JP2023012054A - 容器詰めコーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良質な酸味質とコーヒー感とを有する容器詰めコーヒー飲料を提供する。【解決手段】 本発明は、酢酸フルフリルの含有量が10~100ppbであり、リナロールの含有量が1~10ppbであり、グアイアコールの含有量が100~250ppbであり、クロロゲン酸の含有量が10mg/100ml以上であり、且つ、pHが6.2以下である、容器詰めコーヒー飲料に関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、良質な酸味質を有する容器詰めコーヒー飲料に関する。
コーヒー飲料は、世界各国で飲用されており、わが国においても身近な嗜好性飲料の一つとなっており、より高い嗜好性を提供する技術について現在も開発が進められている。
また、近年においては、スペシャルティコーヒーの普及に伴い、コーヒー飲料の酸味を楽しむ飲用方法が増加している。そして、一般に流通する容器詰めコーヒー飲料においても、スペシャルティコーヒーに相当する良質な酸味を特徴にした製品が望まれている。
具体的には、例えば、コーヒー飲料の嗜好性を高めるために含有成分を調整する様々な技術が開発されている。
特許文献1には、コーヒー飲料の酸味抑制方法及びロースト感向上方法が記載されており、クロロゲン酸類、クエン酸、キナ酸の含有量を調整することで、浅煎り豆等に多く含まれる有機酸に起因する酸味を抑制し、コーヒーの香ばしいロースト感を感じることが可能なコーヒー飲料が開示されている。
また、特許文献2には、嗜好性・持続性が高く、香気・香味の改善ならびに異臭・異味のマスキング効果等があるコーヒーフレーバー組成物及びそれを含む飲食品類が開示されており、多数の様々な香気成分を調整する技術が開示されている。
特開2014-187928号公報 特開2006-020526号公報
本発明の課題は、良質な酸味質とコーヒー感とを有する容器詰めコーヒー飲料を提供することである。
スペシャルティコーヒーのような、上質な酸味質を表現するためには、豆ごとに細かい焙煎の調整や抽出の調整が必要であり、製造工程を一般化することが難しいとされている。なぜならば、コーヒー豆の産地、農園、ロット毎にその特性に合わせて焙煎方法を調整する必要があるためである。また、その方法に応じて焙煎コーヒー豆から得られるコーヒーの香気成分の組成は変動し、その香りや苦味、コク味、酸味、うま味などの風味は大きく変わる。したがって、一定の品質を有するスペシャルティコーヒーを安定して作製することは一般に容易ではない。
また、コーヒー飲料の分野において、容器詰めコーヒー飲料、例えば缶コーヒーにおいて、大量生産をしようとすると、ユーザーに好まれる良質な酸味質を安定して表現することが困難であり、酸味を付与しようとすると刺激的なカドのある酸味となる傾向にあり、その結果、コーヒー風味も損なわれる傾向にあった。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねたところ、予想外にも、容器詰めコーヒー飲料において、渋味に関係するクロロゲン酸を所定量含有させ、かつ、特定の香気成分の含有量を所定の数値範囲に調整し、かつ、pHを所定の範囲に設定することで、安定して良質な酸味質とコーヒー感とを両立できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の〔1〕及び〔2〕のような態様を含む。
〔1〕酢酸フルフリルの含有量が10~100ppbであり、リナロールの含有量が1~10ppbであり、グアイアコールの含有量が100~250ppbであり、クロロゲン酸の含有量が10mg/100ml以上であり、且つ、pHが6.2以下である、容器詰めコーヒー飲料。
〔2〕クロロゲン酸の含有量が50mg/100ml以下である、前記〔1〕に記載の容器詰めコーヒー飲料。
本発明は、良質な酸味質とコーヒー感とを有する容器詰めコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の容器詰めコーヒー飲料は、酢酸フルフリル、リナロール、グアイアコール(グアヤコール)、及びクロロゲン酸を下記に示す所定の含有量で含み、且つ、pHが6.2以下であることを特徴とする。
