JP6915021B2 - ヨーグルト様飲料、容器詰め飲料およびヨーグルト様飲料の後味改善方法 - Google Patents
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かかるヨーグルト様飲料には、乳酸菌などの微生物を用いて乳原料を発酵させてなる酸性乳を含むタイプの飲料と、フレーバー等の香料成分を用いてヨーグルト様の風味を付与したフレーバータイプの飲料とがある。
酸性乳を含むタイプの飲料としては、たとえば、特許文献1に、牛乳を混合することにより、乳酸菌飲料と、乳酸とを含む特有の乳風味酸性飲料を得る技術が開示されている。
乳酸と、
リン原子を有する化合物と、
クエン酸と、
を含むヨーグルト様飲料であって、
前記リン原子を有する化合物が、リン酸塩またはリン酸エステルであり、
当該ヨーグルト様飲料のクエン酸酸度の値を100とした時に、前記クエン酸に由来するクエン酸酸度の値が60以上98以下であり、
当該ヨーグルト様飲料のpHが2.8以上4.0以下であり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量をA(質量%)とし、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子を有する化合物中のリン原子量をB(質量%)としたとき、A/Bの値が、1.2以上25以下であり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量Aが0.0075質量%以上0.035質量%以下であり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子量Bが0.001質量%以上0.015質量%以下である、ヨーグルト様飲料が提供される。
前記リン原子を有する化合物が、リン酸塩またはリン酸エステルであり、
当該ヨーグルト様飲料のクエン酸酸度の値を100とした時に、前記クエン酸に由来するクエン酸酸度の値が60以上98以下であり、
当該ヨーグルト様飲料のpHが2.8以上4.0以下となり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量をA(質量%)とし、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子を有する化合物中のリン原子量をB(質量%)としたとき、A/Bの値が、1.2以上25以下であり、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量Aが0.0075質量%以上0.035質量%以下であり、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子量Bが0.001質量%以上0.015質量%以下となるように調整する工程を含む、ヨーグルト様飲料の後味改善方法が提供される。
本実施形態に係るヨーグルト様飲料(以下、「本ヨーグルト様飲料」とも示す。)は、乳酸と、リン原子を有する化合物と、を含むものである。そして、本ヨーグルト様飲料のpHは、2.8以上4.0以下である。また、本ヨーグルト様飲料は、当該ヨーグルト様飲料全量に対する乳酸の含有量をA(質量%)とし、当該ヨーグルト様飲料全量に対するリン原子を有する化合物中のリン原子量をB(質量%)としたとき、A/Bの値が、0.9以上32以下となるように制御されたものである。こうすることで、止渇性と嗜好性とを両立したヨーグルト様飲料を実現することができる。
ここで、牛乳や酸性乳を含むタイプの従来のヨーグルト様飲料は、乳原料に由来する成分(乳タンパク質)による影響で白濁しているものがほとんどである。そのため、従来のヨーグルト様飲料の波長650nmにおける吸光度は、通常、1以上の値を示す場合が殆どである。また、ヨーグルト様飲料とは異なるが、止渇飲料の1種として知られている従来のスポーツ飲料の波長650nmにおける吸光度は、通常、0.2程度の値を示す場合がほとんどである。
このことから、本ヨーグルト様飲料は、従来のヨーグルト様飲料と比べて、極めて高い透明度を示す飲料であるといえる。
また、別の観点において、本ヨーグルト様飲料は、従来のスポーツドリンクと同程度の透明性、または該スポーツドリンクよりも高い透明性を示すものであるといえる。そのため、本ヨーグルト様飲料は、少なくとも該飲料の見栄えという点において、止渇飲料として消費者に好まれるレベルの透明性を示すものであるともいえる。
なお、リン原子を有する化合物中のリン原子量は、原子吸光法を用いて測定することができる。
本ヨーグルト様飲料を充填する容器は、飲料業界で公知の密封容器であれば、その素材は、適宜選択して用いることができる。その具体例としては、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。さらに高清澄飲料を外観から観察し、透明性、色などを確認できる観点から、容器の色としては、透明であることが好ましく、無色透明であることがより好ましい。また、取扱性、流通性、携帯性等の観点から、ペットボトルであることが好ましい。
