JP6809796B2 - クロロゲン酸類含有飲料 - Google Patents

クロロゲン酸類含有飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP6809796B2
JP6809796B2 JP2016031973A JP2016031973A JP6809796B2 JP 6809796 B2 JP6809796 B2 JP 6809796B2 JP 2016031973 A JP2016031973 A JP 2016031973A JP 2016031973 A JP2016031973 A JP 2016031973A JP 6809796 B2 JP6809796 B2 JP 6809796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
beverage
acid
protein
chlorogenic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016031973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017147957A (ja
Inventor
佐藤 誠
佐藤  誠
雄 中島
雄 中島
登 白幡
登 白幡
塩屋 靖
靖 塩屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016031973A priority Critical patent/JP6809796B2/ja
Publication of JP2017147957A publication Critical patent/JP2017147957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6809796B2 publication Critical patent/JP6809796B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、クロロゲン酸類を含有する飲料に関する。
クロロゲン酸類は、植物においてはコーヒー豆やヒマワリ種子等に見出され、抗酸化作用、血圧降下作用、脂質燃焼促進作用等の生理機能を有することが報告されている(例えば、特許文献1)。
クロロゲン酸類を含む飲料はより多くのクロロゲン酸類を継続して摂取し、その生理機能を効果的に得るのに適した形態であり、近年、クロロゲン酸類を高濃度で配合したコーヒー飲料が提案されている。一般的に、コーヒー豆の香りやコク等の観点から、コーヒー飲料のpHは5.5〜6程度である。
特開2010−241800号公報
クロロゲン酸類はコーヒー豆の焙煎において分解され易いため、クロロゲン酸類含有飲料を調製するにあたっては生コーヒー豆や焙煎程度が低い浅焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類を最大限に利用することが有利である。
しかしながら、これらの豆抽出物は青臭み等があり、クロロゲン酸類を高濃度で飲料中に配合すると、生コーヒー豆に由来する雑味や不快臭が感じられ、多様な風味の飲料を創製する上で問題があることが判った。
したがって、本発明は、高濃度のクロロゲン酸類を含み、雑味や不快臭が少なく風味の良好な飲料を提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、クロロゲン酸類とコーヒー豆に含まれるタンパク質との質量比、及び当該タンパク質に占める所定のタンパク質の割合を特定範囲内とすることで、生コーヒー豆に由来する雑味や不快臭を低減できることを見出した。また、この際、飲料のpHが高いとクロロゲン酸類が不安定になり易いところ、pHを制御することで保存安定性にも優れた飲料とすることができることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)クロロゲン酸類 0.05〜2質量%、
(B)コーヒー豆由来タンパク質
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(A)/(B)]が1〜40であり、成分(B)に占める(b)分子量5000以下のタンパク質の割合が1〜60質量%であり、且つpHが2〜5である飲料を提供するものである。
本発明によれば、高濃度のクロロゲン酸類を含みながら、雑味や不快臭が少なく、コク感が感じられて風味良好であり、また、保存性に優れた飲料を提供することができる。
本発明の飲料は(A)クロロゲン酸類を含有する。本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、すべて含有することが好ましい。
本発明においては、(A)クロロゲン酸類を豊富に含む生コーヒー豆や浅焙煎コーヒー豆の抽出物に由来するもの、すなわち、生コーヒー豆抽出物や浅焙煎コーヒー豆抽出物から分画により採取したものを使用することが好ましい。なかでも、生コーヒー豆抽出物から分画により採取したものを使用することが好ましい。
