JP2018023363A - 容器詰飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】濁りが抑制され、クロロゲン酸類の保存安定性に優れ、かつ風味の良好な容器詰飲料を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン 0.05〜0.50質量%
(B)クロロゲン酸類 0,075〜0.50質量%、及び
(C)カフェイン
を含有し、成分(C)の含有量が下記式(1)の関係を満たし、かつpHが5.0〜7.0である、容器詰飲料。
X≦Y×0.1939+0.0168 (1)
〔式(1)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、容器詰飲料に関する。
ポリフェノールは、体脂肪低減作用をはじめ様々な生活習慣病予防に関連した生理機能を有することが明らかにされ、注目されている。この生理機能を効率良く発現させるためにはその摂取量が重要であり、多量のポリフェノールを摂取するために、ポリフェノールを強化した飲料やゼリー状食品、またサプリメント等が市販されている。
ポリフェノールを強化した飲料として、例えば、コーヒー生豆を、含水量7%未満3%以上の状態まで乾燥し、これをコーヒーミル等の粉砕機で粉砕して成る飲料抽出用のコーヒー生豆加工物から抽出した抽出液と、茶葉から抽出した抽出液とを混合して成る飲料(特許文献1)や、カフェイン含有量が0.2重量%以下である脱カフェインしたコーヒー豆を水又はエタノール濃度60重量%以下のエタノール水溶液で抽出し、得られた抽出物を液体烏龍茶又は液体紅茶に混合してなる飲料(特許文献2)等が提案されている。
特許第4488850号明細書 特許第5237520号明細書
本発明者らはポリフェノールを強化した飲料を開発すべく検討したところ、前記従来技術におけるポリフェノール強化飲料は、クロロゲン酸類の含有量を高濃度化すると、濁りを生じ、しかもクロロゲン酸類の保存安定性が損なわれやすいという課題が存在することが判明した。
本発明の課題は、濁りが抑制され、クロロゲン酸類の保存安定性に優れ、かつ風味の良好な容器詰飲料を提供することにある。
本発明者らは、タンニン及びクロロゲン酸類の各含有量とともに、カフェイン含有量をクロロゲン酸類の含有量と一定の関係を満たすように制御した上で、pHを特定範囲内に調整することにより、濁りが抑制され、クロロゲン酸類の保存安定性に優れ、かつ風味の良好な容器詰飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン 0.05〜0.50質量%
(B)クロロゲン酸類 0,075〜0.50質量%、及び
(C)カフェイン
を含有し、成分(C)の含有量が下記式(1)の関係を満たし、かつpHが5.0〜7.0である、容器詰飲料を提供するものである。
X≦Y×0.1939+0.0168 (1)
〔式(1)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
本発明によれば、濁りが抑制され、クロロゲン酸類の保存安定性に優れ、かつ風味の良好な容器詰飲料を提供することができる。
本発明の容器詰飲料は、成分(A)としてタンニンを含有する。ここで、本明細書において「タンニン」とは、非重合体カテキン類、そのエステル(例えば、没食子酸エステル)及びそれらの縮合物を包含する概念である。
本発明の容器詰飲料中の成分(A)の含有量は0.05〜0.50質量%であるが、生理効果、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.06質量%以上が好ましく、0.07質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上が更に好ましく、また濁りの抑制、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.40質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましく、0.22質量%以下が更に好ましく、0.20質量%以下がより更に好ましく、0.18質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.06〜0.40質量%、より好ましくは0.07〜0.30質量%、更に好ましくは0.07〜0.22質量%、より更に好ましくは0.10〜0.20質量%、殊更に好ましくは0.10〜0.18量%である。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(A)の含有量は、次の態様とすることもできる。すなわち、生理効果、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.06質量%以上が好ましく、0.07質量%以上がより好ましく、0.12質量%以上が更に好ましく、また濁りの抑制、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.40質量%以下が好ましく、0.33質量%以下がより好ましく、0.22質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.06〜0.40質量%、より好ましくは0.07〜0.33質量%、更に好ましくは0.07〜0.22質量%、より更に好ましくは0.12〜0.22質量%である。なお、成分(A)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の容器詰飲料は、成分(B)としてクロロゲン酸類を含有する。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、植物由来の抽出物を使用できる点から9種すべてを含有することが好ましい。
本発明の容器詰飲料中の成分(B)の含有量は0.075〜0.50質量%であるが、生理効果、風味(茶の香り)の観点から、0.080質量%以上が好ましく、0.085質量%以上がより好ましく、0.090質量%以上が更に好ましく、また濁りの抑制、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.40質量%以下が好ましく、0.35質量%以下がより好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.20質量%以下が更に好ましく、0.15質量%以下が殊更好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.080〜0.40質量%、より好ましくは0.080〜0.35質量%、更に好ましくは0.085〜0.25質量%、より更に好ましくは0.090〜0.20質量%、殊更に好ましくは0.090〜0.15質量%である。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(B)の含有量は、次の態様とすることもできる。すなわち、生理効果、風味(茶の香り)の観点から、0.078質量%以上が好ましく、0.101質量%以上がより好ましく、また濁りの抑制、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.400質量%以下が好ましく、0.339質量%以下がより好ましく、0.212質量%以下が更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.078〜0.400質量%、より好ましくは0.078〜0.339質量%、更に好ましくは0.101〜0.339質量%、より更に好ましくは0.101〜0.212質量%である。なお、成分(B)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の容器詰飲料中の成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、風味(茶の香り)の向上の観点から、1.20以下が好ましく、1.00以下がより好ましく、0.95以下が更に好ましく、0.90以下が殊更に好ましい。また、風味(茶の香り)、クロロゲン酸の残存率、一般的な茶風味、及び健康機能担保の観点から、質量比[(B)/(A)]は、0.72以上が好ましく、0.75以上がより好ましく、0.77以上が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.72〜1.20、より好ましくは0.75〜1.00、更に好ましくは0.77〜0.95、より更に好ましくは0.77〜0.90である。
また、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、次の態様とすることもできる。すなわち、濁りの抑制、風味(茶の香り)の向上の観点から、1.24以下が好ましく、1.12以下がより好ましく、0.96以下が更に好ましく、またすっきり感、酸味の向上の観点から、0.80以上が好ましく、0.84以上が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.80〜1.24、より好ましくは0.80〜1.12、更に好ましくは0.84〜0.96である。
本発明の容器詰飲料は、成分(C)としてカフェインを含有し、同時に成分(C)の含有量が、下記式(1)の関係を満たすものである。このような態様とすることで、濁りが抑制され、クロロゲン酸の保存安定性に優れ、風味(すっきり感、酸味、茶の香り)を改善することができる。
X≦Y×0.1939+0.0168 (1)
〔式(1)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
