同様にして比較品3と比べた香味について官能評価を行ったところ、濃度10ppmにおいても、パネリスト全員が、ミカン香味が付与されたと評価し、ミカン果実の搾りたて果汁のようなジューシーさが感じられたとコメントした。また、500ppbの場合に比べて、繊維質を含むような香味(繊維感)、混濁感、甘み感が強調されており濃厚な果汁感が感じられたとコメントした。このように、添加対象によっては比較的高い濃度が好ましい場合があることが確認された。
[実施例4] 消費財へのミカン香味付与例(3)
ゼリーを調製するため下記処方の材料をよく混合してゼリー用組成物を調製し、そこに実施例1で調製した本発明品1-1~1-8のそれぞれを、最終濃度100ppbとなるように添加して、常法に従ってミカン風味ゼリーを調製し、本発明の一態様に係るゼリーを得た(本発明品4-1~4-8)。
一方で、本発明品1-1~1-8のいずれも添加しなかった以外は本発明品4-1~4-8と同様にしてミカン風味ゼリーを調製した(比較品4)。
(ゼリー用組成物)
成分 質量部
グラニュー糖 60
ソルビトール 12
ミカン濃縮果汁(Bx64°) 5
寒天 1
クエン酸(結晶) 0.3
水にて合計量を100とした
そして、得られた本発明品4-1~4-8のゼリーの香味について、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト10人による官能評価を行った。官能評価では、比較品4のゼリーと比べた本発明品のゼリーの香味について下記基準で点数付けさせるとともに、比較品と異なると感じられた香味について自由にコメントさせた。
(基準)比較品と比べたミカンの天然感について
「大幅に増加した」=4点
「増加した」=3点
「わずかに増加した」=2点
「増加が感じられなかった」=1点
表5に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 2024008466000005
表5に示すように、本発明品はいずれも、本件化合物を含まない香料組成物を用いた比較品4よりもミカン香味が強く付与されており、本発明のミカン香味付与組成物のミカン香味付与効果が確認された。
また、濃度を100ppbから1ppmに変えた以外は同様にしてゼリーを調製して(本発明品4-9~4-16)、本発明品4-1~4-8と同様にして比較品4と比べた香味について官能評価を行ったところ、濃度1ppmにおいても、パネリスト全員が、ミカン香味が付与されたと評価し、ミカン果実の搾りたて果汁のようなジューシーさが感じられたとコメントした。また、100ppbの場合に比べて、繊維感、混濁感、甘み感が強調されており濃厚な果汁感が感じられたとコメントした。このように、添加対象によっては比較的高い濃度が好ましい場合があることが確認された。
[実施例5] 消費財へのミカン香味付与例(4)
下記に示す飲食品を用意し、実施例1で調製した本発明品1-1~1-8のそれぞれを、そこに本件化合物の最終濃度が10ppbとなるように添加して、本発明の一態様に係る飲食品(本発明品5-1~5-40)を得た。
・飲食品1:ミカン風味の炭酸飲料(成分等概要:ミカン果汁、糖類、酸味料、Bx10°、pH3.6、酸度0.12%asC.A、ガス圧0.20MPa)
・飲食品2:ミカン風味のチューハイ(成分等概要:ミカン果汁、ウオッカ、糖類、酸味料、アルコール分5%、Bx6°、pH3.5、酸度0.30%asC.A、ガス圧0.20MPa)
・飲食品3:ミカン風味のスポーツドリンク(成分等概要:ミカン果汁、糖類、食塩、酸味料、甘味料、Bx3°、pH3.5、酸度0.15%asC.A)
・飲食品4:ミカン風味の機能性飲料(成分等概要:ミカン果汁、糖類、酸味料、ビタミン類、Bx5°、pH3.5、酸度0.40%asC.A)
・飲食品5:ミカン風味のプロテイン飲料(成分等概要:たんぱく質含量15g/1食分、ミカン果汁)
