JP2009148175A - コーヒー抽出液の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コーヒー風味を維持し、かつヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比を低減する方法を提供する。
【解決手段】原料コーヒー抽出液を、カラム充填した、下記式(1)で求められる範囲のポリビニルポリピロリドンと接触させる、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が10/10000未満のコーヒー抽出液の製造法。
(ポリビニルポリピロリドンの質量)/(原料コーヒー抽出液の固形分を20℃における糖用屈折計示度(Brix)より求めた質量)=0.2〜0.8 (1)
【選択図】なし

Description

本発明は、 コーヒー抽出液の製造法に関する。
コーヒー中含まれるヒドロキシヒドロキノンは、コーヒー飲用後排泄される尿中の過酸化水素源になっていることが報告されている(非特許文献1、2)。従って、日常慣用的に飲用されるコーヒーにおいては、ヒドロキシヒドロキノンを除去することが望ましい。
一方、コーヒー中のヒドロキシヒドロキノンがクロロゲン酸類の血圧降下作用を阻害することから、その除去目的で活性炭による処理を行っている例がある(特許文献1)。また、コーヒー豆を低い温度で抽出して得られたコーヒーを酵素(タンナーゼ)処理した後、ポリビニルポリピロリドン(以下、PVPPという)等の吸着剤で処理し、更に凍結濃縮することにより、コーヒー抽出液からカフェイン等の苦渋味成分のみを選択的に除去する方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2において、ヒドロキシヒドロキノンの除去について何ら開示も示唆もない。
Free Radical Research, 32(5), 463, (2000) Current Medicinaly Chemistry, 11, 1085, (2004) 特許3839831号公報 特許3691453号公報
本発明者らがコーヒー抽出液について吸着剤処理を行ったところ、ヒドロキシヒドロキノンの除去のみならず、有効成分のクロロゲン酸類の低減やコーヒーの風味成分までも失われることがあった。
即ち、コーヒー風味を維持し、かつヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比を低減する方法が望まれていた。
本発明者は種々検討した結果、ポリビニルポリピロリドン(以下、PVPPという)を一定の条件で使用することにより、クロロゲン酸類やコーヒー風味を減じることなく、ヒドロキシヒドロキノンを吸着除去できることを見出した。
即ち本発明は、原料コーヒー抽出液を、カラム充填した、下記式(1)で求められる範囲のポリビニルポリピロリドンと接触させる、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が10/10000未満のコーヒー抽出液の製造法、並びに該製造法により製造されるコーヒー抽出液を含む、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が10/10000未満の加熱殺菌容器詰コーヒー飲料を提供する。
(ポリビニルポリピロリドンの質量)/(原料コーヒー抽出液の固形分を20℃における糖用屈折計示度(Brix)より求めた質量)=0.2〜0.8 (1)
本発明の方法により製造されるコーヒー抽出液ならびに容器詰コーヒー飲料は、ヒドロキシヒドロキノンが低減され、クロロゲン酸類豊富でかつ風味に優れたものである。
本発明で使用する原料コーヒー抽出液について説明する。
コーヒー豆の種類は、特に限定されないが、例えばブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ等が挙げられる。コーヒー種としては、アラビカ種、ロブスタ種などが挙げられる。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。
焙煎コーヒー豆の焙煎方法については特に制限はなく、焙煎温度、焙煎環境についても何ら制限はなく、通常の方法を採用できる。
更にその豆からの抽出方法についても何ら制限はなく、例えば焙煎コーヒー豆又はその粉砕物から水〜熱水(0〜100℃)を用いて10秒〜30分抽出する方法が挙げられる。抽出方法は、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式(ペーパー、ネル等)等が挙げられる。
本発明の原料コーヒー抽出液は、原料コーヒー抽出液100gあたりコーヒー豆を生豆換算で1g以上使用したものが好ましい。より好ましくはコーヒー豆を2.5g以上使用したものである。更に好ましくはコーヒー豆を5g以上使用したものである。
原料コーヒー抽出液中の固形分濃度は、0.1〜30質量%のものを用いることができるが、PVPP処理時の処理効率の観点から0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜4質量%がより好ましい。ここで、固形分濃度は、Brix(20℃における糖用屈折計示度)を用いる。
次にPVPPを用いた処理について説明する。PVPPは、ポリビニルピロリドンの架橋体である。PVPPの市販品としては、BASF株式会社のダイバガンF、ダイバガンRS等が挙げられるが、他社の製品も同様に使用できる。PVPPの平均粒径は、接触効率と圧力損失の観点から20〜500μmが好ましく用いられ、70〜100μmがより好ましく、70〜90μmが更に好ましい。
