JP2021166549A - 鉄含有飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ピロリン酸第二鉄を含む飲料に関して、ピロリン酸第二鉄に起因する飲用後の刺激が軽減された飲料を提供することを目的とする。【解決手段】ピロリン酸第二鉄を含有する飲料に対してナトリウムを配合し、飲料中の鉄の含有量を0.2〜2.0mg/100mlに調整し、ナトリウムの含有量を40〜115mg/100mlに調整し、飲料のpHを2〜5に調整し、さらに、飲料の浸透圧を200〜550mOsm/kg・H2Oに調整する。【選択図】なし
Description
本発明は、ピロリン酸第二鉄を含有する飲料に関する。より詳細には、本発明は、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激が軽減された飲料に関する。
鉄は、赤血球の産生に必要不可欠な栄養素であるものの、日本人における鉄の摂取量は不足している傾向にある。そこで、鉄分不足を解消するため、鉄が配合された様々な栄養補助食品(サプリメントや飲料)が販売されている。しかしながら、鉄が配合された飲料においては、鉄由来の臭いや苦味から飲料の嗜好性が低下することが従来から問題とされていた。日本国内で食品添加物として飲料への使用が認められている鉄剤のうち、3価鉄、特にピロリン酸第二鉄は比較的鉄由来の臭いや苦味が弱いことが知られている。一方、ピロリン酸第二鉄を含有した飲料に関して、鉄味の発生を抑制することを目的として、非還元性糖質及び/又は高甘味度甘味料を飲料に含有させる方法が報告されている(特許文献1)。
ピロリン酸第二鉄が配合された飲料は、クエン酸鉄アンモニウムなどの他の鉄剤を用いた場合と比較して、鉄由来の苦味は弱く、飲みやすいことが知られている。しかしながら、ピロリン酸第二鉄が配合された飲料であっても、300〜600ml程度の量を飲み続けると飲用後の舌に刺激が残ることが判明した。そこで、本発明は、ピロリン酸第二鉄を含む飲料に関して、ピロリン酸第二鉄に起因する飲用後の刺激が軽減された飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ピロリン酸第二鉄を含む飲料において飲料のpH及び浸透圧を所定の範囲に調整し、さらに所定量のナトリウムを添加することによって、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激が軽減されることを見出した。かかる知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
(1)ピロリン酸第二鉄及びナトリウムを含有する飲料であって、
(a)鉄の含有量が0.2〜2.0mg/100mlであり、
(b)ナトリウムの含有量が40〜115mg/100mlであり、
(c)飲料のpHが2〜5であり、
(d)飲料の浸透圧が200〜550mOsm/kg・H2Oである、
上記飲料。
(2)容器詰め飲料である、(1)に記載の飲料。
(3)容器の容量が300〜600mlである、(2)に記載の飲料。
(1)ピロリン酸第二鉄及びナトリウムを含有する飲料であって、
(a)鉄の含有量が0.2〜2.0mg/100mlであり、
(b)ナトリウムの含有量が40〜115mg/100mlであり、
(c)飲料のpHが2〜5であり、
(d)飲料の浸透圧が200〜550mOsm/kg・H2Oである、
上記飲料。
(2)容器詰め飲料である、(1)に記載の飲料。
(3)容器の容量が300〜600mlである、(2)に記載の飲料。
本発明によって、ピロリン酸第二鉄を含む飲料に関して、ピロリン酸第二鉄に起因する飲用後の刺激が軽減された飲料を提供することができる。本発明の技術を利用することに
よって、ピロリン酸第二鉄による飲用後の刺激が感じられにくい嗜好性の高い飲料を提供することができる。
よって、ピロリン酸第二鉄による飲用後の刺激が感じられにくい嗜好性の高い飲料を提供することができる。
本発明の飲料は、ピロリン酸第二鉄の配合により高濃度の鉄を飲料に含有させることができるため、近年の日本人に不足しがちな鉄分の体内補給を行う上で有用である。また、近年では市場で販売されている飲料の多くは300〜600ml容量の容器に充填されており、本発明の飲料はこのような容量の容器に充填して飲用することも可能である。本発明の飲料は、市場で多く利用される容量の容器詰め飲料を1本飲用したときのドリンカビリティーを満たすことができる。
本発明の飲料について、以下に説明する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「%」は重量/重量(w/w)の%を意味する。また、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を包含するものとする。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
本発明の一態様は、ピロリン酸第二鉄及びナトリウムを含有する飲料であって、
(a)鉄の含有量が0.2〜2.0mg/100mlであり、
(b)ナトリウムの含有量が40〜115mg/100mlであり、
(c)飲料のpHが2〜5であり、
(d)飲料の浸透圧が200〜550mOsm/kg・H2Oである、
