JP4778947B2 - 容器詰コーヒー飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、容器詰コーヒー飲料に関する。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やα−アミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度配合し、味や安定性を向上させた容器詰飲料が報告されている(特許文献3〜6参照)。
しかしながら、カテキン類を含有した容器詰コーヒー飲料の場合、保存後に沈澱が発生し、飲料中の非重合体カテキン類が減少するという課題があり、これを抑制するために、水溶性タンパク質を含有させる方法や、pHを制御する方法が報告されている(特許文献7及び8参照)。また最近においては所謂スポーツ飲料の系において、非重合体カテキン類の風味をマスキングする方法としてコーヒー豆抽出物由来のキナ酸を用いる方法が開示されている(特許文献9)。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特許第3329799号公報 特許第3342698号公報 特許第3360073号公報 特許第3338705号公報 特開2004−357539号公報 特開2005−160395号公報 特開2007−166934号公報
しかし、これらのカテキン類を高濃度に含有する飲料においては、水溶性タンパク質の含有が必須である点やpH領域が限定的である点において、容器詰コーヒー飲料の商品設計上の自由度が低くなる傾向にあった。
従って本発明の目的は、容器詰コーヒーにおいて非重合体カテキン類を高濃度に含有した場合でもコーヒー風味を維持しつつ、かつ非重合体カテキン類の減少が抑制された容器詰コーヒー飲料を提供することにある。
本発明者は、生理効果上有益な非重合体カテキン類を含有する容器詰コーヒー飲料を製造する方法に関し検討を行ってきた。その結果、通常のクロロゲン酸類濃度を有するコーヒー抽出液に緑茶抽出物を配合すると、コーヒー飲料としての風味バランスに課題が発生することが判り、コーヒー飲料製造に用いるコーヒー抽出液側の濃度を高めることにより、カテキン類由来の風味をカバーする必要性を認識するに到った。
しかしながら、実験の結果、単にコーヒー抽出液濃度を上げると、有効成分として配合していた非重合体カテキン類自体が経時的に減少することが判明し、しかもその影響因子がコーヒー中に存在するクロロゲン酸類であることを見出した。クロロゲン酸類は本来、抗酸化剤としての役割を果たし、カテキン類を保護するものと思われていたのであるが、意外にもコーヒー抽出液中に多量に存在することによって、保存時における非重合体カテキン類の劣化を促進しうることを認識した。
本発明者らは、コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類濃度を特定の範囲にすることにより、コーヒー風味を維持しつつ、保存時においてカテキン類の減少を抑制できることを見出し、発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(A)クロロゲン酸類濃度が0.05〜0.15質量%、
(B)非重合体カテキン類濃度が0.1〜0.3質量%、かつ
(C)非重合体カテキン類中のガレート体率が20〜50質量%
である加熱殺菌処理を施した容器詰コーヒー飲料を提供するものである。
本発明により、高濃度の非重合体カテキン類を安定に含有した容器詰コーヒー飲料が得られる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類(非エピ体)及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類(エピ体)をあわせての総称である。
本発明の容器詰飲料中には、非重合体であって水に溶解状態にある非重合体カテキン類を、0.1〜0.3質量%、好ましくは0.11〜0.29質量%、さらに好ましくは0.12〜0.25質量%含有する。非重合体カテキン類含量がこの範囲にあると、多量の非重合カテキン類を容易に取り易く、強烈な苦味、渋味、強い収斂性が生じない。ここでいう非重合体カテキン類の濃度は、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの合計8種の合計量に基づいて定義される。
非重合体カテキン類中の非エピ体含有率は、加熱殺菌後の色調安定性の観点から好ましくは5〜60質量%、より好ましくは35〜60質量%であるが、さらに40〜60質量%、特に45〜60質量%、50〜60質量%が最も好ましい。当該非エピ体含有率は、前記非重合体カテキン類中の非エピ体カテキン濃度である。