本明細書において「生コーヒー豆」は、焙煎する前のコーヒー豆をいい、「浅焙煎コーヒー豆」は、焙煎程度が低いコーヒー豆をいう。浅焙煎コーヒー豆のL値は、30〜50が好ましい。ここで、L値とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を粉砕後に色差計で測定したものである。色差計として、例えば、スペクトロフォトメーター SE2000((株)日本電色社製)を用いることができる。なお、本明細書において生コーヒー豆と浅焙煎コーヒー豆とを合わせてコーヒー豆と称する場合がある。
本発明で用いられるコーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種、アラブスタ種等を挙げることができる。また、コーヒー豆の産地は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジャロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グアテマラ、ベトナム等が挙げられる。コーヒー豆は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
コーヒー豆は、未粉砕のものでも、粉砕したものでもよい。粉砕方法は特に限定されず、公知の方法及び装置を用いることができる。例えば、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、インパクトミル、ウィレー粉砕機等の粉砕装置を挙げることができる。粉砕コーヒー豆の平均粒径は適宜選択することができる。
また、本明細書において「抽出物」としては、例えば、生コーヒー豆や浅焙煎コーヒー豆の抽出液又はその濃縮物が挙げられる。その形態としては、固体、液体、溶液、スラリー等の種々のものがある。「抽出液」の抽出方法は、コーヒー豆から熱水を用いて、バッチ抽出、ドリップ抽出、カラム抽出等の公知の抽出方法により抽出したものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。例えば、特開昭58−138347号公報、特開昭59−51763号公報、特開昭62−111671号公報、特開平5−236918号公報等に記載の方法を採用することができる。
また、「抽出液の濃縮物」とは、コーヒー豆の抽出液から溶媒の少なくとも一部を除去してクロロゲン酸類濃度を高めたものをいう。
コーヒー豆抽出物等は、市販品でもよい。
本発明の飲料中、(A)クロロゲン酸類の含有量は、0.05〜2質量%である。飲料中の(A)クロロゲン酸類の含有量は、クロロゲン酸類の生理効果の点、及びクロロゲン酸類のコクを感じることができる点から、0.1質量%以上が好ましい。また、不快臭を抑え、すっきりとした風味を感じることができる点から、1質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましい。飲料中の(A)クロロゲン酸類の含有量は、0.1〜1質量%、更に0.1〜0.7質量%が好ましい。
本明細書において(A)クロロゲン酸類の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。また、(A)クロロゲン酸類の分析は、後掲の実施例に記載の方法に従うものとする。
本発明の飲料は(B)コーヒー豆由来タンパク質を含有する。当該タンパク質の量は、後掲の実施例に記載のとおり全窒素量からカフェイン、トリゴネリン及び遊離アミノ酸に由来する窒素量を差し引くことで求められる。尚、コーヒー豆については前記で説明したとおり生コーヒー豆と浅焙煎コーヒー豆を含むものである。
本発明において、飲料中の成分(B)の含有量に対する、飲料中の成分(A)の含有量の比(含有質量比)[(A)/(B)]は1〜40である。
斯かる成分(A)と成分(B)の質量比[(A)/(B)]は、雑味を低減する点から、1.5以上、更に2以上が好ましい。また、クロロゲン酸類のコクを感じることができる点から、25以下、更に20以下が好ましい。飲料中、成分(A)と成分(B)の質量比[(A)/(B)]は、1.5〜25が好ましく、2〜20がより好ましい。
飲料中の(B)コーヒー豆由来タンパク質の含有量は、0.005〜0.2質量%、更に0.005〜0.15質量%であるのが、コクの点、雑味の点から好ましい。
(B)コーヒー豆由来タンパク質は、当該タンパク質に占める(b)分子量5000以下のタンパク質の割合が1〜60質量%である。(b)分子量5000以下のタンパク質は、コーヒー豆に由来するタンパク質のうち分画分子量5000の濾過膜を通過するポリペプチドである。
コーヒー豆抽出物のタンパク質の制御に使用する濾過膜は、逆浸透膜、限外濾過膜が好ましく、限外濾過膜がより好ましい。膜の材質は、特に限定されず、例えば、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリル、再生セルロース、セルロースアセテート等が挙げられるが、ポリスルフォンが好ましい。また、膜の構造としては、スパイラル、中空糸型のような連続処理型の膜、平膜が挙げられる。