本発明の容器詰飲料は、好ましくは下記式(2)の関係、更に好ましくは下記式(3)の関係を満たすことで、濁りがより一層抑制され、風味をより一層改善することができる。
X≦Y×0.1939+0.0164 (2)
X≦Y×0.1939+0.0159 (3)
〔式(2)及び(3)中、Xは及びYは前記式(1)中のX及びYと同義である。〕
本発明の容器詰飲料中の成分(C)の含有量は、濁りの抑制、風味(茶の香り)の観点から、0.008質量%以上が好ましく、0.012質量%以上が更に好ましく、またすっきり感、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.080質量%以下が好ましく、0.060質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.008〜0.080質量%、更に好ましくは0.012〜0.060質量%である。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(C)の含有量は、次の態様とすることもできる。すなわち、濁りの抑制、風味(茶の香り)の観点から、0.010質量%以上が好ましく、0.015質量%以上がより好ましく、0.018質量%以上が更に好ましく、またすっきり感、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.075質量%以下が好ましく、0.055質量%以下がより好ましく、0.026質量%以下が更に好ましく、0.024質量%以下がより更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.010〜0.075質量%、より好ましくは0.010〜0.055質量%、更に好ましくは0.015〜0.026質量%、より更に好ましくは0.015〜0.024質量%、殊更に好ましくは0.018〜0.024質量%である。なお、成分(C)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]は、濁りの抑制、風味(茶の香り)の観点から、0.33以下が好ましく、0.26以下がより好ましく、0.21以下が更に好ましい。なお、質量比[(C)/(A)]は、0.13以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.18以上が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.13〜0.33、より好ましくは0.15〜0.26、更に好ましくは0.18〜0.21である。
また、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]は、次の態様とすることもできる。すなわち、濁りの抑制、風味(茶の香り)の観点から、0.25以下が好ましく、0.23以下が更に好ましく、そして0.15以上が好ましく、0.20以上が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.15〜0.25、更に好ましくは0.20〜0.23である。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]は、濁りの抑制、風味(茶の香り)の観点から、0.30以下が好ましく、0.27以下がより好ましく、0.26以下が更に好ましく、0.25以下がより更に好ましい。なお、質量比[(C)/(B)]は、0.15以上が好ましく、0.18以上がより好ましく、0.23以上が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.15〜0.30、より好ましくは0.18〜0.27、更に好ましくは0.18〜0.26、より更に好ましくは0.23〜0.25である。
また、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]は、次の態様とすることもできる。すなわち、風味(茶の香り)の観点から、0.26以下が好ましく、0.24以下が更に好ましく、そして0.15以上が好ましく、0.18以上がより好ましく、0.21以上が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.15〜0.26、より好ましくは0.18〜0.24、更に好ましくは0.21〜0.24である。
本発明の容器詰飲料は、成分(D)としてたんぱく質を含有することができる。
本発明の容器詰飲料中の成分(D)の含有量は、クロロゲン酸類の残存率の向上、風味(茶の香り)の観点から、100質量ppm以上が好ましく、110質量ppm以上がより好ましく、150質量ppm以上が更に好ましく、170質量ppm以上がより更に好ましく、また濁り抑制、すっきり感、風味(茶の香り)の観点から、500質量ppm以下が好ましく、400質量ppm以下がより好ましく、300質量ppm以下が更に好ましく、280質量ppm以下がより更に好ましく、220ppm以下が殊更に好ましい。かかる成分(D)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは100〜500質量ppm、より好ましくは110〜400質量ppm、更に好ましくは150〜300質量ppm、より更に好ましくは150〜280質量ppm、殊更に好ましくは170〜220質量ppmである。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(D)の含有量は、次の態様とすることもできる。すなわち、クロロゲン酸類の残存率の向上、風味(茶の香り)の観点から、85質量ppm以上が好ましく、118質量ppm以上がより好ましく、145質量ppm以上が更に好ましく、184質量ppm以上が殊更に好ましく、また濁り抑制、すっきり感、風味(茶の香り)の観点から、421質量ppm以下が好ましく、345質量ppm以下がより好ましく、291質量ppm以下が更に好ましく、264質量ppm以下が殊更に好ましい。かかる成分(D)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは85〜421質量ppm、より好ましくは118〜345質量ppm、更に好ましくは145〜291質量ppm、殊更に好ましくは184〜264質量ppmである。なお、成分(D)の含有量は、通常知られている分析法に準拠して分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]は、すっきり感、風味(茶の香り)、濁りの抑制の観点から、0.11以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.14以上が更に好ましく、また風味(茶の香り)、すっきり感、濁りの抑制の向上の観点から、0.30以下が好ましく、0.26以下がより好ましく、0.23以下が更に好ましく、0.19以下がより更に好ましく、0.15以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(D)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.11〜0.30、より好ましくは0.13〜0.26.更に好ましくは0.14〜0.23、より更に好ましくは0.14〜0.19、殊更に好ましくは0.14〜0.15である。
また、成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]は、次の態様とすることもできる。すなわち、すっきり感、風味(茶の香り)、濁りの抑制の観点から、0.13以上が好ましく、0.15以上が更に好ましく、また風味(茶の香り)、すっきり感、濁りの抑制の向上の観点から、0.29以下が好ましく、0.24以下がより好ましく、0.22以下が更に好ましい。かかる質量比[(D)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.13〜0.29、より好ましくは0.15〜0.24.更に好ましくは0.15〜0.22である。
本発明の容器詰飲料中の成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]は、濁り抑制、すっきり感、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.10以上が好ましく、0.12以上がより好ましく、0.13以上が更に好ましく、0.14以上がより更に好ましく、0.17以上が殊更に好ましい。質量比[(D)/(B)]は、同様の観点から、0.35以下が好ましく、0.30以下がより好ましく、0.27以下が更に好ましく、0.26以下がより更に好ましく、0.20以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(D)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.10〜0.35、より好ましくは0.12〜0.30、更に好ましくは0.13〜0.27、より更に好ましくは0.14〜0.26、殊更に好ましくは0.17〜0.20である。
また、成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]は、次の態様とすることもできる。すなわち、濁り抑制、すっきり感、風味(茶の香り)の向上の観点から、0.11以上が好ましく、0.14以上がより好ましく、0.16以上が更に好ましく、0.18以上がより更に好ましく、そして0.34以下が好ましく、0.29以下がより好ましく、0.26以下が更に好ましい。かかる質量比[(D)/(B)]の範囲としては、好ましくは0.11〜0.34、より好ましくは0.14〜0.29、更に好ましくは0.16〜0.29、殊更に好ましくは0.18〜0.26である。
