JP2007282571A - コーヒー飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コーヒー抽出物を活性炭処理後、合成吸着剤と接触させて製造されるクロロゲン酸類を0.01〜20質量%含有し、フェノール類/Brix比が5/1000000以上100/1000000未満であるコーヒーを製造する方法。
【選択図】なし
Description
コーヒー中のフェノール化合物は、フェノール化合物の自己酸化により生じうる反応酸素種、特に過酸化水素を発生することが明らかになっている(非特許文献2)。
J. Agric. Food. Chem., Vol.51, 5768-5773, 2003 Mutat. Res., Vol.442, 43-51, 1999
一方、コーヒー中のヒドロキシヒドロキノンがクロロゲン酸類の血圧降下作用を阻害することからその除去目的で活性炭の処理を行っている例がある(WO2005/072533)。当該処理では、フェノール類の除去は達成できず、依然としてコーヒー飲料中にフェノール類が存在している。活性炭のみを使用してフェノール類を除去するには、多量の活性炭が必要となり、コーヒーの風味に有効な成分や有効成分のクロロゲン酸類までも減少してしまうという問題が生じていた。
コーヒー抽出物中の固形分濃度としては、0.1〜5.0重量%であることが、風味の点から好ましい。
使用できる塩としては、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、ヨウ素イオン及びチオシアンイオン等の陰イオンと陽イオンであるアンモニウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン及びナトリウムイオン等で構成される塩である。
当該クロロゲン酸類としては、モノカフェオイルキナ酸、フェルラキナ酸、ジカフェオイルキナ酸の三種を含有する。ここでモノカフェオイルキナ酸としては3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。またフェルラキナ酸としては、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。ジカフェオイルキナ酸としては3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。当該クロロゲン酸類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。HPLCにおける検出手段としては、UV検出が一般的であるが、CL(化学発光)検出、EC(電気化学)検出、LC−MS検出等により更に高感度で検出することもできる。
フェノール類の濃度は、ガスクロマトグラフィー及びGC/MSで測定することができる。本発明でいうフェノール類とは、フェノール、ピロカテコール及びヒドロキノンを意味する。
コーヒー組成物を使用して、コーヒー飲料を調製する場合は、液状のコーヒー組成物は、そのまま或いは水(湯も含む)で希釈又は溶解した後、加熱処理することによりコーヒー飲料を調製することができる。固体状のコーヒー組成物は、水(湯も含む)で希釈又は溶解しコーヒー飲料を調製することができる。
当該容器詰コーヒー飲料の加熱殺菌処理は、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ食品衛生法に定められた条件と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が挙げられる。
コーヒー組成物及びコーヒー飲料のクロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点、フェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点、ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。尚、インスタントコーヒーは適宜水で希釈して同様に分析を行う。
加熱前後のそれぞれのコーヒー飲料(200ml)に対し、同量(200mL)の酢酸エチルを用いて抽出を行い、無水硫酸ナトリウムで乾燥・濃縮した。濃縮後、真空ポンプで残存している溶剤を除去しフェノール測定試料とした。
これらの濃縮物は適宜希釈して、GC/MSにより、試料中のフェノール類(フェノール、ピロカテコール及びヒドロキノン)を帰属した後、同条件のGC(ガスクロマトグラフィー)により、フェノール類標準物質を用いて定量した。尚、インスタントコーヒーは適宜水で希釈して同様に分析を行う。
GC/MSはAgilent Technologies社製 6890 Plus 5973Nを、GCは Agilent Technologies社製 6890Nを用い、以下の条件で使用した。
カラム:Ultra2 0.52μm 0.32mmφ×50m;キャリアーガス:He 1.0mL/min(定流モード);カラムヘッド圧:17kPa(at40℃);注入口:スプリット(スプリット比30:1 温度300℃);カラム温度:40℃(3min)−(+20℃/min)→300℃(14min);イオン化法:EI;エミッション電流:35μA;電子エネルギー:70eV;E.M.電圧:1800V;ソース温度:230℃;Q−ポール温度:150℃;インターフェイス温度:280℃
カラム:Ultra2 0.52μm 0.32mmφ×50m;キャリアーガス:He 1.0ml/min(定流モード);カラムヘッド圧:54.6kPa(at 40℃);注入口:スプリット(スプリット比30:1温度300℃);カラム温度:40℃(3min)−(+20℃/min)→300℃(14min);検出器:FID(温度250℃)
市販アラビカ種コーヒー豆(L値24)抽出エキス(Brix,15.6%;クロロゲン酸類,16740mg/kg;フェノール類,75.4mg/kg;フェノール類/Brix,4.8/10000)1kgを固形量の50%量の活性炭白鷺WH2C 28/42(平均細孔径4.2オングストローム、 日本エンバイロケミカルズ)のカラムに通過させた後、メンブレンフィルター(0.1μm)を用いてろ過し、ろ液(1kg)を得た(このコーヒーを活性炭処理コーヒーという)。各分析値は、クロロゲン酸類12313mg/Kg、フェノール類、11.6mg/kg。活性炭処理コーヒーを用いてBrix 2%合わせの容器詰コーヒー飲料を調製した。
活性炭処理コーヒー抽出物500gを、2M硫酸アンモニウム酢酸緩衝液pH5.0で平衡化したフェニル基を有する疎水性合成吸着剤であるフェニルセルファイン(チッソ株式会社)500gのオープンカラムを通過させ、コーヒー組成物310gを得た。
コーヒー組成物を希釈して、Brix 2%の容器詰コーヒー飲料を調製した。Brix はデジタル屈折計RX−5000(株式会社アタゴ)を用いて、19.8℃にて測定を行った。調製したコーヒー組成物を缶に充填、巻締めを行った後、127℃11分でレトルト殺菌を行い、殺菌前後のコーヒー飲料中のクロロゲン酸類、フェノール類(フェノール、ピロカテコール及びヒドロキノン)の量を測定した。
実施例(1)で得られた疎水性樹脂処理コーヒー組成物を凍結乾燥し、得られたコーヒー粉末を、適宜、水またはお湯で希釈または溶解しコーヒー飲料を調製した。インスタントコーヒーのにおいては、フェノール類を低減でき、かつ、風味も良好であった。
Claims (7)
- コーヒー抽出物を活性炭処理後、合成吸着剤と接触させることを特徴とするクロロゲン酸類を0.01〜20質量%含有し、フェノール類含有量を低減させたコーヒー組成物の製造方法。
- 合成吸着剤と接触後に加熱し、コーヒー抽出物中のフェノール類含有量を低減する請求項1に記載のコーヒー組成物の製造方法。
- 合成吸着剤が疎水性合成吸着剤である請求項1又は2記載のコーヒーの製造方法。
- クロロゲン酸類を0.01〜20質量%含有し、フェノール類/Brix比が5/1000000以上100/1000000未満であるコーヒー組成物。
- 請求項4記載のコーヒー組成物を用いたインスタントコーヒー。
- 請求項4記載のコーヒー組成物を用いたコーヒー飲料。
- 請求項4記載のコーヒー組成物を用いた容器詰コーヒー飲料。
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