(B)コーヒー豆由来タンパク質に占める(b)分子量5000以下のタンパク質の割合は、濁り発生を防止する点から、さらに雑味を低減する点から、5質量%以上、更に10質量%以上が好ましい。また、不快臭を低減する点から、55質量%以下、更に50質量%以下が好ましい。
飲料中の(b)分子量5000以下のタンパク質の含有量は、0.001〜0.2質量%、更に0.003〜0.1質量%であるのが、不快臭を低減する点から好ましい。
本発明の飲料のpH(25℃)は2〜5である。pHは、クロロゲン酸類の安定性の点から、2.5〜4.5、更に2.5〜3.5であるのが好ましい。
飲料のpH調整には、酸味料を使用することができ、酸味料としては、例えば、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)が挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。なかでも、クエン酸、クエン酸ナトリウムが好ましい。
飲料は、水を含有するが、水はイオン交換水、水道水、天然水等が挙げられ、特に味の点からイオン交換水が好ましい。
本発明の飲料には、上記成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、甘味料、苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等が適宜配合されていてもよい。
本発明の飲料は、例えば、生コーヒー豆抽出物及び/又は浅焙煎コーヒー豆抽出物を利用して、(A)クロロゲン酸類の濃度、(A)クロロゲン酸類と(B)コーヒー豆由来タンパク質の質量比、成分(B)に占める(b)分子量5000以下のタンパク質の割合を上記範囲内となるように調整する工程、必要に応じてpHを調整する工程等を経て製造することができる。
具体的には、コーヒー豆抽出物等をアルコール沈殿や、イオン交換カラム、合成吸着剤による成分調整、あるいは活性炭や白土による吸着や、限外ろ過膜により成分を調整する工程と、pHを調整するためのイオン交換処理、クエン酸の添加による調整をする。
また、容器詰飲料とする際は、更に殺菌・充填工程を経て製造することができる。
飲料の殺菌条件は、食品衛生法に定める条件を満たしていれば良く、殺菌の手段も特に制限は無く、レトルト、超高温(UHT)、高温短時間(HTST)の各種殺菌機を用いることができる。更には、殺菌後の容器への充填方式も特に制限は無く、ホットパック充填(熱間充填)や無菌充填等を用いることができる。
飲料に使用できる容器は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、ガラス製容器、チアパック、紙容器等一般に飲料に使用されるものであれば特に限定するものではない。
本発明の飲料は、高濃度の(A)クロロゲン酸類を含むことから、クロロゲン酸類摂取用の飲料として好適である。
飲料の1本当りの容量は200mL、更に150mL、更に100mLとするのが服用感及び有効性の点で好ましい。
[分析方法]
(1)クロロゲン酸類(CGA9)の測定
(分析機器)
HPLCを使用した。
装置:Waters ACQUITY UPLC― H Class PDA
分離カラム:ACQITY UPLC HSS C18 2.1×100mm,1.8μm
検出器(紫外可視吸光光度計):L−2420
(分析条件)
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
紫外線吸光光度計検出波長:325nm
溶離液A:0.05mol/L酢酸、0.01mol/L酢酸ナトリウム及び0.1mmol/L HEDPO(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)を含有する5%(v/v)アセトニトリル、
溶離液B:アセトニトリル
(濃度勾配条件)
時間(分) A液(%(v/v)) B液(%(v/v))
0 100 0
2.5 100 0
3.5 95 5
5.0 95 5
6.0 92 8
16.0 92 8
16.5 10 90
19 100 0
22 100 0
(クロロゲン酸類のリテンションタイム)
3−カフェオイルキナ酸(3−CQA):5.2min
5−カフェオイルキナ酸(5−CQA):8.7min
4−カフェオイルキナ酸(4−CQA):11.2min
3−フェルラキナ酸(3−FQA):12.6min
5−フェルラキナ酸(5−FQA):19.1min
4−フェルラキナ酸(4−QA):20.9min
3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−di−CQA):37.0min
4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−di−CQA)37.5min
3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−di−CQA):44.8min
求めた面積百分率から5−CQAを標準物質とし、9種の合計としてクロロゲン酸類を定量した。
(2)カフェイン、トリゴネリンの測定