そして、用意した飲食品1~5をそれぞれ比較品5-1~5-5として、経験年数10年以上のよく訓練されたパネリスト10人による官能評価を行った。官能評価では、比較品と比べた本発明品の香味について下記基準で点数付けさせるとともに、添加によって得られたと感じられた香味の変化を挙げさせた。
(基準)比較品と比べたミカンの果汁感について
「大幅に増加した」=4点
「増加した」=3点
「わずかに増加した」=2点
「増加が感じられなかった」=1点
表6に、パネリスト10人の点数平均および代表的なコメントを示す。コメントでは、「低減」と記載のないものは付与されたことを意味する。
Figure 2024008466000006
表6に示すように、本発明のミカン香味付与組成物を添加することで、添加対象にミカン香味を付与でき、ミカン香味を改善できることが確認された。また、各比較品から感じられる異味の低減効果も確認された。
[実施例6] 消費財へのミカン香味付与例(5)
市販のミカンジャムを用意し、ここに本発明品1-1~1-8のそれぞれを当該市販品全量に対して200ppbの濃度となるように添加したミカンジャムを調製し、本発明品6-1~6-8とした。
そして、市販のミカンジャムを比較品6として、比較品6と比べた本発明品6-1~6-8の香味について、よく訓練された経験年数7年以上のパネリスト5名による官能評価を行った。その結果、パネリスト5名全員が、本発明品は比較品6と比べてミカン果汁特有の爽やかな酸味感と甘み感のある香味が強く感じられ、ミカン果実を絞って得た繊維の混濁したような濃く甘みのある果汁感が感じられ、果肉または果汁の使用量が増えたような感覚であったと評価した。
[実施例7] 消費財へのミカン香味付与例(6)
シャーベットを調製するため下記処方の材料をよく混合してシャーベット用組成物を調製し、そこに実施例1で調製した本発明品1-1~1-8のそれぞれを、最終濃度50ppbとなるように添加して、常法に従ってミカン風味シャーベットを調製して本発明の一態様に係るシャーベットを得た(本発明品7-1~7-8)。
一方で、本件化合物を添加しなかった以外は本発明品7-1~7-8と同様にしてシャーベット用組成物を調製し、常法に従ってミカン風味シャーベットを調製した(比較品7)。
(シャーベット用組成物)
成分 質量部
砂糖 10
水飴(75%) 6
果糖ぶどう糖液糖(75%) 5
クエン酸(結晶) 0.1
ミカン濃縮果汁(Bx64°) 10
水にて合計量を100とした
そして、比較品7と比べた本発明品7-1~7-8の香味について、よく訓練された経験年数10年以上のパネリスト7名による官能評価を行った。その結果、パネリスト7名全員が、本発明品7-1~7-8はいずれも、比較品7と比べてミカン果汁特有の爽やかな酸味感と甘み感のある香味が強く感じられミカン果実を絞って得た繊維の混濁したような濃い果汁感が感じられ、果汁または果汁の使用量が増えたような感覚であったと評価した。
[実施例8] 消費財へのミカン香味付与例(7)
市販のミカンの香りのせっけんを用意した。そして、せっけんのうち10gを約900mLの約39℃の湯に溶かしてせっけん液を調製し、約100mLずつプラスチック容器に分注し、せっけん液入りプラスチック容器を9個用意した。そのうちの8個のせっけん液入り容器それぞれに、本発明品1-1~1-8のそれぞれを、本件化合物の濃度がせっけん液全量に対して1ppmの濃度となるように添加し、本発明の一態様に係るせっけん液を得た(本発明品8-1~8-8)。そして、前記プラスチック容器から30cm程度離れた位置で、せっけん液から感じられる香気について官能評価を行った。官能評価では、また、本件化合物を添加していない残り1個のプラスチック容器中のせっけん液を比較品8として、比較品8と比べた本発明品8-1~8-8の香気について、よく訓練された経験年数7年以上のパネリスト5名による官能評価を行った。
その結果、パネリスト5名全員が、本発明品は比較品8と比べてミカン果汁特有の爽やかな酸味感と渋さの抑えられた甘み感のある香りが強く感じられ、ミカン果実を絞ったときに感じられるような香りであり、その香りが長く持続したとコメントした。