当該容器詰めコーヒー飲料において、酢酸フルフリルの含有量は、10~100ppbであり、10~75ppbであることが好ましく、15~50ppbであることが特に好ましい。当該酢酸フルフリルの含有量が、10ppb未満であると、酸味のキレが悪くなる場合があり、100ppb超過であると異味として感じられコーヒー風味の質が悪くなる場合がある。
当該容器詰めコーヒー飲料において、リナロールの含有量は、1~10ppbであり、1~8ppbであることが好ましく、1~5ppbであることが特に好ましい。当該リナロールの含有量が、1ppb未満であると、酸味質が悪くなる場合があり、10ppb超過であると異味として感じられコーヒー風味の質が悪くなる場合がある。
当該容器詰めコーヒー飲料において、グアイアコールの含有量は、100~250ppbであり、100~200ppbであることが好ましく、110~150ppbであることが特に好ましい。当該グアイアコールの含有量が、100ppb未満であると、コーヒー感が弱く、質も悪くなる場合があり、250ppb超過であると雑味が強くなり後味が悪くなる場合がある。
当該容器詰めコーヒー飲料において、クロロゲン酸の含有量は、10mg/100ml以上であり、50mg/100ml以下であることが好ましく、10~40mg/100mlであることが特に好ましい。当該クロロゲン酸の含有量が、10mg/100ml未満であると、酸味を感じにくくなる場合がある。
なお、本発明の容器詰めコーヒー飲料中の酢酸フルフリル、リナロール、及びグアイアコール(以下、これらをまとめて香気成分とも呼ぶ)、並びにクロロゲン酸の分析方法には、後述する本実施例で示された方法を採用することができる。
当該容器詰めコーヒー飲料において、pHは、6.2以下であり、5.8以下であることが好ましく、また、5.0以上であることが好ましい。当該pHが6.2を超える場合、酸味を感じにくくなる場合がある。当該pHの範囲は、例えば5.0~5.8であることが好ましい。
本発明の容器詰めコーヒー飲料は、コーヒー抽出物を含有するものである。当該コーヒー抽出物には、コーヒー豆由来の成分を含有するコーヒー抽出液が含まれる。当該コーヒー抽出液には例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出して得られた抽出液が挙げられる。また、コーヒー抽出物には、該溶液を濃縮したコーヒーエキスや、コーヒーエキス又は該コーヒー抽出液を乾燥させたインスタントコーヒーも含まれる。
本発明の容器詰めコーヒー飲料における、香気成分の含有量、及びクロロゲン酸の含有量を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、コーヒー抽出液に酢酸フルフリル、リナロール、及びグアイアコール、並びにクロロゲン酸を適宜添加してこれらの含有量を調整することが挙げられる。または、本発明の容器詰めコーヒー飲料においては、様々な条件下で得られた、様々な比率で香気成分及びクロロゲン酸を有する、複数のコーヒー抽出液やコーヒー抽出物を混合することで香気成分及びクロロゲン酸の含有量を調整してもよい。また、当該クロロゲン酸の含有量については、コーヒー抽出液を得るためのコーヒー豆の焙煎度を後述するような態様で適宜変更することで調整してもよい。本発明は、一般的に流通する容器詰めコーヒー飲料、例えば缶やペットボトル詰めコーヒー飲料において、簡便に良質な酸味質とコーヒー感とを両立できる方法も提供できる。
また、本発明の容器詰めコーヒー飲料を充填する容器は特に制限されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル、PE(ポリエチレン)容器、PP(ポリプロピレン)容器、ガラス瓶、アルミ缶、スチール缶、紙容器、アルミパウチ、チルドカップなどが挙げられる。
