JP6470881B1 - マグネシウム含有無色透明飲料 - Google Patents

マグネシウム含有無色透明飲料 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、マグネシウムを含有するpHが4.0〜7.0の無色透明飲料において、飲用時に感じられるマグネシウム由来のぬめりを軽減することである。マグネシウムを含有するpHが4.0〜7.0の無色透明飲料において、バニリン、エチルバニリン、マルトール及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種を飲料に配合する。

Description

本発明は、マグネシウムを含有する無色透明飲料及びその製造方法に関する。
近年、消費者の健康意識や天然・自然志向を背景に、フレーバードウォーター(flavored water)の人気が高まっている。フレーバードウォーターとは、ミネラルウォーター(ナチュラルミネラルウォーターを含む)などの水に香料やエキス、果汁などの原料を加えた適度な甘味を有する飲料で、ニアウォーターとも呼ばれる水のような無色透明な外観の飲料である。フレーバードウォーターのような無色透明でありながら果実等の風味と適度な甘味を有している飲料は、一般に、水の代わりに飲用できるようなすっきりとした味わいに加えて爽やかな風味を有しており、水と同程度、或いはそれ以上に飲みやすいという特徴を有している。
一方、運動や日常生活などでの発汗によって体から失われた水分やミネラル分を効率良く補給するために、一定量のミネラルが配合された飲料を飲用することが効果的であることが知られている。
ミネラルは特有の呈味を有することから、配合する飲料によっては、香味への影響があることが知られている。ミネラルの呈味改善方法としては、例えば、特許文献1〜5に示されるような技術がこれまでに報告されている。
特開2017−12004号公報 特開2016−42812号公報 特開2016−7149号公報 特開2015−211651号公報 特開2015−167523号公報
ミネラルのうちマグネシウムはぬめり等の特有の感覚を呈するものの、pHが4.0未満の無色透明飲料ではマグネシウム由来の不快なぬめりはほとんど感じられなかった。しかしながら、pHが4.0以上である無色透明飲料にマグネシウムを添加すると、飲用時にマグネシウム特有のぬめりが顕著に感じられるという問題が生じることが見出された。その原因は、pHが4.0以上の無色透明飲料では酸味が弱いため、口内において生じるマグネシウム特有のぬめりが感じられやすくなるものと考えられる。
そこで本発明は、マグネシウムを含有するpHが4.0以上の無色透明飲料において、飲用時に感じられるマグネシウム由来のぬめりを軽減することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、マグネシウムを含有するpHが4.0以上の無色透明飲料に、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種の香気成分を添加することが有用であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
[1]マグネシウムと、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種とを含有する飲料であって、以下の条件(i)〜(v)を満たす前記飲料:
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)飲料のpHが4.0〜7.0であり、
(iv)マグネシウムの含有量が1〜20mg/100mLであり、そして
(v)以下の条件(a)〜(d)のうちいずれか一以上を満たす:
(a)バニリンの含有量が5〜300ppbである;
(b)エチルバニリンの含有量が5〜300ppbである;
(c)マルトールの含有量が5〜17000ppbである;
(d)エチルマルトールの含有量が5〜20000ppbである。
[2]飲料の甘味度が3〜10である、[1]に記載の飲料。
[3]マグネシウムを含有し、以下の条件(i)〜(iv):
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)飲料のpHが4.0〜7.0であり、そして
(iv)マグネシウムの含有量が1〜20mg/100mLである:
を満たす飲料の製造方法であって、
以下の条件(a)〜(d)のうちいずれか一以上を満たすように、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種を配合する工程を含む、前記方法:
(a)当該飲料中のバニリンの含有量が5〜300ppbである;
(b)当該飲料中のエチルバニリンの含有量が5〜300ppbである;
(c)当該飲料中のマルトールの含有量が5〜17000ppbである;
(d)当該飲料中のエチルマルトールの含有量が5〜20000ppbである。