本発明の容器詰飲料中の成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]は、濁り抑制、すっきり感、風味(茶の香り)の向上の観点から、2.00以下が好ましく、1.90以下がより好ましく、1.70以下が更に好ましく、1.60以下がより更に好ましく、また同様の観点から、0.70以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.10以上が更に好ましく、1.20以上がより更に好ましく、1.30以上が殊更に好ましい。かかる質量比[(C)/(D)]の範囲としては、好ましくは0.70〜2.00、より好ましくは0.90〜1.90、更に好ましくは1.10〜1.70、より更に好ましくは1.20〜1.70、殊更に好ましくは1.30〜1.60である。
また、成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]は、次の態様とすることもできる。すなわち、濁り抑制、すっきり感、風味(茶の香り)の向上の観点から、1.90以下が好ましく、1.78以下がより好ましく、1.31以下が更に好ましく、そして0.70以上が好ましく、0.91以上が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(D)]の範囲としては、好ましくは0.70〜1.90、より好ましくは0.91〜1.78、更に好ましくは0.91〜1.31である。
本発明の容器詰飲料は、成分(E)として酸味料を含有することができる。成分(E)は、有機酸でも、無機酸でも、それらの塩であってもよく、飲食品に使用されるものであれば特に限定されない。成分(E)は、1種又は2種以上含有することができる。
有機酸としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、フマル酸等が挙げられる。また、無機酸としては、例えば、リン酸等が挙げられる。塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。中でも、適度な酸味付与の観点から、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、塩としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
本発明の容器詰飲料中の成分(E)の含有量は、酸味料の種類に応じて適宜決定することができるが、適度な酸味付与の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。かかる成分(E)の含有量の範囲としては、容器詰飲料中に、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量、更に好ましくは0.01〜0.1質量%である。なお、成分(E)が塩の形態である場合、成分(E)の含有量はその遊離酸量に換算した値とする。また、成分(E)の含有量は、例えば、通常知られているカルボン酸の分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。
本発明の容器詰飲料のpH(20℃)は5.0〜7.0であるが、濁り抑制、風味(酸味及び茶の香り)の向上の観点から、5.1以上が好ましく、5.3以上がより好ましく、5.5以上が更に好ましく、5.7以上がより更に好ましく、5.8以上が殊更に好ましく、またクロロゲン酸類の残存率及び風味(すっきり感及び茶の香り)の向上の観点から、6.9以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、6.6以下が更に好ましく、6.4以下がより更に好ましく、6.2以下が殊更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは5.1〜6.9、より好ましくは5.3〜6.8、更に好ましくは5.5〜6.6、より更に好ましくは5.7〜6.4、殊更に好ましくは5.8〜6.2である。
また、pH(20℃)は、次の態様とすることもできる。すなわち、濁り抑制、風味(酸味及び茶の香り)の向上の観点から、5.1以上が好ましく、5.5以上がより好ましく、5.8以上が更に好ましく、またクロロゲン酸類の残存率及び風味(すっきり感及び茶の香り)の向上の観点から、6.9以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、6.4以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは5.1〜6.9、より好ましくは5.5〜6.8、更に好ましくは5.8〜6.4である。なお、pHは、20℃に温度調整しpHメータにより測定するものとする。
本発明の容器詰飲料のBrix(20℃)は、コク付与、風味(茶の香り)の観点から、0.5%以上が好ましく、0.6%以上がより好ましく、0.7%以上が更に好ましく、0.8%以上がより更に好ましく、また口当たりの良さ、風味(茶の香り)、濁り抑制の観点から、4.0%以下が好ましく、3.5%以下がより好ましく、2.5%以下が更に好ましく、2.0%以下がより更に好ましく、1.6%以下が殊更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは0.5〜4.0%、より好ましくは0.5〜3.5%、更に好ましくは0.6〜2.5%、より更に好ましくは0.7〜2.0%、殊更に好ましくは0.8〜1.6%である。
また、Brix(20℃)は、次の態様とすることもできる。すなわち、コク付与、風味(茶の香り)の観点から、0.39%以上が好ましく、0.64%以上がより好ましく、0.82%以上が更に好ましく、0.84%以上が殊更に好ましく、また口当たりの良さ、風味(茶の香り)、濁り抑制の観点から、3.70%以下が好ましく、1.68%以下がより好ましく、1.48%以下が更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは0.39〜3.70%、より好ましくは0.64〜1.68%、更に好ましくは0.82〜1.68%、殊更に好ましくは0.84〜1.48%である。
また、本発明の容器詰飲料は、所望により、甘味料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、果汁、野菜汁、花蜜エキス、アミノ酸、植物油脂、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
本発明の容器詰飲料は、茶飲料でも、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、ほうじ茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が挙げられる。また、非茶飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料や、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料を挙げることができる。中でも、本発明の効果を享受しやすい点で、茶飲料が好ましい。また、飲料の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
また、本発明の容器詰飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
本発明においては、このような構成を採用することにより、清澄度の高い容器詰飲料とすることができる。例えば、後掲の実施例に記載の「濁りの評価」に記載の方法より測定される容器詰飲料の濁度(OD660nm)を、好ましくは0.10〜0.28、より好ましくは0.11〜0.25、更に好ましくは0.12〜0.20、より更に好ましくは0.13〜0.17とすることができる。
また、本発明においては、このような構成を採用することにより、クロロゲン酸類の保存安定性が高められるため、長期保存したとしてもクロロゲン酸類を高水準で残存させることができる。例えば、本発明の容器詰飲料を55℃で7日間保存した場合、後掲の実施例に記載の「クロロゲン酸類の残存率の算出方法」により求められるクロロゲン酸類の残存率を、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは90%以上とすることができる。
本発明の容器詰飲料は、例えば、成分(A)〜(C)、必要により他の成分を配合し、成分(A)及び成分(B)の各含有量とともに、成分(C)の含有量を成分(B)の含有量と一定の関係を満たすように制御した上で、pHを特定範囲内に調整し容器に充填して製造することができる。
成分(A)は、市販の試薬を用いてもよいが、成分(A)を豊富に含む植物の抽出物の形態で含有させることもできる。植物抽出物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、茶葉、柿葉、栗皮等の抽出物が挙げられる。中でも、タンニン含量、風味の観点から、茶抽出物が好ましい。なお、植物抽出物は、1種又は2種以上含有することができる。
茶葉としては、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類されるが、これらのうちの1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