本発明の容器詰めコーヒー飲料は、例えば、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」(令和1年8月19日改正施行)に規定される、「コーヒー」、「コーヒー飲料」、「コーヒー入り清涼飲料」、「コーヒー入り炭酸飲料」、「カフェインレス」である上記いずれかの飲料などのいずれでもよいが、スペシャルティコーヒーとしての味わいを求める観点から、糖類や甘味料、乳類、乳化された食用油脂などを配合しない、いわゆるブラックコーヒーである場合に、改善された良質な酸味質とコーヒー感をより享受できる。また、本発明は、良質な酸味質とコーヒー感とを有する容器詰めコーヒー飲料を提供できるが、ここで、本発明における目標とする良質な酸味質とは、酸味の刺激(かど)がまろやか(弱め)で、あと残りのない、さわやかな好ましい酸味でありうる。本発明の容器詰めコーヒー飲料は、例えば、いわゆるスペシャルティコーヒーとして、コーヒーの良質な酸味を提供するものであってもよい。また、本発明における目標とする良質なコーヒー感とは、雑味が少なくすっきりした、苦味と酸味のバランスが良いコーヒー風味でありうる。加えて、本発明の容器詰めコーヒー飲料全体の嗜好性としては、例えば苦味と酸味の先味の強さ、ボディの強さ、後味の強さ、香りの強さ、酸味の強さ、苦味の強さ、甘味の強さ、及び複雑味の強さなどの観点を適宜組み合わせて、バランスの良い味として評価してもよい。
なお、本発明の容器詰めコーヒー飲料の温度は特に限定されないが、例えば、4℃~75℃で飲む場合に、より良質な酸味質とコーヒー感を感じることができる。
ここで、上述したコーヒー抽出液の原料であるコーヒー豆の焙煎度合いは、特に限定されないが、例えば得られるコーヒー抽出液中のクロロゲン酸の含有量を調整するために、浅煎りから深煎りでありうる。その際、焙煎コーヒー豆の焙煎度合を示すL値は15~28であってもよい。ここで、L値とは、焙煎コーヒー豆を粉砕したコーヒー顆粒の表面色を数値化したもので、明度の指標となる値である(0が黒、100が白)。L値は、例えば色彩色差計(例えば、コニカミノルタ(株)社製型番:CR-410)を用いて測定することができる。本発明において使用されるコーヒー豆は、アラビカ種でもロブスタ種でもよく、特に限定されない。例えば、当該生豆としては、メキシコ、グアテマラ、ブルーマウンテン、クリスタルマウンテン、コスタリカ、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル・サントス、ハワイ・コナ、モカ、ケニア、キリマンジャロ、マンデリン、及びロブスタから選択される豆、又はこれらの混合豆が挙げられる。なお、本発明において使用されるコーヒー豆の挽き具合については、特に限定されないが、例えば、細挽き~荒挽きであってもよい。
また、本発明において、コーヒー抽出液の抽出率などは、特に限定されないが、例えば、コーヒー豆20~250g、より好ましくは50~150gに対して1Lの水で抽出されてもよく、抽出時の水は、例えば4~95℃であってもよい。また、当該コーヒー抽出液の抽出時間は、特に限定されないが、例えば30~120分間であってもよい。また、本発明におけるコーヒー抽出液の抽出方法は特に限定されず、例えば一般的なドリップ法や浸漬法、エスプレッソ法などで抽出されうる。
ここで、本発明の容器詰めコーヒー飲料においては、該コーヒー飲料中の可溶性固形分濃度をBrix(ブリックス)値と同義としてもよい。本発明におけるBrix値は、例えば0.5~2.0であることが好ましく0.7~1.7であることが特に好ましい。当該Brix値を、インスタントコーヒーやコーヒーエキス、糖類や甘味料等で所定の値に調整してもよい。本発明におけるBrix値の測定方法は、後述する本実施例で示された方法を採用することができる。
なお、一般的に、コーヒー抽出液中の可溶性固形分濃度が上がると、味が濃くなり、甘みや口当たりを感じやすくなる一方で、苦味や渋味が強くなり、抽出率が上がると渋みを感じやすく、かつ酸味を感じにくくなる傾向にある。したがって、本発明の容器詰めコーヒー飲料においてはこれらの傾向を加味しつつ、含有するコーヒー抽出液の可溶性固形分濃度や抽出率を適宜設定してもよい。
また、本発明の容器詰めコーヒー飲料は、10~130mg/100mlのカフェインを含んでもよい。カフェインの量は、一般にコーヒー飲料の特徴になりうるため、本発明の容器詰めコーヒー飲料においては、例えば上記のような範囲に設定することにより、適度なコーヒー感を損なわずに、苦渋味等の後残りを低減してもよい。