本発明によれば、飲用時のマグネシウム由来のぬめりが軽減された、マグネシウムを含有するpHが4.0以上の無色透明飲料を提供することができる。また、本発明では、マグネシウム由来のぬめりの軽減とともに、すっきりした味わいや爽やかな風味が維持された無色透明飲料を提供することができる。なお、本明細書において「ぬめり」とは、飲用後に口内に感じるぬるっとした感触を意味し、「苦味」や「渋味」とは異なるものである。また、本発明の「マグネシウム由来のぬめり」とは、マグネシウムの持つ特有のぬめりのことであり、他のミネラル由来のぬめりとは異なるものである。
本発明の飲料及び関連する方法について、以下に説明する。
特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppb」は、重量/容量(w/v)のppbを意味する。また、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を含む。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
(マグネシウム)
本発明の飲料は、マグネシウムを含有する。本発明においてマグネシウムは、飲食品に用いることができる塩の形態で、或いはこれらを豊富に含む海洋深層水や海藻エキスなどの形態で飲料に添加することができる。本発明の飲料にマグネシウムを配合することができる塩としては、例えば、塩化マグネシウムや乳酸マグネシウムなどが挙げられる。
本発明の飲料におけるマグネシウムの含有量は1〜20mg/100mLであり、好ましくは2.5〜17.5mg/100mL、より好ましくは5〜15mg/100mLである。pHが4.0〜7.0の無色透明飲料におけるマグネシウムの含有量が上記範囲内にある場合、当該飲料を飲用したときにぬめりが顕著に感じられる。
本発明において用いられるマグネシウムが塩の形態にある場合は、これを遊離体(フリー体)の量に換算した上で飲料中のマグネシウムの含有量を算出することができる。また、本発明に関する、飲料(試料溶液)中のマグネシウムの含有量又は濃度は、ICP発光分光分析装置を用いて公知の方法により測定することができる。
(バニリン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール)
本発明の飲料は、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群から選択される少なくとも一種を含有する。これらの成分は、二種以上又は三種以上が含まれていてもよく、或いは四種全てが含まれていてもよい。なお、本発明に用いられるバニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールの由来は限定されず、それらは植物などの天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよい。
本発明の飲料中のバニリンの含有量は5〜300ppb、好ましくは7〜250ppb、より好ましくは12〜200ppbである。飲料中のバニリンの含有量が5ppbより小さいとマグネシウム由来のぬめり感の軽減効果が不十分となる傾向にあり、一方、バニリンの含有量が300ppbを超えるとバニリン特有の風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。
本発明の飲料におけるバニリン含有量の、マグネシウム含有量に対する重量比(バニリン含有量/マグネシウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0002以上であり、好ましくは0.00025以上、より好ましくは0.0003以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.03以下であり、好ましくは0.025以下、より好ましくは0.02以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0002〜0.03であり、好ましくは0.00025〜0.025、より好ましくは0.0003〜0.02である。
本発明の飲料中のエチルバニリンの含有量は、5ppb以上、7ppb以上、12ppb以上、15ppb以上、20ppb以上、25ppb以上、30ppb以上、35ppb以上、40ppb以上、又は45ppb以上である、本発明の飲料中のエチルバニリンの含有量の上限は、特に限定されないが、300ppb以下であることが好ましい。エチルバニリンの含有量は、より好ましくは275ppb以下、250ppb以下、225ppb以下、又は200ppb以下である。飲料中のエチルバニリンの含有量が5ppbより小さいとマグネシウム由来のぬめり感の軽減効果が不十分となる傾向にあり、一方、エチルバニリンの含有量が300ppbを超えるとエチルバニリン特有の風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。本発明の飲料中のエチルバニリンの含有量は、典型的には、5〜300ppb、7〜275ppb、12〜250ppb、15〜225ppb、又は20〜200ppbである。
