JP2009028013A - 容器詰コーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract


【課題】血圧上昇抑制が期待でき、コーヒー本来の味を損なわず、低刺激なコーヒーを提供する。
【解決手段】(A)クロロゲン酸類0.01〜1質量%を含有し、(B)一芳香環性の多価フェノールの合計量が飲料中0.2〜6ppmである、容器詰コーヒー飲料。
【選択図】 なし

Description

本発明は容器詰コーヒー飲料に関する。
コーヒー豆中に含まれるクロロゲン酸には血圧降下作用があることが知られており、これを多く、定常的に摂取することによって高血圧を抑制することが期待できる。その方法としては相当量のコーヒーを飲用することが考えられるが、コーヒーは比較的刺激性が強く、特に胃腸の弱い人が摂取した場合、あるいは健康人でも空腹時に摂取すると胃痛、胃酸過多、胃のもたれ、胸焼けなどを生じることがある。その割合は、ヨーロッパでは36.8%(非特許文献1)、アメリカでは30〜50%(非特許文献1〜3)、オーストラリアでは18.2%(非特許文献4)と推察されている。
したがって、コーヒー飲料の胃腸への刺激を軽減させることが重要となる。その手段としては、砂糖、ミルク、クリームなどを入れて刺激を和らげる方法があるが、肥満、糖尿病など生活習慣病の誘引が懸念され、そのような不安のない刺激低減方法が望まれる。
別の刺激低減方法として、胃に対する刺激物質を除去する方法と、摂取しても人体への影響が小さい物質を添加する方法が報告されている。
前者の例として、リンゴ酸を減少させる方法(特許文献1)、カリウム含量が通常コーヒーの1/2未満である脱カフェインコーヒー(特許文献2)、シクロデキストリンポリマーでクロロゲン酸を吸着除去したコーヒー抽出液(特許文献3)などが開示されている。
また後者の例として、マンネンタケの粉末または抽出物質を配合した飲食物(特許文献4)、ケツメイシやドクダミを添加したコーヒー(特許文献5)などが開示されている。
特開平3−65140 特開平5−76285 特開平7−322823 特開平7−116 特開2002−281902 Physiol. Behav. 1995, 57(3): 563-567 Gastroenterology 1995, 108(1): 125-131 Am. J. Gastroenterol. 1990, 85(10): 1339-1342 J. Gastroenterol Hepatol. 2000, 15(1): 35-39
しかしながら、コーヒー飲料に本来コーヒーに含まれていない添加物を加えることは本来のコーヒーの味を損ねてしまう可能性がある。また、刺激物質を除去する方法では、刺激抑制が十分ではなかったり、クロロゲン酸が除去されてしまったりして血圧上昇抑制効果が期待できない。したがって、本発明では、血圧上昇抑制が期待でき、コーヒー本来の味を損なわず、低刺激なコーヒーを提供することを目的とする。
本発明は、(A)クロロゲン酸類0.01〜1質量%を含有し、(B)一芳香環性の多価フェノールの合計量が飲料中0.2〜6ppmである、容器詰コーヒー飲料を提供するものである。
本発明品は十分な量のクロロゲン酸を含有しながら、特定多価フェノール量を制御することによって、風味・香に優れつつ、低刺激で飲用し易いコーヒー飲料を提供できる。
本発明のコーヒー飲料は、クロロゲン酸類を0.01〜1質量%含有する。血圧上昇抑制効果・血圧降下効果と刺激性の観点から、好ましくは、0.05〜0.8質量%、特に好ましくは0.08〜0.6質量%である。当該クロロゲン酸類としては(A1)モノカフェオイルキナ酸、(A2)フェルラキナ酸、(A3)ジカフェオイルキナ酸の三種を含有する。ここで(A1)モノカフェオイルキナ酸としては3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。また(A2)フェルラキナ酸としては、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。(A3)ジカフェオイルキナ酸としては3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。当該クロロゲン酸類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。HPLCにおける検出手段としては、UV検出が一般的であるが、CL(化学発光)検出、EC(電気化学)検出、LC−Mass検出等により更に高感度で検出することもできる。