また、本発明の容器詰めコーヒー飲料は、上記コーヒー抽出液以外にも、1又は2種以上の糖類、甘味料、抗酸化剤、pH調整剤、酸味料、香料成分、乳成分等を添加してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、各種栄養成分、抽出物、着色剤、希釈剤等の食品添加物を添加することもできる。本発明の容器詰めコーヒー飲料においては、その製造工程において、適宜必要に応じて、均質化処理や殺菌処理を加えて行なうことができる。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されず、常法に従うことができる。
殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。
殺菌処理後の本発明の乳含有飲料を容器に充填する方法としては、例えば、飲料を容器にホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法により行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものでなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更させてもよい。
各成分の含有値を測定又は算出するための方法、及び官能評価方法については、以下の通りとした。
(1)香気成分(グアイアコール、酢酸フルフリル、リナロール)の分析方法
分析対象であるサンプル10mLを20ml容バイアルに入れ、内標を添加し密栓した。各バイアルを50℃で5分間振盪した後、SPME用ファイバー(DVB/CAR/PDMS,Stableflex 23Ga(Gray)50/30μm:SIGMA-ALDRICH社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させた。
50℃で30分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で5分間脱着させ、GC/MSにより分析を行った。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
[GC/MSの分析条件]
GC:Agilent Technologies社製 7890A。
MS:Agilent Technologies社製5975C。
カラム:AgilentTechologies社製 DB-WAX UI 30m×0.25mm、膜厚0.25μm。
圧力一定モード:122kPa。注入法:スプリットレス。キャリアガス:He。
注入口温度:240℃。トランスファーライン:240℃。
オーブン温度:40度(5分)→5度/分→240℃(0分)。
MS条件:スキャンモード
定量イオン:グアイアコールm/z 124
酢酸フルフリル m/z 81
リナロール m/z 71
シクロヘキサノール(内標)m/z 82
(2)カフェイン含有量とクロロゲン酸含有量の分析方法
当該サンプル100ml中におけるカフェインの含有量(mg/100ml)、及びクロロゲン酸の含有量(mg/100ml)を、UHPLC(Nexera((株)島津製作所)、検出器:PDA)を用いて以下の条件により測定した。
カラム:ZORBAX EclipsePlus C18(アジレント・テクノロジー(株))
カラムオーブン温度:45℃
移動相A液:0.17%リン酸含む超純水
移動相B液:0.17%リン酸含むメタノール
ポンプ流量:1.2ml/分
注入量:3μl
セル部温調温度:40℃
それぞれのピーク面積から、標準物質(カフェイン:CAS58-08-2、和光純薬、クロロゲン酸:CAS 327-97-9、SIGMA-ALDRICH)の面積値を基準とし、カフェイン含有量、クロロゲン酸含有量を求めた。
(3)Brix値
本実施例及び比較例においては、コーヒー飲料中の可溶性固形分濃度をBrix(ブリックス)値と同義とした。当該可溶性固形分濃度は、Brix値測定は20℃のサンプルに対して、商品名「デジタル屈折計Rx-5000」(アタゴ社製)を用いて、測定された。
(4)pH
pHは、pHメーター計を用いて、測定を行った。
(5)官能評価方法
各実施例/各比較例の飲料(20℃)に対して、専門パネル5名が、「酸味質の良さ・コーヒー感の良さ」の2項目に関する評価を行った。各項目は、具体的には以下の表1及び表2に示す基準に基づいて評価された。香気成分量を調整していない比較例1を対照として(4点)、1~7点の7段階で評点をつけ、その平均値(小数点第2位を四捨五入)を官能評価結果とした。なお、各パネリストの評点のばらつきはあまりなかった。