本発明の飲料におけるエチルバニリン含有量の、マグネシウム含有量に対する重量比(エチルバニリン含有量/マグネシウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0002以上であり、好ましくは0.00025以上、より好ましくは0.0003以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.03以下であり、好ましくは0.025以下、より好ましくは0.02以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0002〜0.03であり、好ましくは0.00025〜0.025、より好ましくは0.0003〜0.02である。
本発明の飲料中のマルトールの含有量は、5ppb以上、10ppb以上、15ppb以上、20ppb以上、25ppb以上、30ppb以上、35ppb以上、40ppb以上、45ppb以上、又は50ppb以上である、本発明の飲料中のマルトールの含有量の上限は、特に限定されないが、17000ppb以下であることが好ましい。マルトールの含有量は、より好ましくは16500ppb以下、16000ppb以下、15500ppb以下、15000ppb以下、14500ppb以下、14000ppb以下、13500ppb以下、又は13000ppb以下である。飲料中のマルトールの含有量が5ppbより小さいとマグネシウム由来のぬめり感の軽減効果が不十分となる傾向にあり、一方、マルトールの含有量が17000ppbを超えるとマルトール特有の風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。本発明の飲料中のマルトールの含有量は、典型的には、5〜17000ppb、10〜16500ppb、15〜16000ppb、20〜15500ppb、又は25〜15000ppbである。
本発明の飲料におけるマルトール含有量の、マグネシウム含有量に対する重量比(マルトール含有量/マグネシウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0001以上、0.00015以上、0.0002以上、0.00025以上、0.0003以上、0.00035以上、0.0004以上、0.00045以上、又は0.0005以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば2.0以下、1.8以下、1.6以下、1.4以下、1.2以下、1.0以下、0.8以下、0.6以下、又は0.4以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0001〜2.0、0.00015〜1.8、0.0002〜1.6、0.00025〜1.4、又は0.0003〜1.2である。
本発明の飲料中のエチルマルトールの含有量は、5ppb以上、10ppb以上、15ppb以上、20ppb以上、25ppb以上、30ppb以上、35ppb以上、40ppb以上、45ppb以上、又は50ppb以上である、本発明の飲料中のエチルマルトールの含有量の上限は、特に限定されないが、20000ppb以下であることが好ましい。エチルマルトールの含有量は、より好ましくは19500ppb以下、19000ppb以下、18500ppb以下、18000ppb以下、17500ppb以下、17000ppb以下、16500ppb以下、又は16000ppb以下である。飲料中のエチルマルトールの含有量が5ppbより小さいとマグネシウム由来のぬめり感の軽減効果が不十分となる傾向にあり、一方、エチルマルトールの含有量が20000ppbを超えるとエチルマルトール特有の風味が強くなりすぎて飲料自体の味が損なわれるおそれがある。本発明の飲料中のエチルマルトールの含有量は、典型的には、5〜20000ppb、10〜19500ppb、15〜19000ppb、20〜18500ppb、又は25〜18000ppbである。
本発明の飲料におけるエチルマルトール含有量の、マグネシウム含有量に対する重量比(エチルマルトール含有量/マグネシウム含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0001以上、0.00015以上、0.0002以上、0.00025以上、0.0003以上、0.00035以上、0.0004以上、0.00045以上、又は0.0005以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば2.0以下、1.8以下、1.6以下、1.4以下、1.2以下、1.0以下、0.8以下、0.6以下、又は0.4以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0001〜2.0、0.00015〜1.8、0.0002〜1.6、0.00025〜1.4、又は0.0003〜1.2である。
本発明に関する、飲料(試料溶液)中のバニリン、エチルバニリン、マルトール及びエチルマルトールの含有量又は濃度は、以下の方法により測定する。
試料溶液を予め蒸留水で洗浄したPTFE製フィルター(東洋濾紙社製、ADVANTEC DISMIC−25HP 25HP020AN,孔径0.20μm、直径25mm)で濾過し、LC/MS測定に供する。定量値は標準添加法で算出する。LC/MS測定条件は以下の通りである。
(LC分離条件)
HPLC装置:Agilent 1290シリーズ(アジレントテクノロジーズ社製)
送液ポンプ:G4220A
オートサンプラー:G4226A(サーモスタット G1330B付き)
カラムオーブン:G1316C