不発酵茶葉としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶葉が挙げられ、火入れ加工が施されていてもよい。また、半発酵茶葉としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶葉が挙げられる。更に、発酵茶葉としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶葉が挙げられる。茶葉は1種又は2種以上を使用することができる。中でも、タンニン含量、風味の点から、不発酵茶葉が好ましく、緑茶、ほうじ茶が更に好ましい。
抽出方法としては、例えば、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、抽出条件は特に限定されず、抽出方法により適宜選択することができる。また、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の市販の緑茶抽出物を用いることもできる。
また、成分(B)は、市販の試薬を用いてもよいが、成分(B)を豊富に含む植物の抽出物の形態で含有させることもできる。植物抽出物としては、成分(B)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等の抽出物が挙げられる。植物抽出物は、1種又は2種以上含有することができる。中でも、クロロゲン酸類含量、風味の観点から、コーヒー抽出物が好ましい。
抽出に使用するコーヒー豆は、生コーヒー豆でも、焙煎コーヒー豆でも構わないが、クロロゲン酸類含量等の観点から、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも1種が好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、 クロロゲン酸類含量等の観点から、27以上が好ましく、35以上がより好ましく、40以上が更に好ましく、また風味の観点から、62未満が好ましく、60以下がより好ましく、55以下が更に好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値の範囲としては、好ましくは27以上62未満、より好ましくは35〜60、更に好ましくは40〜55である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
コーヒー豆の種類としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種、アラブスタ種等が挙げられる。また、コーヒー豆の産地としては、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グァテマラ等を挙げることができる。本発明においては、豆種、産地の異なるコーヒー豆を1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法及び条件で行うことが可能であるが、コーヒー抽出物を使用する場合には、多段階抽出によるコーヒー抽出物が好ましい。ここで、本明細書において「多段階抽出」とは、1以上の焙煎コーヒー豆を、複数の独立した抽出塔それぞれに投入し、1段階目の抽出塔に抽出溶媒を供給して該抽出塔からコーヒー抽出物を排出させ、次いで、1段階目の抽出塔から排出されたコーヒー抽出物を2段階目の抽出塔に供給し該抽出塔からコーヒー抽出物を排出させるという操作を繰り返し行い、最終段階の抽出塔から排出されたコーヒー抽出物を回収する抽出法をいう。抽出は常圧下でも、加圧下でも構わない。
また、(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとが式(1)の関係を満たすために、活性炭処理済のコーヒー抽出物を使用することが好ましい。活性炭は、一般に工業用に使用されているものであれば特に制限されないが、例えば、粉末状活性炭、粒状活性炭、活性炭繊維等を挙げることができる。活性炭の原料としては、オガコ、石炭、ヤシ殻等が挙げられ、中でも、ヤシ殻が好ましい。また、水蒸気等のガスにより賦活した活性炭も好ましく使用される。水蒸気賦活活性炭の市販品としては、白鷺WH2c(日本エンバイロケミカルズ株式会社)、太閣CW(二村化学工業株式会社)、クラレコールGL(クラレケミカル株式会社)等を挙げることができる。なお、活性炭の処理方法としては、バッチ式及び連続式のいずれでもよい。
成分(C)及び(D)は、主に配合成分に由来するものであるが、新たに加えられたものであってもよい。
また、本発明の容器詰飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器詰飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
上記実施形態に関し、本発明は更に以下の容器詰飲料又は方法を開示する。
<1>
次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン 0.05〜0.50質量%
(B)クロロゲン酸類 0,075〜0.50質量%、及び
(C)カフェイン
を含有し、
成分(C)の含有量が下記式(1)の関係を満たし、かつ
pHが5.0〜7.0である、
容器詰飲料。
X≦Y×0.1939+0.0168 (1)
〔式(1)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
<2>
次の成分(A)〜(C);
(A)タンニン 0.05〜0.50質量%
(B)クロロゲン酸類 0,075〜0.50質量%、及び
(C)カフェイン
を含有させ、
成分(C)の含有量を下記式(1)の関係を満たすように調整し、かつ
pHを5.0〜7.0に調整する、
容器詰飲料の、濁りの抑制方法、クロロゲン酸類の保存安定性向上方法、又は風味の改善方法。
X≦Y×0.1939+0.0168 (1)
〔式(1)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
<3>
成分(A)が、好ましくは酒石酸鉄法により測定されるものであって、非重合体カテキン類、没食子酸、そのエステル及びそれらの縮合物を包むものである、前記<1>記載の容器詰飲料、又は前記<2>記載の容器詰飲料の、濁りの抑制方法、クロロゲン酸類の保存安定性向上方法、又は風味の改善方法(以下、容器詰飲料、又は容器詰飲料の、濁りの抑制方法、クロロゲン酸類の保存安定性向上方法、若しくは風味の改善方法」を「容器詰飲料等」と称する)。
<4>
成分(B)が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸、5−フェルラキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくは前記9種すべてである、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<5>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.06質量%以上、より好ましくは0.07質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であって、好ましくは0.40質量%以下、より好ましくは0.30質量%以下、更に好ましくは0.22質量%以下、より更に好ましくは0.20質量%以下、殊更に好ましくは0.18質量%以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<6>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.06〜0.40質量%、より好ましくは0.07〜0.30質量%、更に好ましくは0.07〜0.22質量%、より更に好ましくは0.10〜0.20質量%、殊更に好ましくは0.10〜0.18量%である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<7>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.06質量%以上、より好ましくは0.07質量%以上、更に好ましくは0.12質量%以上であって、好ましくは0.40質量%以下、より好ましくは0.33質量%以下、更に好ましくは0.22質量%以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<8>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.06〜0.40質量%、より好ましくは0.07〜0.33質量%、更に好ましくは0.07〜0.22質量%、より更に好ましくは0.12〜0.22質量%である、前記<1>〜<4>及び<7>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<9>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.080質量%以上、より好ましくは0.085質量%以上、更に好ましくは0.090質量%以上であって、好ましくは0.40質量%以下、より好ましくは0.35質量%以下、更に好ましくは0.25質量%以下、より更に好ましくは0.20質量%以下、殊更に好ましくは0.15質量%以下である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<10>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.080〜0.40