本発明においては、飲料中における一芳香環性の多価フェノールの総濃度が0.2〜6ppmである。これら特定の多価フェノールが当該範囲含まれることによって、コーヒーとしての質感を損なわずに飲用による胃に対する負担を低減することができる。また、多価フェノールの下限値は0.3ppm、殊更0.5ppmとすると、風味とボディ感の点で好ましい。したがって、飲用者にとっては、コーヒー本来の風味を楽しみつつ、胃にやさしいので、常用することが容易となる。本発明において一芳香環性の多価フェノールとは、ピロガロール、ヒドロキノン、カテコール及びヒドロキシヒドロキノンであり、これら4種の合計値が上記範囲であれば良い。
本発明において、多価フェノールとして含まれうる(B1)ヒドロキシヒドロキノンの量がクロロゲン酸類量の0.1質量%未満であることが、クロロゲン酸の有用な生理作用を有効に発現しやすくなるので好ましい。より好ましくは該比率が0.05質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。
本発明品には刺激を抑えつつ、覚醒作用やコーヒー本来の風味とボディ感を与える目的で、カフェインを0.0015〜0.3質量%含有することが好ましい。さらに飲用によるすっきり感や爽快感を与える意味から、0.02〜0.25質量%、特に0.05〜0.2質量%含有することが好ましい。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、H22(過酸化水素)の含有量が1ppm以下、更に0.1ppm以下、特に0.01ppm以下であるのがコーヒー本来の風味の点で好ましい。過酸化水素の測定は通常用いられる過酸化水素計を用いて行うことができ、例えば、セントラル科学社製の高感度過酸化水素計スーパーオリテクターモデル5(SUPER ORITECTOR MODEL5)等を用いることができる。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、高速液体クロマトグラフィーによる分析における、ガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に実質的にピークを有しないことが好ましい。当該時間領域に実質的にピークを有しないことを確認するには、一般的なHPLCを使用することができ、例えば溶離液として0.05M酢酸水溶液と0.05M酢酸100%アセトニトリル溶液のグラジエントを用い、ODSカラムを用いて、紫外線吸光光度計等により検出することで確認することができる。
本発明においてガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に実質的にピークを有しないとは、ガリックアシッドの1ppm溶液を分析時の面積値をS1とし、同条件でコーヒー飲料組成物を分析した時の前記特定の領域に溶出する成分に由来するピーク面積の総和をS2としたとき、S2/S1<0.01であることを意味する。
本発明の容器詰コーヒー飲料には、所望により、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等の糖分、抗酸化剤、pH調整剤、乳化剤、香料等を添加することができる。
コーヒー飲料のpHとしては、胃への優しさと飲料の風味及び安定性の面から5〜7、更に5.4〜6.5、特に5.5〜6.2が好ましい。
続いて、本発明のコーヒー飲料の好ましい製造方法について説明する(以下、本形態という)。