上記飲料である。かかる構成を採用することによって、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激を軽減することが可能となる。
(a)鉄の含有量が0.2〜2.0mg/100mlであり、
(b)ナトリウムの含有量が40〜115mg/100mlであり、
(c)飲料のpHが2〜5であり、
(d)飲料の浸透圧が200〜550mOsm/kg・H2Oである、
上記飲料である。かかる構成を採用することによって、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激を軽減することが可能となる。
(ピロリン酸第二鉄)
本発明の飲料は、ピロリン酸第二鉄を含有する。ピロリン酸第二鉄は鉄化合物の一種であり、化学式としてFe4(P2O7)3で表され、そのCAS番号は10058−44−3である。本発明で用いられるピロリン酸第二鉄の形態は、特に限定されない。ピロリン酸第二鉄は、市販品を用いることができる。本発明においてピロリン酸第二鉄は、食品添加物として利用できるものが好ましい。本発明では特に、水に容易に分散しやすい点から、ピロリン酸第二鉄は乳化製剤であることが好ましい。使用可能なピロリン酸第二鉄としては、例えば、サンアクティブFe−12A(太陽化学)、サンアクティブFe−30(太陽化学)などが挙げられる。また、ピロリン酸第二鉄の乳化に用いられる乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチンなどが挙げられ、好ましくはグリセリン脂肪酸エステルが用いられる。
本発明の飲料は、ピロリン酸第二鉄を含有する。ピロリン酸第二鉄は鉄化合物の一種であり、化学式としてFe4(P2O7)3で表され、そのCAS番号は10058−44−3である。本発明で用いられるピロリン酸第二鉄の形態は、特に限定されない。ピロリン酸第二鉄は、市販品を用いることができる。本発明においてピロリン酸第二鉄は、食品添加物として利用できるものが好ましい。本発明では特に、水に容易に分散しやすい点から、ピロリン酸第二鉄は乳化製剤であることが好ましい。使用可能なピロリン酸第二鉄としては、例えば、サンアクティブFe−12A(太陽化学)、サンアクティブFe−30(太陽化学)などが挙げられる。また、ピロリン酸第二鉄の乳化に用いられる乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチンなどが挙げられ、好ましくはグリセリン脂肪酸エステルが用いられる。
本発明の飲料における鉄の含有量は0.2〜2.0mg/100mlである。本発明の飲料に含まれる鉄は、ピロリン酸第二鉄以外の鉄化合物(例えば、塩化第二鉄、クエン酸鉄アンモニアニウム、ピロリン酸第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸第一鉄など)に由来するものであってもよいが、全て本発明の飲料中のピロリン酸第二鉄に由来することが好ましい。そのため、ピロリン酸第二鉄の配合量は、飲料中の鉄の含有量が0.2〜2mg/100mlとなるように調整することができる。
本発明においては、飲料100mlあたり鉄を0.2〜2.0mg/100ml含有するが、鉄の含有量は、好ましくは0.3〜1.2mg/100ml、より好ましくは0.4〜0.6mg/100ml、さらに好ましは0.5〜0.6mg/100mlである。飲料中の鉄の含有量が0.2mg/100mlより少ないと、鉄分を体内補給する点では
十分な量とならない可能性がある。その一方で、2.0mg/100mlより多い場合は鉄の味が強くなりすぎて、本発明の効果が十分に得られないことがある。
十分な量とならない可能性がある。その一方で、2.0mg/100mlより多い場合は鉄の味が強くなりすぎて、本発明の効果が十分に得られないことがある。
本発明において、飲料中の鉄の含有量は、鉄がピロリン酸第二鉄のように鉄化合物の形態で添加されている場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で算出することができる。また、飲料中の鉄の含有量は、ICP発光分光分析装置を用いて、公知の方法により測定することができる。なお、必要に応じて、灰化などの前処理を行うことで測定精度を上げることができる。また、飲料中の2価鉄または3価鉄の含有量は、波長分散型蛍光X線を用いて測定することができる。
(ナトリウム)
本発明の飲料は、ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、飲食品に用いることができる塩の形態、或いはナトリウムを豊富に含む海洋深層水や海藻エキスなどの形態で飲料に添加することができる。本発明で用いることができるナトリウムの塩としては、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明においてナトリウムは、これらのナトリウム塩に由来することができる。本発明の飲料は、好ましくは塩化ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、好ましくは塩化ナトリウム由来である。