カラム:Cortecs UPLC T3(粒径1.6μm、内径2.1mm×150mm、Waters社製)
移動相A:ギ酸0.1%水溶液
移動相B:アセトニトリル
流量:0.4mL/min
濃度勾配条件:0.0〜1.0分(5%B)→7.5(100%B)、初期移動相による平衡化4.5分
カラム温度:40℃
試料注入:注入量2.0μL
質量分析装置への試料導入:1.5〜10分
(質量分析条件)
質量分析装置:Q Exactive(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
イオン化方法:APCI、ポジティブモード
イオン化部条件:
Sheath gas flow rate:30
Aux gas flow rate:5
Sweep gas flow rate:0
Capilary temp:300℃
Spray discharge current:4μA
Probe heater temp:300℃
検出条件:
Resolution:140000
AGC Target:3e6
Maximum IT:100ms
Scan Range:100 to 1500 m/z
定量イオン:バニリン m/z=153.05462
エチルバニリン m/z=167.07027
マルトール m/z=127.03897
エチルマルトール m/z=141.05462
(無色透明飲料)
本発明の飲料は、無色である。飲料が無色であることは、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製)など)を用いて純水を基準として測定した際の透過光のΔE値(色差)をもって規定することができる。具体的には、本発明の飲料は、純水を基準とした場合のΔE値が3.5以下である。ΔE値は、好ましくは2.3以下である。
また、本発明の飲料は、透明である。「飲料が透明である」とは、いわゆるスポーツドリンクのような白濁や、混濁果汁のような濁りがなく、水のように視覚的に透明な飲料であることをいう。飲料の透明度は、液体の濁度を測定する公知の手法を用いることにより、数値化することができる。例えば紫外可視分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製)など)を用いて測定した波長660nmにおける吸光度をもって飲料の透明度を規定することができる。具体的には、本発明の飲料は、波長660nmの吸光度が0.06以下である。
(pH)
本発明の飲料のpHは4.0〜7.0である。無色透明飲料のpHがこの数値範囲内にある場合、飲用時のマグネシウム由来のぬめりが顕著に感じられるようになる。バニリン、エチルバニリン、マルトール、又はエチルマルトールによるマグネシウム由来のぬめりを軽減する効果は、飲料のpHが当該範囲内で特に有益なものとなる。本発明の飲料のpHは、4.3〜6.5、4.5〜6.2、又は4.7〜5.9であってもよい。
(酸味料)
本発明の飲料は、酸味料を含有してもよい。本発明の飲料のpHは、酸味料の配合により調整可能である。本発明において用いられる酸味料は、特に限定されないが、典型的な酸味料の例は、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸、酒石酸、グルコン酸、及びそれらの塩である。特に、クエン酸、リンゴ酸、リン酸、及びそれらの塩が好ましい。本発明の飲料は、一種の酸味料だけを含有してもよいし、二種以上の酸味料を含有してもよい。なお、本発明に関して「酸味料」との用語を用いる場合、酸味料には、食品添加物だけでなく、果汁由来の酸も含まれる。具体的には、当該飲料が果汁を含有し、果汁が例示された上記の酸を含有する場合、その酸も酸味料とみなされる。
(甘味度)
本発明の飲料は、適度な甘味を有していてよい。本発明の飲料では、甘味度は、特に限定されないが、例えば3〜10であり、好ましくは3〜9であり、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは3〜7である。
本明細書における甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。ショ糖の甘味1に対する各種代表的な甘味成分の甘味の相対比は、表1に示す。表1に記載のない甘味成分については、当該甘味成分を製造あるいは販売しているメーカーが提示する甘味度を用いたり、官能評価より甘味度を求めたりすることができる。
Figure 0006470881
本発明の飲料では、甘味成分を用いて飲料の甘味度を調整することができる。甘味成分としては、例えば、表1に記載されている甘味成分を用いることができるが、それ以外の甘味成分を用いてもよい。好ましい甘味成分は、果糖、砂糖、異性化糖(果糖55%)、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖、ショ糖、乳糖であり、特に好ましい甘味成分は、ショ糖である。本発明の飲料は、高甘味度甘味料を用いない場合の方が本発明の効果を認識しやすく、好ましい。なお、本明細書でいう高甘味度甘味料とは、ショ糖と比べて十倍以上の甘味度を有する人工又は天然の甘味料を意味する。本発明においては、飲料中にこれら甘味成分を甘味料として直接配合してもよいし、甘味成分を含有する果汁やエキス等を配合してもよい。