本形態の製造方法では、少なくとも2種類の異なった焙煎度の豆を使用する。1種のコーヒー豆は(1)L値が14〜25の焙煎コーヒー豆(以下、「深煎り豆」とも言う)であり、もう1種は(2)L値が40〜55の焙煎コーヒー豆(以下、「浅煎り豆」とも言う)である。本発明で用いられるコーヒー豆の種類は、特に限定されないが、例えばブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン等が挙げられる。コーヒー豆種としては、アラビカ種、ロブスタ種などがある。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。焙煎コーヒー豆とする方法については、好ましい焙煎方法としては直火式又は熱風式、半熱風式があり、回転ドラムを有している形式が更に好ましい。焙煎温度は通常100〜300℃、更に好ましくは150〜250℃である。風味の観点より焙煎後1時間以内に0〜100℃まで冷却することが好ましく、更に好ましくは10〜60℃である。
深煎り豆は、コーヒーの風味・香ばしさが強く引き出され、嗜好性を高めることができる。好ましいL値の範囲は16〜25、特に17〜24である。
深煎り豆のコーヒー抽出液は、焙煎工程中に発生したヒドロキシヒドロキノン等の一芳香環性の多価フェノールが比較的多く含まれている。そこで、浅煎り豆のコーヒー抽出液と混合する前に吸着剤処理を行い、一芳香環性の多価フェノールを除去する。吸着剤としては、活性炭、逆相クロマトグラフ用担体、白土などが挙げられる。
深煎り豆のコーヒー抽出液を吸着剤処理する方法としては、例えば、バッチ法として、例えば深煎り豆のコーヒー抽出液を含む液に吸着剤を加え−10〜100℃で0.5分〜5時間撹拌した後、吸着剤を除去すればよい。処理時の雰囲気としては、空気下、不活性ガス下(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、炭酸ガス)が挙げられるが、風味の観点より不活性ガス下が好ましい。
カラム通液法としては、例えば吸着剤カラム内に活性炭を充填し、コーヒー抽出液を含む液をカラム下部又は上部から通液させ、他方から排出させる。吸着剤のカラム内への充填量は、通液前に活性炭カラムに充填できる量であれば良い。吸着剤カラムの上段又は下段の少なくとも1つにメッシュ(網)又はパンチングメタルなど有し実質的に吸着剤が漏れ出さない分離構造体を有していれば良い。
吸着剤量は、コーヒー抽出液中のコーヒー豆由来可溶性固形分(Brix)に対して、0.01〜100倍である。風味の観点より、活性炭の場合は、0.02〜1.0倍、逆相クロマトグラフの担体の場合は2〜100倍用いるのが好ましい。
活性炭としては、ミクロ孔領域における平均細孔半径が5オングストローム(Å)以下、更には、2〜5オングストロームの範囲であることが好ましく、特に3〜5オングストロームの範囲であることが好ましい。本発明におけるミクロ孔領域とは、10オングストローム以下を示し、平均細孔半径は、MP法により測定して得た細孔分布曲線のピークトップを示す細孔半径の値とした。MP法とは、文献(Colloid and Interface Science, 26, 46(1968))に記載の細孔測定法であり、株式会社住化分析センター、株式会社東レリサーチセンターにて採用されている方法である。
また、活性炭の種類としては、ヤシ殻活性炭が好ましく、更に水蒸気賦活化ヤシ殻活性炭が好ましい。活性炭の市販品としては、白鷺WH2C、WH2CL、W2CL、W2C、EH(日本エンバイロケミカルズ)、太閣CW(二村化学)、クラレコールGW(クラレケミカル)等を用いることができる。
活性炭を用いた吸着剤処理法はクロロゲン酸類量を低下させることなく選択的に一芳香環性の多価フェノール量を低減させることができるだけでなく、風味も良く、更にクロロゲン酸類に対するカリウム含量を質量比で1/5以上、特に1/2以上保持して、カリウム含量を低下させない点からも好ましい。
尚、吸着剤処理工程は、コーヒー抽出液のみで処理をおこなうのが好適であるが、例えば炭酸水素ナトリウムなどの原料を混合し処理をおこなっても良い。
本形態で用いるもう1種の焙煎コーヒー豆は、L値が40〜55、好ましくは42〜53である。このような焙煎度の豆は、香ばしさや風味の点では焙煎度の高いコーヒー豆に劣るものの、クロロゲン酸を多く含む。また、一芳香環性の多価フェノールを少量含むので、これに起因する香や、コクとボディ感をコーヒー飲料に与えることができる。したがって、浅煎り豆のコーヒー抽出液に対して活性炭処理などの多価フェノールを除去する工程を行わない。また、有効な高血圧改善効果等生理効果を得る目的においても、ヒドロキシヒドロキノンは前述のL値14〜25の焙煎コーヒー豆抽出液の吸着剤処理で十分に除去されていることから、本工程でのヒドロキシヒドロキノン除去目的の工程は必要ない。