PVPPは、原料コーヒー抽出液に対して、下記式(1)で求められる範囲の量(以下、単に質量比という)を接触させる。
(ポリビニルポリピロリドンの質量)/(原料コーヒー抽出液の固形分を20℃における糖用屈折計示度(Brix)より求めた質量)=0.2〜0.8 (1)
質量比は、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.4〜0.7である。質量比が0.2以上において、十分なヒドロキシヒドロキノンの低減が可能になり、質量比が0.8以下において、十分なヒドロキシヒドロキノンの低減とコーヒー風味の維持が可能になる。
PVPP処理はカラム法を用いる。バッチ攪拌と比べてヒドロキシヒドロキノンが選択的に除去される。カラムへの充填密度は乾燥状態において0.1〜0.5g/cmが好ましく、0.2〜0.4g/cmがより好ましい
充填されたPVPPは、原料コーヒー抽出液を通液する前に、水、水性溶媒、又はコーヒー抽出液等で膨潤させておくことが好ましい。膨潤に用いるコーヒー抽出液は、処理する原料コーヒー抽出液と異なっていても差し支えないが、同一のものが好ましい。
原料コーヒー抽出液の通液速度は、液空間速度(LHSV(1/hr):乾燥状態のPVPP基準)として1.7〜7が好ましく、2〜6.5がより好ましく、2.1〜6.4が特に好ましい。
PVPP処理時の温度は、原料コーヒー抽出液の品質劣化を抑制する観点から0〜50℃が好ましく、5〜40℃がより好ましく、10〜30℃が特に好ましい。
本発明により、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が10/10000未満のコーヒー抽出液を得ることができる。好ましくはヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が5/10000未満であり、より好ましくは4/10000未満である。
本発明のコーヒー抽出液は濃縮したものであっても良く、クロロゲン酸類を好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%含有する。
本発明のコーヒー抽出液は、ヒドロキシヒドロキノンを好ましくは10mg/kg以下含有し、より好ましくは5mg/kg以下含有し、更に好ましくは1mg/kg以下含有する。
本発明により得られたコーヒー抽出液より、ヒドロキシヒドロキノン含有量が1mg/kg以下の加熱殺菌容器詰コーヒー飲料を得ることができる。本発明の容器詰コーヒー飲料は、ヒドロキシヒドロキノンを好ましくは0.8mg/kg以下含有し、より好ましくは0.5mg/kg以下含有する。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、クロロゲン酸類をコーヒー飲料中好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.02〜0.5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.4質量%、特に好ましくは0.08〜0.3質量%含有する。
当該クロロゲン酸類としては、(A1)モノカフェオイルキナ酸及び(A2)フェルラキナ酸が含まれる。ここで(A1)モノカフェオイルキナ酸としては3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。また(A2)フェルラキナ酸としては、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。
容器詰コーヒー飲料中のモノカフェオイルキナ酸の構成比としては、4−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比が0.6〜1.2が好ましく、5−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比が0.01〜3であることがより好ましい。
当該クロロゲン酸類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。分析条件は、実施例に記載の方法による。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が好ましくは10/10000未満である。より好ましくはヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が5/10000以下であり、より好ましくは3/10000以下である。
本発明の容器詰コーヒー飲料には、所望により、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液糖、糖アルコール等の糖分、乳成分、抗酸化剤、pH調整剤、乳化剤、香料等を添加することができる。乳成分としては、生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂乳、部分脱脂乳、れん乳等が挙げられる。
