JP2016129500A - 乳成分入りコーヒー飲料の製造方法 - Google Patents

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和也 阿部
清史 川井
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清史 川井
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利幸 赤地
りえ 又吉
Rie Matayoshi
りえ 又吉
治 吉田
Osamu Yoshida
治 吉田
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Abstract

【課題】 コーヒー成分と乳成分を比較的多量に含有し、且つ加熱殺菌時の乳成分の凝集が抑制された乳成分入りコーヒー飲料の製造方法を提供する。【解決手段】 コーヒー成分と乳成分を比較的多量に含有する乳成分入りコーヒー飲料の製造に際し、コーヒー抽出成分を含む第一液と、乳成分を含む第二液とを、それぞれ個別に高温短時間加熱殺菌した後、これら殺菌後の第一液と第二液とを無菌環境下で混合することによって、従来の同時加熱殺菌では乳成分の凝集を生じてしまっていたコーヒー成分と乳成分とを多量に含む濃度領域においても、乳成分の凝集物を含まないコーヒー飲料が得られる。【選択図】 図1

Description

本発明は乳成分入りコーヒー飲料の製造方法、特にコーヒー成分と乳成分を比較的多量に含有する乳成分入りコーヒー飲料の製造時における乳成分の凝集の抑制に関する。
缶やペットボトル等の容器に充填密封して販売される乳成分入りコーヒー飲料は、製造工程において加熱殺菌を行なう必要がある。また、近年、飲料製品の殺菌方法として、例えば、120℃以上の超高温で数秒程度の短時間殺菌を行なうUHT殺菌によって、従来のレトルト殺菌よりも特にコーヒー成分の風味の熱劣化が低く抑えられることが知られている。しかし、乳成分入りのコーヒー飲料では、UHT殺菌のような高温での加熱殺菌によって著しい乳成分の凝集を生じることがあり、外観や飲用時の異物感が問題となる。
このような問題に対し、例えば、コーヒーの生豆量と乳タンパク量あるいは乳脂肪量を特定の範囲とすることで、UHT殺菌を行なった場合にもゲル状沈殿の発生を抑制できることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、生豆量と乳成分量を沈殿の発生しない程度の比較的少量の範囲へと制限したものにすぎず、コーヒー成分や乳成分を多く含むものについては、依然としてUHT殺菌による乳成分の著しい凝集を生じてしまうことがあった。特に最近では、コーヒー成分や乳成分含有量の多い、より濃厚な風味が求められることも多く、このようなコーヒー飲料の加熱殺菌時における乳成分凝集の抑制が求められていた。
特開2013−51944号公報
本発明は前記従来技術の課題を解決すべく行なわれたものであって、すなわち、コーヒー成分と乳成分を比較的多量に含有し、且つ加熱殺菌時の乳成分の凝集が抑制された乳成分入りコーヒー飲料の製造方法を提供しようとするものである。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を行なった結果、コーヒー抽出成分を含む第一液と、乳成分を含む第二液とを、それぞれ個別に高温短時間加熱殺菌した後、これら殺菌後の第一液と第二液とを無菌環境下で混合することによって、従来の同時加熱殺菌では乳成分の凝集を生じてしまっていたコーヒー成分と乳成分とを多量に含む濃度領域においても、乳成分の凝集物を含まないコーヒー飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる乳成分入りコーヒー飲料の製造方法は、コーヒー固形量0.5質量%以上、乳タンパク量3.0質量%以上の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法であって、第一液として、コーヒー抽出液を121℃以上、1分以内の条件で高温短時間加熱殺菌し、その後冷却する第一液殺菌工程と、第二液として、乳成分を含む飲料成分を121℃以上、1分以内の条件で高温短時間加熱殺菌し、その後冷却する第二液殺菌工程と、前記各工程後の第一液と第二液とを、無菌環境下で、混合後のコーヒー固形量x(質量%)と乳タンパク量y(質量%)が下記数式(1)の関係を満たすように混合し、コーヒー飲料を調製する混合工程とを備えることを特徴とするものである。