本発明の飲料は、ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、飲食品に用いることができる塩の形態、或いはナトリウムを豊富に含む海洋深層水や海藻エキスなどの形態で飲料に添加することができる。本発明で用いることができるナトリウムの塩としては、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L−アスパラギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明においてナトリウムは、これらのナトリウム塩に由来することができる。本発明の飲料は、好ましくは塩化ナトリウムを含有する。本発明においてナトリウムは、好ましくは塩化ナトリウム由来である。
本発明の飲料におけるナトリウムの含有量は40〜115mg/100mlである。飲料中のナトリウムの含有量がこの範囲にある場合、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激を効果的に軽減することができる。本発明においては、飲料100mlあたりナトリウムを40〜115mg含有するが、ナトリウムの含有量は、好ましくは40〜80mg/100mlであり、より好ましくは40〜60mg/100mlであり、さらに好ましくは40〜50mg/100mlである。
本発明において、飲料中のナトリウムの含有量は、ナトリウムが塩の形態にある場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で算出することができる。また、飲料中のナトリウムの含有量は、ICP発光分光分析装置を用いて公知の方法により測定することができる。
本発明の飲料においては、鉄の含有量(mg/100ml)に対するナトリウムの含有量(mg/100ml)の比(ナトリウム含有量/鉄含有量)は、特に限定されないが、例えば10〜100であり、好ましくは20〜90であり、より好ましくは40〜85であり、さらに好ましくは50〜85である。
(pH)
本発明の飲料のpHは2〜5である。本発明の飲料のpHは、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3〜4である。飲料のpHが5以下である場合、適度な酸味が鉄含有飲料の飲みやすさに寄与する傾向にあり、鉄を含有するにもかかわらず飲料が飲みやすくなる傾向にある。
本発明の飲料のpHは2〜5である。本発明の飲料のpHは、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3〜4である。飲料のpHが5以下である場合、適度な酸味が鉄含有飲料の飲みやすさに寄与する傾向にあり、鉄を含有するにもかかわらず飲料が飲みやすくなる傾向にある。
本発明の飲料のpH調整には、特に限定されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸などの有機酸、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのナトリウム塩、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどのカリウム塩等を用いることができる。pH調整においてナトリウム塩を用いる場合には、飲料中のナトリウムの濃度が上記の範囲となるよう、pH調整剤として使用されるナトリウム塩の量が調整される。
(浸透圧)
本発明の飲料の浸透圧は、200〜550mOsm/kg・H2Oである。上記の濃度でナトリウムを飲料に含有させるとともに飲料の浸透圧をこの範囲で調整することにより、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激を効果的に軽減することができる。飲料の浸透圧が本発明の効果に寄与するメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、飲料の浸透圧やナトリウムが味覚神経の応答に影響を及ぼしていると考えられる。
本発明の飲料の浸透圧は、200〜550mOsm/kg・H2Oである。上記の濃度でナトリウムを飲料に含有させるとともに飲料の浸透圧をこの範囲で調整することにより、飲用後に感じられるピロリン酸第二鉄由来の刺激を効果的に軽減することができる。飲料の浸透圧が本発明の効果に寄与するメカニズムは明らかではなく、特定の理論に拘束されるものではないが、飲料の浸透圧やナトリウムが味覚神経の応答に影響を及ぼしていると考えられる。
本発明の飲料の浸透圧は200〜550mOsm/kg・H2Oであるが、好ましくは200〜400mOsm/kg・H2O、より好ましくは200〜350mOsm/kg・H2Oである。飲料の浸透圧の調整は、例えば、飲料中の溶質の量を調節することにより行うことができる。例えば、飲料に対して、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、オリゴ糖、デキストリン等を添加することによって容易に飲料の浸透圧を調整することができる。なお、糖の添加によって飲料に甘味を付与することができ、例えば飲料のpHが4以下である場合には、そのような糖由来の甘味がある方が飲料の香味バランスがよくなることから、ブドウ糖、果糖、ショ糖などの甘味を有する糖を使用することが好ましい。飲料の浸透圧は、浸透圧分析装置OSMO STATION OM−6060(ARKRAY)を用いて測定することできる。
(その他の成分)