また、本発明の容器詰コーヒー飲料中の非重合体カテキン類においては、カテキンガレートとエピカテキンガレートとガロカテキンガレートとエピガロカテキンガレートからなるガレート体の全非重合体カテキン類中での割合(以下、「ガレート体率」という)が20〜50質量%、好ましくは21〜40質量%、更に好ましくは25〜39質量%、特に好ましくは25〜35質量%が、非重合体カテキン類の生理効果の有効性と風味の両立上好ましい。
非重合体カテキン類は、広く茶由来のものが使用できるが、緑茶由来のもの、更に緑茶抽出物、特に緑茶抽出物の精製物を使用するのが、高濃度の非重合体カテキン類を配合できる点及び味の点で好ましい。緑茶抽出物の精製物は、非重合体カテキン類の固形分に対する濃度が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましい。
ここで緑茶抽出物としては、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものをさらに精製したもの、あるいは抽出された濃縮物を直接精製したものが挙げられる。また市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などの緑茶濃縮物を用いることもできる。
緑茶濃縮物の精製手段としては、例えば緑茶濃縮物を水と有機溶媒の混合物に懸濁又は溶解し、これに有機溶媒を添加することにより生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法等が挙げられる。
ここでいう緑茶抽出物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。
本発明に使用する緑茶としては、Camellia属、例えばC. sinensis、C. assamica及びやぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。当該製茶された茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶などの緑茶類がある。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、非重合体カテキン類の安定性の観点から、クロロゲン酸類を0.05〜0.15質量%含有するが、好ましくは0.06〜0.14質量%、より好ましくは0.07〜0.13質量%含有する。当該クロロゲン酸類としては(A1)モノカフェオイルキナ酸、(A2)フェルラキナ酸、及び(A)ジカフェオイルキナ酸が含まれる。。ここで(A1)モノカフェオイルキナ酸としては3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。また(A2)フェルラキナ酸としては、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。(A)ジカフェオイルキナ酸としては3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。当該クロロゲン酸類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。分析条件は、実施例に記載の方法による。
本発明で用いられる焙煎コーヒー豆から得られるコーヒー抽出物は、コーヒー豆からの抽出物、インスタントコーヒーの水溶液、液体コーヒーエキスなどから調製することができる。
本発明におけるコーヒー抽出物を得るのに用いるコーヒー豆の種類は、特に限定されないが、例えばブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン等が挙げられる。コーヒー豆種としては、アラビカ種、ロブスタ種などがある。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒー豆とする方法については、好ましい焙煎方法としては直火式又は熱風式、半熱風式があり、回転ドラムを有している形式が更に好ましい。焙煎温度は通常100〜300℃、更に好ましくは150〜250℃である。風味の観点より焙煎後1時間以内に0〜100℃まで冷却することが好ましく、更に好ましくは10〜60℃である。焙煎コーヒー豆の焙煎度としては、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンがあり、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティが好ましい。
焙煎度を色差計で測定したL値としては、16〜24、好ましくは17〜24である。また、焙煎度の違うコーヒー豆由来の抽出物を混合して使用するのが好ましい。また、焙煎度の異なるコーヒー豆由来の抽出物を併用する場合や単一の焙煎度のコーヒー豆由来の抽出物を使用する場合に、生コーヒー豆からの抽出物を焙煎コーヒー豆と併せて使用してもよい。