本実施形態に係るヨーグルト様飲料の後味改善方法は、乳酸と、リン原子を有する化合物と、を含むことを前提としている飲料について、スッキリさという点での後味を改善するものである。具体的には、乳酸とリン原子を有する化合物を含むことを前提としている本実施形態に係るヨーグルト様飲料の後味改善方法は、上記ヨーグルト様飲料のpHが2.8以上4.0以下となり、上記ヨーグルト様飲料全量に対する乳酸の含有量をA(質量%)とし、上記ヨーグルト様飲料全量に対するリン原子を有する化合物中のリン原子量をB(質量%)としたとき、A/Bの値が、0.9以上32以下となるように調整する工程を含むものである。
表1に示す配合比率となるように、各成分を以下の手順で配合した。
まず、果糖ぶどう糖液糖と、グラニュー糖と、食塩とを、予め水に溶解させてから添加混合した。次いで、得られた混合液に対して、ヨーグルト特有の香味感を付与すべく、ヨーグルトフレーバーを含む香料およびエタノールが混合した溶液を添加し、乳酸水溶液とリン原子を有する化合物(リン酸水素2ナトリウム(無水))とを添加混合した。その後、得られた混合液のpHおよびクエン酸酸度(質量%)が表1に示す値となるように、無水クエン酸およびクエン酸三ナトリウムからなる所定量の酸味料を添加混合することにより調整し、ヨーグルト様飲料を作製した。
次に、得られたヨーグルト様飲料に対して、95℃で30秒間の加熱殺菌処理を実施した。次いで、加熱殺菌処理後5秒以内に、得られた殺菌処理済みヨーグルト様飲料の液温が80℃となるように、10秒間弱の冷却処理を施してから該飲料を透明な容器に充填し、2分間保持した。その後、かかるヨーグルト様飲料の液温が20℃となるように水冷し、容器詰めヨーグルト様飲料を得た。
リン原子を有する化合物として、リン酸水素2ナトリウム(無水)の替わりにフィチン酸とし、表1に示す配合比率となるように、無水クエン酸、リン原子を有する化合物を添加した点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨーグルト様飲料および容器詰めヨーグルト様飲料を作製した。なお、香料の含有量は、実施例1と同量とした。
リン原子を有する化合物として、リン酸水素2ナトリウム(無水)の替わりにリン酸水溶液(リン酸含有量:85質量%)とし、表1に示す配合比率となるように、無水クエン酸、リン原子を有する化合物を添加した点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨーグルト様飲料および容器詰めヨーグルト様飲料を作製した。なお、香料の含有量は、実施例1と同量とした。
リン原子を有する化合物として、リン酸水素2ナトリウム(無水)の替わりにリン酸水溶液(リン酸含有量:85質量%)とし、表1に示す配合比率となるように、無水クエン酸、乳酸水溶液、リン原子を有する化合物を添加した点以外は、実施例1と同様の方法で、ヨーグルト様飲料および容器詰めヨーグルト様飲料をそれぞれ作製した。なお、香料の含有量は、いずれも、実施例1と同量とした。
乳酸水溶液とリン原子を有する化合物とを添加混合せず、表1に示す配合比率となるように、無水クエン酸を添加した以外は、実施例1と同様の方法で、ヨーグルト様飲料および容器詰めヨーグルト様飲料を作製した。なお、香料の含有量は、実施例1と同量とした。
リン原子を有する化合物を添加混合せず、表1に示す配合比率となるように、無水クエン酸を添加した以外は、実施例1と同様の方法で、ヨーグルト様飲料および容器詰めヨーグルト様飲料を作製した。なお、香料の含有量は、実施例1と同量とした。
・ブリックス値:糖用屈折計示度「RX−5000α」株式会社アタゴ製を用いてブリックス値を測定した。飲料の液温は20℃とした。
7点:コントロール品と比べて、とてもおいしかった。
6点:コントロール品と比べて、おいしかった。
5点:コントロール品と比べて、ややおいしかった。
4点:コントロール品と同等のおいしさであった。
3点:コントロール品と比べて、おいしさという点にやや欠けていた。
2点:コントロール品と比べて、おいしさという点に欠けていた。
1点:コントロール品と比べて、おいしさという点にとても欠けていた。
7点:コントロール品と比べて、ヨーグルト感という点において、とても優れた飲料であった。
6点:コントロール品と比べて、ヨーグルト感という点において、優れた飲料であった。
5点:コントロール品と比べて、ヨーグルト感という点において、やや優れた飲料であった。
4点:コントロール品と同等のヨーグルト感を呈する飲料であった。
3点:コントロール品と比べて、ヨーグルト感にやや欠ける飲料であった。
2点:コントロール品と比べて、ヨーグルト感に欠ける飲料であった。
1点:コントロール品と比べて、ヨーグルト感にとても欠ける飲料であった。
7点:コントロール品と比べて、後味のスッキリさという点において、とても優れた飲料であった。
6点:コントロール品と比べて、後味のスッキリさという点において、優れた飲料であった。
5点:コントロール品と比べて、後味のスッキリさという点において、やや優れた飲料であった。
4点:コントロール品と同等の後味のスッキリさを示す飲料であった。