上記(1)と同様に、カフェインは試薬カフェインを標準物質とし、5.2分のピーク面積から求めた面積比からカフェインを定量した。
トリゴネリンは標準品trigonelin 2HO(東京化成工業)を標準物質とし、0.45分のピーク面積から求めた面積百分率からトリゴネリンを定量した。
それぞれ波長270nmの吸光度により定量した。
(3)遊離アミノ酸の測定
遊離アミン酸は9種クロロゲン酸濃度を0.32質量%にし、プレカラム法により測定した。6−アミノキノリル−N−ヒドロキシスクシンイミジルカルバメート(AQC)を誘導体化試薬とし、アミノ酸と反応させた。遊離アミノ酸の標準はTHERMO SCIENTIFIC #20088を使用した。(FFI JOURNAL Vol.217,No.1,2012の方法に準拠)
アミノ酸量は、誘導体化試薬AQCの加水分解物の6−アミノキノリン(AMQ)、bis−アミノキノリンウレア、アンモニアを除く下記18種の合計質量とした。
His、Ser、Arg、Gly、Asp、Glu、Thr、Ala、Pro、Cys、Lys、Tyr、Met、Val、Ile、Leu、Phe、Trp
(4)タンパク質(P)の測定
全窒素を分析し、次式よりカフェイン、トリゴネリン、遊離アミノ酸に由来する窒素量(N分)を差し引いた。
タンパク質=(全窒素量質量%−0.288×カフェイン−0.1021×トリゴネリン−遊離アミノ酸N分)×6.25
全窒素は、微量全窒素計TN−100(三菱化学社製)を用いて0−100ppmの範囲にて試料を水で希釈し測定した。
(条件)
検出方式:酸化分解、化学発光法キャリアガス:酸素200mL/min
反応ガス:オゾン200mL/min
加熱炉温度:上部800℃、下部500℃
(5)分子量5000以下のタンパク質(P5K)の測定 試料溶液を固形分濃度5質量%に調整し、撹拌式加圧濾過セル(メンブレン直径44.5mm、有効濾過面積13.4cm、最大処理容量50mL)に分画分子量5000の限界濾過膜PLCC(日本ミリポア社製、材質:再生セルロース)を装着し、窒素ガスをゲージ圧300kPa、温度25℃にて加圧濾過した。濾過液を25mL回収した時(50%回収率で規定)のタンパク濃度を求め、濾過前のタンパク濃度で除した。
尚、「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
[クロロゲン酸製剤の調製]
(1)クロロゲン酸製剤Aの調製
ベトナム産ロブスタ種の生コーヒー豆をハンマーミル KA MF10.2にてスクリーンサイズ4mmにて8000r/minで粉砕した。粉砕した生豆1200gを熱水7200g(95℃30−45分)にてバッチ抽出し、2号濾紙で濾過後、噴霧乾燥した。以下、これをクロロゲン酸製剤Aとした。固形分中のクロロゲン酸類量は32.0質量%であった。タンパク質量は10.4質量%、分子量5000以下のタンパク質量は3.1質量%であった。
(2)クロロゲン酸製剤Bの調製
クロロゲン酸製剤A200gを62%(w/w)のエタノール溶液800gにて溶解し、濾過助剤として結晶セルロース(ソルカフロック)10g、50gの酸性白土(水澤化学社製、ミズカエース#600)にて2時間撹拌後、2号濾紙で濾過し、濾液を100gの活性炭(クラレコールGW)にSV=1(hr−1)で通液した。これを強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオン SK−1BH)50gに通液し、エバポレーターで濃縮し、クロロゲン酸製剤Bを83g得た。クロロゲン酸類製剤Bの固形分濃度は37.9質量%であった。また、固形分中のクロロゲン酸類量は48.7質量%、タンパク質量は5.94質量%、分子量5000以下のタンパク質量は5.22質量%であった。
(3)クロロゲン酸製剤Cの調製
クロロゲン酸製剤Bをイオン交換水で5%溶解後(製剤Bの5%水溶液)、限外濾過膜(旭化成マイクローザ SEP−0013、分画分子量3000)にて流速750mL/分にて濾過液を90%回収した。このあと、ロータリーエバポレーターで200mLまで濃縮しクロロゲン酸製剤Cを得た。クロロゲン酸類製剤Cの固形分濃度は0.46質量%であった。また、固形分中のクロロゲン酸類量は73.9質量%、タンパク質量は3.7質量%、分子量5000以下のタンパク質量は3.48質量%であった。
(4)クロロゲン酸製剤Dの調製
クロロゲン酸製剤Bをイオン交換水で5%溶解後、3000mLを100gの強酸性陽イオン交換樹脂(SK−1BH)にSV10(hr−1)で通液した。この液をさらに活性化した弱塩基性陰イオン交換樹脂(メルク社 アンバーライト IRA−67)100gにSV10(hr−1)にて通液し、ロータリーエバポレーターで200mLまで濃縮した。クロロゲン酸類製剤Dの固形分濃度は16.3質量%であった。また、固形分中のクロロゲン酸類量は0.0質量%、タンパク質量は0.3質量%、分子量5000以下のタンパク質量は0.35質量%であった。
(5)クロロゲン酸製剤Eの調製