本実施形態では、この浅煎り豆のコーヒー抽出液を濃縮処理して得られたコーヒーエキスを使用するのが好ましい。これによって固形分を高められるというメリットがある。ここでコーヒー豆抽出液の濃縮方法は、減圧法、限外濾過膜法、凍結乾燥法などどの方法でもかまわない。得られたコーヒー豆エキスにおけるコーヒー固形分濃度は15〜100質量%、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは25〜90質量%がコーヒー飲料製造時の混合均一化が容易であり、かつ固形分濃度を高め易く製造上好ましい。
次に、吸着剤処理によってヒドロキシヒドロキノンとクロロゲン酸類の質量比率を低下させた(好ましくは、5/10000以下)L値14〜25の焙煎コーヒー豆抽出液と、L値45〜55のコーヒー豆抽出液(又はコーヒーエキス)を混合する。
両者の混合比率はそれぞれのコーヒー抽出物中の固形分濃度で4:6〜8:2、好ましくは4.5:5.5〜7:3が、風味及び保存安定性の面で好ましい。
焙煎度を問わず、焙煎コーヒー豆からの抽出方法については、例えば焙煎コーヒー豆又はその粉砕物から水〜熱水(0〜100℃)などの抽出溶媒を用いて抽出する方法等が挙げられる。粉砕度合いは、極細挽き(0.250-0.50mm)、細挽き(0.300-0.650mm)、中細挽き(0.530-1.000mm)、中挽き(0.650-1.500mm)、粗挽き(0.850-2.100mm)、極粗挽き(1.000-2.500mm)や平均粒径3mm〜10mm程度の大粒径粉砕物のカット品が挙げられる。抽出方法は、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式(ペーパー、ネル等)等が挙げられる。
抽出溶媒としては、水、アルコール含有水、ミルク、炭酸水などが挙げられる。抽出溶媒のpHは通常4〜10であり、風味の観点からは5〜7が好ましい。尚、抽出溶媒の中にpH調整剤、例えば重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、L−アルコルビン酸Naを含有させ、pHを適宜調整しても良い。
抽出器としては、ペーパードリップ、不織布ドリップ、サイフォン、ネルドリップ、エスプレッソマシン、コーヒーマシン、パーコレーター、コーヒープレス、イブリック、ウォータードリップ、ボイリング、加熱可能な釜、攪拌及び攪拌可能な釜、コーヒーカップへ実質的に懸架可能なペーパー又は不織布の袋状構造体、上部にスプレーノズル下部に実質的にコーヒー豆の固液分離可能な構造体(メッシュやパンチングメタルなど)を有するドリップ抽出器、上部及び下部に実質的にコーヒー豆の固液分離可能な構造体(メッシュやパンチングメタルなど)を有するカラム抽出器等が挙げられる。抽出器に加熱又は冷却可能な構造(例えば、電気ヒーター、温水や蒸気、冷水が通液可能なジャケット)を有していても良い。
抽出方法としてはバッチ式抽出法、半バッチ式抽出法、連続式抽出法が挙げられる。バッチ式抽出法又は半バッチ式抽出法の抽出時間は10秒〜120分である。風味の観点より、30秒から30分が好ましい。
本発明の方法により製造される容器詰コーヒー飲料は、F0値(致死値)を一定値以上に設定して加熱殺菌処理を行うことにより製造される。F0値は、微生物学的安定性の点で、5〜60、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜40、更に好ましくは17〜35である。ここで、F0値とは、缶詰コーヒー飲料を加熱殺菌した場合の加熱殺菌効果を評価する値で、基準温度(121.1℃)における加熱時間(分)を示す。F0値は、容器内温度に対する致死率(121.1℃で1)に、加熱時間(分)を乗じて算出される。致死率は致死率表(藤巻正生ら、「食品工業」、恒星社厚生閣、1985年、1049頁)から求めることができる。F0値を算出するには、一般的に用いられる面積計算法、公式法等を採用することができる(例えば谷川ら《缶詰製造学》頁220、厚生閣 参照)。
本発明において、F0値を所定の値になるよう設定するには、例えば、予め得た致死率