本発明のコーヒー飲料のpHとしては、飲料の安定性の面より3〜7.5が好ましく、4〜7がより好ましく、5〜7が更に好ましい。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、F0値(致死値)を一定値以上に設定して加熱殺菌処理を行うことにより製造される。F0値は、微生物学的安定性の点で、5〜60、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜40、更に好ましくは17〜35である。ここで、F0値とは、缶詰コーヒー飲料を加熱殺菌した場合の加熱殺菌効果を評価する値で、基準温度(121.1℃)に規格化した場合の加熱時間(分)に相当する。F0値は、容器内温度に対する致死率(121.1℃で1)に、加熱時間(分)を乗じて算出される。致死率は致死率表(藤巻正生ら、「食品工業」、恒星社厚生閣、1985年、1049頁)から求めることができる。F0値を算出するには、一般的に用いられる面積計算法、公式法等を採用することができる(例えば谷川ら《缶詰製造学》頁220、恒星社厚生閣 参照)。
本発明において、F0値を所定の値になるよう設定するには、例えば、予め得た致死率曲線から、適当な加熱温度・加熱時間を決定すればよい。
また、殺菌温度は、微生物学的安定性の点で123℃以上が好ましく、更に123〜150℃、より好ましくは126〜141℃、更に好ましくは130〜140℃が好適である。
当該容器詰コーヒー飲料の加熱殺菌処理は、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ食品衛生法に定められた条件と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が挙げられる。
本発明の容器詰コーヒー飲料の容器としてはPETボトル、缶(アルミニウム、スチール)、紙、レトルトパウチ、瓶(ガラス)等が挙げられる。
容器としては、コーヒー中の成分の変化を防止する観点から、酸素非透過性の容器が好ましく、例えば、アルミニウムや、スチールなどの缶、ガラス製のビン等を用いるのが良い。缶やビンの場合、リキャップ可能な、リシール型のものも含まれる。ここで酸素非透過性とは、酸素透過度(ml・mm/m2・day・atm)が5以下であることをいうが、更に3以下、特に1以下であればより好ましい。
本発明のコーヒー抽出液及び容器詰コーヒー飲料は、高血圧改善作用を有するクロロゲン酸類を有効量含有しており、血圧降下作用、血圧上昇抑制作用、抗肥満作用(平成10年 地域コンソーシアム報告書、琉球大学試験結果)等を有する飲料として有用である。
クロロゲン酸類の分析方法
コーヒー抽出液及び容器詰コーヒー飲料のクロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通り。サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、UV−VIS検出器設定波長:325nm、カラムオーブン設定温度:35℃、溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点、フェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点。ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。尚、インスタントコーヒーは適宜水で希釈して同様に分析を行う。
HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法
ヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、米国ESA社製)を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー、クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A、溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー、オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー、デガッサー:Degasys Ultimate DU3003、カラムオーブン:505.カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm 粒子径5μm((株)資生堂)。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、電気化学検出器の印加電圧:0mV、カラムオーブン設定温度:40℃、溶離液C:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、溶離液D:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
溶離液C及びDの調製には、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水(関東化学(株))、高速液体クロマトグラフィー用メタノール(関東化学(株))、リン酸(特級、和光純薬工業(株))、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(60%水溶液、東京化成工業(株))を用いた。
濃度勾配条件
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
試料5gを精秤後、0.5(W/V)%リン酸、0.5mM 1−ヒドロキシエタン
−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液にて10mLにメスアップし、この溶液について遠心分離を行い、上清を分析試料とした。この上清について、ボンドエルートSCX(固相充填量:500mg、リザーバ容量:3mL、ジーエルサイエンス(株))に通液し、初通過液約0.5mLを除いて通過液を得た。この通過液について、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過し、速やかに分析に供した。