クロロゲン酸製剤Aの5%水溶液2000gを250gの強酸性陽イオン交換樹脂(SK−1BH)にSV10(hr−1)で通液後、合成吸着剤(ダイヤイオン セパビーズ SP−70)500gに通液した。次いで、限外濾過膜(旭化成マイクローザ AHP−0013、分画分子量50000)にて流速750mL/分にて濾過液を90%回収した。これをさらに限外濾過膜(旭化成マイクローザ ACP−0013、分画分子量13000)にて流速750mL/分にて残留液を100mL回収した。クロロゲン酸類製剤Eの固形分濃度は40.4質量%であった。また、固形分中のクロロゲン酸類量は0.0質量%、タンパク質量は0.22質量%、分子量5000以下のタンパク質量は0.012質量%であった。
(6)5−CGA・n水和物(東京化成工業社製)をクロロゲン酸製剤Fとした。
クロロゲン酸製剤A〜F中のクロロゲン酸類量、タンパク質量、分子量5000以下のタンパク質量を表1に示す。
Figure 0006809796
実施例1〜8及び比較例1〜10
[飲料の調製]
表2の処方表に従い、各成分を配合して飲料を得た。pHは、クエン酸又はクエン酸ナトリウムを使用して調整した。
[風味評価]
実施例1〜8及び比較例1〜10で得た飲料について風味評価を行った。
各実施例、比較例で得られた飲料50mLを5名の専門パネラーが試飲して雑味、不快臭及びコク感について下記の基準にて官能評価を行った。平均値を評点とした。
結果を表2に示す。
(雑味の評価基準)
雑味とは、生コーヒー豆の苦味、渋味等の雑味をいう。
5:雑味がない
4:雑味がかなり少ない
3:雑味が少ない
2:雑味がある
1:雑味が多い
(不快臭の評価基準)
不快臭とは、生コーヒー豆のジメチルスルフィド(DMS)様の臭いである。
5:不快臭を感じない
4:不快臭を殆ど感じない
3:不快臭を感じる
2:不快臭を強く感じる
1:不快臭を非常に強く感じる
(コク感の評価基準)
コク感は、飲用時の深みのある濃厚な味わいを意味する。
5:コク感を非常に強く感じる
4:コク感を強く感じる
3:コク感を感じる
2:コク感をやや感じる
1:コク感を感じない
Figure 0006809796
比較例11
[飲料の調製]
実施例1と同様にして、表3の処方表に従い、各成分を配合して飲料を得た。
[保存安定性の評価]
実施例8と、比較例4及び11で得た飲料について保存性安定性評価を行った。
試料20mLをバイアル管(50mL)に密閉し、55℃で3日間放置した。
放置後、クロロゲン酸類濃度を測定し、次式に従って保存開始前のクロロゲン酸類濃度で除してクロロゲン酸類の残存率を求め安定性の尺度にした。数値(残存率)が高い方が安定性に優れる。
クロロゲン酸類の残存率=(55℃で3日間保存後のクロロゲン酸類量/保存開始前のクロロゲン酸類量)
結果を表3に示す。
Figure 0006809796
表2から明らかなように、実施例1〜8の本発明品は、雑味と不快臭が少なくすっきりとした風味で、また、コク感が感じられる飲料であった。また、表3に示すように、pHを5以下に調整することで飲料中のクロロゲン酸類量の低下を抑えられ、保存安定性も良好であった。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)クロロゲン酸類 0.05〜2質量%、
    (B)コーヒー豆由来タンパク質、
    (C)酸味料
    を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(A)/(B)]が1〜40であり、成分(B)に占める(b)分子量5000以下のタンパク質の割合が1〜60質量%であり、且つpHが2〜3.5である飲料。
  2. (B)コーヒー豆由来タンパク質の含有量が0.005〜0.2質量%である請求項1記載の飲料。
  3. 生コーヒー豆抽出物及び/又は浅焙煎コーヒー豆抽出物を含有する請求項1又は2記載の飲料。
  4. 容器詰飲料である請求項1〜3のいずれか1項記載の飲料。
JP2016031973A 2016-02-23 2016-02-23 クロロゲン酸類含有飲料 Active JP6809796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016031973A JP6809796B2 (ja) 2016-02-23 2016-02-23 クロロゲン酸類含有飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016031973A JP6809796B2 (ja) 2016-02-23 2016-02-23 クロロゲン酸類含有飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017147957A JP2017147957A (ja) 2017-08-31
JP6809796B2 true JP6809796B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=59739989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016031973A Active JP6809796B2 (ja) 2016-02-23 2016-02-23 クロロゲン酸類含有飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6809796B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018023363A (ja) * 2016-08-04 2018-02-15 花王株式会社 容器詰飲料