質量%、より好ましくは0.080〜0.35質量%、更に好ましくは0.085〜0.25質量%、より更に好ましくは0.090〜0.20質量%、殊更に好ましくは0.090〜0.15質量%である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<11>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.078質量%以上、更に好ましくは0.101質量%以上であって、好ましくは0.400質量%以下、より好ましくは0.339質量%以下、更に好ましくは0.212質量%以下である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<12>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.078〜0.400質量%、より好ましくは0.078〜0.339質量%、更に好ましくは0.101〜0.339質量%、より更に好ましくは0.101〜0.212質量%である、前記<1>〜<8>及び<11>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<13>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは1.20以下、より好ましくは1.00以下、更に好ましくは0.95以下、殊更に好ましくは0.90以下であって、好ましくは0.72以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.77以上である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<14>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.72〜1.20、より好ましくは0.75〜1.00、更に好ましくは0.77〜0.95、より更に好ましくは0.77〜0.90である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<15>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは1.24以下、より好ましくは1.12以下、更に好ましくは0.96以下であって、好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.84以上である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<16>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.80〜1.24、より好ましくは0.80〜1.12、更に好ましくは0.84〜0.96である、前記<1>〜<12>及び<15>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<17>
成分(C)の含有量が、好ましくは下記式(2)の関係、更に好ましくは下記式(3)の関係を満たすものである、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
X≦Y×0.1939+0.0164 (2)
X≦Y×0.1939+0.0159 (3)
〔式(2)及び(3)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
<18>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.008質量%以上、更に好ましくは0.012質量%以上であって、好ましくは0.080質量%以下、更に好ましくは0.060質量%以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<19>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.008〜0.080質量%、更に好ましくは0.012〜0.060質量%である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<20>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.010質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上、更に好ましくは0.018質量%以上であって、好ましくは0.075質量%以下、より好ましくは0.055質量%以下、更に好ましくは0.026質量%以下、殊更に好ましくは0.024質量%以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<21>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.010〜0.075質量%、より好ましくは0.010〜0.055質量%、更に好ましくは0.015〜0.026質量%、より更に好ましくは0.015〜0.024質量%、殊更に好ましくは0.018〜0.024質量%である、前記<1>〜<17>及び<20>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<22>
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.33以下、より好ましくは0.26以下、更に好ましくは0.21以下であって、好ましくは0.13以上、より好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.18以上である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<23>
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.13〜0.33、より好ましくは0.15〜0.26、更に好ましくは0.18〜0.21である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<24>
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.25以下、更に好ましくは0.23以下であって、好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<25>
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.15〜0.25、更に好ましくは0.20〜0.23である、前記<1>〜<21>及び<24>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<26>
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]は、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.27以下、更に好ましくは0.26以下、殊更に好ましくは0.25以下であって、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.18以上、更に好ましくは0.23以上である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<27>
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]は、好ましくは0.15〜0.30、より好ましくは0.18〜0.27、更に好ましくは0.18〜0.26、より更に好ましくは0.23〜0.25である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<28>
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]は、好ましくは0.26以下、更に好ましくは0.24以下であって、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.18以上、更に好ましくは0.21以上である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<29>
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]は、好ましくは0.15〜0.26、より好ましくは0.18〜0.24、更に好ましくは0.21〜0.24である、前記<1>〜<25>及び<28>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<30>
好ましくは成分(D)としてたんぱく質を含有する、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<31>
成分(D)の含有量が、好ましくは100質量ppm以上、より好ましくは110質量ppm以上、更に好ましくは150質量ppm以上、殊更に好ましくは170質量ppm以上であって、好ましく500質量ppm以下、より好ましくは400質量ppm以下、更に好ましくは300質量ppm以下、より更に好ましくは280質量ppm以下、殊更に好ましくは220ppm以下である、前記<30>記載の容器詰飲料等。
<32>