(タンニン)
本発明の飲料は、特に限定されないが、タンニンが多量に含まれると、飲料の着色が生じることから、飲料中のタンニンの含有量が150ppm以下であることが好ましい。飲料中のタンニンの含有量が150ppmを超えると、飲料の着色が生じ、無色透明を維持できなくなるおそれがある。また、タンニンには特有の渋味があり、タンニンが多量に含まれると、飲料としての美味しさを損なうおそれがある。
(カフェイン)
本発明の飲料には、好ましくはカフェインを含有する。飲料中のカフェインの好ましい濃度は100〜200ppmである。適度なカフェインの刺激により、本発明の効果をより顕著に感じられるが、カフェインの濃度が200ppmを超えると、カフェインの苦味により、飲料としての美味しさを損なうおそれがある。
(その他)
本発明の飲料には、上記に示した各種成分に加えて、通常の飲料に用いられる香料、糖類、栄養強化剤(ビタミン類など)、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、pH調整剤、品質安定剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。特に、本発明の飲料は、無色透明であるという特徴上、エキスや果汁などの添加量が著しく制限されるため、それを補うために香料が添加されていることが好ましい。より好ましい香料は、紅茶フレーバー、コーヒーフレーバーやミルクフレーバーである。
(飲料)
本発明の飲料の種類は、本発明が対象とする無色透明飲料である限り特に限定されず、清涼飲料であればよい。栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、茶系飲料(紅茶、ウーロン茶等)、コーヒー飲料、炭酸飲料などいずれであってもよいが、フレーバードウォーターが好ましい。当該飲料は、一実施形態において、茶風味を有する飲料であることが好ましく、その中でも紅茶風味飲料であることがより好ましく、ミルク紅茶風味飲料であることが特に好ましい。また、当該飲料は、他の実施形態において、コーヒー風味を有する飲料であることが好ましく、中でもミルクコーヒー風味飲料であることがより好ましい。一方、アルコール分を1%以上含有するアルコール飲料は、含有されるアルコール分が本発明の効果を阻害する恐れがあるため、好ましくない。
本発明の飲料は、加熱殺菌をされ、容器に詰められた状態の容器詰飲料であることが好ましい。容器としては、特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。なかでも、無色透明な容器、例えばPETボトルを用いると、本発明の飲料に特徴的な無色透明な外観を容器詰めの状態で確認できることから、好ましい。加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば65〜130℃、好ましくは85〜120℃で、10〜40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5〜30秒での殺菌でも問題はない。
(方法)
本発明は、別の側面では、マグネシウムを含有し、以下の条件(i)〜(iv):
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)飲料のpHが4.0〜7.0であり、そして
(iv)マグネシウムの含有量が1〜20mg/100mLである:
を満たす飲料の製造方法である。当該方法は、以下の条件(a)〜(d)のうちいずれか一以上を満たすように、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種を配合する工程を含む:
(a)当該飲料中のバニリンの含有量が5〜300ppbである;
(b)当該飲料中のエチルバニリンの含有量が5〜300ppbである;
(c)当該飲料中のマルトールの含有量が5〜17000ppbである;
(d)当該飲料中のエチルマルトールの含有量が5〜20000ppbである。
また、当該方法は、当該飲料を飲用したときに感じられるマグネシウム由来のぬめりを軽減することができるため、本発明は、当該飲料におけるマグネシウム由来のぬめりを軽減する方法にも関する。
飲料中の成分の種類、その含有量、成分の重量比、吸光度、色差、pH、甘味度、及びその好ましい範囲、並びにその調整方法については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。そのタイミングも限定されない。例えば、上記工程を、吸光度の調整工程、色差の調整工程、pHの調整工程、甘味度の調整工程、マグネシウム含有量の調整工程などの他の工程と同時に行ってもよいし、別々に行ってもよいし、それらの工程の順番を入れ替えてもよい。最終的に得られた飲料が、上記の条件を満たせばよい。