曲線から、適当な加熱温度・加熱時間を決定すればよい。
殺菌機はバッチ式殺菌機又は連続式殺菌機が使用可能である。バッチ式殺菌機としては、レトルト釜がある。連続式殺菌機としては、チューブ式殺菌機、プレート式殺菌機、HTSTプレート式殺菌装置、UHT殺菌機などがある(改訂版ソフトドリンクス、頁546−558、頁633−638、監修:全国清涼飲料工業会、発行:光琳)。風味の観点より、連続殺菌機が好ましく。特に、連続加熱殺菌後無菌下で充填することが好ましい。
また本発明において、殺菌時間は、ヒドロキシヒドロキノンの増加を効果的に抑制する点で、10分以内であり、好ましくは100秒〜9分、より好ましくは110秒〜7分である。
また、殺菌温度は、微生物学的安定性の点で123℃以上が好ましく、更に123〜150℃、より好ましくは126〜141℃、更に好ましくは130〜140℃が好適である。またF0は少なくとも5以上にする必要がある。
当該加熱殺菌処理は、上記条件の他、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。また加熱殺菌設定条件までの昇温及び冷却は速やかに行ない、過剰な熱履歴を伴わないように留意すべきである。尚、金属缶においても加熱殺菌後の充填でもよい。また、紙、瓶等においても同様であり、容器の耐熱性を勘案し、充填後加熱殺菌でも加熱殺菌後充填でも可能である。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、缶(アルミニウム、スチール)、紙、レトルトパウチ、瓶(ガラス)等の容器に詰めて製造することができる。この場合、容器に詰めて50〜500mLの容器詰コーヒー飲料とすることができる。缶詰コーヒー飲料は、シングルストレングスであることが好ましい。ここでシングルストレングスとは、容器詰飲料を開封した後、そのまま飲めるものをいう。また、本発明により得られる缶詰ブラックコーヒー飲料中のモノカフェオイルキナ酸の構成比としては、4−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比率が0.6〜1.2であり、5−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比率が0.01〜3であることが好ましい。また本発明の作用を効果的にする為に容器詰コーヒー飲料を容器詰ブラックコーヒー飲料としても良い。ここでブラックコーヒー飲料とは無糖ブラック、加糖ブラック及び微糖ブラック等のいわゆる甘味料の有無に関わることなくミルクが配合されないものをいう。
容器としては、コーヒー中の成分の変化を防止する観点から、酸素透過度の低い容器が好ましく、例えば、アルミニウムや、スチールなどの缶、ガラス製の瓶等を用いるのが良い。缶やビンの場合、リキャップ可能な、リシール型のものも含まれる。ここで酸素透過性とは、20℃、相対湿度50%の環境下で測定した酸素透過度(cc・mm/m2・day・atm)であり、酸素透過度が5以下が好ましく、更に3以下、特に1以下が好ましい。
焙煎コーヒー豆のL値測定
L値測定は、測色色差計ZE−2000(日本電色工業(株))にて行った。
焙煎したコーヒー豆をハイカットコーヒーミル(カリタ製、目盛り:1)にて粒径500μm以下になるよう粉砕した。測定用セルを満たすよう粉砕豆を入れ、セル底部に隙間が空かないように、粉砕豆を上から軽く押さえた。測定は最低3回行い、標準白板の反射率を100とした時の試料の反射率をL値とした。
クロロゲン酸類の分析法:
容器詰コーヒー飲料のクロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、UV−VIS検出器設定波長:325nm、カラムオーブン設定温度:35℃、溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
(A1)モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点(A2)フェルラキ
ナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点(A3)ジカフェオイルキナ酸:36.6