[実施例9]ミカン香味付与組成物に使用しうる他の化合物の例
本件化合物と併用することで、本発明のミカン香味付与組成物のミカン香味付与効果を高めることのできる化合物例として、下記A群に記載の化合物の1種を任意の濃度で含有するエタノール溶液を用意した。そして、実施例2で、市販品のミカンジュースに本発明品1-1~1-8のそれぞれを10ppb添加したもの(本発明品2-2、本発明品2-5、本発明品2-8、本発明品2-11、本発明品2-14、本発明品2-17、本発明品2-20、本発明品2-23)に対し、A群の化合物のそれぞれを、下記表7のとおりの最終濃度となるように添加して本発明の一態様に係るミカンジュースを得た(本発明品9-1~9-112)。
(A群) アセトアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、デカナール、γ-テルピネン、リモネン、リナロール、1,3,5-ウンデカトリエン、1,3,5,7-ウンデカテトラエン、1,3,5,8-ウンデカテトラエン、ネロール、ゲラニオール、チモール、オイゲノール
Figure 2024008466000007
そして、得られた本発明のミカンジュース(本発明品9-1~9-112)の香味について官能評価を行った。官能評価では、4名の経験年数5年以上のパネリストに、A群の化合物を添加していないミカンジュースのそれぞれ(本発明品2-2、本発明品2-5、本発明品2-8、本発明品2-11、本発明品2-14、本発明品2-17、本発明品2-20、本発明品2-23)と、A群の化合物を添加した本発明品9-1~9-112とを比べたミカンの天然感について評価させた。その結果、本発明品9-1~9-112すべてについて、A群の化合物を添加しなかったものよりもミカンの天然感をより感じられるようになったとパネリスト全員が評価し、本発明品9-1~9-112で天然感をより感じさせるに至った香味として、果汁感(特に搾りたての果汁感)、果皮感、さのう感、甘み感、混濁感の少なくとも1つがより増したと評価した。

Claims (10)

  1. 下記I群から選択される1種以上の化合物を有効成分として含有する、ミカン香味付与組成物。
    (I群) 桂皮酸エチル、桂皮酸メチル、桂皮酸、3-フェニルプロピオン酸メチル、3-フェニルプロピオン酸エチル、3-フェニルプロピオン酸、フェニル酢酸、フェニル酢酸エチル
  2. 前記I群の化合物を100ppt~1%の濃度で含有する、請求項1に記載のミカン香味付与組成物。
  3. 前記ミカン香味がミカンの果汁感である、請求項1または2に記載のミカン香味付与組成物。
  4. 前記ミカンの果汁感がミカンの搾りたての果汁感である、請求項1または2に記載のミカン香味付与組成物。
  5. さらに下記A群から選択される1種以上の化合物を含有する、請求項1または2に記載のミカン香味付与組成物。
    (A群) アセトアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、デカナール、γ-テルピネン、リモネン、リナロール、1,3,5-ウンデカトリエン、1,3,5,7-ウンデカテトラエン、1,3,5,8-ウンデカテトラエン、ネロール、ゲラニオール、チモール、オイゲノール
  6. さらに甘み後引き、苦み感、酸刺激感、プロテイン臭のいずれか1種以上の低減効果を奏する、請求項1または2に記載のミカン香味付与組成物。
  7. 請求項1に記載のミカン香味付与組成物を他の香味付与組成物に配合することを含む、香味付与組成物のミカン香味付与方法。
  8. 請求項1に記載のミカン香味付与組成物を消費財に添加することを含む、消費財のミカン香味付与方法。
  9. 前記添加によって前記消費財中の前記化合物の濃度が1ppt~100ppmとなる、請求項8に記載の消費財のミカン香味付与方法。
  10. 請求項1に記載のミカン香味付与組成物を添加してなる消費財。
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