成分(D)の含有量が、好ましくは100〜500質量ppm、より好ましくは110〜400質量ppm、更に好ましくは150〜300質量ppm、より更に好ましくは150〜280質量ppm、殊更に好ましくは170〜220質量ppmである、前記<30>又は<31>記載の容器詰飲料等。
<33>
成分(D)の含有量が、好ましくは85質量ppm以上、より好ましくは118質量ppm以上、更に好ましくは145質量ppm以上、殊更に好ましくは184質量ppm以上であって、好ましくは421質量ppm以下、より好ましくは345質量ppm以下、更に好ましくは291質量ppm以下、殊更に好ましくは264質量ppm以下である、前記<30>記載の容器詰飲料等。
<34>
成分(D)の含有量が、好ましくは85〜421質量ppm、より好ましくは118〜345質量ppm、更に好ましくは145〜291質量ppm、殊更に好ましくは184〜264質量ppmである、前記<30>又は<33>記載の容器詰飲料等。
<35>
成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]は、好ましくは0.11以上、より好ましくは0.13以上、更に好ましくは0.14以上であって、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.26以下、更に好ましくは0.23以下、より更に好ましくは0.19以下、殊更に好ましくは0.15以下である、前記<30>〜<34>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<36>
成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]は、好ましくは0.11〜0.30、より好ましくは0.13〜0.26.更に好ましくは0.14〜0.23、より更に好ましくは0.14〜0.19、殊更に好ましくは0.14〜0.15である、前記<30>〜<35>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<37>
成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]は、好ましくは0.13以上、更に好ましくは0.15以上であって、好ましくは0.29以下、より好ましくは0.24以下、更に好ましくは0.22以下である、前記<30>〜<34>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<38>
成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]は、好ましくは0.13〜0.29、より好ましくは0.15〜0.24.更に好ましくは0.15〜0.22である、前記<30>〜<34>及び<37>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<39>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.12以上、更に好ましくは0.13以上、より更に好ましくは0.14以上、殊更に好ましくは0.17以上であって、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下、更に好ましくは0.27以下、より更に好ましくは0.26以下、殊更に好ましくは0.20以下である、前記<30>〜<38>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<40>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.12以上、更に好ましくは0.13以上、より更に好ましくは0.14以上、殊更に好ましくは0.17以上であって、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下、更に好ましくは0.27以下、より更に好ましくは0.26以下、殊更に好ましくは0.20以下である、前記<30>〜<39>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<41>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0.11以上、より好ましくは0.14以上、更に好ましくは0.16以上、殊更に好ましくは0.18以上であって、好ましくは0.34以下、より好ましくは0.29以下、更に好ましくは0.26以下である、前記<30>〜<38>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<42>
成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が、好ましくは0.11〜0.34、より好ましくは0.14〜0.29、更に好ましくは0.16〜0.29、殊更に好ましくは0.18〜0.26である、前記<30>〜<38>及び<41>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<43>
成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]が、好ましくは2.00以下、より好ましくは1.90以下、更に好ましくは1.70以下、殊更に好ましくは1.60以下であって、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.90以上、更に好ましくは1.10以上、より更に好ましくは1.20以上、殊更に好ましくは1.30以上である、前記<30>〜<42>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<44>
成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]が、好ましくは0.70〜2.00、より好ましくは0.90〜1.90、更に好ましくは1.10〜1.70、より更に好ましくは1.20〜1.70、殊更に好ましくは1.30〜1.60である、前記<30>〜<43>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<45>
成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]が、好ましくは1.90以下、より好ましくは1.78以下、更に好ましくは1.31以下であって、好ましくは0.70以上、更に好ましくは0.91以上である、前記<30>〜<42>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<46>
成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]が、好ましくは0.70〜1.90、より好ましくは0.91〜1.78、更に好ましくは0.91〜1.31である、前記<30>〜<42>及び<45>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<47>
好ましくは成分(E)として酸味料を更に含有する、前記<1>〜<46>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<48>
酸味料が、好ましくは有機酸、無機酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上である、前記<47>記載の容器詰飲料等。
<49>
有機酸又はその塩が、好ましくはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、フマル酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、無機酸が、好ましくはリン酸及びその塩から選択される少なくとも1種であり、塩が、好ましくはアルカリ金属塩(例えば、カリウム、ナトリウム)である、前記<48>記載の容器詰飲料等。
<50>
成分(E)の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である、前記<47>〜<49>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<51>
成分(E)の含有量が、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量、更に好ましくは0.01〜0.1質量%である、前記<47>〜<50>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<52>
pH(20℃)が、好ましくは5.1以上、より好ましくは5.3以上、更に好ましくは5.5以上、より更に好ましくは5.7以上、殊更に好ましくは5.8以上であって、好ましくは6.9以下、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.6以下、より更に好ましくは6.4以下、殊更に好ましくは6.2以下である、前記<1>〜<51>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<53>
pH(20℃)が、好ましくは5.1〜6.9、より好ましくは5.3〜6.8、更に好ましくは5.5〜6.6、より更に好ましくは5.7〜6.4、殊更に好ましくは5.8〜6.2である、前記<1>〜<52>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<54>