JP2021178799A (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 株式会社龍榮総研 精力増強剤
WO2024117176A1 (ja) * 2022-11-30 2024-06-06 花王株式会社 飲食品組成物
WO2024117177A1 (ja) * 2022-11-30 2024-06-06 花王株式会社 飲食品組成物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05316953A (ja) * 1991-04-04 1993-12-03 Morinaga Milk Ind Co Ltd 粉末コーヒー調製品
JP2002330699A (ja) * 2001-05-02 2002-11-19 Tamao Ashida コーヒー豆の非破砕焙煎法によるタンパク質の異化反応制御及びその酸化防止方法
JP4653654B2 (ja) * 2005-12-20 2011-03-16 花王株式会社 コーヒー飲料
CN102355898B (zh) * 2009-03-18 2016-10-05 花王株式会社 能量消耗促进剂
JP2011000129A (ja) * 2010-10-04 2011-01-06 Ajinomoto General Foods Inc クロゲン酸類含有飲料
BR112015022480A2 (pt) * 2013-03-15 2020-03-10 Starbucks Corporation D/B/A Starbucks Coffee Company Método de produção de um produto de extrato comestível, método de produção de um extrato, extrato de café verde comestível, extrato de café verde e sem álcool, composição comestível e bebida

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017147957A (ja) 2017-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5576653B2 (ja) 環状ジペプチド含有飲料
JP5079379B2 (ja) 二次沈殿が抑制された精製クロロゲン酸類の製法
JP5238906B2 (ja) 焙煎コーヒー豆抽出物の製造方法
JP6809796B2 (ja) クロロゲン酸類含有飲料
EP2000034B1 (en) Method for production of chlorogenic acid-containing material
JP5877063B2 (ja) コーヒー抽出液
WO2011055789A1 (ja) アミノ酸を高濃度に含有する茶飲料
JP4994776B2 (ja) クロロゲン酸類組成物の製造方法
CN109862793B (zh) 含有绿原酸类的精制组合物
JP6139219B2 (ja) 容器詰コーヒー飲料
KR20070107086A (ko) 클로로겐산류 조성물의 제조 방법
EP3028577B1 (en) Concentrated coffee extract
JP6208117B2 (ja) ソリュブルコーヒー
JP2006306799A (ja) クロロゲン酸類組成物の製造方法
CN102651972B (zh) 茶多酚及其制造方法
JP4994777B2 (ja) クロロゲン酸類組成物の製造方法
EP3466269A1 (en) Composition containing caffeine and cycloalanylalanine
TWI577290B (zh) Coffee drinks
JP4876179B2 (ja) 濃縮コーヒー抽出液の製造方法
TW201440661A (zh) 咖啡飲料
JP2015091271A (ja) コーヒー飲料
JP6725237B2 (ja) ソリュブルコーヒー
JP6719193B2 (ja) 焙煎コーヒー豆の製造方法
JP6572003B2 (ja) 希釈用コーヒー組成物の製造方法
JP4871010B2 (ja) クロロゲン酸類含有物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201210

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6809796

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250