上記2項目とも、官能評価結果が4より大きい場合に合格とした。
Figure 2023012054000001
Figure 2023012054000002
<実験1>
所定の焙煎度(L値18)のコーヒー豆(ブラジル産)40.0gを使用し、70℃の温水1Lで抽出した液に、インスタントコーヒーAを添加し、さらに重曹(pH調整剤)、炭酸カリウムを所定量加えて、缶に充填した(配合量は表3参照)。この缶をレトルト殺菌にかけて得られた缶入り飲料を、比較例1(対照)とした。比較例1の各成分の分析値は、表3のとおりであった。
実施例1~3及び比較例2の飲料は、比較例1と同様に得られた飲料に、表3に示される酢酸フルフリル、リナロール、及び、グアイアコールの含有量になるようにそれぞれの香気成分を配合調整することで得られた。
上記の各実施例及び各比較例の官能評価結果は表3に示すとおりだった。
Figure 2023012054000003
本発明に規定の範囲で酢酸フルフリル、リナロール、及びグアイアコールの含有量を調整することで、良質な酸味と良好なコーヒー感を兼ね備えたコーヒー飲料が得られることを確認した。
<実験2>
クロロゲン酸の含有量による官能評価への影響を調べるために、表4に示す実施例4~6、並びに比較例3、及び比較例4の飲料を新たに準備した。
所定の焙煎度(L値18又はL値16)のコーヒー豆(ブラジル産)を表4に示す量を使用し、70℃の温水1Lで抽出した液に、Brix値が1.33になるように表4に示す量で必要に応じてインスタントコーヒーA又はインスタントコーヒーBを添加し、さらに重曹(pH調整剤)、炭酸カリウムを所定量加えて、缶に充填した。なお、インスタントコーヒーAとインスタントBとは、焙煎度が異なり、Aが浅煎りタイプ、Bが深煎りタイプである。この缶をレトルト殺菌にかけて得られた缶入り飲料の各成分を分析したのち、表4に示される酢酸フルフリル、リナロール、及び、グアイアコールの各含有量になるようにそれぞれの香気成分を配合調整することで実施例4~6、並びに比較例3、及び比較例4の飲料を得た。比較例1の飲料を対照として、官能評価を行った。
上記の各実施例及び各比較例の官能評価結果は表4に示すとおりだった。
Figure 2023012054000004

容器詰めコーヒー飲料において、香気成分調整による酸味質の改善効果は、クロロゲン酸を本発明の範囲にて含む際に得られることが確認された。
<実験3>
pHによる官能評価への影響を調べるために、表5に示す実施例7、及び実施例8、並びに比較例5、及び比較例6の飲料を新たに準備した。
所定の焙煎度(L値18)のコーヒー豆(ブラジル産)40.0gを使用し、70℃の温水1Lで抽出した液に、さらに表5に示す量でインスタントコーヒーAを添加し、重曹(pH調整剤)、炭酸カリウムを加えて、缶に充填した。この缶をレトルト殺菌にかけて得られた缶入り飲料の各成分を分析した後、表5に示される酢酸フルフリル、リナロール、及び、グアイアコールの各含有量になるようにそれぞれの香気成分を配合調整することで、実施例7、及び実施例8、並びに比較例5、及び比較例6の飲料を得た。比較例1の飲料を対照として、官能評価を行った。
上記の各実施例及び各比較例の官能評価結果は表5に示すとおりだった。
Figure 2023012054000005


香気成分調整による酸味質改善効果には、pHが大きく寄与することが確認された。
以上の結果から、本発明によって、良質な酸味とコーヒー感を有する、容器詰めコーヒー飲料を提供できることが示された。

Claims (2)

  1. 酢酸フルフリルの含有量が10~100ppbであり、リナロールの含有量が1~10ppbであり、グアイアコールの含有量が100~250ppbであり、クロロゲン酸の含有量が10mg/100ml以上であり、且つ、pHが6.2以下である、容器詰めコーヒー飲料。
  2. クロロゲン酸の含有量が50mg/100ml以下である、請求項1に記載の容器詰めコーヒー飲料。
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