焙煎コーヒー豆からの抽出方法については、例えば焙煎コーヒー豆又はその粉砕物から水〜熱水(0〜100℃)などの抽出溶媒を用いて抽出する方法等が挙げられる。抽出方法は、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式(ペーパー、ネル等)等が挙げられる。また生コーヒー豆から抽出物を得る場合も上記方法から選択しても良い。
抽出溶媒としては、水、アルコール含有水、ミルク、炭酸水などが挙げられる。抽出溶媒のpHは通常4〜10であり、5〜7が好ましい。尚、抽出溶媒の中にpH調整剤、例えば重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、L−アルコルビン酸Naを含有させ、pHを適宜調整しても良い。
抽出器としては、ペーパードリップ、不織布ドリップ、サイフォン、ネルドリップ、エスプレッソマシン、コーヒーマシン、パーコレーター、コーヒープレス、イブリック、ウォータードリップ、ボイリング、加熱可能な釜、攪拌及び攪拌可能な釜、コーヒーカップへ実質的に懸架可能なペーパー又は不織布の袋状構造体、上部にスプレーノズル下部に実質的にコーヒー豆の固液分離可能な構造体(メッシュやパンチングメタルなど)を有するドリップ抽出器、上部及び下部に実質的にコーヒー豆の固液分離可能な構造体(メッシュやパンチングメタルなど)を有するカラム抽出器等が挙げられる。抽出器に加熱又は冷却可能な構造(例えば、電気ヒーター、温水や蒸気、冷水が通液可能なジャケット)を有していても良い。
本発明の容器詰コーヒー飲料のpHは4.1〜6.5が好ましい。pH4.1以上においてコーヒー飲料としての風味が好ましくなる。またpH6.5以下において、殺菌処理後にも十分な非重合体カテキン類を残存させることができる。
4.3〜6.4がより好ましく、4.5〜6.3が更に好ましく、4.7〜5.6が最も好ましい。
また、コーヒー由来のBrix(20℃における糖用屈折計示度)と緑茶由来のBrixの合計が0.5〜1.7%であることが好ましく、1〜1.6%がより好ましく、1.4〜1.6%が特に好ましい。
抽出方法としてはバッチ式抽出法、半バッチ式抽出法、連続式抽出法が挙げられる。バッチ式抽出法又は半バッチ式抽出法の抽出時間は10秒〜120分である。風味の観点より、30秒から30分が好ましい。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、昭和53年制定コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約による定義に基づく。コーヒー入り清涼飲料としては内容100g中コーヒー生豆換算で1g以上2.5g未満のコーヒー豆から抽出または溶出したコーヒー分を含む飲料であり、
コーヒー飲料としては2.5〜5g未満のコーヒー豆から抽出または溶出したコーヒー分を含む飲料であり、コーヒーとしては5g以上のコーヒー豆から抽出または溶出したコーヒー分を含む飲料である点において、これらすべての飲料が本発明の容器詰コーヒー飲料の定義の中に入る。ここで生豆換算値は、焙煎済みレギュラーコーヒー1gが生豆1.3gに相当する(改訂新版・ソフトドリンクス、監修:全国清涼飲料工業会、発行:光琳、平成元年12月25日発行 421頁記載)。
本発明の容器詰コーヒー飲料には、処方上添加して良い成分として、苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、品質安定剤、pH調整剤、香料などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。甘味料としては、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等の糖分、並びに合成甘味料を用いることができる。
苦味抑制剤としては、特に限定はないが、サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンは飲料中に0.01〜0.5質量%、好ましくは0.01〜0.3質量%含有するのがよい。
本発明方法により製造される容器詰コーヒー飲料は、F0値(致死値)を一定値以上に設定して加熱殺菌処理を行うことにより製造される。F0値は、微生物学的安定性の点で、5〜60、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜40、更に好ましくは17〜35である。ここで、F0値とは、缶詰コーヒー飲料を加熱殺菌した場合の加熱殺菌効果を評価する値で、基準温度(121.1℃)に規格化した場合の加熱時間(分)に相当する。F0値は、容器内温度に対する致死率(121.1℃で1)に、加熱時間(分)を乗じて算出される。致死率は致死率表(藤巻正生ら、「食品工業」、恒星社厚生閣、1985年、1049頁)から求めることができる。F0値を算出するには、一般的に用いられる面積計算法、公式法等を採用することができる(例えば谷川ら《缶詰製造学》頁220、恒星社厚生閣 参照)。