y≧‐2.12x+7.26 (1)
また、本発明の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法において、混合後のコーヒー固形量が1.2質量%以上、乳タンパク量が4.5質量%以上であることが好適である。
また、本発明の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法において、高温短時間加熱殺菌が、130〜150℃、1秒〜1分の条件で行なわれることが好適である。
本発明によれば、コーヒー抽出成分を含む第一液と、乳成分を含む第二液とを、それぞれ個別にUHT殺菌した後、これら殺菌後の第一液と第二液とを無菌環境下で混合することによって、従来の同時加熱殺菌では乳成分の凝集を生じてしまっていたコーヒー成分と乳成分とを多量に含む濃度領域においても、乳成分の凝集物を含まないコーヒー飲料が得られる。
本発明の一実施例(分別殺菌)のコーヒー飲料の製造方法のフローチャートである。 本発明の比較例(同時殺菌)のコーヒー飲料の製造方法のフローチャートである。 各種比較例(同時殺菌)のコーヒー飲料における凝集の有無を、コーヒー固形量と乳タンパク量との関係でプロットした図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、コーヒー成分と乳成分を多量に含む乳成分入りコーヒー飲料の製造方法に関するものであり、より具体的には、本発明の製造方法の対象は、コーヒー固形量0.5質量%以上、乳タンパク量として3.0質量%以上含有する乳成分入りコーヒー飲料である。
本発明の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法においては、コーヒー抽出液を含む第一液と、乳成分を含む第二液とを、それぞれ別々に高温短時間加熱殺菌し、これら殺菌後の第一液及び第二液を無菌環境下で混合して、コーヒー飲料を調製する。
本発明の方法において、第一液に用いられるコーヒーの抽出液としては、例えば、公知の方法にてコーヒー豆を熱水抽出して得られた抽出液、あるいは他の方法により得られたコーヒーエキスが用いられる。コーヒー豆の種類や抽出方法等は特に限定されない。なお、コーヒー抽出液は、濃縮あるいは希釈によってコーヒー固形分量を適宜調節してもよい。コーヒー抽出液に含まれる固形量は、製造後のコーヒー飲料製品中の濃度として、少なくとも0.5質量%以上となるように予め調整される。例えば、第一液と第二液とを質量比1:1で混合する場合、混合前の第一液中に含まれるコーヒー固形量は、混合後の製品中の2倍の濃度となるように調整される。コーヒー固形量(質量%)は、乾燥固形分量(g)とコーヒー抽出液の全量(g)との比によって算出すればよい。あるいは、市販のBrix計を用いて測定することもでき、本発明のコーヒー固形量と一般的なコーヒーのBrix値は同義である。
第一液には、乳成分を除いて、通常、コーヒー飲料に配合される他の飲料成分が適宜含まれていてもよい。このような他の飲料成分としては、例えば、糖類、甘味料、pH調整剤、酸化防止剤、増粘剤、着色料、香料等が挙げられる。なお、これらの飲料成分は、高温短時間加熱殺菌に供する前に予め混合しておく必要がある。