、37.4、44.2の計3点。ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カ
フェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
実施例1
L値18の焙煎コーヒー豆に対して8倍量のイオン交換水(95℃)で抽出した抽出液の可溶性固形分に対して、Brixに対して50質量%の活性炭(白鷺WH2C)を充填したカラム(内径45mm、長さ150mm)に25℃、SV20[1/容量[m]/流量[m/hr]]の条件下で、前記コーヒー抽出液を通液処理した。得られた活性炭処理液に、L値50の焙煎コーヒー豆を連続多管抽出して得たコーヒーエキスを噴霧乾燥したパウダーエキスとを固形分比率で4.8:5.2に混合し、炭酸水素ナトリウムを溶解した水溶液でpH調製後、イオン交換水で希釈した。75℃まで加温し、190g入り缶容器に充填、密封後、129℃で7分間の殺菌を行い、缶入りコーヒー飲料を作製した。
本発明に関わるコーヒー飲料の胃に対する影響を調べるため、実施例1、比較例1(市販品;サントリーボスブラック)について、健康な成人男女16名に対し、各サンプルを8時間以上絶食後の空腹時に190mL飲んでもらった。その1時間後、各コーヒーの胃に対する影響に関する6項目について、4段階(0:まったく感じなかった、1:まれに、わずかに感じるときがあった、2:ときどき感じたが、不快な程度ではなかった、3:しばしば感じ、不快であった)で評価してもらった。使用したコーヒー飲料の成分分析値は表1に示す。
各評価項目で比較例1を飲用したときに違和感を感じた人を対象者とし、対象者の比較例1と実施例1のスコア平均値を表2に示す。いずれの項目も比較例1ではスコア平均値が1を超えていたのに対し、実施例1は1未満であった。また、対象者の比較例1と実施例1のスコア比較を表3に示す。「胃が動く感じ」で1名のみ、比較例1の方が実施例1より低スコアであったが、他の評価項目はすべて同スコア、あるいは実施例1の方が低スコアであった。
Figure 2009028013
Figure 2009028013
Figure 2009028013
実施例2
実施例1で調製したコーヒー飲料を基に、一芳香環性の多価フェノールの比率は変えずに配合量が表4に示す量になるように調製したサンプルの胃に対する刺激性を評価した。評価方法は、被験者を5名とした以外は実施例1と同様に行った。
Figure 2009028013
この結果から、一芳香環性の多価フェノールが5.7ppm含まれるコーヒー飲料では全般的に胃にやさしい傾向が見られた。特に胃痛、胸焼けの評価は、「全く感じない」というものであった。これに対して多価フェノールを10.8ppm含むコーヒー飲料は全般的に胃への影響が見られる。
実施例3
実施例1で調製したコーヒー飲料を基に、一芳香環性の多価フェノールを、各多価フェノール成分の比率は変えずに配合量を表5に示す量になるように調製して、コーヒー感の評価を行った。評価は、6名の男女に実際に調整した飲料を飲んでもらい、コーヒーと言えるか言えないか、の回答によって行った。
Figure 2009028013
表5の結果から明らかなように、コーヒー感を維持するためには多価フェノール量が0.2ppm以上必要であるといえる。

Claims (5)

  1. (A)クロロゲン酸類0.01〜1質量%を含有し、
    (B)一芳香環性の多価フェノールの合計量が飲料中0.2〜6ppmである、容器詰コーヒー飲料。
  2. (B1)ヒドロキシヒドロキノン量がクロロゲン酸類量の0.1質量%未満である、請求項1記載の容器詰コーヒー飲料。
  3. pHが5〜7である、請求項1又は2記載の容器詰コーヒー飲料。
  4. (A)クロロゲン酸類を0.01〜1質量%、及び
    (B)一芳香環性の多価フェノールの合計量を0.2〜6ppm
    に調整する、刺激が抑制された容器詰コーヒー飲料の製造方法。
  5. (A)クロロゲン酸類を0.01〜1質量%、及び
    (B)一芳香環性の多価フェノールの合計量を0.2〜6ppm
    に調整する、容器詰コーヒー飲料の刺激低減方法。
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