3点:コントロール品と比べて、後味のスッキリさにやや欠ける飲料であった。
2点:コントロール品と比べて、後味のスッキリさに欠ける飲料であった。
1点:コントロール品と比べて、後味のスッキリさにとても欠ける飲料であった。
7点:コントロール品と比べて、コクという点において、とても優れた飲料であった。
6点:コントロール品と比べて、コクさという点において、優れた飲料であった。
5点:コントロール品と比べて、コクという点において、やや優れた飲料であった。
4点:コントロール品と同等のコクを示す飲料であった。
3点:コントロール品と比べて、ややコクに欠ける飲料であった。
2点:コントロール品と比べて、コクに欠ける飲料であった。
1点:コントロール品と比べて、とてもコクに欠ける飲料であった。
7点:コントロール品と比べて、酸味の強さという点において、とても優れた飲料であった。
6点:コントロール品と比べて、酸味の強さという点において、優れた飲料であった。
5点:コントロール品と比べて、酸味の強さという点において、やや優れた飲料であった。
4点:コントロール品と同等の酸味の強さを示す飲料であった。
3点:コントロール品と比べて、やや酸味の強さに欠ける飲料であった。
2点:コントロール品と比べて、酸味の強さに欠ける飲料であった。
1点:コントロール品と比べて、とても酸味の強さに欠ける飲料であった。
Claims (9)
- 乳酸と、
リン原子を有する化合物と、
クエン酸と、
を含むヨーグルト様飲料であって、
前記リン原子を有する化合物が、リン酸塩またはリン酸エステルであり、
当該ヨーグルト様飲料のクエン酸酸度の値を100とした時に、前記クエン酸に由来するクエン酸酸度の値が60以上98以下であり、
当該ヨーグルト様飲料のpHが2.8以上4.0以下であり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量をA(質量%)とし、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子を有する化合物中のリン原子量をB(質量%)としたとき、A/Bの値が、1.2以上25以下であり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量Aが0.0075質量%以上0.035質量%以下であり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子量Bが0.001質量%以上0.015質量%以下である、ヨーグルト様飲料。 - 当該ヨーグルト様飲料のブリックス値が10°以下である、請求項1に記載のヨーグルト様飲料。
- 前記リン酸エステルがフィチン酸である、請求項1または2に記載のヨーグルト様飲料。
- 当該ヨーグルト様飲料の波長650nmにおける吸光度が0.2以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヨーグルト様飲料。
- 当該ヨーグルト様飲料の波長650nmにおける吸光度が0.02以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のヨーグルト様飲料。
- 香料をさらに含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のヨーグルト様飲料。
- 当該ヨーグルト様飲料のクエン酸酸度が0.05質量%以上0.3質量%以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のヨーグルト様飲料。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載されたヨーグルト様飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料。
- 乳酸と、リン原子を有する化合物と、クエン酸と、を含むヨーグルト様飲料の後味改善方法であって、
前記リン原子を有する化合物が、リン酸塩またはリン酸エステルであり、
当該ヨーグルト様飲料のクエン酸酸度の値を100とした時に、前記クエン酸に由来するクエン酸酸度の値が60以上98以下であり、
当該ヨーグルト様飲料のpHが2.8以上4.0以下となり、
当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量をA(質量%)とし、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子を有する化合物中のリン原子量をB(質量%)としたとき、A/Bの値が、1.2以上25以下であり、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記乳酸の含有量Aが0.0075質量%以上0.035質量%以下であり、当該ヨーグルト様飲料全量に対する前記リン原子量Bが0.001質量%以上0.015質量%以下となるように調整する工程を含む、ヨーグルト様飲料の後味改善方法。
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