本発明の方法において、第二液に用いられる乳成分は、特に限定されるものではないが、例えば、牛乳、加工乳、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、無糖練乳、加糖練乳、バター、チーズ、アイスクリーム等が挙げられ、また、これらのうち二種以上を用いてもよい。なお、乳成分に含まれる乳タンパクは、具体的には、カゼイン、アルブミン、ラクトグロブリン、ラクトフェリン等である。第二液に用いられる乳成分の量は、製造後のコーヒー飲料製品中の乳タンパク量として、少なくとも3.0質量%以上となるように予め調整される。乳タンパク量は、酵素免疫測定法や、分光測定法等、公知の測定法により求めることができる。あるいは、乳タンパク量が既知の乳成分原料を使用することで、乳成分の添加量によって調整してもよい。例えば、乳固形分中に含まれる乳タンパク量が70%である乳成分を第二液中に乳固形分として10%となるように配合することで、第二液に含まれる乳タンパク量は7%となる。また、例えば、第1液と第2液とを質量比1:1で混合する場合、混合前の第二液の乳タンパク量は、混合後の製品中の2倍の濃度となるように予め調整される。
第二液には、コーヒー成分を除いて、第一液と同様、通常、コーヒー飲料に配合される他の飲料成分が適宜含まれていてもよい。このような他の飲料成分としては、例えば、糖類、甘味料、pH調整剤、酸化防止剤、乳化剤、増粘剤、着色料、香料等が挙げられる。なお、これらの飲料成分は、高温短時間加熱殺菌に供する前に予め混合しておく必要があり、特に乳化剤を配合する場合、混合後、乳化処理を施しておくことが望ましい。
また、必要に応じて、コーヒー抽出液、乳成分以外の飲料成分について、別途第三液とし、第一液及び第二液とは別に高温短時間加熱殺菌を行なった後、混合してもよい。第三液に配合される飲料成分としては、例えば、糖類、甘味料、pH調整剤、酸化防止剤、乳化剤、増粘剤、着色料、香料等が挙げられる。第三液を個別に設けることによって、必要に応じて、例えば、糖分や甘味料等の配合量を個別に変更することができるため、コーヒー飲料の成分変更が容易になる。
本発明の方法では、上記コーヒー抽出液を含む第一液および乳成分を含む第二液(あるいは必要に応じて設けられる第三液)について、それぞれ別々に高温短時間加熱殺菌し、その後冷却する。高温短時間加熱殺菌の条件は、いずれも121℃以上、1分以内の条件である。121℃未満であると短時間の加熱で十分な殺菌を行なうことができず、また、加熱時間が1分を超えると、コーヒーの香りや味が劣化してしまったり、乳成分が変質してしまう場合がある。なお、130〜150℃、1秒〜1分の条件で高温短時間加熱殺菌を行なうことがより望ましい。高温短時間加熱殺菌の方法は、プレート式、チューブ式等の公知の手段を用いることができる。また、高温短時間加熱殺菌は、第一液と第二液(あるいは第三液)とで、同一の条件、すなわち加熱温度、加熱保持時間にて行なうことが望ましい。同一の殺菌条件とすることで、工程内で同一の殺菌装置を使用することができ、工程を簡易化することができる。
以上のようにして殺菌された第一液及び第二液(及び第三液)は、無菌環境下で混合される。具体的には、例えば、プレート式あるいはチューブ式の間接加熱手段を用いて、それぞれ別々に高温短時間加熱殺菌された第一液及び第二液(及び第三液)が、次いで無菌条件下のミキシングタンクへと送液され、当該ミキシングタンク内で撹拌混合される。なお、殺菌後の第一液及び第二液(及び第三液)は、以上に述べたように、混合後の製品のコーヒー固形量が0.5質量%以上、乳タンパク量が3.0質量%以上となるように、それぞれの濃度あるいは混合比等が適宜調整される。すなわち、本発明の方法は、このようにコーヒー固形及び乳タンパクを比較的多量に含むコーヒー飲料の製造に際して、乳成分の凝集を生じないという望ましい効果を発揮する。さらに、コーヒー固形量が1.2質量%以上、乳タンパク量が4.5質量%以上のコーヒー飲料の製造において、本発明の方法は特に有用である。
また、本発明の方法においては、第一液及び第二液(及び第三液)は、混合後のコーヒー固形量x(質量%)と乳タンパク量y(質量%)が下記数式(1)の関係を満たすように予め調整される。
