JP6985538B1 - 柑橘果汁飲料、その製造方法、及び柑橘果汁飲料の酸味軽減方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、オクタナール及びデカナールを含有する柑橘果汁飲料であって、前記柑橘果汁飲料中のオクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たすことを特徴とする。
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1)
前記柑橘果汁飲料において、前記柑橘果汁飲料の糖酸比が2.0以下であってもよい。
前記柑橘果汁飲料において、前記柑橘果汁が香酸柑橘類の果汁であってもよい。
本発明の別の態様では、オクタナール及びデカナールを含有する柑橘果汁飲料の製造方法であって、前記柑橘果汁飲料中のオクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たすようにする工程を有することを特徴とする。
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1)
本発明の別の態様では、柑橘果汁飲料の果汁率が30%以上200%未満の柑橘果汁を含む高果汁率の柑橘果汁飲料の酸味軽減方法であって、前記柑橘果汁飲料中のオクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たすよう調製することを特徴とする。
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1)
前記柑橘果汁飲料の酸味軽減方法において、前記柑橘果汁飲料の糖酸比が2.0以下であってもよい。
以下、本発明の柑橘果汁飲料を具体化した第1実施形態を説明する。本実施形態の柑橘果汁飲料は、炭素数8のアルデヒドであるオクタナール及び炭素数10のアルデヒドであるデカナールを含有する。
柑橘果汁は、柑橘類の果実から得られる果汁を示し、その製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用できる。柑橘類の原料としては、特に限定されない。柑橘類の種類としては、例えばレモン、ライム、シークワサー、スダチ、ユズ、ダイダイ、カボス等の香酸柑橘類、グレープフルーツ、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、サワーオレンジ、ハッサク、温州ミカン、イヨカン、ポンカン、甘夏等が挙げられる。これらは、一種類の柑橘類のみを用いてもよく、二種以上の柑橘類を組み合わせて用いてもよい。柑橘果汁は、含まれるパルプ量により混濁果汁、セミクリア果汁、透明果汁に分けられるが、いずれを使用してもよい。
オクタナール及びデカナールは、柑橘果汁飲料に所定量含有することにより、柑橘果汁由来の酸味を軽減させる。柑橘果汁飲料中において、オクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たす。
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1)
図1において、オクタナールとデカナールによる酸味軽減効果を示す範囲が、グラフの網掛け範囲として示される。
柑橘果汁飲料の糖酸比は、特に限定されないが、2.0以下が好ましく、さらに1.0〜2.0の範囲がより好ましい。かかる糖酸比が2.0以下の場合、上述した2種類のアルデヒドによる酸味軽減効果をより有効に発揮できる。
柑橘果汁飲料の果汁率の下限は、特に限定されないが、好ましくは30%以上、より好ましくは70%以上である。果汁率が30%以上の場合、上述した2種類のアルデヒドによる酸味軽減効果をより有効に発揮できる。柑橘果汁飲料の果汁率の上限は、特に限定されないが、好ましくは200%未満、より好ましくは150%以下である。果汁率が200%未満の場合、上述した2種類のアルデヒドによる酸味軽減効果をより有効に発揮できる。
果汁率(w/w%)=濃縮果汁含有量(g)/100(g)×濃縮倍率×100
柑橘果汁飲料としては、本発明の効果を損なわない範囲内において、その他の成分としてグルコース、ショ糖、果糖、乳糖、ステビア、アスパルテーム、糖アルコール等の糖質、酸味料、香料、色素、安定剤、pH調整剤、ビタミン類、アミノ酸類、各種ミネラル、アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩等の酸化防止剤、植物性油脂及び動物性油脂等の油性成分、ポリフェノール等の機能性成分等の添加剤を適宜含有されてもよい。これらの添加剤は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の柑橘果汁飲料によれば、以下のような効果を得ることができる。