本発明において、F0値を所定の値になるよう設定するには、例えば、予め得た致死率
曲線から、適当な加熱温度・加熱時間を決定すればよい。
殺菌機はレトルト釜、チューブ式殺菌機、プレート式殺菌機、HTSTプレート式殺菌装置、UHT殺菌機などがある(改訂新版ソフトドリンクス、前出、546−558頁、633−638頁)。
また、殺菌温度は、微生物学的安定性の点で123℃以上が好ましく、更に123〜150℃、より好ましくは126〜141℃、更に好ましくは130〜140℃が好適である。
当該加熱殺菌処理は、上記条件の他、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。また加熱殺菌設定条件までの昇温及び冷却は速やかに行ない、過剰な熱履歴を伴わないように留意すべきである。尚、金属缶においても加熱殺菌後の充填でもよい。また、紙、瓶等においても同様であり、容器の耐熱性を勘案し、充填後加熱殺菌でも加熱殺菌後充填でも可能である。
本発明の容器詰コーヒー飲料には、所望により、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等の糖分、抗酸化剤、pH調整剤、乳化剤、香料等を添加することができる。
本発明の容器詰コーヒー飲料は、缶(アルミニウム、スチール)、紙、レトルトパウチ、瓶(ガラス)等の容器に詰めて製造することができる。この場合、容器に詰めて50〜500mLの缶詰コーヒー飲料とすることができる。缶詰コーヒー飲料は、シングルストレングスであることが好ましい。ここでシングルストレングスとは、容器詰飲料を開封した後、そのまま飲めるものをいう。また、本発明により得られるコーヒー飲料中のモノカフェオイルキナ酸の構成比としては、4−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比率が0.6〜1.2であり、5−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比率が0.01〜3であることが好ましい。また本発明の作用を効果的にする為に容器詰コーヒー飲料を容器詰ブラックコーヒー飲料としても良い。ここでブラックコーヒー飲料とは無糖ブラック、加糖ブラック及び微糖ブラック等のいわゆる甘味料の有無に関わることなくミルクが配合されないものをいう。
容器としては、コーヒー中の成分の変化を防止する観点から、酸素透過度の低い容器が好ましく、例えば、アルミニウムや、スチールなどの缶、ガラス製の瓶等を用いるのが良い。缶やビンの場合、リキャップ可能な、リシール型のものも含まれる。ここで酸素透過性とは、20℃、相対湿度50%の環境下で測定した酸素透過度(cc・mm/m2・day・atm)であり、酸素透過度が5以下が好ましく、更に3以下、特に1以下が好ましい。
クロロゲン酸類の分析法:
容器詰コーヒー飲料のクロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、UV−VIS検出器設定波長:325nm、カラムオーブン設定温度:35℃、溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
(A1)モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点(A2)フェルラキ
ナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点(A3)ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した容器詰コーヒー飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
Brixの測定
Brix値は、屈折率計で測定した値を用いる。屈折率計としては(RX−5000α;ATAGO社製を使用した。
緑茶抽出物の精製物(1)の製造方法
カテキン含量が30質量%の緑茶抽出物にタンナーゼ処理(タンナーゼ濃度1.1質量%;反応温度20℃、反応液のBrix20%)を行い、スプレードライ法により噴霧乾燥させる。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=30:70(質量比))でカテキンを抽出した後に混合液に対して10質量部の活性炭を添加して精製を行って、緑茶抽出物の精製物(1)を得た。
固形分中の非重合体カテキン類濃度は80質量%であり、非重合体カテキン類中のガレート体率は30質量%であった。
緑茶抽出物の精製物(2)の製造方法
カテキン含量が30質量%の緑茶抽出物にタンナーゼ処理(タンナーゼ濃度0.8質量%;反応温度20℃、反応液のBrix20%)を行い、スプレードライ法により噴霧乾燥させる。
得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=40:60(質量比))でカテキンを抽出した後に混合液に対して8質量部の活性炭を添加して精製を行って、緑茶抽出物の精製物(2)を得た。