y≧‐2.12x+7.26 (1)
なお、上記数式中、コーヒー固形量x(質量%)、及び乳タンパク量y(質量%)は、先に説明したように、公知の方法により算出あるいは測定できる。
コーヒー固形量x(質量%)及び乳タンパク量y(質量%)が上記数式(1)の範囲内となるコーヒー飲料においては、従来のように、コーヒー抽出液と乳成分を含むすべての成分を混合した後、一工程で高温短時間加熱殺菌を行なった場合(以下、同時殺菌と呼ぶ場合がある)、乳成分の著しい凝集が生じてしまう。これに対して、本発明の方法では、コーヒー抽出液を含む第一液と乳成分を含む第二液(及び第三液)をそれぞれ別々に殺菌し(以下、分別殺菌と呼ぶ場合がある)、その後、無菌環境下で混合してコーヒー飲料を製造することによって、乳成分の凝集を抑制することができる。このため、本発明の方法は、従来の同時殺菌法では乳成分の著しい凝集を生じ得る、コーヒー固形量と乳タンパク量が上記数式(1)の範囲内のコーヒー飲料を製造するにあたって特に有用である。
本発明の方法により製造されるコーヒー飲料において、製品のpHは特に限定されないが、適当なpH調整剤を用いてpH6.0〜7.0の範囲となるように調整することが望ましい。pHが6.0未満あるいは7.0を超えると、経時的に乳成分の凝集を生じ、貯蔵安定性を損なう場合がある。
また、以上のようにして第一液と第二液(及び第三液)を混合して得られたコーヒー飲料は、通常、無菌環境を維持したまま、予め殺菌された缶、PET容器あるいは紙パック等の容器内に充填密封され、乳成分入りコーヒー飲料の最終製品となる。
以下、実施例により本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例(分別殺菌)>
コーヒー抽出液:焙煎したコーヒー豆20kgを90℃の熱水で抽出し、直ちに冷却した後、ろ過及び遠心分離を行なって、抽出液100kgを得た。
(1)第一液として、コーヒー抽出液をコーヒー固形分が各種所定の濃度となるように希釈し、140℃×30秒の条件で高温短時間加熱殺菌を行なった。
(2)第二液として、砂糖、牛乳、濃縮乳、乳化剤、pH調整剤を、特に牛乳及び濃縮乳が各種所定の濃度となるように調合し、溶解、冷却してから、予め乳化処理を行なった後、140℃×30秒の条件で高温短時間加熱殺菌を行なった。
(3)以上で得られた殺菌後の第一液及び第二液を、質量比1:1で混合し、乳入りコーヒー飲料を得た。
<比較例(同時殺菌)>
コーヒー抽出液は、上記実施例と同様にして得た。
(1)砂糖、牛乳、濃縮乳、乳化剤、pH調整剤を、特に牛乳及び濃縮乳が各種所定の濃度となるように調合し、溶解、冷却した。これをコーヒー固形分が各種所定の濃度となるように希釈したコーヒー抽出液と混合し、予め乳化処理を行なった後、140℃×30秒の条件で高温短時間加熱殺菌を行ない、乳入りコーヒー飲料を得た。
上記実施例(分別殺菌)及び比較例(同時殺菌)の方法のフローチャートを図1,2に示す。また、上記実施例(分別殺菌)及び比較例(同時殺菌)のコーヒー飲料の配合処方は以下のとおりである。なお、いずれのコーヒー飲料も、最終pHが6.5〜6.7となるようにpH調整剤の配合量を調整した。

処方 配合量(質量%)
コーヒー抽出液(コーヒー固形分として) 0.4〜2.0
砂糖 5
牛乳,濃縮乳(乳固形分として) 3〜9
乳化剤 0〜0.5
pH調整剤 適量(調整)
水 残量
<乳成分凝集の有無>
上記実施例(分別殺菌)及び比較例(同時殺菌)の方法で得られた各種コーヒー固形量及び乳タンパク量のコーヒー飲料について、目視により乳成分の凝集の有無を下記基準に基づいて評価した。
++:多量の乳成分凝集物を生じていた。
+:乳成分凝集物を生じていた。
−:乳成分凝集物を生じていなかった。
上記各種実施例(分別殺菌)で得られたコーヒー飲料のコーヒー固形量及び乳タンパク量と乳成分凝集の有無の結果についてまとめた結果を下記表1に、また、同様に各種比較例(同時殺菌)についてまとめたものを下記表2に示す。
Figure 2016129500