pH(20℃)が、好ましくは5.1以上、より好ましくは5.5以上、更に好ましくは5.8以上であって、好ましくは6.9以下、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.4以下である、前記<1>〜<51>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<55>
pH(20℃)が、好ましくは5.1〜6.9、より好ましくは5.5〜6.8、更に好ましくは5.8〜6.4である、前記<1>〜<51>及び<54>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<56>
Brix(20℃)が、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.6%以上、更に好ましくは0.7%以上、殊更に好ましくは0.8%以上であって、好ましくは4.0%以下、より好ましくは3.5%以下、更に好ましくは2.5%以下、より更に好ましくは2.0%以下、殊更に好ましくは1.6%以下である、前記<1>〜<55>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<57>
Brix(20℃)が、好ましくは0.5〜4.0%、より好ましくは0.5〜3.5%、更に好ましくは0.6〜2.5%、より更に好ましくは0.7〜2.0%、殊更に好ましくは0.8〜1.6%である、前記<1>〜<56>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<58>
Brix(20℃)が、好ましくは0.39%以上、より好ましくは0.64%以上、更に好ましくは0.82%以上、殊更に好ましくは0.84%以上であって、好ましくは3.70%以下、より好ましくは1.68%以下、更に好ましくは1.48%以下である、前記<1>〜<55>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<59>
Brix(20℃)が、好ましくは0.39〜3.70%、より好ましくは0.64〜1.68%、更に好ましくは0.82〜1.68%、殊更に好ましくは0.84〜1.48%である、前記<1>〜<55>及び<58>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<60>
好ましくは甘味料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、果汁、野菜汁、花蜜エキス、アミノ酸、植物油脂、及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<1>〜<59>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<61>
好ましくは茶飲料、又は非茶系飲料である、前記<1>〜<60>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<62>
茶飲料が、好ましくは緑茶飲料、ほうじ茶飲料、烏龍茶飲料、又は紅茶飲料であり、非茶飲料が、好ましくは果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、及び美容ドリンク剤から選択される非アルコール飲料、又はビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、及びリキュール類から選択されるアルコール飲料である、前記<61>記載の容器詰飲料等。
<63>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔若しくはプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<1>〜<62>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<64>
濁度(OD660nm)が、好ましくは0.10〜0.28、より好ましくは0.11〜0.25、更に好ましくは0.12〜0.20、殊更に好ましくは0.13〜0.17である、前記<1>〜<63>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<65>
当該容器詰飲料を55℃で7日間保存した後のクロロゲン酸類の残存率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは90%以上である、前記<1>〜<64>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<66>
タンニン源が、好ましくは茶葉、柿葉及び栗皮から選択される1種又は2種以上の植物の抽出物であり、より好ましくは茶抽出物であり、更に好ましくは不発酵茶葉の抽出物であり、殊更に好ましくは緑茶抽出物及びほうじ茶抽出物から選択される少なくとも1種である、前記<1>〜<65>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<67>
クロロゲン酸類源が、好ましくはヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、及びブドウ科植物から選択される1種又は2種以上の植物の抽出物であり、より好ましくはコーヒー豆抽出物であり、更に好ましくは生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選ばれる少なくとも1種のコーヒー豆の抽出物であり、より更に好ましくは多段階抽出によるコーヒー豆の抽出物であり、殊更に好ましくは多段階抽出によるコーヒー豆の抽出物であって、活性炭処理済のコーヒー豆の抽出物である、前記<1>〜<66>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<68>
好ましくは加熱殺菌済である、前記<1>〜<67>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<69>
加熱殺菌方法が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、更に好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、超高温殺菌(UHT)、アセプティック充填、又はホットパック充填である、前記<68>記載の容器詰飲料等。
1.タンニンの分析
試料中のタンニン量の測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めた(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10、初版、出版社:社団法人 菓子総合センター)。
試料5mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線からタンニン量を求めた。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとした。
リン酸緩衝液の調製:1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15mol/Lリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整した。
2.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
試料2gに85℃の純水180mLを注ぎ、攪拌した後、バイアルに分注して分析した。
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:
クロロゲン酸類 325nm
カフェイン 270nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:アセトニトリルを水で希釈してアセトニトリル濃度を5(V/V)%とした溶液であって、0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、及び10mM 酢酸ナトリウムを含む溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLC測定においては、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間
9種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3分、8.8分、11.6分の計3点
・モノフェルラキナ酸 :13.0分、19.9分、21.0分の計3点
・ジカフェオイルキナ酸 :36.6分、37.4分、44.2分の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
なお、カフェインの分析は、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分である。
3.クロロゲン酸類の残存率の算出方法
クロロゲン酸類の残存率は、保存前の容器詰飲料中のクロロゲン酸類の含有量と、55℃で7日間保存後の容器詰飲料中のクロロゲン酸類の含有量とから、下記式によりクロロゲン酸類の残存率を求めた。
クロロゲン酸類の残存率(%)=(55℃で7日間保存後の容器詰飲料中のクロロゲン酸類量/保存前の容器詰飲料中のクロロゲン酸類量)×100
4.たんぱく質の分析
Bradford法によりたんぱく質の定量を行った。具体的には、以下のとおりである。
・キット名:タンパク質定量キット−ラピット
・製造元:Dojindo Molecular Technologies, Inc.