HPLC−電気化学検出器の上記の条件における分析において、ヒドロキシヒドロキノンの保持時間は、6.38分であった。得られたピークの面積値から、ヒドロキシヒドロキノン(和光純薬工業(株))を標準物質とし、質量%を求めた。
Brix(20℃における糖用屈折計示度)の測定
Brix値は、20℃において屈折率計で測定した値を用いる。以下の実施例においては、屈折率計としてATAGO社製RX−5000αを使用した。
製造例 原料コーヒー抽出液の調製
コーヒーミル(Kalita)で細挽きした市販コーヒー焙煎豆(L値22;ユニカフェ株式会社)250gに対し、95℃の湯2Lを加え、300rpm、10分間の攪拌を行い、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液のヒドロキシヒドロキノン濃度は25mg/kg、クロロゲン酸類濃度は225mg/100g、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比は110、Brixは3.60であった。
実施例1
PVPP(ダイバガンF:BASF社製)5gをカラム(30mmφ×410mm)に乾燥状態で充填した。PVPPの充填体積は23.8cmであり、充填密度は0.21g/cmであった(いずれも乾燥状態基準)。
その後、PVPPを水で膨潤させ、次いでカラム内の水をコーヒー抽出液で置換した。次に、216gのコーヒー抽出液を、液温度23℃、通液速度54cm/Hrの条件でカラムに通液し、216gの処理後のコーヒー抽出液を得た。処理前のコーヒー抽出液中の固形分は7.8gであり、PVPP/処理前コーヒー固形分質量比率は0.64であった。
得られた処理後のコーヒー抽出液216gを重曹水(5%)でpHを6.1に調整し、イオン交換水により飲料中のコーヒーBrixを1.5に調節した。本調製液を缶詰し、124℃、11.5分の条件で加熱殺菌し、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を得た。
実施例2
コーヒー抽出液にアスコルビン酸ナトリウムを0.03質量%添加した以外は実施例1と同様のカラム処理を行い、処理後のコーヒー抽出液及び加熱後の容器詰コーヒー飲料を得た。
実施例3
PVPP量を1.86g(PVPP/処理前コーヒー固形分質量比率は0.24)とした以外は実施例1と同様のカラム処理を行い、処理後のコーヒー抽出液及び加熱後の容器詰コーヒー飲料を得た。
比較例1
コーヒー抽出液216gにPVPP5g(PVPP/処理前コーヒー固形分質量比率0.64)を加え、23℃、300rpm、1時間の条件でバッチ攪拌処理を施した。攪拌処理終了後、メンブレンフィルター(Cellulose Acetate:Advantec)で23℃の条件下でろ過してPVPPを除去し、処理後のコーヒー抽出液を得た。
得られた処理後のコーヒー抽出液に対し、実施例1と同様の処理を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。
比較例2
アスコルビン酸ナトリウムを0.03質量%添加したコーヒー抽出液216gにPVPP1.27g(PVPP/処理前コーヒー固形分質量比率0.16)を加え、比較例1と同様にしてバッチ攪拌処理を行い、処理後のコーヒー抽出液を得た。
得られた処理後のコーヒー抽出液に対し、実施例1と同様の処理を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。
比較例3
アスコルビン酸ナトリウムを0.03質量%添加したコーヒー抽出液216gにPVPPを添加せず、比較例1と同様にしてバッチ攪拌処理を行い、処理後のコーヒー抽出液を得た。
得られた処理後のコーヒー抽出液に対し、実施例1と同様の処理を行い、容器詰コーヒー飲料を得た。
比較例4
PVPP量を1.27g(PVPP/処理前コーヒー固形分質量比率は0.16)とした以外は実施例2と同様のカラム処理を行い、処理後のコーヒー抽出液及び加熱後の容器詰コーヒー飲料を得た。
比較例5
PVPP量を6.75g(PVPP/処理前コーヒー固形分質量比率は0.87)とした以外は実施例2と同様のカラム処理を行い、処理後のコーヒー抽出液及び加熱後の容器詰コーヒー飲料を得た。
処理後のコーヒー抽出液及び加熱後の容器詰コーヒー飲料の分析値及び評価結果を表1に示す。
Figure 2009148175

Claims (3)

  1. 原料コーヒー抽出液を、カラム充填した、下記式(1)で求められる範囲のポリビニルポリピロリドンと接触させる、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が10/10000未満のコーヒー抽出液の製造法。
    (ポリビニルポリピロリドンの質量)/(原料コーヒー抽出液の固形分を20℃における糖用屈折計示度(Brix)より求めた質量)=0.2〜0.8 (1)
  2. 請求項1記載の方法により製造されるコーヒー抽出液を加熱殺菌して得られる、ヒドロキシヒドロキノン/クロロゲン酸類質量比が10/10000未満の加熱殺菌容器詰コーヒー飲料。
  3. ヒドロキシヒドロキノン含有量が1mg/kg以下である、請求項2記載の加熱殺菌容器詰コーヒー飲料。
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