Figure 2016129500
上記表1に示すように、コーヒー抽出液を含む第一液と乳成分を含む第二液とを別々に高温短時間加熱殺菌し、その後混合して得られた各種実施例(分別殺菌)の乳入りコーヒー飲料では、コーヒー固形分及び乳成分を多量に含有する領域も含めて、すべての範囲において乳成分の凝集は生じていなかった。これに対して、上記表2に示すとおり、従来のようにコーヒー抽出液や乳成分を含むすべての飲料成分を混合した後、高温短時間加熱殺菌して得られた比較例(同時殺菌)のコーヒー飲料では、コーヒー固形量及び乳タンパク量の多い領域において、乳成分の凝集が生じていることが確認された。
図3に、各種比較例のコーヒー飲料における凝集の有無を、コーヒー固形量と乳タンパク量との関係でプロットした図を示す。図3に示すように、コーヒー固形量と乳タンパク量の両方がともに多い領域において、乳成分の凝集が生じていることが確認される。そこで、本発明者らが比較例(同時殺菌)における乳成分の凝集が生じ得る領域についてより詳しく検討したところ、コーヒー固形量をx(質量%)、乳タンパク量をy(質量%)として、y=‐2.12x+7.26の直線を境界として、乳成分の凝集が生じる領域と乳成分の凝集が生じない領域とに区分されることを見出した。すなわち、比較例(同時殺菌)の方法では、下記数式(1)の関係を満たす領域において乳成分の凝集が生じてしまっている。
y≧‐2.12x+7.26 (1)
x:コーヒー固形量(質量%),y:乳タンパク量(質量%)
これに対し、以上にも述べたとおり、コーヒー抽出液を含む第一液と乳成分を含む第二液とを別々に高温短時間殺菌し、その後混合した各種実施例(分別殺菌)の製造方法では、上記数式(1)の範囲内、すなわち、比較例(同時殺菌)では乳成分の凝集が生じてしまった領域であっても、乳成分の凝集は生じておらず、コーヒー飲料としての外観や飲み心地が悪化することがない。なお、容器に充填・密封して販売されるタイプのコーヒー飲料では、現実的に加熱による殺菌は不可欠であり、上記数式(1)の範囲内となるようなコーヒー固形分及び乳成分を多量に含む容器詰コーヒー飲料は、乳成分の凝集の問題から、事実上実施・販売することができなかった。これに対して、実施例(分別殺菌)のように、コーヒー抽出液を含む第一液と乳成分を含む第二液とを別々に高温短時間殺菌した後、これらを混合してコーヒー飲料とすることで、従来、容器詰コーヒー飲料として販売されることのなかった、コーヒー固形分及び乳成分を多量に含む製品処方であっても、乳成分の凝集物を含まず、外観や飲み心地の良好なコーヒー飲料製品として実施・販売することができる。

Claims (3)

  1. コーヒー固形量0.5質量%以上、乳タンパク量3.0質量%以上の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法であって、
    第一液として、コーヒー抽出液を121℃以上、1分以内の条件で高温短時間加熱殺菌し、その後冷却する第一液殺菌工程と、
    第二液として、乳成分を含む飲料成分を121℃以上、1分以内の条件で高温短時間加熱殺菌し、その後冷却する第二液殺菌工程と、
    前記各工程後の第一液と第二液とを、無菌環境下で、混合後のコーヒー固形量x(質量%)と乳タンパク量y(質量%)が下記数式(1)の関係を満たすように混合し、コーヒー飲料を調製する混合工程と
    を備えることを特徴とする乳成分入りコーヒー飲料の製造方法。
    y≧‐2.12x+7.26 (1)
  2. 混合後のコーヒー固形量が1.2質量%以上、乳タンパク量が4.5質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法。
  3. 前記高温短時間加熱殺菌が、130〜150℃、1秒〜1分の条件で行なわれることを特徴とする請求項1または2記載の乳成分入りコーヒー飲料の製造方法。
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