標準直線の作成はキットの説明書に準じて行った。4000μg/mLのStandard BSA solutionを純水で順次、1/2に希釈し、2000μg/mL、1000μg/mL、500μg/mL、250μg/mL、125μg/mL、63μg/mL、32μg/mL、及び純水(0μg/mL)のBSA希釈液を調製する。各濃度の検量線稜線用BSA希釈液、若しくは、サンプル100μLに、CBB solution液を2.5mL加え、試験管内でよく混合する。混合した後、分光光度用のセルに移し替え、600nmの吸光度を測定する。測定した吸光度から、ブランクの吸光度を差し引き、BSA濃度と、吸光度の検量線を作成し、サンプルのタンパク質濃度を求める。
5.pHの測定
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、試料を20℃に温度調整をして測定した。
6.Brixの測定
糖用屈折計示度(Brix)について、糖度計(Atago RX-5000(Atago社製))を用いて、試料を20℃に温度調整して測定した。
7.官能評価
各容器詰飲料の「すっきり感」、「酸味」及び「茶の香り」について、専門パネル4名が下記の基準にしたがって飲用試験し、平均点を評価とした。
すっきり感の評価基準
5:すっきりしている
4:ややすっきりしている
3:少しすっきりしている
2:あまりすっきりしていない
1:すっきりしていない
酸味の評価基準
5:全く感じない
4:あまり感じない
3:わずかに感じる
2:やや感じる
1:感じる
茶の香りの評価基準
5:ある
4:ややある
3:すこしある
2:ほとんどない
1:ない
8.濁りの評価
各容器詰飲料の濁度について、濁度計(U−2010、HITACHI社製)を用いて、波長660nm、90°透過散乱比較方式で20℃にて測定した。
製造例1
茶抽出物の製造
3Lジョッキ(φ155mm)に、ほうじ茶葉66.7gと、90℃の湯2000gを投入し、10分間撹拌し(浴比30倍、回転数250rpm)、バッチ抽出を行った。抽出した液を、製品Brixが0.2になるようにさらに水で希釈し、茶抽出物を得た。
製造例2
クロロゲン酸類製剤Aの製造
L50の焙煎コーヒー豆を、円筒状抽出搭(内径40mm×高さ345mm)5本に、1搭当たりの充填量が120gとなるように充填した。次いで150℃の熱水を1段目の抽出搭の下部から上部へ送液した。次いで1段目の抽出搭上部から排出されたコーヒー抽出液を、2段目の抽出搭下部から上部へ送液した。この操作を3段目以降の抽出塔についても繰り返し行い、6段目の抽出搭の上部から排出されたコーヒー抽出液を、速やかに冷却するとともに0.66kgを回収した。抽出は全て0.3MPaの加圧下で行った。続いて、円筒状のカラム(内径72mm×高さ100mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製)40g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記抽出液2.00Kgを、25℃、流量5.5mL/minにて送液し、カラム出口より最終的な採液量として2.00kgの活性炭処理液を得た。得られた活性炭処理液を、スプレードライヤーを用いて乾燥しクロロゲン酸類製剤Aを得た。
製造例3
クロロゲン酸類製剤Bの製造
製造例1と同様の操作により、コーヒー抽出液を得た。次いで、円筒状のカラム(内径72mm×高さ100mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製)40g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記抽出液5.67Kgを、25℃、流量5.5mL/minにて送液し、カラム出口より最終的な採液量として5.67kgの活性炭処理液を得た。得られた活性炭処理液を、スプレードライヤーを用いて乾燥しクロロゲン酸類製剤Bを得た。
製造例4
クロロゲン酸類製剤Cの製造
製造例1と同様の操作により、コーヒー抽出液を得た。次いで、円筒状のカラム(内径72mm×高さ100mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製)40g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記抽出液4.86Kgを、25℃、流量5.5mL/minにて送液し、カラム出口より最終的な採液量として4.86kgの活性炭処理液を得た。得られた活性炭処理液を、スプレードライヤーを用いて乾燥しクロロゲン酸類製剤Cを得た。
製造例5
クロロゲン酸類製剤Dの製造
200℃で焙煎したL60のコーヒー豆粉末35gに、85℃、540mL注水し、浸漬抽出を行った。その後、本抽出液を、スプレードライヤーを用いて乾燥しクロロゲン酸類製剤Dを得た。
製造例6
クロロゲン酸類製剤Eの製造
脱カフェインしたコーヒー豆として、所謂スイスウォーター式 により97% 脱カフェインしたコロンビア産生コーヒー豆を用いた。脱カフェインしたコーヒー豆1KGを10Lの三角フラスコに入れ、これを80℃ に加温した50w/w%熱エタノール水溶液5Lを用いて3時間還流下で抽出操作を実施し、得られた抽出液を、スプレードライヤーを用いて乾燥しクロロゲン酸類製剤Eを得た。
製造例7
クロロゲン酸類製剤Fの製造
製造例2において、L50の焙煎コーヒー豆に代えて、L30の焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、製造例2と同様の操作によりクロロゲン酸類製剤Fを得た。
実施例1〜17及び比較例1〜4
表1に示す割合で各成分を配合し、各種飲料をUHT殺菌器にて、138℃、30秒の殺菌を行った後、350mL容PETボトルに飲料350mLを充填後、キャップをし、容器詰茶飲料を得た。
Figure 2018023363
表1から、タンニン及びクロロゲン酸類の各含有量とともに、カフェインの含有量をクロロゲン酸類の含有量と一定の関係を満たすように制御した上で、pHを特定範囲内に調整することにより、濁りが抑制され、クロロゲン酸類の保存安定性に優れ、かつ風味の良好な容器詰飲料が得られることが分かる。

Claims (13)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)タンニン 0.05〜0.50質量%
    (B)クロロゲン酸類 0,075〜0.50質量%、及び
    (C)カフェイン
    を含有し、
    成分(C)の含有量が下記式(1)の関係を満たし、かつ
    pHが5.0〜7.0である、
    容器詰飲料。
    X≦Y×0.1939+0.0168 (1)
    〔式(1)中、Xはカフェインの含有量(質量%)を示し、Yはクロロゲン酸類の含有量(質量%)を示す。〕
  2. 成分(C)の含有量が0.008〜0.080質量%である、請求項1記載の容器詰飲料。
  3. 成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.72〜1.20である、請求項1又は2記載の容器詰飲料。
  4. 成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.13〜0.33である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  5. 成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.15〜0.30である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  6. 成分(D)としてたんぱく質を含有し、成分(D)の含有量が100質量ppm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  7. 成分(D)としてたんぱく質を含有し、成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が0.11〜0.30である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  8. 成分(D)としてたんぱく質を含有し、成分(B)と成分(D)との質量比[(D)/(B)]が0.10〜0.35である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  9. 成分(D)としてたんぱく質を含有し、成分(C)と成分(D)との質量比[(C)/(D)]が0.70〜2.00である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  10. 成分(E)として酸味料を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  11. 成分(E)として酸味料を含有し、成分(E)の含有量が0.001〜1質量%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  12. 成分(E)として酸味料を含有し、成分(E)がアスコルビン酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  13. Brixが0.5〜4.0%である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
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