本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、甘味料、酸味料、ナトリウム及び鉄以外のミネラル、果汁、香料、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類等を配合することができる。
本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、甘味料、酸味料、ナトリウム及び鉄以外のミネラル、果汁、香料、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類等を配合することができる。
(Brix)
本発明の飲料のBrixは、特に限定されないが、例えば15%以下、好ましくは1〜9%、より好ましくは2〜6%、さらに好ましくは3〜5%である。飲料のBrixが15%を超える場合、本発明の効果が十分に発揮されにくくなることがある。飲料のBrixは、甘味料等を飲料に配合することにより調整することができる。飲料のBrixは、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrixは、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brixの単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
本発明の飲料のBrixは、特に限定されないが、例えば15%以下、好ましくは1〜9%、より好ましくは2〜6%、さらに好ましくは3〜5%である。飲料のBrixが15%を超える場合、本発明の効果が十分に発揮されにくくなることがある。飲料のBrixは、甘味料等を飲料に配合することにより調整することができる。飲料のBrixは、市販の糖度計や屈折計などを用いて測定することができる。なお、本明細書においてBrixは、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値を意味する。Brixの単位は「°Bx」、「%」または「度」で表示される。
(飲料の種類)
本発明の飲料の種類は特に限定されず、アルコール飲料であってもよく、或いはソフトドリンクなどの非アルコール飲料であってもよいが、鉄分補給ができることから、本発明の飲料は、熱中症対策飲料であることが好ましい。また、本発明の飲料は、非アルコール飲料であることが好ましい。ここで、本発明においてアルコール飲料とは、アルコール度数が1v/v%以上である飲料を意味し、一方、非アルコール飲料とはアルコール度数が1v/v%未満の飲料を意味する。非アルコール飲料としては、例えば、機能性飲料、栄養飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、スポーツ飲料、茶系飲料(穀物茶、緑茶、烏龍茶、紅茶、ブレンド茶等)、コーヒー飲料、炭酸飲料などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の飲料は、0.2mg/100ml以上という高濃度の鉄を含有することから、機能性飲料であることが好ましい。本発明の飲料に関して、鉄を関与成分とする機能性表示食品として消費者庁に認可された場合は、認可に基づく鉄の効能を飲料の容器等に表示することができる。
本発明の飲料の種類は特に限定されず、アルコール飲料であってもよく、或いはソフトドリンクなどの非アルコール飲料であってもよいが、鉄分補給ができることから、本発明の飲料は、熱中症対策飲料であることが好ましい。また、本発明の飲料は、非アルコール飲料であることが好ましい。ここで、本発明においてアルコール飲料とは、アルコール度数が1v/v%以上である飲料を意味し、一方、非アルコール飲料とはアルコール度数が1v/v%未満の飲料を意味する。非アルコール飲料としては、例えば、機能性飲料、栄養飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、スポーツ飲料、茶系飲料(穀物茶、緑茶、烏龍茶、紅茶、ブレンド茶等)、コーヒー飲料、炭酸飲料などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。本発明の飲料は、0.2mg/100ml以上という高濃度の鉄を含有することから、機能性飲料であることが好ましい。本発明の飲料に関して、鉄を関与成分とする機能性表示食品として消費者庁に認可された場合は、認可に基づく鉄の効能を飲料の容器等に表示することができる。
また、本発明の飲料は、希釈して飲用する濃縮飲料であってもよい。ここで、濃縮飲料とは、飲用時に水などの溶液で希釈して飲用する飲料を意味する。希釈する溶液の種類に
は特に制限はなく、水以外のお湯、炭酸水などであってもよい。商品の包装容器等に記載されている推奨濃度で希釈した飲料が本発明の範囲であれば、本発明の効果が得られる。
は特に制限はなく、水以外のお湯、炭酸水などであってもよい。商品の包装容器等に記載されている推奨濃度で希釈した飲料が本発明の範囲であれば、本発明の効果が得られる。
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、容器詰め飲料であることが好ましい。本発明の飲料において使用される容器の容量は特に制限されないが、本発明の効果が300〜600mlの飲料を一度に飲用し続けた場合に得られやすいことから、1本あたりの容量が300〜600mlであることが好ましく、350〜600mlであることがより好ましく、450〜550mlであることが特に好ましい。