固形分中の非重合体カテキン類濃度は60質量%であり、非重合体カテキン類中のガレート体率は45質量%であった。
<サンプルの調製>
サンプルの調製にはすべて、中焙煎度(L値:24)のコーヒー豆を熱水抽出して得られたコーヒー抽出液を用いた。また、あらかじめ、得られた抽出液中のクロロゲン酸濃度を測定した。
実施例1
メスアップ後の飲料中のクロロゲン酸濃度が100mg/100gとなるように、コーヒー抽出液を量り取った。この液に、緑茶抽出物の精製物(1)を加え、同じくメスアップ後の飲料中のカテキン濃度がおよそ185mg/100gとなるように調製した。10%炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを6.2に調整し、イオン交換水で所定の量までメスアップを行った。その後、75℃まで加温し、190g入り缶容器に充填し、密封後、124℃で20分間の殺菌を行い、クロロゲン酸濃度100mg/100g、カテキン濃度185mg/100g、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
実施例2
カテキン濃度が285mg/100gとなるようにした他は実施例1と同様にして、クロロゲン酸濃度100mg/100g、カテキン濃度285mg/100g、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
実施例3
緑茶抽出物の精製物(1)の代わりに緑茶抽出物の精製物(2)を用いた他は実施例1と同様にして、クロロゲン酸濃度100mg/100g、カテキン濃度185mg/100g、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
実施例4
緑茶抽出物の精製物(1)の代わりに緑茶抽出物の精製物(2)を用い、カテキン濃度が285mg/100gとなるようにした他は実施例1と同様にして、クロロゲン酸濃度100mg/100g、カテキン濃度285mg/100g、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
比較例1
飲料中のクロロゲン酸濃度が35mg/100g、カテキン濃度が285mg/100gとなるようにした他は実施例1と同様にして、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
比較例2
飲料中のクロロゲン酸濃度が190mg/100g、カテキン濃度が285mg/100gとなるようにした他は実施例1と同様にして、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
比較例3
飲料中のクロロゲン酸濃度が35mg/100g、カテキン濃度が285mg/100gとなるようにした他は実施例3と同様にして、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
比較例4
飲料中のクロロゲン酸濃度が190mg/100g、カテキン濃度が285mg/100gとなるようにした他は実施例3と同様にして、pH5.8の容器詰コーヒー飲料を調製した。
配合時の分析値を、表1に示す。また、実施例1〜4及び比較例1〜4の容器詰コーヒー飲料を65℃で2週間保存した後の分析値並びに評価結果を表1に示す。
Figure 0004778947
風味評価:カテキン類由来の苦渋味とコーヒー風味とのバランス
○:問題ない
○〜△:ややバランスに違和感があるが問題ない
△:バランスに違和感を感じるが使用可能範囲
△〜×:カテキン類風味の存在感があり、コーヒー足りえない
△:香料によるマスキングも厳しい
加温保存時の安定性は、目視判定で行った。
沈殿評価:
+−:ごくわずかに缶底に確認される
+:沈殿はあるが市販品並み
++:沈殿が市販品のレベルを超える
+++:明らかに多く、問題が見られる

Claims (5)

  1. (A)クロロゲン酸類濃度が0.05〜0.15質量%、
    (B)非重合体カテキン類濃度が0.1〜0.3質量%、かつ
    (C)非重合体カテキン類中のガレート体率が20〜50質量%
    である加熱殺菌処理を施した容器詰コーヒー飲料。
  2. 非重合体カテキン類中のガレート体率が21〜40質量%である、請求項1記載の容器詰コーヒー飲料。
  3. 非重合体カテキン類が緑茶由来である、請求項1又は2記載の容器詰コーヒー飲料。
  4. コーヒー由来のBrix(20℃における糖用屈折計示度)と緑茶由来のBrixの合計が0.5〜1.7%である、請求項3記載の容器詰コーヒー飲料。
  5. 緑茶由来の固形分中の非重合体カテキン類の濃度が50質量%以上である、請求項3記載の容器詰コーヒー飲料。
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