以下、本発明の柑橘果汁飲料の製造方法を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態について、下記の記載以外は、第1実施形態の柑橘果汁飲料と同様の構成が適用される。
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1)
各原料の添加の順番は、最終的に上記範囲に調整できれば、特に限定されない。調製された柑橘果汁飲料は、販売形態である所定の容器の充填された後、必要により加温殺菌等の公知の殺菌方法を実施してもよい。
(2−1)本実施形態の柑橘果汁飲料の製造方法では、柑橘果汁飲料中において、オクタナール及びデカナールを所定量含有する工程を有する。したがって、簡易な方法にて柑橘果汁由来の酸味を軽減できる柑橘果汁飲料が得られる。
以下、本発明の高果汁率の柑橘果汁飲料の酸味軽減方法(以下、「酸味軽減方法」という)を具体化した第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態について、下記の記載以外は、第1実施形態の柑橘果汁飲料と同様の構成が適用される。
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1)
各原料の添加の順番は、最終的に上記範囲に調整できれば、特に限定されない。酸味軽減は、官能評価により求めることができる。
(3−1)本実施形態の酸味軽減方法では、柑橘果汁飲料中において、オクタナール及びデカナールを所定量含有する工程を有する。したがって、簡易な方法にて柑橘果汁由来の酸味を軽減できる。
<試験例1>
下記に示されるようにオクタナール及びデカナールを含有する柑橘果汁飲料を調製し、酸味の軽減効果について評価した。
(iii)冷却後のレモン果汁液に、表1,2に示される各例の記載に従い、オクタナール及びデカナールを所定の含有量になるよう柑橘果汁飲料を調製した。コントロール1は、オクタナール及びデカナールのいずれも含有していない。
○:酸味が軽減され飲みやすい
△:酸味がやや軽減され、やや飲みやすい
×:酸味が軽減されておらず、飲みにくい
下記に示されるように果汁率の異なるレモン果汁を使用し、オクタナール及びデカナールを表3の所定量となるよう柑橘果汁飲料を調製し、酸味の軽減効果について評価した。
下記に示されるように果汁処理の異なる2種類のレモン果汁(セミクリアレモン果汁、混濁レモン果汁)を使用し、オクタナール及びデカナールを表4の所定量となるよう柑橘果汁飲料を調製し、酸味の軽減効果について評価した。
Claims (8)
- オクタナール及びデカナールを含有する柑橘果汁飲料であって、前記柑橘果汁飲料中のオクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たす柑橘果汁飲料。
(1)y≧−35x+6(0.1≦X<0.15)
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1) - 前記柑橘果汁飲料の糖酸比が2.0以下である請求項1の柑橘果汁飲料。
- 前記柑橘果汁飲料の果汁率が30%以上200%未満である請求項1又は2に記載の柑橘果汁飲料。
- 前記柑橘果汁が香酸柑橘類の果汁である請求項1〜3のいずれか一項に記載の柑橘果汁飲料。
- 前記香酸柑橘類がレモンである請求項4に記載の柑橘果汁飲料。
- オクタナール及びデカナールを含有する柑橘果汁飲料の製造方法であって、前記柑橘果汁飲料中のオクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たすようにする工程を有する柑橘果汁飲料の製造方法。
(1)y≧−35x+6(0.1≦X<0.15)
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1) - 柑橘果汁飲料の果汁率が30%以上200%未満の柑橘果汁を含む高果汁率の柑橘果汁飲料の酸味軽減方法であって、前記柑橘果汁飲料中のオクタナールの含有量をx(ppm)、デカナールの含有量をy(ppm)とした場合、0.25≦y≦2.5において、以下の関係式(1)〜(4)を満たすよう調製する柑橘果汁飲料の酸味軽減方法。
(1)y≧−35x+6(0.1≦X<0.15)
(2)y≧−5x+1.5(0.15≦x<0.2)
(3)y≧−2.5x+1(0.2≦X<0.25)
(4)y≧−x/6+5/12(0.25≦X≦1) - 前記柑橘果汁飲料の糖酸比が2.0以下である請求項7に記載の柑橘果汁飲料の酸味軽減方法。
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