本発明の飲料は、容器詰め飲料であることが好ましい。本発明の飲料において使用される容器の容量は特に制限されないが、本発明の効果が300〜600mlの飲料を一度に飲用し続けた場合に得られやすいことから、1本あたりの容量が300〜600mlであることが好ましく、350〜600mlであることがより好ましく、450〜550mlであることが特に好ましい。
本発明の飲料が充填される容器としては特に限定されず、例えば、プラスチックボトル(PETボトルなど)、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。中でも、軽量でかつ再栓が可能である容器、例えば、PETボトルのような容器が好ましい。
(製造方法)
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
本発明の飲料は、上述した成分を適宜配合することにより製造することができる。本発明の飲料の製造において、各種成分の配合順序は特に限定されるものではない。また、本発明の飲料の製造においては、上記に示した成分及び材料を配合する工程やそれらの含有量を調整する工程も含むことができる。本発明の飲料の製造における飲料中の成分の種類やその含有量等の各種要素については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。
また、本発明の飲料の製造においては、飲料を加熱殺菌する工程が含まれ、また、必要に応じて飲料の容器詰めを行う工程も含むことができ、これらの工程を経て、容器詰め飲料とすることができる。加熱殺菌を行う場合、その方法は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌処理の温度は特に限定されないが、例えば65〜140℃、好ましくは85〜120℃である。加熱殺菌処理の時間は特に限定されないが、例えば10〜40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5〜30秒での加熱殺菌処理でもよい。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書においては、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
<実験例1>
ピロリン酸第二鉄(サンアクティブFe−12A、太陽化学)、及びナトリウム塩として塩化ナトリウム又はクエン酸三ナトリウムを純水に添加し、さらにデキストリン(ライテス ウルトラ;Danisco USA Inc.)、果糖又は果糖ブドウ糖液糖を添加し、各種成分の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。また、飲料サンプルは、pH調整剤としてクエン酸を用いてpH3.5に調整した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に350ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。製造した飲料の浸透圧は、浸透圧分析装置OSMO STATION OM−6060(ARKRAY)を用いて測定した。
ピロリン酸第二鉄(サンアクティブFe−12A、太陽化学)、及びナトリウム塩として塩化ナトリウム又はクエン酸三ナトリウムを純水に添加し、さらにデキストリン(ライテス ウルトラ;Danisco USA Inc.)、果糖又は果糖ブドウ糖液糖を添加し、各種成分の最終濃度が下表に示した濃度となるように各種飲料サンプルを調製した。また、飲料サンプルは、pH調整剤としてクエン酸を用いてpH3.5に調整した。飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に350ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。製造した飲料の浸透圧は、浸透圧分析装置OSMO STATION OM−6060(ARKRAY)を用いて測定した。
得られた飲料サンプルについて、6名の専門パネルにて官能評価を行った。官能評価としては、350ml容器に充填された飲料サンプルを1本飲み終わった後の舌に感じるピロリン酸第二鉄由来の刺激について5段階で評価を行った(1点:比較例1−1と同程度
に刺激を感じる〜5点:刺激を感じない)。官能評価の点数は、6名の専門パネルによる評価点の平均値とした。
に刺激を感じる〜5点:刺激を感じない)。官能評価の点数は、6名の専門パネルによる評価点の平均値とした。
結果は上記の通りである。ピロリン酸第二鉄を配合し、鉄含有量が0.5〜2mg/100mlの飲料において、飲料の浸透圧とナトリウムの含有量とを所定の範囲に調整すると、飲用後の舌に感じる刺激が軽減されることがわかった。
<実験例2>
下表に示した通り、各種成分を配合して2種類の酸性飲料を調製した。なお、下表に示した成分濃度は、飲料における各種成分の最終濃度である。調製した酸性飲料はいずれも、加熱殺菌処理を行い、その後に500ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。製造した飲料はいずれもpH3.5であり、実施例2−1の飲料のBrixは5であった。また、製造した飲料の浸透圧は、浸透圧分析装置OSMO STATION OM−6060(ARKRAY)を用いて測定した。