以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(試験例1)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて下表の通り調整した。なお、試作品1−17、2−17、3−18及び4−18ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。得られた飲料について、分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製))により波長660nmにおける吸光度を測定し、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製))により純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
各飲料について、3名の専門パネラーにより、飲用時にマグネシウム由来のぬめりを感じるかどうかの官能評価試験を実施した。具体的には、マグネシウム由来のぬめりを強く感じる場合を1点、ぬめりを感じない場合を6点として、1〜6点の6段階で評価した。その評価の平均点を下記の表に示す。なお、パネラー間では、評価基準となるサンプルを使用してぬめりの強さとそれに対応する点数との関係を確認し、点数付けがなるべく共通化するようにしてから評価試験を実施した。
6点:ぬめりを感じない
5点:ぬめりをほとんど感じない
4点:ぬめりをわずかに感じる
3点:ぬめりをやや感じる
2点:ぬめりを明らかに感じる
1点:ぬめりを強く感じる
とし、1〜2点をフレーバーウォーターらしいすっきりした味わいや爽やかな風味を維持していない、3〜6点をフレーバーウォーターらしいすっきりした味わいや爽やかな風味を維持している、と評価した。
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上記の表で明らかな通り、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールはマグネシウム由来のぬめりを軽減した。また、バニリン、エチルバニリン、マルトール、又はエチルマルトールの含有量と、バニリン/マグネシウム、エチルバニリン/マグネシウム、マルトール/マグネシウム、又はエチルマルトール/マグネシウムの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。なお、試作品1−10と1−12の結果から、飲料のpHが4.0以上である場合にマグネシウム由来のぬめりが顕著に感じられ、ぬめりを軽減するバニリンの能力が効果的に発揮されることが確認できた。エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールにおいても、同様の効果が発揮されることが確認できた。
表6に示す配合にて、ミルク紅茶風味のフレーバーウォーターを製造した。加熱殺菌を行った後、試験例1と同様の方法にて、官能評価試験を行った。
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バニリンの添加により、マグネシウム由来のぬめりの軽減効果が確認できるとともに、ミルク風味が強化されていることが確認できた。

Claims (3)

  1. マグネシウムと、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種とを含有する飲料であって、以下の条件(i)〜(v)を満たす前記飲料:
    (i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
    (ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
    (iii)飲料のpHが4.0〜7.0であり、
    (iv)マグネシウムの含有量が1〜20mg/100mLであり、そして
    (v)以下の条件(a)〜(d)のうちいずれか一以上を満たす:
    (a)バニリンの含有量が5〜300ppbである;
    (b)エチルバニリンの含有量が5〜300ppbである;
    (c)マルトールの含有量が5〜17000ppbである;
    (d)エチルマルトールの含有量が5〜20000ppbである。
  2. 飲料の甘味度が3〜10である、請求項1に記載の飲料。
  3. マグネシウムを含有し、以下の条件(i)〜(iv):
    (i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
    (ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
    (iii)飲料のpHが4.0〜7.0であり、そして
    (iv)マグネシウムの含有量が1〜20mg/100mLである:
    を満たす飲料の製造方法であって、
    以下の条件(a)〜(d)のうちいずれか一以上を満たすように、バニリン、エチルバニリン、マルトール、及びエチルマルトールからなる群より選択される少なくとも一種を配合する工程を含む、前記方法:
    (a)当該飲料中のバニリンの含有量が5〜300ppbである;
    (b)当該飲料中のエチルバニリンの含有量が5〜300ppbである;
    (c)当該飲料中のマルトールの含有量が5〜17000ppbである;
    (d)当該飲料中のエチルマルトールの含有量が5〜20000ppbである。
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