下表に示した通り、各種成分を配合して2種類の酸性飲料を調製した。なお、下表に示した成分濃度は、飲料における各種成分の最終濃度である。調製した酸性飲料はいずれも、加熱殺菌処理を行い、その後に500ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。製造した飲料はいずれもpH3.5であり、実施例2−1の飲料のBrixは5であった。また、製造した飲料の浸透圧は、浸透圧分析装置OSMO STATION OM−6060(ARKRAY)を用いて測定した。
上記の容器詰め酸性飲料について、実験例1と同様にして、500ml容器に充填された飲料サンプルを1本飲み終わった後の舌に感じる刺激について6名の専門パネルで官能評価を行った。なお、官能評価における比較対象は比較例2−1とした。
結果は上記の通りであり、鉄含有量や甘味度が同じ飲料であっても、飲料の浸透圧を330mOsm/kg・H2Oとし、ナトリウムの含有量を40mg/100mLに調整した飲料の方が飲用後の舌に感じるピロリン酸第二鉄由来の刺激が軽減されることがわかった。
<実験例3>
飲料のpHの違いによる本発明の効果を確認した。下表の配合に従い、飲料中の鉄含有量、ナトリウム含有量、及び浸透圧は同一であって、pHがそれぞれ異なる4種類の飲料サンプルを調製した。なお、ピロリン酸第二鉄製剤は、サンアクティブFe−12A、太陽化学を用いた。各飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。
飲料のpHの違いによる本発明の効果を確認した。下表の配合に従い、飲料中の鉄含有量、ナトリウム含有量、及び浸透圧は同一であって、pHがそれぞれ異なる4種類の飲料サンプルを調製した。なお、ピロリン酸第二鉄製剤は、サンアクティブFe−12A、太陽化学を用いた。各飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。
得られた飲料サンプルについて、6名の専門パネルにて官能評価を行った。官能評価としては、500ml容器に充填された飲料サンプルを1本飲み終わった後の舌に感じるピロリン酸第二鉄由来の刺激について5段階で評価を行った(1点:刺激を感じる〜5点:刺激を感じない)。なお、官能評価においては、0.51mg/100mlの鉄含有量でピロリン酸第二鉄のみを含有する水溶液(浸透圧:0mOsm/kg・H2O)を基準とし、当該水溶液の飲用後と同程度の刺激が感じられた場合を評価点1とした。官能評価の点数は、6名の専門パネルによる評価点の平均値とした。
結果は上記の通りであり、飲料のpHが5以下であるとき、飲用後の舌に感じるピロリン酸第二鉄由来の刺激の軽減が顕著に見られることがわかった。また、専門パネルの間では、pHが5以下である飲料サンプルは、鉄を含有するにもかかわらず飲みやすいと感じられた。
<実験例4>
実験例3と同様に、飲料のpHの違いによる本発明の効果を確認した。下表の配合に従い、飲料中の鉄含有量、ナトリウム含有量、及び浸透圧は同一であって、pHがそれぞれ異なる4種類の飲料サンプルを調製した。なお、ピロリン酸第二鉄製剤は、サンアクティブFe−12A、太陽化学を用いた。各飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。
実験例3と同様に、飲料のpHの違いによる本発明の効果を確認した。下表の配合に従い、飲料中の鉄含有量、ナトリウム含有量、及び浸透圧は同一であって、pHがそれぞれ異なる4種類の飲料サンプルを調製した。なお、ピロリン酸第二鉄製剤は、サンアクティブFe−12A、太陽化学を用いた。各飲料サンプルは、加熱殺菌処理を行い、その後に500ml容器に充填し、容器詰め飲料とした。
得られた飲料サンプルについて、6名の専門パネルにて官能評価を行った。官能評価としては、500ml容器に充填された飲料サンプルを1本飲み終わった後の舌に感じるピロリン酸第二鉄由来の刺激について5段階で評価を行った(1点:刺激を感じる〜5点:刺激を感じない)。なお、官能評価においては、1.02mg/100mlの鉄含有量でピロリン酸第二鉄のみを含有する水溶液(浸透圧:0mOsm/kg・H2O)を基準とし、当該水溶液の飲用後と同程度の刺激が感じられた場合を評価点1とした。官能評価の点数は、6名の専門パネルによる評価点の平均値とした。
結果は上記の通りであり、鉄含有量が1.02mg/100mlである場合も、飲料のpHが5以下になると飲用後の舌に感じるピロリン酸第二鉄由来の刺激の軽減が顕著に見られることがわかった。また、実験例3と同様に、専門パネルの間では、pHが5以下である飲料サンプルは、鉄を含有するにもかかわらず飲みやすいと感じられた。
Claims (3)
- ピロリン酸第二鉄及びナトリウムを含有する飲料であって、
(a)鉄の含有量が0.2〜2.0mg/100mlであり、
(b)ナトリウムの含有量が40〜115mg/100mlであり、
(c)飲料のpHが2〜5であり、
(d)飲料の浸透圧が200〜550mOsm/kg・H2Oである、
上記飲料。 - 容器詰め飲料である、請求項1に記載の飲料。
- 容器の容量が300〜600mlである、請求項2に記載の飲料。
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